JP2548592B2 - 強誘電性液晶素子 - Google Patents
強誘電性液晶素子Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ディスプレイやプリンターヘッド等に応用
される強誘電性液晶素子に関する。
される強誘電性液晶素子に関する。
[従来の技術] 従来より多用されて来たネマチック液晶に代って、近
年強誘電性液晶素子の開発が重視されつつある。強誘電
性液晶素子は、セルの構成方法によって双安定性をもた
せることができるので、高時分割の液晶表示素子の実現
が期待できる。
年強誘電性液晶素子の開発が重視されつつある。強誘電
性液晶素子は、セルの構成方法によって双安定性をもた
せることができるので、高時分割の液晶表示素子の実現
が期待できる。
第2図は、強誘電性液晶セルの例を模式的に描いたも
のである。21aと21bは、In2O3,SnO2やITO(インジウム
チン オキサイド:Indium Tin Oxide)等の透明電極
がコートされた基板(ガラス板)であり、その間に液晶
分子層22がガラス面と垂直になるように配向したSmC*
相の液晶が封入されている。太線で示された線23が液晶
分子を表わしていて、この液晶分子23は、その分子に直
交する方向に双極子モーメント(P⊥)24を有してい
る。基板21aと21b上の電極間に一定に閾値以上の電圧を
印加すると、液晶分子23のらせん構造がほどけ、双極子
モーメント(P⊥)24はすべて電界方向へ向くように、
液晶分子23の配向方向を変えることができる。液晶分子
23は細長い形状で、その長軸方向と短軸方向とで屈折率
異方性を示し、従って、例えばガラス面の上下に互いに
クロスニコルの位置関係に配置した偏光子を置けば、電
圧印加極性によって光学特性が変わる液晶光学変調素子
となることは、容易に理解される。
のである。21aと21bは、In2O3,SnO2やITO(インジウム
チン オキサイド:Indium Tin Oxide)等の透明電極
がコートされた基板(ガラス板)であり、その間に液晶
分子層22がガラス面と垂直になるように配向したSmC*
相の液晶が封入されている。太線で示された線23が液晶
分子を表わしていて、この液晶分子23は、その分子に直
交する方向に双極子モーメント(P⊥)24を有してい
る。基板21aと21b上の電極間に一定に閾値以上の電圧を
印加すると、液晶分子23のらせん構造がほどけ、双極子
モーメント(P⊥)24はすべて電界方向へ向くように、
液晶分子23の配向方向を変えることができる。液晶分子
23は細長い形状で、その長軸方向と短軸方向とで屈折率
異方性を示し、従って、例えばガラス面の上下に互いに
クロスニコルの位置関係に配置した偏光子を置けば、電
圧印加極性によって光学特性が変わる液晶光学変調素子
となることは、容易に理解される。
さらに液晶セルの厚さを充分に薄くした場合(例えば
1μ)には、第3図に示すように、電界を印加していな
い状態でも、液晶分子のらせん構造はほどけ(非らせん
構造)、その双極性モーメントPa又はPbは各々上向き
(34a)又は下向き(34b)のどちらかの状態をとる。
1μ)には、第3図に示すように、電界を印加していな
い状態でも、液晶分子のらせん構造はほどけ(非らせん
構造)、その双極性モーメントPa又はPbは各々上向き
(34a)又は下向き(34b)のどちらかの状態をとる。
このように界面効果により、液晶分子のらせん構造を
ほどいた液晶セルを表面安定型強誘電性液晶セル(SSFL
Cセル)と呼ぶ。SSFLCセルに第3図に示す如く一定の閾
値以上の極性の異なる電界Ea又はEbを所定時間付与する
と、双極子モーメントは電界Ea又はEbの電界ベクトルに
対応して上向き(34a)又は下向き(34b)と向きを変
え、それに応じて液晶分子は第1の配向状態33aもしく
は第2の配向状態33bのいずれか一方に配向する。
ほどいた液晶セルを表面安定型強誘電性液晶セル(SSFL
Cセル)と呼ぶ。SSFLCセルに第3図に示す如く一定の閾
値以上の極性の異なる電界Ea又はEbを所定時間付与する
と、双極子モーメントは電界Ea又はEbの電界ベクトルに
対応して上向き(34a)又は下向き(34b)と向きを変
え、それに応じて液晶分子は第1の配向状態33aもしく
