JPH08308616A - 装身具の中留構造 - Google Patents

装身具の中留構造

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JPH08308616A
JPH08308616A JP5890196A JP5890196A JPH08308616A JP H08308616 A JPH08308616 A JP H08308616A JP 5890196 A JP5890196 A JP 5890196A JP 5890196 A JP5890196 A JP 5890196A JP H08308616 A JPH08308616 A JP H08308616A
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    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44CPERSONAL ADORNMENTS, e.g. JEWELLERY; COINS
    • A44C5/00Bracelets; Wrist-watch straps; Fastenings for bracelets or wrist-watch straps
    • A44C5/18Fasteners for straps, chains or the like
    • A44C5/22Fasteners for straps, chains or the like for closed straps
    • A44C5/24Fasteners for straps, chains or the like for closed straps with folding devices
    • A44C5/246Fasteners for straps, chains or the like for closed straps with folding devices having size adjusting means

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 朝夕で僅かに異なる手首等の微妙な太さの変
化にも追従して、その長さを容易に微調整できる装身具
の中留構造を提供することにある。 【解決手段】 バンド短手方向に突出したプッシュボタ
ン19、20の係合部40と中折れ部材5に設けた係合
爪9との係合により時計バンドを所定の長さに設定し且
つ前記プッシュボタン19、20の押圧操作により係合
部40と係合爪9との係合を解除する中留機構6を備
え、この中留機構6に、時計バンドの長さの微調整を行
うバンド長さ微調整手段を設け、このバンド長さ微調整
手段を、時計バンドの一端が固定され且つ時計バンドの
長手方向に滑動可能なスライド板18を有し、このスラ
イド板18に、前記プッシュボタン19、20の係合突
起41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身体に巻回されて
装着される装身具の構造に係わり、特に、腕時計、ブレ
スレッド等の手首に巻回される装身具、ネックレス等の
首に巻回される装身具、あるいはズボンのベルト等の腰
に巻回される装身具に適し、且つ朝夕で僅かに異なる手
首、首、あるいは腰の微妙な太さの変化にも追従して、
その長さを微調整できる装身具の中留構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装身具としての時計バンド構造の
中留構造におけるバンド長さ調整は、図36に示すよう
に時計バンドの駒170同志を連結するアジャストピン
171をピンセットのような工具172を用いて抜き、
駒170を外して、再び駒170同志をアジャストピン
171で連結して、外した駒170の長さ分だけ、バン
ド長さを短くする、あるいは、アジャストピン171を
外して切り離した駒170の間に、別の駒170を介入
して隣り合う駒170同志をアジャストピン171で結
合して介入した別の駒170の長さ分だけ、バンド長さ
を長くすることで行っていた。
【0003】また、従来のバンド長さ調整を備えた時計
バンド構造としては、図37に示すように中折れ部材1
80を、2枚の連結板181、182をそれぞれの端部
で枢着して構成し、また、長さ調整板183を、これの
板本体183aのバンド短手方向に一対の側壁部184
を設けて、これらの側壁部184にバンド長手方向に所
定のピッチで複数の調整孔185を設けて構成し、前記
中折れ部材180の連結板181を一方の時計バンド1
86の端部の連かん駒186Aに連結し、他方の時計バ
ンド187の端部の連かん駒187Aに前記長さ調整板
183を連結し、連かん駒187Aの端部に配したばね
棒189を前記長さ調整板183の調整孔185に係脱
可能に係止したものがある。
【0004】そして、この時計バンド構造において、バ
ンド長さの調整はばね棒189をピンセット等の工具を
用いて前記長さ調整板183の調整孔185から外し、
他の調整孔185に係止することにより行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図36
に示すように時計バンドの各駒170のアジャストピン
171を抜き、駒170の着脱でバンド長さの調整を行
う長さ調整機構にあっては、着脱される駒170の長さ
分しかバンド長さを調整できないので、ユーザーが腕時
計を装着した時、個々のユーザーが有するバンドの緩詰
の好みに合ったバンド長さの微調整ができなかった。こ
のために、腕時計の装着感が悪いものになるという問題
点があった。また、朝夕で手首の太さが変化するため、
ユーザーが十分な装着感を得るためには、ユーザー自身
で簡単に朝夕で長さ調整が行われることが望まれるが、
図36に示す長さ調整機構では、バンド長さを調整する
にはピンセットのような工具と、作業の熟練が必要であ
り、ユーザーが簡単に行えるものではなかった。
【0006】また、上記した長さ調整板183の端部に
設けたバネ棒189を前記長さ調整板183の調整孔1
85に係脱可能に係止する長さ調整機構にあっては、図
36に示す長さ調整機構よりは、微かな長さ調整ができ
るものの、バンド長さの調整の都度、ばね棒189を外
し、他の調整孔185に係止しなければならず、この作
業にはピンセットのような工具と作業の熟練が必要であ
り、ユーザーが簡単に行えるものではなかった。また、
前記調整孔185間のピッチを小さくすることは、加工
上限界があり、よって、極くわずかな長さ調整ができる
ものではなかった。このようなことから、バンド長さの
微調整機構を備えた時計バンド構造の出現が望まれてい
た。
【0007】本発明は、上記の問題点に着目して成され
たものであり、その目的とするところは、朝夕で僅かに
異なる手首等の微妙な太さの変化にも追従して、その長
さを容易に微調整できる装身具の中留構造を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係わる装身具の中留構造は、装身
具短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部
と中折れ部材に設けた中折れ部材側係合部との係合によ
り装身具を所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタン
の押圧操作により前記ボタン側係合部と前記中折れ部材
側係合部との係合を解除する中留機構を備え、この中留
機構に、装身具の長さの微調整を行う装身具長さ微調整
手段を設けたことを特徴とする。
【0009】かかる構成により、プッシュボタン操作に
よる中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を図るこ
とが可能になる。そして、装身具長さ微調整手段によ
り、装身具の長さの微調整を行なうことで、朝夕で僅か
に異なる手首等の微妙な太さの変化にも追従して、装身
具の長さを容易に微調整できる。
【0010】また、上記目的を達成するために、請求項
2の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の
装身具の中留構造において、前記装身具長さ微調整手段
を、装身具の一端が固定され且つ装身具の長手方向に滑
動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プ
ッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合する
スライド板側係合手段を設けて構成した。
【0011】かかる構成により、プッシュボタン操作に
よる中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を図るこ
とが可能になる。そして、前記プッシュボタンを操作し
て、または操作することなしに、前記ボタン側係合手段
をスライド板側係合手段より外して、前記スライド板を
移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタンの
前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合し
装身具長さの微調整を行なうことで、朝夕で僅かに異な
る手首等の微妙な太さの変化にも追従して、装身具の長
さを容易に微調整できる。
【0012】また、上記目的を達成するために、請求項
3の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項2記載の
装身具の中留構造において、前記スライド板が前記プッ
シュボタンと重なり合う。
【0013】かかる構成により、上記した請求項2の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、中留機構の
装身具短手方向の幅、装身具長手方向の長さを短くする
ことができて、中留機構の小型化を図り得る。
【0014】また、上記目的を達成するために、請求項
4の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項2又は請
求項3記載の装身具の中留構造において、前記プッシュ
ボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出す
る係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、前記
スライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少
なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱可
能に係合する係合歯部である。
【0015】かかる構成により、上記した請求項2の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記プッシ
ュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出
する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、こ
のスライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った
少なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱
可能に係合する係合歯部であるため、前記プッシュボタ
ンの係合突起と前記スライド板の係合歯部との係合が、
前記プッシュボタンと前記スライド板の中留機構からの
抜け止め、及び装身具長さ微調整における係合を兼ねる
ようになり、前記スライド板以外に何ら部品点数を増や
すことなく、安価に、プッシュボタン操作による中留機
構に装身具長さ微調整手段を一体化することができる。
【0016】また、前記スライド板の係合歯部の歯形状
を細かくすればするほど、前記スライド板をわずかに動
かしても、その都度前記係合歯部に係合できるので、よ
り微妙な装身具長さ微調整ができる。そして、前記スラ
イド板の係合歯部の歯形状は、機械加工の限界内でいく
らでも細かくすることができるので、プッシュボタン操
作による中留機構に一体化された装身具長さ微調整手段
は、朝夕でわずかに変わるユーザーの手首等の太さの変
化にも追従する、極めてわずかな微調整が可能となる。
【0017】また、上記目的を達成するために、請求項
5の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項2又は請
求項3又は請求項4記載の装身具の中留構造において、
前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段が、前記プ
ッシュボタンに形成したねじ孔に係合突起形成体を螺合
して、この係合突起形成体の係合突起部をスライド板側
に突出させて前記係合突起とした構成である。
【0018】かかる構成により、上記した請求項2の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、係合突起形
成体をプッシュボタンのねじ孔に捩じ込んで、この係合
突起形成体の係合突起部をスライド板側に突出させて係
合突起とすることが可能になって、後組みが可能にな
る。このために、係合突起の形成を削り出しや圧入で行
うものに比べて作業性が良好になり、コストを低減する
ことが可能になるし、また、係合突起の取り外しが可能
になる。
【0019】また、上記目的を達成するために、請求項
6の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項5記載の
装身具の中留構造において、中留枠に組み込まれて前記
プッシュボタンを装身具短手方向に移動可能に保持する
プッシュボタン保持部材の面部に挿入孔を設けて、この
挿入孔から前記プッシュボタンの前記ねじ孔に前記係合
突起形成体を螺合するようにした。
【0020】かかる構成により、上記した請求項5の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、中留枠にス
ライド板を挿入し、中留枠にプッシュボタン保持部材を
組み付け、中留枠の側方からプッシュボタンを挿入した
後に、すなわち、中留枠に、スライド板、プッシュボタ
ン保持部材及びプッシュボタンを組み付けた後に、挿入
孔からプッシュボタンのねじ孔に、係合突起を形成すべ
く係合突起形成体を螺合して、この係合突起形成体を組
み込むことが可能になるし、特に、プッシュボタンを中
留枠の側方から挿入することが可能になる。
【0021】このために、中留機構の組立てが簡単にな
り、作業性が良好になり、コストを低減することが可能
になる。
【0022】また、上記目的を達成するために、請求項
7の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項4又は請
求項5又は請求項6記載の装身具の中留構造において、
前記係合歯部の歯形状が、平面視でラチェット歯、山
歯、谷歯、方形歯のいずれか1つである。
【0023】かかる構成により、上記した請求項5の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、歯形状を選
択することにより、ユーザーの用途に応じて装身具長さ
微調整手段を種々様々に変化させることができる。
【0024】すなわち、係合歯部の歯形状をラチェット
