JP2014208378A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼の連続鋳造において、特に鋳片引き抜き後の曲げ矯正点付近での表面割れの発生を防止するための手法について提案する。【解決手段】溶鋼を鋳型に装入し、該鋳型から直接鋳片を引き抜く連続鋳造方法であって、前記鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前において、前記鋳片の表層部を、前記溶鋼のAr3点より低くかつAr1点より高い温度域まで冷却してAc1点以上の温度に復熱させることを2回以上繰り返したのち、前記溶鋼のAc3点以上の温度まで復熱させる。【選択図】図2

Description

本発明は、鋼の連続鋳造方法、特に表面割れの発生を抑制した連続鋳造方法に関するものである。
鋼の強度を確保するために、C、V、NbおよびNiなどが添加されている。これらの成分を含有する鋼は、連続鋳造によって製造されることが一般的であるが、連続鋳造後の鋳片に表面割れが発生する場合がある。この表面割れは、その後の圧延工程において拡大して製品での欠陥となるため、圧延前にグラインダー等による手入れ処理を余儀なくされ、工数が増大するばかりでなく、表面割れが大きく手入れ処理によっても除去が難しい場合には鋳片を廃棄処分にする等、歩留まり低下の一因となっていた。
かような表面割れのひとつとして、旧オーステナイト(γ)粒界に沿った粒界割れがある。これは、連続鋳造の曲げ矯正点で矯正時の応力により、脆い旧γ粒界が開口するものと考えられている。従来の対応策としては、曲げ矯正点通過温度を高温脆化域である850〜600℃から外すことが行われている。一般的には、鋳片の冷却を緩やかにして850℃以上の高温側に外している。
例えば、特許文献1には、鋳型出口から矯正帯までの間にて鋼片表面を550℃以下まで冷却し、その後、850℃以上に復熱させて矯正を行うことが記載されている。
また、特許文献2には、鋳片の表面温度をAr変態点より低い温度に冷却する際に、50〜500秒間保持し、その時間に応じた最低到達温度を満足させた後に、Ar変態点を超える温度に復熱させ、その後に矯正を行う方法が記載されている。いずれの技術も、規定の温度以下まで冷却してフェライトを生成させ、その後、復熱して再度オーステナイト化することにより、オーステナイト粒を微細化するものである。
さらに、特許文献3には、鋳片表面温度をAr1点以下に冷却し、Ac点温度+100℃以上の加熱を2回以上繰り返すことにより、オーステナイト粒径を微細化し、炭窒化物等の粒界析出を抑制し、粒界へのフィルム上フェライトの析出を防止することが記載されている。
特許文献4および5には、熱間で幅圧下を行う際に発生する割れを防止するために、連続鋳造機内のスラブの表面から10mm以内の温度をAr点−100℃以下とする冷却と、1000℃以上1250℃以下に昇温させる冷却・復熱を2回以上繰り返した後、冷却することなく熱間で幅圧延する手法が記載されている。
特許第4445561号公報 特許第3702807号公報 特開昭55−14173号公報 特開平08−309404号公報 特開平07−290101号公報
鋼の組織を制御するには、組織に応じた熱履歴を付与する必要があり、当然、鋼の組成が変われば、必要な熱履歴も変わる。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、冷却および復熱時の温度が一義的であり、鋼の組成によっては、冷却や復熱が不足、あるいは過剰になる場合があり、割れを抑制できない、あるいはコストアップにつながる等の問題がある。
また、特許文献2に記載の方法では、鋼の組成に応じて温度を制御してはいるが、Ar変態点以下にて50秒以上の時間を保持する必要があり、一般的な鋳造速度下において、前記保持時間内には鋳片がロールやスプレー冷却水が当たらない領域も通るため、その間も鋳片温度をAr変態点以下に保持するには非常に強力な冷却能、即ち、莫大な二次冷却水量が必要となり、それを実現するために大きな設備コストが必要となる。
さらに、特許文献3に記載の方法では、NbまたはV、あるいは両者を含む鋼の組成に応じて鋳片表面温度をAr1点以下に冷却し、Ac点温度+100℃以上の加熱を2回以上繰り返すことが記載されている。しかし、Ar1点以下に冷却するには、莫大な二次冷却水量が必要でコストを要すること、また高速連続鋳造機の場合、上部の曲げ矯正帯に至るまでに急冷および復熱を行う時間を確保できないことがあり、Ar1点以上の冷却でも鋳片の組織制御が可能なプロセスを必要としていた。
