JPH08311248A - クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法

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JPH08311248A
JPH08311248A JP12361895A JP12361895A JPH08311248A JP H08311248 A JPH08311248 A JP H08311248A JP 12361895 A JP12361895 A JP 12361895A JP 12361895 A JP12361895 A JP 12361895A JP H08311248 A JPH08311248 A JP H08311248A
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chloroprene polymer
chloroprene
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acid ester
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Hiroaki Oba
宏昭 大場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐疲労性及び耐オゾン性に優れたクロロプレ
ン系重合体組成物及びその製造方法を提供する。 【構成】 クロロプレン重合体に、エポキシ基及び/ま
たは活性ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物と
α,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を含有
してなるクロロプレン系重合体組成物、及び、クロロプ
レン重合体ラテックスと、エポキシ基及び/または活性
ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物とα,β−
不飽和カルボン酸エステルとの共重合体エマルジョンを
混合することを特徴とするクロロプレン系重合体組成物
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐疲労性に優れ、更に
耐オゾン性にも優れたクロロプレン系重合体組成物及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロプレン重合体は、一般ゴム物性、
耐候性、耐熱性、耐薬品性などの物性のバランスが良好
であるため、一般工業用ゴム製品、自動車部品、接着剤
等幅広い分野で使用されている。しかしながら、近年ゴ
ム製品が使用される環境が苛酷になってきており、従来
のクロロプレン重合体では対応が困難な状況になってき
てる。
【0003】このような要求特性の一つとして、耐疲労
性及び耐オゾン性があるが、クロロプレン重合体におい
ては、老化防止剤を添加することによって耐オゾン性を
改良する方法が一般的であり、広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、老化防
止剤を添加する方法では、未加硫物の焼け、老化防止剤
のブルーム、加硫物の引張り強度の低下等の問題を引き
起こす虞れがあるため、老化防止剤の種類や使用量の選
定が難しいばかりでなく、耐疲労性、耐オゾン性の改良
効果も十分なものではなかった。
【0005】本発明は、かかる欠点を解決するものであ
り、耐疲労性及び耐オゾン性を大幅に改良させたクロロ
プレン系重合体組成物及びその製造方法の提供を目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ク
ロロプレン重合体に、エポキシ基及び/または活性ハロ
ゲン基を有するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽
和カルボン酸エステルとの共重合体を含有してなるクロ
ロプレン系重合体組成物に関するものであり、より具体
的には、上記のα,β−不飽和カルボン酸エステルがア
クリル酸エステルであること、さらに、アクリル酸エス
テルがn−ブチルアクリレートであることを特徴とする
クロロプレン系重合体組成物に関するものである。ま
た、本発明は、クロロプレン重合体ラテックスと、エポ
キシ基及び/又は活性ハロゲン基を有するエチレン性不
飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共
重合体エマルジョンを混合することを特徴とするクロロ
プレン系重合体組成物の製造方法に関するものである。
【0007】本発明におけるクロロプレン重合体とは、
2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと
記す)の単独重合体、又はクロロプレン及びクロロプレ
ンと共重合可能な単量体の1種以上を重合させて得られ
る共重合体のことである。
【0008】本発明におけるクロロプレンと共重合可能
な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジ
エン、イソプレン、硫黄、スチレン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそ
のエステル等が例示でき、必要に応じて2種以上用いて
もかまわない。
【0009】本発明におけるクロロプレン単独、又はク
ロロプレン及びこれと共重合し得る単量体を含んだ単量
体混合物の重合方法は公知の如何なる方法によることも
できるが、水性乳化液中でラジカル重合させる方法が最
も一般的で且つ適当ある。
【0010】水性乳化重合を行う際の乳化剤としては特
に制限は無く、一般的にクロロプレンの乳化重合に使用
される乳化剤、例えばロジン酸塩、脂肪酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、あるいは
アルキルポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル等のノニオン系乳化剤、更に第4級アンモニウム塩等
のカチオン系乳化剤等が使用できる。しかし、好ましく
は、ロジン酸塩、脂肪酸塩等のアニオン系乳化剤であ
る。
【0011】本発明における重合温度には特に制限は無
いが、好ましくは0〜55℃の範囲である。重合温度が
0℃より低い場合には水の凝固が問題となり、55℃よ
り高い場合にはクロロプレンの蒸気圧の関係から加圧設
備が必要となってくる。
【0012】クロロプレン重合体の分子量の調節は、通
常、連鎖移動剤を用いて行うが、連鎖移動剤としては、
一般的に知られている、例えば、ドデシルメルカプタン
