JP2017000402A - 中留及び腕時計 - Google Patents
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Abstract
Description
機器ケースの一端側に取り付けられた第1のバンドと他端側に取り付けられた第2のバンドとを連結させるバンドの中留であって、
一端側が第1のバンドの自由端側に取り付けられるとともに、外側面に係止用突起が形成された下板と、
前記バンドの幅方向の外側に向けて付勢されている一対のプッシュボタンと、前記プッシュボタンがともに付勢状態のときに閉状態となって前記係止用突起を係止させるとともに、前記プッシュボタンがともに付勢状態に抗して押し込まれた押込状態のときに開状態となって前記係止用突起の係止状態を解除させる開閉部と、前記一対のプッシュボタンにそれぞれ設けられ、前記プッシュボタンが付勢状態のときに前記バンドの幅方向の外側位置に配置され、前記プッシュボタンが押込状態のときに前記バンドの幅方向の内側位置に配置される一対の可動突起と、を有するプッシュユニットと、
前記一対の可動突起に対応する位置にそれぞれ設けられ前記可動突起を案内する一対の案内溝を有するとともに、一端側が第2のバンドの自由端側に取り付けられるスライド板と、
を有し、
前記スライド板の前記一対の案内溝は、前記バンドの延在方向に沿って延在する直状部と、この直状部から当該直状部に直交する同一方向に形成された複数の係止用溝部とを有し、
一方の前記案内溝に設けられた前記複数の係止用溝部と、他方の前記案内溝に設けられた前記複数の係止用溝部とは、それぞれ前記バンドの延在方向における対応位置に配置されており、
前記プッシュボタンがともに押込状態となったときに、いずれかの前記可動突起がいずれかの前記係止用溝部に係止されることを特徴としている。
なお、以下に述べる実施形態では中留を有するバンドが時計のモジュール等を収納する腕時計の時計ケースに取り付けられる時計バンドである場合を例として説明する。また、以下の実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1に示すように、腕時計100は、後述する中留10を備える時計バンド1と、この時計バンド1が取り付けられる機器ケースである時計ケース2と、時計ケース2の視認側(腕時計100の表面側)に配置される表示部3と、を備えている。表示部3は、時計ケース2内に収納される図示しないモジュールにより動作するようになっている。
なお、図1では、腕時計100が、指針31等を有する文字板32を備えるアナログ方式の表示部3を備えている場合を例示しているが、腕時計100に設けられる表示部3はこれに限定されず、例えば液晶パネル等で構成されるデジタル方式の表示部や、アナログ方式、デジタル方式の両方を備える表示部であってもよい。
本実施形態では、時計ケース2の一端側である時計の6時側にバンド取付部21aが設けられており、このバンド取付部21aに第1のバンド1aが取り付けられている。
また、時計ケース2の他端側である時計の12時側にバンド取付部21bが設けられており、このバンド取付部21bに第2のバンド1bが取り付けられている。
時計バンド1を構成する駒体11は、例えばABS樹脂や、ポリアリレート(PAR)等のスーパーエンジニアリング・プラスチック、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)等のエンジニアリング・プラスチック等の硬質の合成樹脂で形成されている。
なお、駒体11を構成する材料はここに例示したものに限定されない。例えばチタニウムやステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属や、セラミック等によって駒体11を形成してもよい。
図2は、本実施形態における中留の分解斜視図である。また、図3(a)は、本実施形態の中留からカバー部材を外して内部構成を示した上面図であり、図3(b)は、図3(a)の中留を矢視b方向から見た中留の正面図であり、図3(c)は、図3(a)の中留を矢視c方向から見た中留の側面図である。
図2及び図3(a)から図3(c)に示すように、本実施形態における中留10は、下板4、プッシュユニット7及びスライド板8の他、中板5及びカバー部材6を有する三つ折れ方式のバンドの中留である。
本実施形態では、図1等に示すように、下板本体41は、時計バンド1を腕に装着した際に腕の形状に沿うように、長手方向においてわずかに湾曲している。
