JPH08308346A - ポット苗植機の苗載替装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポット苗箱Ａから苗ホルダー３に受け取るポ
ット苗Ｂを、苗植付装置１の繰出ベルト２上面に、整然
とした姿勢に載せ替える。 【構成】 苗押出子４によって苗ホルダー３から押出さ
れるポット苗Ｂを、葉押え杆５で苗床部Ｃよりも苗葉部
Ｄを先行して繰出ベルト２上面に押し下げる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ポット苗植機の苗載
替装置に関する。多数のポット形を形成したポット苗箱
を用いて育苗し、この育苗したポット苗をポット苗箱の
まま苗植機へ供給して、このポット苗箱から各ポット苗
を分離しながら苗植付装置へ供給するための苗載替装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】ポッ
ト苗箱から押出される多数のポット苗を苗ホルダーによ
って繰出ベルト上面に載せ替えるとき、各ポット苗の揃
いが悪いと、この繰出ベルトから苗植付装置に対して繰
出される苗姿勢が乱れて正確な植付を行い難い。この発
明は、苗ホルダーから繰出ベルト上面へのポット苗の載
替えを整然と行わせるにある。

【０００３】

【課題を解決するための手段】この発明は、ポット苗箱
Ａから押出される多数のポット苗Ｂを保持して苗植付装
置１の繰出ベルト２上面に載せ替えるための苗ホルダー
３と、この苗ホルダー３の苗載替位置におけるポット苗
Ｂの苗床部Ｃ側にあってこの苗ホルダー３内の苗床部Ｃ
を苗葉部Ｄ側へ押出す苗押出子４と、この苗ホルダー３
の苗葉部Ｄ側にあってこの苗葉部Ｄを下方へ押える葉押
え杆５とからなり、該葉押え杆５で苗葉部Ｄを押し下げ
てから該苗押出子４で押出作動させることを特徴とする
ポット苗植機の苗載替装置の構成とする。

【０００４】

【作用、及び発明の効果】苗ホルダー３は、ポット苗箱
Ａから押出される多数のポット苗Ｂを保持して苗植付装
置１の繰出ベルト２上方部の苗載替位置へ移動させる。
この苗載替位置では、ポット苗Ｂの苗床部Ｃが苗押出子
４によって苗ホルダー３から苗葉部Ｄ側へ向けて押出さ
れる。このときこの押出されるポット苗Ｂは、苗葉部Ｄ
が葉押え杆５で下側の繰出ベルト２上面へ押し下げられ
て、苗床部Ｃよりも先に苗葉部Ｄが繰出ベルト２上面に
載せられる。このため、この繰出ベルト２に載せ替えら
れるポット苗Ｂは、苗床部Ｃが繰出ベルト２の上面に載
せられるときの苗身方向等への移動が少く、安定した苗
載替を行うことができ、整然としたポット苗Ｂの繰出を
行うことができる。

【０００５】

【実施例】ポット苗植機は、４輪駆動走行のトラクタ車
体６の後部に、油圧シリンダ７の伸縮で昇降されるよう
に連結リンク８で連結され、上部には、ポット苗箱Ａを
上下２段に載せて切替供給する苗箱供給台９を有し、こ
の苗箱供給台９から下方へ苗箱Ａを繰出案内する苗箱繰
出装置１０、この苗箱繰出装置１０においてポット苗Ｂ
をポット苗押出杆１１によって押出させた空箱を収容す
る空箱収容枠１２等を配置し、下部には、車体６側から
の動力取出軸によって連動される伝動機構を有する伝動
ケース１３、ポット苗Ｂを受けて横側へ繰出す繰出ベル
ト２、この繰出ベルト２から繰出されるポット苗Ｂを一
株毎植付ける苗植付装置１、及びこれら苗植機全体を支
持して土壌面を滑走するフロート１４等を有する。Ｅは
苗繰出爪で係合してポット苗箱Ａを繰出す送り穴、Ｆは
ポットである。

