JP3710872B2 - 装身具の中留構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体に巻回されて装着される装身具の構造に係わり、特に、腕時計、ブレスレッド等の手首に巻回される装身具、ネックレス等の首に巻回される装身具、あるいはズボンのベルト等の腰に巻回される装身具に適し、且つ朝夕で僅かに異なる手首、首、あるいは腰の微妙な太さの変化にも追従して、その長さを微調整できる装身具の中留構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の装身具としての時計バンド構造の中留構造におけるバンド長さ調整は、図36に示すように時計バンドの駒170同志を連結するアジャストピン171をピンセットのような工具172を用いて抜き、駒170を外して、再び駒170同志をアジャストピン171で連結して、外した駒170の長さ分だけ、バンド長さを短くする、あるいは、アジャストピン171を外して切り離した駒170の間に、別の駒170を介入して隣り合う駒170同志をアジャストピン171で結合して介入した別の駒170の長さ分だけ、バンド長さを長くすることで行っていた。
【0003】
また、従来のバンド長さ調整を備えた時計バンド構造としては、図37に示すように中折れ部材180を、2枚の連結板181、182をそれぞれの端部で枢着して構成し、また、長さ調整板183を、これの板本体183aのバンド短手方向に一対の側壁部184を設けて、これらの側壁部184にバンド長手方向に所定のピッチで複数の調整孔185を設けて構成し、前記中折れ部材180の連結板181を一方の時計バンド186の端部の連かん駒186Aに連結し、他方の時計バンド187の端部の連かん駒187Aに前記長さ調整板183を連結し、連かん駒187Aの端部に配したばね棒189を前記長さ調整板183の調整孔185に係脱可能に係止したものがある。
【0004】
そして、この時計バンド構造において、バンド長さの調整はばね棒189をピンセット等の工具を用いて前記長さ調整板183の調整孔185から外し、他の調整孔185に係止することにより行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図36に示すように時計バンドの各駒170のアジャストピン171を抜き、駒170の着脱でバンド長さの調整を行う長さ調整機構にあっては、着脱される駒170の長さ分しかバンド長さを調整できないので、ユーザーが腕時計を装着した時、個々のユーザーが有するバンドの緩詰の好みに合ったバンド長さの微調整ができなかった。このために、腕時計の装着感が悪いものになるという問題点があった。また、朝夕で手首の太さが変化するため、ユーザーが十分な装着感を得るためには、ユーザー自身で簡単に朝夕で長さ調整が行われることが望まれるが、図36に示す長さ調整機構では、バンド長さを調整するにはピンセットのような工具と、作業の熟練が必要であり、ユーザーが簡単に行えるものではなかった。
【0006】
また、上記した長さ調整板183の端部に設けたバネ棒189を前記長さ調整板183の調整孔185に係脱可能に係止する長さ調整機構にあっては、図36に示す長さ調整機構よりは、微かな長さ調整ができるものの、バンド長さの調整の都度、ばね棒189を外し、他の調整孔185に係止しなければならず、この作業にはピンセットのような工具と作業の熟練が必要であり、ユーザーが簡単に行えるものではなかった。また、前記調整孔185間のピッチを小さくすることは、加工上限界があり、よって、極くわずかな長さ調整ができるものではなかった。このようなことから、バンド長さの微調整機構を備えた時計バンド構造の出現が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであり、その目的とするところは、朝夕で僅かに異なる手首等の微妙な太さの変化にも追従して、その長さを容易に微調整できる装身具の中留構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係わる装身具の中留構造は、装身具短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部と中折れ部材に設けた中折れ部材側係合部との係合により装身具を所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン側係合部と前記中折れ部材側係合部との係合を解除する中留機構を備え、この中留機構に、装身具の長さの微調整を行う装身具長さ微調整手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
かかる構成により、プッシュボタン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、装身具長さ微調整手段により、装身具の長さの微調整を行なうことで、朝夕で僅かに異なる手首等の微妙な太さの変化にも追従して、装身具の長さを容易に微調整できる。
【0010】
また、さらに請求項1の発明に係わる装身具の中留構造は、この装身具長さ微調整手段を、装身具の一端が固定され且つ装身具の長手方向に滑動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合するスライド板側係合手段を設けて構成した。
【0011】
かかる構成により、プッシュボタン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記プッシュボタンを操作して、または操作することなしに、前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段より外して、前記スライド板を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合し装身具長さの微調整を行なうことで、朝夕で僅かに異なる手首等の微妙な太さの変化にも追従して、装身具の長さを容易に微調整できる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、請求項2の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記スライド板が前記プッシュボタンと重なり合う。
【0013】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、中留機構の装身具短手方向の幅、装身具長手方向の長さを短くすることができて、中留機構の小型化を図り得る。
【0014】
また、上記目的を達成するために、請求項3の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1又は請求項2記載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部である。
【0015】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、このスライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱 可能に係合する係合歯部であるため、前記プッシュボタンの係合突起と前記スライド板の係合歯部との係合が、前記プッシュボタンと前記スライド板の中留機構からの抜け止め、及び装身具長さ微調整における係合を兼ねるようになり、前記スライド板以外に何ら部品点数を増やすことなく、安価に、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができる。
【0016】
また、前記スライド板の係合歯部の歯形状を細かくすればするほど、前記スライド板をわずかに動かしても、その都度前記係合歯部に係合できるので、より微妙な装身具長さ微調整ができる。そして、前記スライド板の係合歯部の歯形状は、機械加工の限界内でいくらでも細かくすることができるので、プッシュボタン操作による中留機構に一体化された装身具長さ微調整手段は、朝夕でわずかに変わるユーザーの手首等の太さの変化にも追従する、極めてわずかな微調整が可能となる。
【0017】
また、上記目的を達成するために、請求項4の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1から3のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段が、前記プッシュボタンに形成したねじ孔に係合突起形成体を螺合して、この係合突起形成体の係合突起部をスライド板側に突出させて前記係合突起とした構成である。
【0018】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、係合突起形成体をプッシュボタンのねじ孔に捩じ込んで、この係合突起形成体の係合突起部をスライド板側に突出させて係合突起とすることが可能になって、後組みが可能になる。このために、係合突起の形成を削り出しや圧入で行 うものに比べて作業性が良好になり、コストを低減することが可能になるし、また、係合突起の取り外しが可能になる。
【0019】
また、上記目的を達成するために、請求項5の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項4記載の装身具の中留構造において、中留枠に組み込まれて前記プッシュボタンを装身具短手方向に移動可能に保持するプッシュボタン保持部材の面部に挿入孔を設けて、この挿入孔から前記プッシュボタンの前記ねじ孔に前記係合 突起形成体を螺合するようにした。
【0020】
かかる構成により、上記した請求項4の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、中留枠にスライド板を挿入し、中留枠にプッシュボタン保持部材を組み付け、中留枠の側方からプッシュボタンを挿入した後に、すなわち、中留枠に、スライド板、プッシュボタン保持部材及びプッシュボタンを組み付けた後に、挿入 孔からプッシュボタンのねじ孔に、係合突起を形成すべく係合突起形成体を螺合して、この係合突起形成体を組み込むことが可能になるし、特に、プッシュボタンを中留枠の側方から挿入することが可能になる。
【0021】
このために、中留機構の組立てが簡単になり、作業性が良好になり、コストを低減することが可能になる。
【0022】
また、上記目的を達成するために、請求項6の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項3から5のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記係合歯部の歯形状が、平面視でラチェット歯、山歯、谷歯、方形歯のいずれか1つである。
【0023】
かかる構成により、上記した請求項4の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、歯形状を選択することにより、ユーザーの用途に応じて装身具長さ微調整手段を種々様々に変化させることができる。
【0024】
すなわち、係合歯部の歯形状をラチェット歯にすると、スライド板は、プッシュボタンとの係合により一方向にはロックされるが、他方向には自由に動けるようになる。よって、例えば、装身具を伸ばしたい場合には、プッシュボタンを押圧しながら装身具を引っ張り、スライド板を移動させて装身具を伸ばすことができるように、かつ装身具を縮めたい場合には、プッシュボタンを操作することなく、装身具を押し込んで縮めることができるように設定することができる。すると、ユーザーが前記プッシュボタンを操作しない限り、装身具は伸びることがないので、ユーザーの意図に反して不用意に装身具が伸びて手首より脱落することがないと共に、装身具を縮めたい場合は、装身具を押し込むだけで簡単に縮めることができるようになる。
【0025】
また、前記係合歯部の歯形状を山歯、谷歯のいずれかにすると、装身具を引っ張る、あるいは押し込むことにより、プッシュボタンを何ら操作することなくスライド板を移動させることができるので、装身具を伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、容易に装身具長さの微調整ができるようになる。
【0026】
また、前記係合歯部の歯形状を方形歯にすると、装身具を伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、プッシュボタンを押圧させるように設定することができる。
【0027】
また、前記係合歯部の歯形状が方形歯である場合には、一方及び他方のプッシュボタンに設けられる一方及び他方の係合突起は一方及び他方の方形歯に係合する四角形状にすることにより、これら一方及び他方の係合突起は点対称を成し、一方及び他方のプッシュボタンは、同じ形状になるために一種類で共用できるため、部品点数を減らして安価に製造できる。
【0028】
また、上記目的を達成するために、請求項7の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項3から5のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記係合歯部を、互いに向きが逆のラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構成した。
【0029】