歯にすると、スライド板は、プッシュボタンとの係合に
より一方向にはロックされるが、他方向には自由に動け
るようになる。よって、例えば、装身具を伸ばしたい場
合には、プッシュボタンを押圧しながら装身具を引っ張
り、スライド板を移動させて装身具を伸ばすことができ
るように、かつ装身具を縮めたい場合には、プッシュボ
タンを操作することなく、装身具を押し込んで縮めるこ
とができるように設定することができる。すると、ユー
ザーが前記プッシュボタンを操作しない限り、装身具は
伸びることがないので、ユーザーの意図に反して不用意
に装身具が伸びて手首より脱落することがないと共に、
装身具を縮めたい場合は、装身具を押し込むだけで簡単
に縮めることができるようになる。
【0025】また、前記係合歯部の歯形状を山歯、谷歯
のいずれかにすると、装身具を引っ張る、あるいは押し
込むことにより、プッシュボタンを何ら操作することな
くスライド板を移動させることができるので、装身具を
伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、容易に装身具長
さの微調整ができるようになる。
【0026】また、前記係合歯部の歯形状を方形歯にす
ると、装身具を伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、
プッシュボタンを押圧させるように設定することができ
る。
【0027】また、前記係合歯部の歯形状が方形歯であ
る場合には、一方及び他方のプッシュボタンに設けられ
る一方及び他方の係合突起は一方及び他方の方形歯に係
合する四角形状にすることにより、これら一方及び他方
の係合突起は点対称を成し、一方及び他方のプッシュボ
タンは、同じ形状になるために一種類で共用できるた
め、部品点数を減らして安価に製造できる。
【0028】また、上記目的を達成するために、請求項
8の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項4又は請
求項5又は請求項6記載の装身具の中留構造において、
前記係合歯部を、互いに向きが逆のラチェット歯をそれ
ぞれ装身具長手方向に複数並べて構成した。
【0029】かかる構成により、上記した請求項5の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記ラチェ
ット歯の歯の向きを逆にすれば、装身具を縮めたい場合
にのみ、プッシュボタンを押圧させるように設定するこ
ともできる。
【0030】また、前記係合歯部を、互いに向きが逆の
ラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構
成すれば、一方のプッシュボタンを押圧すれば、装身具
を伸ばす(あるいは縮める)ことができ、他方のプッシ
ュボタンを押圧すれば、装身具を縮める(あるいは伸ば
す)ことができるようになり、ユーザーが、一方及び他
方のプッシュボタンのいずれかを選んで押圧し、装身具
を伸ばしたり縮めたりするように設定することができ
る。
【0031】さらに、一方及び他方の係合突起は点対称
になって、一方及び他方のプッシュボタンは同じ形状に
なり、一種類で共用できるため、部品点数を減らして安
価に製造できる。
【0032】また、上記目的を達成するために、請求項
9の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1又は請
求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求
項6又は請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構造
において、前記中留機構が、両方のプッシュボタンの係
合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした両
プッシュ中留構成である。
【0033】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボ
タン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体
化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行
うことができる。
【0034】また、上記目的を達成するために、請求項
10の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1又は
請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請
求項6又は請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構
造において、前記中留機構が、片方のプッシュボタンの
係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした
両プッシュ中留構成である。
【0035】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボ
タン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体
化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行
うことができる。
【0036】また、上記目的を達成するために、請求項
11の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1又は
請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請
求項6又は請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構
造において、前記中留機構が、片方のプッシュボタンの
みの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うように
した片プッシュ中留構成である。
【0037】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボ
タン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体
化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行
うことができる。
【0038】また、上記目的を達成するために、請求項
12の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1又は
請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請
求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項9又は請求
項10又は請求項11記載の装身具の中留構造におい
て、前記中折れ部材が複数折れ構成である。
【0039】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボ
タン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体
化を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ
製品化が可能になる。
【0040】また、上記目的を達成するために、請求項
13の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1又は
請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請
求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項9又は請求
項10又は請求項11記載の装身具の中留構造におい
て、前記中折れ部材が、観音開き構成である。
【0041】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボ
タン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体
化を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ
製品化が可能になる。
【0042】また、上記目的を達成するために、請求項
14の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載
又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又
は請求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項9又は
請求項10又は請求項11記載の装身具の中留構造にお
いて、前記中留機構をシングル・ロックタイプの装身具
構成に設けた。
【0043】かかる構成により、上記した請求項2の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、従来の中留
機構とはほぼ同じ製品化が可能になる。
【0044】また、上記目的を達成するために、請求項
15の発明に係わる装身具の中留構造は、中留枠と共に
装身具が挿通する開口部を形成し且つこの開口部に挿入
されたベルトの係止孔に係脱可能に係止する突棒を有す
る表板を備え且つベルト短手方向に突出したプッシュボ
タンのボタン側係合部と前記突棒との係合により前記ベ
ルトを所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押
圧操作により前記ボタン側係合部と前記突棒との係合を
解除する中留機構と、前記ベルトの一端が固定され且つ
ベルトの長手方向に滑動可能なスライド板を有し、この
スライド板に、前記プッシュボタンのボタン側係合手段
が係脱可能に係合するスライド板側係合手段を設けて構
成した長さ微調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0045】かかる構成により、ベルトを腰回りに沿わ
せて、このベルトの先部を前記開口部に挿通して表板を
中留枠に重ねることにより、突棒をベルトの係止孔に係
脱可能に係止すると共に、この突棒をボタン側係合部に
係合してベルトを中留機構に連結してベルトを所定の長
さに設定し、また、ベルトを外す場合には、プッシュボ
タンの押圧操作によりボタン側係合部と突棒との係合を
解除し、前記表板を拡開して突棒をベルトの係止孔より
外して行う。
【0046】また、前記プッシュボタンを操作して、ま
たは操作することなしに、前記ボタン側係合手段をスラ
イド板側係合手段より外して、前記スライド板を移動し
てベルトの所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン
の前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合
しベルト長さの微調整を行なうことで、例えば、食後な
どのように、腰回りが太くなったとき、ズボンを装着し
たまま、ベルトを僅かに緩めることができる。
【0047】このように、プッシュボタン操作による中
留機構とベルト長さ微調整手段の一体化を図ることが可
能になるし、朝夕で僅かに異なる腰回りの微妙な太さの
変化にも追従して、ベルトの長さを容易に微調整でき
る。
【0048】また、上記目的を達成するために、請求項
16の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項15記
載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの
前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突
起であり、前記スライド板側係合手段が、前記スライド
板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも
一辺の縁部に形成されて、前記係合突起が係脱可能に係
合する係合歯部である。
【0049】かかる構成により、上記した請求項15の
発明の作用と同様な作用を奏し得る。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0051】(実施例1)本発明に係わる装身具の中留
構造の実施例1として時計バンド構造の中留構造につい
て図1乃至図8を参照して説明する。図1は本発明に係
わる装身具の中留構造の実施例1の一部省略した斜視
図、図2は同中留構造の分解状態の斜視図、図3は同中
留構造の装身具長手方向の立て断面図、図4は図3のA
−A線に沿う断面図、図5の(1)は中留枠の表側から
見た斜視図、図5の(2)は中留枠の裏側から見た斜視
図、図6はプッシュボタン保持部材の斜視図、図7はス
ライド板の斜視図、図8はプッシュボタンの斜視図であ
る。
【0052】装身具である時計バンド構造は、図1に示
すように腕時計(図示せず)の一方のバンド取付部(図
示せず)に連結された一方の時計バンド1と、腕時計の
他方のバンド取付部(図示せず)に連結された他方の時
計バンド2と、中折れ部材5と、バンド長さ微調整手段
(装身具長さ微調整手段)を備えた中留機構6とから構
成されている。
【0053】前記中折れ部材5は、中板3とこの中板3
の端部に回動可能に連結された外板4とから構成されて
いる。前記中板3の端部には連結ピン保持部7、8が形
成してあり、また、中板3の表側には中折れ部材側係合
部である係合爪9が植設してある。この係合爪9は軸部
9aの端部に傘部9bを形成して、この軸部9aの部分
が係止部にしてある。
【0054】また、前記外板4は、前記中板3が挿入さ
れる挿入孔部10を有する枠状体であり、その一端部に
一対の連結片部11を、他端部に連結ピン保持部12を
それぞれ有しており、連結片部11の対向面には係止孔
11aが形成してある。
【0055】そして、前記中板3は、その一方の連結ピ
ン保持部7が保持した連結ピン13を、一方の時計バン
ド1の端部の連かん駒14に回転可能に係合して、この
一方の時計バンド1に連結してあり、前記中板3の他端
部は、その他方の連結ピン保持部8が保持した連結ピン
15を、前記外板4の連結片部11の係止孔11aに回
転可能に係合して、この外板4に連結してある。
【0056】前記中留機構6は、図2に示すように中留
枠16とプッシュボタン保持部材17とスライド板18
とプッシュボタン19、20と2個のスプリング21と
から構成してある。
【0057】そして、前記中留枠16は、図2及び図5
の(1)、(2)に示すように表面部16aが曲面に成
された枠本体22を有しており、この枠本体22のバン
ド短手方向の両端部には互いに対向する端壁部22A、
22Bが形成してあり、これら端壁部22A、22Bの
中央部にはボタン挿入凹部23とこのボタン挿入凹部2
3を挟んだ両側方に位置する座面部24、25とが形成
してあり、座面部24、25にはそれぞれ圧入孔26が
形成してあって、これらの圧入孔26にはかしめ用ピン
26Aが圧入されるものである。また、前記端壁部22
A、22Bの一端側にはそれぞれピン孔27が形成して
ある。
【0058】また、前記プッシュボタン保持部材17
は、図2及び図6に示すように部材本体28を有してお
り、この部材本体28は、底面部28aのバンド長手方
