JP3557503B2 - 多条用苗移植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、1条毎に野菜苗の移植を行う植付ユニットを、走行車に複数装備させた多条用苗移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の植付ユニットにあって株間の調節を行う株間変速機構は各ユニット毎にそれぞれ独立に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍らこのように株間変速機構を各ユニット毎に独立に設けた場合、構造も複雑化しコスト高となるばかりでなく、ユニット間の調節誤差により各条植付位置(株間)にばらつきが発生したり、操作が煩わしくなるなどの植付精度や調節操作上の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
したがって本発明は、1条毎の苗移植を行う植付ユニットを走行車に複数装備させ、単一の植付ユニット駆動系の上流側に株間変速機構を設けると共に、他の植付ユニット駆動系に株間変速機構を分配接続させて、単一の株間変速機構の変速動作でもって複数の植付ユニットの株間調節を可能とする多条用苗移植機において、走行車の後部に昇降リンク機構を介し左右の植付ユニットを装備させ、苗載台と、苗載台の苗トレイから苗を取出す苗取出爪と、該取出爪から苗を受取って圃場面に植付ける苗植付爪と、植付ミッションケースとを各植付ユニットに備え、昇降リンク機構に連結支持するツールバーに、締結板を介して左右の植付ユニットを条間調節可能に装着させると共に、締結板に支持する植付ミッションケースの横駆動軸回りに植付ユニットの前端側を上下揺動自在に支持させ、横駆動軸に株間変速機構を介して連結する株間変速軸を一側の植付ミッションケースに設け、前記横駆動軸の回転を株間変速軸を介して変速可能に左右の植付ミッションケースの苗取出力軸に伝達するもので、1箇所の株間調節操作のみで全条植付ユニットの株間調節を可能とさせて、この調節操作での能率向上化が図れ、しかも各条の植付位置(株間)間の誤差もなく植付精度を良好とさせることができる。
【0005】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は駆動系の説明図、図2は全体の側面図、図3は同平面図、図4は同背面図、図5は移植機の側面図、図6は同平面図である。図中(1)は作業者が搭乗する走行車であるトラクタであり、前後輪(2)(3)と操向ハンドル(4)と運転席(5)などを備えると共に、前記ハンドル(4)前側のボンネット(6)両側に左右予備苗台(7)を、またボンネット(6)内側にエンジンをそれぞれ配設させ、エンジンによって前後輪(2)(3)を駆動して前後進させる一方、操向ハンドル(4)によって前輪(2)を方向転換させて走行進路を変更するように構成している。
【0006】
また、トラクタ(1)の後部に昇降リンク機構(8)を介し2条植え用の左右一対の植付ユニット(9)を装備させて野菜苗(A)の移植機(10)を構成するもので、植付ユニットフレーム(11)と、該フレーム(11)に上下苗台レール(12)(13)を介して前後方向に往復摺動させる苗載台(14)と、苗載台(14)上面の苗トレイ(15)から1株分のポット苗を取出す箸形苗取出爪(16)と、該取出爪(16)からポット苗を受取って圃場面に植付けるホッパ形苗植付爪(17)と、植付爪(17)の苗植付部前方の圃場面を鎮圧する均平ローラ(18)と、植付爪(17)の苗植付部に相当する位置の畝(19)上面を切開するカッタ(20)と、該カッタ(20)と前記ローラ(18)間に設ける均平板(21)と、植付爪(17)によって植付けられたポット苗の覆土を行う左右一対の培土ローラ(22)、植付ミッションケース(23)とを各植付ユニット(9)にそれぞれ備えている。
【0007】
そして、前記植付ミッションケース(23)から各駆動部に駆動力を伝え、取出爪(16)及び植付爪(17)を所定軌跡上で苗取出及び苗植付の各動作を夫々行わせると共に、苗載台(14)の前後方向往復移動による苗横送り並びに苗載台(14)傾斜下端側への苗トレイ(15)移動による苗縦送りの各動作を夫々行わせ、所定植付け間隔でポット苗を圃場面に連続的に植付けるように構成している。