かかる構成により、上記した請求項4の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記ラチェット歯の歯の向きを逆にすれば、装身具を縮めたい場合にのみ、プッシュボタンを押圧させるように設定することもできる。
【0030】
また、前記係合歯部を、互いに向きが逆のラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構成すれば、一方のプッシュボタンを押圧すれば、装身具を伸ばす(あるいは縮める)ことができ、他方のプッシュボタンを押圧すれば、装身具を縮める(あるいは伸ばす)ことができるようになり、ユーザーが、一方及び他方のプッシュボタンのいずれかを選んで押圧し、装身具を伸ばしたり縮めたりするように設定することができる。
【0031】
さらに、一方及び他方の係合突起は点対称になって、一方及び他方のプッシュボタンは同じ形状になり、一種類で共用できるため、部品点数を減らして安価に製造できる。
【0032】
また、上記目的を達成するために、請求項8の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1から7のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記中留機構が、両方のプッシュボタンの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした両 プッシュ中留構成である。
【0033】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができる。
【0034】
また、上記目的を達成するために、請求項9の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1から7のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記中留機構が、片方のプッシュボタンの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした両プッシュ中留構成である。
【0035】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができる。
【0036】
また、上記目的を達成するために、請求項10の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1から7のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記中留機構が、片方のプッシュボタンのみの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした片プッシュ中留構成である。
【0037】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができる。
【0038】
また、上記目的を達成するために、請求項11の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1から10のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が複数折れ構成である。
【0039】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ製品化が可能になる。
【0040】
また、上記目的を達成するために、請求項12の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1から10のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が、観音開き構成である。
【0041】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ製品化が可能になる。
【0042】
また、上記目的を達成するために、請求項13の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1から10のいずれかに記載の装身具の中留構造において、前記中留機構をシングル・ロックタイプの装身具構成に設けた。
【0043】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、従来の中留機構とはほぼ同じ製品化が可能になる。
【0044】
また、上記目的を達成するために、請求項14の発明に係わる装身具の中留構造は、中留枠と共に装身具が挿通する開口部を形成し且つこの開口部に挿入されたベルトの係止孔に係脱可能に係止する突棒を有する表板を備え且つベルト短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部と前記突棒との係合により前記ベルトを所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン側係合部と前記突棒との係合を解除する中留機構と、前記ベルトの一端が固定され且つベルトの長手方向に滑動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合するスライド板側係合手段を設けて構成した長さ微調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0045】
かかる構成により、ベルトを腰回りに沿わせて、このベルトの先部を前記開口部に挿通して表板を中留枠に重ねることにより、突棒をベルトの係止孔に係脱可能に係止すると共に、この突棒をボタン側係合部に係合してベルトを中留機構に連結してベルトを所定の長さに設定し、また、ベルトを外す場合には、プッシュボタンの押圧操作によりボタン側係合部と突棒との係合を解除し、前記表板を拡開して突棒をベルトの係止孔より外して行う。
【0046】
また、前記プッシュボタンを操作して、または操作することなしに、前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段より外して、前記スライド板を移動してベルトの所定の長さの調整後に、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合しベルト長さの微調整を行なうことで、例えば、食後などのように、腰回りが太くなったとき、ズボンを装着したまま、ベルトを僅かに緩めることができる。
【0047】
このように、プッシュボタン操作による中留機構とベルト長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になるし、朝夕で僅かに異なる腰回りの微妙な太さの変化にも追従して、ベルトの長さを容易に微調整できる。
【0048】
また、上記目的を達成するために、請求項15の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項14記載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成されて、前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部である。
【0049】
かかる構成により、上記した請求項14の発明の作用と同様な作用を奏し得る。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0051】
(実施例1)
本発明に係わる装身具の中留構造の実施例1として時計バンド構造の中留構造について図1乃至図8を参照して説明する。
図1は本発明に係わる装身具の中留構造の実施例1の一部省略した斜視図、図2は同中留構造の分解状態の斜視図、図3は同中留構造の装身具長手方向の立て断面図、図4は図3のA−A線に沿う断面図、図5の(1)は中留枠の表側から見た斜視図、図5の(2)は中留枠の裏側から見た斜視図、図6はプッシュボタン保持部材の斜視図、図7はスライド板の斜視図、図8はプッシュボタンの斜視図である。
【0052】
装身具である時計バンド構造は、図1に示すように腕時計(図示せず)の一方のバンド取付部(図示せず)に連結された一方の時計バンド1と、腕時計の他方のバンド取付部(図示せず)に連結された他方の時計バンド2と、中折れ部材5と、バンド長さ微調整手段(装身具長さ微調整手段)を備えた中留機構6とから構成されている。
【0053】
前記中折れ部材5は、中板3とこの中板3の端部に回動可能に連結された外板4とから構成されている。前記中板3の端部には連結ピン保持部7、8が形成してあり、また、中板3の表側には中折れ部材側係合部である係合爪9が植設してある。この係合爪9は軸部9aの端部に傘部9bを形成して、この軸部9aの部分が係止部にしてある。
【0054】
また、前記外板4は、前記中板3が挿入される挿入孔部10を有する枠状体であり、その一端部に一対の連結片部11を、他端部に連結ピン保持部12をそれぞれ有しており、連結片部11の対向面には係止孔11aが形成してある。
【0055】
そして、前記中板3は、その一方の連結ピン保持部7が保持した連結ピン13を、一方の時計バンド1の端部の連かん駒14に回転可能に係合して、この一方の時計バンド1に連結してあり、前記中板3の他端部は、その他方の連結ピン保持部8が保持した連結ピン15を、前記外板4の連結片部11の係止孔11aに回転可能に係合して、この外板4に連結してある。
【0056】
前記中留機構6は、図2に示すように中留枠16とプッシュボタン保持部材17とスライド板18とプッシュボタン19、20と2個のスプリング21とから構成してある。
【0057】
そして、前記中留枠16は、図2及び図5の(1)、(2)に示すように表面部16aが曲面に成された枠本体22を有しており、この枠本体22のバンド短手方向の両端部には互いに対向する端壁部22A、22Bが形成してあり、これら端壁部22A、22Bの中央部にはボタン挿入凹部23とこのボタン挿入凹部23を挟んだ両側方に位置する座面部24、25とが形成してあり、座面部24、25にはそれぞれ圧入孔26が形成してあって、これらの圧入孔26にはかしめ用ピン26Aが圧入されるものである。また、前記端壁部22A、22Bの一端側にはそれぞれピン孔27が形成してある。
【0058】
また、前記プッシュボタン保持部材17は、図2及び図6に示すように部材本体28を有しており、この部材本体28は、底面部28aのバンド長手方向の両端部を立ち上げた後に底面部28aと平行に折り曲げて、これらの折曲げ部29A、29Bを対向させた形状をしており、底面部28aと折曲げ部29A、29Bとで囲まれ、且つその上部に隙間である係合用開口部29Cを有するバンド短手方向に沿った断面略矩形の空間としてのボタン挿入孔Hが形成されている。そして、前記部材本体28のバンド短手方向の両端部にはそれぞれ一対の取付部30、31が形成してあり、これらの取付部30、31には孔部32が形成してある。また、前記部材本体28の底面部28aの中央部には孔部33が形成してあり、折曲げ部29A、29Bの中央部には円弧状の切欠き部34A、34Bが形成してある。
【0059】
また、前記スライド板18は、図2及び図7に示すように板本体35を備えており、この板本体35には開口部36が形成してあり、この開口部36の両側縁部にはバンド長手方向に、係合歯部を構成する複数のラチェット歯37が形成してあって、これらスライド板側係合手段を構成している。この場合、前記ラチェット歯37は、その係止側部37aを他方の時計バンド2側に向けて形成してある。また、前記板本体35の右端部には、ピン孔36aを有するピン連結部36Aが一対形成してある。
【0060】
一方及び他方の前記プッシュボタン19、20は、図2及び図8に示すように端部に押部38Aを形成したボタン本体38を有しており、このボタン本体38の先部の一側には切欠き部39が形成してあって、この切欠き部39の先側に円弧形状の係合部40が、切欠き部39の元側にはボタン側係合手段である係合突起41が形成してあり、また、ボタン本体38には、一側に位置する元側ばね受け部39Aと他側に位置する先側ばね受け部39Bとが形成してある。
【0061】
そして、前記プッシュボタン保持部材17の折曲げ部29A、29Bが前記中留枠16の端壁部22A、22B間に挿入されていて、前記取付部30、31を、前記座面部24、25に当接し、これらの座面部24、25に設けたかしめ用ピン26Aを前記取付部30、31の孔部32に挿入した後、かしめることにより固着されていて、このとき、ボタン挿入孔Hの開口部とボタン挿入凹部23が一致する。そして、前記プッシュボタン保持部材17の折曲げ部29A、29Bと前記中留枠16の枠本体22との間に隙間42が形成してある。なお、前記取付部30、31の前記座面部24、25への取り付けは上記したかしめに限らず、溶接、ロー付け、ビス止め等でも行なうことができる。
【0062】
そして、前記隙間42に前記スライド板18がバンド長手方向に移動可能に挿入してある。また、前記プッシュボタン保持部材17のボタン挿入孔Hには、一端側から一方のプッシュボタン19が、他端側から他方のプッシュボタン20がそれぞれ挿入してあって、一方及び他方のプッシュボタン19、20のそれぞれの係合突起41は前記折曲げ部29A、29B間の開口部29C間から前記スライド板18の係合用開口部36内に突入している。
【0063】
