JPH08308500A - チューインガム用油性香料製剤 - Google Patents

チューインガム用油性香料製剤

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JPH08308500A
JPH08308500A JP7145474A JP14547495A JPH08308500A JP H08308500 A JPH08308500 A JP H08308500A JP 7145474 A JP7145474 A JP 7145474A JP 14547495 A JP14547495 A JP 14547495A JP H08308500 A JPH08308500 A JP H08308500A
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JP
Japan
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chewing gum
oily
flavor
polyglycerin
fatty acid
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Sakae Nakao
栄 仲尾
Toshiro Hori
俊郎 堀
Tomoji Kato
友治 加藤
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Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チューインガムにおいて香料の使用量を減ら
し、かつ香味の持続性に優れたチューインガム用香料製
剤を提供する。 【構成】 グリセリンおよびジグリセリンの含有率の和
が10%以下であるポリグリセリンをエステル化してな
るポリグリセリン脂肪酸エステル、好ましくはグリセリ
ンおよびジグリセリンの含有率の和が10%以下であ
り、かつグリセリン、ジグリセリンおよびトリグリセリ
ンの含有率の和が30%以下であるポリグリセリンをエ
ステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エステルを用い
て油性香料を可溶化したチューインガム用油性香料製剤
は、従来よりも香料の使用量が低減でき、さらに香味が
持続できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチューインガムベースへ
の香料の残存を低減することによってチューインガムへ
の香料の使用量を減らし、かつ香味の持続性に優れたチ
ューインガムを提供することができるチューインガム用
油性香料製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チューインガムは口中で長く香味および
食感を楽しむ菓子であるため、添加された香味が長く持
続することが要求される。一般に、チューインガムはガ
ムベースに砂糖、ブドウ糖、水飴等の糖質甘味料および
香料等を配合、混合して得られる。チューインガムに用
いる香料は、主として油性香料であり、配合量は0.5
〜1.5%と食品中で最も高いのが現状である。配合量
が多い理由は、油性香料がガムベースに吸着され添加し
た油性香料の10%程度しか咀嚼の際に放出されないた
めである。すなわち、90%近くの油性香料がガムベー
スに不可逆的に結合し放出されないことを示している。
また、結合されない香料はすぐに口内に放出されてしま
うため、かみ始めの1分以内の香味に比べ5分、10分
かみ続けた時の香味が著しく弱くほとんど感じられなく
なる。この問題点を解決するために、油性香料のカプセ
ル化等によりガムベース結合を回避する試みがなされた
り、特開昭63−3759に油性香料、乳化剤およびア
ルキルポリマーからなるフレーバーエマルジョンの利用
が開示されている。また、咀嚼時の香味持続性につい
て、油性香料と賦型剤乳液の噴霧乾燥粉末化やシクロデ
キストリン(以下CDと表記)で包接された香味粉末を
使用する例が挙げられる。
【0003】しかしながら、油性香料のカプセル化や油
性香料と賦型剤乳液の噴霧乾燥粉末化は特殊設備を必要
とし、また、カプセル化や噴霧乾燥粉末化、もしくはC
Dによって包接し粉末化した香料は油性香料のままであ
るため、チューインガム製造時および咀嚼時にカプセル
および粉末が壊れ放出された香料が調製前の油性香料と
同じようにガムベースに結合する。よって、カプセル化
や噴霧乾燥粉末化、またはCDによって包接し粉末化し
た香料のほとんどがガムベースに残存するため、口中へ
の香味の放出が少なく、また、香味の持続性が弱く、十
分な効果が得られない。更に、カプセル化や噴霧乾燥粉
末化、またはCDによる包接粉末香料の崩壊を抑えるた
め賦形剤の量を多くすると、賦形剤の物性、風味がチュ
ーインガムの味、食感に影響を及ぼすことがあり好まし
