JPH08311254A - 樹脂組成物および成形物の製法 - Google Patents

樹脂組成物および成形物の製法

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JPH08311254A
JPH08311254A JP8169504A JP16950496A JPH08311254A JP H08311254 A JPH08311254 A JP H08311254A JP 8169504 A JP8169504 A JP 8169504A JP 16950496 A JP16950496 A JP 16950496A JP H08311254 A JPH08311254 A JP H08311254A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形物表面に波模様が発生するのを防止する
こと。 【解決手段】 (A)ポリオレフィン (C)炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩、エチレンジ
アミン四酢酸金属塩およびハイドロタルサイトから選ば
れる少なくとも1種の化合物および(D)エチレン含有
率68〜98モル%、酢酸ビニル成分のケン化度20%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン
(A)とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)
(以下EVOHという)からなる組成物を溶融成形する
際に、相溶性不良に基因して発生する成形異常(成形物
表面の波模様の発生)を改善した組成物およびそれを用
いた成形物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン(A)とEVOH(B)
とのブレンド組成物は特開昭56−20073号(U.
S.P4284671)などにみられるように既知であ
るが、この組成物は一般に相溶性が悪く、押出成形によ
りフィルム、シート、ボトルなどを成形すると、不均一
な相分離異物を生じやすく、特に長時間の運転により異
物が増加して外観を著しく損ねる。この相溶性不良を改
善するため、ハイドロタルサイトなどを配合することが
特開昭60−199040号(U.S.Patent4
613644)により知られている。しかしながらこの
ような方法では優れた効果は奏せられるものの、EVO
H量が少ない場合には有効であるが、EVOH量が多く
なると成形物の表面に波模様が生じ不十分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィン(A)、EVOH(B)および下記に示すハイドロ
タルサイトなどの化合物(C)からなる組成物を溶融成
形する際に成形物表面に波模様が発生するのを防止し、
これによってリグラインド等のスクラップ組成物を有効
に再利用し、外観美麗な成形物を得んとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ン(A)、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩、エチレ
ンジアミン四酢酸金属塩およびハイドロタルサイトから
選ばれる少なくとも1種の化合物(C)およびエチレン
含有率68〜98モル%、酢酸ビニル成分のケン化度2
0%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(D)(以下S−EVOHという)よりなる樹脂組成
物、とくにEVOH(B)に配合するために有効な樹脂
組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では前記(A)、(C)お
よび(D)を、EVOH(B)に配合することにより、
ブレンド組成物の相溶性を著しく改善し、EVOHの含
有量が少ない場合はもちろんのこと、EVOHの含有量
が多い場合においても長時間の連続運転が可能となり、
波模様のない外観良好なフィルム、シート、ボトルなど
を成形することができる。
【0006】本発明にいうポリオレフィン(A)とは、
高密度、中密度あるいは低密度のポリエチレン、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、あるいはブテン、ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類
を共重合したポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポリプ
ロピレンホモポリマー、エチレンをグラフト重合したポ
リプロピレン、あるいはエチレン、ブテン、ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共
重合したポリプロピレン、ゴム系ポリマーをブレンドし
た変性ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ−メチル
−1−ペンテン、あるいは上述のポリオレフィンに無水