そして、一方のプッシュボタン19の元側ばね受け部39Aと他方のプッシュボタン20の先側ばね受け部39Bとの間及び一方のプッシュボタン19の先側ばね受け部39Bと他方のプッシュボタン20の元側ばね受け部39Aとの間に、それぞれスプリング21が介装してあり、これらのスプリング21の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン19、20は互いに離間されていて、一方のプッシュボタン19の係合突起41は前記スライド板18の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン20の係合突起41は前記スライド板18の他方のラチェット歯37にそれぞれ係合している。
【0064】
よって、一方のプッシュボタン19と他方のプッシュボタン20は、前記プッシュボタン保持部材17のボタン挿入孔H内に抜けないように係止され、同時に前記スライド板18は、隙間42内に抜けないように係止される。そして、一方及び他方のプッシュボタン19、20の前記係合部40は互いに対向していて、これらでボタン側係合部を構成している。また、プッシュボタン20の押し部38Aが、ボタン挿入凹部23より外方に突出する。
【0065】
上記のように構成された前記中留機構6は、前記中留枠16の前記端壁部22A、22Bのピン孔27に、前記外板4の連結ピン保持部12に保持された連結ピン43を係止して前記外板4に連結されており、また、前記中留機構6は、前記スライド板18のピン連結部36Aのピン孔36aに、他方の時計バンド2の端部の連かん駒44が保持した連結ピン45を係止して他方の時計バンド2に連結されている。
【0066】
次に、上記のように構成された時計バンド構造の装着及びこの装着の解除とバンド長さの微調整操作を説明する。
【0067】
まず、時計バンドに手首を通した後に、前記中板3を前記外板4側に折り畳んでこの中板3を外板4の挿入孔部10に挿入すると共に、前記中板3に設けた中折れ部材側係合部である前記係合爪9を、前記プッシュボタン保持部材17の底面部28aの孔部33に挿入して、この係合爪9を前記ボタン側係合部、すなわち一方及び他方の前記プッシュボタン19、20の互いに対向する係合部40、40に係合して、前記時計バンドを手首に装着する。
【0068】
前記係合爪9の係合部40への係合は、この係合爪9の端部の傘部9bで、一方及び他方の前記プッシュボタン19、20の係合部40間をバンド短手方向に互いに離間するように押開き、係合爪9の軸部9aが挿入されると一方及び他方の前記プッシュボタン19、20の係合部40が前記スプリング21の付勢力により閉じて係合爪9の軸部9aに係止することで行われる。
【0069】
また、前記時計バンドを手首から外す場合には、一方及び他方のプッシュボタン19、20の押し部38Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン19、20を前記スプリング21に抗して移動させることにより前記係合部40間を開いて係合を解除し、前記中板3を外に開いて、外板4の挿入孔部10より抜き出し、前記時計バンドを拡開する。
【0070】
また、前記スライド板18にラチェット歯37が、その係止側部37aを他方の時計バンド2側に向けて形成してあるために、時計バンドを縮める方向にすなわち、時計バンド1側に向けて外板4を移動させると、前記スライド板18は移動して前記ラチェット歯37が一方及び他方のプッシュボタン19、20の係合突起41上を滑り、前記スライド板18の移動を止めると前記ラチェット歯37に係合突起41が係合して時計バンドを縮める方向にバンド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)が行われる。
【0071】
また、時計バンドを伸ばす方向にバンド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)を行う場合には、一方及び他方のプッシュボタン19、20を親指と人差し指で挟んで内側に押さなければならない。これは、前記ラチェット歯37の係止側部37aが、他方の時計バンド2側に向けて形成してあるために、時計バンド1と離間する方向に他方の時計バンド2を引っ張っても、係止側部37aと係合突起41の係合は維持されたままであり、よって前記スライド板18が移動しないためである。
【0072】
一方及び他方のプッシュボタン19、20を押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン19、20を前記スプリング21に抗して移動させて、一方及び他方のプッシュボタン19、20の係合突起41を前記スライド板18のラチェット歯37から外し、この状態を保持したままで、時計バンド1と離間する方向に他方の時計バンド2を引っ張って、前記スライド板18を移動させ、所定の微調整後に一方及び他方のプッシュボタン19、20の押えを解除して一方及び他方の前記プッシュボタン19、20を前記スプリング21の付勢力により外方に移動して、係合突起41を前記スライド板18のラチェット歯37に係合させる。
【0073】
上記した実施例1によれば、プッシュボタン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長手方向に滑動可能なスライド板18を有し、このスライド板18に、前記プッシュボタン19、20の係合突起41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構成することにより、前記プッシュボタン19、20を操作して、または操作することなしに、係合突起41をラチェット歯37より外して、前記スライド板18を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン19、20の係合突起41をラチェット歯37に係合しバンド長さの微調整を行なうことができる。
【0074】
すなわち、手首の太さが僅かに変化した時は、前記プッシュボタン19、20を押圧して段階的に微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適当な装着感を得ることができる。
【0075】
(実施例2)
本発明に係わる装身具の中留構造の実施例2として時計バンド構造の中留構造について図9乃至図12を参照して説明する。
【0076】
この実施例2の構成が上記した実施例1の構成と異なるところは前記中留機構6の構成である。この中留機構6は、中留枠46とプッシュボタン保持部材47とスライド板48とプッシュボタン49、50と2個のスプリング51とから構成してある。そして、前記中留枠46は、図5に示す実施例1の中留枠16と同じ構成である。
【0077】
前記プッシュボタン保持部材47は図11に示すように部材本体52を有しており、この部材本体52は、底面部52aのバンド長手方向の両端部を立ち上げた立上り壁部53A、53Bを対向させた形状をしており、この部材本体52のバンド短手方向の両端部にはそれぞれ一対の取付部53、54が形成してあり、これらの取付部53、54には孔部55が形成してある。また、前記部材本体52の底面部52aの中央部には孔部56が形成してある。
【0078】
また、前記スライド板48が、図6に示す実施例1のスライド板18と異なるところは、実施例1のスライド板18の係合歯部がラチェット歯37であるのに対して半円形状の谷歯57を並べて形成している点であり、他の構成は実施例1のスライド板18と同じである。
【0079】
また、一方及び他方の前記プッシュボタン49、50は、図12に示すように端部に押部58を形成したボタン本体59を有しており、このボタン本体59の先部の一側には切欠き部60が形成してあって、この切欠き部60の先側に円弧形状の係合部61が、切欠き部60の元側には丸ピン状の係合突起62が突設してあり、また、ボタン本体59には、一側に位置する元側ばね受け部63Aと他側に位置する先側ばね受け部63Bとが形成してあって、この先側ばね受け部63Bにはばね保持用ピン部64が設けてある。
【0080】
そして、前記プッシュボタン保持部材47は前記中留枠46に上記した実施例1の場合と同じようにして固着されていて、前記プッシュボタン保持部材47の立上がり壁部53A、53Bと前記中留枠46の枠本体22との間に隙間65が形成してある。
【0081】
そして、この隙間65に前記スライド板48がバンド長手方向に移動可能に挿入してある。また、前記プッシュボタン保持部材47には、一端側から一方のプッシュボタン49が、他端側から他方のプッシュボタン50がそれぞれ挿入してあって、一方及び他方のプッシュボタン49、50のそれぞれの係合突起62は前記スライド板48の開口部36内に突入しており、一方のプッシュボタン49の元側ばね受け部63Aと他方のプッシュボタン50の先側ばね受け部63Bとの間及び一方のプッシュボタン49の先側ばね受け部63Bと他方のプッシュボタン50の元側ばね受け部63Aとの間に、それぞれスプリング51が介装してあり、これらのスプリング51の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン49、50は互いに離間する方向に付勢されていて、一方のプッシュボタン49の係合突起62は前記スライド板48の一方の谷歯57に、他方のプッシュボタン50の係合突起62は前記スライド板48の他方の谷歯57にそれぞれ係合している。
【0082】
この場合、前記先側ばね受け部63Bに設けられたばね保持用ピン部64は前記スプリング51の端部内に挿入されており、これらスプリング51の保持を確実なものにしている。このように、前記ばね保持用ピン部64でスプリング51を確実に保持したのは、前記プッシュボタン保持部材47が、上記した実施例1のプッシュボタン保持部材17と異なり、前記スプリング51を抱く形状ではないために、このスプリング51が外れ易いことを考慮したためである。また、前記プッシュボタン保持部材47には折曲げ部29A、29Bが無いために上下方向の厚みを薄くすることができる。
【0083】
上記のように構成された前記中留機構6は、上記した実施例1の場合と同様にして前記外板4及び他方の時計バンド2に連結されている。
【0084】
そして、この実施例2の時計バンド構造の手首への装着及びこの装着の解除は実施例1の場合と同様にして行われるが、前記時計バンドの長さを微調整する場合には、一方及び他方のプッシュボタン49、50に設けられた係合突起62が丸ピンであり、前記係合歯部が半円形状の谷歯57を並べて形成されているために、時計バンドを縮める方向及び伸ばす方向のいずれの場合にも、他方の時計バンド2を強制的に移動させると、前記スライド板48は移動して前記谷歯57が一方及び他方のプッシュボタン49、50の係合突起62上を滑り、前記スライド板48の移動を止めると前記谷歯57に係合突起62が係合することにより行う。
【0085】
また、一方及び他方のプッシュボタン49、50を親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン49、50を前記スプリング51に抗して移動させて、一方及び他方のプッシュボタン49、50の係合突起62を前記スライド板48の谷歯57から強制的に外し、この状態を保持したままで前記スライド板48を移動して、所定の微調整後に、一方及び他方のプッシュボタン49、50の押えを解除して一方及び他方の前記プッシュボタン49、50を前記スプリング51の付勢力により外方に移動して係合突起62を前記スライド板48の谷歯57に係合することでも行うことができる。
【0086】
上記した実施例2によれば、プッシュボタン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長手方向に滑動可能なスライド板48を有し、このスライド板48に、前記プッシュボタン49、50の係合突起62が係脱可能に係合する谷歯57を設けて構成することにより、前記プッシュボタン49、50を操作して、係合突起62を谷歯57より外して、前記スライド板48を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン49、50の係合突起62を谷歯57に係合しバンド長さの微調整を行なうことができる。
【0087】
すなわち、手首の太さが僅かに変化した時は、前記プッシュボタン49、50を押圧して段階的に微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適当な装着感を得ることができる。
【0088】
(実施例3)
次に、本発明に係わる装身具の中留構造の実施例3を図13に基づいて説明する。この実施例3の構成が上記した実施例1及び実施例2の構成と異なるところは中留機構6の構成である。この中留機構6は、中留枠77とプッシュボタン保持部材70とスライド板73とプッシュボタン74、75と2個のスプリング76とから構成してある。
【0089】
前記中留枠77は、上記した実施例1及び実施例2における前記中留機構6の中留枠16、46が鋳造品、鍛造品、切削加工品であるのに対して板金製である。すなわち、図13に示すように板金材により表面部66aが曲面に成され且つ両側に折曲げ部からなる端壁部67A、67Bを有する枠本体66が作成される。この場合、この枠本体66の端壁部67A、67Bには長方形状の窓部68A、68Bが形成され、前記端壁部67A、67Bの一端側にはそれぞれピン孔69が形成される。
【0090】
