JPH10127315A - 無端帯を備える装身具構造 - Google Patents

無端帯を備える装身具構造

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JPH10127315A
JPH10127315A JP28775496A JP28775496A JPH10127315A JP H10127315 A JPH10127315 A JP H10127315A JP 28775496 A JP28775496 A JP 28775496A JP 28775496 A JP28775496 A JP 28775496A JP H10127315 A JPH10127315 A JP H10127315A
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JP
Japan
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band
endless
accessory
endless band
endless belt
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JP28775496A
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Inventor
Masaaki Kubota
正明 久保田
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Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その呈する外観を、容易に他の外観に変換す
ることができる装身具の構造を提供する。 【解決手段】 無端帯18と、ばね棒8を有する時計本
体1と、ばね棒8と平行なばね棒17を有する尾錠4と
を備え、前記無端帯18が成す輪の内部にばね棒8とば
ね棒17とを挿通し、前記無端帯18が、ばね棒8とば
ね棒17との廻りを循環するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手首などに巻回さ
れて装着される装身具の構造に係わる。詳しくは、本発
明は、その外観を変換することができる装身具の構造に
関する。本発明の装身具は、腕時計のバンドやブレスレ
ットなどに代表される帯状の装身具に適する。さらに詳
しくは、合成樹脂や皮革などより成る、柔軟に湾曲する
帯状の装身具に、最も好ましく適用され得る。
【0002】
【従来の技術】外観を変換することができる従来の装身
具構造の一例として、実開昭58−87510号公報に
開示された腕時計のバンド構造がある。この開示技術
は、腕時計本体、すなわち腕時計のケースとバンドが、
バンド取付金具を介して連結されている。このバンド取
付金具は、ケースに固定されたケース固定部と、バンド
に固定されたバンド固定部と、さらにケース固定部とバ
ンド固定部を連結する横軸とから成る。そして、両固定
部が横軸の軸線回りに互いに回転できるように構成され
ている。よって、ケースに対してバンドを回転させれ
ば、バンドを表裏反転させることができる。すると、バ
ンドの表側の面と裏側の面とを入れ換わり、バンドの外
観が変換される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
装身具構造にあっては、バンドの表側の面と裏側の面と
の2種類を交互に変換できるのみである。携帯者は、2
種類の外観のいずれか一方を選べるのみである。上記の
装身具構造は、変換される外観のバリエーションが少な
く、携帯者の多様な好みを満足させることができなかっ
た。特に、ケースとバンドは、互いに表裏反転してしま
うため、装着時にケースが裏返しになってしまうことが
ある。すると、ケースの時刻表示面を視認できないとい
う問題が生じた。また、両固定部は、横軸を回転軸にし
て互いに表裏反転するものの、バンドの表裏方向には屈
折しない。よって、手首に装着すると、ケース及び両固
定部が突っ張って、腕時計が手首の湾曲に追従しなかっ
た。このため、腕時計が手首に馴染まず、その装着感が
極めて悪かった。さらにまた、バンドを表裏反転させる
ためのバンド取付金具の構造があまりに複雑であって、
製造するのが困難である。また、部品点数も多い。よっ
て、製造するにコストが高くなってしまった。加えて、
装着時に、ケース、あるいはバンドに大きな外力が負荷
されると、時計本体とバンドの間の横軸が折れてしまう
という問題点があった。
【0004】本発明の上記の問題点に着目して成された
ものであって、その目的とするところは、装身具の外観
を容易に他の外観に変換することができる装身具の構造
を提供することにある。さらに加えれば、携帯者の好み
に応じて、装身具の外観を多様に変換できる装身具の構
造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係わる装身具構造は、無端帯
と、前記無端帯が成す輪の内部に挿通される軸を有する
取付部材とを備え、前記無端帯が前記軸の廻りを循環す
るようにしたことを特徴とする。
【0006】かかる構成により、無端帯の内周面(無端
帯が成す輪の内部を向く面を示す)を、軸の外周面に沿
わせながら、無端帯がベルト・コンベアーのように軸の
廻りを無限に循環(周回)する。これは、無端帯の外周
面(無端帯の外方に向く面を示す)が無限に循環するこ
とを意味する。よって、装身具の外観を容易に別の外観
に変換することができる。すなわち、無端帯を循環させ
ることにより、装身具の裏側(例えば、装身具が腕時計
ならば、携帯して手首に接する側を示す)に位置して隠
されている無端帯の外周面が、次々と装身具の表側に繰
り出される。それに連動して、装身具の表側に位置して
露出し、現在見えている無端帯の外周面は、次々と装身
具の裏側に位置して装身具の表側からは見えなくなる。
よって、装身具の表側に位置した無端帯の外周面と、装
身具の裏側に位置した無端帯の外周面とを、順々に入れ
換えることができる。
【0007】例えば、無端帯の循環する方向に沿って、
無端帯の外周面に様々な模様や絵柄を形成しておけば、
無端帯を循環することにより、装身具の表側に位置し
て、現在見えている無端帯の模様や絵柄が、次々と装身
具の裏側に位置して、隠されている無端帯の模様や絵柄
と入れ換わる。また、例えば、無端帯の循環する方向に
沿って、無端帯の外周面に互いに異なる複数の色調を附
しておけば、無端帯を循環することにより、装身具の表
側に位置して、現在見えている無端帯の色調が、次々と
装身具の裏側に位置して、隠されている色調と入れ換わ
る。この場合、無端帯の循環する方向に沿って、無端帯
の外周面に、互いに異なる色調を有する複数の色調帯を
連続して設けることが好ましい。このように、無端帯を
循環させることによって、無端帯の外観を様々に変換さ
せることができる。すなわち、無端帯を循環させること
によって、装身具の外観を様々に変化させることができ
る。
【0008】装身具の表側に位置した無端帯の外周面全
てを、装身具の裏側に位置した無端帯の外周面全てと入
れ換えることもできる。また、装身具の表側に位置した
無端帯の外周面の一部を、装身具の裏側に位置した無端
帯の外周面の一部と入れ換えることもできる。これは、
携帯者が無端帯をどの程度循環させるかによって、すな
わち無端帯を循環させる距離によって決定される。携帯
者が、無端帯を多く循環させれば、装身具の表側に位置
した外周面における多くの面積が、装身具の裏側に位置
した外周面と入れ換わる。携帯者が、無端帯を少ししか
循環させなければ、装身具の表側に位置した外周面は少
ししか変換されない。無端帯を循環させる距離によっ
て、無端帯の外観は多様に変化する。これは、携帯者の
好みに応じて、装身具の外観を種々様々に変換できるこ
とを意味する。
【0009】本発明における無端帯は、装身具のいずれ
かに配されていれば良い。取り付け部材は、装身具を構
成する種々の要素の中より、適宜選択し得る。例えば、
腕時計のバンドに本発明を適用した場合、取り付け部材
は、腕時計のケースにおけるバンドとの連結部であって
も良い。あるいは、バンドの開放端であっても良い。装
身具のスペースの許容する限り、無端帯は装身具にいく
つ備えられても良い。装身具の長手方向に沿って、無端
帯を複数直列させるように配しても良い。あるいは、装
身具の短手方向に沿って、無端帯を複数並列させるよう
に配しても良い。以上のように、本発明の装身具は、無
端帯を自在に循環(周回)させることにより、装身具の
外観を多様な他の外観に変換することができる。かかる
無端帯の循環は、装身具の携帯者が、極めて容易に行う
ことができる。また、本発明の装身具は、極めて簡単な
構造であり、安価に製造することができる。
【0010】また、上記の目的を達成するために、請求
項2の発明に係わる装身具構造は、無端帯と、一方の軸
を有する一方の取付部材と、一方の軸と平行な他方の軸
を有する他方の取付部材とを備え、前記無端帯が成す輪
の内部に一方の軸と他方の軸とを挿通し、前記無端帯
が、一方の軸と他方の軸との廻りを循環するようにした
ことを特徴とする。
【0011】かかる構成により、一方の取付部材と他方
の取付部材の間で、一方の軸の外周面と他方の軸の外周
面とに無端帯の内周面を沿わせながら、無端帯が一方の
軸と他方の軸の廻りをベルト・コンベアーのように無限
に循環できる。
【0012】このように、無端帯をベルト・コンベアー
のように自在に循環させることにより、請求項1と同様
の作用をもって、装身具の外観を容易に別の外観に変換
することができる。
【0013】かかる無端帯は、装身具のいずれかに配さ
れていれば良い。一方の取り付け部材、および他方の取
り付け部材は、装身具を構成する種々の要素の中より、
適宜選択し得る。例えば、腕時計のバンドに本発明を適
用した場合、一方の取り付け部材を、腕時計のケースに
おけるバンドとの連結部とし、他方の取り付け部材を中
留具とすることもできる。すると、無端帯は、腕時計の
バンドそのものに代換することができる。
【0014】無端帯の循環は、装身具の携帯者が、極め
て容易に行うことができる。また、本発明の装身具は、
極めて簡単な構造であり、安価に製造することができ
る。
【0015】また、上記の目的を達成するために、請求
項3の発明に係わる装身具構造は、請求項2記載の装身
具構造において、前記一方の軸が、装身具短手方向に沿
って固定されており、前記無端帯が、装身具の長手方向
に沿って循環する。
【0016】かかる構成により、上記した請求項2の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、無端帯は、
装身具の長手方向に沿って循環するようになる。これ
は、以下の理由により好ましい構成である。すなわち、
装身具の大きさに比べて無端帯が小さければ、循環させ
て無端帯の外観を変換させても、装身具全体の外観とし
ては、大きく変化するものではない。装身具全体の外観
を、大きく変化させようとするならば、装身具の大きさ
に比べて無端帯を大きく設定する必要がある。無端帯を
装身具の長手方向に沿って循環するようにすれば、装身
具長手方向に沿って無端帯を長く設定することができ
る。よって、無端帯の循環により、装身具の外観が大き
く変換されることになる。
【0017】また、上記の目的を達成するために、請求
項4の発明に係わる装身具構造は、請求項2記載の装身
具構造において、前記一方の軸が、装身具長手方向に沿
って固定されており、前記無端帯が、装身具の短手方向
に沿って循環する。
【0018】かかる構成により、上記した請求項2の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、無端帯は装
身具の短手方向に沿って循環するようになる。これは、
装身具の大きさに比べて、無端帯を小さく設定したい場
合に適している。
【0019】また、上記の目的を達成するために、請求
項5の発明に係わる装身具構造は、請求項1又は請求項
2記載の装身具構造において、前記取付部材が、突棒と
挿通環を備える尾錠である。
【0020】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、取付部材
を、装身具の中留具である尾錠とすることができる。突
棒と挿通環を備える尾錠は、腕時計の皮革バンドのため
の中留具として、広く用いられている。しかしながら、
かかる尾錠に軸を設けて、無端帯の取付部材とした点が
特徴である。
【0021】また、上記の目的を達成するために、請求
項6の発明に係わる装身具構造は、請求項1又は請求項
2記載の装身具構造において、前記装身具の一部に、表
側に開口する空間部を設け、前記空間部に前記無端帯を
循環可能に配した。
【0022】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、装身具の一
部に、表側に開口する空間部を設け、前記空間部に前記
無端帯を循環可能に配することができる。したがって、