マレイン酸を作用させた変性ポリオレフィンなどを含ん
でいる。本発明にとって特に重要なのはポリプロピレン
系樹脂であり、次いでポリエチレン系樹脂である。
【0007】また、本発明にいうEVOH(B)とはエ
チレンと酢酸ビニルの共重合体中の酢酸ビニル単位を加
水分解したものであれば任意のものを含むものである
が、ポリオレフィンとの相溶性が不良であるものは比較
的エチレン単位が少なく酢酸ビニル成分のケン化度(加
水分解度)が高いものである。特に、エチレン含有率が
20〜65モル%、好適には20〜60モル%、最適に
は20〜50モル%で、酢酸ビニル成分のケン化度が9
6%以上、とりわけ99%以上のものはポリオレフィン
と複合して用いることにより優れた容器類が得られるこ
とから、本発明の適用対象として特に重要である。
【0008】本発明にいうEVOH(B)は5モル%以
下の範囲の共重合モノマーで変性されていてもよく、か
かる変性用モノマーとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アル
キルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチ
ル)メタクリルアミドあるいはその4級化物、N−ビニ
ルイミダゾール、あるいはその4級化物、N−ビニルピ
ロリドン、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルジメチルメトキシシラン等を例示することが
できる。またEVOH(B)のメルトフローインデック
ス(MI)(190℃、2160g荷重下で測定)は
0.1g/10分以上、好適には0.5g/10分以上
であり、また100g/10分以下、好適には50g/
10分以下、最適には30g/10分以下であることが
望ましい。
【0009】本発明において、S−EVOH(D)と
は、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の相溶
性を顕著に改善する目的で、特に選ばれ、新規に開発し
た特殊なEVOHであり、エチレン含有率68〜98モ
ル%、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上のエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物である。とくに相溶性改
良に有効なのは、エチレン含有率70モル%以上であ
り、さらに96モル%以下、さらに好適には94モル%
以下である。また酢酸ビニル成分のより有効なケン化度
は30%以上、とりわけ40%以上である。ケン化度の
上限は、とくに限定されないが、実質的に100%のケ
ン化度のものも使用できる。
【0010】エチレン含有率が68モル%未満、あるい
は酢酸ビニル成分のケン化度が20%未満、あるいはエ
チレン含有率が98モル%以上では流動異常が生じ外観
が悪くなる。またS−EVOH(D)のエチレン含有率
は(B)のEVOHのエチレン含有率より高く、好適に
は少なくとも5モル%高く、最適には少なくとも10モ
ル%高いことが望ましい。またS−EVOH(D)のM
Iは0.1g/10分以上、好適には0.5g/10分
以上であり、100g/10分以下、好適には50g/
10分以下、最適には30g/10分以下であることが
望ましい。
【0011】本発明にいうS−EVOH(D)は不飽和
カルボン酸またはその誘導体で変性されていてもよく、
かかる変性用酸モノマーとしてはα,β不飽和カルボン
酸、そのエステルあるいはその無水物であり、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、マレイン酸やフマル酸のモノメチルあるいはエチル
エステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸を例示する
ことができる。これらの酸モノマーは単独あるいは組合
わせて用いられる。
【0012】本発明においては、炭素数8〜22の高級
脂肪酸金属塩、エチレンジアミン四酢酸の金属塩および
ハイドロタルサイト系化合物から選ばれる化合物(C)
の1種または2種以上をS−EVOH(D)と併用する
ことにより、(A)、(B)および(C)の相溶性が一
段と改善される。とくにポリオレフィン(A)として残
存触媒であるチタニウム化合物を含むポリオレフィン、
とくにポリプロピレンを使用する場合にその効果は顕著
となる。上記(C)のうちハイドロタルサイト系化合物
が好適である。
【0013】炭素数8〜22の高級脂肪酸塩としては、
ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸などの高級脂
肪酸の金属塩、とくに周期率表第I族、第II族または第
III族の金属塩、たとえばカルシウム塩、マグネシウム
塩、亜鉛塩が好適である。
【0014】エチレンジアミン四酢酸の金属塩として
は、周期率表第I族、第II族または第III族の金属を含
む塩、たとえば二ナトリウム塩、三ナトリウム塩、四ナ
トリウム塩、二カリウム塩、三カリウム塩、四カリウム
塩、二ナトリウム一マグネシウム塩、二ナトリウム一カ