特許文献4および5に記載の方法は、熱間で幅圧下する際に発生する割れを防止することは可能であるが、曲げ矯正後に、連続鋳造機内のスラブの表面から10mm以内の温度をAr点−100℃以下とする冷却と、1000℃以上1250℃以下に昇温させる冷却・復熱を2回以上繰り返すという、基本的には曲げ矯正以降の工程における技術である。従って、曲げ矯正点における割れの問題を解消することは難しい。
そこで、本発明は、鋼の連続鋳造において、特に、連続鋳造機の曲げ矯正点付近での表面割れの発生を防止するための低コストの手法について提案することを目的とする。
さて、鋳片の表面割れの発生を防止するためには、連続鋳造機の曲げ矯正点通過時に鋳片表層の旧γ粒を微細にすることが効果的である。発明者らは、鋳型の直下における鋳片の熱履歴を当該鋼の組織と温度と時間との関係に応じて厳密に規定することによって、上記旧γ粒を微細化でき、表面割れの発生を防止できると考えた。
そこで、ラボ鋼塊に様々な熱履歴を与えた後、鋼の組織を観察した。その際、実際の連鋳機の二次冷却帯におけるスプレー水およびロールを模擬した冷却を行い、鋼塊表面は熱電対を設置して温度を測定し、また鋼塊内部はその表面の温度測定結果を基に伝熱計算によって推定し、熱履歴を確認した。
その結果、二次冷却帯においてAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却してAc1点以上の温度に復熱させる、という操作を2回以上繰り返し、その後、Ac点以上の温度まで復熱させることによって、通常の連続鋳造での熱履歴を与えた場合に比べて旧γ粒が平均で小さくなっていることが確認された。
さらに、Ar点より低い温度域まで冷却するに際し、該Ar点より低い温度域における滞留時間を5秒以上とすることによって、旧γ粒径はさらに小さくなるとともに、粒径のバラツキも低減された。これは、複数回にわたるAr点より低い温度域での滞留時間の合計が5秒以上でも同等の効果が得られた。この効果は、鋼塊の表面および内部によらず同等に得られた。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであって、その要旨構成は、次のとおりである。
1.溶鋼を鋳型に装入し、該鋳型から直接鋳片を引き抜く連続鋳造方法であって、前記鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前において、前記鋳片の表層を、前記溶鋼のAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却してAc1点以上の温度に復熱させることを2回以上繰り返したのち、前記溶鋼のAc点以上の温度まで復熱させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
ここで、前記表層とは、鋳片表面から垂直に鋳片内部に向かって2mm入った位置を示す。
2.前記溶鋼のAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却するに際し、該Ar点より低くかつAr点より高い温度域における滞留時間を合計で5秒以上とすることを特徴とする前記1に記載の鋼の連続鋳造方法。
3.前記溶鋼は、C:0.05−1.2mass%、Si:1.0mass%以下、Mn:0.4−2.0mass%およびAl:0.015−0.06mass%を含有し、残部Feおよび不可避不純物の成分組成を有することを特徴とする前記1または2に記載の連続鋳造方法。
4.前記溶鋼は、さらに、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記3に記載の連続鋳造方法。
本発明によれば、C、V、NbおよびNiなどの、表面割れが発生しやすい成分を添加した鋼材を連続鋳造する際にも、該鋳片の表面割れの発生を抑止することができる。
連続鋳造機を示す図である。 模式的な連続冷却変態線図である。
以下、本発明の連続鋳造方法について、図面を参照して、詳しく説明する。
さて、溶鋼は、垂直ベンディング型または、図1に示すような湾曲型の連続鋳造機を用いて連続鋳造されるが、その際、特に曲げ矯正点での矯正時に表面割れを誘発させないために、少なくとも鋳型直下の冷却帯において、以下に示す冷却パターンを経ることが肝要である。
なお、図1において、符号1は取鍋2内に装入した溶鋼であり、溶鋼1は取鍋2からタンディッシュ3そして浸漬ノズル4を介して、水冷鋳型5内に供給される。この水冷鋳型5にて冷却された溶鋼1は、凝固殻を作りながら鋳型5の出側へ導かれて鋳型5から引き抜かれ、鋳型5直下の2次冷却帯6にてさらに冷却されて凝固殻の成長を促進され、湾曲を強制されて水平方向に導かれてから、引き抜き矯正帯(曲げ矯正点)7において曲げの矯正がなされて連続鋳造鋳片となる。