は第2の配向状態33bのいずれか一方に配向する。
このような強誘電性液晶を光学変調素子として用いる
ことの利点は、応答速度が極めて速いことと、液晶分子
の配向が双安定状態を有することであって、例えば、第
3図において、電界Eaを印加すると液晶分子は第1の配
向状態33aに配向するが、この状態は電界を切っても安
定である。また、逆向きの電界Ebを印加すると液晶分子
は第2の配向状態33bに配向して、その分子の向きを変
えるが、やはり電界を切ってもこの状態に留まる。ま
た、与える電界Ea又はEbが一定の閾値を越えない限り、
それぞれの配向状態はやはり維持されている。このよう
な応答速度の速さと、双安定性が有効に実現されるに
は、セルとしては出来るだけ薄い方が好ましく、一般的
には、1.5μ〜20μ、特に1μ〜5μが適している。こ
の種の強誘電性液晶を用いたマトリクス電極構造を有す
る液晶−電気光学装置は、例えばクラークとラガバルに
より、米国特許第4367924号明細書で提案されている。
ことの利点は、応答速度が極めて速いことと、液晶分子
の配向が双安定状態を有することであって、例えば、第
3図において、電界Eaを印加すると液晶分子は第1の配
向状態33aに配向するが、この状態は電界を切っても安
定である。また、逆向きの電界Ebを印加すると液晶分子
は第2の配向状態33bに配向して、その分子の向きを変
えるが、やはり電界を切ってもこの状態に留まる。ま
た、与える電界Ea又はEbが一定の閾値を越えない限り、
それぞれの配向状態はやはり維持されている。このよう
な応答速度の速さと、双安定性が有効に実現されるに
は、セルとしては出来るだけ薄い方が好ましく、一般的
には、1.5μ〜20μ、特に1μ〜5μが適している。こ
の種の強誘電性液晶を用いたマトリクス電極構造を有す
る液晶−電気光学装置は、例えばクラークとラガバルに
より、米国特許第4367924号明細書で提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、強誘電性液晶(FLD)セルでは、分子
がねじれた構造をとりやすく、このために、直流電圧を
印加した時のチルト角に比べて、無電界時のチルト角
(以下、見かけのチルト角と称す)が小さくなって、光
シャッターとした時のコントラストが低下するという問
題があった。
がねじれた構造をとりやすく、このために、直流電圧を
印加した時のチルト角に比べて、無電界時のチルト角
(以下、見かけのチルト角と称す)が小さくなって、光
シャッターとした時のコントラストが低下するという問
題があった。
本発明は、この様な従来技術の問題を解決するために
なされたものであり、有機配向膜を使用した強誘電性液
晶セルにおいて、ラビング処理を施した有機配向膜にイ
オンビームを斜め方向から照射した配向層を使用するこ
とにより、見かけのチルト角を増加し、光シャッターと
した時のコントラストを改善した強誘電性液晶素子を提
供することを目的とするものである。
なされたものであり、有機配向膜を使用した強誘電性液
晶セルにおいて、ラビング処理を施した有機配向膜にイ
オンビームを斜め方向から照射した配向層を使用するこ
とにより、見かけのチルト角を増加し、光シャッターと
した時のコントラストを改善した強誘電性液晶素子を提
供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は、一対の対向する基板間に強誘電性液
晶を挟持してなる強誘電性液晶セルにおいて、ラビング
による一軸性配向処理を施した有機配向膜にイオンビー
ムを斜め方向から照射した配向層を有することを特徴と
する強誘電性液晶素子である。
晶を挟持してなる強誘電性液晶セルにおいて、ラビング
による一軸性配向処理を施した有機配向膜にイオンビー
ムを斜め方向から照射した配向層を有することを特徴と
する強誘電性液晶素子である。
本発明において、ラビングによる一軸性配向処理を施
した有機配向膜としては、ポリイミド、ポリビニルアル
コール、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイ
ド等が用いられ、ラビング処理は特に限定することはな
く、通常の方法で一軸性配向処理を施したものでよい。
した有機配向膜としては、ポリイミド、ポリビニルアル