ルシウム塩、二ナトリウム一鉄塩、二ナトリウム一亜鉛
塩、二ナトリウム一バリウム塩、二ナトリウム一マンガ
ン塩、二ナトリウム一鉛塩、二カリウム一マグネシウム
塩などが好適である。
【0015】また、ハイドロタルサイト化合物として
は、特に MxAly(OH)2x+3y-2z(A)z・aH2O (MはMg、CaまたはZn、AはCO3またはHP
4、x、y、zは正数、aは0〜正数)で示される複
塩であるハイドロタルサイト化合物を挙げることがで
き、そのうち特に好適なものとしては次のようなものが
例示できる。
【0016】Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O Mg10Al2(OH)22(CO32・4H2O Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O Zn66(OH)16CO3・4H2
【0017】ポリオレフィン(A)とEVOH(B)の
組成比としては、ポリオレフィン(A):EVOH
(B)の重量比として60:40〜99.9:0.1、
とりわけ65:35〜99.7:0.3の範囲のものが
本発明の効果の点で特に重要であるといえる。
【0018】S−EVOH(D)の添加量は、EVOH
の種類、組成により影響し、一概に決められないが、ポ
リオレフィン(A)とEVOH(B)の合計量100重
量部に対して0.3重量部以上、実質的には0.3〜3
0重量部、とくに0.3〜20重量部、さらに好ましく
は、0.3〜10重量部の範囲で用いられる。0.3重
量部より少ないと相溶性改善効果が見られず、好ましく
ない。また、上限は必ずしもないが実用時には30重量
部以下で充分である。
【0019】化合物(C)の添加量は(A)、(B)お
よび(C)成分の種類に応じて相溶性改良効果が得ら
れ、なおかつ組成物の力学的物性、透明性、気体遮断性
などの諸物性を損なわない範囲で調製されるが、多くの
場合、その量はポリオレフィン(A)とEVOH(B)
の重量の合計量100重量部に対して0.00001〜
10重量部、とりわけ0.00001〜1重量部の範囲
で用いられる。10重量部を越えると相溶性以外の諸物
性が損なわれやすく好ましくない場合が多い。
【0020】次に前記(A)、(B)、(C)および
(D)のブレンド方法および成形方法について述べる。
ポリオレフィン(A)、EVOH(B)からなる組成物
を溶融成形するに際し、化合物(C)およびS−EVO
H(D)をあらかじめポリオレフィン(A)あるいはE
VOH(B)あるいは(A)、(B)両方に配合してブ
レンドペレット化したものを、前記組成物に配合して溶
融成形すれば、本発明の効果はさらに顕著となる。
【0021】S−EVOH(D)をあらかじめEVOH
(B)に配合しておく例としては、EVOH(B)10
0重量部にS−EVOH(D)を5〜100重量部配合
したものが挙げられる。このように、あらかじめS−E
VOH(D)をEVOH(B)にブレンドした場合に
は、S−EVOH(D)の添加量を少なくしても効果は
大きい。
【0022】本発明の組成物を得るためのブレンド方法
は、特別に制限はなく、4者をドライブレンドする方
法、S−EVOH(D)をポリオレフィン(A)または
EVOH(B)の全部または一部にあらかじめ配合して
おく方法、あるいは、ポリオレフィン(A)と化合物
(C)もしくはEVOH(B)と化合物(C)あるいは
ポリオレフィン(A)、EVOH(B)の両方に化合物
(C)をブレンドしたものに、残りの一成分または2成
分をドライブレンドする方法、各成分の粉砕物をドライ
ブレンドする方法、上記組成物をブレンドペレット化す
る方法、あるいはポリオレフィン(A)層、ポリオレフ
ィン(A)+化合物(C)層、EVOH(B)層および
EVOH(B)+化合物(C)層のいずれかを含む多層
シート、カップ、ボトル等の粉砕物(回収物)にS−E
VOH(D)、さらには必要に応じ、ポリオレフィン
(A)、EVOH(B)および化合物(C)を加え、ド
ライブレンド、あるいはブレンドペレット化する方法な
どがあげられる。また、化合物(C)は、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等でブレンドペレット化されたマスタ
ーバッチとして使用するのも効果的である。
【0023】とくに(D)および(C)成分をあらかじ
めポリオレフィンに配合してブレンドペレット化し、こ
れを(B)EVOHまたは(A)ポリオレフィンと
(B)EVOHに配合して溶融成形し成形物を製造する
ことが効果的である。
【0024】本発明において、S−EVOH(D)がポ
リオレフィン(A)、EVOH(B)および化合物
(C)の溶融成形物における相溶性をかくも顕著に向上
させる機構は十分明らかではないが、ポリオレフィン
(A)、EVOH(B)および化合物(C)の溶融系に
おけるレオロジー的効果、分散作用などが複雑に組合わ
さった状態においてS−EVOH(D)成分が有効に作
用しているものと推定される。
【0025】本発明の(A)、(C)および(D)から
なる樹脂組成物あるいは(A)、(B)、(C)および
