JPH08309404A - 連続鋳造スラブの熱間幅圧下圧延時の表面割れ防止方法 - Google Patents

連続鋳造スラブの熱間幅圧下圧延時の表面割れ防止方法

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JPH08309404A
JPH08309404A JP13883895A JP13883895A JPH08309404A JP H08309404 A JPH08309404 A JP H08309404A JP 13883895 A JP13883895 A JP 13883895A JP 13883895 A JP13883895 A JP 13883895A JP H08309404 A JPH08309404 A JP H08309404A
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cooling
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rolling
width reduction
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Hideyuki Misumi
秀幸 三隅
Kiyoshi Ochi
清 越智
Shuntaro Saito
俊太郎 斉藤
Toshiya Komori
俊也 小森
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Nb、Al、TiやV等を含有する鋼を連続
鋳造によって製造した後、熱間で幅圧下する時に発生す
る割れ欠陥を回避する連続鋳造方法および幅圧下方法を
提供する。 【構成】 鋳造時に冷却・復熱を特定の温度域で2回以
上繰り返すと共に、1回目の幅圧下率を5%以下とし、
2回目以降の幅圧下率を5%以上とすることにより、熱
間圧延時の加工性を低下させるγ粒界の炭窒化物を抑制
すると共に、温度低下及び歪み速度が速くなるに連れて
低下する熱間加工性を改善し、幅圧下時の割れ欠陥を防
止する連続鋳造方法および熱間圧延方法。 【効果 】 熱間で幅調整圧延した場合に発生する割れ
欠陥が防止できることから、直送圧延可能な良鋳片が、
経済性を損なわずに得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Al:0.020〜
0.100%、Nb:0.005〜0.100%、V:
0.005〜0.150%、Ti:0.005〜0.1
00%のいずれか1種または2種以上を含有し、N≧3
0ppmを含有するアルミキルド鋼またはアルミシリコ
ンキルド鋼の連続鋳造スラブを冷却することなく、熱間
で幅圧下する際に生じる表面割れ欠陥を防止する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図1に示す如き連続鋳造法によっ
て鋳型1により一定幅で鋳造したスラブ(鋳片)6を冷
却することなく、保温あるいは僅に加熱した後、溝型を
有する幅圧下用ロール8,8を用いて熱間で幅圧下圧延
を行い、所望の幅に調整して製造される熱間圧延用スラ
ブは、図2の10に示す如く該ロールで圧下される位置
(幅方向両端部)は、押し出し成形のため圧縮歪とな
り、ロールに接しない幅中央部は圧延方向に引張歪を受
けることから、幅方向断面がドッグボーン状になる。こ
の熱間圧延中に鋳片幅中央部の表面に割れ欠陥が発生し
易いことが知られている。
【0003】特に、近年熱間圧延や冷間圧延して製造さ
れる製品の材質を制御するために、Nb,VあるいはT
i等が活用される鋼が増加してきているが、これらの鋼
を連続鋳造によって鋳造したスラブを冷却することな