コール、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイ
ド等が用いられ、ラビング処理は特に限定することはな
く、通常の方法で一軸性配向処理を施したものでよい。
本発明において、配向層はラビングにより一軸性配向
処理を施した有機配向層にイオンビームを斜め方向から
照射したものが用いられ、有機配向膜に施されたラビン
グ方向とイオンビームの照射方向とは互いに逆方向であ
るか、あるいは同方向となる様にいずれに処理されたも
のでもよい。この場合、イオンビームの斜め方法からの
照射は、基板法線に対する入射角として1゜〜89゜、好
ましくは45.0゜〜60.0゜の範囲が望ましい。
処理を施した有機配向層にイオンビームを斜め方向から
照射したものが用いられ、有機配向膜に施されたラビン
グ方向とイオンビームの照射方向とは互いに逆方向であ
るか、あるいは同方向となる様にいずれに処理されたも
のでもよい。この場合、イオンビームの斜め方法からの
照射は、基板法線に対する入射角として1゜〜89゜、好
ましくは45.0゜〜60.0゜の範囲が望ましい。
本発明に係わる強誘電性液晶素子は、基板上に形成さ
れた透明電極の上に前記配向層を設けた一対の基板を、
2つの配向層の有機配向膜に施されている一軸性配向処
理のラビング方向が互いに逆方向となるか、あるいは同
方向となる様に対向して設けることができる。
れた透明電極の上に前記配向層を設けた一対の基板を、
2つの配向層の有機配向膜に施されている一軸性配向処
理のラビング方向が互いに逆方向となるか、あるいは同
方向となる様に対向して設けることができる。
また、本発明に係わる強誘電性液晶素子に用いられて
いる配向層は、ラビング処理を施した有機配向膜にアル
ゴン等のイオンビームを斜め方向から照射して形成され
ているために、有機配向膜のラビング処理により熱変性
を受けて結晶性が良好になっている部分に、イオンビー
ムが斜め方向から照射され複数の穴が斜め方法に非常に
緻密に形成され、あるいはケミカルエッチングが行なわ
れて緻密でなめらかな表面が形成された状態を呈してい
るものと思われる。
いる配向層は、ラビング処理を施した有機配向膜にアル
ゴン等のイオンビームを斜め方向から照射して形成され
ているために、有機配向膜のラビング処理により熱変性
を受けて結晶性が良好になっている部分に、イオンビー
ムが斜め方向から照射され複数の穴が斜め方法に非常に
緻密に形成され、あるいはケミカルエッチングが行なわ
れて緻密でなめらかな表面が形成された状態を呈してい
るものと思われる。
上記と事実は、例えばPVA配向膜を用いた場合、本発
明における配向層において配向された液晶分子のプレテ
ィルト角が減少していることからも把持することができ
る。即ち、通常のラビング処理を施したポリビニルアル
コールの有機配向膜においては、チッ素社製のCS1014の
強誘電性液晶を用いた場合において、プレティルト角は
3゜〜5゜程度であるが、本発明における前記ポリビニ
ルアルコールの有機配向膜にイオンビームを斜め方向か
ら照射してなる配向層においては、それ以下のプレティ
ルト角を示し、0゜〜1゜の範囲に減少している。
明における配向層において配向された液晶分子のプレテ
ィルト角が減少していることからも把持することができ
る。即ち、通常のラビング処理を施したポリビニルアル
コールの有機配向膜においては、チッ素社製のCS1014の
強誘電性液晶を用いた場合において、プレティルト角は
3゜〜5゜程度であるが、本発明における前記ポリビニ
ルアルコールの有機配向膜にイオンビームを斜め方向か
ら照射してなる配向層においては、それ以下のプレティ
ルト角を示し、0゜〜1゜の範囲に減少している。
一方、ポリイミド配向膜など、本来、プレティルト角
の小さい配向膜では、プレティルト角のイオンビーム照
射に由来する大きな変化は観測できないが、PVAと同様
に表面が改質されるものと考えられる。
の小さい配向膜では、プレティルト角のイオンビーム照
射に由来する大きな変化は観測できないが、PVAと同様
に表面が改質されるものと考えられる。
[作 用] 本発明の強誘電性液晶素子は、有機配向膜にラビング
処理を施すことによって、有機配向膜表面の光学的異方
性が増加し、膜の結晶性が増加するとともに、プレティ