前記空間部内部の無端帯を循環させることにとり、空間
部で区切られたところの装身具の外観を容易に別の外観
に変換することができる。これは、装身具の外観の一部
のみを別の外観に変換させたい場合に適している。
【0023】かかる空間部とは、装身具の表裏に貫通し
た貫通孔であっても、あるいは装身具の表側の面に凹設
された凹部であっても良い。
【0024】また、上記の目的を達成するために、請求
項7の発明に係わる装身具構造は、請求項1乃至請求項
6記載の装身具構造において、前記無端帯の循環を適宜
停止させる循環止め手段を備える。
【0025】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、循環止め手
段により無端帯の循環を適宜停止させることができる。
したがって、意図しない外力の負荷により、無端帯が不
用意に循環することを防ぐことができる。また、携帯者
は、無端帯を循環させ、無端帯の外周面に施された種々
の模様や色調のうち、自分の好みに合った模様や色調を
装身具の表側に位置させて、無端帯の循環を止めること
ができる。
【0026】また、上記の目的を達成するために、請求
項8の発明に係わる装身具構造は、請求項7記載の無端
帯を備える装身具構造において、前記循環止め手段が、
前記無端帯が成す輪の内部に向く前記無端帯の内周面に
設けられた複数の連続する凹部と、前記軸との係脱可能
な係合である。
【0027】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記無端帯
が成す輪の内部に向く前記無端帯の内面に設けられた複
数の連続する凹部に前記軸を係脱可能に係合することに
より、無端帯の循環を適宜停止させることができる。す
なわち、無端帯の内周面に複数の連続する凹部を凹設す
る。かかる凹部は、軸と平行な方向に沿って凹設すると
良い。そして、軸と凹部の1つとを係合させれば、無端
帯の循環を適宜停止させることができる。軸と凹部の1
つとの係合を解除すれば、無端帯は再び無限に循環でき
る。そして、無端帯を循環させて、軸と凹部の他の1つ
とを係合させれば、再び無端帯の循環は停止する。複数
の連続する凹部のうち、いずれの凹部に係合させるか
は、携帯者が適宜選ぶことができる。よって、携帯者
は、循環する無端帯を望む位置で停止させることができ
る。
【0028】また、上記の目的を達成するために、請求
項9の発明に係わる装身具構造は、請求項7記載の無端
帯を備える装身具構造において、前記循環止め手段が、
前記無端帯が成す輪の内部に向く前記無端帯の内周面と
前記軸の外周面のうち、いずれか一方に設けられた凸部
と他方に設けられた凹部との係脱可能な係合である。
【0029】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記無端帯
が成す輪の内部に向く無端帯の内周面と軸の外周面のう
ち、いずれか一方に設けられた凸部と他方に設けられた
凹部とを係脱可能に係合することにより、無端帯の循環
を適宜停止させることができる。
【0030】すなわち、軸の凸部を無端帯の凹部の1つ
に係合させれば、無端帯の循環を止めることができる。
軸の凸部と他の凹部とを係合を解除し、無端帯を循環さ
せ、軸の凸部と他の凹部とを係合させれば、再び無端帯
は循環しなくなる。無端帯に設けられた複数の連続する
凹部のうち、どの凹部に軸の凸部を係合させるかは、携
帯者が適宜選ぶことができる。よって、携帯者は、循環
する無端帯を望む位置で停止させることができる。
【0031】したがって、意図しない外力の負荷によ
り、無端帯が不用意に循環することを防ぐことができ
る。また、携帯者は、無端帯を循環させ、無端帯の外周
面に施された種々の模様や色調のうち、自分の好みに合
った模様や色調を表側に位置させて、無端帯の循環を止
めることができる。
【0032】また、上記の目的を達成するために、請求
項10の発明に係わる装身具構造は請求項7記載の無端
帯を備える装身具構造において、前記循環止め手段が、
前記無端帯が成す輪の内部に向く前記無端帯の相対する
内周面を、係脱可能に係合する係脱手段を備える。
【0033】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、係脱手段に
よって、無端帯の相対する内周面を係合させ、輪状の無
端帯を帯状にする。この帯状になった無端帯は循環でき
なくなる。かかる係合を解除して、無端帯の相対する内
周面を離間させ、無端帯を輪状に戻す。すると、無端帯
は再び無限に循環する。
【0034】このように、無端帯の相対する内周面を係
合させることにより、意図しない外力の負荷により、無
端帯が不用意に循環することを防ぐことができる。ま
た、無端帯の循環を適宜停めることができるので、携帯
者は、無端帯を循環させ、無端帯の外周面に施された種
々の模様や色調にうち、自分の好みに合った模様や色調
を装身具の表側に位置させて、無端帯の循環を停めるこ
とができる。さらにまた、無端帯の相対する内周面を係
合させると、無端帯が帯状になるため、装身具としての
外観にも優れたものになる。
【0035】また、上記の目的を達成するために、請求
項11の発明に係わる装身具構造は、請求項10記載の
装身具構造において、前記係脱手段が、前記無端帯が成
す輪の内部に向く前記無端帯の相対する内周面に設けら
れた面ファスナーである。
【0036】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、無端帯の相
対する内周面は、自在に係脱を繰り返すことができる。
面ファスナーによって、無端帯の相対する内周面を係合
させ、輪状の無端帯を帯状にする。帯状になった無端帯
は循環できなくなる。無端帯を循環させる時は、面ファ
スナーの係合を解除して、無端帯の相対する内周面を離
間させ、無端帯を輪状に戻す。すると、無端帯は再び無
限に循環する。
【0037】面ファスナーは、一方の結合面と他方の結
合面とから成る。一方の結合面と他方の結合面とは、互
いに密着させれば結合できる。逆に、一方結合面と他方
の結合面とは、互いに剥がして離間させれば、結合が解
除される。かかる面ファスナーは広く知られている。無
端帯の内周面には、無端帯の循環する方向に沿って、一
方の結合面と他方の結合面とを交互に連続して設けると
良い。さらに、一方の結合面と他方の結合面とは、無端
帯の循環する方向に対して、所定の角度をもって斜めに
配されることが好ましい。このように、無端帯の内周面
に面ファスナーを設ければ、無端帯における相対する内
周面双方に、必ず一方の結合面と他方の結合面とが途切
れることなく存在する。かつ、一方の結合面、あるいは
他方の結合面同志が相対して結合できなくなる事態を避
けることができる。よって、携帯者がどの位置で無端帯
の循環を停止させようとも、無端帯の内周面を確実に結
合して、無端帯を帯状と成すことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0039】(実施例1)本発明に係わる装身具構造の
実施例1を図1乃至図7に示す。図1は本発明に係わる
装身具構造の実施例1の斜視図、図2は同装身具構造の
尾錠の斜視図、図3は同尾錠の分解状態の斜視図、図4
は同装身具構造の側面図、図5は同装身具構造を手首に
装着した状態の説明図、図6は一方のバンド部材を循環
させる動作の説明図、図7の(1)、(2)は一方のバ
ンド部材を循環させて模様を変えた状態の説明図であ
る。
【0040】本発明に係わる装身具構造の実施例1は、
装身具としての腕時計Aのバンド構造として示される。
この腕時計Aは、一方の取付部材を成す時計本体1、該
時計本体1の一方のバンド取付部1Aに連結され、一方
の無端帯を備える一方のバンド部材2、時計本体1の他
方のバンド取付部1Bに連結され、他方の無端帯を成す
他方のバンド部材3、一方のバンド部材2に連結され、
他方の取付部材を成す尾錠4、および一方のバンド部材
2に設けられたバンド通し部材23とで大略構成され
る。
【0041】時計本体1の一方のバンド取付部1Aは、
時計ケース5の周部の12時方向に形成した一対の取付
アーム部7を有している。これら取付アーム部7の先部
には、軸であるばね棒8を取り付けるための孔7Aが設
けてある。他方のバンド取付部1Bは、時計ケース5の
周部の6時方向に形成した一対の取付アーム部9を有し
ており、これら取付アーム部9の先部には、軸であるば
ね棒10を取り付けるための孔9Aが設けてある。
【0042】また、一方のバンド部材2は、皮、合成樹
脂、もしくは布製の条帯を輪とした柔軟な無端帯(輪
体)18を備える。この一方の無端帯18の外周面18
aには、複数の異なる模様(絵柄)19が、無端帯18
の円周方向に沿って連続して描かれる。一方の無端帯1
8は、後述するように一方のバンド取付部1Aに取り付
けられた状態では、表側の条帯部18ー1と裏側の条帯
部18ー2を形成する。そして、無端帯18の表側の条
帯部18ー1には、環状のバンド通し部材23が移動可
能に付設される。詳しくは、表側の条帯部18ー1をバ
ンド通し部材23内部に挿通して付設される。
【0043】また、他方のバンド部材3は、皮、合成樹
脂、もしくは布製の条帯を輪とした柔軟な無端帯(輪
体)20のみで構成される。この他方の無端帯20は、
その外周面20aに複数の異なる模様(絵柄)21が連
続して描かれる。また、無端帯20には、その円周方向
に沿って全周にわたり、所定の間隔をもって多数の係合
孔22が形成される。結果、無端帯20には、バンドの
長手方向に沿って、複数の係合孔22を備える。後述す
るように他方のバンド取付部1Bに取り付けられた状態
では、表側の条帯部20ー1と裏側の条帯部20ー2を
形成する。
【0044】また、図2に示すように、尾錠4は、互い
に平行する棒状の側杆部11A、11Bの一端部間を、
同じく棒状の端杆部11Cで連ねた平面視U字形状の環
体11を有している。この環体11の側杆部11A、1
1Bの中間には、端杆部11Cと平行に連結杆部12が
渡される。端杆部11Cと連結杆部12との間には隙間
が形成される。該隙間は、後述するように、一方の無端
帯18が挿通されるバンド通し部(挿通環)24を成
す。また、連結杆部12の中央部には軸部13が形成さ
れる。軸部13は、棒状の連結杆部12の一部を細く形
成した部分である。この軸部13には、突棒14が回転
可能に取り付けられる。詳しくは、突棒14の基部に形
成された環状の環部14Aに、軸部13が挿通されて取
り付けられる。また、側杆部11A、11Bの他端部に
は、ばね棒17を取り付けるための孔15A、15Bが
穿設される。
【0045】さて、無端帯18が成す輪の内側に、一方
の軸を成すばね棒8を腕時計Aの短手方向に沿って挿通
させる。そして、ばね棒8の両端部のピボット部8A
を、取付アーム部7の孔7Aに挿入する。よって、時計
本体1の一方のバンド取付部1Aに、無端帯18が取り
付けられる。また、無端帯18が成す輪の内側に、他方
の軸を成すばね棒17を同じく挿通させる。そして、ば
ね棒17の両端部のピボット部8Aを、尾錠4の側杆部
11A、11Bの孔15A、15Bに挿入させる。よっ
て、尾錠4が無端帯18に取り付けられる。結果、無端
帯18は、一方の取り付け部材である時計本体1と、他
方の取り付け部材である尾錠4との間に連結される。図
4に示すように、一方のバンド部材2において、無端帯
18は、一方の軸であるばね棒8と他方の軸であるばね
棒17との廻りを無限に循環することが可能となる。無
端帯18の循環と協同する軸であるばね棒8、17は、
腕時計Aの短手方向に沿う。そして、無端帯18は、そ
の円周方向に沿って、すなわち腕時計Aの長手方向に沿
って循環する。時計本体1の時刻表示における12時方
向、あるいは6時方向のどちらにでも循環する。
【0046】他方、無端帯20が成す輪の内側に、他方
の軸を成すばね棒10を腕時計Aの短手方向に沿って挿
通させる。そして、ばね棒10の両端部のピボット部1
0Aを、取付アーム部9の孔9Aに挿入する。よって、
時計本体1の他方のバンド取付部1Bに、無端帯20が
取り付けられる。結果、他方のバンド部材3、すなわち
無端帯20は、腕時計Aの短手方向に沿った軸であるば
ね棒10の廻りを循環することが可能である。図4に示
すように、無端帯20は、無端帯18と同じく、その円
周方向に沿って、すなわち腕時計Aの長手方向に沿って
循環する。
【0047】次に、上記のように構成された腕時計Aの
バンド構造の手首への装着と取り外しを説明する。
【0048】まず、手首への装着するには、他方のバン
ド部材3の無端帯20を循環調整して、表側の帯条部2
0ー1と裏側の帯条部20ー2との係合孔22を互いに
一致させる。この状態で、腕時計Aを手首Qに沿わせ
て、他方のバンド部材3の先部(開放端)を、尾錠4の
バンド通し部24に裏側から通す。そして、他方のバン
ド部材3の係合孔22に、突棒14を挿通して係合させ
る。係合孔22は、手首Qの太さに合わせて、多数の中
から適宜選択される。このとき、突棒14は、表側の帯
条部20ー1と裏側の帯条部20ー2双方の係合孔22