くない。油性香料を乳化剤およびアルキルポリマーから
なるフレーバーエマルジョンは、総HLB価約1.6〜
7.0の疎水性の乳化剤を用いるため、エマルジョン中
の油性香料の粒子径が大きく、油性香料とガムベースの
結合を抑えることができない。よって、フレーバーエマ
ルジョン中の香料のほとんどがガムベースに残存するた
め、口中への香味の放出が少なく、また、香味の持続性
が弱く、十分な効果が得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現行のチュ
ーインガム用油性香料製剤では解決されていない、チュ
ーインガムへの香味の有効な放出が得られないという課
題を解決し、チューインガムへの油性香料の使用量を減
らすと共に、香味の持続性を向上したチューインガム用
油性香料製剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれら現行
のチューインガム用油性香料製剤の問題点を解決すべく
鋭意検討を加えたところ、グリセリンおよびジグリセリ
ンの含有率の和が10%以下であるポリグリセリンをエ
ステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エステル、好ま
しくはグリセリンおよびジグリセリンの含有率の和が1
0%以下であり、かつグリセリン、ジグリセリンおよび
トリグリセリンの含有率の和が30%以下であるポリグ
リセリンをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを用いてチューインガム用油性香料製剤を製造す
ることによって、チューインガムへの油性香料の使用量
を減らすと共に、香味の持続性に優れたチューインガム
を提供することができるチューインガム用香料製剤を製
造しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明で使用するポリグリセリンは、グリ
セリンおよびジグリセリンの含有率の和が10%以下、
好ましくはグリセリンおよびジグリセリンの含有率の和
が10%以下であり、かつグリセリン、ジグリセリンお
よびトリグリセリンの含有率の和が30%以下のポリグ
リセリンである。一般にポリグリセリンとはグリセリン
を脱水縮合するなどして得られる重合度1〜10程度の
種々のグリセリン重合体の混合物である。このため通常
のポリグリセリンはグリセリンおよび種々のグリセリン
重合体の混合物を意味するが、分類上水酸基価から得ら
れる平均重合度によりジグリセリン、トリグリセリン、
テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン
等の名称で市販されている。ポリグリセリンと脂肪酸と
のエステル化反応はグリセリンの重合度によって反応性
が異なり、グリセリンおよびジグリセリン等の低重合度
のポリグリセリンの方が選択的にエステル化され易い。
このため通常のポリグリセリンに一定量の脂肪酸をエス
テル化すると、低重合度のポリグリセリンが意図するも
のよりも多くの脂肪酸とエステル結合し、過多に脂肪酸
とエステル化した低重合度のポリグリセリン脂肪酸エス
テルとエステル結合されない未反応の高重合度のポリグ
リセリンとの混合物となる。このようなポリグリセリン
脂肪酸エステルを使用し香料製剤を調製しても、ガムベ
ースへの油性香料の残存を低減できず、チューインガム
への香料の使用量を減らし、かつ香味の持続性に優れた
チューインガム用油性香料製剤が調製できない。これに
対し本発明のグリセリンおよびジグリセリンの含有率の
和が10%以下のポリグリセリン、好ましくはグリセリ
ンまたはジグリセリンの含有率の和が10%以下であ
り、かつグリセリン、ジグリセリンおよびトリグリセリ
ンの含有率の和が30%以下のポリグリセリンは、グリ
セリンおよびジグリセリン等の低重合度のポリグリセリ
ンが少ないため、エステル化してなるポリグリセリン脂
肪酸エステルは意図する割合で脂肪酸とエステル結合し
たものとなるため、ガムベースへの油性香料の残存が低
減でき、チューインガムへの香料の使用量を減らし、か
つ香味の持続性に優れたチューインガムを提供すること
ができるチューインガム用油性香料製剤が調製できる。
本発明のポリグリセリンの調製は、通常のポリグリセリ
ンと同じようにグリセリンを苛性ソーダなどのアルカリ
触媒の存在下、高温条件下にて重合し、脱臭、脱色等の
精製をすることにより行うことができる。またグリシド
ール、エピクロロヒドリン、グリセリンとエピクロロヒ
ドリン、モノクロロヒドリン、ジクロロヒドリンまたは
グリシドールを原料として化学合成して得られた反応物
を脱臭、脱色することにより行うことができる。さらに
分子蒸留、RO膜、クロマト処理などの精製を行っても
よい。本発明におけるポリグリセリンの重合度は、ガス
クロマトグラフィーを用い測定しその面積比により算定
する。この際グリセリンおよびジグリセリンの含有量の