ルト角を引きおこす方向性をもったうねりが生じると考
えられる。このため、前記ラビング処理を施した有機配
向膜にイオンビームを斜め方向から照射すると、上記光
学異方性に沿って、有機配向膜のエッチング速度に異方
性が生じ、特に分子のプレティルト角を引きおこすうね
りが選択的に平滑化された緻密で、かつ分子配向に対し
て方向性をもった表面が実現される。この緻密は表面構
造に由来する表面分子の動きやすさによって見かけのプ
レティルト角が増加し、光シャッターとした時のコント
ラストが増加するものと推定される。
処理を施すことによって、有機配向膜表面の光学的異方
性が増加し、膜の結晶性が増加するとともに、プレティ
ルト角を引きおこす方向性をもったうねりが生じると考
えられる。このため、前記ラビング処理を施した有機配
向膜にイオンビームを斜め方向から照射すると、上記光
学異方性に沿って、有機配向膜のエッチング速度に異方
性が生じ、特に分子のプレティルト角を引きおこすうね
りが選択的に平滑化された緻密で、かつ分子配向に対し
て方向性をもった表面が実現される。この緻密は表面構
造に由来する表面分子の動きやすさによって見かけのプ
レティルト角が増加し、光シャッターとした時のコント
ラストが増加するものと推定される。
[実施例] 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例1 第1図は本発明の強誘電性液晶素子の一実施例を示す
断面図である。同図に示す素子を下記の方法により作製
した。
断面図である。同図に示す素子を下記の方法により作製
した。
先ず、液晶を支持するガラス基板2の上に、EB蒸着法
により膜厚約1000ÅのITOの透明電極3をパターン形成
し、該透明電極3上にスパッタ法によって膜厚約500Å
のSiO2膜を形成した。
により膜厚約1000ÅのITOの透明電極3をパターン形成
し、該透明電極3上にスパッタ法によって膜厚約500Å
のSiO2膜を形成した。
次いで、前記SiO2膜上に、ポリイミド(SP−710:東レ
社製)を2%DMAC溶液としてスピンナー塗布した後、30
0℃にて焼成し、膜厚約500Åの有機配向膜を形成した。
該有機配向膜上をアセテート布でラビングによる一軸性
配向処理を施した後、斜め方向から有機配向膜にイオン
ビームを照射して配向層4を形成した。
社製)を2%DMAC溶液としてスピンナー塗布した後、30
0℃にて焼成し、膜厚約500Åの有機配向膜を形成した。
該有機配向膜上をアセテート布でラビングによる一軸性
配向処理を施した後、斜め方向から有機配向膜にイオン
ビームを照射して配向層4を形成した。
ここで配向層4は、詳しくはミラトロン社(MILLATOR
N社)製のイオンビーム発生装置を用い、3×10-6torr
の真空度にした後に、Arガスを導入して、2.1×10-5tor
rに安定させ、イオン密度に関係するイオンソース電流
を200mA、イオン速度と関係するアウト プット(OUT P
UT)電圧を1kVに設定して、イオンビームを20msecだけ
照射して形成した。イオンビームの基板法線に対する入
射角は52.5゜とした。
N社)製のイオンビーム発生装置を用い、3×10-6torr
の真空度にした後に、Arガスを導入して、2.1×10-5tor
rに安定させ、イオン密度に関係するイオンソース電流
を200mA、イオン速度と関係するアウト プット(OUT P
UT)電圧を1kVに設定して、イオンビームを20msecだけ
照射して形成した。イオンビームの基板法線に対する入
射角は52.5゜とした。
また、第1図に示す様に、6はラビング方向を示し、
7はイオンビームの照射方向を示す。ここでは特にラビ
ング方向とイオンビーム方向とは互いに逆となる様にイ
オンビームを照射した。
7はイオンビームの照射方向を示す。ここでは特にラビ
ング方向とイオンビーム方向とは互いに逆となる様にイ
オンビームを照射した。
この様にして得られた2枚の基板を、上下の基板にお
けるラビング方向が互いに逆になる様に対向せしめて、
シーリング部材を使用し、セルギャップをコントロール
する目的で、SiO2の粒子をセル内に均一に散布し、上下
基板間隔を約1μmになる様に貼り合せた。強誘電性液
晶5として、チッソ社製CS−1014を注入したセルを作製