く、そのまま熱間で幅圧下圧延し所望のスラブ幅を得る
方法が確立されているが、このような工程を経て製造し
たスラブをそのまま熱間圧延し製品にすると、ヘゲ疵と
称される熱間で幅圧下する際に生じた割れ欠陥に起因す
る表面欠陥が発生することが多い。このため幅調整後の
高温スラブの疵検査のための新たな設備導入や、一旦冷
却し手入れを行う等の防護策を講じる必要があり、直送
圧延比率を向上させる上で大きな障害になっていた。
【0004】このような熱間での幅圧下時の表面欠陥の
発生機構や防止方法については、従来より多くの研究が
なされており、それなりに効果を発揮してきている。例
えば、NbやVを含有する鋼を弯曲型連続鋳造機で鋳造
する際、曲げあるいは矯正によって発生する、表面欠陥
を防止する方法として、連鋳機内の二次冷却帯において
Ar1 変態点以下まで冷却した後、Ac3 からAc3
100℃の範囲の冷却・復熱を2回以上行いγ粒の微細
化と炭窒化物等の粒界析出を防止し、変態時の粒界への
フィルム状フェライトの析出を防止する技術が、特開昭
55−14173号公報に開示されている。
【0005】また、連続鋳造鋳片を1.0℃/sec以
下の速度で冷却し、950〜1300℃で所定時間保持
した後、5/sec以下の歪速度で1パス50mm/片
側以上の幅圧下を熱間で行うことにより、内部割れや表
面割れを防止する技術が特開昭56−33104号公報
に開示されている。
【0006】さらに、連続鋳造した鋳片を冷却過程にお
いて、1200〜1050℃の温度域で10分程度の時
間保持した後、Ar3 変態温度以上で直接あるいは直送
圧延することにより、表面割れ欠陥を防止する技術が特
開昭62−212002号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した技術から明ら
かなように、鋼の熱間加工性は、γ粒径と炭窒化物や硫
化物等の析出状態の影響を強く受け、γ粒径が微細なほ
ど、またγ粒界への析出が少ないほど、熱間加工性が向
上することは公知の事実であるものの、前記合金を添加
した割れ感受性の高い鋼を連続鋳造によって製造し、直
送あるいは直接熱間圧延する場合に、これら因子を効果
的に制御し得る技術の確立が強く望まれていた。
【0008】かかる課題に対して、前記した特開昭55
−14173号公報に開示されている方法は、鋳造中に
例えば曲げあるいは矯正部で生ずる表面欠陥を防止する
技術であることは、実施例で示される図等から自明であ
り、鋳片の表面欠陥の防止には有効な方法であるもの
の、得られた鋳片を冷却することなく熱間圧延により、
幅圧下するプロセスでは、高温保持あるいは加熱中にγ
粒は再び粗大化する上、炭窒化物が粒界に析出すること
から、アスペクト比が3以上の鋳片を、該熱間圧延によ
り幅圧下を行う場合に特有な、圧延方向に引張歪を受け
る鋳片幅中央部の割れ欠陥の防止には、有効な手段とは
なり得ないものである。
【0009】また、特開昭56−33104号公報に開
示されている方法を用いて製造すると、γ粒界に析出し
た硫化物や炭窒化物は球状化し、熱間圧延温度域での加
工性は向上するものの、該微量合金を含む鋼の場合に
は、保持中にこれらの析出物が新たにγ粒界に多数析出
するために、熱間加工性を著しく劣化せしめ、熱間での
幅圧下圧延中、特に圧延方向に引張変形を受ける幅方向
中央に発生する、割れ欠陥を防止することはできない。
【0010】また、特開昭62−212002号公報に
開示されている方法を用いて製造すると、γ粒界に析出
した硫化物を効果的に形態制御できることから、一般の
鋼を熱間圧延する場合には極めて有効な手段であるが、
例示された割れ感受性が高まる微量合金を含む鋼の場合
には、開示された温度域で保持すると炭窒化物を容易に
形成し、γ粒界に析出して熱間加工性を著しく損なうこ