また、前記プッシュボタン保持部材70は板金材からなる部材本体71を有しており、この部材本体71は、底面部71aのバンド長手方向の両端部を立ち上げた後に底面部71aと平行に折り曲げて、これらの折曲げ部72A、72Bを対向させた形状を成している。そして、前記底面部71aに孔部71bが形成してある。
【0091】
また、前記スライド板73とプッシュボタン74、75と2個のスプリング76は、それぞれに上記した実施例1におけるスライド板18とプッシュボタン19、20と2個のスプリング21と同構成である。
【0092】
そして、前記プッシュボタン保持部材70には、一端側から一方のプッシュボタン74が、他端側から他方のプッシュボタン75をそれぞれ挿入し、一方のプッシュボタン74の元側ばね受け部39Aと他方のプッシュボタン75の先側ばね受け部39Bとの間及び一方のプッシュボタン74の先側ばね受け部39Bと他方のプッシュボタン75の元側ばね受け部39Aとの間に、それぞれスプリング76を介装してユニット化される。
【0093】
そして、前記中留枠77の内面側に前記スライド板73を沿わせて、ユニット化された前記プッシュボタン保持部材70をプッシュボタン74、75を押し込んだ状態で前記中留枠77の端壁部67A、67B間に挿入して一方のプッシュボタン74を端壁部67Aの窓部68Aより、また、他方のプッシュボタン75を端壁部67Bの窓部68Bよりそれぞれに外方に突出させ、前記スプリング76の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン74、75を互いに離間させて、一方のプッシュボタン74の係合突起41を前記スライド板73の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン75の係合突起41を前記スライド板73の他方のラチェット歯37にそれぞれ係合させて前記中留機構6が構成してある。
【0094】
上記のように構成された前記中留機構6は、上記した実施例1の場合と同様にして前記外板4及び他方の時計バンド2に連結されている。そして、この実施例3の中留構造を備えた時計バンド構造の手首への装着及びこの装着の解除は実施例1の場合と同様にして行われる。
【0095】
上記した実施例3によれば、プッシュボタン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長手方向に滑動可能なスライド板73を有し、このスライド板73に、前記プッシュボタン74、75の係合突起41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構成することにより、前記プッシュボタン74、75を操作して、係合突起41をラチェット歯37より外して、前記スライド板73を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン74、75の係合突起41をラチェット歯37に係合しバンド長さの微調整を行なうことができる。
【0096】
すなわち、手首の太さが僅かに変化した時は、前記プッシュボタン74、75を押圧して段階的に微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適当な装着感を得ることができる。
【0097】
(実施例4)
本発明の装身具の中留構造の実施例4を図14に示す。前記バンド長さ微調整手段を備えた中留機構6は上記した実施例1に示すように三つ折り構成の中折れ部材5に装着されているが、図14に示すように観音開き構成である中折れ部材5に装着してもよい。
【0098】
この観音開き構成である中折れ部材5は、中折れ部材側係合部である係合爪80aを有する中間板80の一端部に一方の開閉板81の一端部を、中間板80の他端部に他方の開閉板82の一端部をそれぞれ枢着して構成してある。
【0099】
そして、中留機構6は、中留枠85と、プッシュボタン保持部材83と、スライド板84と、一方及び他方のプッシュボタン86、87とから大略構成してあり、中留枠85、プッシュボタン保持部材83、スライド板84及び一方及び他方のプッシュボタン86、87は、上記した実施例3の中留機構6における中留枠77、プッシュボタン保持部材70、スライド板73及び一方及び他方のプッシュボタン74、74と同構成であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
そして、前記プッシュボタン保持部材83には、その一端側から一方のプッシュボタン86が、他端側から他方のプッシュボタン87をそれぞれ挿入し、一方のプッシュボタン86の元側ばね受け部39Aと他方のプッシュボタン87の先側ばね受け部39Bとの間及び一方のプッシュボタン86の先側ばね受け部39Bと他方のプッシュボタン87の元側ばね受け部39Aとの間に、それぞれスプリング76を介装してユニット化される。
【0101】
そして、前記中留枠85の内面側に前記スライド板84を沿わせて、ユニット化された前記プッシュボタン保持部材83をプッシュボタン86、87を押し込んだ状態で前記中留枠85の端壁部67A、67B間に挿入して一方のプッシュボタン86を端壁部67Aの窓部68Aより、また、他方のプッシュボタン87を端壁部67Bの窓部68Bよりそれぞれに外方に突出させ、前記スプリング76の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン86、87を互いに離間させて、一方のプッシュボタン86の係合突起41を前記スライド板84の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン87の係合突起41を前記スライド板84の他方のラチェット歯37にそれぞれ係合させて前記中留機構6が構成してある。
【0102】
そして、観音開き構成の中折れ部材5に中留機構6及び時計バンド1、2を取り付けるには、一方の開閉板81の他端部を前記中留機構6の中留枠85のピン孔87Aにピン88により枢着し、この中留機構6のスライド板84の接続端部に一方の時計バンド1の端部の連かん駒14を連結し、他方の開閉板82の他端部を他方の時計バンド2に端部の連かん駒44を連結する。
【0103】
そして、この実施例4の中留構造を備えた時計バンド構造の手首への装着及びこの装着の解除は次のように行われる。
【0104】
すなわち、時計バンド構造に手首を通した後に、他方の開閉板82を中間板80側に折り畳み、次に、一方の開閉板81を中間板80側に折り畳んで、係合爪80aを、前記プッシュボタン保持部材83の底面部28aの孔部33に挿入して、この係合爪80aを前記ボタン側係合部、すなわち一方及び他方の前記プッシュボタン86、87の互いに対向する係合部40、40に係合して、前記時計バンド構造を手首に装着する。
【0105】
また、前記時計バンド構造を手首から外す場合には、一方及び他方のプッシュボタン86、87の押し部38Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン86、87を前記スプリング76に抗して移動させることにより前記係合部40間を開いて係合を解除し、一方の開閉板81を外に開き、かつ他方の開閉板82を外に開いて前記時計バンド構造を拡開する。
【0106】
また、前記スライド板84にラチェット歯37が、その係止側部37aを他方の時計バンド2側に向けて形成してあるために、時計バンド構造を縮める方向に移動させると、前記スライド板84は移動して前記ラチェット歯37が一方及び他方のプッシュボタン86、87の係合突起41上を滑り、前記スライド板84の移動を止めると前記ラチェット歯37に係合突起41が係合して時計バンド構造を縮める方向にバンド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)が行われる。
【0107】
また、時計バンド構造を伸ばす方向にバンド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)を行う場合には、一方及び他方のプッシュボタン86、87を親指と人差し指で挟んで内側に押さなければならない。これは、前記ラチェット歯37の係止側部37aが、他方の時計バンド2側に向けて形成してあるために、時計バンド1と離間する方向に他方の時計バンド2を引っ張っても、係止側部37aと係合突起41の係合は維持されたままであり、よって前記スライド板84が移動しないためである。一方及び他方のプッシュボタン86、87を押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン86、87を前記スプリング76に抗して移動させて、一方及び他方のプッシュボタン86、87の係合突起41を前記スライド板84のラチェット歯37から外し、この状態を保持したままで、時計バンド1と離間する方向に他方の時計バンド2を引っ張って、前記スライド板84を移動させ、所定の微調整後に一方及び他方のプッシュボタン86、87の押えを解除して一方及び他方の前記プッシュボタン86、87を前記スプリング76の付勢力により外方に移動して係合突起41を前記スライド板84のラチェット歯37に係合させる。
【0108】
上記した実施例4によれば、プッシュボタン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長手方向に滑動可能なスライド板84を有し、このスライド板84に、前記プッシュボタン86、87の係合突起41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構成することにより、前記プッシュボタン86、87を操作して、または操作することなしに、係合突起41をラチェット歯37より外して、前記スライド板84を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン86、87の係合突起41をラチェット歯37に係合しバンド長さの微調整を行なうことができる。
【0109】
すなわち、手首の太さが僅かに変化した時は、前記プッシュボタン86、87を押圧して段階的に微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適当な装着感を得ることができる。
【0110】
上記した実施例1〜実施例4において、前記プッシュボタン(19、20)、(74、75)、(86、87)に設けた係合突起41は、削り出しまたは圧入により形成されるものであり、係合突起41の形成加工に熟練を要し、また、係合突起41がプッシュボタン(19、20)、(74、75)、(86、87)に形成または固着されているために、実施例4を例にすると、上記したようにプッシュボタン保持部材83に一方及び他方のプッシュボタン86、87をスプリング76と共に組み込んでユニット化し、中留枠85の内面側にスライド板84を沿わせて、ユニット化された前記プッシュボタン保持部材83をプッシュボタン86、87を押し込んだ状態で中留枠85の端壁部67A、67B間に挿入し、一方のプッシュボタン86を端壁部67Aの窓部68Aより、また、他方のプッシュボタン87を端壁部67Bの窓部68Bよりそれぞれに外方に突出させ、前記スプリング76の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン86、87を互いに離間させて、一方のプッシュボタン86の係合突起41を前記スライド板84の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン87の係合突起41を前記スライド板84の他方のラチェット歯37にそれぞれ係合させて前記中留機構6を組み立てる必要がある。
【0111】
したがって、前記中留機構6の組立性を考慮した場合、上記した実施例1〜実施例4の中留機構6の場合、その組立に工数がかかると言わざるを得ない。この組立工数をより少なく且つ簡単に行うことができる実施例を次に説明する。
【0112】
(実施例5)
本発明の装身具の中留構造の実施例5を図15乃至図20に示す。この実施例9の構成が上記した実施例4の構成と異なるところは中留機構6の構成である。なお、中折れ部材5は、上記した実施例4の場合と同様に観音開き構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。また、実施例5はすべての部品が板金プレス加工で製作されるものである。
【0113】
前記中留機構6は、中留枠90と、プッシュボタン保持部材91と、スライド板92と、プッシュボタン93、94と、2個のスプリング95とから構成してある。そして、前記中留枠90及びスライド板92は、上記した実施例4の中留枠85びスライド板84と同構成である。
【0114】
そして、前記プッシュボタン保持部材91は板金材からなる部材本体91Aを有しており、この部材本体91Aは、底面部91aのバンド長手方向の両端部を立ち上げた後に底面部91aと平行に折り曲げて、これらの折曲げ部96A、96Bを対向させた形状をなしていて、折曲げ部96A、96B間にはバンド短手方向に係合用開口部96Cが形成してある。そして、前記底面部91aの中央部には孔部91bが形成してあり、また、この底面部91aには、ハンド短手方向において前記孔部91bを挟んだ位置にハンド短手方向に長い挿入孔97A、97Bが形成してある。
【0115】