向の両端部を立ち上げた後に底面部28aと平行に折り
曲げて、これらの折曲げ部29A、29Bを対向させた
形状をしており、底面部28aと折曲げ部29A、29
Bとで囲まれ、且つその上部に隙間である係合用開口部
29Cを有するバンド短手方向に沿った断面略矩形の空
間としてのボタン挿入孔Hが形成されている。そして、
前記部材本体28のバンド短手方向の両端部にはそれぞ
れ一対の取付部30、31が形成してあり、これらの取
付部30、31には孔部32が形成してある。また、前
記部材本体28の底面部28aの中央部には孔部33が
形成してあり、折曲げ部29A、29Bの中央部には円
弧状の切欠き部34A、34Bが形成してある。
【0059】また、前記スライド板18は、図2及び図
7に示すように板本体35を備えており、この板本体3
5には開口部36が形成してあり、この開口部36の両
側縁部にはバンド長手方向に、係合歯部を構成する複数
のラチェット歯37が形成してあって、これらスライド
板側係合手段を構成している。この場合、前記ラチェッ
ト歯37は、その係止側部37aを他方の時計バンド2
側に向けて形成してある。また、前記板本体35の右端
部には、ピン孔36aを有するピン連結部36Aが一対
形成してある。
【0060】一方及び他方の前記プッシュボタン19、
20は、図2及び図8に示すように端部に押部38Aを
形成したボタン本体38を有しており、このボタン本体
38の先部の一側には切欠き部39が形成してあって、
この切欠き部39の先側に円弧形状の係合部40が、切
欠き部39の元側にはボタン側係合手段である係合突起
41が形成してあり、また、ボタン本体38には、一側
に位置する元側ばね受け部39Aと他側に位置する先側
ばね受け部39Bとが形成してある。
【0061】そして、前記プッシュボタン保持部材17
の折曲げ部29A、29Bが前記中留枠16の端壁部2
2A、22B間に挿入されていて、前記取付部30、3
1を、前記座面部24、25に当接し、これらの座面部
24、25に設けたかしめ用ピン26Aを前記取付部3
0、31の孔部32に挿入した後、かしめることにより
固着されていて、このとき、ボタン挿入孔Hの開口部と
ボタン挿入凹部23が一致する。そして、前記プッシュ
ボタン保持部材17の折曲げ部29A、29Bと前記中
留枠16の枠本体22との間に隙間42が形成してあ
る。なお、前記取付部30、31の前記座面部24、2
5への取り付けは上記したかしめに限らず、溶接、ロー
付け、ビス止め等でも行なうことができる。
【0062】そして、前記隙間42に前記スライド板1
8がバンド長手方向に移動可能に挿入してある。また、
前記プッシュボタン保持部材17のボタン挿入孔Hに
は、一端側から一方のプッシュボタン19が、他端側か
ら他方のプッシュボタン20がそれぞれ挿入してあっ
て、一方及び他方のプッシュボタン19、20のそれぞ
れの係合突起41は前記折曲げ部29A、29B間の開
口部29C間から前記スライド板18の係合用開口部3
6内に突入している。
【0063】そして、一方のプッシュボタン19の元側
ばね受け部39Aと他方のプッシュボタン20の先側ば
ね受け部39Bとの間及び一方のプッシュボタン19の
先側ばね受け部39Bと他方のプッシュボタン20の元
側ばね受け部39Aとの間に、それぞれスプリング21
が介装してあり、これらのスプリング21の付勢力によ
り一方及び他方のプッシュボタン19、20は互いに離
間されていて、一方のプッシュボタン19の係合突起4
1は前記スライド板18の一方のラチェット歯37に、
他方のプッシュボタン20の係合突起41は前記スライ
ド板18の他方のラチェット歯37にそれぞれ係合して
いる。
【0064】よって、一方のプッシュボタン19と他方
のプッシュボタン20は、前記プッシュボタン保持部材
17のボタン挿入孔H内に抜けないように係止され、同
時に前記スライド板18は、隙間42内に抜けないよう
に係止される。そして、一方及び他方のプッシュボタン
19、20の前記係合部40は互いに対向していて、こ
れらでボタン側係合部を構成している。また、プッシュ
ボタン20の押し部38Aが、ボタン挿入凹部23より
外方に突出する。
【0065】上記のように構成された前記中留機構6
は、前記中留枠16の前記端壁部22A、22Bのピン
孔27に、前記外板4の連結ピン保持部12に保持され
た連結ピン43を係止して前記外板4に連結されてお
り、また、前記中留機構6は、前記スライド板18のピ
ン連結部36Aのピン孔36aに、他方の時計バンド2
の端部の連かん駒44が保持した連結ピン45を係止し
て他方の時計バンド2に連結されている。
【0066】次に、上記のように構成された時計バンド
構造の装着及びこの装着の解除とバンド長さの微調整操
作を説明する。
【0067】まず、時計バンドに手首を通した後に、前
記中板3を前記外板4側に折り畳んでこの中板3を外板
4の挿入孔部10に挿入すると共に、前記中板3に設け
た中折れ部材側係合部である前記係合爪9を、前記プッ
シュボタン保持部材17の底面部28aの孔部33に挿
入して、この係合爪9を前記ボタン側係合部、すなわち
一方及び他方の前記プッシュボタン19、20の互いに
対向する係合部40、40に係合して、前記時計バンド
を手首に装着する。
【0068】前記係合爪9の係合部40への係合は、こ
の係合爪9の端部の傘部9bで、一方及び他方の前記プ
ッシュボタン19、20の係合部40間をバンド短手方
向に互いに離間するように押開き、係合爪9の軸部9a
が挿入されると一方及び他方の前記プッシュボタン1
9、20の係合部40が前記スプリング21の付勢力に
より閉じて係合爪9の軸部9aに係止することで行われ
る。
【0069】また、前記時計バンドを手首から外す場合
には、一方及び他方のプッシュボタン19、20の押し
部38Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことによ
り、一方及び他方のプッシュボタン19、20を前記ス
プリング21に抗して移動させることにより前記係合部
40間を開いて係合を解除し、前記中板3を外に開い
て、外板4の挿入孔部10より抜き出し、前記時計バン
ドを拡開する。
【0070】また、前記スライド板18にラチェット歯
37が、その係止側部37aを他方の時計バンド2側に
向けて形成してあるために、時計バンドを縮める方向に
すなわち、時計バンド1側に向けて外板4を移動させる
と、前記スライド板18は移動して前記ラチェット歯3
7が一方及び他方のプッシュボタン19、20の係合突
起41上を滑り、前記スライド板18の移動を止めると
前記ラチェット歯37に係合突起41が係合して時計バ
ンドを縮める方向にバンド長さの微調整(例えば約1.
3mmピッチで5mm程度)が行われる。
【0071】また、時計バンドを伸ばす方向にバンド長
さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)
を行う場合には、一方及び他方のプッシュボタン19、
20を親指と人差し指で挟んで内側に押さなければなら
ない。これは、前記ラチェット歯37の係止側部37a
が、他方の時計バンド2側に向けて形成してあるため
に、時計バンド1と離間する方向に他方の時計バンド2
を引っ張っても、係止側部37aと係合突起41の係合
は維持されたままであり、よって前記スライド板18が
移動しないためである。
【0072】一方及び他方のプッシュボタン19、20
を押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン1
9、20を前記スプリング21に抗して移動させて、一
方及び他方のプッシュボタン19、20の係合突起41
を前記スライド板18のラチェット歯37から外し、こ
の状態を保持したままで、時計バンド1と離間する方向
に他方の時計バンド2を引っ張って、前記スライド板1
8を移動させ、所定の微調整後に一方及び他方のプッシ
ュボタン19、20の押えを解除して一方及び他方の前
記プッシュボタン19、20を前記スプリング21の付
勢力により外方に移動して、係合突起41を前記スライ
ド板18のラチェット歯37に係合させる。
【0073】上記した実施例1によれば、プッシュボタ
ン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体
化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微
調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長
手方向に滑動可能なスライド板18を有し、このスライ
ド板18に、前記プッシュボタン19、20の係合突起
41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構
成することにより、前記プッシュボタン19、20を操
作して、または操作することなしに、係合突起41をラ
チェット歯37より外して、前記スライド板18を移動
して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン19、
20の係合突起41をラチェット歯37に係合しバンド
長さの微調整を行なうことができる。
【0074】すなわち、手首の太さが僅かに変化した時
は、前記プッシュボタン19、20を押圧して段階的に
微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適
当な装着感を得ることができる。
【0075】(実施例2)本発明に係わる装身具の中留
構造の実施例2として時計バンド構造の中留構造につい
て図9乃至図12を参照して説明する。
【0076】この実施例2の構成が上記した実施例1の
構成と異なるところは前記中留機構6の構成である。こ
の中留機構6は、中留枠46とプッシュボタン保持部材
47とスライド板48とプッシュボタン49、50と2
個のスプリング51とから構成してある。そして、前記
中留枠46は、図5に示す実施例1の中留枠16と同じ
構成である。
【0077】前記プッシュボタン保持部材47は図11
に示すように部材本体52を有しており、この部材本体
52は、底面部52aのバンド長手方向の両端部を立ち
上げた立上り壁部53A、53Bを対向させた形状をし
ており、この部材本体52のバンド短手方向の両端部に
はそれぞれ一対の取付部53、54が形成してあり、こ
れらの取付部53、54には孔部55が形成してある。
また、前記部材本体52の底面部52aの中央部には孔
部56が形成してある。
【0078】また、前記スライド板48が、図6に示す
実施例1のスライド板18と異なるところは、実施例1
のスライド板18の係合歯部がラチェット歯37である
のに対して半円形状の谷歯57を並べて形成している点
であり、他の構成は実施例1のスライド板18と同じで
ある。
【0079】また、一方及び他方の前記プッシュボタン
49、50は、図12に示すように端部に押部58を形
成したボタン本体59を有しており、このボタン本体5
9の先部の一側には切欠き部60が形成してあって、こ
の切欠き部60の先側に円弧形状の係合部61が、切欠
き部60の元側には丸ピン状の係合突起62が突設して
あり、また、ボタン本体59には、一側に位置する元側
ばね受け部63Aと他側に位置する先側ばね受け部63
Bとが形成してあって、この先側ばね受け部63Bには
ばね保持用ピン部64が設けてある。
【0080】そして、前記プッシュボタン保持部材47
は前記中留枠46に上記した実施例1の場合と同じよう
にして固着されていて、前記プッシュボタン保持部材4
7の立上がり壁部53A、53Bと前記中留枠46の枠
本体22との間に隙間65が形成してある。
【0081】そして、この隙間65に前記スライド板4
8がバンド長手方向に移動可能に挿入してある。また、
前記プッシュボタン保持部材47には、一端側から一方
のプッシュボタン49が、他端側から他方のプッシュボ
タン50がそれぞれ挿入してあって、一方及び他方のプ
ッシュボタン49、50のそれぞれの係合突起62は前
記スライド板48の開口部36内に突入しており、一方
のプッシュボタン49の元側ばね受け部63Aと他方の
プッシュボタン50の先側ばね受け部63Bとの間及び
一方のプッシュボタン49の先側ばね受け部63Bと他
方のプッシュボタン50の元側ばね受け部63Aとの間
に、それぞれスプリング51が介装してあり、これらの
スプリング51の付勢力により一方及び他方のプッシュ
ボタン49、50は互いに離間する方向に付勢されてい
て、一方のプッシュボタン49の係合突起62は前記ス
ライド板48の一方の谷歯57に、他方のプッシュボタ
ン50の係合突起62は前記スライド板48の他方の谷
歯57にそれぞれ係合している。
【0082】この場合、前記先側ばね受け部63Bに設
けられたばね保持用ピン部64は前記スプリング51の
端部内に挿入されており、これらスプリング51の保持
を確実なものにしている。このように、前記ばね保持用
ピン部64でスプリング51を確実に保持したのは、前
記プッシュボタン保持部材47が、上記した実施例1の
プッシュボタン保持部材17と異なり、前記スプリング
51を抱く形状ではないために、このスプリング51が
外れ易いことを考慮したためである。また、前記プッシ
ュボタン保持部材47には折曲げ部29A、29Bが無
いために上下方向の厚みを薄くすることができる。
【0083】上記のように構成された前記中留機構6
は、上記した実施例1の場合と同様にして前記外板4及
び他方の時計バンド2に連結されている。
【0084】そして、この実施例2の時計バンド構造の
手首への装着及びこの装着の解除は実施例1の場合と同
様にして行われるが、前記時計バンドの長さを微調整す
る場合には、一方及び他方のプッシュボタン49、50
に設けられた係合突起62が丸ピンであり、前記係合歯
部が半円形状の谷歯57を並べて形成されているため
に、時計バンドを縮める方向及び伸ばす方向のいずれの
場合にも、他方の時計バンド2を強制的に移動させる
と、前記スライド板48は移動して前記谷歯57が一方
及び他方のプッシュボタン49、50の係合突起62上
を滑り、前記スライド板48の移動を止めると前記谷歯
57に係合突起62が係合することにより行う。
【0085】また、一方及び他方のプッシュボタン4
9、50を親指と人差し指で挟んで内側に押すことによ
り、一方及び他方のプッシュボタン49、50を前記ス
プリング51に抗して移動させて、一方及び他方のプッ
シュボタン49、50の係合突起62を前記スライド板
48の谷歯57から強制的に外し、この状態を保持した
ままで前記スライド板48を移動して、所定の微調整後
に、一方及び他方のプッシュボタン49、50の押えを
解除して一方及び他方の前記プッシュボタン49、50
を前記スプリング51の付勢力により外方に移動して係
合突起62を前記スライド板48の谷歯57に係合する
ことでも行うことができる。
【0086】上記した実施例2によれば、プッシュボタ
ン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体
化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微
調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長
手方向に滑動可能なスライド板48を有し、このスライ
ド板48に、前記プッシュボタン49、50の係合突起
62が係脱可能に係合する谷歯57を設けて構成するこ
とにより、前記プッシュボタン49、50を操作して、