を貫く。さらに、他方のバンド部材3の先部をバンド通
し部材23に挿通する。このようにして、図5に示すよ
うに、腕時計Aが手首Qに装着される。腕時計Aが手首
Qに巻回された状態では、皮、合成樹脂もしくは布製の
条帯を輪とした柔軟な無端帯18、20は、手首Qの湾
曲に沿って延ばされるようにピンと張られる。よって、
無端帯18、20が循環することはない。また、無端帯
18、20が、その長手方向に沿って張られることによ
り、無端帯18における表側の条帯部18ー1と裏側の
条帯部18ー2、および無端帯20における表側の条帯
部20ー1と裏側の条帯部20ー2が、互いに寄り添う
ように相対して接する。よって、無端帯18、20の形
状は、輪状から帯状へと変わり、装身具としての腕時計
Aに美観を与える。
【0049】腕時計Aを手首Qから取り外す場合には、
他方のバンド部材3の先部をバンド通し部材23から抜
き、他方のバンド部材3の係合孔22から突棒14を抜
き、そして他方のバンド部材3を尾錠4のバンド通し部
24から抜き出す。
【0050】腕時計Aを手首Qから取り外せば、再び無
端帯18、20を循環させることができる。無端帯20
を循環させるには、図6に示すように、指で無端帯20
を挟み、時計本体1の時刻表示における6時方向に無端
帯20を引っ張る、あるいは12時方向に押し込めば良
い。無端帯18も同様の操作で循環させることができ
る。
【0051】さて、他方のバンド部材3に備えられた無
端帯20を、軸であるばね棒10の廻りをベルト・コン
ベアーのように自在に循環させることにより、一方のバ
ンド部材2の外観を別の外観に変換することができる。
すなわち、無端帯20を循環させることにより、他方の
バンド部材3の表側に位置して現在見えている模様(絵
柄)21が、次々と他方のバンド部材3の裏側に位置し
て隠されていた模様(絵柄)21と入れ換わる。
【0052】図7を見れば、他方のバンド部材3の外観
が変換される様子が、より明確にわかるであろう。図7
は、他方のバンド部材3における無端帯20を、時計本
体1の時刻表示における6時方向に向けて、循環させて
いるところを図示している。図7(1)においては、無
端帯20の外周面に施された模様(絵柄)21、すなわ
ち、星、ハート、ダイヤ、スペード、およびクローバー
などが、他方のバンド部材3の表側に施された模様(絵
柄)として観察される。無端帯20を循環させた図7
(2)においては、模様(絵柄)21のうち、スペー
ド、およびクローバーが、6時方向に向かって移動し、
他方のバンド部材3の裏側へと位置して見えなくなる。
代わりに、無端帯20の12時方向からは、他方のバン
ド部材3の裏側に位置して今まで見えなかった新たな模
様(絵柄)21、すなわち三日月やチェッカーフラッグ
などが他方のバンド部材3の表側へと移動して現れる。
さらに、無端帯20を循環させれば、さらに新たな模様
(絵柄)21が現れる。図7(1)と(2)を比較すれ
ば、他方のバンド部材3の表側の外観が変換されている
ことがわかる。無端帯20の外周面に施された複数の模
様21のうち、いずれを他方のバンド部材3の表側へ位
置させるかは、携帯者が無端帯20を循環させる距離に
よって決定される。よって、携帯者が自分の好みに応じ
て、他方のバンド部材3の外観を種々様々に変換でき
る。
【0053】無端帯18についても同様である。一方の
バンド部材2に備えられた無端帯18を、一方の軸であ
るばね棒8と他方の軸であるばね棒17との廻りをベル
ト・コンベアーのように自在に循環させることにより、
一方のバンド部材2の外観を別の外観に変換する。
【0054】すなわち、無端帯18を循環させると、無
端帯18の外周面が循環する。すると、一方のバンド部
材2の裏側に位置して隠されている無端帯18の外周面
の模様(絵柄)19が、次々と一方のバンド部材2の表
側に繰り出される。また、一方のバンド部材2の表側に
位置して露出し、現在見えている無端帯18の外周面の
模様(絵柄)19は、次々と一方のバンド部材2の裏側
に位置して見えなくなる。よって、一方のバンド部材2
の表側に見えている無端帯18の模様(絵柄)19が、
順次一方のバンド部材2の隠されている無端帯18の模
様(絵柄)19と入れ換わる。かくして、無端帯18の
外周面の模様(絵柄)19を変換させることにより、一
方のバンド部材2の表側の外観を変換させることができ
る。
【0055】このようにして、一方及び他方のバンド部
材2、3において、模様(や絵柄)19、21を入れ換
えた後に、再び腕時計を手首Qに装着する。すると、無
端帯18、20は循環できなくなる。よって、携帯者が
選んだところの、一方のバンド部材2、他方のバンド部
材3の表側に位置した模様19、21が変わることはな
い。
【0056】無端帯18、20は、皮、合成樹脂もしく
は布製の条帯を輪とした柔軟な無端帯で構成することが
好ましい。なぜならば、無端帯18、20が、手首の湾
曲に沿って柔軟に曲がり、腕時計Aを確実に装着できる
からである。また、一方及び他方のバンド部材2、3の
循環は、腕時計Aの装着者にとって極めて容易に行うこ
とができる。また、腕時計Aのバンド構造は、極めて簡
単な構造であるため、安価に製造することができる。
【0057】上記した実施例1にあっては、無端帯1
8、20そのものが、腕時計Aのバンドを成していると
見ることができる。腕時計Aの外観にとって、無端帯1
8、20はその大部分を占める。よって、無端帯18、
20の循環により、その外観が変換されると、腕時計A
の外観のほとんどが変換される。このように、装身具の
大きさに比べて無端帯を大きく設定すると、装身具全体
の外観を大きく変化させることができる。無端帯を大き
く設定するためには、無端帯を装身具の長手方向に沿っ
て循環させる手段が好ましい。それは、上記した実施例
1と、以下に記載される実施例5を比較すれば、明らか
になるであろう。
【0058】(実施例2)本発明に係わる装身具構造の
実施例2を図8乃至図13に示す。図8は本発明に係わ
る装身具構造の実施例2の斜視図、図9は同装身具構造
における連架体の分解状態の斜視図、図10は同装身具
構造における剣先体の斜視図、図11は同装身具構造の
側面図、図12は同装身具構造としての腕時計を手首に
装着した状態の説明図、図13の(1)、(2)は一方
のバンド部材を循環させて模様を変えた状態の説明図で
ある。
【0059】本発明に係わる装身具構造の実施例2は、
腕時計Aのバンド構造である。上記した実施例1の腕時
計Aのバンド構造と異なる点は、一方及び他方のバンド
部材2、3の構成であり、他の構成は実施例1の腕時計
Aと同じである。よって、この同じ部分については、同
じ符号を付して説明を省略する。
【0060】図8を見れば、実施例2の概要がわかるで
あろう。実施例2における腕時計Aの一方のバンド部材
2は、腕時計Aの長手方向に沿って直列に連結した2つ
の無端帯30および31を備えている。一方のバンド部
材2において、さらに多くの無端帯を直列に連結するこ
とも可能である。かかる実施例2で示されるように、無
端帯は、装身具の構造や大きさが許す限り、いくつ備え
られていても良い。
【0061】詳しくは、一方のバンド部材2は、2つの
柔軟な無端帯(輪体)30、31と、これらの無端帯3
0、31を互いに連結する連架体32とで構成される。
無端帯30、31は、合成樹脂などの条帯を輪としたも
のである。そして、無端帯30の外周面30aには、互
いに異なる複数の色調部(色調帯)a、b、c・・・が
施される。かかる色調部は、一方のバンド部材2の長手
方向(腕時計Aの長手方向)に沿って、外周面30a全
周にわたり連続して施されている。図8において図示さ
れるのは、一方のバンド部材2の表側に位置して見える
ところの色調部a、b、cのみである。しかし、色調部
a、b、cに連続する他の色調部が、一方のバンド部材
2の裏側に位置する無端帯30の外周面30aに施され
ている。これらは図示されていない。無端帯31も、無
端帯30と同様である。
【0062】また、前記連架体32は、図9に示すよう
に、腕時計Aの長手方向に沿って平行に延出する一対の
ばね棒保持部材33の間を、腕時計Aの短手方向に沿っ
た連架部34で架橋したものである。ばね棒保持部材3
3における、腕時計Aの長手方向に沿った両端部に、一
対のピボット係止部35A、35Bが設けられる。すな
わち、ばね棒保持部材33における時計本体1に向く一
端側に、腕時計Aの短手方向に沿って相対して一方のピ
ボット係止部35Aが設けられる。また、ばね棒保持部
材33における一方のバンド部材2の先端(開放端)に
向く他端側に、腕時計Aの短手方向に沿って相対して他
方のピボット係止部35Bが設けられる。
【0063】そして、無端帯30が成す輪の内側に、ば
ね棒36を腕時計Aの短手方向に沿って挿通させる。そ
して、ばね棒36の両端部のピボット部36Aを、ばね
棒保持部材33の一方のピボット孔35Aに挿入させ
る。よって、連架体32の一端側に無端帯30が連結さ
れる。また、同様に無端帯30にばね棒37を挿通さ
せ、ばね棒37の両端部のピボット部37Aをばね棒保
持部材33の他方のピボット孔35Bに挿入させる。よ
って、連架体32の他端側に無端帯31が連結される。
【0064】さらに、無端帯31には、尾錠40が連結
される。尾錠40は上記した実施例1における腕時計A
の尾錠4と同一の構成であるので、同じ符号を付して説
明を省略する。無端帯31に尾錠40を連結するには、
実施例1に倣う。すなわち、無端帯31の内方に挿通さ
せたばね棒41の両端部のピボット部41Aを、ピボッ
ト孔15A、15Bに挿入させる。よって、尾錠40
は、無端帯31の円周方向に沿って、すなわち腕時計A
の長手方向に沿って、無端帯31に移動可能に取り付け
られる。
【0065】そして、一方のバンド部材2の無端帯30
が成す輪の内側に、ばね棒46を腕時計Aの短手方向に
沿って挿通させる。そして、ばね棒46の両端部のピボ
ット部46Aを、時計本体1の一方のバンド取付部1A
におけるピボット孔7Aに挿入させる。よって、一方の
バンド取付部1Aに無端帯30が連結される。
【0066】以上が、時計本体1に連結される一方のバ
ンド部材2の構成である。すなわち、一方のバンド取付
部1Aに無端帯30が連結され、かかる無端帯30に、
連架体32を介して無端帯31が連結される。無端帯3
0と31は、腕時計Aの長手方向に沿って直列に連結さ
れる。さらに、無端帯31に尾錠40が連結される。
【0067】これらの無端帯30、31は、一方のバン
ド取付部1Aに取り付けられた状態で、表側の条帯部と
裏側の条帯部とを形成する。すなわち、無端帯30は、
表側の条帯部30ー1、裏側の条帯部30ー2を形成す
る。同じく、無端帯31は、表側の条帯部31ー1と裏
側の条帯部31ー2とを形成する。なお、無端帯31の
表側の条帯部31ー1には、環状のバンド通し部材42
が挿通される。
【0068】また、他方のバンド部材3は、柔軟な無端
帯(輪体)38と剣先体43とで構成される。この無端
帯38は、同様に合成樹脂もしくは布製の条帯を輪とし
たものである。無端帯38の外周面38aには、互いに
異なる複数の色調部(色調部)a、b、c、d、e・・
・が腕時計Aの長手方向に沿って連続して設けられる。
また、無端帯38には、腕時計Aの長手方向に沿って、
所定の間隔をおいて多数の係合孔39が形成される。無
端帯38が成す輪の内側に、腕時計Aの短手方向に沿っ
て、ばね棒47を挿通させる。ばね棒47の両端部のピ
ボット部47Aを、時計本体1の他方のバンド取付部1
Bのピボット孔9Aに挿入させる。よって、他方のバン
ド取付部1Bに、無端帯31が連結される。
【0069】また、剣先体43は、図10に示すよう
に、平面視でおおよそ三角形の形状を成す基部を備え
る。腕時計Aの短手方向に沿った、その三角形形状の底
辺より、腕時計Aの長手方向に沿って延出する一対のア
ーム部44が形成される。このアーム部44の先側(開
放端)には、腕時計Aの短手方向に相対する、一対のピ
ボット孔44Aが設けられる。そして、無端帯38が成
す輪の内側に、腕時計Aの短手方向に沿ってばね棒45
を挿通させる。ばね棒45の両端部のピボット部45A
を、ピボット孔44Aに挿入させる。よって、剣先体4
3が、他方のバンド部材3の無端帯38に、腕時計Aの
長手方向に沿って移動可能に取り付られる。
【0070】この無端帯38は、他方のバンド取付部1
Bに取り付けられた状態では、表側の条帯部38ー1と
裏側の条帯部38ー2を形成する。
【0071】かくして、実施例2における腕時計Aが完
成する。図11を参照されたい。無端帯30は、腕時計
Aの短手方向に沿った一方の軸であるばね棒46と、同
じく短手方向に沿った他方の軸であるばね棒36の廻り
を、腕時計Aの長手方向に沿って無限に循環する。一方
の軸であるばね棒46は、一方の取り付け部材である時
計本体1に付設され、他方の軸であるばね棒36は、他
方の取り付け部材である連架体32に付設される。無端
帯31は、腕時計Aの短手方向に沿った一方の軸である
ばね棒36と、同じく短手方向に沿った他方の軸である