(D)からなる樹脂組成物には、前記した特開昭60−
199040号に開示されている前記化合物(C)以外
の周期率第I族、第II族および第III族から選ばれる少
なくともひとつの元素を含む塩あるいは酸化物を配合す
ることもできるし、またポリオレフィンに慣用の他の添
加剤を配合することもできる。このような添加剤の例と
しては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止
剤、滑剤、着色剤、充填剤、あるいは他の高分子化合物
を挙げることができ、これらを本発明の作用効果が阻害
されない範囲内でブレンドすることができる。添加剤の
具体的な例としては次の様なものが挙げられる。
【0026】酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等。
【0027】紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−
3,3′−ジフェニルアクリレート、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メ
チルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−2,2′−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン等。 可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エス
テル等。
【0028】帯電防止剤:ペンタエリスリツトモノステ
アレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオ
レフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等 滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。 着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。
【0029】充填剤:グラスファイバー、アスベスト、
バラストナイト、ケイ酸カルシウム等。 また、他の多くの高分子化合物も本発明の作用効果が阻
害されない程度にブレンドすることもできる。
【0030】本発明の組成物を得るための各成分の配合
手段としては、リボンブレンダー、高速ミキサーコニー
ダー、ミキシングロール、押出機、インテイシブミキサ
ー等が例示される。
【0031】本発明の樹脂組成物は、周知の溶融押出成
形機、圧縮成形機、トランスフア成形機、射出成形機、
吹込成形機、熱成形機、回転成形機、ディップ成形機な
どを使用して、フィルム、シート、チューブ、ボトル、
カップなどの任意の成形品に成型することができる。成
形に際しての押出温度は樹脂の種類、分子量、組成物の
配合割合あるいは押出機の性質などにより適宜選択され
るが、多くの場合170〜350℃の範囲である。
【0032】本発明の(A)、(C)および(D)から
なる樹脂組成物に(B)を配合した樹脂組成物は多層構
造体の1層として使用するときは2層以上の任意の層構
成をとり得る。その層構成の適当な例としては、
(A)、(B)、(C)および(D)からなる樹脂組成
物をF、ポリオレフィンをA、EVOHをB、接着剤を
ADで表すと次の如き層構成となる。
【0033】ここでADとしては、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体で変性されたポリオレフィンが好適なも
のとしてあげられる。変性ポリオレフィン樹脂とは、ア
クリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボ
ン酸、そのエステルまたはその無水物;アクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチ
ル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、
アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム等の不
飽和カルボン酸誘導体;の群より選ばれた少なくとも1
種の不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性され
たポリオレフィン樹脂もしくはその配合物である。また
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニルまたはアクリル酸エステ
ル共重合体などが好適なものとしてあげられる。
【0034】2層 A/F 3層 A/F/B、F/B/F、F/AD/B 4層 F/B/AD/A、A/F/AD/B 5層 F/AD/B/AD/F、A/F/B/AD/
A、A/F/B/F/A 6層 A/F/AD/B/AD/A 7層 A/F/AD/B/AD/F/A
【0035】またこのような多層構造体において、
(A)、(B)、(C)および(D)からなる樹脂組成
物は、多層構造体のスクラップで代用することもでき