また、後述するように、下板本体41は、枠状に形成されている中板5の切欠き部511よりも狭い幅に形成されており、中留10の折り畳み状態(三つ折れ状態)において、下板本体41が切欠き部511内に嵌め込まれるようになっている。
駒体11には、駒体11の幅方向(すなわち、時計バンド1の幅方向)に貫通する連結用の軸孔(図示せず)が形成されており、第1のバンド連結部42には、この駒体11の連結用の軸孔に対応する位置に連結軸12を挿通させる貫通孔421が形成されている。
本実施形態では、第1のバンド1aの自由端側に設けられた駒体11に形成されている軸孔と、第1のバンド連結部42の貫通孔421とに連結軸12を挿通させることにより、この連結軸12等を介して下板4の一端側が第1のバンド1aの自由端側に回動自在に取り付けられる。
なお、第1のバンド連結部42は、第1のバンド1aを下板4に回動自在に連結可能なものであればよく、その構成は図示例に限定されない。
中板連結部43には、下板本体41の幅方向(時計バンド1の幅方向)に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。
中板5は、中板連結部43の貫通孔と中板5の下板連結部52に形成されている図示しない貫通孔との位置を合わせた上でこの貫通孔に軸部材431を挿通させることにより、下板4に回動自在に取り付けられる。
なお、中板連結部43は、中板5を下板4に回動自在に連結可能なものであればよく、その構成は図示例に限定されない。
本実施形態では、係止用突起44は、下板本体41上の第1のバンド連結部42の近傍であって、時計バンド1の幅方向のほぼ中央部に配置されている。
図1及び図2に示すように、本実施形態において、係止用突起44は、下板本体41の上に立設された軸部441と当該軸部441の先端に設けられ当該軸部441の径よりも径が大きく形成された係止部442からなり、外形形状がほぼきのこ状に形成されたロックピンである。本実施形態において、係止部442は、下方に向かって徐々に径が大きくなり、側面視において傘状に広がった形状となっている。
なお、係止用突起44の形状や配置等は図示例に限定されない。
係止用突起44は、下板本体41に一体的に形成されていてもよいし、別部材として形成したものを下板本体41に固定してもよい。係止用突起44は、中留10部分を繰り返し操作することによる磨耗に耐え得るように剛性に優れた材料で形成されている。
前述のように、切欠き部511の幅は、下板4の下板本体41の幅よりも大きく形成されており、中留10の折り畳み状態(三つ折れ状態)において、下板本体41は切欠き部511内に嵌め込まれ、図2に示すように、下板4と中板5とがほぼ面一となるようになっている。また、このように下板本体41が切欠き部511内に嵌め込まれた状態において、係止用突起44は、中板5の切欠き部511から中板本体51の上方に突出する。
中板5は、下板連結部52の貫通孔と下板4の中板連結部43に形成されている貫通孔との位置を合わせた上でこの貫通孔に軸部材431を挿通させることにより、下板4に回動自在に取り付けられる。
なお、下板連結部52は、中板5を下板4に回動自在に連結可能なものであればよく、その構成は図示例に限定されない。
ユニット連結部53は、中板本体51の外側面(すなわち、腕時計100を腕に嵌めた際に外側となる面、図2において上側の面)から上方に立ち上がるように形成された立設部である。
後述するように、プッシュユニット7のユニットケース71には、時計バンド1の幅方向における対応する位置に連結用の貫通孔721を有する中板連結部72が形成されており、ユニット連結部53には、このプッシュユニット7の中板連結部72の貫通孔721に対応する位置に連結軸54を挿通させる貫通孔531が形成されている。
本実施形態では、ユニット連結部53の貫通孔531とプッシュユニット7の中板連結部72の貫通孔721とに連結軸54を挿通させることで、中板5とプッシュユニット7とが連結軸54を介してそれぞれ回動自在に連結されるようになっている。
なお、ユニット連結部53は、プッシュユニット7を中板5に回動自在に連結可能なものであればよく、その構成は図示例に限定されない。
プッシュボタン74a,74b及び開閉部73は、ユニットケース71内に収容されている。
プッシュボタン74a,74bは、図示しないばね等の付勢部材によって時計バンド1の幅方向の外側に向けて付勢された状態となっており、ユニットケース71の両側部からプッシュボタン74a,74bが突出している。