一方及び他方の前記プッシュボタン93、94は、端部に押部98Aを形成したボタン本体98を有しており、このボタン本体98の先部の一側には切欠き部99が形成してあって、この切欠き部99の先側に円弧形状の係合部100が形成してあり、また、ボタン本体98には、一側に位置する元側ばね受け部99Aと他側に位置する先側ばね受け部99Bとが形成してある。そして、切欠き部99の元側にはねじ孔102が形成してあり、このねじ孔102には係合突起形成体103が螺合してある。
【0116】
すなわち、係合突起形成体103は一種のボルト構成であり、頭部104とねじ部105とねじ形成無しの係合突起部106とを有しており、頭部104にはドライバーの先端が係合する溝部104Aが形成してある。そして、係合突起形成体103は、そのねじ部105をねじ孔102に螺合してボタン本体98に取り付けた場合、頭部104はボタン本体98に裏面に突出し、係合突起部106はボタン本体98に表面に突出していて係合突起41を形成する。
【0117】
次に、前記中留機構6の組立てを説明する。
前記中留枠90の内面側に、スライド板92を沿わせ、次に、このスライド板92に下側にプッシュボタン保持部材91を組み付けて、このプッシュボタン保持部材91のバンド短手方向の開口端部を、中留枠90の端壁部67A、67Bの窓部68A、68Bに一致させ、これらの窓部68A、68Bのいずれか一方(もしくは両方)からプッシュボタン保持部材91の内部に、スプリング95を組み付けた一方及び他方のプッシュボタン93、94を挿入する。
【0118】
次に、プッシュボタン保持部材91の底面部91aの挿入孔97A、97Bから係合突起形成体103を挿入して、そのねじ部105をプッシュボタン93、94のねじ孔102に螺合し、係合突起部106をプッシュボタン保持部材91の係合用開口部96Cより突出させて係合突起41を構成する。この場合、係合突起形成体103の頭部104は挿入孔97A、97Bに挿入され、前記スプリング95の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン93、94は互いに離間して、一方のプッシュボタン93の係合突起41が前記スライド板92の一方のラチェット歯37に、他方のプッシュボタン94の係合突起41が前記スライド板92の他方のラチェット歯37にそれぞれ係合する。そして、一方及び他方のプッシュボタン93、94の押し部98Aは窓部68A、68Bより外方に突出する。
【0119】
上記のように、中留枠90に、スライド板92と、プッシュボタン保持部材91と、プッシュボタン93、94とを組み付けた後に、プッシュボタン93、94のねじ孔102に外部から係合突起形成体103を螺合して係合突起41を形成することができるので、係合突起を削り出した圧入で形成する場合に比べて、中留機構6の組立てが容易になり、作業性が良好になって、コストを低減することができる。また、係合突起形成体103はプッシュボタン93、94にねじ込みなので取り外しが可能になる。
【0120】
そして、この実施例5の中留構造を備えた時計バンド構造の手首への装着及びこの装着の解除は実施例4の場合と同様にして行われる。
【0121】
上記した実施例5によれば、プッシュボタン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長手方向に滑動可能なスライド板92を有し、このスライド板92に、前記プッシュボタン93、94の係合突起41が係脱可能に係合するラチェット歯37を設けて構成することにより、前記プッシュボタン93、94を操作して、係合突起41をラチェット歯37より外して、前記スライド板92を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン93、94の係合突起41をラチェット歯37に係合しバンド長さの微調整を行なうことができる。
【0122】
すなわち、手首の太さが僅かに変化した時は、前記プッシュボタン93、94を押圧して段階的に微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適当な装着感を得ることができる。
【0123】
なお、前記スライド板18(48、73、92)の係合歯部は実施例1及び実施例3乃至実施例5におけるラチェット歯37を連続させたもの、実施例2における谷歯57を連続させたものに限らず、図21に示す山歯78を連続させたものでもよい。この場合、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)に設けられる係合突起41、62は前記山歯78に係合する形状が必要になる。
【0124】
また、前記スライド板18(48、73、92)の係合歯部としては、図22に示すように互いに向きが逆のラチェット歯37−1、37−2をそれぞれバンド長手方向に複数並べて構成してもよい。すなわち、一方のラチェット歯37−1は、その係止側部37a−1が他方の時計バンド2側に向けて形成してあり、他方のラチェット歯37−2は、その係止側部37a−2が一方の時計バンド1側に向けて形成してある。この場合、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)に設けられる一方及び他方の係合突起78−1、78−2は一方及び他方のラチェット歯37−1、37−2に係合する形状にしてあり、これら一方及び他方の係合突起78−1、78−2は点対称を成し、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)は点対称を成している。このために、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)は同じ形状になり、一種類で共用できることになる。
【0125】
そして、時計バンドを縮める方向及び伸ばす方向のいずれの場合にも、ロックされる。すなわち、時計バンドを縮める方向では、他方の係合突起78−2が他方のラチェット歯37−2に係合し、時計バンドを伸ばす方向では、一方の係合突起78−1が一方のラチェット歯37−1に係合する。
【0126】
したがって、時計バンドを縮める場合、すなわち前記スライド板18(48、73、92)を、一方の時計バンド1側に移動させる場合は、プッシュボタン20(50、75、94)のみを押圧して、他方の係合突起78−2と他方のラチェット歯37−2の係止側部37a−2との係合を解除さえすれば良い。なぜならば、一方のラチェット歯37−1は、その係止側部37a−1が他方の時計バンド2側に向けて形成してあるため、プッシュボタン19(49、74、93)を押圧して、ラチェット歯37−1と一方の係合突起78−1との係合を解除せずとも、前記スライド板18(48、73、92)を一方の時計バンド1側に押圧すれば、一方の係合突起78−1は、一方のラチェット歯37−1の傾斜部分を滑動して、次々と一方のラチェット歯37−1各々を越えていくからである。ところが、他方のラチェット歯37−2は、その係止側部37a−2が一方の時計バンド1側に向けて形成してあるで、プッシュボタン20(50、75、94)を押圧して、ラチェット歯37−2と他方の係合突起78−2との係合を解除しない限り、前記スライド板18(48、73、92)は、一方の時計バンド1側に移動できない。
【0127】
逆に、時計バンドを伸ばす場合は、プッシュボタン19(49、74、93)のみを押圧すれば良い。あるいは、時計バンドを縮める場合にも伸ばす場合にも、両方のプッシュボタンを押圧してもかまわない。すなわち、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)を親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)を前記スプリング21(51、95)に抗して移動させて、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)の係合突起78−1、78−2を一方及び他方のラチェット歯37−1、37−2から強制的に外し、この状態を保持したままで前記スライド板18(48、73、92)を移動して、所定の微調整後に、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)の押えを解除して一方及び他方の前記プッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)を前記スプリング21(51、95)の付勢力により外方に移動して係合突起78−1、78−2を一方及び他方のラチェット歯37−1、37−2に係合することで行う。
【0128】
また、前記スライド板18(48、73、92)の係合歯部としては、図23に示すように略コ字形状の方形歯79をそれぞれバンド長手方向に複数並べて構成してもよい。この場合、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)に設けられる一方及び他方の係合突起79−1は一方及び他方の方形歯79に係合する四角形状にしてあり、これら一方及び他方の係合突起79−1は点対称を成し、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)は点対称を成している。このために、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)は同じ形状になり、一種類で共用できることになる。
【0129】
そして、時計バンド構造を縮める方向及び伸ばす方向のいずれの場合にも、ロックされる。したがって、時計バンド構造を縮める場合及び伸ばす場合には、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)を親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)を前記スプリング21(51、95)に抗して移動させて、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)の係合突起79−1を一方及び他方の方形歯79から強制的に外し、この状態を保持したままで前記スライド板18(48、73、92)を移動して、所定の微調整後に、一方及び他方のプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)の押えを解除して一方及び他方の前記プッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)、(93、94)を前記スプリング21(51、95)の付勢力により外方に移動して係合突起79−1を一方及び他方の方形歯79に係合することで行う。
【0130】
(実施例6)
本発明の装身具の中留構造の実施例6を図24に示す。この実施例6における中留機構6は、上記した実施例1、2、3における中留機構6が、バンド短手方向に突出したプッシュボタン(19、20)、(49、50)、(74、75)が両側に存在する両プッシュ中留構成に対して、片方のプッシュボタンのみの係合突起41がスライド板18の係合歯部であるラチェット歯37に噛み合うようにした両プッシュ中留構成である。他の構成は上記した実施例1の装身具の中留構造と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0131】
実施例6における中留機構6においては、一方及び他方のプッシュボタン19、20のうち、他方のプッシュボタン20の係合突起41を削除して、一方のプッシュボタン19の係合突起41をスライド板18のラチェット歯37に係合させるようにしてあり、そして、バンド装着の解除は、一方及び他方のプッシュボタン19、20を押すことにより行うし、バンド長さの微調整は一方のプッシュボタン19のみを押して行う。
【0132】
(実施例7)
本発明の装身具の中留構造の実施例7を図25に示す。この実施例7における中留機構6においては、一方及び他方のプッシュボタン19、20のそれぞれには係合突起41は存在するが、スライド板18のラチェット歯37を片側だけにして、このラチェット歯37に一方の係合突起41を係合させるようにしてある。他の構成は上記した実施例1のものと同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。そして、装着の解除は、一方及び他方のプッシュボタン19、20を押すことにより行うし、バンド長さの微調整は一方のプッシュボタン19のみを押して行う。
【0133】
(実施例8)
本発明の装身具の中留構造の実施例8を図26に示す。この実施例8における中留機構6は片プッシュ中留構成であり、この中留機構6においては、一方のプッシュボタン19にのみ押部38Aと係合突起41と係合部40とを設け、他方のプッシュボタン20の押部38Aと係合突起41と係合部40とを切除し、スライド板18のラチェット歯37を片側だけにして、このラチェット歯37に一方の係合突起41を係合させるようにしてある。実施例4及び実施例5における中留機構6は、バンド短手方向に沿ってその両側より一方及び他方のプッシュボタン19、20が各々突出するが、実施例8における片プッシュの中留機構6は、プッシュボタン19のみが、その片側より突出する構造である。他の構成は上記した実施例1のものと同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。そして、バンド装着の解除及びバンド長さの微調整は一方のプッシュボタン19のみを押して行う。
【00134】
(実施例9)