和が10%以上であるものは本発明には用いることがで
きないのでさらに精製を行わねばならない。
【0007】本発明に用いる脂肪酸とは、天然の動植物
より抽出した油脂を加水分解し、分離または分離せずに
精製して得られるカルボン酸を官能基として含む物質の
総称であって特に限定するものではない。カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシノ
レン酸、縮合リシノレン酸、またはこれら脂肪酸の混合
物を例示することができる。本発明のポリグリセリンか
らなるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリ
ンと脂肪酸を公知の方法によってエステル化して得られ
る。例えばアルカリ触媒下、酸触媒下、または無触媒下
にて、常圧もしくは減圧下においてエステル化すること
ができる。
【0008】本発明のポリグリセリンからなるポリグリ
セリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンの重合度、脂
肪酸の種類、さらにはエステル化度等によって種々のH
LB価のものが得られるが、好ましくは、HLB価が8
以上のものを1種または2種以上使用する。HLB価は
親水性疎水性バランスを1〜20の値で示し、乳化剤で
は乳化剤分子を形成する親水性および疎水性の基の大き
さと強さを表し、疎水性の高い乳化剤はHLB価が小さ
く、親水性の高い乳化剤はHLB価が大きい。本発明の
ポリグリセリンは、グリセリンおよびジグリセリン等の
低重合度のポリグリセリンが少ないため親水性の基が大
きく、エステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エステ
ルのHLB価は従来のポリグリセリンからなるポリグリ
セリン脂肪酸エステルより大きくなる。本発明におい
て、高いHLB価を有するポリグリセリン脂肪酸エステ
ルが有用であることが分かり、好ましくは、HLB価が
8以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが適する。HL
B価が8未満のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる
と香料製剤中の油性香料の粒子径が大きくなるため、ガ
ムベースへの油性香料の残存を低減できず、チューイン
ガムへの香料の使用量を減らし、かつ香味の持続性に優
れたチューインガム用油性香料製剤が調整できない。
【0009】本発明のポリグリセリからなるポリグリセ
リン脂肪酸エステルの例として、デカグリセリンモノミ
リステート、デカグリセリンジミリステート、デカグリ
セリントリミリステート、デカグリセリンモノラウレー
ト、デカグリセリンジラウレート、デカグリセリントリ
ラウレート、デカグリセリンモノパルミテート、デカグ
リセリンジパルミテート、デカグリセリンモノオレー
ト、デカグリセリンジオレート、デカグリセリンモノス
テアレート、デカグリセリンジステアレート、デカグリ
セリンモノベヘネート、デカグリセリンジベヘネート、
デカグリセリンモノ縮合リシノレート、デカグリセリン
ジ縮合リシノレート、ヘキサグリセリンモノミリステー
ト、ヘキサグリセリンジミリステート、ヘキサグリセリ
ンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノオレート、ヘ
キサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセセリモ
ノベヘネート、ヘキサグリセリンモノリシノレート、ヘ
キサグリセリンモノ縮合リシノレート等が挙げられ、特
に限定するものではないが、好ましくは、1種または2
種以上を使用する。本発明におけるポリグリセリン脂肪
酸エステルの使用量は、通常、香料の種類、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルの種類などチューインガム用香料製
剤の成分および組成などにより決まるが、一般に製剤の
0.5〜50重量%の割合で配合する。0.5重量%未
満では油性香料を充分に可溶化状態にできず、50重量
%を越えても効果に変わりは見られない。
【0010】本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エス
テルは単独で用いられるほか、水、エタノール、または
分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを添
加してもよい。多価アルコールは製剤を安定化させる
上、粘度を低下させ取扱い易くする利点がある。このよ
うな目的で用いられる多価アルコールは、ブドウ糖、砂
糖、果糖、水アメ、還元水アメ、果糖・ブトウ糖液糖、
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ヘキサグ