とになり、特に熱間で幅圧下する際の特有な、圧延方向
に引張歪を受ける鋳片幅中央部の割れ欠陥の防止には、
何ら有効な手段とはなり得ないものである。
【0011】このように、特に炭窒化物を析出し易い合
金を含有した鋼を連続鋳造した後、引き続いて溝付きロ
ールによって熱間で幅調整するために幅圧下圧延を行う
場合に特有の課題である、圧延方向に引張歪を受ける鋳
片幅中央部の割れ欠陥を有効に防止する抜本的な技術は
見出されていなかった。
【0012】従って、これらの鋼を熱間圧延によって幅
圧下し、欠陥発生を最小に抑えながら鋳片幅を造り込む
ために、1パス当たりの圧下量を規制する方法が用いら
れていることから、所望の幅にするためにはパス回数が
増大し生産性を阻害したり、あるいは幅圧下後の鋳片を
直送圧延せず、一度冷却し冷間にて疵検査や手入れ行等
の方法が用いられていることから、工程障害となるなど
経済性の面で劣る製造方法であった。このような工程に
おいても割れ欠陥が発生せず、直送圧延可能な表面およ
び内部性状の良好な鋳片の製造法が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、Al:0.020〜0.100%、Nb:0.0
05〜0.100%、V:0.005〜0.150%、
Ti:0.005〜0.100%のいずれか1種または
2種以上を含有し、N≧20ppmのアルミキルド鋼ま
たはアルミシリコンキルド鋼を、前述した図1に示す弯
曲型連続鋳造機の鋳型1でスラブ6に鋳造し、この鋳片
スラブ6を弯曲型連続鋳造機の二次冷却帯2を経て、最
終曲げ矯正部5以降でスラブ表面から10mm以内の温
度を第1冷却装置3と、第2冷却装置4等によってAr
3 −100℃以下の冷却と、1000℃以上1250℃
以下に昇温させる冷却・復熱を2回以上繰り返した後、
カッター7で分割後、冷却することなく熱間で幅圧下用
ロール8で幅圧延を行う方法において、1回目の幅圧下
率を5%以下とし、2回目以降の幅圧下率を5%以上で
行うことを第1の特徴とし、さらに第2回目以降の幅圧
下率を暫減させて歪速度を定率または/および暫減させ
ることを第2の特徴とする連続鋳造スラブの熱間で幅圧
下圧延を行う際のスラブ表面の割れ防止方法にある。
【0014】
【作用】本発明者らは、上記課題を解決するために該割
れ感受性の高い鋼種を用いて各種鋳造実験を行い、鋳造
時の冷却条件や圧延条件を変更した鋳片の該表面欠陥と
鋳片断面の組織の実態調査と解析を行った。ここで、鋳
造実験に供した鋼種は、C:0.02〜0.09%,M
n:0.10〜0.70%,Si:0.01〜0.30
%,P:0.002〜0.025%,S:0.001〜
0.030%,Al:0.020〜0.100%を含有
し、さらにNb:0.005〜0.090%,V:0.
005〜0.100%,Ti:0.005〜0.080
%の1種または2種以上を含有し、N:10〜100p
pmで残部Feおよび不可避的な成分からなるAlキル
ド鋼、およびC:0.08〜0.28%,Mn:0.5
0〜1.60%,Si:0.10〜0.50%,P:
0.002〜0.025%,S:0.001〜0.02
0%,Al:0.020〜0.100%を含有し、さら
にNb:0.005〜0.090%,V:0.005〜
0.100%,Ti:0.005〜0.080%の1種
または2種以上を含有し、N:10〜100ppmで残
部Feおよび不可避的な成分からなるAl−Siキルド
鋼である。
【0015】まず、一般的な連続鋳造方法で鋳片を製造
し、しかる後幅圧下を行った場合の熱間圧延後の鋳片に
おける表面割れ欠陥の発生率は、本発明者らが既に開示
しているように、Al:0.020〜0.100%,N
b:0.005〜0.090%,V:0.005〜0.