本発明の装身具の中留構造の実施例9を図27及び図28に示す。この実施例9では、時計バンド構造にシングル・ロックタイプの中留構造を使用している。このシングル・ロックタイプの中留構造における中留機構6は、中留枠110と、一方及び他方のプッシュボタン114、115と、プッシュボタン保持部材116と、スライド板117と、蓋体118とから大略構成してある。
【0135】
そして、中留枠110は枠本体110Aを有しており、この枠本体110Aのバンド短手方向の両端部には互いに対向する端壁部110B、110Cが形成してあり、これらの端壁部110B、110Cには、その中央部のボタン挿入凹部112と、このボタン挿入凹部112を挟んだ両側に位置する座面部112Aとが形成してあり、端壁部110B、110C間がプッシュボタン保持部材装着部にしてある。また、枠本体110Aの表面部には凹部111が形成してあり、この凹部111には孔部113が設けてある。
【0136】
また、前記スライド板117の開口部117Aの両側縁部にはバンド長手方向に、係合歯部を構成する複数のラチェット歯119が形成してあって、これらスライド板側係合手段を構成している。この場合、前記ラチェット歯119は、その係止側部119aを他方の時計バンド2側に向けて形成してある。また、スライド板117の右端部には、ピン孔117Bを有するピン連結部117Cが一対形成してある。
【0137】
一方及び他方の前記プッシュボタン114、115は、端部に押部127Aを形成したボタン本体127を有しており、このボタン本体127の先部の一側には切欠き部128が形成してあって、この切欠き部128の先側に円弧形状の係合部125が、切欠き部128の元側にはボタン側係合手段である係合突起126が形成してあり、また、ボタン本体128には、一側に位置する元側ばね受け部129Aと他側に位置する先側ばね受け部129Bとが形成してある。
【0138】
また、前記プッシュボタン保持部材116は、部材本体130を有しており、この部材本体130は、天井部130aのバンド長手方向の両端部には下方に向けて折曲げ部131A、131Bが形成してあって、天井部130aと折曲げ部131A、131Bとで囲まれ、且つその底部にバンド短手方向に沿う係合用開口部131Cを有するバンド短手方向に沿った断面略矩形の空間としてのボタン挿入孔Hが形成されている。そして、前記部材本体130の天井部130aの中央部には孔部132が形成してある。
【0139】
そして、前記中留枠110のプッシュボタン保持部材装着部には、一方及び他方のプッシュボタン114、115をスプリング121と共に組み込んだプッシュボタン保持部材116とスライド板117とが重ねた状態で挿入し、中留枠110の座面部112Aに蓋体118を固着して、この蓋体118でプッシュボタン保持部材116が保持してある。
【0140】
そして、一方及び他方のプッシュボタン114、115の係合突起126がスライド板117のラチェット歯119に係合しており、よって、一方のプッシュボタン114と他方のプッシュボタン115は、前記プッシュボタン保持部材116のボタン挿入孔H内に抜けないように係止され、同時に前記スライド板117は、プッシュボタン保持部材116と蓋体118との間の隙間内に抜けないように係止される。そして、一方及び他方のプッシュボタン114、115の前記係合部125は互いに対向していて、これらでボタン側係合部を構成している。また、プッシュボタン114、115の押し部127Aが、ボタン挿入凹部112より外方に突出する。
【0141】
また、前記中留枠110の端部には表板122が枢着してあり、この表板122に中折れ部材側係合部である係合爪123が設けてあり、スライド板117の連結部117Cには一方の時計バンド1の端部の連かん駒14が連結してあり、他方の時計バンド2の端部の連かん駒44には連結用バー部材124が設けてある。
【0142】
次に、上記のように構成された時計バンド構造の装着及びこの装着の解除とバンド長さの微調整操作を説明する。
【0143】
まず、時計バンド構造を手首に沿わせた後に、連結用バー部材124を前記表板122に引っ掛けて、この表板122を、その枢着部122aで折り畳んでこの表板122の係合爪123を前記孔部113を介してプッシュボタン114、115の係合部125に係合して、前記中留機構6を介して一方の時計バンド1と他方に時計バンド2とを連結して、前記時計バンド構造を手首に装着する。
【0144】
また、前記時計バンド構造を手首から外す場合には、一方及び他方のプッシュボタン114、115の押し部127Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン114、115を前記スプリング121に抗して移動させることにより前記係合部125間を開いて係合を解除し、前記表板122を外に開いて、連結用バー部材124を前記表板122より外して前記時計バンド構造を拡開する。
【0145】
また、前記スライド板117のラチェット歯119が、その係止側部119aを他方の時計バンド2側に向けて形成してあるために、時計バンド構造を縮める方向にすなわち、時計バンド1側に向けて移動させると、前記スライド板117は移動して前記ラチェット歯119が一方及び他方のプッシュボタン114、115の係合突起126上を滑り、前記スライド板117の移動を止めると前記ラチェット歯119に係合突起126が係合して時計バンド構造を縮める方向にバンド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)が行われる。
【0146】
また、時計バンド構造を伸ばす方向にバンド長さの微調整(例えば約1.3mmピッチで5mm程度)を行う場合には、一方及び他方のプッシュボタン114、115を親指と人差し指で挟んで内側に押して、一方及び他方のプッシュボタン114、115を前記スプリング121に抗して移動させて、一方及び他方のプッシュボタン114、115の係合突起126を前記スライド板117のラチェット歯119から外し、この状態を保持したままで、時計バンド1と離間する方向に他方の時計バンド2を引っ張って、前記スライド板117を移動させ、所定の微調整後に一方及び他方のプッシュボタン114、115の押えを解除して一方及び他方の前記プッシュボタン114、115を前記スプリング121の付勢力により外方に移動して係合突起を前記スライド板117のラチェット歯119に係合させる。
【0147】
上記した実施例9によれば、プッシュボタン操作による中留機構6とバンド長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記バンド長さ微調整手段を、時計バンドの一端が固定され且つバンド長手方向に滑動可能なスライド板117を有し、このスライド板117に、前記プッシュボタン114、115の係合突起126が係脱可能に係合するラチェット歯119を設けて構成することにより、前記プッシュボタン114、115を操作して、または操作することなしに、係合突起126をラチェット歯119より外して、前記スライド板117を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタン114、115の係合突起126をラチェット歯119に係合しバンド長さの微調整を行なうことができる。
【0148】
すなわち、手首の太さが僅かに変化した時は、前記プッシュボタン114、115を押圧して段階的に微調整を行い、腕時計を手首から外すこと無く、最も適当な装着感を得ることができる。
【0149】
(実施例10)
本発明に係わる装身具の中留構造の実施例10を図29乃至図32に示す。
この実施例10は、中留構造を装身具としてのブレスレッドに組み込んだものである。この場合、シングル・ロックタイプの中留構造を、装身具としてのブレスレッド140に組み込んである。すなわち、この中留構造における中留機構6のプッシュボタン保持部材144は、その底面部144aのベルト長手方向の両端部には上方に向けて立ち壁部154A、154Bが形成してあって、前記底面部144aにはバンド短手方向に沿う開口部154Cが形成してある。そして、他の構成は、上記した実施例9の中留機構6と同構成にしてある。ブレスレッド140の一端部140Aには、中留機構6のスライド板117の連結部117Cが連結してあり、ブレスレッド140の他端部140Bには連結用バー部材124が設けてある。
【0150】
したがって、ブレスレッド140の手首への装着は、まず、ブレスレッド140を手首に沿わせた後に、実施例9の場合と同様に、連結用バー部材124を前記表板122に引っ掛けて、この表板122を、その枢着部122aで折り畳んでこの表板122の係合爪123を前記孔部113を介してプッシュボタン114、115の係合部125に係合してブレスレッド140の両端部を互いに連結して行われる。
【0151】
また、前記ブレスレッド140を手首から外す場合には、一方及び他方のプッシュボタン114、115の押し部127Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン114、115を前記スプリング121に抗して移動させることにより前記係合部125間を開いて係合を解除し、前記表板122を外に開いて、連結用バー部材124を前記表板122より外すことにより行われる。
【0152】
また、前記ブレスレッド140の長さ調整は、上記した実施例9の場合の調整操作と同様に行われる。したがって、手首にブレスレッド140を嵌めた状態で、長さの微調整を行ない、手首の太さに対応した長さのブレスレッド140にする。その後、手首の太さが僅かに変化した時は、プッシュボタン114、115を押圧して段階的に微調整を行い、ブレスレッド140を手首から外すことなく、最も適当な装着感を得ることができる。
【0153】
(実施例11)
本発明に係わる装身具の中留構造の実施例11を図33乃至図35に示す。
この実施例10は、中留構造を装身具としてのベルト(ズボンベルト)141に組み込んだものである。
【0154】
この場合、中留機構6は、中留枠163と、一方及び他方のプッシュボタン142、143、プッシュボタン保持部材144と、スライド板145と、蓋体146と、中折れ部材である表板155とから大略構成してある。
【0155】
そして、中留枠163のバンド短手方向の両端部には互いに対向する端壁部163A、163Bが形成してあり、これらの端壁部163A、163Bには、その中央部に、切欠き部からなるボタン挿入凹部147が形成してあり、端壁部163A、163B間がプッシュボタン保持部材装着部にしてある。また、中留枠163のの表面部には孔部148が設けてある。
【0156】
また、前記スライド板145の開口部145Aの両側縁部にはベルト長手方向に、係合歯部を構成する複数のラチェット歯149が形成してあって、これらスライド板側係合手段を構成している。この場合、前記ラチェット歯149は、その係止側部149aをベルト141とは反対側に向けて形成してある。また、スライド板145の右端部には、ピン孔145Bを有するピン連結部145Cが一対形成してある。
【0157】
一方及び他方の前記プッシュボタン142、143は、端部に押部150Aを形成したボタン本体150を有しており、このボタン本体150の先部の一側には切欠き部151が形成してあって、この切欠き部151の先側に円弧形状の係合部152が、切欠き部151の元側にはボタン側係合手段である係合突起153が形成してあり、また、ボタン本体150には、一側に位置する元側ばね受け部153Aと他側に位置する先側ばね受け部153Bとが形成してある。
【0158】
また、前記プッシュボタン保持部材144は、その底面部144aのベルト長手方向の両端部には上方に向けて立ち壁部154A、154Bが形成してあって、前記底面部144aにはバンド短手方向に沿う開口部154Cが形成してある。
【0159】
また、前記表板155は、その表面部156のベルト短手方向の両側に側壁部157A、157Bを形成し、これらの側壁部157A、157Bの一端部を延長してこれらの延長部158の端部を取付部158Bにして、表面部156の裏側に中折れ部材側係合部である突棒159を突設したものである。そして、側壁部157A、157Bから延長部158にかけて切欠き部158Aが形成してある。また、前記蓋体146はそのベルト短手方向の両端部に突出部146Aを有している。
【0160】
そして、前記中留枠163のプッシュボタン保持部材装着部には、一方及び他方のプッシュボタン142、143をスプリング164と共に組み込んだプッシュボタン保持部材144とスライド板145とが重ねた状態で挿入してあり、中留枠142の下側には蓋体146が固着してあって、この蓋体146の突出部146Aが中留枠163の端壁部163A、163Bのボタン挿入凹部147に挿入してあり、ボタン挿入凹部147と突出部146Aとでボタン挿入口が形成されていて、これらのボタン挿入口より一方及び他方のプッシュボタン142、143の押し部150Aが突出している。
【0161】
そして、一方及び他方のプッシュボタン142、143の係合突起153がスライド板145のラチェット歯149に係合しており、よって、一方のプッシュボタン142と他方のプッシュボタン143は、前記プッシュボタン保持部材144内に抜けないように係止され、同時に前記スライド板145は、プッシュボタン保持部材144と蓋体146との間の隙間内に抜けないように係止される。そして、一方及び他方のプッシュボタン142、143の前記係合部152は互いに対向していて、これらでボタン側係合部を構成している。
【0162】