ばね棒41の廻りを、腕時計Aの長手方向に沿って無限
に循環する。一方の軸であるばね棒36は、一方の取り
付け部材である連架体32に付設され、他方の軸である
ばね棒41は、他方の取り付け部材である尾錠40に付
設される。無端帯38は、腕時計Aの短手方向に沿った
一方の軸であるばね棒47と、同じく短手方向に沿った
他方の軸であるばね棒45の廻りを、腕時計Aの長手方
向に沿って無限に循環する。一方の軸であるばね棒47
は、一方の取り付け部材である時計本体1に付設され、
他方の軸であるばね棒45は、他方の取り付け部材であ
る剣先体43に付設される。
【0072】次に、上記のように構成された腕時計Aの
バンド構造の手首への装着と取り外しを説明する。
【0073】腕時計Aを手首Qへ装着するには、他方の
バンド部材3を循環調整して表側の条帯部38ー1と裏
側の条帯部38ー2との係合孔39を互いに一致させ
る。そして、図12に示すように、腕時計Aを手首Qに
沿わせて、他方のバンド部材3の先部の剣先体43を、
尾錠40のバンド通し部24に裏側から通して、他方の
バンド部材3の係合孔39に突棒14を係合させる。さ
らに、他方のバンド部材3のバンド通し部材42に挿通
して、腕時計Aが手首Qに装着される。腕時計Aが手首
Qに装着されると、実施例1と同様に、一方のバンド部
材2、および他方のバンド部材3が、腕時計Aの長手方
向に沿って引っ張られる。すると、無端帯30、31、
38における、それぞれの表側の条帯部と裏側の条帯部
30−1と30−2、31−1と31−2、38ー1と
38ー2が互いに当接して、無端帯30、31、38は
輪状から帯状へと姿を変える。そして、無端帯30、3
1、38は循環しなくなる。
【0074】また、腕時計Aを手首Qから取り外すに
は、他方のバンド部材3の剣先体43をバンド通し部材
42から抜き、他方のバンド部材3の係合孔39から突
棒14を抜く。そして、他方のバンド部材3を尾錠40
のバンド通し部24から抜き出す。
【0075】このように腕時計Aを手首Qから取り外し
た後に、一方のバンド部材2の無端帯30、31をベル
ト・コンベアーのように自在に循環させれば、一方のバ
ンド部材2の外観を容易に別の外観に変換させることが
できる。
【0076】さらに、詳しく説明する。図13は、一方
のバンド部材2における無端帯30を、時計本体1の時
刻表示における12時方向に向けて循環させ、かつ無端
帯31を6時方向に向けて循環させたところを図示して
いる。図13(1)において、無端帯30の外表面30
aには、色調部a、b、cが、腕時計Aの表側の色調と
して視認される。色調部a、b、cと連続する他の色調
部は、一方のバンド部材2の裏側に位置しているため、
腕時計Aの表側からは見えない。かかる無端帯30を1
2時方向に向けて循環させた図13(2)においては、
色調部a、b、cのうち、色調部cが、一方のバンド部
材2の裏側に移動して、腕時計Aの表側から見えなくな
る。同時に、一方のバンド部材2の裏側に位置していた
色調部fが、新たに一方のバンド部材2の表側に移動し
て、腕時計Aの表側から見えるようになる。結果、図1
3(1)における外観であった色調部a、b、cが、色
調部f、a、bに変換される。
【0077】無端帯31についても同様に操作される。
すなわち、図13(1)において、無端帯31の外表面
31aには、色調部a、b、cが視認される。かかる無
端帯30を12時方向に向けて循環させた図13(2)
においては、色調部a、b、cのうち、色調部aが、一
方のバンド部材2の裏側に移動して見えなくなる。同時
に、一方のバンド部材2の裏側に位置していた色調部g
が、新たに一方のバンド部材2の表側に移動して見える
ようになる。結果、図13(1)における外観であった
色調部a、b、cが、色調部b、c、gに変換される。
一方のバンド部材2における外観は、無端帯30、31
のうち、少なくともどちらか一方を循環させれば変換さ
れる。
【0078】他方のバンド部材3においても、一方のバ
ンド部材2と同様に操作される。すなわち、無端帯38
を循環させることにより、腕時計Aの表側に位置して現
在見えている色調部a、b、c、d、eが、次々と裏側
に位置し、隠されていた他の色調部が表側の位置して入
れ換わる。
【0079】一方のバンド部材2と他方のバンド部材3
とを比較すると、一方のバンド部材2の方が、その外観
の変換は多様である。なぜならば、他方のバンド部材3
が1つの無端帯38のみを備えるに対して、一方のバン
ド部材2は2つの無端帯30、31を備え、かつ2つの
無端帯30、31それぞれの外観が変化するからであ
る。このように、無端帯は多く備えれば備えるほど、外
観の変換のバリエーションが増える。
【0080】このようにして、一方及び他方のバンド部
材2、3の外観を変換した後に、再び腕時計Aを手首Q
に装着する。すると、無端帯30、31、38は循環し
なくなる。
【0081】他方のバンド部材3において、無端帯31
と尾錠40との間に、さらに他の無端帯を連結すること
も可能である。例えば、無端帯31にさらに他の連架体
を連結し、該連架体にさらに他の無端帯を連結すれば良
い。このように、腕時計Aの長手方向に沿って、3個以
上の無端帯を直列に連結することもできる。一方のバン
ド部材2においても、同様に複数個の無端帯を備えさせ
ることができる。また、実施例1に比べ、一方のバンド
部材2は剣先体43を備えるため、一方のバンド部材2
を尾錠40のバンド通し部24に簡単で挿通することが
できる。一方及び他方のバンド部材2、3の無端帯3
0、31、38の循環は、腕時計Aの装着者にとって極
めて容易に行うことができる。さらに、本発明の腕時計
Aのバンド構造は極めて簡単な構造であり、故に安価に
製造することができる。
【0082】(実施例3)本発明に係わる装身具構造の
実施例3を図14乃至図17に示す。図14は本発明に
係わる装身具構造の実施例3の斜視図、図15は同装身
具構造の分解状態の斜視図、図16は同装身具構造の側
面図、図17は同装身具構造としての腕時計を手首に装
着した状態の説明図である。
【0083】本発明に係わる装身具構造の実施例3は腕
時計Aのバンド構造である。この腕時計Aのバンド構造
が上記した実施例2の腕時計Aのバンド構造と異なる点
は、一方のバンド部材2の構成であり、他の構成は実施
例2の腕時計Aと同じであるために、この同じ部分につ
いては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0084】図14を見れば、実施例3の概要が明らか
である。実施例3は、腕時計Aの短手方向に沿って並列
し、かつそれぞれ腕時計Aの長手方向に沿って循環する
2つの無端帯を備えたことが特徴である。すなわち、一
方のバンド部材2は、2つの柔軟な無端帯(輪体)5
0、51を並列させて成る並列部53と、他の無端帯5
4を備える。並列部53と他の無端帯54とは、連架体
55によって互いに連結される。無端帯50、51、5
4は、一方のバンド取付部1Aに取り付けられた状態で
は、それぞれ表側の条帯部50ー1、51ー1、54ー
1と裏側の条帯部50ー2、51ー2、54ー2を形成
する。そして、無端帯50、51、54の外周面50
a、51a、54aには互いに異なる複数の色調部(色
調帯)a、b、c・・・がバンド長手方向に沿って連続
して設けてある。
【0085】また、前記連架体55は、上記した実施例
2の装身具構造の連架体32と同じ構成であるために同
じ符号を付して説明を省略する。
【0086】そして、並列部53の無端帯50、51が
成す輪の内部に挿通させたばね棒56の両端部のピボッ
ト部56Aを、連架体55のばね棒保持部材33の一方
のピボット孔35Aに挿入させる。よって、連架体55
の一方に無端帯50、51が循環可能に取り付けられ
る。また、連架体55の他方には、無端帯54の内方に
挿通させたばね棒57の両端部のピボット部57Aを、
ばね棒保持部材33の他方のピボット孔35Bに挿入し
て、無端帯54が循環可能に取り付けられる。かくし
て、無端帯50、51と無端帯54とが連架体55を介
して互いに連結される。
【0087】また、一方のバンド部材2の無端帯54に
は尾錠58が設けてある。この尾錠58は上記した実施
例1の腕時計Aにおける尾錠4と同構成であり、同じ符
号を付して説明を省略する。
【0088】そして、無端帯54の内方に挿通させたば
ね棒59の両端部のピボット部59Aをピボット孔15
A、15Bに挿入して、一方のバンド部材2に尾錠58
が取り付けられる。尾錠58は、無端帯54の周方向に
沿って移動可能である。また、バンド通し部材60が、
無端帯54の表側の条帯部54ー1に挿通される。バン
ド通し部材60は、無端帯54の円周方向に沿って移動
可能である。
【0089】そして、一方のバンド部材2の並列部53
の無端帯50、51が成す双方の輪の内側に挿通させた
ばね棒61の両端部のピボット部61Aを、ピボット孔
7Aに挿入させる。よって、時計本体1の一方のバンド
取付部1Aに、一方のバンド部材2の無端帯50、51
が取り付けられる。
【0090】無端帯50、51、および54は、それぞ
れ腕時計Aの長手方向に沿って循環する。すなわち、無
端帯50と51は、一方の軸であるばね棒61と他方の
軸であるばね棒56の廻りを無限に循環する。無端帯5
4は、一方の軸であるばね棒57と他方の軸であるばね
棒59の廻りを循環する。
【0091】次に、上記のように構成された腕時計Aの
バンド構造の手首への装着と取り外しを説明する。
【0092】他方のバンド部材3を循環調整して表側の
条帯部38ー1と裏側の条帯部38ー2との係合孔39
を互いに一致させる。次いで、腕時計Aを手首Qに沿わ
せて、他方のバンド部材3の先部の剣先体43を、尾錠
58のバンド通し部24に裏側から通す。そして、他方
のバンド部材3の係合孔39に突棒14を係合し、他方
のバンド部材3の剣先体43をバンド通し部材60に挿
通する。よって、腕時計Aが手首Qに装着される。
【0093】この場合、皮、合成樹脂もしくは布製の条
帯を輪とした柔軟な無端帯50、51、54、38は、
手首Qの湾曲に沿って腕時計Aの長手方向に引っ張られ
る。すると、無端帯50、51、54、38の表側の条
帯部50−1、51−1、54−1、38ー1のそれぞ
れと、裏側の条帯部50−2、51−2、54−2、3
8ー2のそれぞれとが、互いに相対して当接する。よっ
て、無端帯50、51、54、38は、輪状から帯状へ
と姿を変える。無端帯50、51、54、38は、腕時
計Aの長手方向に沿って引っ張られるために循環しな
い。
【0094】また、腕時計Aを手首Qから取り外す場合
には、他方のバンド部材3の剣先体43をバンド通し部
材42から抜き、他方のバンド部材3の係合孔39から
突棒14を抜く。そして、他方のバンド部材3を尾錠5
8のバンド通し部60から抜き出す。
【0095】このように腕時計Aを手首Qから取り外し
た後に、一方のバンド部材2の並列部53の無端帯5
0、51及び無端帯54をベルト・コンベアーのように
自在に循環させると、一方のバンド部材2の外観が別の
外観に変換される。
【0096】すなわち、無端帯50、51を循環させる
と、一方のバンド部材2の表側に位置して露出し、現在
見えている色調部a、b、cが、次々と一方のバンド部
材2の裏側に位置して隠される。同時に、一方のバンド
部材2の裏側に位置して隠されている他の色調部が、次
々と一方のバンド部材2の表側に繰り出される。よっ
て、一方のバンド部材2の表側に位置した色調部と、裏
側に位置して隠されている色調部とが入れ換えられ、一
方のバンド部材2の外観が変化する。無端帯54につい
ても同様である。
【0097】このようにして、一方及び他方のバンド部
材2、3において、色調部を変換した後に、再び腕時計
Aを手首Qに装着する。すると、無端帯50、51、5
4は、循環しなくなるので、色調部が変換されることは
ない。
【0098】上記した実施例3にあっては、実施例2よ
り、さらに多彩な外観の変換が楽しめる。なぜならば、
無端帯の数が多いからである。例えば、並列する無端帯
50、51のうち、どちらか一方を循環させても良い。
すると、並列する無端帯50、51は、互いに異なる外
観を呈する。あるいは、並列する無端帯50、51のう
ち、無端帯50を多く循環させ、無端帯51を少なく循
環させても良い。この操作によっても、並列する無端帯
50、51は、互いに異なる外観を呈する。
【0099】並列部53には、無端帯50、51に加
え、さらに多くの無端帯を腕時計Aの短手方向に沿って
並べて取り付けても良い。並列する無端帯は、一方のバ
ンド部材2のスペースの許す限り、いくつでも取り付け
られる。
【0100】(実施例4)本発明に係わる装身具構造の
実施例4を図18乃至図23に示す。図18は本発明に
係わる装身具構造の実施例4の一部を分解した斜視図、
図19は同装身具構造の平面図、図20は同装身具構造
の一部断面した側面図、図21の(1)、(2)は無端
帯の循環により表側の文字を変更する場合の説明図、図
22は同装身具構造において、無端帯挿入部を凹部とし
た場合の一方のバンド部材の一部を分解した斜視図、図
