JPH0830907B2 - 電子写真有機感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真有機感光体の製造方法

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JPH0830907B2
JPH0830907B2 JP27446787A JP27446787A JPH0830907B2 JP H0830907 B2 JPH0830907 B2 JP H0830907B2 JP 27446787 A JP27446787 A JP 27446787A JP 27446787 A JP27446787 A JP 27446787A JP H0830907 B2 JPH0830907 B2 JP H0830907B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は電子写真有機感光体の製造方法に関し、より
詳しくは、複写機などの画像形成装置で用いられる感光
体として好適な電子写真有機感光体の製造方法に関す
る。
〈従来の技術と発明が解決しようとする問題点〉 従来、複写機などの画像形成装置において、種々の感
光体、例えば、軽量で加工性、耐蝕性だけでなく、導電
性に優れるアルミニウムまたはアルミニウム合金製導電
性基材上に、セレン、アモルファスシリコンなどの無機
光導電物質からなる無機感光層、電荷発生物質、電荷輸
送物質および結着樹脂などを含有する有機感光層や、上
記無機光導電層と有機導電層との組合せからなる感光層
が形成された電子写真感光体が使用されている。
上記無機感光層を有する感光体において、上記アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基材に、
セレンまたはセレン合金を蒸着する際、発生するガスに
より、感光層にピンホールが生じるのを防止するため、
相対湿度75%以下の雰囲気下で加熱して脱ガス処理した
後、前記セレンやセレン合金を蒸着することが提案され
ている(特開昭60−254143号公報参照)。
上記の方法によれば、脱ガス処理した後、セレンなど
の無機光導電物質を蒸着するので、均質な無機感光層を
形成することができる。
しかしながら、上記の方法は、蒸着手段により無機感
光層を形成するものであり、減圧条件下でしかもバッチ
方式で感光体を製造するため、生産性に欠けるという問
題がある。
これに対して、有機感光層を有機する感光体は、通
常、導電性基材に電荷発生物質と電荷輸送物質と結着樹
脂などを含有する有機感光層用塗布液を塗布手段により
塗布し、乾燥することにより製造されるので、生産性の
点で優れている。
しかしながら、導電性基材としてアルマイト加工され
たアルミニウムまたはアルミニウム合金を用い、有機感
光層用塗布液を塗布した後、乾燥すると、アルマイト加
工時に導電性基材の表面に凹部が生じるためか、塗布液
の乾燥工程で有機感光層に微細な気泡が生じ、歩留りが
低下するだけでなく、均質な感光層を形成することが困
難である。しかも有機感光層を形成する場合、前記脱ガ
ス処理効果が殆んどない。すなわち、感光層での気泡の
発生を防止するため、前記無機感光層を形成する方法と
同様、導電性基材を脱ガス処理した後、感光層用塗布液
を塗布し、乾燥させても気泡の発生を十分に防止するこ
とができず、従って、該感光層が形成された感光体を用
いて画像を形成すると画像上にピンホールが生じ、高品
質の画像を形成することが困難であるという問題があ
る。
〈発明の目的〉 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、有
機感光層に気泡が生じることなく、生産性、歩留りを向
上させるとともに、ピンホールのない高品質の画像を形
成することができる電子写真有機感光体の製造方法を提
供することを目的とする。
〈問題点を解決するための手段および作用〉 上記目的を達成するため、本発明の電子写真感光体の
製造方法は、アルマイト加工したアルミニウムまたはア
ルミニウム合金(以下、単にアルミニウムと称する)か
らなる導電性基材に有機感光層を形成する感光体の製造
方法であって、上記導電性基材を100℃以上の温度で加
熱した後、有機感光層を形成することを特徴とする。
上記構成の製造方法によれば、アルマイト加工したア
ルミニウムからなる導電性基材を100℃以上の温度で加
熱した後、有機感光層を形成するので、導電性基材に有
機感光層用塗布液を塗布し乾燥しても、該塗布液の乾燥
時に導電性基材と有機感光層との間に存在する気体が円
滑に除去されるためか、有機感光層に気泡が生じない。
以下に、本発明を詳細に説明する。
上記導電性基材としては、アルマイト加工したアルミ