した。セルの外側には偏向板1を設けた。
けるラビング方向が互いに逆になる様に対向せしめて、
シーリング部材を使用し、セルギャップをコントロール
する目的で、SiO2の粒子をセル内に均一に散布し、上下
基板間隔を約1μmになる様に貼り合せた。強誘電性液
晶5として、チッソ社製CS−1014を注入したセルを作製
した。セルの外側には偏向板1を設けた。
このようにして作製したセルは、見かけのチルド角は
15゜に増加し、光シャッターしてしたときのコントラス
トは55に増加した。
15゜に増加し、光シャッターしてしたときのコントラス
トは55に増加した。
比較例1 実施例1において、イオンビームを照射しないで、そ
れ以外は実施例1と同様にしてセルを作製した。このセ
ルの見かけのチルト角は約7゜で、コントラストは可視
域において2〜5程度であった。
れ以外は実施例1と同様にしてセルを作製した。このセ
ルの見かけのチルト角は約7゜で、コントラストは可視
域において2〜5程度であった。
比較例2 実施例1において、有機配向膜にラビングによる一軸
製配向処理を施さないで、それ以外は実施例1と同様に
してセルを作製した。このセルの見かけのチルト角は約
7゜で、コントラストは可視域において2〜5程度であ
った。
製配向処理を施さないで、それ以外は実施例1と同様に
してセルを作製した。このセルの見かけのチルト角は約
7゜で、コントラストは可視域において2〜5程度であ
った。
実施例2 第4図は本発明の強誘電性液晶素子の他の実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
実施例2は、実施例1とは異なる性質の有機配向膜を
用いたこと、およびラビング方向とイオンビームの照射
方向の相対的な関係が異なることを除いて、実施例1と
同様に行なった。
用いたこと、およびラビング方向とイオンビームの照射
方向の相対的な関係が異なることを除いて、実施例1と
同様に行なった。
すなわち、特にラビングを施した表面安定型強誘電性
液晶セルにおいて、クロスニコル下で第1の配向状態と
第2の配向状態の分光特性が略等しい位置において、検
光子を入射光の進行方向に右ネジが進行する方向に+15
゜回転させた時の第1の配向状態に対する分光特性と、
検光子を−15゜回転された時の第2の配向状態に対する
分光特性が互いに略等しいことを特徴とする有機配向膜
を用いた。
液晶セルにおいて、クロスニコル下で第1の配向状態と
第2の配向状態の分光特性が略等しい位置において、検
光子を入射光の進行方向に右ネジが進行する方向に+15
゜回転させた時の第1の配向状態に対する分光特性と、
検光子を−15゜回転された時の第2の配向状態に対する
分光特性が互いに略等しいことを特徴とする有機配向膜
を用いた。
特に、上記有機配向膜として、ポリビニルアルコール
(PVA)膜を用い、イオンビームの基板法線に対する入
射角は52.5゜とした。また、ラビング方向とイオンビー
ムの照射方向とは互いに同方向となることを特徴とし、
かつ、上下の基板における有機配向膜のラビング方向は
互いに同方向となる様に2枚の基板を対向させたことを
特徴とする。
(PVA)膜を用い、イオンビームの基板法線に対する入
射角は52.5゜とした。また、ラビング方向とイオンビー
ムの照射方向とは互いに同方向となることを特徴とし、
かつ、上下の基板における有機配向膜のラビング方向は
互いに同方向となる様に2枚の基板を対向させたことを
特徴とする。
本実施例によって見かけのチルト角は12.5゜に増加
し、光シャッターとしたときのコントラストは55に増加
した。
し、光シャッターとしたときのコントラストは55に増加
した。
実施例3 実施例3は実施例1とは異なる性質の有機配向膜であ
るポリビニルアルコール膜を用いたことを除いて実施例
1と同様に行なった。
るポリビニルアルコール膜を用いたことを除いて実施例
1と同様に行なった。
本実施例によって、見かけのチルト角は室温において
14.0゜に増加し、光シャッターとしたときのコントラス
トは55に増加し、特に、明状態の透過率は33%まで増加
した。
14.0゜に増加し、光シャッターとしたときのコントラス
トは55に増加し、特に、明状態の透過率は33%まで増加
した。
また、第5図に本実施例により得られた強誘電性液晶