すなわち、前記鋳型の直下において、より具体的には、2次冷却帯の開始点から矯正帯入口までの区間において、鋳片の表層を前記溶鋼のAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却してAc1点以上の温度に復熱させることを2回以上繰り返したのち、前記溶鋼のAc点以上の温度まで復熱させることが肝要である。かような冷却および復熱を、2次冷却帯の開始点から矯正帯入口までの区間にて、完了する。
以下に、本発明に従う冷却パターンについて、詳しく説明する。
まず、鋳型5の直下から水やミストによる冷却を開始する。その冷却期間に、鋳片表層の温度が、溶鋼1のAr点より低くかつAr点より高く(Ar点未満かつAr点超の範囲)なるように、冷却水および/または冷却ミストの供給条件を適宜決定する。次いで、鋳片表層は、Ac1点以上の温度まで鋳片内未凝固溶鋼の熱により復熱させる。その際、復熱速度が速すぎるようであれば、冷却水、冷却ミストやロールによる冷却を行って穏やかに復熱させても構わない。
以上の操作を2回以上繰り返して行う。その後、Ac点以上の温度まで鋳片内未凝固溶鋼の熱により復熱させる。この復熱は、Ac1点をまたぐ前記冷却復熱の直後でも前記冷却復熱から間隔を置いてもよい。Ac点以上の温度までの復熱は、連続鋳造機の曲げ矯正帯、即ち、垂直曲げ型であれば曲げ帯、湾曲型であれば矯正帯、に至るまでに完了する必要がある。
なお、曲げ矯正帯の入側温度は、本発明の熱履歴を取っていれば、鋳片表層の組織は微細になっており表面割れは発生しにくいため、特に限定する必要はないが、脆化域である温度域は避けた方がより好ましい。
また、冷却や復熱時の鋳片温度は、予め、冷却、復熱条件を変えた鋳造時に鋳片と共に熱電対を装入し、鋳片表面温度履歴を測定しておき、実際の鋳造時に、必要な温度履歴となる条件を選択すれば良い。
以上の鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前における冷却温度制御について、CCT線図を模式的に示す図2を用いて詳しく説明する。
まず、該CCT線図としては、上記した鋼を用いて1400℃以上の温度から冷却した際のCCT線図を用いた。なぜなら、鋳型直下の2次冷却帯においては、1400℃以上の温度からの冷却になるため、1400℃以上の温度から冷却した際のCCT線図を用いる。
鋳型から引き抜かれた鋳片には、鋳型の直下の2次冷却帯において、表層部に対して冷却を施す。その際、鋳込む溶鋼のAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却してAc1点以上の温度に復熱させることを2回以上繰り返したのち、前記溶鋼のAc点以上の温度まで復熱させる、前記したCCT線図に示す冷却パターンに従って冷却を行う。
まず、Ar点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却してAc1点以上の温度に復熱させることを2回以上繰り返すのは、1回目の冷却復熱でできた組織から2回目の冷却で変態が重畳されるため、組織が複雑になり、その後の復熱時に、その組織を起点にオーステナイトが核生成するため、より微細な組織が得られるためである。なお、Ar点以下まで冷却することなく復熱させるのは、Ar点以下に冷却するには、莫大な二次冷却水量が必要でコストを要すること、また高速連続鋳造機の場合、上部の曲げ矯正帯に至るまでに急冷および復熱を行う時間を確保できないためである。
ここで、Ar点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却するに当たって、Ar点より低くかつAr点より高い温度域に到達しさえすれば所期する効果は得られるが、Ar点より低くかつAr点より高い温度域における滞留時間を合計で5秒以上とすることによって、割れ抑制の効果をさらに高めることができる。すなわち、滞留時間を合計で5秒以上とすると、変態が十分に進行するため、その後、復熱した際にオーステナイト粒がより均一になり延性が増すためである。
さらに、Ar点未満の温度域はAr点−100℃以下とすることが好ましい。なぜなら、変態が100%完了するまでの時間が最短となるためである。
次に、Ac1点以上の温度に復熱させる。この復熱を行うことにより、冷却時に生成したフェライト粒界や冷却前からあるオーステナイト粒界から、オーステナイトが核生成し、フェライト、オーステナイトが入り乱れた複雑な組織となる。