る。また他のポリオレフィン成形体のスクラップを混合
して使用することもできる。したがってADを使用する
場合は、樹脂組成物中にADが含まれることになる。
【0036】上記の層構成の多層構造体は、ガスバリヤ
ー性に優れたEVOHを含有しているので、とくにガス
バリヤー性の要求される食品包装材、医療品(医薬品、
医療用具など)包装材として有用である。とくにEVO
H(B)層と樹脂組成物(F)層の少なくとも2層から
なる多層構造体はガスバリヤー性の点で優れているので
好ましい。
【0037】多層成形方法としては、一般にいって樹脂
層の種類に対応する数の押出機を使用し、この押出機内
で溶融された樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時押
出成形するいわゆる共押出成形により実施する方法が最
良である。別の方法として、エキストルージョンコーテ
ィング、ドライラミネーションなどの多層成形方法も採
用されうる。また、本発明の樹脂組成物の単独成形品、
あるいは本発明の樹脂組成物を含む多層構造体を一軸延
伸、二軸延伸、あるいはブロー延伸などの延伸を実施す
ることにより、力学的物性、ガスバリヤー性などにさら
に特長ある物性を有する成形物を得ることができる。
【0038】こうして、本発明の樹脂組成物で得られた
成形物は、ブレンド組成物が均一で外観が美麗であるば
かりでなく、相溶性が良好で均一であることから強度物
性、ガスバリヤー性など多くの優れた特長を有しており
その工業的意義は大きい。以下、実施例により更に具体
的に説明する。なお、部は重量部を意味している。
【0039】
【実施例】
実施例1 低密度ポリエチレン(A)(メルトインデックスAST
M−D−1238、1.5g/10分、密度ASTM−
D−1505、0.92g/cm3)45部、S−EV
OH(D){エチレン含有率74モル%、酢酸ビニル成
分のケン化度82%、メルトフローインデックス(19
0℃、2160g)4.9g/10分}50部とハイド
ロタルサイト(C)5部を添加して、200℃の混練押
出機でブレンドペレット化し、マスターバッチを得た。
次にポリプロピレン樹脂(A){メルトフローインデッ
クス(ASTM−D1238、230℃)0.5g/1
0分}90部、EVOH(B){エチレン含有量33モ
ル%、ケン化度99.9%、メルトインデックス(19
0℃、2160g)1.5g/10分}10部、および
上記のマスターバッチ10部のドライブレンド樹脂を得
た。このドライブレンド樹脂を直径が40mm、L/D
=24、圧縮比3.8のフルフライト型スクリューを有
する押出機に仕込み、巾550mmのフラットダイを使
用して製膜を実施した。製膜温度は押出機を190゜〜
230℃、ダイを220℃とし、厚さが50μのフィル
ムを引取機にて巻取り、6時間の連続運転を実施した。
得られたフィルムは厚さが均一で、波模様はなく、また
相溶不良の相分離異物は見られなかった。
【0040】比較例1 低密度ポリエチレン(A)(メルトインデックスAST
M−D−1238、1.5g/10分、密度ASTM−
D−1505、0.92g/cm3)95部とハイドロ
タルサイト(C)5部を添加して、200℃の混練押出
機でブレンドペレット化し、マスターバッチを得た。実
施例1において、マスターバッチを上記のマスターバッ
チに代えた他は実施例1と同様にして、厚さ50μのフ
ィルムを得た。運転2時間後より、実施例1では見られ
ない、波模様がみられた。
【0041】実施例2 実施例1で使用した、ポリプロピレン樹脂(A)90
部、実施例1で使用したEVOH(B)10部および実
施例1で使用したマスターバッチ10部をドライブレン
ドした後、直径が40mm、L/D=24、圧縮比3.
8のフルフライト型スクリューを有する押出機で溶融押
出し、ペレット(F)を得た。上記ペレット(F)およ
び上記のEVOH(B)とマレイン酸変性ポリプロピレ
ン系の接着性樹脂(三井石油化学製ADMER QF−
500)(AD)を別々の押出機に仕込み、A/F/A
D/B/AD/F/A(膜厚比30/15/2.5/5
/2.5/15/30)の構つ成を有する4種7層の共
押出成形を実施し、シートを得た。押出成形はAは直径
が65mm、L/D=22の一軸スクリューを備えた押
出機を200〜240℃の温度として、Fは直径が40
mm、L/D=26の一軸スクリューを備えた押出機を
160〜220℃の温度として、ADは直径が40m
m、L/D=22の一軸スクリューを備えた押出機を1
60〜230℃の温度として、Bは直径が40mm、L
/D=26の一軸スクリューを備えた押出機を170〜
210℃の温度として、フイードブロック型ダイ(巾6
00mm)を240℃として、厚さ1000μのシート
を得た。24時間の連続運転後も波模様のない良好なシ
ートが得られ、相溶不良の相分離異物は見られず、流動
異常、デラミネーションは起こらなかった。
【0042】実施例3 低密度ポリエチレン(A)(メルトインデックスAST
M−D−1238、1.5g/10分、密度ASTM−
D−1505、0.92g/cm3)44部、S−EV
OH(D)(エチレン含有率74モル%、酢酸ビニル成