【0008】
さらに、昇降リンク機構(8)に連結支持するツールバー(24)に、締結板(25)を介して左右の植付ユニット(9)(9)を条間調節可能に装着させると共に、締結板(25)に支持する植付ミッションケース(23)の横駆動軸(26)回りに植付ユニット(9)(9)の前端側を上下揺動自在に支持させ、前記トラクタ(1)のミッションケース(27)後面に突出させるPTO軸(27a)に自在継手軸(27b)を介し昇降リンク機構(8)に連結するT形のギヤケース(28)の植付入力軸(29)を連動連結させて、各植付ユニット(9)(9)の駆動を行うように構成している。
【0009】
図7乃至図8に示す如く前記苗載台(14)は、弾性状苗トレイ(15)を略鉛直状で且つ縦長手方向に搭載して機体の前後方向に横送りするように設けてもので、植付ユニット(9)(9)のユニットフレーム(11)と一体の上下苗台レール(12)(13)に、苗載台(14)背面側の上下略中間及び下部にそれぞれ設ける複数の上部ローラ(30)及び下部ローラ(31a)(31b)を摺動自在に支持させると共に、送り駆動ケース(32)の横送りネジ軸(33)に苗載台(14)背面側の台移動子(34)を結合させて、前記ネジ軸(33)の回転でもって苗載台(14)の前後往復の横送りを行うように構成している。
【0010】
また前記苗載台(14)は、前側板(35)と後側板(36)の上下間に縦送り駆動及び遊動スプロケット軸(37)(38)を介して縦送り駆動及び遊動スプロケット(39)(40)を設けて、これらスプロケット(39)(40)間に苗トレイ(15)の各セル外底陥没部に掛合させる縦送りピン(41a)を有する縦送りチェン(41)を張架させて、苗載台(14)の前後横送り終端時前記ネジ軸(33)に連動する縦送り駆動軸(42)の縦送りカム(43)により前或いは後側板(35)(36)の外側面に配置する縦送り駆動機構(44)を動作させ、スプロケット(39)を一定量回転させて苗トレイ(15)の縦送りを行うように構成している。
【0011】
さらに苗載台(14)は、苗トレイ(15)より苗を取出して植付爪(17)の供給位置まで移動させる苗取出爪(16)の苗取出機構(45)を設けるもので、苗取出爪(16)を支持する苗取出アーム(46)をクランクアーム(47)及びロータリケース(48)を介して苗取出爪駆動軸(49)に連結させて、苗トレイ(15)に爪(16)先端を突入させる苗取出し時には、爪開閉カム(50)でもって爪(16)先端を閉状態とさせて苗を挾持すると共に、苗トレイ(15)底部より突入させる苗押出ピン(51)でもって苗(A)を爪(16)側に押出す状態とさせて苗のスムーズな取出しを行うように構成している。
【0012】
図1、図9乃至図11、図14に示す如く、前記ギヤケース(28)の植付入力軸(29)に植付ミッションケース(23)の横駆動軸(26)をベベルギヤ(52)を介し連動連結させ、植付爪(17)の駆動を行う植付ミッションケース(23)の植付出力軸(53)に、スプライン噛合せ式1回転クラッチ(上部停止カム)(54)及び減速カウンタ軸(55)(56)及びリミッタ式ユニットクラッチ(57)を介して前記駆動軸(26)を連動連結させると共に、植付爪駆動機構(58)を構成する植付伝動ケース(59)の植付爪出力軸(60)に伝動チェン(61)を介し前記出力軸(53)を連動連結させ、前記植付爪(17)の植付アーム(62)にロータリケース(63)及びリミッタ式安全クラッチ(64)を介して植付爪出力軸(60)を連動連結させて、左右2条の苗載台(15)の間でこれら植付爪駆動機構(58)によって植付爪(17)の上下植付動作を行わしめるように構成している。
【0013】