100%,Ti:0.005〜0.080%のいずれか
1種または2種以上を含有し、N:20ppm以上を含
有する鋼の場合には、図3●印で示すように幅圧下量が
大きくなるほど高くなる傾向がある反面、この条件を満
たさない鋼の場合には割れ欠陥が発生しない傾向があ
る。また、連続鋳造中に冷却・復熱を繰り返した後、熱
間で幅圧下した鋳片は、図3○印で示すように該欠陥発
生率が少ない特徴がある。
【0016】本発明者らは、これらの原因について詳細
に解析を行ったところ、連続鋳造中に前記条件の冷却・
復熱を繰り返した鋳片表面近傍には、Al,Ti,Nb
およびV等の炭窒化物の析出量が極めて少なく、またγ
粒も微細化しているとの知見を得た。そこで、本発明者
らはこのように表面割れが改善された鋳片の組織および
析出条件を明確にするため、実験室において冷却・復熱
のシミュレート実験を行い、前述したような組織の変化
や炭窒化物の析出挙動について詳細に調査を行った。そ
の結果、冷却と復熱を行うと前記公報に開示されている
ように、γ粒の微細化が起こるとともに、炭窒化物の析
出量も減少することを見出した。
【0017】しかし、このような効果が発現できる条件
は、1回程度の冷却・復熱では不十分であり、少なくと
も2回以上繰り返すことにより、確実にγ粒径が微細化
するとともに炭窒化物の析出を抑制できることを見出
し、さらにその条件を明確にするため、冷却・復熱の温
度履歴を忠実にシミュレートできる熱サイクル再現シミ
ュレーター(フォーマスター)を使用して検討したとこ
ろ、従来提案されているAr1 以下まで冷却する必要は
なく、高々Ar3 −100℃までで十分であり、この温
度まで急冷却すると該炭窒化物はγ粒界には析出せず、
α粒内に微細にかつ均一に分散析出することから、熱間
での加工性が改善できることを見出した。
【0018】一方、復熱条件について前記フォーマスタ
ーを用いて検討したところ、復熱または加熱温度は10
00℃以上1250℃以下が好適条件であり、1250
℃以上に加熱・復熱を行うと炭窒化物が分解し、熱間圧
延中にγ粒界への再析出が起こり熱間加工性を損なう知
見を得た。しかし、前記冷却・復熱条件で製造したスラ
ブを、熱間で幅圧下圧延しても、前述の図3の○印で示
すように、該表面割れ欠陥は大幅に改善されるものの依
然として残存し、完全に無手入れできる状態には至らな
かった。
【0019】そこで、熱間における加工性が劣化する条
件を明確にするため、グリーブル試験機を用い、スラブ
の温度履歴を忠実にシミュレートしながら、試験温度や
圧下率および歪速度を種々変更した実験を行い、破断後
の断面収縮率を加工性の指標として詳細に調査を行った
ところ、図4に示すように通常の熱間圧延工程における
最終圧延温度域に相当する900〜800℃の温度で加
工性が著しく劣化し、また、その程度は歪速度が速くな
るほどより高温側に移動するとともに劣化の程度も大き
くなる結果を得た。
【0020】つまり、熱間で幅圧下圧延するに際して高
温で圧延すれば、該表面割れ欠陥は防止できるものの、
総圧下量が大きい場合には、圧下回数が増しそれに伴っ
て必然的に温度降下が大きく、該熱間加工性の低下した
温度域で圧下しなければならず、また一方この温度域で
の圧延を回避するためには、1回当たりの幅圧下量が大
きくせざるを得ないために必然的に歪速度が大きくな
り、加工性が劣化した条件で圧延を行わざるを得ない実
態にある。
【0021】しかし、図5には前記図4に示した歪速度
の異なる条件における温度と加工性の関係を模式的に示
すとともに、1回毎の幅圧下量が一定の場合には圧下回
