JPH0830809B2 - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH0830809B2
JPH0830809B2 JP62188906A JP18890687A JPH0830809B2 JP H0830809 B2 JPH0830809 B2 JP H0830809B2 JP 62188906 A JP62188906 A JP 62188906A JP 18890687 A JP18890687 A JP 18890687A JP H0830809 B2 JPH0830809 B2 JP H0830809B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は強誘電性液晶を用いた液晶素子に関する。
[開示の概要] 本明細書及び図面は、強誘電性液晶を用いた液晶素子
において、少なくとも一方の透明電極と液晶層の間に二
層の誘電体層を形成し、第1層を高誘電体等、第2層を
低抵抗誘電体で形成するとともに、液晶層と接する面の
少なくとも一方に一軸配向処理を施すことにより、確実
な双安定性の付与が可能な液晶素子とする技術を開示す
るものである。
[従来の技術] 強誘電性液晶(以下、FLCという)を用いた素子に双
安定性を付与するためには、クラーク(Clark)らによ
って報告された“アプライド・フィジックス・レター
ズ”(“Applied Physics Letters")1980年,36(11)
号に述べられているように、セル厚を出来るだけ薄くす
ることが好ましい。このように液晶層の薄いセルを大量
に生産することを考えると、上下電極間のショート防止
のために絶縁層を設ける必要があり、また、液晶を均一
に配向させるには、液晶層が基板と接する面に一軸配向
処理を施すことが必要となる。そこで、従来より強誘電
性液晶を用いた液晶セルにおいては、透明基板上の少な
くとも一方に上下ショート防止層及び配向制御層を設
け、二層構造とすることが行なわれている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、一般的に上下ショート防止層に用いら
れている常誘電体においては、電気容量が小さいため印
加パルスのオフ後に印加パルスとは逆極性の成分が液晶
層に印加されることになり、スイッチングがスムーズに
行なわれず、双安定性が損なわれるという問題点があ
る。
本発明は、上記従来技術における問題点を解決し、確
実な双安定性の付与を実現する液晶素子を提供すること
を目的とする。
[問題点を解決するための手段] 第1図は本発明の基本構成を示す説明図である。第1図
において、液晶セル10の基板1上には透明電極2が形成
され、少なくとも一方の透明電極2上には高誘電率を有
する物質または強誘電体物質よりなる上下ショート防止
層3、及び低抵抗ポリマーよりなる配向制御層4が形成
されている。また両基板1は透明電極2が互いに対向す
るよう配置され、基板間にはFLC5が挟持されている。
上下ショート防止層3としては、誘電率εが測定周波
数20kHzにおいて10以上、好ましくは20以上の物質が用
いられる。層厚は50〜3000Å、特に100〜2000Åの範囲
に設定することが好ましい。
配向制御層4としては、有機系材料であればポリイミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリアミドイミド、ポリエ
ステル、ナイロン等の樹脂が用いられ、一軸配向処理と
してラビング処理が施される。
一軸配向処理により均一に液晶を配向させ得る物質
は、特に上記例示物質に限定されるものではなく、同様
に機能し得るものであれば、他の公知物質一般において
適用可能である。
また、配向制御層4の体積抵抗値は1010Ωcm以下であ
る。
[作用] 第2図はFLCを単極性のパルスで第1の配向状態から
第2の配向状態に反転させる場合の電圧波形図である。
図において、(a)の駆動パルスを印加した時の液晶層
には、セル構成によって(b)あるいは(c)のような
波形が印加されることになる。前述したように、上下シ
ョート防止層として常誘電体を用いた時には、(b)に
示すようにパルスのオフ後に印加パルスとは逆極性の成
分が液晶層に印加される。一方、本発明によるセル構成
の場合は、液晶層には(c)のように駆動を助ける電圧
がパルスオフ後も続けて印加されることになり、スイッ
チングが安定して行なわれる。
一般にFLCセルを等価回路として考えると、上下ショ
ート防止層−配向制御層−液晶層のそれぞれに対応する
コンデンサーが直列に連結した形になる。上下ショート
防止層−配向制御層の二層絶縁層の電気容量とFLC層の
電気容量との関係において、外部から印加された波形に
対する液晶層にかかる印加波形が決められ、二層絶縁層
の電気容量が大きい程双安定性が良くなる。
本発明において、上下ショート防止層を高誘電体ある
いは強誘電体にする理由は二層絶縁層の電気容量を大き
くするためであり、配向制御層の体積抵抗を1010Ωcm以
下にする理由は、一軸配向処理(ラビング法、斜方蒸着
法など)を施して均一な液晶の配向が得られる配向材は
一般に高抵抗であるため、低抵抗(1010Ωcm以下)にす
ることで配向制御層での抵抗分による電気容量の損失を
抑えるためである。
[実施例] 実施例1〜6及び比較例1〜2 第1図に示すセル構成において、上下ショート防止層
3及び配向制御層4を下記表1に示す条件で作成した。
以上、全ての実施例及び比較例の基板にそれぞれラビ
ング処理を施した。
次に、各基板を平行となるようにセル組みし、液晶物
