JPH08309313A - 高温処理炉からの重金属含有飛灰の湿式処理方法 - Google Patents

高温処理炉からの重金属含有飛灰の湿式処理方法

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JPH08309313A
JPH08309313A JP13863095A JP13863095A JPH08309313A JP H08309313 A JPH08309313 A JP H08309313A JP 13863095 A JP13863095 A JP 13863095A JP 13863095 A JP13863095 A JP 13863095A JP H08309313 A JPH08309313 A JP H08309313A
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智司 杉澤
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Ryuji Arakawa
龍二 荒川
Kenta Tabuchi
健太 田淵
Nobuhiro Kihara
伸宏 喜原
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寿 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 都市ごみ等を処理する焼却炉等の高温処理炉
から生じる飛灰中に含まれる重金属分を一連の湿式処理
によって金属の種類ごとに濃縮し、それぞれを非鉄製錬
用原料として使用できる程度の濃縮体として回収する方
法を提供すること。 【構成】 飛灰をpH3以下に維持した浸出槽で硫酸浸
出した後、固液分離し、残渣中に鉛を濃縮する。濾液に
はアルカリ剤を加えてpH3〜5まで中和して晶出物を
濾別して珪素、アルミニウムなどを残渣中に濃縮除去
し、濾液にはさらにアルカリ剤を加えてpH7以上に中
和すると共に硫化剤を加えて重金属分を全て沈殿させた
後濾過し、残渣中に亜鉛を主とする重金属分を濃縮す
る。低品位の飛灰を処理する場合には浸出pHを3〜6
とし最初の工程で得られた残渣を高温処理炉に繰り返し
て鉛分が濃縮されるようにし、濾液はいったんpH3〜
5で止めることなく直ちにpH7以上に中和し硫化剤を
加えて液中の重金属分を全量沈殿させて濾別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみ焼却場や産業
廃棄物焼却工場等における焼却炉および溶融炉もしくは
セメントキルン等の高温処理炉から発生する重金属含有
飛灰の湿式処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】事業所や一般家庭から排出されるゴミ
(「都市ゴミ」または「一般廃棄物」と称されている)
は、都市ゴミ焼却場や産業廃棄物焼却工場等に集められ
て焼却処分されるが、その際に焼却炉から発生する燃え
がらや飛灰は最終処分場に運ばれて堆積されている。
【0003】これらはそのまま堆積されるばかりでな
く、飛灰に含まれる鉛、カドミウムなどの重金属類やダ
イオキシンなどの有害物質の溶出を防ぐためセメントで
固化して廃棄したり、燃えがらや飛灰を溶融炉で溶融固
化して埋立容積を減らす工夫なども行われている。
【0004】しかしながら、近年堆積場確保の困難性
や、堆積される飛灰に含まれている鉛、カドミウムなど
の重金属やダイオキシン類の有害性が一層問題視される
ようになり、より改善された処理方法の開発が望まれて
いる。これは、セメント固化法では埋立容積を減らすこ
とができないため、堆積場の確保という問題点は未解決
のままであり、また飛灰とセメントの混練処理により飛
灰に含まれている重金属の溶出をある程度低下させるこ
とができるとしても(環境庁告示第13号法による溶出
試験)、飛灰によっては溶出防止効率は不充分である
上、酸性雨等の影響を考えた場合、セメントと混練した
飛灰中の重金属を長時間安定化させることは困難である
からである。
【0005】これに対し、焼却炉からの燃えがらや飛灰