23は同一方のバンド部材の一部断面した側面図であ
る。
【0101】本発明に係わる装身具構造の実施例4は腕
時計Aのバンド構造である。この腕時計Aのバンド構造
は、時計本体1の一方のバンド取付部1Aに取り付けら
れた一方のバンド部材2と、時計本体1の他方のバンド
取付部1Bに取り付けられた他方のバンド部材3と、一
方のバンド部材2に設けられた無端帯67と、一方のバ
ンド部材2に設けられた取付部材である尾錠68と、一
方のバンド部材2に設けられたバンド通し部材69とで
大略構成される。
【0102】一方のバンド部材2は、合成樹脂などの柔
軟な素材で構成したバンド本体66Aを有する。このバ
ンド本体66Aの基端部には、バンド短手方向に沿うば
ね棒挿通孔部70が形成される。また、バンド本体66
Aの先端部には、バンド短手方向に沿うばね棒挿通孔部
71と突棒用切欠き部72とが形成される。そして、一
方のバンド部材2のバンド本体66Aの先端部には、ば
ね棒挿通孔部71に挿通したばね棒69により尾錠68
が取り付けられる。ばね棒69には突棒73が揺動可能
に取り付けられる。この突棒73は突棒用切欠き部72
より突出している。これらの構成は、従来より知られる
腕時計用バンドと同じである。
【0103】特徴とされるのは、バンド本体66Aの中
間部に形成された空間部73である。空間部73は、バ
ンド本体66Aの表裏に貫通され、バンド長手方向に沿
って長辺を有する長方形状の孔である。バンド本体66
Aの表側に開口する空間部73は、無端帯挿入部の役割
を成す。
【0104】この空間部73において、バンド長手方向
に沿い、バンド短手方向に相対する両側壁部73A、7
3Bには、段付き孔74A、74Bがそれぞれ形成され
る。段付き孔74A、74Bは、バンド長手方向に相対
する両端壁部73C、73D寄りに位置して穿設され
る。
【0105】段付き孔74A、74Bは、バンド本体6
6Aにおけるバンド長手方向に沿った外側面66a、6
6bから、空間部73内部に貫通する。外側面66a、
66b寄り、すなわち外方寄りに径の大きい大径部が形
成され、それと連続して、空間部73寄り、すなわち内
方寄りに径の小さい小径部が形成される。
【0106】また、無端帯67は、皮、合成樹脂もしく
は布製の条帯を輪として構成される。そして、無端帯6
7の外周面67aには、その周方向に沿って連続する複
数の異なるマーク(あるいは記号)75が描かれる。
【0107】無端帯67が成す輪の内方に段付きピン6
8A、68Bを挿通させる。段付きピン68A、68B
は、そのピン軸の両端部に径の大きい頭部をそれぞれ備
える。該頭部の径は、段付き孔74A、74Bの大径部
の径とほぼ同じである。かかる段付きピン68A、68
Bの両端部を、段付き孔74A、74Bにそれぞれ挿入
させる。詳しくは、段付きピン68A、68Bの頭部
を、段付き孔74A、74Bの小径部に押し込む。する
と、バンド本体66Aの柔軟性を利用して、小径部が径
方向に拡張される。よって、段付きピン68A、68B
の頭部が、段付き孔74A、74Bの大径部に達し、段
付きピン68A、68Bが、段付き孔74A、74Bに
固定される。
【0108】かくして、無端帯67が、バンド本体66
Aの空間部73内部に配される。無端帯67は、腕時計
Aの短手方向に沿った一方の軸である段付きピン68
A、段付きピン68Aと平行な他方の軸である段付きピ
ン68Bの廻りを、腕時計Aの長手方向に沿って循環す
る。無端帯67は、表側の条帯部67ー1と裏側の条帯
部67ー2を形成する。無端帯67は腕時計Aの長手方
向に沿って張られ、表側の条帯部67ー1、裏側の条帯
部67ー2とが、腕時計Aの表裏方向に沿って間隔をも
って、平行に延長されることが好ましい。なぜならば、
指で無端帯67を循環させやすいからである。表側の条
帯部67ー1と裏側の条帯部67ー2が、重力方向に垂
れ下がっていては、指で無端帯67を循環させることが
難しくなる。
【0109】また、他方のバンド部材3は、皮、合成樹
脂もしくは布製の条帯で構成したバンド本体63Aを有
しており、このバンド本体63Aの基端部には、バンド
短手方向に沿うばね棒挿通孔部63Bが形成してあり、
また、バンド本体63Aの表面にはバンド長手方向に所
定の間隔をおいて多数の係合孔74が形成してある。か
かる他方のバンド部材3は、従来のものと何ら変わらな
い。
【0110】そして、時計本体1の一方のバンド取付部
1Aには、その取付アーム部7の孔7Aに、一方のバン
ド部材2のばね棒挿通孔部70に挿通させたばね棒75
の両端部のピボット部75Aを挿入して、一方のバンド
部材2が取り付けられる。また、時計本体1の他方のバ
ンド取付部1Bには、その取付アーム部9の孔9Aに、
他方のバンド部材3のばね棒挿通孔部73に挿通させた
ばね棒76の両端部のピボット部76Aを挿入して、他
方のバンド部材3が取り付けられる。
【0111】次に、上記のように構成された腕時計Aの
バンド構造の手首への装着と取り外しを説明する。
【0112】腕時計Aを手首に沿わせて、他方のバンド
部材3の先部を、尾錠68に裏側から通して、他方のバ
ンド部材3の係合孔74に突棒73を係合し、他方のバ
ンド部材3の先部をバンド通し部材67に挿通して腕時
計Aが手首に装着される。このとき、無端帯67の裏側
の条帯部67ー2は、手首の外周面に圧接するため、無
端帯67は循環しなくなる。もしくは、循環しにくくな
る。
【0113】また、腕時計Aを手首から取り外す場合に
は、他方のバンド部材3の先部をバンド通し部材67か
ら抜き、他方のバンド部材3の係合孔74から突棒73
を抜き、他方のバンド部材3を尾錠68から抜き出す。
【0114】このように腕時計Aを手首から取り外した
後に、無端帯67を、一方の軸である段付きピン68A
と他方の軸である段付きピン68Bとの廻りをベルト・
コンベアーのように自在に循環させる。図21を参照さ
れたい。図21は、無端帯67を時刻表示の6時方向に
向けて循環させたところを示している。図21(1)に
おいては、無端帯67の外周面67aに施されたマーク
A、B、C、Dが、一方のバンド部材2の表側に位置し
て見えている。無端帯67を循環させた図21(2)に
おいては、(1)において見えていたマークA、B、
C、Dのうち、AとBが一方のバンド部材2の裏側に移
動して、一方のバンド部材2の表側より見えなくなる。
同時に、(1)において一方のバンド部材2の裏側に位
置して隠されていた他のマークEとFが、一方のバンド
部材2の表側に移動して見えるようになる。このよう
に、一方のバンド部材2の外観が変換される。
【0115】さて、上記した実施例4の場合、一方のバ
ンド部材2のバンド本体66Aに設けた空間部73を貫
通孔で形成したが、この空間部73を、図22、図23
に示すように凹部76で形成してもよい。
【0116】すなわち、凹部76は、バンド本体66A
の表側の面に、裏面に向かって凹設される。この場合、
凹部76のバンド短手方向の両側壁部76A、76Bに
は、バンド長手方向の両端壁部76C、76D側に位置
させてバンド本体66Aの側面66a、66bに抜ける
段付き孔77A、77Bがそれぞれ形成される。
【0117】そして、前記無端帯67を、この無端帯6
7の内方に挿通させた段付きピン78A、78Bの両端
部を、段付き孔77A、77Bにそれぞれ挿入して、空
間部73に取り付ける。無端帯67はピーンと張ってお
り、一方の軸である段付きピン78Aと他方の軸である
段付きピン78Bとの廻りを循環できるようにしてあ
る。
【0118】かかる実施例4は、一方のバンド部材2の
一部に配された無端帯67の外観を変換させ、延いては
一方のバンド部材2の外観を変換させるものである。実
施例1、2、あるいは3と比べて、腕時計Aにおける無
端帯の占める面積は小さい。前記空間部73の内部に配
された無端帯67を循環させることにより、空間部73
で区切られたところのバンド部材2の外観を容易に別の
外観に変換することができる。これは、バンド部材2の
外観の一部のみを別の外観に変換させたい場合に適して
いる。
【0119】また、マーク75に代えて種々の模様や色
調を設けても良い。
【0120】(実施例5)本発明に係わる装身具構造の
実施例5を図24乃至図27に示す。図24は本発明に
係わる装身具構造の実施例5の一部分解した斜視図、図
25の(1)は同装身具構造の一方のバンド部材の平面
図、図25の(2)は(1)のX−X線に沿う断面図、
図26の(1)は同一方のバンド部材において無端帯を
循環させて模様を変えた状態の平面図、図26の(2)
は(1)のY−Y線に沿う断面図、図27の(1)は同
装身具構造の一方のバンド部材の一部分解し且つ一部省
略した斜視図、(2)は同一方のバンド部材の無端帯部
分の断面図である。
【0121】本発明に係わる装身具構造の実施例5は腕
時計Aのバンド構造である。この腕時計Aのバンド構造
が上記した実施例4の腕時計Aのバンド構造と異なる点
は、一方のバンド部材の構成であり、他の構成は実施例
4の腕時計Aと同じであるために、この同じ部分につい
ては、同じ符号を付して説明を省略する。実施例5は、
無端帯を腕時計Aの短手方向に循環させた点に特徴があ
る。
【0122】すなわち、一方のバンド部材2は、皮、合
成樹脂もしくは布製の条帯で構成したバンド本体80A
を有する。このバンド本体80Aの基端部には、バンド
短手方向に沿うばね棒挿通孔部81が形成される。ま
た、バンド本体80Aの先端部には、バンド短手方向に
沿うばね棒挿通孔部82と突棒用切欠き部83とが形成
される。また、バンド本体80Aの中間部には断面偏平
形状の無端帯装着部84が形成される。無端帯装着部8
4は、バンド本体80Aの一部を細くした部分として形
成される。あるいは、バンド本体80Aの表面より一段
窪んだ部分として形成される。
【0123】無端帯装着部84の周面部(外周面)に
は、その周方向に所定幅で凸部85Aと凹部85Bが形
成される。すなわち、バンド長手方向に沿う凸部85A
とバンド長手方向に沿う凹部85Bとが、周方向(バン
ド短手方向)に交互に形成される。よって、無端帯装着
部84の周面部は、凸部85Aと凹部85Bの繰り返し
から成る凹凸面を成す。
【0124】無端帯86は、皮、合成樹脂もしくは布製
の条帯を輪として構成されており、柔軟性を有してい
る。そして、この無端帯86の裏側の内周面には、一か
所にバンド長手方向に沿う凸部87が凸設される。かか
る凸部87は、柔軟に撓んで、折れ曲がることができ
る。また、無端帯86の外周面86aには複数の異なる
マーク(や記号)86b、すなわち、英文字A、B、
C、D・・・が連続して描かれている。
【0125】そして、この無端帯装着部84には無端帯
86が配される。すなわち、無端帯86の柔軟性を利用
して、無端帯86を輪の外方に拡張させつつ、無端帯装
着部84に挿入される。無端帯86の循環を促す軸は、
無端帯装着部84である。軸である無端帯装着部84
は、バンド本体80Aを取り付け部材としていることが
わかるであろう。このとき、図25(2)のように、無
端帯86の凸部87は、無端帯装着部84の凹凸面の凹
部85Bの1つに挿入される。よって、無端帯86の凸
部87と、軸である無端帯装着部84の凹部85Bとが
係合される。そして、無端帯装着部84の周面部に形成
された凹部85Bと、無端帯86の凸部87とで循環止
め手段が構成される。かかる循環止め手段の作用につい
ては、後述の記載を参照されたい。
【0126】そして、一方のバンド部材2のバンド本体
80Aの先端部には、ばね棒挿通孔部81に挿通したば
ね棒89により尾錠90が取り付けてあり、ばね棒89
には突棒91が揺動可能に取り付けてあり、この突棒9
1は突棒用切欠き部83より突出している。
【0127】次に、上記のように構成された腕時計Aの
バンド構造の手首への装着と取り外しを説明する。
【0128】腕時計Aを手首に沿わせて、他方のバンド
部材3の先部を、尾錠90に裏側から通して、他方のバ
ンド部材3の係合孔74に突棒91を係合し、他方のバ
ンド部材3の先部をバンド通し部材67に挿通して腕時
計Aが手首に装着される。
【0129】また、腕時計Aを手首から取り外す場合に
は、他方のバンド部材3の先部をバンド通し部材67か
ら抜き、他方のバンド部材3の係合孔74から突棒91
を抜き、他方のバンド部材3を尾錠90から抜き出す。
【0130】腕時計Aを手首から取り外した後に、無端
帯86を、バンド短手方向に指で強制的に無端帯86を
押せば、無端帯86が無端帯装着部84の廻りを循環す
る。すなわち、無端帯86を指で強く押すと、凹部85
Bの1つに挿入されている無端帯86の凸部87が柔軟
に折れ曲がる。また、無端帯86そのものも、柔軟に拡
張し、その輪を外方に向けて広げる。よって、凹部85
Bの1つより凸部87が抜脱され、両者の係合が外れ
る。さらに、無端帯86を指で押せば、凸部87は無端
帯装着部84の凹凸面上を滑る。無端帯86は、その凸
部87を撓ませながら、かつ無端帯86はその輪を拡張
しながら、無端帯装着部84の廻りを循環する。かくし
て、無端帯86は、腕時計Aの長手方向に沿った軸であ