数が増すに連れて温度低下が起こるとともに、歪量が増
大し併せて歪速度も大きくなることから、図中の太線
(→印)で示すように、例えば、1050℃の温度で歪
速度が1sec-1の条件(図中のA)で幅圧下を開始し
ても、次の圧下時には温度が低下するとともに歪速度も
大きくなることから、Bの条件に移行するし、さらに圧
下が進むとCの条件に至り、加工性が低下してついには
表面割れ欠陥に至るのである。図5はこの様子を模式的
に示したものである。
【0022】つまり、高温スラブを熱間圧延するに際し
て、圧延初期の加工性の良好な温度域では、高歪速度
(歪量に比例)で圧下しても、該表面割れ欠陥の発生は
起こらないものの、温度が低下し加工性が劣化した温度
域で、且つ高歪速度で大圧下を行うと、該欠陥が発生し
易くなるのである。
【0023】この知見に基づき、前記冷却・復熱条件で
連続鋳造でスラブを製造した後、幅調整のため1000
℃以上の高温から1パス当たり5%以上の等歪量(かつ
等歪速度)、あるいは圧下毎に歪量が暫減する条件で大
幅圧下を行ったところ、むしろ該欠陥が多発したためそ
の原因を調査したところ、従来の熱間圧延時の欠陥はγ
粒界に沿った割れであるのに対して、前記条件で圧下し
た場合の欠陥はデンドライト樹間での割れであり、明ら
かに異なる発生形態であった。
【0024】そこで、本発明者らはさらに検討を加えた
結果、幅圧下の初期から大圧下を行うとミクロ偏析によ
ってデンドライト樹間が脆いために、熱間圧延時に割れ
に至ることを解明し、初期の圧下率を種々変更した実験
を行ったところ、1回目の圧下率が1%以上5%以下で
あれば凝固組織を改善し、その後5%以上の大圧下を行
っても割れに至らないことを見出したのである。本発明
は、以上の知見をもとになされたものである。
【0025】
【実施例】以下に図1に示す弯曲型連続鋳造機と、幅圧
延機(幅圧下用ロール8,8と水平圧下用(厚み圧延)
ロール9とからなる)を用いて行った、本発明の実施例
と比較例について具体的に説明する。なお、連続鋳造鋳
片の製造方法は以下の通りである。 連続鋳造鋳片寸法:厚み200/300mm×幅1800/2000mm 鋳造速度 :1.0m/min〜1.8m/min 連鋳機の型式 :単円弧型および垂直・曲げ型連続鋳造機 幅・厚調整用圧延:V−H−V構造 (V=幅調整用、H=厚み調整用の各ロール)
【0026】表1に示すAr3 変態温度の異なるA,
B,C,Dの4種類の成分の鋼を用いて、夫々表2、表
4、表6、表8に示す連続鋳造条件で製造した連続鋳造
鋳片を、夫々表3、表5、表7、表9に示す圧延条件で
熱間圧延した後、鋳片表面の縦割れ有無の観察を行っ
た。その結果を熱間圧延条件とともに、夫々表3、表
5、表7、表9に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表2以降のNo.1〜No.11が本発明
例であり、No.1〜No.6は連鋳機内最終矯正点以
降で冷却・復熱制御した後、熱間での幅圧下時の第2パ
ス目以降の歪量(歪速度)を一定に維持した例である。
No.7〜No.11は連鋳機内最終矯正点以降で冷却
・復熱制御した後、熱間での幅圧下時の第2パス目以降
の各パスにおいて、歪量(歪速度)を最低5%に維持し
ながら次第に歪量(歪速度)を順次小さくした例であ
る。この結果から明らかな如く、実質的な無欠陥鋳片を
得ることができ、直送圧延によって製造した製品の表面
欠陥は、通常の方法で製造した品質と何ら遜色無いレベ
ルであった。
【0029】一方、表2以降のNo.12〜No.27
は比較例であり、No.12とNo.13およびNo.