リセリン、デカグリセリン等のポリグリセリン、プロピ
レングリコール、ソルビトール等が挙げられ、これらを
1種または2種以上組み合わせて用いられ、配合量は特
に限定されるものではないが、好ましくは10〜90重
量%の割合で配合する。本発明においてポリグリセリン
脂肪酸エステルは、また他の界面活性剤と組み合わせて
使用してもよい。この場合HLB価の低すぎる界面活性
剤は本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルと組み合わ
せても香料製剤中の油性香料の粒子径を小さくできず、
ガムベースへの油性香料の結合を抑えることができない
ため、HLB価5〜16のものが好適である。このHL
B価5〜16の界面活性剤、例えば従来のポリグリセリ
ンからなるポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、精製レシチ
ン、酵素分解レシチン等の界面活性剤と本発明のポリグ
リセリンからなるポリグリセリン脂肪酸エステルを組み
合わせてチューインガム用油性香料製剤を調製すること
ができる。
【0011】本発明のチューインガム用油性香料製剤
は、油性香料とグリセリンおよびジグリセリンの含有率
の和が10%以下のポリグリセリン、好ましくはグリセ
リンおよびジグリセリンの含有率の和が10%以下であ
り、かつグリセリン、ジグリセリンおよびトリグリセリ
ンの含有率の和が30%以下のポリグリセリンからなる
ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合することにより、
従来にないチューインガム用油性香料製剤として得られ
る。本発明に使用する油性香料は、水難溶性香料であれ
ばどのようなものでもよく、チューインガムにおいて良
く知られた油性香料としては、スペアミントオイル、シ
ナモンオイル、ウィンターグリーンオイル、ペパーミン
トオイル、または、レモン、オレンジ、グレープ、ライ
ム、グレープフルーツなどのシトラスオイルおよび林
檎、いちご、チェリー、パイナップルなどのフルーツエ
ッセンスのような合成及び/又は植物の葉、花、果実等
から誘導されるオイル及びこれらの組み合わせが例示さ
れる。これら油性香料からなるチューインガム油性香料
製剤の製造法は従来の方法が適用される。例えば油性香
料とポリグリセリン脂肪酸エステルを20〜90℃、好
ましくは40〜80℃に加温下、よく混合してチューイ
ンガム用香料製剤が得られる。
【0012】
【作用】乳化剤を油性香料と混合して、アルキルポリオ
ール中油滴型の香料製剤とする方法は、前記した特開昭
63−3759に記載されている。この技術において
は、総HLB約1.6〜7.0の乳化剤、乳化剤として
グリセリンモノオレート、プロピレングリコールモノス
テアレート、グリセロールモノステアレート、レシチ
ン、ソルビタンモノステアレートおよびこれらの混合物
を使用している。本発明は、この先行技術とは乳化剤の
種類が異なる点において大きく相異する。すなわち、本
発明ではチューインガム用香料製剤の製造時において、
グリセリンおよびジグリセリンの含有率の和が10%以
下、好ましくはグリセリンおよびジグリセリンの含有率
の和が10%以下であり、かつグリセリン、ジグリセリ
ンおよびトリグリセリンの含有率の和が30%以下のポ
リグリセリンをエステル化してなるポリグリセリン脂肪
酸エステルを用いることによって始めて可能となったも
のであり、通常のポリグリセリンを用いたポリグリセリ
ン脂肪酸エステルでは本願の効果は発揮されないもので
ある。以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
試験例1 1リットルの四つ口フラスコにグリセルン600gと5
0%水酸化ナトリウム水溶液6gを入れ、窒素気流下で
100torrの圧力で水を除去しながら240℃、1
0時間加熱後、0.1torr、200℃で水蒸気脱臭
および活性炭で脱色を行いポリグリセリン反応物350
gを得た。この反応物をカルシウム型陽イオン交換樹脂
10kgで精製し、本発明に用いる好適なヘキサグリセ
リン(平均重合度6)150gおよび本発明に用いる好
適なデカグリセリン(平均重合度10)90gを得た。
得られた好適なポリグリセリンと通常のポリグリセリン
(テトラグリセリン:グレートオイル#400(太陽化
学株式会社製)、ヘキサグリセリン:グレートオイル#
600(太陽化学株式会社製)、デカグリセリン:グレ
ートオイル#1000(太陽化学株式会社製))をトリ
メチルシリル化後、ガスクロマトグラフィー(GC)に
てポリグリセリンの重合度を分析した。結果を表1に示
す。尚、表1における重合度の割合は、全体のピーク面
積に対する各重合度のポリグリセリンのピーク面積との
相対値で示した。
【0014】
【表1】
【0015】<分析条件> 装置 :HEWLETT PACKARD社 58