【０００６】苗載替装置は、前記苗箱繰出装置１０と繰
出ベルト２との間に配置されて、ポット苗押出杆１１に
よってポット苗箱Ａから押出される多数のポット苗Ｂを
受けて保持すると共に、下方の繰出ベルト２の上側部の
苗載替位置へ下動する苗ホルダー３と、この苗ホルダー
３の下動時に各ポット苗Ｂの苗床部Ｃを受けてこの苗ホ
ルダー３による保持部１５から繰出ベルト２上面へ押出
す苗押出子４と、この苗ホルダー３から押出される苗葉
部Ｄを下方へ押下げる葉押え杆５と、この苗床部Ｃを上
下側から下方へ押下げる床押板１６等によって構成され
る。

【０００７】前記苗ホルダー３は、苗箱繰出装置１０を
繰出されるポット苗箱Ａからポット苗押出杆１１によっ
て後外方へ押出される一横並びの多数のポット苗Ｂを受
けて嵌合させる欠円筒状の保持部１５を形成し、左右両
側部を苗箱繰出装置１０のフレーム１７に対して上下に
回動する平行状の揺動アーム１８によって枢支されるこ
の下側の揺動アーム１８が、クランク軸１９、ロッド２
０等を介してアーム軸２１回りに回動されることによっ
て、苗ホルダー３が上下往復回動される。

【０００８】上下回動する間の苗ホルダー３は、該平行
状の揺動アーム１８で苗保持部１５がほぼ水平状態を維
持される。苗載替位置には、前記の苗ホルダー３の各保
持部１５に対向して、繰出ベルト２側へ突出して先端に
扁平状の押出片２２を有した苗押出子４を、前記伝動ケ
ース１３等の機体に一体のブラケット２３にくし歯状に
配置する。この苗押出子４は苗ホルダー３が下動したと
き各保持部１５内に嵌挿された状態となり、押出子片２
２はこの保持部１５の後端に若干突出する関係位置とな
って、保持部１５内に保持されるポット苗Ｂの苗床部Ｃ
を完全に押出すことができる。

【０００９】前記ブラケット２３の上部には横方向の軸
２４があって、この軸２４回りに回動自在の苗叩きアー
ム２７が前記各保持部１５の前側に対向して設けられ、
この苗叩きアーム２７と一体の押えアーム２５に押えピ
ン２６を有し、ばね２８によって苗叩きアーム２７を苗
ホルダー３側へ向けて弾発している。前記苗押え杆５は
苗繰出ベルト２の上面に平行状の横方向の丸棒、乃至板
材等からなり、この前側の床押板１６よりも下方へ突出
させてアーム３０で一体的に設けられ、前記ブラケット
２３の前側の横方向のアーム軸２９回りに上下回動され
る。３１はばねで、このアーム３０を上方へ回動するよ
うに張圧する。前記押えアーム２５の押えピン２６はこ
のアーム３０の上側に係合されて、前記苗ホルダー３が
苗載替位置に下動したとき、ばね２８に抗して苗叩きア
ーム２７を押圧して、軸２４回りに回動させると、この
押えアーム２５の押えピン２６がアーム３０をばね３１
に抗して下方へ押圧し、葉押え杆５や床押板１６を下方
の苗繰出ベルト２側へ回動させる。又、この苗ホルダー
３が若干繰出ベルト２側へ戻されると、苗叩アーム２７
もばね２８によって戻されて、これら葉押え杆５や床押
板１６等も上方位置に戻されて、苗ホルダー３の通過し
易い位置となる。

【００１０】ポット苗Ｂを各保持部１５に嵌合保持した
苗ホルダー３が上動位置の葉押え杆５等の下側を通って
苗載替位置に下動すると、対向する苗押出子４との嵌合
によって、各保持部１５内に収容されているポット苗Ｂ
は、苗床部Ｃの端面を後方へ突き押されて、この保持部
１５の後側に押出される。このとき各ポット苗Ｂの苗床
部Ｃは苗床押板１６の下側にあり苗葉部Ｄは葉押え杆５
の下側にあって、苗ホルダー３の苗叩きアーム２７の押
叩きによりばね２８，３１等に抗して下動されるこれら
葉押え杆５と床押板１６とによって、下方の繰出ベルト
２上面に落して載せ替えられる。このとき苗床部Ｃが落
下されるよりも先行して苗葉部Ｄが葉押え杆５によって
繰出ベルト２上面に押下げられており、ポット苗Ｂの苗
身方向への移動が阻止される。