素子の光学応答の波形図を示す。同図に示す如く、明状
態から暗状態の光学応答に対して分子がねじれた構造に
特有のバウンド状の光学応答が目立たなくなり、ちらつ
きの原因の一つが改善されたことが認められる。
素子の光学応答の波形図を示す。同図に示す如く、明状
態から暗状態の光学応答に対して分子がねじれた構造に
特有のバウンド状の光学応答が目立たなくなり、ちらつ
きの原因の一つが改善されたことが認められる。
ここで、第5図は、オシロ用ポラロイドカメラ(Tekt
ronix C−4 CRT CAMERA,0.8MAG)を用いて、オシロ上の
光学応答を撮影した写真の波形図である。ただし、印加
パルスは200μsec、20Vの単発パルスを使用した。
ronix C−4 CRT CAMERA,0.8MAG)を用いて、オシロ上の
光学応答を撮影した写真の波形図である。ただし、印加
パルスは200μsec、20Vの単発パルスを使用した。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、ラビングによ
り一軸性配向処理を施した有機配向膜にイオンビームを
斜め照射した配向層を有する強誘電性液晶素子によっ
て、見かけのチルト角を増加し、光シャッターとした時
のコントラストを改善することができた。
り一軸性配向処理を施した有機配向膜にイオンビームを
斜め照射した配向層を有する強誘電性液晶素子によっ
て、見かけのチルト角を増加し、光シャッターとした時
のコントラストを改善することができた。
第1図は本発明の強誘電性液晶素子の一実施例を示す断
面図、第2図は強誘電性液晶セルの模式図、第3図は表
面安定型強誘電性液晶セルの模式図、第4図は本発明の
強誘電性液晶素子の他の実施例を示す断面図、第5図は
実施例3の強誘電性液晶素子の光学応答の波形図を示
す。 1……偏光板、2……ガラス基板 3……透明電極、4……配向層 5……強誘電性液晶、6……ラビング方向 7……イオンビーム方向
面図、第2図は強誘電性液晶セルの模式図、第3図は表
面安定型強誘電性液晶セルの模式図、第4図は本発明の
強誘電性液晶素子の他の実施例を示す断面図、第5図は
実施例3の強誘電性液晶素子の光学応答の波形図を示
す。 1……偏光板、2……ガラス基板 3……透明電極、4……配向層 5……強誘電性液晶、6……ラビング方向 7……イオンビーム方向
Claims (5)
- 【請求項1】一対の対向する基板間に強誘電性液晶を挟
持してなる強誘電性液晶セルにおいて、ラビングによる
一軸性配向処理を施した有機配向膜にイオンビームを斜
め方向から照射した配向層を有することを特徴とする強
誘電性液晶素子。 - 【請求項2】有機配向膜に施されたラビング方向とイオ
ンビームの照射方向とが互いに逆方向である特許請求の
範囲第1項記載の強誘電性液晶素子。 - 【請求項3】有機配向膜に施されたラビング方向とイオ
ンビームの照射方向とが互いに同方向である特許請求の
範囲第1項記載の強誘電性液晶素子。 - 【請求項4】一対の基板が、基板上に設けられた配向層
のラビング方向が互いに逆となる様に対向して設けられ
ている特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項
記載の強誘電性液晶素子。 - 【請求項5】一対の基板が、基板上に設けられた配向層
のラビング方向が同じ向きとなる様に対向して設けられ
ている特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項
記載の強誘電性液晶素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32967187A JP2548592B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 強誘電性液晶素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32967187A JP2548592B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 強誘電性液晶素子 |
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