係合突起62を谷歯57より外して、前記スライド板4
8を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタ
ン49、50の係合突起62を谷歯57に係合しバンド
長さの微調整を行なうことができる。
【0087】すなわち、手首の太さが僅かに変化した時
は、前記プッシュボタン49、50を押圧して段階的に
微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適
当な装着感を得ることができる。
【0088】(実施例3)次に、本発明に係わる装身具
の中留構造の実施例3を図13に基づいて説明する。こ
の実施例3の構成が上記した実施例1及び実施例2の構
成と異なるところは中留機構6の構成である。この中留
機構6は、中留枠77とプッシュボタン保持部材70と
スライド板73とプッシュボタン74、75と2個のス
プリング76とから構成してある。
【0089】前記中留枠77は、上記した実施例1及び
実施例2における前記中留機構6の中留枠16、46が
鋳造品、鍛造品、切削加工品であるのに対して板金製で
ある。すなわち、図13に示すように板金材により表面
部66aが曲面に成され且つ両側に折曲げ部からなる端
壁部67A、67Bを有する枠本体66が作成される。
この場合、この枠本体66の端壁部67A、67Bには
長方形状の窓部68A、68Bが形成され、前記端壁部
67A、67Bの一端側にはそれぞれピン孔69が形成
される。
【0090】また、前記プッシュボタン保持部材70は
板金材からなる部材本体71を有しており、この部材本
体71は、底面部71aのバンド長手方向の両端部を立
ち上げた後に底面部71aと平行に折り曲げて、これら
の折曲げ部72A、72Bを対向させた形状を成してい
る。そして、前記底面部71aに孔部71bが形成して
ある。
【0091】また、前記スライド板73とプッシュボタ
ン74、75と2個のスプリング76は、それぞれに上
記した実施例1におけるスライド板18とプッシュボタ
ン19、20と2個のスプリング21と同構成である。
【0092】そして、前記プッシュボタン保持部材70
には、一端側から一方のプッシュボタン74が、他端側
から他方のプッシュボタン75をそれぞれ挿入し、一方
のプッシュボタン74の元側ばね受け部39Aと他方の
プッシュボタン75の先側ばね受け部39Bとの間及び
一方のプッシュボタン74の先側ばね受け部39Bと他
方のプッシュボタン75の元側ばね受け部39Aとの間
に、それぞれスプリング76を介装してユニット化され
る。
【0093】そして、前記中留枠77の内面側に前記ス
ライド板73を沿わせて、ユニット化された前記プッシ
ュボタン保持部材70をプッシュボタン74、75を押
し込んだ状態で前記中留枠77の端壁部67A、67B
間に挿入して一方のプッシュボタン74を端壁部67A
の窓部68Aより、また、他方のプッシュボタン75を
端壁部67Bの窓部68Bよりそれぞれに外方に突出さ
せ、前記スプリング76の付勢力により一方及び他方の
プッシュボタン74、75を互いに離間させて、一方の
プッシュボタン74の係合突起41を前記スライド板7
3の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン
75の係合突起41を前記スライド板73の他方のラチ
ェット歯37にそれぞれ係合させて前記中留機構6が構
成してある。
【0094】上記のように構成された前記中留機構6
は、上記した実施例1の場合と同様にして前記外板4及
び他方の時計バンド2に連結されている。そして、この
実施例3の中留構造を備えた時計バンド構造の手首への
装着及びこの装着の解除は実施例1の場合と同様にして
行われる。
【0095】上記した実施例3によれば、プッシュボタ
ン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体
化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微
調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長
手方向に滑動可能なスライド板73を有し、このスライ
ド板73に、前記プッシュボタン74、75の係合突起
41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構
成することにより、前記プッシュボタン74、75を操
作して、係合突起41をラチェット歯37より外して、
前記スライド板73を移動して所定の長さの調整後に、
前記プッシュボタン74、75の係合突起41をラチェ
ット歯37に係合しバンド長さの微調整を行なうことが
できる。
【0096】すなわち、手首の太さが僅かに変化した時
は、前記プッシュボタン74、75を押圧して段階的に
微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適
当な装着感を得ることができる。
【0097】(実施例4)本発明の装身具の中留構造の
実施例4を図14に示す。前記バンド長さ微調整手段を
備えた中留機構6は上記した実施例1に示すように三つ
折り構成の中折れ部材5に装着されているが、図14に
示すように観音開き構成である中折れ部材5に装着して
もよい。
【0098】この観音開き構成である中折れ部材5は、
中折れ部材側係合部である係合爪80aを有する中間板
80の一端部に一方の開閉板81の一端部を、中間板8
0の他端部に他方の開閉板82の一端部をそれぞれ枢着
して構成してある。
【0099】そして、中留機構6は、中留枠85と、プ
ッシュボタン保持部材83と、スライド板84と、一方
及び他方のプッシュボタン86、87とから大略構成し
てあり、中留枠85、プッシュボタン保持部材83、ス
ライド板84及び一方及び他方のプッシュボタン86、
87は、上記した実施例3の中留機構6における中留枠
77、プッシュボタン保持部材70、スライド板73及
び一方及び他方のプッシュボタン74、74と同構成で
あるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】そして、前記プッシュボタン保持部材83
には、その一端側から一方のプッシュボタン86が、他
端側から他方のプッシュボタン87をそれぞれ挿入し、
一方のプッシュボタン86の元側ばね受け部39Aと他
方のプッシュボタン87の先側ばね受け部39Bとの間
及び一方のプッシュボタン86の先側ばね受け部39B
と他方のプッシュボタン87の元側ばね受け部39Aと
の間に、それぞれスプリング76を介装してユニット化
される。
【0101】そして、前記中留枠85の内面側に前記ス
ライド板84を沿わせて、ユニット化された前記プッシ
ュボタン保持部材83をプッシュボタン86、87を押
し込んだ状態で前記中留枠85の端壁部67A、67B
間に挿入して一方のプッシュボタン86を端壁部67A
の窓部68Aより、また、他方のプッシュボタン87を
端壁部67Bの窓部68Bよりそれぞれに外方に突出さ
せ、前記スプリング76の付勢力により一方及び他方の
プッシュボタン86、87を互いに離間させて、一方の
プッシュボタン86の係合突起41を前記スライド板8
4の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン
87の係合突起41を前記スライド板84の他方のラチ
ェット歯37にそれぞれ係合させて前記中留機構6が構
成してある。
【0102】そして、観音開き構成の中折れ部材5に中
留機構6及び時計バンド1、2を取り付けるには、一方
の開閉板81の他端部を前記中留機構6の中留枠85の
ピン孔87Aにピン88により枢着し、この中留機構6
のスライド板84の接続端部に一方の時計バンド1の端
部の連かん駒14を連結し、他方の開閉板82の他端部
を他方の時計バンド2に端部の連かん駒44を連結す
る。
【0103】そして、この実施例4の中留構造を備えた
時計バンド構造の手首への装着及びこの装着の解除は次
のように行われる。
【0104】すなわち、時計バンド構造に手首を通した
後に、他方の開閉板82を中間板80側に折り畳み、次
に、一方の開閉板81を中間板80側に折り畳んで、係
合爪80aを、前記プッシュボタン保持部材83の底面
部28aの孔部33に挿入して、この係合爪80aを前
記ボタン側係合部、すなわち一方及び他方の前記プッシ
ュボタン86、87の互いに対向する係合部40、40
に係合して、前記時計バンド構造を手首に装着する。
【0105】また、前記時計バンド構造を手首から外す
場合には、一方及び他方のプッシュボタン86、87の
押し部38Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すこと
により、一方及び他方のプッシュボタン86、87を前
記スプリング76に抗して移動させることにより前記係
合部40間を開いて係合を解除し、一方の開閉板81を
外に開き、かつ他方の開閉板82を外に開いて前記時計
バンド構造を拡開する。
【0106】また、前記スライド板84にラチェット歯
37が、その係止側部37aを他方の時計バンド2側に
向けて形成してあるために、時計バンド構造を縮める方
向に移動させると、前記スライド板84は移動して前記
ラチェット歯37が一方及び他方のプッシュボタン8
6、87の係合突起41上を滑り、前記スライド板84
の移動を止めると前記ラチェット歯37に係合突起41
が係合して時計バンド構造を縮める方向にバンド長さの
微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)が行
われる。
【0107】また、時計バンド構造を伸ばす方向にバン
ド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程
度)を行う場合には、一方及び他方のプッシュボタン8
6、87を親指と人差し指で挟んで内側に押さなければ
ならない。これは、前記ラチェット歯37の係止側部3
7aが、他方の時計バンド2側に向けて形成してあるた
めに、時計バンド1と離間する方向に他方の時計バンド
2を引っ張っても、係止側部37aと係合突起41の係
合は維持されたままであり、よって前記スライド板84
が移動しないためである。一方及び他方のプッシュボタ
ン86、87を押すことにより、一方及び他方のプッシ
ュボタン86、87を前記スプリング76に抗して移動
させて、一方及び他方のプッシュボタン86、87の係
合突起41を前記スライド板84のラチェット歯37か
ら外し、この状態を保持したままで、時計バンド1と離
間する方向に他方の時計バンド2を引っ張って、前記ス
ライド板84を移動させ、所定の微調整後に一方及び他
方のプッシュボタン86、87の押えを解除して一方及
び他方の前記プッシュボタン86、87を前記スプリン
グ76の付勢力により外方に移動して係合突起41を前
記スライド板84のラチェット歯37に係合させる。
【0108】上記した実施例4によれば、プッシュボタ
ン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体
化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微
調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長
手方向に滑動可能なスライド板84を有し、このスライ
ド板84に、前記プッシュボタン86、87の係合突起
41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構
成することにより、前記プッシュボタン86、87を操
作して、または操作することなしに、係合突起41をラ
チェット歯37より外して、前記スライド板84を移動
して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン86、
87の係合突起41をラチェット歯37に係合しバンド
長さの微調整を行なうことができる。
【0109】すなわち、手首の太さが僅かに変化した時
は、前記プッシュボタン86、87を押圧して段階的に
微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適
当な装着感を得ることができる。
【0110】上記した実施例1〜実施例4において、前
記プッシュボタン(19、20)、(74、75)、
(86、87)に設けた係合突起41は、削り出しまた
は圧入により形成されるものであり、係合突起41の形
成加工に熟練を要し、また、係合突起41がプッシュボ
タン(19、20)、(74、75)、(86、87)
に形成または固着されているために、実施例4を例にす
ると、上記したようにプッシュボタン保持部材83に一
方及び他方のプッシュボタン86、87をスプリング7
6と共に組み込んでユニット化し、中留枠85の内面側
にスライド板84を沿わせて、ユニット化された前記プ
ッシュボタン保持部材83をプッシュボタン86、87
を押し込んだ状態で中留枠85の端壁部67A、67B
間に挿入し、一方のプッシュボタン86を端壁部67A
の窓部68Aより、また、他方のプッシュボタン87を
端壁部67Bの窓部68Bよりそれぞれに外方に突出さ
せ、前記スプリング76の付勢力により一方及び他方の
プッシュボタン86、87を互いに離間させて、一方の
プッシュボタン86の係合突起41を前記スライド板8
4の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン
87の係合突起41を前記スライド板84の他方のラチ
ェット歯37にそれぞれ係合させて前記中留機構6を組
み立てる必要がある。
【0111】したがって、前記中留機構6の組立性を考
慮した場合、上記した実施例1〜実施例4の中留機構6
の場合、その組立に工数がかかると言わざるを得ない。
この組立工数をより少なく且つ簡単に行うことができる
実施例を次に説明する。
【0112】(実施例5)本発明の装身具の中留構造の
実施例5を図15乃至図20に示す。この実施例9の構
成が上記した実施例4の構成と異なるところは中留機構
6の構成である。なお、中折れ部材5は、上記した実施
例4の場合と同様に観音開き構成であるので、同一符号
を付して説明を省略する。また、実施例5はすべての部
品が板金プレス加工で製作されるものである。
【0113】前記中留機構6は、中留枠90と、プッシ
ュボタン保持部材91と、スライド板92と、プッシュ
ボタン93、94と、2個のスプリング95とから構成
してある。そして、前記中留枠90及びスライド板92
は、上記した実施例4の中留枠85びスライド板84と
同構成である。
【0114】そして、前記プッシュボタン保持部材91
は板金材からなる部材本体91Aを有しており、この部
材本体91Aは、底面部91aのバンド長手方向の両端
部を立ち上げた後に底面部91aと平行に折り曲げて、
これらの折曲げ部96A、96Bを対向させた形状をな
していて、折曲げ部96A、96B間にはバンド短手方
向に係合用開口部96Cが形成してある。そして、前記
底面部91aの中央部には孔部91bが形成してあり、
また、この底面部91aには、ハンド短手方向において
前記孔部91bを挟んだ位置にハンド短手方向に長い挿
入孔97A、97Bが形成してある。
【0115】一方及び他方の前記プッシュボタン93、
94は、端部に押部98Aを形成したボタン本体98を
有しており、このボタン本体98の先部の一側には切欠
き部99が形成してあって、この切欠き部99の先側に
円弧形状の係合部100が形成してあり、また、ボタン