【００１１】このようにして繰出ベルト２の上面に載替
えられたポット苗Ｂは、横搬送されながら苗植付装置１
の回転によって一株毎に下方の土壌へ植付けられる。こ
の苗植付装置１や苗繰出ベルト２等は、伝動ケース１３
側から伝動される。前記苗供給台９におけるポット苗箱
Ａは、苗箱繰出装置１０において、側面Ｕ字状の苗箱通
路３２に沿って間欠的に繰出されるが、これら繰出装置
や前記ポット苗押出杆１１等は、前記伝動ケース１３側
から連動（図面省略）される。

【００１２】なお、３３は洗滌水を噴霧して前記苗押出
子４、苗ホルダー３や苗叩きアーム２７等を洗うための
ノズルである。３４はステアリングハンドル３５で操向
自在の前車輪、３６は後車輪、３７は操縦席、３８は補
助苗箱載台である。３９は前記苗植装置１の苗植付案内
板で、この左右の苗植付案内板３９間の苗植付通路４０
に沿って苗植付装置１で保持されたポット苗Ｂが下動さ
れて植付けられる。４１は前記繰出ベルト２の前端部で
苗床部Ｃの位置される部分において、各苗床部Ｃの間隔
毎に配設される仕切突起である。

【００１３】図７，図８において、上例と異なる点は、
前記洗滌ノズル３３の配置に関し、洗滌ノズル３３を繰
出ベルト２の苗植付通路４０上側において、この繰出ベ
ルト２の仕切突子４１の回転域上面に亘るように斜め下
方に向けて洗滌水を噴霧させる。洗滌ノズル３３は、こ
の繰出ベルト２の回転方向に沿うように細長く形成され
るスリット４２を形成している。これによって泥土等の
詰り易い苗植付案内体３９間の苗植付通路４０上口部へ
の噴霧量を多くして、泥溜りを防止しながら、前記繰出
ベルト２の仕切突起４１、苗ホルダー３、乃至苗叩きア
ーム等の洗滌をも行いうる。

【００１４】図１０，図１１は、前記伝動ケース１３部
における前記苗植付装置１、ポット苗押出杆１１、苗ホ
ルダー３等への伝動機構を示すもので、このうち苗ホル
ダー３への伝動機構の一部であるカム板４３や、このカ
ム板４３に形成されるカム溝４４に嵌合して案内される
カムロール４５等を内装するカムケース４６を、伝動ケ
ース１３の一側部に着脱可能に取付けて、これらのカム
機構の摩耗したときは部品交換や補修等を容易化する。
４７はその着脱の締付ボルトである。

【００１５】その各部への伝動機構について概略説明す
る。前記伝動ケース１３は、一枚のポット苗箱Ａの繰出
に対して左右一対の繰出ベルト２及び苗植付装置１によ
り、２条の苗植付を行うように伝動する構成配置で、多
条植付構成であるため、この伝動ケース１３は左右に一
定間隔にして適数配置され、これらの間隔部を横方向に
亘る駆動軸４８を軸装する駆動ケース４９で連結する。
この駆動軸４８が車体６側の動力取出軸から連動され
る。又、この駆動軸４８からは各苗植付装置１に対して
苗植付軸５０で連動され、各繰出ベルト２に対してベル
ト軸５１で連動される。

【００１６】各伝動ケース１３には、前記駆動軸４８か
らギヤ連動される伝動軸５２、及びこの伝動軸５２から
カム５３、カムアーム５４を介して回動されるレバー軸
５５等を軸装する。伝動軸５２にはクラッチ５６があっ
て、シフター５７の突出操作でこのクラッチ５６を一定
回転位置で切ることができる。伝動軸５２の一端からは
クランクアーム５８、ばね５９を介在するロッド６０等
を経て、前記ポット苗押出杆１１を往復動するための扇
形ギヤ６１機構を連動する。