20とNo.21は連鋳機内最終矯正点以降で冷却制御
を1度しか行わなかった例、No.14とNo.15お
よびNo.22とNo.23は冷却・復熱制御を全く行
わなかった例、No.16とNo.17およびNo.2
4とNo.25は2度の冷却・復熱制御を行ったものの
いずれかの復熱温度が高すぎた例であり、いずれも該表
面割れ欠陥を防止するには至らなかった。
【0030】またNo.18とNo.26は冷却制御は
適正条件であったものの、熱間圧延時の第1パス目の圧
下が過大であった例であり、そのため前記したデンドラ
イト樹間での割れが発生した。さらにNo.19とN
o.27は第2パス目の圧下が過小であったために圧延
中の温度降下が大きく、かつ時間を要したために炭窒化
物のγ粒界への析出が新たに起こったために、該欠陥を
防止するには至らなかった。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】
【発明の効果】本発明はAl:0.020〜0.100
%,Nb:0.005〜0.100%,V:0.005
〜0.150%,Ti:0.005〜0.100%のい
ずれか1種または2種以上を含有し、[N]≧30pp
mの鋼を連続鋳造法で製造した後、幅調整する際に発生
する表面割れ欠陥を確実に抑制して、良鋳片を製造する
ことができるために無手入れ化・直送圧延を可能とする
もので、得られる経済的効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造および熱間圧延によって、鋳片を幅調
整するための工程を説明する図
【図2】この工程により製造された鋳片断面形状を説明
する図
【図3】この工程で製造された鋳片の表面欠陥と幅圧下
量の関係を説明する図
【図4】高温における加工性が歪速度によって変化する
ことを説明する図
【図5】高温での幅圧下時の加工性が圧下が進むに連れ
て変化することを模式的に説明する図
【符号の説明】
1 鋳型 2 二次冷却帯 3 第1冷却装置 4 第2冷却装置 5 最終矯正部 6 鋳片 7 カッター 8 幅圧下用ロール 9 水平圧下用ロール 10 幅圧下後の鋳片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 8/02 9270−4K C21D 8/02 A 9/00 101 9352−4K 9/00 101A C22C 38/00 301 C22C 38/00 301Z 38/14 38/14 (72)発明者 小森 俊也 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al:0.020〜0.100%、N
    b:0.005〜0.100%、V:0.005〜0.
    150%、Ti:0.005〜0.100%のいずれか
    1種または2種以上を含有し、N≧20ppmのアルミ
    キルド鋼またはアルミシリコンキルド鋼を弯曲型連続鋳
    造機でスラブに鋳造し、この鋳片スラブを弯曲型連続鋳
    造機の最終曲げ矯正以降で、スラブ表面から10mm以
    内の温度をAr3 −100℃以下の冷却と、1000℃
    以上1250℃以下に昇温させる冷却・復熱を2回以上
    繰り返した後、冷却することなく熱間で幅圧下圧延を行
    う方法において、1回目の幅圧下率を5%以下とし、2
    回目以降の幅圧下率を5%以上で行うことを特徴とする
    連続鋳造スラブの熱間幅圧下圧延時の表面割れ防止方
    法。
  2. 【請求項2】 Al:0.020〜0.100%、N
    b:0.005〜0.100%、V:0.005〜0.
    150%、Ti:0.005〜0.100%のいずれか
    1種または2種以上を含有し、N≧20ppmのアルミ
    キルド鋼またはアルミシリコンキルド鋼を弯曲型連続鋳
    造機でスラブに鋳造し、このスラブを弯曲型連続鋳造機
    の最終曲げ矯正以降で、鋳片スラブ表面から10mm以
    内の温度をAr3 −100℃以下の冷却と、1000℃
    以上1250℃以下に昇温させる冷却・復熱を2回以上
    繰り返した後、冷却することなく熱間で幅圧下圧延を行
    う方法において、1回目の幅圧下率を5%以下とし、2
    回目以降の幅圧下率を5%以上で行うに際して、2回目
    以降の幅圧下率を暫減させて歪速度を一定に維持ないし
    は小さくさせることを特徴とする連続鋳造スラブの熱間
    幅圧下圧延時の表面割れ防止方法。
JP13883895A 1995-05-15 1995-05-15 連続鋳造スラブの熱間幅圧下圧延時の表面割れ防止方法 Withdrawn JPH08309404A (ja)

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JP2005298909A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 Nippon Steel Corp 表面割れの少ない鋳片
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