開閉部73は、中留10の折り畳み状態(三つ折れ状態)において、下板4の係止用突起44に対応する位置に設けられた窓部であり、プッシュボタン74a,74bがともに付勢状態であるときに閉状態となり、プッシュボタン74a,74bがともに付勢状態に抗して押し込まれた押込状態となったときに開状態となるように構成されている。
本実施形態では、可動突起75a,75bは、一対のプッシュボタン74a,74bの上面(図2において上側の面)にそれぞれ配置されている。
可動突起75a,75bは、プッシュボタン74a,74bの移動に応じて時計バンド1の幅方向に移動可能となっている。具体的には、可動突起75a,75bは、プッシュボタン74a,74bが付勢状態のときに時計バンド1の幅方向の外側位置に配置され、プッシュボタン74a,74bが押込状態のときに時計バンド1の幅方向の内側位置に配置される。
中板連結部72には、貫通孔721が形成されており、中板連結部72をユニット連結部53の両側部に配置してユニット連結部53の貫通孔531と中板連結部72の貫通孔721とが連通するようになっている。
前述のように、ユニット連結部53の貫通孔531とプッシュユニット7の中板連結部72の貫通孔721とに連結軸54を挿通させることにより、プッシュユニット7は連結軸54を介して中板5に対して回動自在に連結される。
カバー部材6は、カバー部材6の外装面を構成する長尺な平板状の部である表板部60と、この表板部60の両側部に垂設される一対の側壁部61とを有している。
カバー部材6の一対の側壁部61には、プッシュユニット7のプッシュボタン74が嵌め込まれる開口部64が形成されている。
プッシュユニット7は、プッシュボタン74が開口部64に嵌め込まれることにより、カバー部材6内の所定位置に保持される。
スライド板8は、例えばステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属の板にプレス加工等を施すことによって形成されている。
図4(a)は、スライド板の平面図であり、図4(b)は、スライド板の正面図であり、図4(c)は、スライド板の側面図である。
図4(a)から図4(c)に示すように、スライド板8は、板本体81と、板本体81の一端側の両側部に垂設された一対のバンド取付け部82を有している。バンド取付け部82には、スライド板8を第2のバンド1bの自由端側と連結させるための連結用の軸孔83が、一対のバンド取付け部82のそれぞれ対応する位置に設けられている。
本実施形態において、第2のバンド1bの自由端側に設けられた駒体11には、駒体11の幅方向(すなわち、時計バンド1の幅方向)に貫通する連結用の貫通孔(図示せず)が形成されており、バンド取付け部82の軸孔83は、この駒体11の貫通孔に対応する位置に配置されている。
バンド取付け部82を、軸孔83と駒体11の貫通孔とが連通するように駒体11の両側部に配置し、軸孔83と駒体11の貫通孔とに図示しない連結軸を挿通させることにより、この連結軸13を介してスライド板8の一端側が第2のバンド1bの自由端側に回動自在に取り付けられる(図1参照)。
また、スライド板8の板本体81における長孔84の両側には、プッシュユニット7の一対の可動突起75a,75bに対応する位置にそれぞれ設けられ可動突起75a,75bを案内する一対の案内溝85,86が形成されている。
すなわち、案内溝85には、直状部851に直交する同一方向(図3(a)において直状部851の左側)に形成された複数の係止用溝部852,853が設けられている。
また、案内溝86には、直状部861に直交する同一方向(すなわち、案内溝85の複数の係止用溝部852,853が形成されているのと同じ方向、図3(a)において直状部861の左側)に形成された複数の係止用溝部862,863が設けられている。
案内溝85の直状部851と案内溝86の直状部861とは、バンド1の延在方向に沿ってほぼ並行して設けられており、一方の案内溝85に設けられた複数の係止用溝部852,853と、他方の案内溝86に設けられた複数の係止用溝部862,863とは、それぞれバンド1の延在方向における対応位置に配置されている。
また、プッシュボタン74a,74bがともに押込状態となったときには、プッシュボタン74bに設けられている可動突起75bが案内溝86のいずれかの係止用溝部862,863に係止され、これにより、スライド板8が、バンド1の延在方向に自由移動しないようになっている。