本体98には、一側に位置する元側ばね受け部99Aと
他側に位置する先側ばね受け部99Bとが形成してあ
る。そして、切欠き部99の元側にはねじ孔102が形
成してあり、このねじ孔102には係合突起形成体10
3が螺合してある。
【0116】すなわち、係合突起形成体103は一種の
ボルト構成であり、頭部104とねじ部105とねじ形
成無しの係合突起部106とを有しており、頭部104
にはドライバーの先端が係合する溝部104Aが形成し
てある。そして、係合突起形成体103は、そのねじ部
105をねじ孔102に螺合してボタン本体98に取り
付けた場合、頭部104はボタン本体98に裏面に突出
し、係合突起部106はボタン本体98に表面に突出し
ていて係合突起41を形成する。
【0117】次に、前記中留機構6の組立てを説明す
る。前記中留枠90の内面側に、スライド板92を沿わ
せ、次に、このスライド板92に下側にプッシュボタン
保持部材91を組み付けて、このプッシュボタン保持部
材91のバンド短手方向の開口端部を、中留枠90の端
壁部67A、67Bの窓部68A、68Bに一致させ、
これらの窓部68A、68Bのいずれか一方(もしくは
両方)からプッシュボタン保持部材91の内部に、スプ
リング95を組み付けた一方及び他方のプッシュボタン
93、94を挿入する。
【0118】次に、プッシュボタン保持部材91の底面
部91aの挿入孔97A、97Bから係合突起形成体1
03を挿入して、そのねじ部105をプッシュボタン9
3、94のねじ孔102に螺合し、係合突起部106を
プッシュボタン保持部材91の係合用開口部96Cより
突出させて係合突起41を構成する。この場合、係合突
起形成体103の頭部104は挿入孔97A、97Bに
挿入され、前記スプリング95の付勢力により一方及び
他方のプッシュボタン93、94は互いに離間して、一
方のプッシュボタン93の係合突起41が前記スライド
板92の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボ
タン94の係合突起41が前記スライド板92の他方の
ラチェット歯37にそれぞれ係合する。そして、一方及
び他方のプッシュボタン93、94の押し部98Aは窓
部68A、68Bより外方に突出する。
【0119】上記のように、中留枠90に、スライド板
92と、プッシュボタン保持部材91と、プッシュボタ
ン93、94とを組み付けた後に、プッシュボタン9
3、94のねじ孔102に外部から係合突起形成体10
3を螺合して係合突起41を形成することができるの
で、係合突起を削り出した圧入で形成する場合に比べ
て、中留機構6の組立てが容易になり、作業性が良好に
なって、コストを低減することができる。また、係合突
起形成体103はプッシュボタン93、94にねじ込み
なので取り外しが可能になる。
【0120】そして、この実施例5の中留構造を備えた
時計バンド構造の手首への装着及びこの装着の解除は実
施例4の場合と同様にして行われる。
【0121】上記した実施例5によれば、プッシュボタ
ン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体
化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微
調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長
手方向に滑動可能なスライド板92を有し、このスライ
ド板92に、前記プッシュボタン93、94の係合突起
41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構
成することにより、前記プッシュボタン93、94を操
作して、係合突起41をラチェット歯37より外して、
前記スライド板92を移動して所定の長さの調整後に、
前記プッシュボタン93、94の係合突起41をラチェ
ット歯37に係合しバンド長さの微調整を行なうことが
できる。
【0122】すなわち、手首の太さが僅かに変化した時
は、前記プッシュボタン93、94を押圧して段階的に
微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適
当な装着感を得ることができる。
【0123】なお、前記スライド板18(48、73、
92)の係合歯部は実施例1及び実施例3乃至実施例5
におけるラチェット歯37を連続させたもの、実施例2
における谷歯57を連続させたものに限らず、図21に
示す山歯78を連続させたものでもよい。この場合、一
方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、
50)、(74、75)、(93、94)に設けられる
係合突起41、62は前記山歯78に係合する形状が必
要になる。
【0124】また、前記スライド板18(48、73、
92)の係合歯部としては、図22に示すように互いに
向きが逆のラチェット歯37−1、37−2をそれぞれ
バンド長手方向に複数並べて構成してもよい。すなわ
ち、一方のラチェット歯37−1は、その係止側部37
a−1が他方の時計バンド2側に向けて形成してあり、
他方のラチェット歯37−2は、その係止側部37a−
2が一方の時計バンド1側に向けて形成してある。この
場合、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、
(49、50)、(74、75)、(93、94)に設
けられる一方及び他方の係合突起78−1、78−2は
一方及び他方のラチェット歯37−1、37−2に係合
する形状にしてあり、これら一方及び他方の係合突起7
8−1、78−2は点対称を成し、一方及び他方のプッ
シュボタン(19、20)、(49、50)、(74、
75)、(93、94)は点対称を成している。このた
めに、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、
(49、50)、(74、75)、(93、94)は同
じ形状になり、一種類で共用できることになる。
【0125】そして、時計バンドを縮める方向及び伸ば
す方向のいずれの場合にも、ロックされる。すなわち、
時計バンドを縮める方向では、他方の係合突起78−2
が他方のラチェット歯37−2に係合し、時計バンドを
伸ばす方向では、一方の係合突起78−1が一方のラチ
ェット歯37−1に係合する。
【0126】したがって、時計バンドを縮める場合、す
なわち前記スライド板18(48、73、92)を、一
方の時計バンド1側に移動させる場合は、プッシュボタ
ン20(50、75、94)のみを押圧して、他方の係
合突起78−2と他方のラチェット歯37−2の係止側
部37a−2との係合を解除さえすれば良い。なぜなら
ば、一方のラチェット歯37−1は、その係止側部37
a−1が他方の時計バンド2側に向けて形成してあるた
め、プッシュボタン19(49、74、93)を押圧し
て、ラチェット歯37−1と一方の係合突起78−1と
の係合を解除せずとも、前記スライド板18(48、7
3、92)を一方の時計バンド1側に押圧すれば、一方
の係合突起78−1は、一方のラチェット歯37−1の
傾斜部分を滑動して、次々と一方のラチェット歯37−
1各々を越えていくからである。ところが、他方のラチ
ェット歯37−2は、その係止側部37a−2が一方の
時計バンド1側に向けて形成してあるで、プッシュボタ
ン20(50、75、94)を押圧して、ラチェット歯
37−2と他方の係合突起78−2との係合を解除しな
い限り、前記スライド板18(48、73、92)は、
一方の時計バンド1側に移動できない。
【0127】逆に、時計バンドを伸ばす場合は、プッシ
ュボタン19(49、74、93)のみを押圧すれば良
い。あるいは、時計バンドを縮める場合にも伸ばす場合
にも、両方のプッシュボタンを押圧してもかまわない。
すなわち、一方及び他方のプッシュボタン(19、2
0)、(49、50)、(74、75)、(93、9
4)を親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、
一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(4
9、50)、(74、75)、(93、94)を前記ス
プリング21(51、95)に抗して移動させて、一方
及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、5
0)、(74、75)、(93、94)の係合突起78
−1、78−2を一方及び他方のラチェット歯37−
1、37−2から強制的に外し、この状態を保持したま
まで前記スライド板18(48、73、92)を移動し
て、所定の微調整後に、一方及び他方のプッシュボタン
(19、20)、(49、50)、(74、75)、
(93、94)の押えを解除して一方及び他方の前記プ
ッシュボタン(19、20)、(49、50)、(7
4、75)、(93、94)を前記スプリング21(5
1、95)の付勢力により外方に移動して係合突起78
−1、78−2を一方及び他方のラチェット歯37−
1、37−2に係合することで行う。
【0128】また、前記スライド板18(48、73、
92)の係合歯部としては、図23に示すように略コ字
形状の方形歯79をそれぞれバンド長手方向に複数並べ
て構成してもよい。この場合、一方及び他方のプッシュ
ボタン(19、20)、(49、50)、(74、7
5)、(93、94)に設けられる一方及び他方の係合
突起79−1は一方及び他方の方形歯79に係合する四
角形状にしてあり、これら一方及び他方の係合突起79
−1は点対称を成し、一方及び他方のプッシュボタン
(19、20)、(49、50)、(74、75)、
(93、94)は点対称を成している。このために、一
方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、
50)、(74、75)、(93、94)は同じ形状に
なり、一種類で共用できることになる。
【0129】そして、時計バンド構造を縮める方向及び
伸ばす方向のいずれの場合にも、ロックされる。したが
って、時計バンド構造を縮める場合及び伸ばす場合に
は、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、
(49、50)、(74、75)、(93、94)を親
指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び
他方のプッシュボタン(19、20)、(49、5
0)、(74、75)、(93、94)を前記スプリン
グ21(51、95)に抗して移動させて、一方及び他
方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、
(74、75)、(93、94)の係合突起79−1を
一方及び他方の方形歯79から強制的に外し、この状態
を保持したままで前記スライド板18(48、73、9
2)を移動して、所定の微調整後に、一方及び他方のプ
ッシュボタン(19、20)、(49、50)、(7
4、75)、(93、94)の押えを解除して一方及び
他方の前記プッシュボタン(19、20)、(49、5
0)、(74、75)、(93、94)を前記スプリン
グ21(51、95)の付勢力により外方に移動して係
合突起79−1を一方及び他方の方形歯79に係合する
ことで行う。
【0130】(実施例6)本発明の装身具の中留構造の
実施例6を図24に示す。この実施例6における中留機
構6は、上記した実施例1、2、3における中留機構6
が、バンド短手方向に突出したプッシュボタン(19、
20)、(49、50)、(74、75)が両側に存在
する両プッシュ中留構成に対して、片方のプッシュボタ
ンのみの係合突起41がスライド板18の係合歯部であ
るラチェット歯37に噛み合うようにした両プッシュ中
留構成である。他の構成は上記した実施例1の装身具の
中留構造と同様であるので、同一符号を付して説明を省
略する。
【0131】実施例6における中留機構6においては、
一方及び他方のプッシュボタン19、20のうち、他方
のプッシュボタン20の係合突起41を削除して、一方
のプッシュボタン19の係合突起41をスライド板18
のラチェット歯37に係合させるようにしてあり、そし
て、バンド装着の解除は、一方及び他方のプッシュボタ
ン19、20を押すことにより行うし、バンド長さの微
調整は一方のプッシュボタン19のみを押して行う。
【0132】(実施例7)本発明の装身具の中留構造の
実施例7を図25に示す。この実施例7における中留機
構6においては、一方及び他方のプッシュボタン19、
20のそれぞれには係合突起41は存在するが、スライ
ド板18のラチェット歯37を片側だけにして、このラ
チェット歯37に一方の係合突起41を係合させるよう
にしてある。他の構成は上記した実施例1のものと同じ
であるので、同一符号を付して説明を省略する。そし
て、装着の解除は、一方及び他方のプッシュボタン1
9、20を押すことにより行うし、バンド長さの微調整
は一方のプッシュボタン19のみを押して行う。
【0133】(実施例8)本発明の装身具の中留構造の
実施例8を図26に示す。この実施例8における中留機
構6は片プッシュ中留構成であり、この中留機構6にお
いては、一方のプッシュボタン19にのみ押部38Aと
係合突起41と係合部40とを設け、他方のプッシュボ
タン20の押部38Aと係合突起41と係合部40とを
切除し、スライド板18のラチェット歯37を片側だけ
にして、このラチェット歯37に一方の係合突起41を
係合させるようにしてある。実施例4及び実施例5にお
ける中留機構6は、バンド短手方向に沿ってその両側よ
り一方及び他方のプッシュボタン19、20が各々突出
するが、実施例8における片プッシュの中留機構6は、
プッシュボタン19のみが、その片側より突出する構造
である。他の構成は上記した実施例1のものと同じであ
るので、同一符号を付して説明を省略する。そして、バ
ンド装着の解除及びバンド長さの微調整は一方のプッシ
ュボタン19のみを押して行う。
【00134】(実施例9)本発明の装身具の中留構造
の実施例9を図27及び図28に示す。この実施例9で
は、時計バンド構造にシングル・ロックタイプの中留構
造を使用している。このシングル・ロックタイプの中留
構造における中留機構6は、中留枠110と、一方及び
他方のプッシュボタン114、115と、プッシュボタ
ン保持部材116と、スライド板117と、蓋体118
とから大略構成してある。
【0135】そして、中留枠110は枠本体110Aを
有しており、この枠本体110Aのバンド短手方向の両
端部には互いに対向する端壁部110B、110Cが形
成してあり、これらの端壁部110B、110Cには、
その中央部のボタン挿入凹部112と、このボタン挿入
凹部112を挟んだ両側に位置する座面部112Aとが
形成してあり、端壁部110B、110C間がプッシュ
ボタン保持部材装着部にしてある。また、枠本体110
Aの表面部には凹部111が形成してあり、この凹部1
11には孔部113が設けてある。
【0136】また、前記スライド板117の開口部11
7Aの両側縁部にはバンド長手方向に、係合歯部を構成
する複数のラチェット歯119が形成してあって、これ
らスライド板側係合手段を構成している。この場合、前
記ラチェット歯119は、その係止側部119aを他方
の時計バンド2側に向けて形成してある。また、スライ
ド板117の右端部には、ピン孔117Bを有するピン
連結部117Cが一対形成してある。