そして、前記中留枠163の端部には、前記表板155が、その延長部158の端部の取付部158Bで連結ピン161Aにより回転可能に取り付けてあり、表板155の端縁部155aと延長部158と中留枠163の端縁部163aとで開口部160を形成している。
【0163】
そして、前記中留機構6のスライド板145の連結部145Cにはベルト141のベルト本体141Aの基端部が連結ピン161で連結してあり、ベルト本体141Aの先部には係止孔162が所定の間隔をおいて複数設けてある。また、スライド板146のラチェット歯149のベルト長手方向の長さL1は、ベルト本体141Aの先部の係止孔162間の距離L2より小さくしてある。
【0164】
したがって、ベルト141を腰回りに装着する場合(ズボンをはく場合等)は、ベルト141を腰回りに沿わせて、ベルト141の先部を前記開口部160に挿通して前記表板155を中留枠163に重ねることにより、突棒159を前記係止孔162に挿入すると共に、前記孔部148を介してプッシュボタン142、143の係合部152に係合してベルト141を中留機構6に連結する。
【0165】
また、前記ベルト141を腰回り外す場合(ズボンを脱ぐ場合等)には、一方及び他方のプッシュボタン142、143の押し部150Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン142、143を前記スプリング164に抗して移動させることにより前記係合部152間を開いて突棒159との係合を解除し、前記表板155を外に開いて、突棒159を前記係止孔162より外すことにより行われる。
【0166】
また、前記ベルト141の長さ微調整は、上記した実施例9の場合の微調整操作と同様に行われる。したがって、ベルト141の装着後、腰回りの周長が変化した時は、長さの微調整を行えば良い。例えば食後などにように、腰回りが太くなった時は、ズボンに装着したままベルト141を僅かに緩めることができる。係止孔162を選択し直すのに比べ、より微妙な微調整が可能となる。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係わる装身具の中留構造によれば、装身具短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部と中折れ部材に設けた中折れ部材側係合部との係合により装身具を所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン側係合部と前記中折れ部材側係合部との係合を解除する中留機構を備え、この中留機構に、装身具の長さの微調整を行う装身具長さ微調整手段を設けたことにより、プッシュボタン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、装身具長さ微調整手段により、装身具の長さの微調整を行なうことで、朝夕で僅かに異なる手首等の微妙な太さの変化にも追従して、装身具の長さを容易に微調整できる。
【0168】
また、請求項2の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記装身具長さ微調整手段を、装身具の一端が固定され且つ装身具の長手方向に滑動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合するスライド板側係合手段を設けて構成したことにより、プッシュボタン操作による中留機構とバンド長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になる。そして、前記プッシュボタンを操作して、または操作することなしに、前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段より外して、前記スライド板を移動して所定の長さの調整後に、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合しバンド長さの微調整を行なうことで、朝夕で僅かに異なる手首等の微妙な太さの変化にも追従して、装身具の長さを容易に微調整できる。
【0169】
また、請求項3の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項2記載の装身具の中留構造において、前記スライド板が前記プッシュボタンと重なり合うようにしたことにより、上記した請求項2の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、中留機構の装身具短手方向の幅、装身具長手方向の長さを短くすることができて、中留機構の小型化を図り得る。
【0170】
また、請求項4の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項2又は請求項3記載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部であることにより、上記した請求項2の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記プッシュボタンの係合突起と前記スライド板の係合歯部との係合が、前記プッシュボタンと前記スライド板の中留機構からの抜け止め、及び装身具長さ微調整における係合を兼ねるようになり、前記スライド板以外に何ら部品点数を増やすことなく、安価に、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができる。
【0171】
また、前記スライド板の係合歯部の歯形状を細かくすればするほど、前記スライド板をわずかに動かしても、その都度前記係合歯部に係合できるので、より微妙な装身具長さ微調整ができる。そして、前記スライド板の係合歯部の歯形状は、機械加工の限界内でいくらでも細かくすることができるので、プッシュボタン操作による中留機構に一体化された装身具長さ微調整手段は、朝夕でわずかに変わるユーザーの手首の太さの変化にも追従する、極めてわずかな微調整が可能となる。
【0173】
また、請求項5の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項2又は請求項3又は請求項4記載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段が、前記プッシュボタンに形成したねじ孔に係合突起形成体を螺合して、この係合突起形成体の係合突起部をスライド板側に突出させて前記係合突起とした構成であることにより、上記した請求項2の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、係合突起形成体をプッシュボタンのねじ孔に捩じ込んで、この係合突起形成体の係合突起部をスライド板側に突出させて係合突起とすることが可能になって、後組みが可能になる。このために、係合突起の形成を削り出しや圧入で行うものに比べて作業性が良好になり、コストを低減することが可能になるし、また、係合突起の取り外しが可能になる。
【0174】
また、請求項6の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項5記載の装身具の中留構造において、中留枠に組み込まれて前記プッシュボタンを装身具短手方向から挿入して移動可能に保持するプッシュボタン保持部材の面部に挿入孔を設けて、前記係合突起形成体を前記挿入孔から前記プッシュボタンの前記ねじ孔に螺合するようにしたことにより、上記した請求項5の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、中留枠にスライド板を挿入し、中留枠にプッシュボタン保持部材を組み付け、中留枠の側方からプッシュボタンを挿入した後に、すなわち、中留枠に、スライド板、プッシュボタン保持部材及びプッシュボタンを組み付けた後に、挿入孔からプッシュボタンのねじ孔に、係合突起を形成すべく係合突起形成体を螺合して、この係合突起形成体を組み込むことが可能になり、特に、プッシュボタンをプッシュボタン保持部材の装身具短手方向から挿入することが可能になって、中留機構の組立てが簡単になり、作業性が良好になり、コストを低減することが可能になる。
【0175】
また、請求項7の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項4又は請求項5又は請求項6記載の装身具の中留において、構造前記係合歯部の歯形状が、平面視でラチェット歯、山歯、谷歯、方形歯のいずれか1つであることにより、上記した請求項4の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、歯形状を選択することにより、ユーザーの用途に応じて装身具長さ微調整手段を種々様々に変化させることができる。
【0176】
すなわち、係合歯部の歯形状をラチェット歯にすると、スライド板は、プッシュボタンとの係合により一方向にはロックされるが、他方向には自由に動けるようになる。よって、例えば、装身具を伸ばしたい場合には、プッシュボタンを押圧しながら装身具を引っ張り、スライド板を移動させて装身具を伸ばすことができるように、かつ装身具を縮めたい場合には、プッシュボタンを操作することなく、装身具を押し込んで縮めることができるように設定することができる。すると、ユーザーが前記プッシュボタンを操作しない限り、装身具は伸びることがないので、ユーザーの意図に反して不用意に装身具が伸びて手首より脱落することがないと共に、装身具を縮めたい場合は、装身具を押し込むだけで簡単に縮めることができるようになる。
【0177】
また、前記係合歯部の歯形状を山歯、谷歯のいずれかにすると、装身具を引っ張る、あるいは押し込むことにより、プッシュボタンを何ら操作することなくスライド板を移動させることができるので、装身具を伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、容易に装身具長さの微調整ができるようになる。
【0178】
また、前記係合歯部の歯形状が方形歯にすると、装身具を伸ばす、あるいは縮める場合双方とも、プッシュボタンを押圧させるように設定することができる。
【0179】
また、前記係合歯部の歯形状が方形歯である場合には、一方及び他方のプッシュボタンに設けられる一方及び他方の係合突起は一方及び他方の方形歯に係合する四角形状にすることにより、これら一方及び他方の係合突起は点対称を成し、一方及び他方のプッシュボタンは、同じ形状になるために一種類で共用できるため、部品点数を減らして安価に製造できる。
【0180】
また、請求項8の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項4又は請求項5又は請求項6記載の装身具の中留構造において、前記係合歯部を、互いに向きが逆のラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構成したことにより、上記した請求項5の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記ラチェット歯の歯の向きを逆にすれば、装身具を縮めたい場合にのみ、プッシュボタンを押圧させるように設定することもできる。
【0181】
また、前記係合歯部を、互いに向きが逆のラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構成すれば、一方のプッシュボタンを押圧すれば、装身具を伸ばす(あるいは縮める)ことができ、他方のプッシュボタンを押圧すれば、装身具を縮める(あるいは伸ばす)ことができるようになり、ユーザーが、一方及び他方のプッシュボタンのいずれかを選んで押圧し、装身具を伸ばしたり縮めたりするように設定することができる。
【0182】
さらに、一方及び他方の係合突起は点対称になって、一方及び他方のプッシュボタンは同じ形状になり、一種類で共用できるため、部品点数を減らして安価に製造できる。
【0183】
また、請求項9の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構造において、前記中留機構が、両方のプッシュボタンの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした両プッシュ中留構成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができる。
【0184】
また、請求項10の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構造において、前記中留機構が、片方のプッシュボタンの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした両プッシュ中留構成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができる。
【0185】
また、請求項11の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8記載の装身具の中留構造において、前記中留機構が、片方のプッシュボタンのみの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした片プッシュ中留構成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構に装身具長さ微調整手段を一体化することができ、かつ装身具長さの微調整を容易に行うことができる。
