JPH08308529A - 動植物水溶性エキスの製法 - Google Patents

動植物水溶性エキスの製法

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JPH08308529A
JPH08308529A JP7138917A JP13891795A JPH08308529A JP H08308529 A JPH08308529 A JP H08308529A JP 7138917 A JP7138917 A JP 7138917A JP 13891795 A JP13891795 A JP 13891795A JP H08308529 A JPH08308529 A JP H08308529A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水及び/又はエタノールに容易に溶解し、溶
解後も長期間に亘って、澱、沈殿物などの不溶物を生成
することのない透明安定性に優れた、また好ましい香気
香味のバランスを持続的、経時的に良好に保持しうる安
定性に極めて優れた動植物水溶性エキスの製法を提供す
る。 【構成】 動植物材料を50重量%以上のエタノール水
溶液で抽出処理して採取した抽出液又はその濃縮物に水
を添加し、生成する水不溶物を濾過し、濾液を濃縮する
動植物水溶性エキスの製法並びに該エキスの製造の際、
動植物材料、抽出液、濃縮物、濾液又は動植物水溶性エ
キスに多価アルコール、糖類又はその加熱反応物および
糖・アミノ反応物から選ばれる少なくとも一種を添加す
る動植物水溶性エキスの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水及び/又はエタノー
ルに容易に溶解し、溶解後も長期間に亘って、澱、沈殿
物などの不溶物を生成することのない透明安定性に優れ
た、また好ましい香気香味のバランスを持続的、経時的
に良好に保持しうる安定性に極めて優れた動植物水溶性
エキスの製法に関する。更に詳しくは、本発明は動植物
材料を50重量%以上のエタノール水溶液で抽出処理し
て採取した抽出液もしくはその濃縮物に水を添加し、生
成する水不溶物を除去し、得られる水溶液を濃縮するこ
とを特徴とする動植物水溶性エキスの製法並びに該エキ
スの製造の際、動植物材料、抽出液もしくはその濃縮
物、水溶液又は動植物水溶性エキスに多価アルコール、
糖類又はその加熱反応物および糖・アミノ反応物(以
下、これらを「水溶性保留剤」と称することもある)か
ら選ばれる少なくとも一種を添加する動植物水溶性エキ
スの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】動植物材料から該材料中に含まれる有効
成分を採取する方法としては、例えば溶媒抽出法、水蒸
気蒸留法、圧搾法などがあり、溶媒抽出法は、簡便で抽
出効率も良いことから一般的によく用いられている。例
えば、アンバー、ムスク、バニラ、コーヒー、オリスな
どの動植物材料をエタノールなどの有機溶媒と接触させ
て、該材料中の有効成分を抽出し、得られる抽出液から
溶媒を留去して、半流動性の樹脂状物に濃縮したもの
は、レジノイド、オレオレジン等と称され、各種の食品
又は香粧品の香気香味付与剤としてよく利用されてい
る。
【0003】しかしながら、レジノイド又はオレオレジ
ンに、例えば水及び/又はエタノールを添加すると、最
初は溶解して透明であっても、時間の経過と共に澱や沈
殿物などの不溶解物を生成し、混濁状態になるなど透明
安定性に欠け、これがために商品価値を著しく低下させ
るという欠点があった。
【0004】一方、動植物材料の抽出物を水又はエタノ
ールに配合すると、該抽出物中にそれまで溶解していた
精油、レジン質、タンニン、ペクチン、粘性多糖類など
が不溶物となり、混濁などのトラブルを起こすことはよ
く知られている。これらのトラブルを防止する目的で、
例えば、茶葉を予めタンナーゼ又はこれとセルラーゼ、
ペクチナーゼ等の細胞壁消化酵素で処理した後抽出する
方法(特公昭52−42877号、特公昭62−151
75号、特開昭60−105454号各公報参照)、又
は茶抽出液をタンナーゼが固定されている濾過膜で処理
することにより、透明で濁りの生じない茶を得る方法