すなわち、可動突起75aが係止用溝部852に係止された状態又は可動突起75bが係止用溝部862に係止された状態を初期状態とした場合、可動突起75aが係止用溝部853に係止された状態又は可動突起75bが係止用溝部863に係止された状態では、係止用溝部852,862と係止用溝部853,863との間隔分だけ、時計バンド1の長さが初期状態よりも長くなる。
本実施形態では、案内溝86の係止用溝部863は係止用溝部862よりも時計バンド1の幅方向の中央部に向かって長く延在しており、案内溝85の退避溝部854とともに可動突起75a,75bの退避部として機能する。
すなわち、プッシュユニット7をカバー部材6に嵌め込む際には、プッシュボタン74a,74bをユニットケース71の側端面とほぼ面一になる位置まで内側に深く押し込む必要がある。このとき、可動突起75aは、案内溝85の退避溝部854に沿って時計バンド1の幅方向の中央部近傍まで移動する。また、可動突起75bは案内溝86の係止用溝部863に沿って時計バンド1の幅方向の中央部近傍まで移動する。
なお、プッシュユニット7をカバー部材6に嵌め込む際、プッシュボタン74a,74bのうちいずれか一方のみを深く押し込めば足りる場合、案内溝86の係止用溝部863を長く形成した場合には案内溝85の退避溝部854を設けなくてもよい。また逆に案内溝85の退避溝部854を設けた場合には案内溝86の係止用溝部863を係止用溝部862と同程度の長さとしてもよい。
中留10を時計バンド1に取り付ける際には、中留10の下板4における第1のバンド連結部42に第1のバンド1aの自由端側を取り付け、スライド板8のバンド取付け部82に第2のバンド1bの自由端側を取り付ける。
また、下板4の中板連結部43と中板5の下板連結部52とに軸部材431を挿通させて下板4に中板5を取り付け、中板5のユニット取付け部53とプッシュユニット7の中板取付け部72に軸部材54を挿通させて中板5にプッシュユニット7を取り付ける。
そして、プッシュユニット7の開閉部73とスライド板8の長孔84との位置を合わせるとともに、可動突起75a,75bが案内溝85,86から露出するようにしてプッシュユニット7の上にスライド板を重ね合わせ、この状態でプッシュユニット7をカバー部材6に嵌め込む。
具体的には、まず、プッシュユニット7のプッシュボタン74a,74bを最奥まで押し込む。このとき可動部材75aは、案内溝85の退避溝部854内に退避し、可動部材75bは、係止用溝部863の先端まで押し込まれ、プッシュボタン74a,74bはユニットケースの側端面とほぼ面一になる位置までプッシュユニット7内に押し込まれる。そして、このようにプッシュボタン74a,74bを最奥まで押し込んだ状態でプッシュユニット7をカバー部材6内に嵌め込み、プッシュボタン74a,74bの位置が開口部64と合うように位置を調整する。プッシュボタン74a,74bの位置が開口部64と合うと、ばねの復元力によりプッシュボタン74a,74bが時計バンド1の幅方向の外側に向かって付勢され、図5(a)に示すように、プッシュボタン74a,74bが開口部64から突出する。これにより、プッシュユニット7がカバー部材6に固定される。
このとき、係止用溝部852,853,862,863が延在している側に位置する可動突起75(図5(a)において可動突起75a)は、いずれかの係止用溝部852,853(図5(a)において係止用溝部852)に係止され、スライド板8が時計バンド1の延在方向に移動することが規制され、ロックされた状態となる。
これにより、中留10の組み立てが完了する。なお、中留10の組み立て手順は上記に限定されない。
このとき、係止用溝部が延在していない側に配置されている可動突起75(図5(b)において可動突起75b)がいずれかの係止用溝部862,863(図5(b)において係止用溝部862)に係止されることにより、スライド板8が時計バンド1の延在方向に移動することが規制され、ロックされた状態となる。一対のプッシュボタン74a,74bがともに押し込まれると、開閉部73が開口して係止用突起44の係止部442を受け入れ、一対のプッシュボタン74a,74bから手を放すことで開閉部73を閉じ係止用突起44の係止部442を開閉部73内に挟み込む。これにより、時計バンド1の長さが変更されることなく、係止ユニット7が係止用突起に係止された維持され、中留10は、第1のバンド1aと第2のバンド1bとを連結させた連結状態となる。