を溶融処理することにより、減容化やダイオキシン類の
熱分解による無害化を図る方法(永田勝也著「都市ゴミ
焼却炉におけるダイオキシン対策の現状と動向」廃棄物
学会誌第3巻第3号)が開発されているが、この方法を
採用する場合は、蒸気圧の大きい鉛やカドミウム等の重
金属が炉内で揮発して排ガス中に入り排ガス処理設備で
凝縮して再び飛灰となってしまうという問題点があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】焼却炉や溶融炉からの
飛灰中に含まれる重金属や有害物質を、上述のようにセ
メント固化あるいは溶融処理することなく、安定な形で
分離できる飛灰の処理方法も開発され、その一例が特願
平6−286008号「焼却炉または溶融炉からの飛灰
の処理方法」に開示されているが、この処理方法は、飛
灰中に含有される鉛、亜鉛、銅、鉄等の重金属分がある
程度多量に含有されている場合には、それぞれ非鉄製錬
原料として使用可能な鉛を主体とする鉛残渣と亜鉛、銅
を主体とする亜鉛澱物とに分けて回収できる点で有効な
処理法であるが、その後の研究で飛灰によっては鉛分の
少ないものや、鉄、珪素、アルミニウム、カルシウム等
が多く含有されるものなどがあって必ずしも上記方法に
より好都合に処理することができず、鉛品位の低さ、あ
るいは鉄、珪素、アルミニウム、カルシウム等の含有量
の多さが最終回収物の品位を下げる要素となっているこ
とが判明した。
【0007】従って本発明の目的は、焼却炉や溶融炉な
どの高温処理炉からの飛灰が上記のような低鉛品位や珪
素分の多い飛灰であってもその中に含まれる重金属分を
一連の湿式処理によって、主要な金属分に対応する品位
の高い非鉄製錬用原料として十分使用可能な濃縮体の形
で分離回収できる処理法を開発することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、鉛含有分の多い飛灰の処
理においては、図1に示す工程に従って先ず飛灰を浸出
槽で水に溶解し、必要に応じ鉱酸を加えてpHを3以下
に調整して浸出した後、濾過することにより鉛分を残渣
中に濃縮して回収できることを、逆に鉛分が少ない飛灰
の処理においては図2に示す工程に従ってpH3〜6に
調整し浸出および濾過して得た残渣を高温処理炉に繰り
返して濃縮させるようにすれば最終的に非鉄製錬所で原
料として使用できる程度に重金属分が濃縮された純度の
高い回収物が得られることを見いだし本発明法を開発す
ることができた。
【0009】すなわち本発明者等による第1の発明は、
高温処理炉から得た飛灰を鉱酸を含む水でpH3以下に
調整しながら浸出した後濾過して鉛精練原料として使用
できる残渣と亜鉛分の多い濾液とを得る第1工程;上記
第1工程濾液にアルカリ剤を添加してpH3〜5に調整
して生成する珪素主体の晶出物を濾過分離して精製され
た濾液を得る第2工程;次いで得られた第2工程濾液に
アルカリ剤を添加して、亜鉛、銅を主体とする重金属の
水酸化物を沈殿させると共に、更に硫化剤を添加して水
酸化物にならなかった残りの重金属分を硫化物として沈
殿させ、これらの混成澱物を濾別して亜鉛製錬原料とし
て使用できる亜鉛系澱物と実質上重金属を含まない濾液
とを得る第3工程;からなることを特徴とする高温処理
炉からの重金属含有飛灰の湿式処理方法である。
【0010】第2の発明は、上記第2工程で得られた晶
出物を高温処理炉に繰り返すことを特徴とする請求項1
記載の重金属含有飛灰の湿式処理方法である。
【0011】第3の発明は、高温処理炉から得た比較的
低品位の重金属含有飛灰を鉱酸を含む水でpH3〜6に
調整しながら浸出濾過して鉛、珪素、アルミニウムを主
体とした高温処理炉に繰り返す残渣と亜鉛分の多い濾液
とを得る第1工程;次いで得られた第1工程濾液にアル
カリ剤を添加して、亜鉛、銅を主体とする重金属の水酸
化物を沈殿させると共に、更に硫化剤を添加して水酸化
物にならなかった残りの重金属分を硫化物として沈殿さ
せ、これらの混成澱物を濾別して亜鉛製錬原料として使
用できる亜鉛系澱物と実質上重金属を含まない濾液とを
得る第2工程;からなることを特徴とする高温処理炉か