(特開平2−128650号公報参照)等が提案されて
いる。
【0005】しかし、茶葉、茶抽出液を酵素処理するこ
とにより、透明で濁りの生じない茶を得るという従来提
案の方法は、酵素処理操作が繁雑なうえ、時間の経過と
共に澱や沈殿物の発生が観察されることがあり、透明安
定性は必ずしも十分に満足のできるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】レジノイド及びオレオ
レジンは、溶媒抽出法で容易に製造することができ、且
つ香気香味付与剤として有用ではあるが、上述の如き欠
点を有していることから、応用乃至利用面において多く
の制約がある。そのため、水及び/又はエタノールに完
全に溶解し、且つ経時的な透明安定性に優れた動植物水
溶性エキスの開発が強く望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き欠点乃至制約を解決するため、従来から鋭意研究を行
ってきた。その結果、動植物材料を50重量%以上のエ
タノール水溶液で抽出処理して採取した抽出液又はその
濃縮物に水を添加し、生成する水不溶物を除去し、得ら
れる水溶液を濃縮して得られる動植物水溶性エキスは、
水及び/又はエタノールに完全に溶解し、経時的な透明
安定性に優れることを発見した。更に研究を続けたとこ
ろ、該エキスの製造の際、動植物材料、抽出液もしくは
その濃縮物、水溶液又は動植物水溶性エキスに多価アル
コール、糖類又はその加熱反応物および糖・アミノ反応
物から選ばれる少なくとも一種を添加することにより製
造される動植物水溶性エキスは、極めて優れた透明安定
性を示し、且つ好ましい香気香味のバランスを長期間に
亘って安定に保持し、従来の課題を一挙に解決すること
ができる香気香味付与剤として極めて有用であることを
発見し本発明を完成した。
【0008】かくして本発明は、動植物材料を50重量
%以上のエタノール水溶液で抽出処理して採取した抽出
液又はその濃縮物に水を添加し、生成する水不溶物を除
去し、得られる水溶液を濃縮することを特徴とする動植
物水溶性エキスの製法を提供するものである。
【0009】本発明はまた、該エキスの製造の際、動植
物材料、抽出液もしくはその濃縮物、水溶液又は動植物
水溶性エキスに、多価アルコール、糖類又はその加熱反
応物および糖・アミノ反応物から選ばれる少なくとも一
種を添加することを特徴とする動植物水溶性エキスの製
法を提供するものである。
【0010】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0011】本発明において原料として利用することの
できる動物材料としては、例えば、畜肉類、卵類、魚
類、甲殻類などの水産動物類、家禽肉類及びこれらの加
工食品、酪農製品などが挙げられ、また、植物材料とし
ては、例えば、バニラ、コーヒー、ココア、茶類、スパ
イス、ハーブ類、野菜、果実、海藻類、ナッツ類、穀
類、黄色種などのタバコ葉などを挙げることができる。
【0012】これらの動植物材料の抽出処理において抽
出溶媒として用いられるエタノール水溶液中のエタノー
ル濃度は、50重量%以上、より好ましくは80重量%
以上である。エタノール含量が50重量%以下のエタノ
ール水溶液を用いると、得られるエキスは水又は低濃度
のエタノール溶液にのみ溶解し、高濃度のエタノール溶
液では、澱や沈殿物を生ずるなどの不都合がある。
【0013】上記の動植物材料を50重量%以上のエタ
ノール水溶液で処理して抽出液を調製する方法には特に
制約はなく、従来既知の任意の抽出方法を採用すること
ができる。例えば、動植物材料1重量部に対してエタノ
ール水溶液を約2〜約20重量部加え、約0〜約100
℃の温度で約30分〜約24時間撹拌又は静置条件下に
接触させ、接触処理終了後、通常の分離手段、例えばデ
カンテーション等により固液分離を行い、分離液を必要
に応じて濾紙濾過することにより容易に抽出液を採取す
ることができる。
【0014】次に上記のようにして得られる抽出液に水
を添加し、生成する水不溶物を除去することにより、水
及び/又はエタノールに可溶で長期間に亘って透明安定
性を示す動植物水溶性エキスを製造することができる。