ニウムからなる種々のものが使用でき、例えば、JIS105
0、1070、1080などの純アルミニウムや、Al−Mg系合
金、Al−Cu系合金、Al−Si系合金、Al−Mg−Si系合金Al
−Cu−Si系合金などの種々アルミニウム合金、より詳し
くは、Al−Mn系合金であるアルミニウム合金JIS3003のH
14またはH16、Al−Si系合金であるJIS6063合金のT3など
のアルミニウム合金を陽極酸化したものが例示される。
上記アルマイト加工したアルミニウムからなる導電性
基材は、適宜の厚みのアルマイト加工層を有していても
よいが、導電性基材表面の導電性を確保するため、膜厚
1〜15μm、好ましくは6〜12μmのアルマイト加工層
を有するものが好ましい。アルマイト加工層の膜厚が1
μm未満であると導電性基材の耐蝕性、耐摩耗性だけで
なく、有機感光層との密着性が十分でなく、15μmを越
えると電気絶縁性が大きくなり、導電性基材からのキャ
リアの注入が十分でなく、感光体の繰返し使用により残
留電位が大きくなる。
なお、上記アルマイト加工は、シュウ酸、硫酸、クロ
ム酸、ホウ酸水溶液を電解液として使用し、上記電解液
の種類に応じて、例えば印加電圧10〜150V、電流密度0.
1〜500A/m2の条件で所望時間陽極酸化することにより行
なうことができる。
また、上記導電性基材のアルマイト加工面に前記有機
感光層を直接形成してもよいが、アルマイト加工層が多
孔質であり、汚染され易く、耐蝕性などが十分でないた
め、アルマイト加工層を封孔処理した不活性化な導電性
基材に有機感光層を形成するのが好ましい。
上記封孔処理されたアルマイト加工層は、従来慣用の
方法、例えば、前記アルマイト加工層を、水蒸気処理、
沸騰水処理、酢酸ニッケルおよび酢酸コバルトを含有す
る溶液による酢酸ニッケル処理、重クロム酸カリなどの
重クロム酸塩溶液による重クロム酸塩処理、ケイ酸ソー
ダ溶液によるケイ酸ソーダ処理、オレイン酸、ステアリ
ン酸などの浸漬、塗布による油脂処理、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂などの合成樹脂の浸漬、塗布による
合成樹脂含浸処理などに供することにより行なうことが
できる。上記処理のうち、水和反応により効率的に微細
孔を閉塞することができる酢酸ニッケル処理が好まし
い。
そして、有機感光層に気泡が発生せず、均質な感光層
を形成するため、感光層用塗布液の塗布に先だって、ア
ルマイト加工したアルミニウムからなる導電性基材を10
0℃以上の温度で加熱する。
上記加熱処理は、100℃以上の温度であれば適宜の温
度で行なうことができるが、好ましくは100〜500℃、さ
らに好ましくは、生産効率を高めると共にエネルギー消
費量を少なくするため、100〜150℃の温度で行なわれ
る。加熱処理温度が100℃未満であると感光層用塗布液
の乾燥時に有機感光層に気泡が生じる。また、加熱処理
時間は、上記加熱温度に応じて適宜設定することができ
るが、加熱処理温度が100℃以上であれば5分以上、好
ましくは15分以上行なわれる。
なお、上記加熱処理により有機感光層に気泡が生じな
い理由は明確ではないが、加熱処理しない導電性基材表
面と加熱処理した導電性基材表面とを顕微鏡により比較
観察すると、加熱処理しない導電性基材の表面では何ら
変化が見られないのに対して、加熱処理した導電性基材
では、微細なクラックが生じていることから、感光層形
成時に感光層用塗布液中の気化された溶媒蒸気が上記ク
ラック部を通じて円滑に除去されるものと思われる。上
記理由のためか、前記先行技術に記載されている湿度条
件と異なる条件、すなわち、相対湿度75%以上の条件で
上記加熱処理しても、前記セレンなどの蒸着膜からなる
無機感光層を形成する場合と異なり、有機感光層に気泡
が発生することがない。
次いで、必要応じて有機溶剤などで洗浄した後、アル
マイト加工したアルミニウムからなる導電性基材に有機
感光層を形成する。
上記有機感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物
質と結着樹脂と必要に応じて他の材料とを含有する単層
型感光層、電荷発生物質と結着樹脂などを含有する電荷
発生層と、電荷輸送物質と結着樹脂などを含有する電荷
輸送層とが積層された機能分離型感光層のいずれであっ
てもよい。なお、上記機能分離型感光層にあっては、前
記導電性基材に、電荷発生層と電荷輸送層とが順次積層
された形態や、上記とは逆の順序に積層されたものであ
ってもよい。
上記電荷発生物質としては、例えば、セレン、セレン
−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ
系化合物、ジスアゾ系化合物、トリスアゾ系化合物、ア