等のアルキルメルカプタン、ジエチルキサントゲンジス
ルフィド等のキサントゲンジスルフィド、ヨードホルム
等のハロゲン化炭化水素等が使用できる。
【0013】重合開始剤としては、通常のクロロプレン
の乳化重合法で用いられている有機又は無機の過酸化物
でよく、例えば過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等が例示できる。また、反応の制御や
重合を完全に行う目的でレドックス系のラジカル開始剤
を用いることもできる。
【0014】本発明におけるエポキシ基及び/または活
性ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物とα,β
−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体は、重合体中
にエポキシ基及び/又は活性ハロゲン基を含有するα,
β−不飽和カルボン酸エステルの共重合体である。
【0015】ここで、α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルとは、α,β−不飽和カルボン酸とアルコールの反応
によって得られるエステルのことである。α,β−不飽
和カルボン酸の例としては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げ
られるが、特にアクリル酸が好ましい。
【0016】また、アルコールの例としては、エチルア
ルコール、ブチルアルコール、ドデシルアルコール、オ
クタデシルアルコール等のアルキルアルコール、アリル
アルコール等のアルケニルアルコール、シクロペンチル
アルコール、シクロヘキシルアルコール等の環状アルコ
ール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の
アラルキルアルコール、メトキシエチルアルコール、エ
トキシエチルアルコール、グリシジルアルコール、ジア
ルキルアミノエチルアルコールなどが例示できるが、中
でもn−ブチルアルコール及びエチルアルコールが好ま
しく、特ににn−ブチルアルコールが好ましい。
【0017】また、エポキシ基を有するエチレン性不飽
和化合物としては、グリシジルメタアクリレート、グリ
シジルアクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
た、それらの使用量も特に制限されるものではないが、
0.1〜10重量%(エポキシ基を有するエチレン性不
飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステル類の合
計量に対して)の使用が好ましい。
【0018】また、活性ハロゲン基を有するエチレン性
不飽和化合物としては、ビニルベンジルクロリド、ビニ
ルベンジルブロミド、2−クロロエチルビニルエーテ
ル、ビニルクロルアセテート、ビニルクロルプロピオネ
ート、アリルクロルアセテート、アリルクロルプロピオ
ネート、2−クロルエチルアクリレート、2−クロルエ
チルメタクリレート、クロルメチルビニルケトン、2−
クロルアセトキシメチル−5−ノルボルネンなどが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。またその
使用量も特に制限されるものではないが、0.1〜10
重量%(活性ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合
物とα,β−不飽和カルボン酸エステル類の合計量に対
して)の使用が好ましい。
【0019】なお上記のエポキシ基を有するエチレン性
不飽和化合物や、活性ハロゲン基を有するエチレン性不
飽和化合物は、アクリルゴムの架橋性モノマーとして知
られており、アクリルゴムに導入することでアクリルゴ
ムを架橋可能にする。このような架橋性モノマーとして
は、アルキリデンノルボルネン、アルケニルノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン
などのジエン系化合物や、アクリル酸、メタクリル酸な
どのカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物なども
知られているが、本発明のクロロプレン系重合体組成物
においてその耐疲労性を改良し得るのはエポキシ基を有
するエチレン性不飽和化合物と、活性ハロゲン基を有す
るエチレン性不飽和化合物に限られる。
【0020】本発明のエポキシ基及び/又は活性ハロゲ
ン基を有するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽和
カルボン酸エステルとを共重合する方法としては、公知
の如何なる方法も用い得るが、乳化ラジカル重合による
方法が一般的である。
【0021】また、該α,β−不飽和カルボン酸エステ
ル類を乳化重合する際の乳化剤としては、クロロプレン
の重合と同様、種々の乳化剤が使用できる。
【0022】また、該α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの重合温度は、0〜90℃の間で選定するのが好まし
く、0℃以下では水の凝固が、また、90℃以上では水
の蒸発が問題となる。
【0023】本発明のクロロプレン系重合体組成物は、
クロロプレン重合体に、エポキシ基及び/又は活性ハロ
ゲン基を有するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽
和カルボン酸エステルとの共重合体を含有することが必
須である。この含有比率には特に制限はないが、クロロ
プレン重合体が本来有する各種物性を損なうことなく、
耐疲労性及び耐オゾン性に優れた組成物とするために
は、エポキシ基及び/又は活性ハロゲン基を有するエチ
レン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステ
ルとの共重合体の含有量は、3〜60重量%の範囲が好
ましく、5〜40重量%がより好ましく、5〜30重量
%が更に好ましい。
【0024】また、本発明のクロロプレン系重合体組成
物は、エポキシ基及び/又は活性ハロゲン基を有するエ
チレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エス
テルとの共重合体をクロロプレン重合体に含有させたも
のである。その製造方法は特に制限されるものではない
が、製造方法の例を挙げれば、該共重合体とクロロプレ
ン重合体とを混合すればよく、例えば、乳化重合で得た
ラテックス及びエマルジョンを混合する方法、固体状の
重合体同士をオープンロール、ニーダー、バンバリーミ