る無端帯装着部84の廻りを、腕時計Aの短手方向に沿
って循環する。
【0131】すると、無端帯86の表面86aに施され
た複数の異なるマーク86bが変換され、結果一方のバ
ンド部材2の外観が変換される。さらに詳しく説明す
る。図25の(1)においては、無端帯86のマーク8
6bのうち、一方のバンド部材2の表側に位置する英文
字A、B、およびCが見えている。このとき、図25の
(2)に示すように、無端帯86の凸部87は、一方の
バンド部材2の裏側に位置して、無端帯装着部84の凹
部85Bの1つに係合している。
【0132】そして、前述したように、無端帯86を指
の腹で強く押して、強制的に循環させる。図26の
(1)は、腕時計本体1の時刻表示における9時方向に
向けて無端帯86を循環させたところを示している。か
かる図においては、図25の(1)において見えていた
英文字A、B、およびCのうち、BとCが一方のバンド
部材2の裏側に移動して見えなくなる。同時に、図25
の(1)において一方のバンド部材2の裏側に位置して
見なかったマーク86bの一部、すなわちGとHが、一
方のバンド部材2の裏側より表側に移動して見えるよう
になる。このように、無端帯86のマーク86bのう
ち、一方のバンド部材2の表側に位置するものと裏側に
位置するものとを入れ換えることにより、一方のバンド
部材2の表側の外観が変換される。
【0133】携帯者は、無端帯86を循環させ、自分の
好みに合ったマーク86bを一方のバンド部材2の表側
に位置させ、そこで無端帯86の循環を止めれば良い。
すると、図26の(2)に示されるように、無端帯86
の凸部87は、一方のバンド部材2における長手方向に
沿った一側面に一して、凹部85Bの他の1つに係合す
る。図25の(2)と図26の(2)を比べれば、無端
帯86の凸部87は、凹部85Bの異なる1つに係合し
ていることがわかるであろう。
【0134】無端帯86の凸部87と、軸である無端帯
装着部84の凹部85Bの1つとの係合は、循環止め手
段である。すなわち、かかる係合により、意図しない外
力の負荷により、無端帯86が不用意に循環することを
防ぐことができる。また、携帯者は、無端帯86を循環
させ、無端帯86に施された種々のマーク86bのう
ち、自分の好みに合ったマーク86bを表側に位置させ
て、無端帯86の循環を止めることができる。
【0135】また、上記した循環止め手段は、下記の構
成によっても成しても良い。図27の(1)、(2)を
参照されたい。無端帯装着部84の周面部の一か所にバ
ンド長手方向に沿う凸部92を形成し、無端帯86の裏
側面を、バンド長手方向に沿う凸部93Aとバンド長手
方向に沿う凹部93Bとを周方向(バンド短手方向)に
交互に形成した凹凸面にした。そして、無端帯86を、
その凹部93Bに凸部92を挿入された状態で、無端帯
装着部84に配してもよい。凹凸面と凸部、あるいは凹
凸面と凹部の係合であるならば、同様の作用効果を得
る。軸である無端帯装着部84、および無端帯86のう
ち、いずれか一方に凹凸面を形成し、いずれか他方に凸
部あるいは凹部を形成すれば良い。
【0136】また、マーク(や記号)86bに変えて種
々の模様や色調を無端帯86の外周面表側に設けても良
いことは勿論である。
【0137】(実施例6)本発明に係わる装身具構造の
実施例6を図28及び図29に示す。図28は本発明に
係わる装身具構造の実施例6の斜視図、図29は同装身
具構造の一部省略した側面図である。
【0138】本発明に係わる装身具構造の実施例6は腕
時計Aのバンド構造である。この腕時計Aのバンド構造
は、上記した実施例1に似ている。実施例1の腕時計A
のバンド構造と異なる点は、一方及び他方のバンド部材
の構成であり、循環止め手段を具備した点が特徴であ
る。他の構成は実施例1の腕時計Aと同じであるため
に、この同じ部分については、同じ符号を付して説明を
省略する。
【0139】すなわち、一方のバンド部材2は、皮、合
成樹脂もしくは布製の条帯を輪とした柔軟な無端帯(輪
体)95で構成してあり、この無端帯95は、一方のバ
ンド取付部1Aに取り付けられた状態では、表側の条帯
部95ー1と裏側の条帯部95ー2を形成する。そし
て、無端帯95の内周面95bには、交互に連続する凹
凸面に形成される。すなわち、バンド短手方向に沿う凸
部97が、バンド長手方向に所定の間隔をおいて多数連
続して形成される。隣り合う凸部97どうしの間が凹部
97ー1と成るため、無端帯95の内周面95bに、バ
ンド短手方向に沿う凹部97ー1が、バンド長手方向に
沿って、所定の間隔をおいて多数連続して形成してある
とも考えられる。そして、無端帯95の外周表面95a
には複数の異なる模様(や絵柄)96が連続して描かれ
る。
【0140】また、他方のバンド部材3は皮、合成樹脂
もしくは布製の条帯を輪とした柔軟な無端帯(輪体)9
9で構成してあり、この無端帯99は、他方のバンド取
付部1Bに取り付けられた状態では、表側の条帯部99
ー1と裏側の条帯部99ー2を形成する。そして、無端
帯99の表面99aには複数の異なる模様(や絵柄)1
00が連続して描かれており、無端帯99には、その全
周にわたって、バンド長手方向に沿い、所定の間隔をお
いて多数の係合孔101が形成してある。また、無端帯
99の裏面、内周面99bも、バンド長手方向に交互に
連続する凹凸面に形成される。すなわち、バンド短手方
向に沿う凸部102が、バンド長手方向に所定の間隔を
おいて多数の形成してある。隣り合う凸部102間が凹
部102ー1を成す。
【0141】そして、時計本体1の一方のバンド取付部
1Aには、その取付アーム部7の孔7Aに、一方のバン
ド部材2の無端帯95の輪の内方に挿通させたばね棒8
の両端部のピボット部8Aを挿入して、一方のバンド部
材2が取り付けられる。
【0142】このとき、図29に示すように、無端帯9
5における表裏方向に沿った本来の元厚さ、すなわち、
無端帯95の外周表面95aから凹部97ー1までの表
裏方向に沿った元厚さをNとする。また、無端帯95に
おける表裏方向に沿った総厚さ、すなわち、外周面95
aから凸部97の突出する頂点を成す端面97aまでの
総厚みをMとする。さらに、時計本体1の周面1cと、
一方のバンド取付部1Aに取り付けられたばね棒8の外
周面8cとの間の隙間をLとする。すると、無端帯95
における元厚みNは、隙間Lとほぼ等しく、かつ無端帯
95における総厚みMは、隙間Lより大きくなってい
る。数式で表すとすれば、下式となる。 N≒L<M
【0143】また、時計本体1の他方のバンド取付部1
Bには、その取付アーム部9の孔9Aに、他方のバンド
部材3の無端帯99の輪の内方に挿通させたばね棒10
の両端部のピボット部10Aを挿入して、他方のバンド
部材3が取り付けられる。この他方のバンド部材3は、
上記した一方のバンド部材2の場合と同様に、無端帯9
9の元厚さをN、無端帯99の外周面99aから凸部1
02の端面102aまでの厚さをM、時計本体1の周面
1cと、他方のバンド取付部1Bに取り付けられたばね
棒10の外周面10cとの間の隙間をLとした場合、 N≒L<M である。
【0144】さて、かかる構成により、図29に示すよ
うに、一方のバンド部材2の無端帯95が、ばね棒8に
掛けられる部分は、前記凹部97ー1である。腕時計A
の短手方向に沿った軸であるばね棒8が凹部97ー1に
挿入されて、ばね棒8と凹部97ー1が係合する。その
係合により、無端帯95の循環は阻止されている。ある
いは、凸部97は、前記隙間隙間(時計本体1の周面1
cとばね棒8の外周面8cとの間の隙間)を通り抜ける
ことができない。よって、凸部97が軸であるばね棒8
に当接して係合し、無端帯95はその循環が阻止される
と見ることもできる。また、他方のバンド部材3の無端
帯99も同様である。凹部102ー1に軸であるばね棒
10が挿入され、凸部102とばね棒10が当接するた
め、無端帯99の循環が阻止されている。
【0145】したがって、一方のバンド部材2において
は、無端帯95の隣り合う凸部97の間に、軸としての
ばね棒8が位置して、隣り合う凸部97とばね棒8とで
循環止め手段を構成している。あるいは、無端帯95の
凹部97ー1にばね棒8が挿入されて、凹部97ー1と
ばね棒8とで循環止め手段を構成している。このよう
に、無端帯95における、凸部97と凹部97ー1より
成る連続する凹凸面と、軸であるばね棒8との係合によ
り、無端帯95が不用意に循環しないように、循環止め
手段が構成される。他方のバンド部材3においても同様
である。
【0146】次に、上記のように構成された腕時計Aの
バンド構造の手首への装着と取り外しにつては、実施例
1に準ずるために省略する。
【0147】そして、腕時計Aを手首から取り外せば、
腕時計Aの短手方向に沿った軸であるばね棒8の廻り
を、腕時計Aの長手方向に沿って無端帯99を循環させ
ることができる。詳しくは、一方のバンド部材2、すな
わち無端帯95を指で掴み、無端帯95を時計本体1よ
り強く引っ張る、もしくは時計本体1に向けて強く押し
込む。そして、無端帯99の凸部97を強制的に隙間
(時計本体1の周面1cとばね棒8の外周面8cとの間
の隙間)に通り抜けさせる。かかる隙間を通過させるに
は、無端帯99が備える柔軟性を利用し、凸部97を弾
性的に曲げるように撓ませる。凸部97がばね棒8を乗
り越えると、ばね棒8は、次ぎなる凹部97ー1に挿入
される。そして、同じように隣り合う凸部97の間に位
置する。再び無端帯95を強く循環させれば、次ぎなる
凸部97がばね棒8を乗り越える。
【0148】このように、無端帯99は、凸部97がば
ね棒8を次々と乗り越えながら循環する。一方のバンド
部材2の長手方向に沿った凹部97ー1の幅ずつ、段階
的に循環する。凸部97がばね棒8を乗り越えるために
は、ある程度の力が要る。よって、無端帯99は不用意
には循環しない。また、強い力を加えれば、凸部97が
ばね棒8を乗り越えて、無端帯99が循環する。そし
て、実施例1に記載した如く、無端帯99の循環によ
り、一方のバンド部材2の外観が変換される。他方のバ
ンド部材3においても、同様である。
【0149】以上で明らかなように、一方及び他方のバ
ンド部材2、3の無端帯95、99のばね棒8、10に
掛けられた部分では、無端帯95、99の帯条体が湾曲
してばね棒8、10を包むようになると共に、隣り合う
凸部97、102がばね棒8、10の外周面8c、10
cに当接して、凸部97が前記隙間を通り抜けることが
できないので、無端帯95、99の循環を阻止すること
ができる。
【0150】したがって、意図しない外力の負荷によ
り、無端帯95、99が不用意に循環することを防ぐこ
とができる。また、携帯者は、無端帯95、99を循環
させ、無端帯95、99に施された模様(や絵柄)9
6、100のうち、自分の好みに合った模様(や絵柄)
96、100を腕時計Aの表側に位置させ、無端帯95
の凹凸面と軸であるばね棒8とを係合させる。よって、
無端帯95、99の循環を止めることができる。携帯者
の意図に反して無端帯95、99が不用意に循環するこ
とはない。よって、腕時計Aの表側に位置したところの
模様96、100が、携帯者の意図に反して腕時計Aの
裏側に移動して見えなくなることはない。
【0151】また、模様(や絵柄)96、100に変え
て種々のマークや記号や色調を無端帯95、99の表側
に設けても良いことは勿論である。
【0152】(実施例7)本発明に係わる装身具構造の
実施例7を図30乃至図32に示す。図30は本発明に
係わる装身具構造の実施例7の斜視図、図31は同装身
具構造において一方及び他方のバンド部材の裏、表側の
帯条部を互いに離間した状態の側面図、図32は同装身
具構造において一方及び他方のバンド部材の裏、表側の
帯条部を互いに接した状態の側面図である。
【0153】本発明に係わる装身具構造の実施例7は腕
時計Aのバンド構造である。この腕時計Aのバンド構造
が上記した実施例1の腕時計Aのバンド構造と異なる点
は、一方及び他方のバンド部材の構成であり、循環止め
手段を具備した点が特徴である。他の構成は実施例1の
腕時計Aと同じであるために、この同じ部分について
は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0154】すなわち、一方のバンド部材2は、皮、合
成樹脂もしくは布製の条帯を輪とした柔軟な無端帯(輪
体)105で構成してある。この無端帯105は、一方
のバンド取付部1Aに取り付けられた状態では、表側の
条帯部105ー1と裏側の条帯部105ー2を形成す
る。そして、無端帯105の外周面105aには複数の
異なる模様(や絵柄)106が連続して描かれる。
【0155】そして、無端帯105の内周面105bに
は、その全周にわたり面フアスナー107が設けられ
る。面フアスナー107は、雄側面フアスナー部107
Aと雌側面フアスナー部107Bとより成る。
【0156】面フアスナー107の雄側面フアスナー部
107Aは多数のフック状植毛を備える。他方、雌側面
フアスナー部107Bは、多数のループ状植毛部を備え