また苗載台(14)の横送り及び縦送りを行う送り駆動機構(64)の苗取出駆動軸(65)に、植付ミッションケース(23)の苗取出力軸(66)を連動連結させるもので、前記カウンタ軸(56)に連動連結する苗取駆動取出軸(67)と、該取出軸(67)に株間変速機構である株間調節用無段変速ベルト(68)を介して連動連結する株間変速軸(69)と、該変速軸(69)にチェン(70)を介し連動連結する変速伝達軸(71)と、前記苗取出力軸(66)に植付クラッチ(72)(リミッタ式安全クラッチとしても機能)を介し連動連結する植付クラッチ軸(73)と、前記伝達軸(71)とクラッチ軸(73)とを連動連結するカウンタ軸(74)とをミッションケース(23)に設けて、前記駆動軸(26)の回転を変速可能に苗取出力軸(66)に伝達するように構成している。
【0014】
前記無段変速ベルト(68)は左側の植付ミッションケース(23a)のみに設けて右側の植付ミッションケース(23b)に共用させるもので、変速ベルト(68)を有する左ミッションケース(23a)側の伝達軸(71a)と変速ベルト(68)を有しない右ミッションケース(23b)側の伝達軸(71b)とを自在継手軸(75)を介して連動連結させて、1箇所に設ける変速ベルト(68)の変速操作でもって左右ミッションケース(23a)(23b)の苗取出力軸(66)の回転出力を大小に変化させるように構成している。なおこの場合左右植付ミッションケース(23a)(23b)の各クラッチ軸(73)或いは各カウンタ軸(74)を自在継手軸(75)によって左右相互に連結させる構成でも良く、同様の結果が得られるものである。
【0015】
そして左ミッションケース(23a)の苗取出力軸(66)を左植付ユニット(9a)の苗取出駆動軸(65)にチェン(76b)及びカウンタ軸(77)を介し、また右ミッションケース(23b)の苗取出力軸(66)を右植付ユニット(9b)の苗取出駆動軸(65)にチェン(76b)を介し連動連結させる一方、左右植付ユニット(9a)(9b)の苗取出爪駆動軸(49)にチェン(78)を介し前記苗取出駆動軸(65)を連動連結させて、各苗取出爪(16)の駆動を行うように構成している。
【0016】
また前記横送りネジ軸(33)の変速切替えをギヤ(79a)でもって行う切替ギヤケース(79)の入力軸(80)に、チェン(81)を介し前記苗取出駆動軸(65)を連動連結させると共に、前記縦送り駆動軸(42)と入力軸(80)とを常噛ギヤによって連動連結させて、ネジ軸(33)及び駆動軸(42)の回転によって苗載台(14)の横送り及び苗トレイ(15)の縦送りを行うと同時に、駆動軸(42)に設ける苗押出カム(82)の作用でもって前記苗押出ピン(51)を苗トレイ(15)の底部より突入させて苗の取出しを行うように構成している。
【0017】
ところで図11にも示す如く、前記1回転クラッチ(54)の植付カム(83a)を操作する植付動作アーム(83)を植付ミッションケース(23)に設け、前記苗取出力軸(66)に設けるタイミングカム(84)と植付動作アーム(83)間を植付タイミングロッド(85)などを有する植付タイミング機構(86)を介して連動連結させて、苗取出爪(16)の1回転毎にタイミングロッド(85)により「植付入」信号として植付爪(17)側に入力させて、苗取出爪(16)に動作タイミングを適正に対応させた植付爪(17)の間欠植付動作を行わしめるように構成している。
【0018】
また、右植付ユニット(9b)側の苗取出力軸(66)に設けるタイミングカム(84)を、左植付ユニット(9a)側のカム(84)と同位相のカム体(87)と、180度逆位相のカム体(88)を有する切換カム(84a)に設けて、同位相のカム体(87)でもってタイミングロッド(85)を動作させるときには、図12に示す如く苗(A)を左右に並列に植える並木植え(B)を、また逆位相のカム体(88)でもってタイミングロッド(85)を動作させるとき、図13に示す如く左条の苗植付ピッチ(L)に対し右条の植付ピッチ(L)を1/2ピッチ(L/2)ずらして、苗(A)を千鳥状に植える千鳥植え(C)を行って、作型に合わせた移植作業を可能とさせるように構成したものである。
【0019】
本実施例は上記の如く構成するものにして、左右2条の植付ユニット(9a)(9b)の苗取駆動の変速を単一の無段変速ベルト(68)で行うことによって、2条同時の株間調節が可能にできて、株間調節作業における操作性を向上させることができると共に、左右条の植付位置の誤差を無くして植付精度を向上させることができる。また前記切換カム(84a)によって容易に並木植え(B)或いは千鳥植え(C)が可能になって作業の対応性を向上させることができる。