【0137】一方及び他方の前記プッシュボタン11
4、115は、端部に押部127Aを形成したボタン本
体127を有しており、このボタン本体127の先部の
一側には切欠き部128が形成してあって、この切欠き
部128の先側に円弧形状の係合部125が、切欠き部
128の元側にはボタン側係合手段である係合突起12
6が形成してあり、また、ボタン本体128には、一側
に位置する元側ばね受け部129Aと他側に位置する先
側ばね受け部129Bとが形成してある。
【0138】また、前記プッシュボタン保持部材116
は、部材本体130を有しており、この部材本体130
は、天井部130aのバンド長手方向の両端部には下方
に向けて折曲げ部131A、131Bが形成してあっ
て、天井部130aと折曲げ部131A、131Bとで
囲まれ、且つその底部にバンド短手方向に沿う係合用開
口部131Cを有するバンド短手方向に沿った断面略矩
形の空間としてのボタン挿入孔Hが形成されている。そ
して、前記部材本体130の天井部130aの中央部に
は孔部132が形成してある。
【0139】そして、前記中留枠110のプッシュボタ
ン保持部材装着部には、一方及び他方のプッシュボタン
114、115をスプリング121と共に組み込んだプ
ッシュボタン保持部材116とスライド板117とが重
ねた状態で挿入し、中留枠110の座面部112Aに蓋
体118を固着して、この蓋体118でプッシュボタン
保持部材116が保持してある。
【0140】そして、一方及び他方のプッシュボタン1
14、115の係合突起126がスライド板117のラ
チェット歯119に係合しており、よって、一方のプッ
シュボタン114と他方のプッシュボタン115は、前
記プッシュボタン保持部材116のボタン挿入孔H内に
抜けないように係止され、同時に前記スライド板117
は、プッシュボタン保持部材116と蓋体118との間
の隙間内に抜けないように係止される。そして、一方及
び他方のプッシュボタン114、115の前記係合部1
25は互いに対向していて、これらでボタン側係合部を
構成している。また、プッシュボタン114、115の
押し部127Aが、ボタン挿入凹部112より外方に突
出する。
【0141】また、前記中留枠110の端部には表板1
22が枢着してあり、この表板122に中折れ部材側係
合部である係合爪123が設けてあり、スライド板11
7の連結部117Cには一方の時計バンド1の端部の連
かん駒14が連結してあり、他方の時計バンド2の端部
の連かん駒44には連結用バー部材124が設けてあ
る。
【0142】次に、上記のように構成された時計バンド
構造の装着及びこの装着の解除とバンド長さの微調整操
作を説明する。
【0143】まず、時計バンド構造を手首に沿わせた後
に、連結用バー部材124を前記表板122に引っ掛け
て、この表板122を、その枢着部122aで折り畳ん
でこの表板122の係合爪123を前記孔部113を介
してプッシュボタン114、115の係合部125に係
合して、前記中留機構6を介して一方の時計バンド1と
他方に時計バンド2とを連結して、前記時計バンド構造
を手首に装着する。
【0144】また、前記時計バンド構造を手首から外す
場合には、一方及び他方のプッシュボタン114、11
5の押し部127Aを親指と人差し指で挟んで内側に押
すことにより、一方及び他方のプッシュボタン114、
115を前記スプリング121に抗して移動させること
により前記係合部125間を開いて係合を解除し、前記
表板122を外に開いて、連結用バー部材124を前記
表板122より外して前記時計バンド構造を拡開する。
【0145】また、前記スライド板117のラチェット
歯119が、その係止側部119aを他方の時計バンド
2側に向けて形成してあるために、時計バンド構造を縮
める方向にすなわち、時計バンド1側に向けて移動させ
ると、前記スライド板117は移動して前記ラチェット
歯119が一方及び他方のプッシュボタン114、11
5の係合突起126上を滑り、前記スライド板117の
移動を止めると前記ラチェット歯119に係合突起12
6が係合して時計バンド構造を縮める方向にバンド長さ
の微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)が
行われる。
【0146】また、時計バンド構造を伸ばす方向にバン
ド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程
度)を行う場合には、一方及び他方のプッシュボタン1
14、115を親指と人差し指で挟んで内側に押して、
一方及び他方のプッシュボタン114、115を前記ス
プリング121に抗して移動させて、一方及び他方のプ
ッシュボタン114、115の係合突起126を前記ス
ライド板117のラチェット歯119から外し、この状
態を保持したままで、時計バンド1と離間する方向に他
方の時計バンド2を引っ張って、前記スライド板117
を移動させ、所定の微調整後に一方及び他方のプッシュ
ボタン114、115の押えを解除して一方及び他方の
前記プッシュボタン114、115を前記スプリング1
21の付勢力により外方に移動して係合突起を前記スラ
イド板117のラチェット歯119に係合させる。
【0147】上記した実施例9によれば、プッシュボタ
ン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体
化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微
調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長
手方向に滑動可能なスライド板117を有し、このスラ
イド板117に、前記プッシュボタン114、115の
係合突起126が係脱可能に係合するラチェット歯11
9を設けて構成することにより、前記プッシュボタン1
14、115を操作して、または操作することなしに、
係合突起126をラチェット歯119より外して、前記
スライド板117を移動して所定の長さの調整後に、前
記プッシュボタン114、115の係合突起126をラ
チェット歯119に係合しバンド長さの微調整を行なう
ことができる。
【0148】すなわち、手首の太さが僅かに変化した時
は、前記プッシュボタン114、115を押圧して段階
的に微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最
も適当な装着感を得ることができる。
【0149】(実施例10)本発明に係わる装身具の中
留構造の実施例10を図29乃至図32に示す。この実
施例10は、中留構造を装身具としてのブレスレッドに
組み込んだものである。この場合、シングル・ロックタ
イプの中留構造を、装身具としてのブレスレッド140
に組み込んである。すなわち、この中留構造における中
留機構6のプッシュボタン保持部材144は、その底面
部144aのベルト長手方向の両端部には上方に向けて
立ち壁部154A、154Bが形成してあって、前記底
面部144aにはバンド短手方向に沿う開口部154C
が形成してある。そして、他の構成は、上記した実施例
9の中留機構6と同構成にしてある。ブレスレッド14
0の一端部140Aには、中留機構6のスライド板11
7の連結部117Cが連結してあり、ブレスレッド14
0の他端部140Bには連結用バー部材124が設けて
ある。
【0150】したがって、ブレスレッド140の手首へ
の装着は、まず、ブレスレッド140を手首に沿わせた
後に、実施例9の場合と同様に、連結用バー部材124
を前記表板122に引っ掛けて、この表板122を、そ
の枢着部122aで折り畳んでこの表板122の係合爪
123を前記孔部113を介してプッシュボタン11
4、115の係合部125に係合してブレスレッド14
0の両端部を互いに連結して行われる。
【0151】また、前記ブレスレッド140を手首から
外す場合には、一方及び他方のプッシュボタン114、
115の押し部127Aを親指と人差し指で挟んで内側
に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン11
4、115を前記スプリング121に抗して移動させる
ことにより前記係合部125間を開いて係合を解除し、
前記表板122を外に開いて、連結用バー部材124を
前記表板122より外すことにより行われる。
【0152】また、前記ブレスレッド140の長さ調整
は、上記した実施例9の場合の調整操作と同様に行われ
る。したがって、手首にブレスレッド140を嵌めた状
態で、長さの微調整を行ない、手首の太さに対応した長
さのブレスレッド140にする。その後、手首の太さが
僅かに変化した時は、プッシュボタン114、115を
押圧して段階的に微調整を行い、ブレスレッド140を
手首から外すことなく、最も適当な装着感を得ることが
できる。
【0153】(実施例11)本発明に係わる装身具の中
留構造の実施例11を図33乃至図35に示す。この実
施例10は、中留構造を装身具としてのベルト(ズボン
ベルト)141に組み込んだものである。
【0154】この場合、中留機構6は、中留枠163
と、一方及び他方のプッシュボタン142、143、プ
ッシュボタン保持部材144と、スライド板145と、
蓋体146と、中折れ部材である表板155とから大略
構成してある。
【0155】そして、中留枠163のバンド短手方向の
両端部には互いに対向する端壁部163A、163Bが
形成してあり、これらの端壁部163A、163Bに
は、その中央部に、切欠き部からなるボタン挿入凹部1
47が形成してあり、端壁部163A、163B間がプ
ッシュボタン保持部材装着部にしてある。また、中留枠
163のの表面部には孔部148が設けてある。
【0156】また、前記スライド板145の開口部14
5Aの両側縁部にはベルト長手方向に、係合歯部を構成
する複数のラチェット歯149が形成してあって、これ
らスライド板側係合手段を構成している。この場合、前
記ラチェット歯149は、その係止側部149aをベル
ト141とは反対側に向けて形成してある。また、スラ
イド板145の右端部には、ピン孔145Bを有するピ
ン連結部145Cが一対形成してある。
【0157】一方及び他方の前記プッシュボタン14
2、143は、端部に押部150Aを形成したボタン本
体150を有しており、このボタン本体150の先部の
一側には切欠き部151が形成してあって、この切欠き
部151の先側に円弧形状の係合部152が、切欠き部
151の元側にはボタン側係合手段である係合突起15
3が形成してあり、また、ボタン本体150には、一側
に位置する元側ばね受け部153Aと他側に位置する先
側ばね受け部153Bとが形成してある。
【0158】また、前記プッシュボタン保持部材144
は、その底面部144aのベルト長手方向の両端部には
上方に向けて立ち壁部154A、154Bが形成してあ
って、前記底面部144aにはバンド短手方向に沿う開
口部154Cが形成してある。
【0159】また、前記表板155は、その表面部15
6のベルト短手方向の両側に側壁部157A、157B
を形成し、これらの側壁部157A、157Bの一端部
を延長してこれらの延長部158の端部を取付部158
Bにして、表面部156の裏側に中折れ部材側係合部で
ある突棒159を突設したものである。そして、側壁部
157A、157Bから延長部158にかけて切欠き部
158Aが形成してある。また、前記蓋体146はその
ベルト短手方向の両端部に突出部146Aを有してい
る。
【0160】そして、前記中留枠163のプッシュボタ
ン保持部材装着部には、一方及び他方のプッシュボタン
142、143をスプリング164と共に組み込んだプ
ッシュボタン保持部材144とスライド板145とが重
ねた状態で挿入してあり、中留枠142の下側には蓋体
146が固着してあって、この蓋体146の突出部14
6Aが中留枠163の端壁部163A、163Bのボタ
ン挿入凹部147に挿入してあり、ボタン挿入凹部14
7と突出部146Aとでボタン挿入口が形成されてい
て、これらのボタン挿入口より一方及び他方のプッシュ
ボタン142、143の押し部150Aが突出してい
る。
【0161】そして、一方及び他方のプッシュボタン1
42、143の係合突起153がスライド板145のラ
チェット歯149に係合しており、よって、一方のプッ
シュボタン142と他方のプッシュボタン143は、前
記プッシュボタン保持部材144内に抜けないように係
止され、同時に前記スライド板145は、プッシュボタ
ン保持部材144と蓋体146との間の隙間内に抜けな
いように係止される。そして、一方及び他方のプッシュ
ボタン142、143の前記係合部152は互いに対向
していて、これらでボタン側係合部を構成している。
【0162】そして、前記中留枠163の端部には、前
記表板155が、その延長部158の端部の取付部15
8Bで連結ピン161Aにより回転可能に取り付けてあ
り、表板155の端縁部155aと延長部158と中留
枠163の端縁部163aとで開口部160を形成して
いる。
【0163】そして、前記中留機構6のスライド板14
5の連結部145Cにはベルト141のベルト本体14
1Aの基端部が連結ピン161で連結してあり、ベルト
本体141Aの先部には係止孔162が所定の間隔をお
いて複数設けてある。また、スライド板146のラチェ
ット歯149のベルト長手方向の長さL1は、ベルト本
体141Aの先部の係止孔162間の距離L2より小さ
くしてある。
【0164】したがって、ベルト141を腰回りに装着
する場合(ズボンをはく場合等)は、ベルト141を腰
回りに沿わせて、ベルト141の先部を前記開口部16
0に挿通して前記表板155を中留枠163に重ねるこ
とにより、突棒159を前記係止孔162に挿入すると
共に、前記孔部148を介してプッシュボタン142、
143の係合部152に係合してベルト141を中留機
構6に連結する。
【0165】また、前記ベルト141を腰回り外す場合
(ズボンを脱ぐ場合等)には、一方及び他方のプッシュ
ボタン142、143の押し部150Aを親指と人差し
指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッ
シュボタン142、143を前記スプリング164に抗
して移動させることにより前記係合部152間を開いて
突棒159との係合を解除し、前記表板155を外に開
いて、突棒159を前記係止孔162より外すことによ
り行われる。
【0166】また、前記ベルト141の長さ微調整は、
上記した実施例9の場合の微調整操作と同様に行われ
る。したがって、ベルト141の装着後、腰回りの周長
が変化した時は、長さの微調整を行えば良い。例えば食
後などにように、腰回りが太くなった時は、ズボンに装
着したままベルト141を僅かに緩めることができる。
係止孔162を選択し直すのに比べ、より微妙な微調整
が可能となる。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係わる装身具の中留構造によれば、装身具短手方向に突
出したプッシュボタンのボタン側係合部と中折れ部材に
設けた中折れ部材側係合部との係合により装身具を所定
の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作によ
り前記ボタン側係合部と前記中折れ部材側係合部との係
合を解除する中留機構を備え、この中留機構に、装身具
の長さの微調整を行う装身具長さ微調整手段を設けたこ
とにより、プッシュボタン操作による中留機構と装身具