90 SERIES カラム :フェーズドシリカキャピラリーカラム 30m×0.25mm×0.1μm film 移動相 :ヘリウム=40cm/sec カラム温度:100℃to250℃at10℃/min 検出器 :水素炎イオン検出器 実施例1〜6 本発明のチューインガム用油性香料製剤を表2に示す割
合で調製した(数字は重量部である)。チューインガム
用油性香料製剤は、好適なポリグリセリンからなるポリ
グリセリン脂肪酸エステルおよびグリセリンを60℃加
温下撹拌しながら油性香料を徐々に添加し調製した。
【0016】
【表2】
【0017】比較例1〜6 通常のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを用いた香料製剤を表3に示すように実施例1〜
6と同じ割合および方法で調製した(数字は重量部であ
る)。
【0018】
【表3】
【0019】試験例3 チューインガムベース20部、砂糖57部、ブドウ糖
8.5部、および水飴3.5部に実施例1〜6で得られ
たチューインガム用油性香料製剤0.33部(香料とし
て約0.1部)を加え、よく混合してチューインガムを
調製した。このチューインガムについて、専門パネラー
20名による官能評価試験を実施した。パネラーは、チ
ューインガムを噛んでから、1、5、10分後に香味の
強さを5段階で評価し良いもの程高得点とした。実施例
で得られたチューインガム用香料製剤のかわりに比較例
1〜6で得られた香料製剤0.33部を用いて同じ試験
を行った。結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】試験例4 試験例3で得たチューインガム(5g/枚)を10分間
咀嚼した後20名分集め細かく切断し、ヘキサン(50
ml)中で1時間加熱還流後ろ過を行いヘキサン溶液を
得る。各ヘキサン溶液(1μl)をガスクロマトグラフ
ィー(GC)に注入し、咀嚼後にガムベース中に残存す
る油性香料について分析した。結果を表5に示す。尚、
表5における残存率は、咀嚼前のガムベース中に含有さ
れる同量の香料をヘキサン(50ml)に溶解し調製し
たヘキサン溶液の1μlをGC注入した際のガスクロマ
トグラム中の最大ピークのピーク面積を100とした場
合、各々ガスクロマトグラム中の同一ピークとの相対量
で示した。
【0022】
【表5】
【0023】<分析条件> 装置 :HEWLETT PACKARD社 589
0SERIES カラム :Carbowax 20M Phase 50m×0.2mm×0.2μm film 移動相 :ヘリウム=40cm/sec カラム温度:60℃(0〜2min) 60℃to180℃at2℃/min 180℃(62〜72min) 検出器 :水素炎イオン検出器 実施例7〜41 本発明のチューインガム用油性香料製剤を各種油性香料
ごとに表6〜11に示す割合で調製した(数字は重量部
である)。香料製剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステル
からなる水性製剤を60℃加温下撹拌しながら油性香料
を徐々に添加し調製した。
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
【表11】
【0030】比較例7〜12 従来の乳化剤を用いて香料製剤を表12に示す割合で調
製した。なお、調製法は実施例と同じ方法で行った。
【0031】
【表12】
【0032】試験例5 実施例7〜42のチューインガム用油性香料製剤と比較
例7〜12の香料製剤について、60℃および37℃に
おける安定性を油性香料と水性製剤の分離について観察
し、その結果を表13、14に示した。なお、分離が認
められないものは○、分離が認められたものは×で示し
た。
【0033】
【表13】
【0034】
【表14】
【0035】試験例6 チューインガムベース20部、砂糖57部、ブドウ糖
8.5部、および水飴3.5部に実施例7〜42で得ら
れたチューインガム用油性香料製剤を香料として0.1
部に相当する量を加え、よく混合してチューインガムを
調製した。このチューインガムについて、専門パネラー
20名による官能評価試験を実施した。パネラーは、チ
ューインガムを噛んでから、1、5、10分後に香味の
強さの程度を5段階で評価し良いもの程高得点とした。
比較例7〜12で得られた香料製剤を香料として0.1
部に相当する量を実施例で得られたチューインガム用油
性香料製剤のかわりに加え同じ試験を行った。またペパ
ーミントオイル、ウィンターグリーンオイル、オレンジ
オイル、ライムオイル、イチゴフレーバーの油性香料そ
のままを実施例で得られたチューインガム用油性香料製
剤のかわりに香料として1部加えて同じ試験を行った。
結果を表14、15に示す。
【0036】
【表15】
【0037】
【表16】
【0038】試験例7 試験例6で得たチューインガム(5g/枚)を20分間