ンサンスロン系化合物、ジベンズピレンキノン系化合
物、フタロシアニン系化合物、インジゴ系化合物、トリ
フェニルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン
系化合物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キ
ナクリドン系化合物等が例示される。これらの電荷発生
物質は一種または二種以上混合して用いられる。
また電荷輸送物質としては、ニトロ基、ニトロソ基、
シアノ基等の電子受容性基を有する電子受容性物質、例
えば、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9
−フルオレノン等のフルオレノン系化合物、ジニトロア
ントラセン、2,4,8−トリニトロチオキサントン等のニ
トロ化合物;電子供与性物質、例えば、N,N−ジエチル
アミノベンズアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾ
ン、N−メチル−3−カルバゾリルアルデヒド N,N−
ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物、2,5−
ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール、2,5−ジ(4−N,N−ジエチルアミノフェ
ニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾー
ル系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アン
トラセン等のスチリル系化合物、N−エチルカルバゾー
ル等のカルバゾール系化合物、1−フェニル−3−(4
−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル
−3−(4−ジメチルアミノスチリル)−5−(4−ジ
メチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3
−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチ
ルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合
物、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−(4−
ジメチルアミノフェニル)−5−(2−クロロフェニ
ル)オキサゾール等のオキサゾール系化合物、イソオキ
サゾール系化合物、2−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチアゾ
ール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール
系化合物、ピラゾール系化合物、インドール系化合物、
トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、アントラ
セン、ピレン、フェナントレン等の縮合多環族化合物、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポ
リビニルアントラセン、エチルカルバゾール−ホルムア
ルデヒド樹脂等が例示される。上記電荷輸送物質は、一
種または二種以上使用される。
また、結着樹脂としては、種々のもの、例えば、スチ
レン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共
重合体、マレイン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、
アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル
変性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、
ポリアクリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート
樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂等、各種
の重合体が例示される。また、エポキシアクリレート、
ウレタンアクリレート等の光硬化型樹脂等も使用でき
る。さらには、前記電荷輸送物質としての光導電性ポリ
マー、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等を結着
樹脂としても使用してもよい。
また、他の材料としては、ターフェニル、ハロナフト