【００１７】又、伝動軸５２の他端側には、カム軸６２
をギヤ連動し、このカム軸６２と一体回転のカム板４３
のカム溝４４に、前記クランク軸１９のカムロール４５
を摺動案内させて、カム軸６２の回転によってクランク
軸１９を揺動するように連動する。このクランク軸１９
からは角度調整可能のアーム６４、ばね６３を介装する
ロッド２０、アーム６５等を介して、ギヤ６６を回動
し、更にこのギヤ６６に噛合のピニオンギヤ６７を介し
て、前記苗ホルダー３の揺動アーム１８を連動する。

【００１８】このクランク軸１９やカム軸６２等を軸受
けするカムケース４６は、伝動ケース１３の外側面に対
してボルト４７で着脱自在で、伝動ケース１３内部とは
区切られた構成である。前記レバー軸５５の先端には繰
出レバー６８が設けられると共に、クランクアーム６
９、ロット７０等を苗箱繰出装置１０の繰出爪（図面省
略）に連動している。７１はこのレバー軸５５を戻り方
向へ回動する戻しばねである。前記伝動軸５２の駆動に
よってカム５３やカムアーム５４等を経て繰出爪により
苗箱繰出装置１０のポット苗箱Ａを一横列分毎繰出させ
ることができる。又、繰出レバー６８の手動操作によっ
ても繰出させることができる。

【００１９】図１２，図１３において、上例と異なる点
は、前記苗箱繰出装置１０におけるポット苗箱Ａの繰出
を、この苗箱Ａの左右両側縁部に沿って形成する送り穴
Ｅに噛合する左右一対のスプロケット７２によって行う
ものである。このスプロケット７２はスプロケット軸７
３をウォームギヤ７４とウォームホイル７５との噛合に
よって行わせて、外部からの駆動、反転やつれ回り等を
なくして、ポット苗箱Ａとの関係位置を狂わせないよう
にする。

【００２０】スプロケット７２の歯数、ポット苗箱Ａの
送り穴Ｅの数と同数にして、ポット苗箱Ａの送り始めと
送り終わりとの間の継目部Ｇに対向する部分のスプロケ
ット７２には、この継目部Ｇ間隔に相当する欠歯部７６
が形成されて、スプロケット７２の一回転によってポッ
ト苗箱Ａを丁度一枚分送り出すことのできる構成として
いる。このため、スプロケット７２の一側面にはストッ
パー７７を有し、フレーム１７側から操作されるストッ
パー７８を、スプロケット７２の回転圏内に突出させ
て、苗箱Ａの送り終位置で回転を係止させ、後続のポッ
ト苗箱Ａの送り穴Ｅの噛合を確実に一致させる構成とし
ている。これによって苗箱Ａの連続送り出しを正確に円
滑に行わせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗載替装置一部の側面図。

【図２】その作動を示す側面図。

【図３】側面図。

【図４】その一部の作動を示す側面図。

【図５】その背面図。

【図６】全体の側面図。

【図７】一部別実施例を示す苗繰出ベルト部の側面図。

【図８】その背面図。

【図９】ポット苗箱の斜視図。

【図１０】一部別実施例を示す伝動機構の正面図。

【図１１】その側面図。

【図１２】一部別実施例を示す苗箱繰出装置部の側面図
と、その斜視図。

【図１３】その正面図。

【符号の説明】

１ 苗植付装置 ２ 繰出ベルト ３ 苗ホルダー ４ 苗押出子 ５ 葉押え杆 Ａ ポット苗箱 Ｂ ポット苗 Ｃ 苗床部 Ｄ 苗葉部

フロントページの続き (72)発明者 井関 秀夫 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 名本 学 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 加藤 哲 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 福島 寿美 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 鳥津 龍之 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポット苗箱Ａから押出される多数のポッ
   ト苗Ｂを保持して苗植付装置１の繰出ベルト２上面に載
   せ替えるための苗ホルダー３と、この苗ホルダー３の苗
   載替位置におけるポット苗Ｂの苗床部Ｃ側にあってこの
   苗ホルダー３内の苗床部Ｃを苗葉部Ｄ側へ押出す苗押出
   子４と、この苗ホルダー３の苗葉部Ｄ側にあってこの苗
   葉部Ｄを下方へ押える葉押え杆５とからなり、該葉押え
   杆５で苗葉部Ｄを押し下げてから該苗押出子４で押出作
   動させることを特徴とするポット苗植機の苗載替装置。