分のケン化度82%)50部、ハイドロタルサイト
(C)5部とステアリン酸カルシウム(C)1部を添加
して、200℃の混練機でブレンドペレット化し、マス
ターバッチを得た。実施例1で使用したポリプロピレン
樹脂(A)80部、実施例1で使用したEVOH(B)
20部およびマスターバッチ10部のドライブレンド樹
脂を使用した他は、実施例1と同様にして6時間の連続
運転を実施し、厚さ50μのフィルムを製膜した。得ら
れたフィルムは、厚さが均一で、波模様はなく、また相
溶不良の相分離異物は見られなかった。
【0043】実施例4 低密度ポリエチレン(A)(メルトインデックスAST
M−D−1238、1.5g/10分、密度ASTM−
D−1505、0.92g/cm3)49部、S−EV
OH(D)(エチレン含有率74モル%、酢酸ビニル成
分のケン化度82%)50部とステアリン酸カルシウム
(C)1部を添加して、200℃の混練機でブレンドペ
レット化しマスターバッチを得た。実施例1で使用した
ポリプロピレン樹脂(A)80部、実施例1で使用した
EVOH(B)20部およびマスターバッチ10部のド
ライブレンド樹脂を使用した他は実施例1と同様にして
6時間の連続運転を実施し、厚さ50μのフィルムを製
膜した。得られたフィルムは、均一、かつ相溶性は良好
であるが、一部僅かに相分離異物が見られた。
【0044】実施例5 低密度ポリエチレン(A)(メルトインデックスAST
M−D−1238、1.5g/10分、密度ASTM−
D−1505、0.92g/cm3)45部、S−EV
OH(D)(エチレン含有率74モル%、酢酸ビニル成
分のケン化度82%)50部とエチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム一カルシウム(C)5部を添加して、20
0℃の混練機でブレンドペレット化し、マスターバッチ
を得た。実施例1で使用したポリプロピレン樹脂(A)
80部、実施例1で使用したEVOH(B)20部およ
びマスターバッチ10部のドライブレンド樹脂を使用し
た他は、実施例1と同様にして6時間の連続運転を実施
し、厚さ50μのフィルムを製膜した。得られたフィル
ムは、わずかに相分離異物はみられたが、波模様はなか
った。
【0045】実施例6 実施例1で使用したポリプロピレン樹脂(A)90部、
実施例1で使用したEVOH(B)10部、実施例2で
使用したマレイン酸変性ポリプロピレン系の接着性樹脂
10部および実施例1で使用したマスターバッチ10部
をドライブレンドした後、直径が40mm、L/D=2
4、圧縮比3.8のフルフライト型スクリューを有する
押出機で溶融押出し、ペレットを得た。実施例2におい
て、ペレット(F)の代わりに上記ペレットを使用した
他は、実施例2と同様にして、厚さ1000μのシート
を得た。48時間の連続運転後も、波模様のない良好な
シートが得られ、相溶不良の相分離異物は見られず、流
動異常、デラミネーションは得られなかった。
【0046】実施例7 実施例1においてS−EVOH(D)の代わりにS−E
VOH(D){エチレン含有率89モル%、ケン化度9
1%、酸価3.0mgKOH/g、メルトインデックス
(190℃、2160g)4.0g/10分}を使用し
た他は、実施例1と同様にして、6時間の連続運転を実
施した。得られたフィルムは波模様は見られず、また相
溶不良の相分離異物も見られなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、とくにEVOH
に配合して使用した場合に、優れた相溶性を有してお
り、この樹脂組成物より得られた成形物表面には波模様
の発生がなく、外観が美麗である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LDM C08L 29/04 LDM (72)発明者 祢▲ぎ▼ 太一 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン (C)炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩、エチレンジ
    アミン四酢酸金属塩およびハイドロタルサイトから選ば
    れる少なくとも1種の化合物および(D)エチレン含有
    率68〜98モル%、酢酸ビニル成分のケン化度20%
    以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物からなる、
    (B)エチレン含有率20〜65モル%、酢酸ビニル成
    分のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共
    重合体ケン化物に配合するための樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)および(D)成分をあらかじめ
    (A)成分に配合し、次いでこれを(B)に配合して溶
    融成形することを特徴とする成形物の製法。
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