なお、繰り返しは、2回で十分な効果を期待できる上、連鋳機の二次冷却用スプレーの段数を超える回数にするには設備コストが増加するため、それ以下の回数とすることが好ましい。
次に、Ac点以上の温度に復熱させる。この復熱を行うことにより、復熱中にフェライト−パーライト変態が起こり、さらに温度が上昇すると、フェライト−パーライトの粒界、ノジュール間から新たなオーステナイトが多数核生成して、Ac点に達したとき微細なオーステナイト単相になる。その後、鋳片は冷却されて、曲げ矯正点を通過するときには微細なオーステナイト組織になって延性があるため、割れにくくなる。
復熱速度については、特に限定する必要はないが、その下限については生産性を阻害しない速度域とすることが好ましい。
なお、鋳型直下の2次冷却帯において、上記の冷却パターンに従う冷却を鋳片に施すには、冷却や復熱時の鋳片温度につき、予め、冷却、復熱条件を変えた鋳造時に鋳片と共に熱電対を装入し、鋳片表面温度履歴を測定しておき、実際に鋳造時に、必要な温度履歴となる条件を選択すれば良い。
また、曲げ矯正点での温度は、本発明の熱履歴を取っていれば、鋳片表層の組織は微細になっており表面割れは発生しにくいため、特に限定する必要はないが、脆化域である850℃以下の温度域は避けた方がより好ましい。
上記したようにCCT線図を用いる場合は、連続鋳造に供する溶鋼に応じたCCT線図を用いることは勿論であり、連続鋳造に供する溶鋼種毎にCCT線図を導入すればよい。
ここで、溶鋼は、次の成分組成を有することが好ましい。
すなわち、C:0.05−1.2mass%、Si:1.0mass%以下、Mn:0.4−2.0mass%およびAl:0.015−0.06mass%を含有し、さらに必要に応じて、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物の成分組成を有することが好ましい。
以下、基本成分から順に、含有量の限定理由について説明する。
C:0.05−1.2mass%
Cは、強度を確保する観点から、0.05−1.2mass%の範囲とする。また、この範囲のC量の鋼は、連続鋳造の鋳込み時に割れが発生しやすいため、特に本発明の適用が有効になる。
Si:1.0mass%以下(0mass%を含む)
Siは、1.0mass%を超えると、被削性および鍛造性を劣化する、おそれがあるから、1.0mass%以下とする。
Mn:0.4−2.0mass%
Mnは、強度を増加するため0.4mass%以上は必要であるが、2.0mass%を超えると、被削性および鍛造性を劣化する、おそれがあるから、2.0mass%以下とする。
Al:0.015−0.06mass%
Alは、鋼の脱酸剤として作用する他、加熱時のγ粒成長を抑制する効果があるため、0.015mass%以上は必要であるが、0.06mass%を超えると、被削性および疲労強度を劣化する、おそれがあるから、0.06mass%以下とする。
さらに、必要に応じて、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有することが可能である。
Mo:0.6mass%以下
Moは、強度を確保する上で有効であるが、0.6mass%を超えて添加すると、被削性を劣化する、おそれがある。
Ti:0.030mass%以下
Tiは、TiNとしてピンニングにより組織の微細化をはかる上で有効であり、好ましく0.005mass%以上で添加するが、0.030mass%を超えて添加すると、耐労強度を劣化する、おそれがある。
Cr:1.0mass%以下
Crは、焼入れ性の向上に有効であるが、1.0mass%を超えて添加すると、耐疲労強度を劣化する、おそれがある。
V:0.3mass%以下
Vは、炭化物を生成することにより、鋼材の強度を向上するのに有効であるが、0.3mass%を超えて添加すると、粗大な炭窒化物が生成して強度を低下させる、おそれがある。
Cu:1.0mass%以下
Cuは、固溶強化および析出強化による強度上昇に有効であり、かつ焼入れ性の向上に寄与するが、1.0mass%を超えて添加すると、被削性を劣化する、おそれがある。
Nb:0.05mass%以下
Nbは、析出によりγ粒をピンニングする効果があるが、0.05mass%を超えると効果が飽和するため、経済性の観点から0.05mass%以下とすることが好ましい。
Ni:1.0mass%以下
Niは、強度および靭性の確保に有効であるが、1.0mass%を超えると効果が飽和するため、経済性の観点から1.0mass%以下とすることが好ましい。
B:0.004mass%以下
Bは、粒界強化により耐疲労特性を向上し、また焼入れ性を高めて強度上昇に寄与する成分であるが、0.04mass%を超えると効果が飽和するため、経済性の観点から0.04mass%以下とすることが好ましい。