らの重金属含有飛灰の湿式処理方法である。
【0012】
【作用】本発明の実施において鉛含有量がある程度以上
の高品位飛灰を対象とする場合には、図1に示すような
工程に従って先ず浸出槽で飛灰を水に溶解してスラリー
とし、このスラリーを攪拌しながら塩酸または硫酸など
の鉱酸を添加してpHを3以下に調整する。使用する鉱
酸としては硫酸が好ましく、通常は硫酸を使用する。な
おスラリー化された飛灰のpHは飛灰の組成によって異
なるため鉱酸の添加量は飛灰の組成と量に応じて加減す
る必要がある。また上記スラリーのpHが既に最適pH
である場合には鉱酸を加える必要はない。更に上記pH
を維持しての攪拌時間は少なくとも10分間程度であれ
ばよく、その時の温度は室温でよい。次いで上記スラリ
ーを濾過槽、フィルタープレスなどの濾過装置で濾過し
て鉛を主体とする残渣を回収する。濾液は亜鉛、銅を主
として含み、鉛分のない液として得られる(第1工
程)。
【0013】第2工程では、上記第1工程で得られた濾
液にアルカリ剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ムまたは水酸化カルシウムの少なくとも1種を添加して
pHを3〜5の範囲になるように調整して、液中に含有
されている鉄、珪素、アルミニウム等を晶出させ、次い
で固液分離してこれらの晶出物を回収する。これはS
i、Al、Fe等を主として含む残渣として得られ、別
途処理される。濾液はこれらの不純物が除かれたZn分
の多い液として得られる(第2工程)。
【0014】この第2工程で得られた晶出物は上記のよ
うに珪素主体の鉄、アルミニウムなどを含む澱物であ
り、飛灰発生源でもある前段階工程における熔融炉での
溶融の際に用いるスラグ形成剤として有効活用できるも
のである。
【0015】この第2工程におけるpH調整を3〜5の
範囲とする理由は、pH3以下であれば鉄や珪素などの
無機物の晶出が不充分であり、一方、pH5以上であれ
ば晶出は十分であるが亜鉛の晶出も始まりこれによる亜
鉛のロスが甚大となるためである。実際上はpH4前後
が好ましいことを確認している。
【0016】上記第2工程の処理を施すことによって得
られる効果を、施さない場合と比較して検討すると前者
の場合は第3工程の澱物として得られる亜鉛系澱物中の
カルシウム品位が著しく減少しており、この処理が亜鉛
品位の向上に寄与することが判明した。
【0017】更に第3工程においては、第2工程で発生
した濾液に中和剤として上記のアルカリ剤の一種を添加
してそのpHを7以上、好ましくは7.5〜8.5に調
整することによって、亜鉛を主とする重金属を水酸化物
として生成させ、その液中に重金属が少量残留している
場合には、更に硫化ナトリウム、水酸化ナトリウムまた
は硫化水素などの硫化剤を添加して残留する重金属分を
硫化物として沈殿させ混成澱物を濾過分別して亜鉛系澱
物と最終中和濾液を得る(第3工程)。最終中和濾液
(第3工程濾液)は重金属が実質上完全に除去されてい
るので、系外に廃棄あるいは浸出槽に戻して再使用され
る。
【0018】第3の発明として述べた本発明の処理方法
は、飛灰中の鉛含有量が少ない場合に適した方法であ
り、図2に示すような工程に従って先ず浸出槽で酸によ
りpHを3〜6に調整して浸出した後濾過し、珪素を主
体とする無機物の晶出物からなる残渣を回収して、前工
程の高温処理炉に繰り返す。濾液として珪素等の無機物
が除かれた亜鉛分の多い濾液が得られる(第1工程)。
【0019】次いで得られた第1工程濾液に中和剤とし
てのアルカリ剤を添加しさらに、必要に応じ硫化剤を添
加して、上記のように亜鉛を主体とする混成澱物を得
る。これを濾過して亜鉛品位の高い亜鉛系澱物を得るこ
とができる。第2工程濾液は重金属を実質上含まない完
全中和液であるので、そのまま廃棄あるいは浸出槽に繰
り返して使用される。
【0020】すなわち、本発明の方法では、飛灰に含ま
れる重金属を主に鉛を含有する残渣と、主に亜鉛を含有
する水酸化物および硫化物の混合体からなる残渣とに分
けて別個に回収することにより、それぞれ鉛回収用およ
び亜鉛回収用の非鉄製錬原料として活用することができ