る。雄側面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー部
107Bとは、互いに相対して接面させれば、フック状
植毛がループ状植毛部に引っ掛かって係合される。ま
た、雄側面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー部
107Bとは、離間させるように力を加えれば、互いに
引き剥がすことができる。かかる面フアスナー107
は、広く知られている。
【0157】図33に示すように、雄側面フアスナー部
107Aと雌側面フアスナー部107Bとはバンド短手
方向に沿った帯状を成す。そして、バンド長手方向、す
なわち腕時計Aの長手方向に沿って交互に複数連続して
無端帯105の内周面105bに設けられる。かつ、雄
側面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー部107
Bとは、無端帯105の周方向に対して、換言すればバ
ンド長手方向に対して、所定の角度をもって、斜めに付
設される。
【0158】また、他方のバンド部材3は皮、合成樹脂
もしくは布製の条帯を輪とした柔軟な無端帯(輪体)1
09で構成してあり、この無端帯109は、他方のバン
ド取付部1Bに取り付けられた状態では、表側の条帯部
109ー1と裏側の条帯部109ー2を形成する。そし
て、無端帯109の外周表面109aには複数の異なる
模様(や絵柄)110が連続して描かれており、無端帯
109には、その全周にわたって、バンド長手方向に所
定の間隔をおいて多数の係合孔111が形成してある。
【0159】また、無端帯109の裏面、内周面109
bには、面フアスナー110の雄側面フアスナー部11
0Aと、面フアスナー110の雌側面フアスナー部11
0Bとが交互に連続して複数設けてある。雄側面フアス
ナー部110Aと雌側面フアスナー部110Bは、一方
のバンド部材2と同様に付設される。
【0160】そして、時計本体1の一方のバンド取付部
1Aには、その取付アーム部7の孔7Aに、一方のバン
ド部材2の無端帯105の輪の内方に挿通させたばね棒
8の両端部のピボット部を挿入して、一方のバンド部材
2が取り付けてある。
【0161】また、時計本体1の他方のバンド取付部1
Bには、その取付アーム部9の孔9Aに、他方のバンド
部材3の無端帯109の輪の内方に挿通させたばね棒
(図示せず)の両端部のピボット部を挿入して、他方の
バンド部材3が取り付けてある。
【0162】一方のバンド部材2においては、面フアス
ナー107の、交互にバンド長手方向に配置された雄側
面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー部107B
とが循環止め手段(係脱手段)を構成する。他方のバン
ド部材3においては、面フアスナー110の、交互にバ
ンド長手方向に配置された雄側面フアスナー部110A
と雌側面フアスナー部110Bとが循環止め手段(係脱
手段)を構成している。
【0163】次に、上記のように構成された腕時計Aの
バンド構造の手首への装着と取り外しを説明する。
【0164】図31に示すように、一方のバンド部材2
と他方のバンド部材3における内周面が、互いに離間し
た状態にあっては、無端帯105と109は、実施例1
の如く循環する。そして、一方のバンド部材2と他方の
バンド部材3の外観を変換させることができる。
【0165】携帯者は、無端帯105と109とを循環
させ、自分の好みに合った模様109、あるいは110
を腕時計Aの表側に位置させる。そして、図32に示す
ように、一方のバンド部材2における表側の条帯部10
5ー1と裏側の条帯部105ー2が相対して接するよう
に密着させる。すると、表側の条帯部105ー1に位置
した面フアスナー107の雄側面フアスナー部107A
と、裏側の条帯部105ー2に位置した雌側面フアスナ
ー部107Bとが接合する。また、表側の条帯部105
ー1に位置した雌側面フアスナー部107Bと、裏側の
条帯部105ー2に位置した雄側面フアスナー部107
Aとが接合する。よって、無端帯105の表側の条帯部
105ー1と裏側の条帯部105ー2が係合され、無端
帯105は、輪状から平板な帯状へと形態が変わる。平
板な帯状となった無端帯105は、もはや循環しない。
【0166】無端帯105の表側の条帯部105ー1と
裏側の条帯部105ー2とを引き剥がして分離させれ
ば、図32に示すように、無端帯105は再び輪状と成
る。すると、無端帯105を再び循環させることができ
る。このように、表側の条帯部105ー1と裏側の条帯
部105ー2とを係脱可能にした構成が、本実施例7に
おける循環止め手段である。
【0167】他方のバンド部材3においても、同様であ
る。携帯者は、無端帯109の循環を適宜止め、表側の
条帯部109ー1と裏側の条帯部109ー2とを密着さ
せれば良い。すると、雄側面フアスナー部110Aと雌
側面フアスナー部110Bとが接合し、表側の条帯部1
09ー1と裏側の条帯部109ー2とが係合する。結
果、不用意に無端帯109が循環することがなくなる。
【0168】そして、図32のように、無端帯105と
109を帯状にしてから、実施例1と同じく手首に装着
すれば良い。
【0169】本実施例の効果は明らかであろう。すなわ
ち、一方及び他方のバンド部材2、3は、無端帯(輪
体)105、109の表、裏側の条帯部105ー1、1
05ー2、109ー1、109ー2が、面フアスナー1
07の雄側面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー
部107Bとを接合させ、また、面フアスナー110の
雄側面フアスナー部110Aと雌側面フアスナー部11
0Bとを接合させることにより、無端帯105、109
の循環を阻止することができる。
【0170】したがって、意図しない外力の負荷によ
り、一方及び他方のバンド部材2、3の無端帯105、
109が不用意に循環することを防ぐことができる。ま
た、携帯者は、無端帯105、109を循環させ、無端
帯105、109に施された模様(や絵柄)106、1
10のうち、自分の好みに合った模様(や絵柄)10
6、110を表側に位置させて、無端帯105、109
の循環を止めることができる。また、無端帯105、1
09の相対する裏側を係合させると、無端帯105、1
09が帯状に成るため、腕時計Aのバンドとしての外観
にも優れたものになる。
【0171】ところで、面フアスナー107における雄
側面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー部107
B、および面フアスナー110における雄側面フアスナ
ー部110Aと雌側面フアスナー部110Bとは、所定
の角度をもって斜めに付設されることが好ましい。
【0172】例えば、一方のバンド部材2において、雄
側面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー部107
Bが、斜めではなくバンドの短手方向に平行に、交互に
連続して付設されたと想定する。すると、一方のバンド
部材2における表側の条帯部105ー1と裏側の条帯部
105ー2とを相対して密着させたとき、必ずしも雄側
面フアスナー部107Aと雌側面フアスナー部107B
とが相対するとは限らない。すなわち、表側の条帯部1
05ー1に存在する雄側面フアスナー部107Aと、裏
側の条帯部105ー2に存在する同じく雄側面フアスナ
ー部107Aとが相対する、あるいは表側の条帯部10
5ー1に存在する雌側面フアスナー部107Bと、裏側
の条帯部105ー2に存在する同じく雌側面フアスナー
部107Bとが相対する事態が発生することがある。雄
側面フアスナー部107A同志、あるいは雌側面フアス
ナー部107B同志を密着させても、両者は接合しな
い。よって、かかる事態の場合、表側の条帯部105ー
1と裏側の条帯部105ー2とを係脱させることはでき
ない。
【0173】これに対して、雄側面フアスナー部107
Aと雌側面フアスナー部107Bとを所定の角度をもっ
て斜めに付設すれば、無端帯105の循環をどの位置で
止めようとも、表側の条帯部105ー1と裏側の条帯部
105ー2とを相対して密着させれば、必ず表側の条帯
部105ー1と裏側の条帯部105ー2は係合する。な
ぜならば、表側の条帯部105ー1に存在する雄側面フ
アスナー部107Aと雌側面フアスナー部107Bと、
裏側の条帯部105ー2に存在する雄側面フアスナー部
107Aと雌側面フアスナー部107Bとは、かかる所
定の角度をもって斜めに交差して相対するからである。
【0174】図33を参照されたい。表側の条帯部10
5ー1に存在する雄側面フアスナー部107Aは、裏側
の条帯部105ー2に存在する雄側面フアスナー部10
7Aと雌側面フアスナー部107Bと斜めに交差する。
斜めに交差することによって、表側の条帯部105ー1
の雄側面フアスナー部107Aは、裏側の条帯部105
ー2に存在する雌側面フアスナー部107Bのいずれか
に必ず相対することになる。同じく表側の条帯部105
ー1に存在する雌側面フアスナー部107Bも、裏側の
条帯部105ー2に存在する雄側面フアスナー部107
Aと雌側面フアスナー部107B双方を斜めに横切るよ
うに相対する。よって、どの方向から無端帯105を潰
しても、表側の条帯部105ー1と裏側の条帯部105
ー2とが確実に係合することがわかるであろう。かかる
構成には、バンドの長手方向に沿った雄側面フアスナー
部107Aと雌側面フアスナー部107Bの幅を小さく
設定することが好ましい。
【0175】また、模様(や絵柄)106、110に変
えて種々のマークや記号や色調を無端帯105、109
の表側に設けても良いことは勿論である。
【0176】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係わる装身具構造によれば、無端帯と、前記無端帯が成
す輪の内部に挿通される軸を有する取付部材とを備え、
前記無端帯が前記軸の廻りを循環するようにしたことに
より、軸に無端帯の裏面を沿わせながら、無端帯がベル
ト・コンベアーのように軸の廻りを無限に循環(周回)
できる。そして、このように、無端帯をベルト・コンベ
アーのように自在に循環させることにより、装身具の外
観を容易に別の外観に変換することができるし、無端帯
を循環させることにより、装身具の裏側に位置して隠さ
れている無端帯の表面が、次々と装身具の表側に繰り出
される。よって、装身具の表側に位置して露出し、現在
見えている無端帯の表面は、次々と装身具の裏側に位置
して隠されている無端帯の表面と入れ換わることにな
る。
【0177】例えば、無端帯の表面に様々な模様や絵柄
を形成しておけば、無端帯を循環することにより、装身
具の表側に位置して、現在見えている無端帯の模様や絵
柄が、次々と装身具の裏側に位置して隠されている無端
帯の模様や絵柄と入れ替わる。また、例えば、無端帯の
表面に互いに異なる複数の色調を附しておけば、無端帯
を循環することにより、装身具の表側に位置して、現在
見えている無端帯の色調が次々と装身具の裏側に位置し
た無端帯の色調と入れ替わる。
【0178】このように、無端帯を自在に循環(周回)
できて、装身具の外観を容易に他の外観に変換すること
ができる。
【0179】また、請求項2の発明に係わる装身具構造
によれば、無端帯と、一方の軸を有する一方の取付部材
と、一方の軸と平行な他方の軸を有する他方の取付部材
とを備え、前記無端帯が成す輪の内部に一方の軸と他方
の軸とを挿通し、前記無端帯が、一方の軸と他方の軸と
の廻りを循環するようにしたことにより、一方の取付部
材と他方の取付部材の間で、一方の軸と他方の軸に無端
帯の裏面を沿わせながら、無端帯が一方の軸と他方の軸
の廻りをベルト・コンベアーのように無限に循環でき
る。
【0180】このように、無端帯をベルト・コンベアー
のように自在に循環させることにより、装身具の外観を
容易に別の外観に変換することができるし、無端帯を循
環させることにより、装身具の裏側に位置して隠されて
いる無端帯の表面が、次々と装身具の表側に繰り出され
る。よって、装身具の表側に位置して露出し、現在見え
ている無端帯の表面は、次々と装身具の裏側に位置して
隠されている無端帯の表面と入れ換わることになる。
【0181】例えば、無端帯の表面に様々な模様や絵柄
を形成しておけば、無端帯を循環することにより、装身
具の表側に位置して、現在見えている無端帯の模様や絵
柄が、次々と装身具の裏側に位置して隠されている無端
帯の模様や絵柄と入れ替わる。
【0182】また、例えば、無端帯の表面に互いに異な
る複数の色調を附しておけば、無端帯を循環することに
より、装身具の表側に位置して、現在見えている無端帯
の色調が次々と装身具の裏側に位置した無端帯の色調と
入れ替わる。
【0183】このように、無端帯を自在に循環(周回)
できて、装身具の外観を容易に他の外観に変換すること
ができる。
【0184】また、請求項3の発明に係わる装身具構造
によれば、請求項2記載の装身具構造において、前記一
方の軸が、装身具短手方向に沿って固定されており、前