また、中留10の連結を解除する場合には、再び一対のプッシュボタン74a,74bをともに押し込んで、係止用突起44の係止状態を解除する。
このときにも、係止用溝部が延在していない側に配置されている可動突起75(図5(b)において可動突起75b)がいずれかの係止用溝部862,863(図5(b)において係止用溝部862)に係止されることにより、スライド板8が時計バンド1の延在方向に移動することが規制され、ロックされた状態となる。
これにより、時計バンド1の長さが変更されることなく、中留10の連結状態が解除され、時計バンド1が取り外し可能な状態となる。
この状態でスライド板8を所望の位置まで時計バンド1の延在方向にスライド移動させる。そして、プッシュボタン74aから手を放すと、ばねの復元力により、図5(a)に示すように、プッシュボタン74a,74bがともに開口部64から突出した付勢状態となり、プッシュユニット7の可動突起75aがいずれかの係止用溝部(本実施形態では係止用溝部853)に係止される。
これにより、係止用溝部852と係止用溝部853との間隔分だけ時計バンド1の長さが変更される。また、可動突起75aが係止用溝部853に係止されることで、スライド板8が移動しないロックされた状態となり、時計バンド1の長さが所望の長さに固定される。
これにより、特別な工具等を使用することなく、中留10部分において簡易に時計バンド1の長さを複数段階に調整することが可能であるとともに、時計バンド1を着脱するのに中留10を開閉させる際には、スライド板8の移動を規制して時計バンド1の長さが意図せずに変更されることを防止することができる。
このため、一旦設定した時計バンド1の長さを維持したまま時計100を使用することができる。
凹部864,865は、プッシュボタン74a,74bが付勢状態である場合において可動突起75bを係止可能であるとともに、ユーザによってスライド板8がスライド移動されたときには可動突起75bが凹部864,865を乗り越えられる程度の深さであることが好ましく、例えば、係止用溝部862,863の深さの4分の1程度の深さに形成されることが好ましい。
この場合には、付勢状態において、係止用溝部852,853に係止されている可動突起75aと、凹部864,865に係止されている可動突起75bとによってスライド板8の移動を規制することができ、スライド板8のがたつきを防いで安定させることができる。
また、時計バンド1の長さを変更する際に、可動突起75bが凹部864,865を乗り越える手ごたえ(クリック感)をユーザが感じることができ、時計バンド1の長さ調整の段階や、所定の位置までスライド板8が移動したか否かを直感的に分かりやすくすることができる。
なお、凹部864,865に代えて、直状部861における係止用溝部862,863の形成されていない側であって係止用溝部852と係止用溝部853との間に対応する位置に凸部(張出部)を設けてもよい。この場合にもプッシュボタン74a,74bが付勢状態である場合において可動突起75bを係止可能であるとともに、ユーザによってスライド板8がスライド移動されたときには可動突起75bが凸部(張出部)を乗り越えられる程度とするために、凸部(張出部)の突出する高さは、係止用溝部862,863の深さの4分の1程度とすることが好ましい。
例えば、図7に示すように、各案内溝88,89の直状部881,891にそれぞれ3つの係止用溝部882,883,884,892,893,894が連設されていてもよい。この場合には時計バンド1の長さを3段階で調整することが可能となる。
なお、係止用溝部の数が多いほど、時計バンド1の長さを多段階で調整することができ、係止用溝部をそれぞれ4つ以上設けてもよい。
第1のバンドと第2のバンドとを備え、これらを中留によって連結する構造のバンドであれば、本発明の中留を広く適用することができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
機器ケースの一端側に取り付けられた第1のバンドと他端側に取り付けられた第2のバンドとを連結させるバンドの中留であって、
一端側が第1のバンドの自由端側に取り付けられるとともに、外側面に係止用突起が形成された下板と、
前記バンドの幅方向の外側に向けて付勢されている一対のプッシュボタンと、前記プッシュボタンがともに付勢状態のときに閉状態となって前記係止用突起を係止させるとともに、前記プッシュボタンがともに付勢状態に抗して押し込まれた押込状態のときに開状態となって前記係止用突起の係止状態を解除させる開閉部と、前記一対のプッシュボタンにそれぞれ設けられ、前記プッシュボタンが付勢状態のときに前記バンドの幅方向の外側位置に配置され、前記プッシュボタンが押込状態のときに前記バンドの幅方向の内側位置に配置される一対の可動突起と、を有するプッシュユニットと、