質としてCS1018(チッソ(株)社製) を等方相で注入後、0.5℃/分の速度で徐冷して液晶セ
ルを得た。
このようにして得られた液晶セルを用い、そのスイッ
チング特性を観測した。双安定性の評価は、第3図
(a)に示すような単極性パルスの極性を交互に変化さ
せ、パルスオフ後の液晶の挙動を調べた。なお、液晶セ
ルは2枚の偏光板を直交ニコルに挟んで配置し、そのセ
ルに上記(a)のパルスを印加した。
実施例1〜6のセルについて光学応答をホトマルチメ
ーターで検知したところ、良好な双安定性を得ることが
できた。その中の代表例として、実施例1のセルにおけ
る光学応答を第3図(b)に示す。(b)においては、
パルスオフ後の液晶状態がパルスで規定された状態を保
っており、双安定性を示すことが確認された。
以上実施例1〜6については、両面に上下ショート防
止層を設けたセルについての結果であるが、実施例1〜
3については片面の基板のみに上下ショート防止層を設
けたものについても実験を行なった。片面の基板のみに
設けた場合であっても、前述した両面に設けた場合と同
様の結果が得られた。
比較例1,2のセルについて光学応答をホトマルチメー
ターで検知したところ、双安定性は得られなかった。比
較例1のセルにおける印加パルス及び光学応答を第4図
に示す。第4図(b)においては、パルスオフ後の液晶
状態がパルスで規定された状態に保たれておらず、逐次
減少する傾向を示しており、双安定性が実現されていな
いことが確認された。
[発明の効果] 施例1のセルにおける光学応答を第3図(b)に示す。
(b)においては、パルスオフ後の液晶状態がパルスで
規定された状態を保っており、双安定性を示すことが確
認された。
以上実施例1〜6については、両面に上下ショート防
止層を設けたセルについての結果であるが、実施例1〜
3については片面の基板のみに上下ショート防止層を設
けたものについても実験を行なった。片面の基板のみに
設けた場合であっても、前述した両面に設けた場合と同
様の結果が得られた。
比較例1,2のセルについて光学応答をホトマルチメー
ターで検知したところ、双安定性は得られなかった。比
較例1のセルにおける印加パルス及び光学応答を第4図
に示す。第4図(b)においては、パルスオフ後の液晶
状態がパルスで規定された状態に保たれておらず、逐次
減少する傾向を示しており、双安定性が実現されていな
いことが確認された。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、二層の絶縁層
の第1層を高誘電体等で形成し、第2層を低抵抗誘電体
で形成することにより、絶縁層の電気容量を大きくする
ことができるため、液晶層に対して確実な双安定性が付
与されることになり、液晶のスイッチングをよりスムー
ズなものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構成を示す説明図、第2図は駆動
パルスの電圧波形図、第3図及び第4図は実施例,比較
例における印加波形と光学応答との関係を示す図であ
る。 1:基板、2:透明電極、3:上下ショート防止層、4:配向制
御層、5:強誘電性液晶(FLC)、10:液晶セル。
フロントページの続き (72)発明者 羽生 由紀夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−170726(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極を設けた一対の基板間に液晶物質
    を挟持してなるセル構造の液晶素子において、少なくと
    も一方の透明電極と液晶層の間に二層の誘電体層が形成
    され、透明電極側から第1層が高誘電率を有する物質ま
    たは強誘電体物質からなる層であり、第2層が体積抵抗
    値が1010Ωcm以下である低抵抗ポリマーからなる層であ
    って、且つ前記液晶層との界面には一軸配向処理が施さ
    れていることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】前記第2層の一軸配向処理がラビング処理
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    液晶素子。
  3. 【請求項3】前記第1層の高誘電率を有する物質または
    強誘電体物質が、チタン酸化物、チタン酸化合物、ある
    いはこれらを一成分含んだ多成分物質であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】前記第1層の高誘電率を有する物質または
    強誘電体物質の誘電率が、測定周波数20kHzにおいて20
    以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項ない
    し第3項に記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】前記液晶物質が強誘電性液晶であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4項に記載の
    液晶素子。
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AT88109392T ATE131290T1 (de) 1987-06-12 1988-06-13 Vorrichtung mit einem ferroelektrischen flüssigkristall.
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