【0020】
なお、本構成は開孔器式の他作溝方式にも適用可能なものである。
【0021】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、1条毎の苗移植を行う植付ユニット(9)を走行車(1)に複数装備させ、単一の植付ユニット(9)駆動系の上流側に株間変速機構(68)を設けると共に、他の植付ユニット(9)駆動系に株間変速機構(68)を分配接続させて、単一の株間変速機構(68)の変速動作でもって複数の植付ユニット(9)の株間調節を可能とする多条用苗移植機において、走行車(1)の後部に昇降リンク機構(8)を介し左右の植付ユニット(9)を装備させ、苗載台(14)と、苗載台(14)の苗トレイ(15)から苗を取出す苗取出爪(16)と、該取出爪(16)から苗を受取って圃場面に植付ける苗植付爪(17)と、植付ミッションケース(23)とを各植付ユニット(9)に備え、昇降リンク機構(8)に連結支持するツールバー(24)に、締結板(25)を介して左右の植付ユニット(9)を条間調節可能に装着させると共に、締結板(25)に支持する植付ミッションケース(23)の横駆動軸(26)回りに植付ユニット(9)の前端側を上下揺動自在に支持させ、横駆動軸(26)に株間変速機構(68)を介して連結する株間変速軸(69)を一側の植付ミッションケース(23)に設け、前記横駆動軸(26)の回転を株間変速軸(69)を介して変速可能に左右の植付ミッションケース(23)の苗取出力軸(66)に伝達するもので、1箇所の株間調節操作のみで全条植付ユニット(9a)(9b)の株間調節を可能とさせて、この調節操作での能率向上化が図れ、しかも各条の植付位置(株間)間の誤差も無くして植付精度を良好とさせることができるなど顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動系の説明図である。
【図2】移植機全体の側面図である。
【図3】移植機全体の平面図である。
【図4】移植機全体の背面図である。
【図5】移植機の側面説明図である。
【図6】移植機の平面説明図である。
【図7】植付ユニットの側面説明図である。
【図8】植付ユニットの正面説明図である。
【図9】植付ミッションケース部の側面説明図である。
【図10】植付ミッションケース部の断面説明図である。
【図11】植付ミッションケース部の断面説明図である。
【図12】作業状態を示す説明図である。
【図13】作業状態を示す説明図である。
【図14】全体の駆動系の説明図である。
【符号の説明】
(1) トラクタ(走行車)
(9a)(9b)植付ユニット
(68) 無段変速ベルト(株間変速機構)

Claims (1)

  1. 1条毎の苗移植を行う植付ユニット(9)を走行車(1)に複数装備させ、単一の植付ユニット(9)駆動系の上流側に株間変速機構(68)を設けると共に、他の植付ユニット(9)駆動系に株間変速機構(68)を分配接続させて、単一の株間変速機構(68)の変速動作でもって複数の植付ユニット(9)の株間調節を可能とする多条用苗移植機において、走行車(1)の後部に昇降リンク機構(8)を介し左右の植付ユニット(9)を装備させ、苗載台(14)と、苗載台(14)の苗トレイ(15)から苗を取出す苗取出爪(16)と、該取出爪(16)から苗を受取って圃場面に植付ける苗植付爪(17)と、植付ミッションケース(23)とを各植付ユニット(9)に備え、昇降リンク機構(8)に連結支持するツールバー(24)に、締結板(25)を介して左右の植付ユニット(9)を条間調節可能に装着させると共に、締結板(25)に支持する植付ミッションケース(23)の横駆動軸(26)回りに植付ユニット(9)の前端側を上下揺動自在に支持させ、横駆動軸(26)に株間変速機構(68)を介して連結する株間変速軸(69)を一側の植付ミッションケース(23)に設け、前記横駆動軸(26)の回転を株間変速軸(69)を介して変速可能に左右の植付ミッションケース(23)の苗取出力軸(66)に伝達することを特徴とする多条用苗移植機。
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