る。
【0021】
【実施例1】先ず、3リットルビーカーに蒸留水2リッ
トルを入れ攪拌しながら、表1に示す組成の原料飛灰1
00gを添加してスラリーとし、硫酸を添加しながらp
Hを3に維持しつつ10分間攪拌を続けた後、固液分離
した(予備浸出)。
【0022】上記で得られた残渣を、蒸留水2リットル
でリパルプしたものに硫酸を添加して、PHを1に維持
しつつ10分間攪拌した後、固液分離した(本浸出)。
得られた残渣の品位を表1に併せて示したが、Pb分が
31.80wt% もあり、鉛回収用非鉄製錬原料として十
分な品位を有するものであることが判明した(第1工
程)。
【0023】次いで上記予備浸出濾液と本浸出濾液とを
全量混合し、更に蒸留水で4リットルになるように調整
した(以下、浸出液という)。
【0024】この浸出液2リットルを3リットルビーカ
ーに入れ、攪拌しながらこれに200g/l に調整した水
酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4まで中和して2
0分間維持した後、晶出物を固液分離して回収した(第
2工程)。
【0025】得られた晶出物の品位を表1に併せて示し
たが、珪素を主体とするものであることから溶融炉にて
使用するスラグ形成剤として十分使えることから、前工
程の溶融処理に用いた。
【0026】次いで、上記第2工程濾液を3リットルビ
ーカーに入れ、攪拌しながらこれに上記アルカリ剤を添
加してpH7まで中和し、更に10g/l に調整した水酸
化ナトリウム液を酸化還元電位で−100mV(Ag/A
gCl電極基準)まで添加して、亜鉛を主体とする重金
属の水酸化物澱物および残留重金属の水硫化澱物を生成
させ、固液分離して澱物と最終濾過液とに分離した(第
3工程)。
【0027】得られた亜鉛系澱物の品位を表1に併せて
示したが、亜鉛品位が48.44wt% もあり、亜鉛回収
用非鉄製錬原料としては十分な品位のものであることが
判明した。
【0028】
【表1】
【0029】
【比較例1】実施例1において得た第1工程濾液の浸出
液(残り)2リットルを3リットルビーカーに入れ、攪
拌しながらこれに200g/l に調整した水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加してpH7まで中和したものを、第2工
程を省略して直ちに実施例1で述べた第3工程の処理を
施して亜鉛を主体とする澱物を残渣として得た。
【0030】この亜鉛澱物の品位を表1に併せて示した
が、前記実施例1のものと比較すると、亜鉛の品位が大
幅に低下し、逆に珪素等の無機物が多く含有されている
ことが明らかとなった。
【0031】
【実施例2】図2に示す工程に従って、先ず、2リット
ルビーカーに蒸留水1リットルを入れた液を攪拌しなが
ら、表2に示す低品位原料飛灰50gを添加してスラリ
ーとし、硫酸を添加してpH3に維持しながら20分間
浸出した後、固液分離した(第1工程)。
【0032】このとき、得られた残渣中のPb品位は5
wt% であり、鉛回収用の非鉄製錬原料としては使用でき
ないことから前工程の溶融炉に繰り返すこととした。
【0033】次いで上記第1工程濾液を全量2リットル
ビーカーに入れ、攪拌しながらこれに200g/l に調整
した水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7まで中和
し、更に10g/l に調整した水硫化ナトリウム溶液を酸
化還元電位で−100mV(Ag/AgCl電極基準)ま
で添加して、亜鉛を主体とする重金属の水酸化物澱物お
よび残留重金属の硫化物澱物を生成させ、固液分離して
亜鉛系澱物と最終濾液とに分離し、澱物は洗浄して製錬
原料としての亜鉛系澱物として回収した(第2工程)。
【0034】得られた亜鉛系澱物の品位と、原料飛灰か
らのZnの抽出率を併せて表3に示したが、亜鉛回収用
非鉄製錬原料として十分の品位をもつものであった。
【0035】第2工程の浸出時におけるpH値を、上記
3に代えてそれぞれpH4、5、6とした以外は上記と
全く同一の条件で工程を実施して亜鉛残渣を得、その結