キノン類、アセナフチレン等、従来公知の増感剤、9−
(N,N−ジフェニルヒドラジノ)フルオレン、9−カル
バゾリルイミノフルオレンなどのフルオレン系化合物、
可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの劣化防止剤
等、種々の添加剤が例示される。
上記単層型感光層における電荷発生物質と電荷輸送物
質と上記結着樹脂との使用割合は、所望する有機感光体
の特性等に応じて適宜選択することができるが、結着樹
脂100重量部に対して、電荷発生物質2〜2500重量部、
好ましくは3〜15重量部、電荷輸送物質25〜200重量
部、好ましくは50〜150重量部使用される。電荷発生物
質および電荷輸送物質が上記使用量よりも少ないと、感
光体の感度が十分でないばかりか、残留電位が大きくな
る。また上記範囲を越えると感光体の表面電位が低下す
る。また、単層型の感光層は、適宜の厚みを有していて
もよいが、3〜50μm、特に5〜20μmの厚みを有する
ものが好ましい。
また、機能分離型感光層における電荷発生層を形成す
る場合、電荷発生物質と結着樹脂との割合は適宜設定す
ることができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発
生物質5〜5000重量部、特に10〜250重量部使用するの
が好ましい。電荷発生物質が5重量部未満であると電荷
発生能が小さく、5000重量部を越えると感光層の導電性
基材に対する密着性が低下する等の問題がある。上記電
荷発生層は、適宜の厚みを有していてもよいが、0.01〜
30μm、特に0.1〜20μm程度の厚みを有するものが好
ましい。
また、機能分離型感光層における電荷輸送層を形成す
る場合、電荷輸送物質と結着樹脂との割合は適宜設定す
ることができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷
輸送物質10〜500重量部、特に25〜200重量部使用するの
が好ましい。電荷輸送物質が、10重量部未満であると電
荷輸送能が十分でなく、500重量部を越えると電荷輸送
層の機械的強度等が低下する。上記電荷輸送層は、適宜
の厚みを有していてもよいが、2〜100μm、特に5〜3
0μm程度の厚みを有するものが好ましい。
上記単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質と
結着樹脂などを含有する感光層用分散液を調製し、該分
散液を前記導電性基材に塗布し、乾燥させることにより
形成することができる。また、機能分離型感光層は、電
荷発生物質と結着樹脂などを含有する電荷発生層用分散
液と、電荷輸送物質と結着樹脂などを含有する電荷輸送
層用塗布液をそれぞれ調製し、導電性基材に順次塗布
し、乾燥させることにより形成することができる。
上記分散液などの調製に際しては、結着樹脂等の種類
に応じて適宜の有機溶媒が使用され、該有機溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n
−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示され、
一種または二種以上混合して用いられる。なお、上記分
散液などは、電荷発生物質などの分散性、塗工性等をよ
くするため、界面活性剤、シリコーンオイルなどのレベ
リング剤等を含有していてもよい。
上記分散液などは、従来慣用の混合分散方法、例え
ば、ミキサー、ボールミル、ペイントシェーカー、サン
ドミル、アトライター、超音波分散器等を用いて調製す
ることができ、得られた分散液などの塗布に際しては、
従来慣用のコーティング方法、例えば、ディップコーテ
ィング、スプレーコーティング、スピンコーティング、
ローラーコーティング、ブレードコーティング、カーテ
ンコーティング、バーコーティング法等が採用される。
上記分散液などを導電性基材に塗布した後、乾燥させ
ることにより、電子写真有機感光体を形成することがで
きる。上記乾燥工程は、使用される前記溶媒の種類によ
って適宜設定することができるが、感光層の電荷発生物
質、特に電荷輸送物質の劣化を防止するため、通常、50
〜300℃の温度で30分〜24時間行なわれる。
なお、前記分散液などの塗布に先だって導電性基材を
熱処理しないと、上記乾燥工程において有機感光体に気
泡が生じ、均質な感光層を形成することができない。な
お、感光層に発生する気泡は、直径約5〜300μm程度
のものである。
上記構造の電子写真有機感光体において、前記導電性
基材と感光層との密着性などを高めるため、導電性基材
と感光層との間に下引き層を形成してもよい。該下引き
層は、天然または合成高分子を含有する溶液を塗布し、