キサー、単軸または二軸押出機などで混練することによ
る方法、有機溶媒に溶解した溶液同士をブレンドする方
法等が用いられる。なかでも、乳化重合で得たラテック
ス及びエマルジョンの形で混合する方法は、均一な混合
物を容易に得ることができるので好ましい。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではな
い。なお以下の説明においては、部および%は、重量基
準によって示す。
【0026】クロロプレン重合体ラテックス(A1)の
製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤として不均化ロジン酸5部、水酸化カリウ
ム1.0部、分散剤としてホルムアルデヒドナフタレン
スルホン酸縮合物のナトリウム塩0.8部を仕込み、溶
解後、撹拌しながらクロロプレン100部およびn−ド
デシルメルカプタン0.1部との混合物を加え、重合温
度40℃で、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム
を用いて重合し、単量体の転化率が65%に到達したと
き、ターシャリブチルカテコールとチオジフェニルアミ
ンを加えて重合を停止させ、未反応単量体を減圧下で除
去することによりクロロプレン重合体ラテックス(A
1)を得た。
【0027】クロロプレン重合体ラテックス(A2)の
製造 クロロプレン100部の代わりに、クロロプレン95部
と2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン5部を使用し
た以外はクロロプレン重合体ラテックス(A1)の場合
と同様にしてクロロプレン重合体ラテックス(A2)を
得た。
【0028】α,β−不飽和カルボン酸エステルからな
る共重合体(B1)の製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム5部を仕込み溶解後、n−ブチルアクリレート10
0部、グリシジルメタアクリレート1.5部、n−ドデ
シルメルカプタン0.1部を撹拌しながら加えた。重合
温度70℃でラジカル開始剤として過硫酸カリウムを用
いて単量体の転化率が98%となるまで重合を行うこと
により、n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン
(B1)を得た。
【0029】α,β−不飽和カルボン酸エステルからな
る共重合体(B2〜B4)の製造 表1に示すα,β−不飽和カルボン酸エステル類、架橋
性モノマー、連鎖移動剤量で、共重合体(B1)と同様
にしてα,β−不飽和カルボン酸エステル類からなる共
重合体(B2〜B4)を得た。
【0030】実施例1 上記で得られた(A1)と(B1)を、(A1)100
部に対し(B1)10部(固形分換算)を撹拌しながら
添加し、更に充分に撹拌した後、凍結凝固乾燥法によっ
てクロロプレン系重合体組成物を得た。
【0031】実施例2〜3、比較例1〜3 表2に示したクロロプレン重合体とα,β−不飽和カル
ボン酸エステル類の共重合体を使用し、実施例1同様の
操作でクロロプレン系重合体組成物を得た。
【0032】上記のクロロプレン系重合体組成物(生ゴ
ム)を、表3に示す処方で加硫物とし、物性試験を実施
した。硬度、引張強さ、伸びはJIS−K6301に準
拠して試験を行い、耐オゾン性はJIS−K6259に
準拠して動的オゾン試験(引張法)を行った。また耐疲
労性は、JIS3号ダンベルをデマーチャ式疲労試験機
を用いて、300サイクル/分の速度で伸長率0〜10
0%の繰り返しを、100℃にて行い、試料が破断する
までの繰り返し回数を測定した。試験結果を表4に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】以上の通り本発明のクロロプレン系重合
体組成物は、耐疲労性と耐オゾン性に優れており、しか
も、クロロプレン重合体が本来備えている優れた機械的
物性も保持されている。従って、特に自動車工業分野に
おける、ゴムブーツ、具体的には等速ジョイントブー
ツ、ラック&ピニオンブーツ、ボールジョイントブーツ
等の素材として好適である。また、ゴムホース、具体的
にはブレーキホース、パワーステアリングホース、フュ
ーエルホース、ラジエーターホース、カーエアコンホー
ス等の自動車用ホースや各種高圧ホース等の外装用ゴム
素材としても好適である。さらに、本発明のクロロプレ
ン系重合体組成物は、建築用ガスケット、具体的には、
エアータイト、スペーサー、グレイジングガスケット、
目地用ガスケット、ジッパーガスケット、セッティング
ブロック、エキスパンション等の素材としても好適であ
り、防振ゴム、ベルト関係にも好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロプレン重合体に、エポキシ基及び
    /または活性ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合
    物とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を
    含有してなるクロロプレン系重合体組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、α,β−不飽和カル
    ボン酸エステルがアクリル酸エステルであることを特徴
    とするクロロプレン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2において、アクリル酸エステル
    がn−ブチルアクリレートであることを特徴とするクロ
    ロプレン系重合体組成物。
  4. 【請求項4】 クロロプレン重合体ラテックスと、エポ
    キシ基及び/又は活性ハロゲン基を有するエチレン性不
    飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共
    重合体エマルジョンを混合することを特徴とするクロロ
    プレン系重合体組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013141170A1 (ja) * 2012-03-19 2013-09-26 昭和電工株式会社 クロロプレンゴム系重合体ラテックス組成物及びその用途

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013141170A1 (ja) * 2012-03-19 2013-09-26 昭和電工株式会社 クロロプレンゴム系重合体ラテックス組成物及びその用途
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