記無端帯が、装身具長手方向に沿って循環することによ
り、上記した請求項2の発明の作用と同様な作用を奏し
得るばかりか、無端帯は、装身具長手方向に沿って循環
するようになる。このために、装身具長手方向に沿っ
て、無端帯を長く設定することができるので、無端帯の
循環により、装身具の外観が大きく変換されることにな
る。
【0185】また、請求項4の発明に係わる装身具構造
によれば、請求項2記載の装身具構造において、前記一
方の軸が、装身具長手方向に沿って固定されており、前
記無端帯が、装身具短手方向に沿って循環することによ
り、上記した請求項2の発明の作用と同様な作用を奏し
得るばかりか、無端帯は装身具短手方向に沿って循環す
るようになる。
【0186】また、請求項5の発明に係わる装身具構造
によれば、請求項1又は請求項2記載の装身具構造にお
いて、前記取付部材が、突棒と挿通環を備える尾錠であ
ることにより、上記した請求項1の発明の作用と同様な
作用を奏し得るばかりか、取付部材を、装身具の尾錠と
することができる。
【0187】また、請求項6の発明に係わる装身具構造
によれば、請求項1又は請求項2記載の装身具構造にお
いて、前記装身具の一部に、表側に開口する空間部を設
け、前記空間部に前記無端帯を循環可能に配したことに
より、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏
し得るばかりか、装身具の一部に、表側に開口する空間
部を設け、前記空間部に前記無端帯を循環可能に配する
ことができる。したがって、前記空間部内部の無端帯を
循環させることにとり、空間部で区切られたところの装
身具の外観を容易に別の外観に変換することができる。
これは、装身具の外観の一部のみを別の外観に変換させ
たい場合に適している。
【0188】また、請求項7の発明に係わる装身具構造
によれば、請求項1乃至請求項6記載の装身具構造にお
いて、前記無端帯の循環を適宜停止させる循環止め手段
を備えることにより、上記した請求項1の発明の作用と
同様な作用を奏し得るばかりか、循環止め手段により無
端帯の循環を適宜停止させることができる。したがっ
て、意図しない外力の負荷により、無端帯が不用意に循
環することを防ぐことができる。また、携帯者は、無端
帯を循環させ、無端帯に施された種々の模様や色調のう
ち、自分の好みに合った模様や色調を表側に位置させ
て、無端帯の循環を止めることができる。
【0189】また、請求項8の発明に係わる装身具構造
によれば、請求項7記載の無端帯を備える装身具構造に
おいて、前記循環止め手段が、前記無端帯が成す輪の内
部に向く前記無端帯の内面に設けられた複数の連続する
凹部と、前記軸との係脱可能な係合であることにより、
上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得る
ばかりか、前記無端帯が成す輪の内部に向く前記無端帯
の内面に設けられた複数の連続する凹部に前記軸を係脱
可能に係合することにより、無端帯の循環を適宜停止さ
せることができる。したがって、意図しない外力の負荷
により、無端帯が不用意に循環することを防ぐことがで
きる。また、携帯者は、無端帯を循環させ、無端帯に施
された種々の模様や色調のうち、自分の好みに合った模
様や色調を表側に位置させて、無端帯の循環を止めるこ
とができる。
【0190】また、請求項9の発明に係わる装身具構造
によれば、請求項7記載の無端帯を備える装身具構造に
おいて、前記循環止め手段が、前記無端帯が成す輪の内
部に向く前記無端帯の内面と前記軸の外周面のうち、い
ずれか一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部と
の係脱可能な係合であることにより、上記した請求項1
の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記無
端帯が成す輪の内部に向く前記無端帯の内面と前記軸の
外周面のうち、いずれか一方に設けられた凸部と他方に
設けられた凹部とを係脱可能に係合することにより、無
端帯の循環を適宜停止させることができる。
【0191】すなわち、軸の凸部を無端帯の凹部の1つ
に係合させれば、無端帯の循環を止めることができる。
軸の凸部と他の凹部とを係合を解除し、無端帯を循環さ
せ、軸の凸部と他の凹部とを係合させれば、再び無端帯
は循環しなくなる。無端帯に設けられた複数の連続する
凹部のうち、どの凹部に軸の凸部を係合させるかは、携
帯者が適宜選ぶことができる。この操作により、携帯者
は、無端帯の循環を適宜止めることができる。
【0192】したがって、意図しない外力の負荷によ
り、無端帯が不用意に循環することを防ぐことができ
る。また、携帯者は、無端帯を循環させ、無端帯に施さ
れた種々の模様や色調のうち、自分の好みに合った模様
や色調を表側に位置させて、無端帯の循環を止めること
ができる。
【0193】また、請求項10の発明に係わる装身具構
造によれば、請求項7記載の無端帯を備える装身具構造
において、前記循環止め手段が、前記無端帯が成す輪の
内部に向く前記無端帯の相対する内面を、係脱可能に係
合する係脱手段を備えることにより、上記した請求項1
の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、係脱手
段によって、無端帯の相対する内面を係合させ、輪状の
無端帯を帯状にする。この帯状になった無端帯は循環で
きなくなる。無端帯を循環させる時は、この係合を解除
して、無端帯の相対する内面を離間させ、無端帯を輪状
に戻す。すると、無端帯は再び無限に循環する。
【0194】このように、無端帯の相対する内面を係合
させることにより、意図しない外力の負荷により、無端
帯が不用意に循環することを防ぐことができる。また、
無端帯の循環を適宜停めることができるので、携帯者
は、無端帯を循環させ、無端帯に施された種々の模様や
色調にうち、自分の好みに合った模様や色調を装身具の
表側に位置させて、無端帯の循環を停めることができ
る。また、無端帯の相対する内面を係合させると、無端
帯が帯状になるため、装身具としての外観にも優れたも
のになる。
【0195】また、請求項11の発明に係わる装身具構
造によれば、請求項10記載の装身具構造において、前
記係脱手段が、前記無端帯が成す輪の内部に向く前記無
端帯の相対する内面に設けられた面ファスナーであるこ
とにより、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用
を奏し得るばかりか、無端帯の相対する内面は、自在に
係脱を繰り返すことができる。また、面ファスナーによ
って、無端帯の相対する内面を係合させ、輪状の無端帯
を帯状にする。この帯状になった無端帯は循環できなく
なる。無端帯を循環させる時は、この係合を解除して、
無端帯の相対する内面を離間させ、無端帯を輪状に戻
す。すると、無端帯は再び無限に循環する。
【0196】このように、無端帯の相対する内面を係合
させることにより、意図しない外力の負荷により、無端
帯が不用意に循環することを防ぐことができる。また、
無端帯の循環を適宜停めることができるので、携帯者
は、無端帯を循環させ、無端帯に施された種々の模様や
色調にうち、自分の好みに合った模様や色調を装身具の
表側に位置させて、無端帯の循環を停めることができ
る。また、無端帯の相対する裏面を係合させると、無端
帯が帯状になるため、装身具としての外観にも優れたも
のになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる装身具構造の実施例1の斜視図
である。
【図2】同装身具構造の尾錠の斜視図でる。
【図3】同尾錠の分解状態の斜視図である。
【図4】同装身具構造の側面図である。
【図5】同装身具構造を手首に装着した状態の説明図で
ある。
【図6】一方のバンド部材を循環させる動作の説明図で
ある。
【図7】(1)、(2)は一方のバンド部材を循環させ
て模様を変えた状態の説明図である。
【図8】本発明に係わる装身具構造の実施例2の斜視図
である。
【図9】同装身具構造における連架体の分解状態の斜視
図である。
【図10】同装身具構造における剣先体の斜視図であ
る。
【図11】同装身具構造の側面図である。
【図12】同装身具構造としての腕時計を手首に装着し
た状態の説明図である。
【図13】(1)、(2)は一方のバンド部材を循環さ
せて模様を変えた状態の説明図である。
【図14】本発明に係わる装身具構造の実施例3の斜視
図である。
【図15】同装身具構造の分解状態の斜視図である。
【図16】同装身具構造の側面図である。
【図17】同装身具構造としての腕時計を手首に装着し
た状態の説明図である。
【図18】本発明に係わる装身具構造の実施例4の一部
を分解した斜視図である。
【図19】同装身具構造の平面図である。
【図20】同装身具構造の一部断面した側面図である。
【図21】(1)、(2)は無端帯の循環により表側の
文字を変更する場合の説明図である。
【図22】同装身具構造において、無端帯挿入部を凹部
とした場合の一方のバンド部材の一部を分解した斜視図
である。
【図23】同一方のバンド部材の一部断面した側面図で
ある。
【図24】本発明に係わる装身具構造の実施例5の一部
分解した斜視図である。
【図25】(1)は同装身具構造の一方のバンド部材の
平面図である。(2)は(1)のX−X線に沿う断面図
である。
【図26】(1)は同一方のバンド部材において無端帯
を循環させて模様を変えた状態の平面図である。(2)
は(1)のY−Y線に沿う断面図である。
【図27】(1)は同装身具構造の一方のバンド部材の
一部分解し且つ一部省略した斜視図である。(2)は同
一方のバンド部材の無端帯部分の断面図である。
【図28】本発明に係わる装身具構造の実施例6の斜視
図である。
【図29】同装身具構造の一部省略した側面図である。
【図30】本発明に係わる装身具構造の実施例7の斜視
図である。
【図31】同装身具構造において一方及び他方のバンド
部材の内、外側の帯条部を互いに離間した状態の側面図
である。
【図32】同装身具構造において一方及び他方のバンド
部材の内、外側の帯条部を互いに接した状態の側面図で
ある。
【図33】同装身具構造において一方のバンド部材の斜
視図である。
【符号の説明】
1 時計本体(一方の取付部材) 4 尾錠(一方の取付部材) 8 ばね棒(一方の軸) 17 ばね棒(他方の軸) 18 無端体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端帯と、前記無端帯が成す輪の内部に
    挿通される軸を有する取付部材とを備え、前記無端帯が
    前記軸の廻りを循環することを特徴とする装身具構造。
  2. 【請求項2】 無端帯と、一方の軸を有する一方の取付
    部材と、一方の軸と平行な他方の軸を有する他方の取付
    部材とを備え、前記無端帯が成す輪の内部に前記一方の
    軸と前記他方の軸とを挿通し、前記無端帯が、前記一方
    の軸と前記他方の軸との廻りを循環することを特徴とす
    る装身具構造。
  3. 【請求項3】 前記一方の軸が装身具短手方向に沿って
    固定されており、前記無端帯が装身具長手方向に沿って
    循環する請求項2記載の装身具構造。
  4. 【請求項4】 前記一方の軸が装身具長手方向に沿って
    固定されており、前記無端帯が装身具短手方向に沿って
    循環する請求項2記載の装身具構造。
  5. 【請求項5】 前記取付部材が、突棒と挿通環を備える
    尾錠である請求項1又は請求項2記載の装身具構造。
  6. 【請求項6】 前記装身具の一部に、その表側に開口す
    る空間部を設け、前記空間部に前記無端帯を循環可能に
    配した請求項1又は請求項2記載の装身具構造。
  7. 【請求項7】 前記無端帯の循環を適宜停止させる循環
    止め手段を備える請求項1乃至請求項6記載の装身具構
    造。
  8. 【請求項8】 前記循環止め手段が、前記無端帯が成す
    輪の内部に向く前記無端帯の内周面に設けられた複数の
    連続する凹部と、前記軸との係脱可能な係合である請求
    項7記載の装身具構造。
  9. 【請求項9】 前記循環止め手段が、前記無端帯が成す
    輪の内部に向く前記無端帯の内周面と前記軸の外周面の
    うち、いずれか一方に設けられた凸部と他方に設けられ
    た凹部との係脱可能な係合である請求項7記載の装身具
    構造。
  10. 【請求項10】 前記循環止め手段が、前記無端帯が成
    す輪の内部に向く前記無端帯の相対する内周面を、係脱
    可能に係合する係脱手段を備える請求項7記載の装身具
    構造。
  11. 【請求項11】 前記係脱手段が、前記無端帯が成す輪
    の内部に向く前記無端帯の相対する内周面に設けられた
    面ファスナーである請求項10記載の装身具構造。
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