この工程において、水は抽出液自体に添加してもよく、
あるいは該抽出液を蒸留又は減圧留去等によりエタノー
ルを一部乃至完全に留去して得られる抽出濃縮液に添加
してもよい。抽出液からエタノールを除去して抽出濃縮
物を調製する方法は、熱のかからない減圧条件下で行う
のが好ましく、例えば減圧度としては約50〜約360
mmHg、蒸留温度としては約20〜約60℃程度の範
囲内を例示することができる。
【0015】抽出液又はその濃縮物に水を添加する場
合、水の添加量が少なすぎると、水不溶物の除去が不十
分となり、澱、沈殿物が生成する原因となるので、少な
くとも抽出液又はその濃縮物のエタノール濃度が40重
量%以下、より好ましくは20重量%以下になるように
水を添加することが望ましい。そのような条件を満たす
水の添加量としては、例えば、抽出液に添加する場合
は、抽出液1重量部に対して水約0.1〜約5重量部、
より好ましくは約0.3〜約3重量部の範囲内を挙げる
ことができ、他方、抽出濃縮物に添加する場合の水の添
加量は、濃縮の度合いによっても異なるが、通常、濃縮
物1重量部に対して約0.3〜約4重量部の範囲内を例
示することができる。
【0016】抽出液又は抽出濃縮液に水を添加すると、
それまで抽出液又は抽出濃縮液に溶解していた成分が、
澱又は沈殿物などの不溶物となって析出してくる。これ
らの不溶物は、約50重量%以上の高濃度のエタノール
水溶液には溶解するが、約40重量%以下の低濃度のエ
タノール水溶液に不溶性ないし難溶性の成分である。こ
れらの成分としては、例えば、各種の動植物材料に含ま
れている精油類、レジン質、タンニン質、ペクチン質な
どである。水を添加することにより生成するこれら水不
溶物の除去手段としては、例えば、通常行われている濾
過方法を採用することができ、その際、水不溶物の除去
効率を向上させるため、ダイヤフロック、ケイソウ土な
どの濾過助剤を添加して濾過を行うのが好ましい。
【0017】このようにして得ることのできる水溶液か
らエタノール及び/又は水を回収することにより、透明
安定性に優れた動植物水溶性エキスを製造することがで
きる。回収手段としては、例えば、通常よく行われてい
る減圧回収法を採用することができ、その際、減圧度と
しては、例えば約30〜約50mmHg、蒸留温度とし
ては、例えば約20〜約60℃程度の条件を採用するこ
とができる。このようにして得ることのできる濃縮物は
そのまま本発明の水溶性エキスとして用いることもでき
るが、通常は該濃縮物を、更に澱、沈殿物の生成を促進
させるために、約0〜約5℃に冷却する方法、精密濾過
(MF)膜などを用いる膜濾過法、更にタンニン、ペク
チン、粘性多糖類を分解させるためタンナーゼ、ペクチ
ナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼなどの酵素で処理
する方法などにより処理するのが好ましい。
【0018】本発明の別の態様として、上述の動植物水
溶性エキスを製造する任意の工程で、水溶性保留剤を配
合することにより、水又はエタノールに可溶化し、且つ
長期間に亘って好ましい香気香味のバランスを保持し、
更にマイルドで持続性に優れた香気香味を付与すること
のできる透明安定性に優れた動植物水溶性エキスを製造
することができる。
【0019】この態様で使用する水溶性保留剤は、動植
物材料に直接添加することができる他、任意の製造工程
において配合することもできる。例えば、原料の動植物
材料と水溶性保留剤の共存下にエタノール水溶液で抽出
するこができるし、また製造過程で得られる抽出液、抽
出濃縮液、水溶液あるいは最終的に得られる動植物水溶
性エキス自体に水溶性保留剤を添加配合することもでき
る。
【0020】水溶性保留剤としては、多価アルコール、
糖類又はその加熱反応物、糖・アミノ反応物などを挙げ
ることができる。多価アルコールとしては、例えばプロ
ピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニ
トールなどを例示できる。また、糖類としては、例えば
砂糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、異性化糖、水飴、蜂
蜜、モラセス、カエデ糖、ヤシ糖及びこれらの水溶液