乾燥後の膜厚が0.01〜1μm程度になるように形成され
る。また、前記感光層を保護するため、感光層上に表面
保護層を形成してもよい。前記表面保護層は、前記種々
の結着樹脂や、該結着樹脂と劣化防止剤等の添加剤との
混合液を通常、乾燥後の膜厚0.1〜10μm、好ましくは
0.2〜5μm程度の塗布することにより形成される。
上記のように、アルマイト加工したアルミニウムから
なる導電性基材を100℃以上の温度で加熱した後、感光
層用塗布液を塗布し有機感光層を形成すると、気泡のな
い均質な感光層を有する電子写真有機感光体を製造する
ことができる。より詳細には、導電性基材の加熱雰囲気
を相対湿度75%以下に設定したり、導電性基材の水分を
真空脱水したりすることなく、気泡のない均質な感光層
を形成することができる。また、導電性基材を100℃以
上の温度で加熱した後、導電性基材を水に浸漬し室温下
で乾燥させ、前記と同様にして有機感光層を形成して
も、有機感光層に気泡が発生しない。従って、アルミニ
ウムからなる導電性基材を加熱するという簡単な操作
で、歩留りよく安定した特性を有する電子写真有機感光
体を効率的に量産でき、ピンホールのない高品質の画像
を形成することができる。なお、上記の導電性基材の加
熱処理は、電子写真有機感光体の帯電特性、感光特性お
よび導電性基材と感光層との密着性などに悪影響を及ぼ
すことがない。従って、本発明の電子写真有機感光体の
製造方法は、複写機、レーザビーム−プリンタ、ファク
シミリ等の画像形成装置で使用される有機感光体を製造
する上で有用である。
〈実施例〉 以下に、実施例に基づき、本発明をより詳細に説明す
る。
感光層用塗布液の調製 ポリカーボネート(三菱瓦斯化学社製、商品名Z−30
0)100重量部、N,N−ジメチルぺリレン−3,4,9,10−テ
トラカルボキシジイミド8重量部、メタルフリーフタロ
シアニン0.4重量部、N−エチル−3−カルバゾリルア
ルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾン75重量部、9−
(N,N−ジフェニルヒドラジノ)フルオレン15重量部、
紫外線吸収剤37.5重量部、シリコーンオイル(信越化学
社製、商品名KF−96)および所定量のテトラヒドロフラ
ンをボールミルに仕込み、24時間混合分散し、単層型有
機感光層用塗布液を調製した。
また、導電性基材としてアルマイト加工層約8μmを
有し、酢酸ニッケル処理により封孔処理された径40mm、
長さ250mm、厚み1.5mmのAl−Mn系アルミニウム合金(JI
S3003)からなるアルミニウム製ドラムを用い、以下の
ようにして電子写真有機感光体を作製した。なお、歩留
りを調べるため、上記アルミニウム製ドラムは、以下の
各実施例および比較例においてそれぞれ複数本用いた。
実施例1〜3 上記アルミニウム製ドラムを100℃の温度で15分間
(実施例1)、100℃の温度で30分間(実施例2)およ
び120℃の温度で15分間(実施例3)加熱した後、上記
単量型有機感光層用塗布液を塗布し、100℃の温度で30
分間乾燥することにより、膜厚約18μmの感光層を有す
る電子写真有機感光体を作製した。
比較例1 上記アルミニウム製ドラムを加熱することなく、上記
実施例と同様にして、直接上記単層型有機感光体用塗布
液を塗布し、乾燥することにより電子写真有機感光体を
作製した。
比較例2 上記アルミニウム製ドラムを80℃の温度で30分間加熱
した後、上記実施例と同様にして、上記塗布液を塗布
し、乾燥することにより電子写真有機感光体を作製し
た。
上記各実施例および比較例で得られた複数の電子写真
有機感光体の感光層の気泡数、感光体の帯電特性および
感光特性を以下にようにして評価した。
気泡数の基準および歩留りの評価 感光体の感光層における気泡数を、各感光体毎に目視
にて計数し、感光体1本当りの気泡数を以下に基準で評
価した。
A:気泡がないもの B:1〜3個気泡があるもの C:4〜5個気泡があるもの D:6〜9個気泡があるもの E:10個以上気泡があるもの また、歩留りは、各実施例および比較例で得られた複
数の感光体において上記基準AおよびBを示す感光体の
占める割合を示す。
帯電特性および感光特性 上記の電子写真有機感光体の帯電特性、感光特性を調
べるため、静電複写紙試験装置(川口電機社製、SP−42
8型)を用いて、+6.0KVの条件でコロナ放電を行なうこ
とにより、前記各実施例および比較例の有機感光体を正
に帯電させ、各感光体の表面電位Vs.p.(V)を測定す
ると共に、10ルックスのタングステンランプを用いて、
感光体を露光し、上記表面電位Vs.p.が1/2となるまでの
時間を求め、半減露光量E1/2(μJ/cm2)を算出した。
また、露光後、0.15秒経過後の表面電位を残留電位Vr.