咀嚼した後20名分を集め細かく切断し、ヘキサン(5
0ml)中で1時間加熱還流後ろ過を行い、ヘキサン溶
液を得た。各ヘキサン溶液(1μl)をガスクロマトグ
ラフィー(GC)に注入し、咀嚼後にガムベース中に残
存する油性香料(フレーバーオイル)について分析し
た。結果を表17に示す。尚、表17における残存率
は、咀嚼前のガムベース中に含有される同量の香料をヘ
キサン(50ml)に溶解し調製したヘキサン溶液の1
μlをGC注入した際のガスクロマトグラム中の最大ピ
ークのピーク面積を100とした場合、各々ガスクロマ
トグラム中の同一ピークとの相対量で示した。
【0039】
【表17】
【0040】本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙
げれば以下のとおりである。 (1)グリセリンおよびジグリセリンの含有率の和が1
0%以下であるポリグリセリンを用いることを特徴とす
るチューインガム用油性香料製剤。 (2)グリセリンおよびジグリセリンの含有率の和が1
0%以下であり、かつグリセリン、ジグリセリンおよび
トリグリセリンの含有率の和が30%以下であるポリグ
リセリンを用いることを特徴とするチューインガム用油
性香料製剤。 (3)グリセリンおよびジグリセリンの含有率の和が1
0%以下であるポリグリセリンをエステル化してなるポ
リグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とす
るチューインガム用油性香料製剤。 (4)グリセリンおよびジグリセリンの含有率の和が1
0%以下であり、かつグリセリン、ジグリセリンおよび
トリグリセリンの含有率の和が30%以下であるポリグ
リセリンをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを含有することを特徴とするチューインガム用油
性香料製剤。 (5)ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB価が8以
上であることを特徴とする前記(3)項に記載のチュー
インガム用油性香料製剤。 (6)ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB価が8以
上であることを特徴とする前記(4)項に記載のチュー
インガム用油性香料製剤。
【0041】(7)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂
肪酸がカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸の1種ま
たは2種以上の脂肪酸である前記(3)項に記載のチュ
ーインガム用油性香料製剤。 (8)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がカプリ
ル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸の1種または2種以上
の脂肪酸である前記(4)項に記載のチューインガム用
油性香料製剤。 (9)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がパルミ
トオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
エルカ酸の1種または2種以上の脂肪酸である前記
(3)項に記載のチューインガム用油性香料製剤。 (10)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がパル
ミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、エルカ酸の1種または2種以上の脂肪酸である前記
(4)項に記載のチューインガム用油性香料製剤。
【0042】(11)ポリグリセリン脂肪酸エステルの
脂肪酸がリシノレン酸である前記(3)項に記載のチュ
ーインガム用油性香料製剤。 (12)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がリシ
ノレン酸である前記(4)項に記載のチューインガム用
油性香料製剤。 (13)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸が縮合
リシノレン酸である前記(3)項に記載のチューインガ
ム用油性香料製剤。 (14)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸が縮合
リシノレン酸である前記(4)項に記載のチューインガ
ム用油性香料製剤。 (15)ポリグリセリン脂肪酸エステルと水、エタノー
ルまたは分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコ
ールからなる前記(3)項に記載のチューインガム用油
性香料製剤。 (16)ポリグリセリン脂肪酸エステルと水、エタノー
ルまたは分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコ
ールからなる前記(4)項に記載のチューインガム用油
性香料製剤。
【0043】(17)油性香料として、合成及び/又は
植物の葉、花、果実等から誘導されるオイルを含有する
前記(3)項に記載のチューインガム用油性香料製剤。 (18)油性香料として、合成及び/又は植物の葉、
花、果実等から誘導されるオイルを含有する前記(4)
項に記載のチューインガム用油性香料製剤。 (19)油性香料として、スペアミントオイル、シナモ
ンオイル、ウィンターグリーンオイル、ペパーミントオ
イルを含有する前記(3)項に記載のチューインガム用
油性香料製剤。 (20)油性香料として、スペアミントオイル、シナモ
ンオイル、ウィンターグリーンオイル、ペパーミントオ
イルを含有する前記(4)項に記載のチューインガム用
油性香料製剤。 (21)油性香料として、レモン、オレンジ、グレー
プ、ライム、グレープフルーツなどのシトラスオイルを
含有する前記(3)項に記載のチューインガム用油性香
料製剤。 (22)油性香料として、レモン、オレンジ、グレー
プ、ライム、グレープフルーツなどのシトラスオイルを
含有する前記(4)項に記載のチューインガム用油性香
料製剤。 (23)油性香料として、いちご、チェリー、パイナッ
プルなどのフルーツエッセンスを含有する前記(3)項
に記載のチューインガム用油性香料製剤。 (24)油性香料として、いちご、チェリー、パイナッ
プルなどのフルーツエッセンスを含有する前記(4)項
に記載のチューインガム用油性香料製剤。
【0044】
【発明の効果】実施例に示したように、グリセリンおよ
びジグリセリンの含有率の和が10%以下であるポリグ
リセリンをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステル、好ましくはグリセリンおよびジグリセリンの含
有率の和が10%以下であり、かつグリセリン、ジグリ
セリンおよびトリグリセリンの含有率の和が30%以下
であるポリグリセリンをエステル化してなるポリグリセ
リン脂肪酸エステルを用いて得られるチューインガム用
油性香料製剤は、油性香料そのままではチューインガム
に対し1%添加しなければ得られない香味が、チューイ
ンガム用油性香料製剤ではチューインガムに対し油性香
料として0.1%添加で得られた。またチューインガム
用油性香料製剤を用いて調製されたチューインガムで
は、従来の油性香料および香料製剤を用いて調製したチ
ューインガムでは咀嚼20分後にガムベース中に油性香
料が約90%残存するのに比べて、ガムベース中に油性
香料がほとんど残存しなかった。さらに、咀嚼10分後
でも香味が認められる。本発明のグリセリンおよびジグ
リセリンの含有率の和が10%以下であるポリグリセリ
ンをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、好ましくはグリセリンおよびジグリセリンの含有率
の和が10%以下であり、かつグリセリン、ジグリセリ
ンおよびトリグリセリンの含有率の和が30%以下であ
るポリグリセリンをエステル化してなるポリグリセリン
脂肪酸エステルを含有するチューインガム用油性香料製
剤は、ガムベースへの香料の残存がほとんどなく、香味
が持続的に放出するチューインガムの製品化を可能にす
るチューインガム用油性香料製剤を提供される。このチ
ューインガム用油性香料製剤を用いることにより、従来
よりも香料の使用量が低減でき、さらに香味が徐々に放
出されるため、従来技術による香料製剤より香味が持続
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリンおよびジグリセリンの含有率
    の和が10%以下であるポリグリセリンをエステル化し
    てなるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するチュー
    インガム用油性香料製剤。
  2. 【請求項2】 グリセリンおよびジグリセリンの含有率
    の和が10%以下であり、かつグリセリン、ジグリセリ
    ンおよびトリグリセリンの含有率の和が30%以下であ
    るポリグリセリンをエステル化してなるポリグリセリン
    脂肪酸エステルを含有する請求項1記載のチューインガ
    ム用油性香料製剤。
JP7145474A 1995-05-19 1995-05-19 チューインガム用油性香料製剤 Pending JPH08308500A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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