(液糖)などを使用することができ、糖類の加熱反応物
としては、例えば先に例示した糖類の加熱反応物を示す
ことができ、これらは通常カラメルと称されているもの
である。更に、糖・アミノ反応物としては、例えばグリ
シン、アラニン、グルタミン酸、アルギニン、プロリ
ン、バリン、ロイシンなどのアミノ酸と上記の糖類との
加熱反応物を示すことができる。
【0021】水溶性保留剤の添加量は、動植物材料、抽
出液、水溶液或いはこれらの液の濃縮度等の相違により
異なり、適宜に選択することができるが、通常、これら
1重量部に対して水溶性保留剤を約0.01〜約20重
量部、より好ましくは約0.1〜約4重量部程度の範囲
内を例示することができる
【0022】このようにして得ることのできる動植物水
溶性エキスは、水又はエタノールに完全に溶解し、長期
間経過後においても、澱、沈殿物などの不溶物を生成す
ることなく透明安定性に優れ、また好ましい香気香味の
バランスを経時的に保持し、更にマイルドで持続性に優
れた香気香味を付与することができるなど多くの優れた
特長を有している。本発明の動植物水溶性エキスは、各
種製品の香気香味付与組成物に添加して利用することが
でき、その添加量は、利用目的あるいは香気香味付与組
成物の種類によっても異なるが、一般的には、香気香味
付与組成物全体量に対して約0.01〜約80重量%の
範囲内を例示することができる。
【0023】かくして、本発明によれば、動植物水溶性
エキスを有効成分とする香気香味付与組成物を提供する
ことができ、該組成物を利用して飲食品類、香粧品類、
保健・衛生・医薬品類などに特長のある該水溶性エキス
の香気香味を付与することができる。
【0024】例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料
類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シ
ャーベット類、アイスキャンディーのごとき冷菓類;和
洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コー
ヒー、ココア、紅茶、お茶、タバコのごとき嗜好品類;
和風スープ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調
味料、各種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック
食品類などに、そのユニークな香気香味を付与できる動
植物水溶性エキスの適当量を添加した飲食品類を提供す
ることができる。また、例えば、シャンプー類、ヘアー
クリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧料基剤;
オシロイ、口紅、その他の化粧料基剤や化粧料洗剤基剤
などに、そのユニークな香気を付与できる動植物水溶性
エキスの適当量を添加した香粧品類を提供することがで
きる。さらにまた、洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、室内
芳香剤その他各種の保健・衛生材料類;医薬品の服用を
容易にするための矯味、賦香剤などに本発明の動植物水
溶性エキスを添加した保健・衛生・医薬品類を提供する
ことができる。
【0025】以下、比較例及び実施例によって本発明の
態様をさらに具体的に説明する。
【0026】
【実施例】
実施例1 フラスコに約1cmにカットしたバニラ豆600g、9
5%エタノール2700g及び水300gを仕込み、フ
ラスコ内の温度70〜75℃で2時間撹拌しながら抽出
する。抽出終了後、約30℃以下に冷却し、一夜放置す
る。デカンテーションして得られる分離液を濾紙濾過し
て濾液2897gを得る。得られた濾液にプロピレング
リコール1200g(バニラ豆の2倍量)を添加溶解さ
せる。この溶液を、減圧度120mmHg、65〜70
℃の温度で約2時間、減圧蒸留して一次濃縮物1362
gを得た。この濃縮物に軟水2724g(濃縮物の2倍
量)を添加し、生成した水不溶物を除くため、室温下、
濾過助剤(ダイヤフロック:ケイソウ土=1:1)の存
在下に濾過する。得られた濾液を減圧濃縮して(バス温