p.(V)とした。
上記実施例および比較例で得られた各有機感光体にお
ける気泡の発生、帯電特性および感光特性の結果を表1
に示す。
表1より明らかなように、導電性基材に感光層用塗布
液を塗布する前に、導電性基材を加熱しない比較例1
や、導電性基材を100℃未満の温度で加熱した比較例2
の電子写真有機感光体の感光層には、気泡が多数発生
し、歩留りが悪いことが判明した。これに対して、導電
性基材を加熱した後、感光層用塗布液を塗布し、感光層
を形成した実施例1〜3の電子写真有機感光体は、いず
れも気泡が発生せず、歩留りに優れていた。
なお、実施例1〜3の感光体と比較例1および2の感
光体との間に、帯電特性、感光特性の差異が認められな
かった。
実施例4および比較例3 上記実施例1の導電性基材に代えてAl−Si系アルミニ
ウム合金(JIS6063)を用い、上記実施例2と同様にし
て上記導電性基材を加熱した後、実施例2と同様にして
電子写真有機感光体を4個作製した(実施例4)。
また、上記導電性基材を加熱することなく、実施例2
と同様にして、電子写真有機感光体を4個作製した(比
較例3)。
実施例5および比較例4 上記実施例1の導電性基材に代えてAl−Mn系アルミニ
ウム合金(JI3003)を用い、上記実施例2と同様にして
導電性基材を加熱した後、実施例2と同様にして電子写
真有機感光体を4個作製した(実施例5)。
また、上記導電性基材を加熱することなく、実施例2
と同様にして電子写真有機感光体を4個作製した(比較
例4)。
比較例5 上記実施例4の導電性基材を、20℃の温度、真空度10
-2Torrの条件で24時間真空脱水した後、実施例1で調製
した感光層用塗布液を、上記実施例2と同様にして電子
写真有機感光体を4個作製した。
上記のようにして得られた電子写真有機感光体の感光
層に発生した気泡数を前記実施例1と同様にして計数
し、感光体1本当りの平均気泡数を求め、表2に示し
た。
表2より明らかなように、導電性基材を加熱せずに感
光層を形成した比較例3および4のものや、真空脱水し
た後、感光層を形成した比較例5の電子写真有機感光体
には、多数の気泡が観察された。これに対して、導電性
基材を加熱した後、感光層を形成した実施例4および5
の電子写真有機感光体は、導電性基材の種類に拘らず、
いずれも気泡が殆ど発生しないことを判明した。
なお、加熱処理しない各比較例の導電性基材表面と加
熱処理した各実施例の導電性基材表面とを顕微鏡により
比較観察したところ、比較例のものでは導電性基材の表
面では何ら変化が見られないのに対して、加熱処理した
実施例の導電性基材では、いずれも微細なクラックが生
じていることが判明した。
〈発明の効果〉 以上のように、本発明の電子写真有機感光体の製造方
法によれば、アルマイト加工したアルミニウムからなる
導電性基材を100℃以上の温度で加熱した後、有機感光
層を形成するので、導電性基材を加熱するという簡単な
操作で、歩留りよく安定した特性を有する気泡のない均
質な感光層を有する電子写真有機感光体を効率的に量産
でき、ピンホールのない高品質の画像を形成することが
できるという特有の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−22637(JP,A) 特開 昭64−79755(JP,A) 特開 昭62−77500(JP,A) 特表 昭60−500831(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルマイト加工したアルミニウムまたはア
    ルミニウム合金からなる導電性基材に有機感光層を形成
    して感光体を製造する方法であって、上記導電性基材を
    100℃以上の温度で加熱した後、有機感光層を形成する
    ことを特徴とする電子写真有機感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】導電性基材が、膜厚6〜12μmのアルマイ
    ト加工層を有するものである上記特許請求の範囲第1項
    記載の電子写真有機感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】導電性基材が、封孔処理されたアルマイト
    加工層を有するものである上記特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の電子写真有機感光体の製造方法。
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