C:0.12mass%、Si:0.18mass%、Mn:1.22mass%、Al:0.022mass%およびCr:0.03mass%を含有し、残部Feおよび不可避不純物の成分に調整した鋼から試験片を採取し、冷却速度0.2℃/sで冷却した際の膨張曲線からAr点:748℃およびAr点:602℃、さらに加熱時の膨張曲線からAc1点:739℃およびAc点:873℃と読み取った。
上記の結果に基づいて、表1に示す条件にて湾曲連鋳機で鋳造速度1.0m/minの鋳造を行った。この鋳造後の鋳片からサンプルを採取し、鋳片表面から2mm深さまでの位置での組織観察と、割れの有無の調査とを行った。その結果を、表1に併せて示す。
なお、組織観察は、サンプル表面を研磨後、ナイタールで腐食してから顕微鏡にて行った。割れの有無は、スラブ表面の黒皮を除去し、浸透探傷試験(JIS Z2343)にて行った。
表1において、発明例1〜4は、鋳型直下でAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却した後、Ac点以上の温度に復熱させることを2回以上行った後、その後、Ac点以上の温度に復熱させた例である。発明例1および3は、鋳片の表面から2mm深さ位置のAr点未満の温度での合計滞留時間が5秒未満であり、発明例2および4のそれは5秒以上である。
一方、比較例1および2は、冷却および復熱を1回行った例である。比較例3は、冷却および復熱を2回繰り返したが、2mm深さ位置では冷却および復熱が1回であった例である。比較例4は、冷却および復熱を2回行ったが、Ac点未満までの復熱を行った例である。
Figure 2014208378
表1に示すように、本発明に従う発明例は、全て割れは観察されなかったが、比較例では割れが発生していた。すなわち、発明例1および3は、鋳片表面に割れが観察されることはなく、表面から鋳片内部に向かって微細な旧γ粒が観察された。但し、2mm深さ位置では一部に粗大な旧γ粒も観察された。発明例2および4も、鋳片表面に割れが観察されることはなく、組織も表面および2mm深さ位置(表層)のいずれについても微細な旧γ粒が観察された。
一方、比較例では、鋳片表面で割れが観察され、比較例1、2および4では、粗大な旧γ粒が観察され、比較例3では微細な組織も観察されるが、粗大な粒も残存していた。
かように比較例で見られたような、フィルム状フェライトを伴うγ粒界は、発明例において消失し、フェライト粒径が細かくなったことも合わせて考えると、本発明によってオーステナイトは微細化されたものと考えられる。
1 溶鋼
2 取鍋
3 タンディッシュ
4 浸漬ノズル
5 水冷鋳型
6 2次冷却帯
7 引き抜き矯正帯

Claims (4)

  1. 溶鋼を鋳型に装入し、該鋳型から直接鋳片を引き抜く連続鋳造方法であって、前記鋳型の直下から曲げ矯正点に至る前において、前記鋳片の表層を、前記溶鋼のAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却してAc1点以上の温度に復熱させることを2回以上繰り返したのち、前記溶鋼のAc点以上の温度まで復熱させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記溶鋼のAr点より低くかつAr点より高い温度域まで冷却するに際し、該Ar点より低くかつAr点より高い温度域における滞留時間を合計で5秒以上とすることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 前記溶鋼は、C:0.05−1.2mass%、Si:1.0mass%以下、Mn:0.4−2.0mass%およびAl:0.015−0.06mass%を含有し、残部Feおよび不可避不純物の成分組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の連続鋳造方法。
  4. 前記溶鋼は、さらに、Mo:0.6mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Cr:1.0mass%以下、V:0.3mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Nb:0.05mass%以下、Ni:1.0mass%以下およびB:0.004mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造方法。
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