度約60℃、減圧度40〜50mmHg)、赤褐色で透
明な最終濃縮物1198g[糖度(Bx)59.2]を
得た。この濃縮物を80メッシュのサラン布濾過充填器
により濾過して本発明のバニラオレオレジン1180g
を得た(本発明品No1)。 収率:197%(対バニラ豆) 比重(20℃):1.0719 屈折率(20℃):1.4398
【0027】比較例1 実施例1において、濾液にプロピレングリコールを添加
溶解させる工程及び濃縮物に軟水を添加する工程を除い
たほかは、すべて実施例1と同一条件により、バニラオ
レオレジンを製造した(比較品No1)。
【0028】実施例2 フラスコに鰹節グラインダー(G粉)300g、95%
エタノール1080g及び水120gを仕込み、フラス
コ内の温度78〜82℃で2時間撹拌しながら抽出す
る。抽出終了後、約40℃以下に冷却し、遠心分離して
得られた分離液1036gを濾紙濾過して濾液1025
gを得る。得られた濾液は、減圧度170mmHg〜4
0mmHg、40〜50℃の温度で濃縮し、150gの
濃縮物を得る。この濃縮物に水600g(対濃縮物4倍
量)を加え、殺菌、溶解のため、88℃〜92℃、15
分加熱撹拌し、0〜5℃の冷蔵庫に一夜放置する。生成
した水不溶物を除くため、同温度の冷蔵庫内で濾過助剤
(ダイヤフロック:ケイソウ土=1:2)の存在下に濾
過し、732g(屈折率n20 D1.3418)の濾液を
得る。この濾液を減圧濃縮して(バス温度約50℃、減
圧度50mmHg)暗褐色でほぼ透明な最終濃縮物49
g(Bx19.5)を得た(本発明品No2)。 収率:16%(対G粉)
【0029】比較例2 実施例2において、抽出溶剤を95%エタノール720
g及び水1680gに代える以外は、すべて実施例2と
同一条件により、カツオブシエキスを製造した(比較品
No2)。
【0030】実施例3 抽出釜にココアパウダー(脂肪10〜12%)3.0k
g、95%エタノール15.75kg及び水6.75k
gを仕込み、内温50〜55℃で1時間撹拌しながら抽
出する。抽出終了後、約30℃以下に冷却し、濾過助剤
(ダイヤフロック)の存在下で吸引濾過して濾液19.
43kgを得た。この濾液は、減圧度170mmHg〜
40mmHg、45〜55℃の温度で濃縮し、1.5k
gの濃縮物を得る。この濃縮物に等量の水を添加し、室
温下で60分撹拌溶解後、遠沈処理(1500G、5
分)を行い、上澄部2.6kg(Bx13.1)を得
た。上澄部はロータリーエバポレーター(バス温度約6
0℃、減圧度45mmHg)で濃縮し440gの濃縮物
(Bx70)を得た。この濃縮物にグリセリン704g
(対濃縮物1.4倍量)、糖蜜264(対濃縮物0.6
倍)を加えて室温下、30分撹拌混合後、80〜84
℃、15分殺菌後70℃に冷却して、60メッシュ金網
濾過しながら熱時充填した(本発明品No3)。 収率:46%(対ココアパウダー) 水分(K・F法):19.4% 比重(20℃):1.2833 屈折率(20℃):1.4698
【0031】比較例3 実施例3において、抽出溶剤を95%エタノール9kg
及び水21kgに代え、またグリセリンと糖蜜を添加し
なかったほかは、すべて実施例3と同一条件により、コ
コアオレオレジンを製造した(比較品No3)。
【0032】実施例4 フラスコにカモミール(ジャーマン)ファインカット1
00g、95%エタノール825g及び水675gを仕
込み、フラスコ内の温度34〜36℃で2時間撹拌しな
がら抽出する。抽出終了後、濾過助剤(ダイヤフロッ
ク)の存在下で吸引濾過して1323gの濾液を得た。
この濾液に水2646g(対濾液の2倍量)を添加し
て、室温下で60分撹拌溶解した。これを濾過助剤(ダ
イヤフロック:ケイソウ土=1:1)の存在下で吸引濾
過して3770gの濾液を得た。これをロータリーエバ
ポレーター(バス温度50〜60℃)、減圧度40〜4
5mmHgで濃縮し22gの濃縮物(Bx70)を得
た。更に、90〜95℃、15分殺菌した後、70℃に
冷却し、60メッシュ金網濾過しながら同温度下で熱時
充填(充填量17g)した(本発明品No4)。 収率:17%(対カモミール) Bx(20℃):70.1
【0033】比較例4 実施例4において、抽出溶剤を95%エタノール540
g及び水1260gに代える以外は、すべて実施例4と