長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そし
て、装身具長さ微調整手段により、装身具の長さの微調
整を行なうことで、朝夕で僅かに異なる手首等の微妙な
太さの変化にも追従して、装身具の長さを容易に微調整
できる。
【0168】また、請求項2の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造にお
いて、前記装身具長さ微調整手段を、装身具の一端が固
定され且つ装身具の長手方向に滑動可能なスライド板を
有し、このスライド板に、前記プッシュボタンのボタン
側係合手段が係脱可能に係合するスライド板側係合手段
を設けて構成したことにより、プッシュボタン操作によ
る中留機構とバンド長さ微調整手段の一体化を図ること
が可能になる。そして、前記プッシュボタンを操作し
て、または操作することなしに、前記ボタン側係合手段
をスライド板側係合手段より外して、前記スライド板を
移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタンの
前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合し
バンド長さの微調整を行なうことで、朝夕で僅かに異な
る手首等の微妙な太さの変化にも追従して、装身具の長
さを容易に微調整できる。
【0169】また、請求項3の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項2記載の装身具の中留構造にお
いて、前記スライド板が前記プッシュボタンと重なり合
うようにしたことにより、上記した請求項2の発明の効
果と同様な効果を奏し得るばかりか、中留機構の装身具
短手方向の幅、装身具長手方向の長さを短くすることが
できて、中留機構の小型化を図り得る。
【0170】また、請求項4の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項2又は請求項3記載の装身具の
中留構造において、前記プッシュボタンの前記ボタン側
係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前
記スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開
口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に
形成されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部
であることにより、上記した請求項2の発明の効果と同
様な効果を奏し得るばかりか、前記プッシュボタンの係
合突起と前記スライド板の係合歯部との係合が、前記プ
ッシュボタンと前記スライド板の中留機構からの抜け止
め、及び装身具長さ微調整における係合を兼ねるように
なり、前記スライド板以外に何ら部品点数を増やすこと
なく、安価に、プッシュボタン操作による中留機構に装
身具長さ微調整手段を一体化することができる。
【0171】また、前記スライド板の係合歯部の歯形状
を細かくすればするほど、前記スライド板をわずかに動
かしても、その都度前記係合歯部に係合できるので、よ
り微妙な装身具長さ微調整ができる。そして、前記スラ
イド板の係合歯部の歯形状は、機械加工の限界内でいく
らでも細かくすることができるので、プッシュボタン操
作による中留機構に一体化された装身具長さ微調整手段
は、朝夕でわずかに変わるユーザーの手首の太さの変化
にも追従する、極めてわずかな微調整が可能となる。
【0173】また、請求項5の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項2又は請求項3又は請求項4記
載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの
前記ボタン側係合手段が、前記プッシュボタンに形成し
たねじ孔に係合突起形成体を螺合して、この係合突起形
成体の係合突起部をスライド板側に突出させて前記係合
突起とした構成であることにより、上記した請求項2の
発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、係合突起
形成体をプッシュボタンのねじ孔に捩じ込んで、この係
合突起形成体の係合突起部をスライド板側に突出させて
係合突起とすることが可能になって、後組みが可能にな
る。このために、係合突起の形成を削り出しや圧入で行
うものに比べて作業性が良好になり、コストを低減する
ことが可能になるし、また、係合突起の取り外しが可能
になる。
【0174】また、請求項6の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項5記載の装身具の中留構造にお
いて、中留枠に組み込まれて前記プッシュボタンを装身
具短手方向から挿入して移動可能に保持するプッシュボ
タン保持部材の面部に挿入孔を設けて、前記係合突起形
成体を前記挿入孔から前記プッシュボタンの前記ねじ孔
に螺合するようにしたことにより、上記した請求項5の
発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、中留枠に
スライド板を挿入し、中留枠にプッシュボタン保持部材
を組み付け、中留枠の側方からプッシュボタンを挿入し
た後に、すなわち、中留枠に、スライド板、プッシュボ
タン保持部材及びプッシュボタンを組み付けた後に、挿
入孔からプッシュボタンのねじ孔に、係合突起を形成す
べく係合突起形成体を螺合して、この係合突起形成体を
組み込むことが可能になり、特に、プッシュボタンをプ
ッシュボタン保持部材の装身具短手方向から挿入するこ
とが可能になって、中留機構の組立てが簡単になり、作
業性が良好になり、コストを低減することが可能にな
る。
【0175】また、請求項7の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項4又は請求項5又は請求項6記
載の装身具の中留において、構造前記係合歯部の歯形状
が、平面視でラチェット歯、山歯、谷歯、方形歯のいず
れか1つであることにより、上記した請求項4の発明の
効果と同様な効果を奏し得るばかりか、歯形状を選択す
ることにより、ユーザーの用途に応じて装身具長さ微調
整手段を種々様々に変化させることができる。
【0176】すなわち、係合歯部の歯形状をラチェット
歯にすると、スライド板は、プッシュボタンとの係合に
より一方向にはロックされるが、他方向には自由に動け
るようになる。よって、例えば、装身具を伸ばしたい場
合には、プッシュボタンを押圧しながら装身具を引っ張
り、スライド板を移動させて装身具を伸ばすことができ
るように、かつ装身具を縮めたい場合には、プッシュボ
タンを操作することなく、装身具を押し込んで縮めるこ
とができるように設定することができる。すると、ユー
ザーが前記プッシュボタンを操作しない限り、装身具は
伸びることがないので、ユーザーの意図に反して不用意
に装身具が伸びて手首より脱落することがないと共に、
装身具を縮めたい場合は、装身具を押し込むだけで簡単
に縮めることができるようになる。
【0177】また、前記係合歯部の歯形状を山歯、谷歯
のいずれかにすると、装身具を引っ張る、あるいは押し
込むことにより、プッシュボタンを何ら操作することな
くスライド板を移動させることができるので、装身具を
伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、容易に装身具長
さの微調整ができるようになる。
【0178】また、前記係合歯部の歯形状が方形歯にす
ると、装身具を伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、
プッシュボタンを押圧させるように設定することができ
る。
【0179】また、前記係合歯部の歯形状が方形歯であ
る場合には、一方及び他方のプッシュボタンに設けられ
る一方及び他方の係合突起は一方及び他方の方形歯に係
合する四角形状にすることにより、これら一方及び他方
の係合突起は点対称を成し、一方及び他方のプッシュボ
タンは、同じ形状になるために一種類で共用できるた
め、部品点数を減らして安価に製造できる。
【0180】また、請求項8の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項4又は請求項5又は請求項6記
載の装身具の中留構造において、前記係合歯部を、互い
に向きが逆のラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に
複数並べて構成したことにより、上記した請求項5の発
明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記ラチェ
ット歯の歯の向きを逆にすれば、装身具を縮めたい場合
にのみ、プッシュボタンを押圧させるように設定するこ
ともできる。
【0181】また、前記係合歯部を、互いに向きが逆の
ラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構
成すれば、一方のプッシュボタンを押圧すれば、装身具
を伸ばす(あるいは縮める)ことができ、他方のプッシ
ュボタンを押圧すれば、装身具を縮める(あるいは伸ば
す)ことができるようになり、ユーザーが、一方及び他
方のプッシュボタンのいずれかを選んで押圧し、装身具
を伸ばしたり縮めたりするように設定することができ
る。
【0182】さらに、一方及び他方の係合突起は点対称
になって、一方及び他方のプッシュボタンは同じ形状に
なり、一種類で共用できるため、部品点数を減らして安
価に製造できる。
【0183】また、請求項9の発明に係わる装身具の中
留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3又
は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は
請求項8記載の装身具の中留構造において、前記中留機
構が、両方のプッシュボタンの係合突起がスライド板の
係合歯部に噛み合うようにした両プッシュ中留構成であ
ることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な
効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中
留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することがで
き、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができ
る。
【0184】また、請求項10の発明に係わる装身具の
中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3
又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又
は請求項8記載の装身具の中留構造において、前記中留
機構が、片方のプッシュボタンの係合突起がスライド板
の係合歯部に噛み合うようにした両プッシュ中留構成で
あることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様
な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による
中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することがで
き、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができ
る。
【0185】また、請求項11の発明に係わる装身具の
中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3
又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又
は請求項8記載の装身具の中留構造において、前記中留
機構が、片方のプッシュボタンのみの係合突起がスライ
ド板の係合歯部に噛み合うようにした片プッシュ中留構
成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と
同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作に
よる中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化すること
ができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことがで
きる。
【0186】また、請求項12の発明に係わる装身具の
中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3
又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又
は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11
記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が複
数折れ構成であることにより、上記した請求項1の発明
の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタ
ン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化
を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ製
品化が可能になる。
【0187】また、請求項13の発明に係わる装身具の
中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3
又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又
は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11
記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が、
観音開き構成であることにより、上記した請求項1の発
明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボ
タン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体
化を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ
製品化が可能になる。
【0188】また、請求項14の発明に係わる装身具の
中留構造によれば、請求項1記載又は請求項2又は請求
項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項
7又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項
11記載の装身具の中留構造において、前記中留機構を
シングル・ロックタイプの装身具構成に設けたことによ
り、上記した請求項2の発明の効果と同様な効果を奏し
得るばかりか、従来の中留機構とはほぼ同じ製品化が可
能になる。
【0189】また、請求項15の発明に係わる装身具の