【0186】
また、請求項12の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が複数折れ構成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ製品化が可能になる。
【0187】
また、請求項13の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が、観音開き構成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プッシュボタン操作による中留機構と装身具長さ微調整手段の一体化を実現することができ、従来の中留機構とはほぼ同じ製品化が可能になる。
【0188】
また、請求項14の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11記載の装身具の中留構造において、前記中留機構をシングル・ロックタイプの装身具構成に設けたことにより、上記した請求項2の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、従来の中留機構とはほぼ同じ製品化が可能になる。
【0189】
また、請求項15の発明に係わる装身具の中留構造によれば、中留枠と共にベルトが挿通する開口部を形成し且つこの開口部に挿入されたベルトの係止孔に係脱可能に係止する突棒を有する表板を備え且つベルト短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部と前記突棒との係合により前記ベルトを所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン側係合部と前記突棒との係合を解除する中留機構と、前記ベルトの一端が固定され且つベルトの長手方向に滑動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合するスライド板側係合手段を設けて構成した長さ微調整手段とを備えたことにより、ベルトを腰回りに沿わせて、このベルトの先部を前記開口部に挿通して表板を中留枠に重ねることにより、突棒をベルトの係止孔に係脱可能に係止すると共に、この突棒をボタン側係合部に係合してベルトを中留機構に連結してベルトを所定の長さに設定し、また、ベルトを外す場合には、プッシュボタンの押圧操作によりボタン側係合部と突棒との係合を解除し、前記表板を拡開して突棒をベルトの係止孔より外して行う。
【0190】
また、前記プッシュボタンを操作して、または操作することなしに、前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段より外して、前記スライド板を移動してベルトの所定の長さの調整後に、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段をスライド板側係合手段に係合しベルト長さの微調整を行なうことで、例えば、食後などのように、腰回りが太くなったとき、ズボンを装着したまま、ベルトを僅かに緩めることができる。
【0191】
このように、プッシュボタン操作による中留機構とベルト長さ微調整手段の一体化を図ることが可能になるし、朝夕で僅かに異なる腰回りの微妙な太さの変化にも追従して、装身具の長さを容易に微調整できる。
【0192】
また、請求項16の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項15記載の装身具の中留構造において、前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部であることにより、上記した請求項15の発明の効果と同様な効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例1の一部省略した斜視図である。
【図2】同中留構造の分解状態の斜視図である。
【図3】同中留構造の装身具長手方向に沿う断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】(1)は同中留構造の中留枠の表側から見た斜視図である。
(2)は同中留枠の裏側から見た斜視図である。
【図6】同中留構造のプッシュボタン保持部材の斜視図である。
【図7】同中留構造のスライド板の斜視図である。
【図8】同中留構造のプッシュボタン組立体の斜視図である。
【図9】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例2の装身具長手方向に沿う断面図である。
【図10】図9のB−B線に沿う断面図である。
【図11】同中留構造のプッシュボタン保持部材の斜視図である。
【図12】同中留構造のプッシュボタン組立体の一部省略した斜視図である。
【図13】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例3の分解状態の斜視図である。
【図14】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例4の分解状態の斜視図である。
【図15】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例5の斜視図である。
【図16】同中留構造の分解状態の斜視図である。
【図17】同中留構造におけるプッシュボタン保持部材とプッシュボタンとの分解状態の斜視図である。
【図18】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図である。
【図19】図18のC−C線に沿う断面図である。
【図20】同中留構造の装身具短手方向の一部断面図である。
【図21】スライド板側係合手段としての山歯を有するスライド板とプッシュボタンの係合突起との係合状態の平面図である。
【図22】ライド板側係合手段としての互いに逆向きのラチェット歯を有するスライド板とプッシュボタンの係合突起との係合状態の平面図である。
【図23】スライド板側係合手段としての方形歯を有するスライド板とプッシュボタンの係合突起との係合状態の平面図である。
【図24】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例6の分解状態の斜視図である。
【図25】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例7の分解状態の斜視図である。
【図26】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例8の分解状態の斜視図である。
【図27】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例9の分解状態の斜視図である。
【図28】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図である。
【図29】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例10の結合状態の斜視図である。
【図30】同中留構造の切り離し状態の斜視図である。
【図31】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図である。
【図32】図31のD−D線に沿う断面図である。
【図33】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例11の斜視図である。
【図34】同中留構造の装身具長手方向の縦断面図である。
【図35】図34のE−E線に沿う断面図である。
【図36】従来の装身具における長さ調整の説明のためのバンドの斜視図である。
【図37】従来の装身具の中留構造の斜視図である。
【符号の説明】
1 時計バンド
2 時計バンド
5 中折れ部材
6 中留機構
9 係合爪(中折れ部材側係合部)
18 スライド板
19、20 プッシュボタン
37 ラチェット歯(スライド板側係合手段)
40 係合部(ボタン側係合部)
41 係合突起(ボタン側係合手段)
Claims (15)
- 装身具短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部と中折れ部材に設けた中折れ部材側係合部との係合により装身具を所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン側係合部と前記中折れ部材側係合部との係合を解除する中留機構を備え、
この中留機構に、装身具の長さの微調整を行う装身具長さ微調整手段を設けた装身具の中留構造であって、
この装身具長さ微調整手段は、装身具の一端が固定され且つ装身具の長手方向に滑動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合するスライド板側係合手段を設けて構成される装身具の中留構造。 - 前記スライド板が前記プッシュボタンと重なり合う請求項1に記載の装身具の中留構造。
- 前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部である請求項1、あるいは2のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段が、前記プッシュボタンに形成したねじ孔に係合突起形成体を螺合して、この係合突起形成体の係合突起部をスライド板側に突出させて前記係合突起とした構成である請求項1から3のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 中留枠に組み込まれて前記プッシュボタンを装身具短手方向から挿入し移動可能に保持するプッシュボタン保持部材の面部に挿入孔を設けて、この挿入孔から前記係合突起形成体を前記プッシュボタンの前記ねじ孔に螺合するようにした請求項4記載の装身具の中留構造。
- 前記係合歯部の歯形状が、平面視でラチェット歯、山歯、谷歯、方形歯のいずれか1つである請求項3から5のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記係合歯部を、互いに向きが逆のラチェット歯をそれぞれ装身具長手方向に複数並べて構成した請求項3から5のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記中留機構が、両方のプッシュボタンの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした両プッシュ中留構成である請求項1から7のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記中留機構が、片方のプッシュボタンの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした両プッシュ中留構成である請求項1から7のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記中留機構が、片方のプッシュボタンのみの係合突起がスライド板の係合歯部に噛み合うようにした片プッシュ中留構成である請求項1から7のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記中折れ部材が複数折れ構成である請求項1から10のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記中折れ部材が、観音開き構成である請求項1から10のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 前記中留機構をシングル・ロックタイプの装身具構成に設けた請求項1から10のいずれかに記載の装身具の中留構造。
- 中留枠と共にベルトが挿通する開口部を形成し且つこの開口部に挿入されたベルトの係止孔に係脱可能に係止する突棒を有する表板を備え且つベルト短手方向に突出したプッシュボタンのボタン側係合部と前記突棒との係合により前記ベルトを所定の長さに設定し且つ前記プッシュボタンの押圧操作により前記ボタン側係合部と前記突棒との係合を解除する中留機構と、前記ベルトの一端が固定され且つベルトの長手方向に滑動可能なスライド板を有し、このスライド板に、前記プッシュボタンのボタン側係合手段が係脱可能に係合する スライド板側係合手段を設けて構成した長さ微調整手段とを備えたことを特徴とする装身具の中留構造。
- 前記プッシュボタンの前記ボタン側係合手段がスライド板側に突出する係合突起であり、前記スライド板側係合手段が、前記スライド板に設けた開口部の装身具長手方向に沿った少なくとも一辺の縁部に形成されて前記係合突起が係脱可能に係合する係合歯部である請求項14に記載の装身具の中留構造。
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JP2014004197A (ja) * | 2012-06-26 | 2014-01-16 | Nihon Seimitsu Co Ltd | 中留 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08308616A (ja) | 1996-11-26 |
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