同一条件により、カモミールエキスを製造した(比較品
No4)。
【0034】実施例5 カラムに約1cmにカットしたバニラ豆600g、95
%エタノール5100g及び水900gを仕込み、カラ
ム内の温度28〜30℃で50ml/分の送液速度で抽
出液を循環しながら6時間抽出を続けた。抽出終了後、
液分離(晒布で種子抽出残渣は濾別)し、分離液581
8gを得た。この分離液をバス温度58〜62℃、減圧
度120〜140mmHgで濃縮し、375gの濃縮物
を得た。この濃縮物に水を1425g(濃縮物と添加す
べき水の合計量が1800gになるように水を調整)を
加えて、室温下30分撹拌し、60分静置して分離を十
分行った。濾過助剤(ダイヤフロック:ケイソウ土=
1:1)の存在下で吸引濾過を行い1725g(Bx
6.9)の濾液を得た。これをロータリーエバポレター
でバス温度55〜60℃、常圧から減圧度30mmHg
の条件下で、もはや溶剤が留去しなくなるまで濃縮し、
粘稠なバニラオレオレジン36gを得た(本発明品No
5)。 収率:6.0%(対バニラ豆)
【0035】実施例6 上記実施例1(本発明品No1)〜上記実施例5(本発
明品No5)及び比較例1(比較品No1)〜比較例4
(比較品No4)で得られた各種の動植物水溶性エキス
について賦香透明安定性試験を行い、その結果を表1に
まとめて示す。なお、賦香透明安定性試験はBrix1
2゜、pH3.0の糖液に本発明品No1〜本発明品N
o5及び比較品No1〜比較品No4をそれぞれ0.1
%添加し、殺菌後室温に保存した。
【0036】 表1:賦香透明安定性試験 保存日数 1ケ月 3ケ月 6ケ月 1年間 本発明品No1 − − − − 本発明品No2 − ± ± ± 本発明品No3 − − ± ± 本発明品No4 − − − ± 本発明品No5 − − ± ± 比較品No1 + ++ ++ +++ 比較品No2 +++ +++ +++ +++ 比較品No3 ++ +++ +++ +++ 比較品No4 ++ ++ +++ +++ 但し、表中の各記号は下記の意味を有する。 − 不溶物(澱、沈殿物)の生成なし。 ± 不溶物(澱、沈殿物)の生成を僅かに認める。 + 不溶物(澱、沈殿物)の生成を認める。 ++ 不溶物(澱、沈殿物)の生成を多く認める。 +++ 不溶物(澱、沈殿物)の生成を著しく認める。
【0037】表1の結果から明らかなとおり、本発明品
はいずれも、1年後においても不溶物の生成が認められ
ず、極めて優れた透明安定性を示した。一方、比較品は
溶解試験のために調製した時から、透明に溶解しないも
のが多く、また継時的に多くの不溶物を生成し、透明安
定性が著しく悪い。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、動植物材料を50重量
%以上のエタノール水溶液で抽出処理して採取した抽出
液又はその濃縮物に水を添加し、生成する水不溶物を除
去し、得られる水溶液を濃縮するという簡便な手段によ
り、水及び/又はエタノールに容易に溶解し、溶解後も
長期間に亘って、澱、沈殿物などの不溶物を生成するこ
とのない透明安定性に優れた動植物水溶性エキスを製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐賀 勉 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川香 料株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動植物材料を50重量%以上のエタノー
    ル水溶液で抽出処理して採取した抽出液又はその濃縮物
    に水を添加し、生成する水不溶物を除去し、得られる水
    溶液を濃縮することを特徴とする動植物水溶性エキスの
    製法。
  2. 【請求項2】 動植物材料、抽出液もしくは濃縮物、水
    溶液又は動植物水溶性エキスに多価アルコール、糖類又
    はその加熱反応物および糖・アミノ反応物から選ばれる
    少なくとも一種を添加することを特徴とする請求項1記
    載の製法。
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