中留構造によれば、中留枠と共にベルトが挿通する開口
部を形成し且つこの開口部に挿入されたベルトの係止孔
に係脱可能に係止する突棒を有する表板を備え且つベル
ト短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部
と前記突棒との係合により前記ベルトを所定の長さに設
定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタ
ン側係合部と前記突棒との係合を解除する中留機構と、
前記ベルトの一端が固定され且つベルトの長手方向に滑
動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プ
ッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合する
スライド板側係合手段を設けて構成した長さ微調整手段
とを備えたことにより、ベルトを腰回りに沿わせて、こ
のベルトの先部を前記開口部に挿通して表板を中留枠に
重ねることにより、突棒をベルトの係止孔に係脱可能に
係止すると共に、この突棒をボタン側係合部に係合して
ベルトを中留機構に連結してベルトを所定の長さに設定
し、また、ベルトを外す場合には、プッシュボタンの押
圧操作によりボタン側係合部と突棒との係合を解除し、
前記表板を拡開して突棒をベルトの係止孔より外して行
う。
【0190】また、前記プッシュボタンを操作して、ま
たは操作することなしに、前記ボタン側係合手段をスラ
イド板側係合手段より外して、前記スライド板を移動し
てベルトの所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン
の前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合
しベルト長さの微調整を行なうことで、例えば、食後な
どのように、腰回りが太くなったとき、ズボンを装着し
たまま、ベルトを僅かに緩めることができる。
【0191】このように、プッシュボタン操作による中
留機構とベルト長さ微調整手段の一体化を図ることが可
能になるし、朝夕で僅かに異なる腰回りの微妙な太さの
変化にも追従して、装身具の長さを容易に微調整でき
る。
【0192】また、請求項16の発明に係わる装身具の
中留構造によれば、請求項15記載の装身具の中留構造
において、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段
がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライ
ド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部の装
身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成され
て前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部であるこ
とにより、上記した請求項15の発明の効果と同様な効
果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例1の
一部省略した斜視図である。
【図2】同中留構造の分解状態の斜視図である。
【図3】同中留構造の装身具長手方向に沿う断面図であ
る。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】(1)は同中留構造の中留枠の表側から見た斜
視図である。(2)は同中留枠の裏側から見た斜視図で
ある。
【図6】同中留構造のプッシュボタン保持部材の斜視図
である。
【図7】同中留構造のスライド板の斜視図である。
【図8】同中留構造のプッシュボタン組立体の斜視図で
ある。
【図9】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例2の
装身具長手方向に沿う断面図である。
【図10】図9のB−B線に沿う断面図である。
【図11】同中留構造のプッシュボタン保持部材の斜視
図である。
【図12】同中留構造のプッシュボタン組立体の一部省
略した斜視図である。
【図13】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例3
の分解状態の斜視図である。
【図14】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例4
の分解状態の斜視図である。
【図15】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例5
の斜視図である。
【図16】同中留構造の分解状態の斜視図である。
【図17】同中留構造におけるプッシュボタン保持部材
とプッシュボタンとの分解状態の斜視図である。
【図18】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図であ
る。
【図19】図18のC−C線に沿う断面図である。
【図20】同中留構造の装身具短手方向の一部断面図で
ある。
【図21】スライド板側係合手段としての山歯を有する
スライド板とプッシュボタンの係合突起との係合状態の
平面図である。
【図22】ライド板側係合手段としての互いに逆向きの
ラチェット歯を有するスライド板とプッシュボタンの係
合突起との係合状態の平面図である。
【図23】スライド板側係合手段としての方形歯を有す
るスライド板とプッシュボタンの係合突起との係合状態
の平面図である。
【図24】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例6
の分解状態の斜視図である。
【図25】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例7
の分解状態の斜視図である。
【図26】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例8
の分解状態の斜視図である。
【図27】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例9
の分解状態の斜視図である。
【図28】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図であ
る。
【図29】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例1
0の結合状態の斜視図である。
【図30】同中留構造の切り離し状態の斜視図である。
【図31】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図であ
る。
【図32】図31のD−D線に沿う断面図である。
【図33】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例1
1の斜視図である。
【図34】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図であ
る。
【図35】図34のE−E線に沿う断面図である。
【図36】従来の装身具における長さ調整の説明のため
のバンドの斜視図である。
【図37】従来の装身具の中留構造の斜視図である。
【符号の説明】
1 時計バンド 2 時計バンド 5 中折れ部材 6 中留機構 9 係合爪(中折れ部材側係合部) 18 スライド板 19、20 プッシュボタン 37 ラチェット歯(スライド板側係合手段) 40 係合部(ボタン側係合部) 41 係合突起(ボタン側係合手段)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装身具短手方向に突出したプッシュボタ
    ンのボタン側係合部と中折れ部材に設けた中折れ部材側
    係合部との係合により装身具を所定の長さに設定し且つ
    前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン側係合
    部と前記中折れ部材側係合部との係合を解除する中留機
    構を備え、この中留機構に、装身具の長さの微調整を行
    う装身具長さ微調整手段を設けたことを特徴とする装身
    具の中留構造。
  2. 【請求項2】 前記装身具長さ微調整手段を、装身具の
    一端が固定され且つ装身具の長手方向に滑動可能なスラ
    イド板を有し、このスライド板に、前記プッシュボタン
    のボタン側係合手段が係脱可能に係合するスライド板側
    係合手段を設けて構成した請求項1記載の装身具の中留
    構造。
  3. 【請求項3】 前記スライド板が前記プッシュボタンと
    重なり合う請求項2記載の装身具の中留構造。
  4. 【請求項4】 前記プッシュボタンの前記ボタン側係合
    手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記ス
    ライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部
    の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成
    されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部であ
    る請求項2又は請求項3記載の装身具の中留構造。
  5. 【請求項5】 前記プッシュボタンの前記ボタン側係合
    手段が、前記プッシュボタンに形成したねじ孔に係合突
    起形成体を螺合して、この係合突起形成体の係合突起部
    をスライド板側に突出させて前記係合突起とした構成で
    ある請求項2又は請求項3又は請求項4記載の装身具の
    中留構造。
  6. 【請求項6】 中留枠に組み込まれて前記プッシュボタ
    ンを装身具短手方向から挿入し移動可能に保持するプッ
    シュボタン保持部材の面部に挿入孔を設けて、この挿入
    孔から前記係合突起形成体を前記プッシュボタンの前記
    ねじ孔に螺合するようにした請求項5記載の装身具の中
    留構造。
  7. 【請求項7】 前記係合歯部の歯形状が、平面視でラチ
    ェット歯、山歯、谷歯、方形歯のいずれか1つである請
    求項4又は請求項5又は請求項6記載の装身具の中留構
    造。
  8. 【請求項8】 前記係合歯部を、互いに向きが逆のラチ
    ェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構成し
    た請求項4又は請求項5又は請求項6記載の装身具の中
    留構造。
  9. 【請求項9】 前記中留機構が、両方のプッシュボタン
    の係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにし
    た両プッシュ中留構成である請求項1又は請求項2又は
    請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請
    求項7又は請求項8記載の装身具の中留構造。
  10. 【請求項10】 前記中留機構が、片方のプッシュボタ
    ンの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うように
    した両プッシュ中留構成である請求項1又は請求項2又
    は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は
    請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構造。
  11. 【請求項11】 前記中留機構が、片方のプッシュボタ
    ンのみの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うよ
    うにした片プッシュ中留構成である請求項1又は請求項
    2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6
    又は請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構造。
  12. 【請求項12】 前記中折れ部材が複数折れ構成である
    請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請
    求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8又は請求
    項9又は請求項10又は請求項11記載の装身具の中留
    構造。
  13. 【請求項13】 前記中折れ部材が、観音開き構成であ
    る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は
    請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8又は請
    求項9又は請求項10又は請求項11記載の装身具の中
    留構造。
  14. 【請求項14】 前記中留機構をシングル・ロックタイ
    プの装身具構成に設けた請求項1記載又は請求項2又は
    請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請
    求項7又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請
    求項11記載の装身具の中留構造。
  15. 【請求項15】 中留枠と共にベルトが挿通する開口部
    を形成し且つこの開口部に挿入されたベルトの係止孔に
    係脱可能に係止する突棒を有する表板を備え且つベルト
    短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部と
    前記突棒との係合により前記ベルトを所定の長さに設定
    し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン
    側係合部と前記突棒との係合を解除する中留機構と、 前記ベルトの一端が固定され且つベルトの長手方向に滑
    動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プ
    ッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合する
    スライド板側係合手段を設けて構成した長さ微調整手段
    とを備えたことを特徴とする装身具の中留構造。
  16. 【請求項16】 前記プッシュボタンの前記ボタン側係
    合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記
    スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口
    部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形
    成されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部で
    ある請求項15記載の装身具の中留構造。
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