果を表3に併せて示した。
【0036】これらの結果から浸出液のpHを3以上に
するとpH値を上げるごとに亜鉛澱物中の亜鉛品位が上
昇するが、逆に抽出率は低下することが判明した。この
ことから回収目的とする重金属の含有品位が低い場合で
も、pH3〜6、好ましくはpH4〜5で浸出すると、
珪素、鉄、アルミニウム等を第1工程で効率よく分離す
ることができ、第2工程で純度の高い亜鉛澱物を得るこ
とができることを確認した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【比較例2】表2に示す低品位原料飛灰を用いた以外
は、比較例1に示す方法と全く同一に処理したところ、
第1工程の鉛残渣中の鉛品位は6.7wt% 、亜鉛澱物中
の亜鉛品位は20.0wt% であり、共に非鉄製錬原料と
しては不適なものであった。
【0040】
【発明の効果】上述のように本発明法によって重金属含
有飛灰を、それがたとえ低品位鉛含有飛灰や珪素等の無
機物を多量に含有する飛灰であっても、これらの飛灰に
含有されている重金属を安定な形で分離回収することが
でき、また、得られた鉛および亜鉛を資源として有効利
用できることから、有害な重金属を含む飛灰を処分場に
埋立てることなく安全かつ有益に処分することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1または第2の発明の好ましい一態様を示す
工程図である。
【図2】第3の発明の好ましい一態様を示す工程図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 龍二 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 田淵 健太 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 喜原 伸宏 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 佐々木 寿 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温処理炉から得た飛灰を鉱酸を含む水
    でpH3以下に調整しながら浸出した後濾過して鉛精練
    原料として使用できる残渣と亜鉛分の多い濾液とを得る
    第1工程;上記第1工程濾液にアルカリ剤を添加してp
    H3〜5に調整して生成する珪素主体の晶出物を濾過分
    離して精製された濾液を得る第2工程;次いで得られた
    第2工程濾液にアルカリ剤を添加して、亜鉛、銅を主体
    とする重金属の水酸化物を沈殿させると共に、更に硫化
    剤を添加して水酸化物にならなかった残りの重金属分を
    硫化物として沈殿させ、これらの混成澱物を濾別して亜
    鉛製錬原料として使用できる亜鉛系澱物と実質上重金属
    を含まない濾液とを得る第3工程;からなることを特徴
    とする高温処理炉からの重金属含有飛灰の湿式処理方
    法。
  2. 【請求項2】 上記第2工程で得られた晶出物を高温処
    理炉に繰り返すことを特徴とする請求項1記載の重金属
    含有飛灰の湿式処理方法。
  3. 【請求項3】 高温処理炉から得た飛灰を鉱酸を含む水
    でpH3〜6に調整しながら浸出した後濾過して鉛、珪
    素、アルミニウムを主体とした高温処理炉に繰り返す残
    渣と亜鉛分の多い濾液とを得る第1工程;次いで得られ
    た第1工程濾液にアルカリ剤を添加して、亜鉛、銅を主
    体とする重金属の水酸化物を沈殿させると共に、更に硫
    化剤を添加して水酸化物にならなかった残りの重金属分
    を硫化物として沈殿させ、これらの混成澱物を濾別して
    亜鉛製錬原料として使用できる亜鉛系澱物と実質上重金
    属を含まない濾液とを得る第2工程;からなることを特
    徴とする高温処理炉からの重金属含有飛灰の湿式処理方
    法。
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