前記一対の可動突起に対応する位置にそれぞれ設けられ前記可動突起を案内する一対の案内溝を有するとともに、一端側が第2のバンドの自由端側に取り付けられるスライド板と、
を有し、
前記スライド板の前記一対の案内溝は、前記バンドの延在方向に沿って延在する直状部と、この直状部から当該直状部に直交する同一方向に形成された複数の係止用溝部とを有し、
一方の前記案内溝に設けられた前記複数の係止用溝部と、他方の前記案内溝に設けられた前記複数の係止用溝部とは、それぞれ前記バンドの延在方向における対応位置に配置されており、
前記プッシュボタンがともに押込状態となったときに、いずれかの前記可動突起がいずれかの前記係止用溝部に係止されることを特徴とした中留。
<請求項2>
前記一対のプッシュボタンのうち1つが押込状態となったときに、前記一対の可動突起が前記直状部に沿って移動可能な状態となることを特徴とする請求項1に記載の中留。
<請求項3>
前記直状部における前記係止用溝部の形成されていない側であって前記係止用溝部に対向する位置に、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中留。
<請求項4>
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の中留を備える時計バンドと、
前記時計バンドが取り付けられる時計ケースと、
前記時計ケースの視認側に配置される表示部と、
を備えていることを特徴とする腕時計。
4 下板
5 中板
6 カバー部材
7 プッシュユニット
8 スライド板
10 中留
44 係止用突起
74 プッシュボタン
75 可動突起
85 案内溝
86 案内溝
100 腕時計
Claims (4)
- 機器ケースの一端側に取り付けられた第1のバンドと他端側に取り付けられた第2のバンドとを連結させるバンドの中留であって、
一端側が第1のバンドの自由端側に取り付けられるとともに、外側面に係止用突起が形成された下板と、
前記バンドの幅方向の外側に向けて付勢されている一対のプッシュボタンと、前記プッシュボタンがともに付勢状態のときに閉状態となって前記係止用突起を係止させるとともに、前記プッシュボタンがともに付勢状態に抗して押し込まれた押込状態のときに開状態となって前記係止用突起の係止状態を解除させる開閉部と、前記一対のプッシュボタンにそれぞれ設けられ、前記プッシュボタンが付勢状態のときに前記バンドの幅方向の外側位置に配置され、前記プッシュボタンが押込状態のときに前記バンドの幅方向の内側位置に配置される一対の可動突起と、を有するプッシュユニットと、
前記一対の可動突起に対応する位置にそれぞれ設けられ前記可動突起を案内する一対の案内溝を有するとともに、一端側が第2のバンドの自由端側に取り付けられるスライド板と、
を有し、
前記スライド板の前記一対の案内溝は、前記バンドの延在方向に沿って延在する直状部と、この直状部から当該直状部に直交する同一方向に形成された複数の係止用溝部とを有し、
一方の前記案内溝に設けられた前記複数の係止用溝部と、他方の前記案内溝に設けられた前記複数の係止用溝部とは、それぞれ前記バンドの延在方向における対応位置に配置されており、
前記プッシュボタンがともに押込状態となったときに、いずれかの前記可動突起がいずれかの前記係止用溝部に係止されることを特徴とした中留。 - 前記一対のプッシュボタンのうち1つが押込状態となったときに、前記一対の可動突起が前記直状部に沿って移動可能な状態となることを特徴とする請求項1に記載の中留。
- 前記直状部における前記係止用溝部の形成されていない側であって前記係止用溝部に対向する位置に、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中留。
- 請求項1から請求項3のいずれかの一項に記載の中留を備える時計バンドと、
前記時計バンドが取り付けられる時計ケースと、
前記時計ケースの視認側に配置される表示部と、
を備えていることを特徴とする腕時計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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