JPH0792439A - 強誘電性液晶パネル及び強誘電性液晶表示装置 - Google Patents

強誘電性液晶パネル及び強誘電性液晶表示装置

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JPH0792439A
JPH0792439A JP23990093A JP23990093A JPH0792439A JP H0792439 A JPH0792439 A JP H0792439A JP 23990093 A JP23990093 A JP 23990093A JP 23990093 A JP23990093 A JP 23990093A JP H0792439 A JPH0792439 A JP H0792439A
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健次 中尾
Hiroyuki Onishi
博之 大西
Hisahide Wakita
尚英 脇田
Kazuya Nagao
一矢 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期状態はもとより長時間駆動後も応答不良
領域が発生することなく、コントラストの低下もない良
好な表示を保つことが可能な強誘電性液晶パネルを提供
する。 【構成】 基板11、12に挟持された強誘電性液晶1
6を備えた強誘電性液晶パネルは60℃で電界処理が施
されている。−20℃〜60℃の保存温度範囲におい
て、強誘電性液晶16は15度以下1度以上の層の屈曲
角度をとる。従って、パネル面内における層構造の変形
の発生を防ぐことができ、さらに、電界処理後の初期状
態におけるジグザグ欠陥の発生を抑制することができ
る。また、強誘電性液晶16の自発分極量は30nC/
cm2 以下であり、単位面積当りのイオン量は5000
nC/cm2 以下である。これにより、連続駆動による
層の断面構造の変化を抑え、層の屈曲角度の局所的な増
大を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶パネル及びそれを
用いた液晶表示装置に関し、特に、液晶材料として強誘
電性液晶を使用する強誘電性液晶パネル及びそれを用い
た強誘電性液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2μm程度の薄いパネルに封入され薄膜
化された強誘電性液晶では分子の配列方向において2つ
の限られた状態が安定になる。この強誘電性液晶パネル
に印加する電界の極性を反転させることによって、前記
2つの安定状態間のスイッチングを行なうことができ
る。
【0003】強誘電性液晶には高温側に強誘電性を示さ
ない液晶相である非強誘電性相が存在し、この非強誘電
性相から冷却した直後の強誘電性液晶の状態を第1状態
とすると、第1状態では先に述べた2つの安定状態にお
ける分子の配列方向間の角度2θeff は比較的小さな値
を示す。これは強誘電性液晶の層の構造が大きく屈曲し
た状態にあるためである。
【0004】第1状態の強誘電性液晶パネルに室温で低
周波交番電界を印加すると、2つの安定状態の分子の配
列方向間の角度は大きくなる。この状態を第2状態とす
る。また、このときの分子の配列方向間の角度を2θin
t とする。
【0005】従来の強誘電性液晶パネルにおいてはこの
ような第2状態を用いて表示駆動を行なっていた(特開
昭62−161123公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の強誘
電性液晶パネルにおいては、室温で電界処理が行なわれ
ているため、温度変動が生じた場合に、表示していたパ
ターンに従ってコントラストが部分的に低下するという
問題点がある。このコントラストの低下は非常に微少な
ものではあるが、明確なパターンとして発生するため、
わずかなコントラストの違いも容易に認識される。
【0007】そこで、このような問題点の解決策とし
て、低周波交番電界を印加する電界処理を高温で行なう
手法が考えられる(長尾一矢 他 Japanese Journal o
f Applied Physics Vol.30, No7A, July, 1991 ppL1189
-L1191、第17回液晶討論会予稿集 p386-387参照)。
【0008】しかしながら、高温で電界処理を行なった
強誘電性液晶パネルにおいては、電界処理を行なった温
度以下では、部分的なコントラストの低下は発生しない
ことを見いだしたが、電界処理後の初期状態において画
面の一部に液晶が応答しない筋状領域が発生しやすいと
いう問題点がある。また、初期状態では良好な表示が得
られる場合にも、強誘電性液晶パネルを長時間に亙って
駆動すると、画面の一部に液晶が応答しない筋状の領域
が発生するという問題点がある。
【0009】本発明は、前記問題点を一挙に解決するも
のであって、初期状態はもとより長時間駆動後も応答不
良領域が発生することなく、コントラストの低下もない
良好な表示を保つことが可能な強誘電性液晶パネル及び
それを用いた強誘電性液晶表示装置を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、従来の強誘電性液晶パネル及びその解決策の問題点
についてさらに考察した結果、以下のようなことが判明
した。
【0011】室温で低周波交番電界を印加した強誘電性
液晶の場合、温度変動があると強誘電性液晶が持つ層構
造のパネル面内での層法線方向が変化し、コントラスト
が低下するいう現象を見いだした。この層法線方向の変
化は表示していたパターンに従って発生する。この現象
は以下のように解釈できる。
【0012】現在、強誘電性液晶は明確な層構造をとる
ことが知られている。そして、高温側の非強誘電性相よ
り冷却した直後の強誘電性液晶の第1状態では層の断面
構造は大きく屈曲した構造をとっている。
【0013】通常、強誘電性液晶の層構造の層間隔は低
温で短く高温で長いことが知られている。これは、温度
低下に伴い、層法線方向に対する分子の配列方向の角度
ψが増加することによる。層間隔は分子の長さのCOS
ψ倍で決定されるためである。このように、層間隔の変
動が発生すると、それぞれの層の体積を一定にするため
に層間隔変動に従って層の長さが変化する。このため、
温度が下がるに従って層間隔が小さく層の長さが長くな
るため、結果として、層の断面構造がひらがなの「く」
の字のように屈曲した構造をとる。
【0014】薄膜化された強誘電性液晶は分子の配列方
向において2つの安定状態を持つ。前記のように、層の
断面構造が屈曲した構造の場合、2つの安定状態の分子
の配列方向間の角度は比較的小さい。第1の状態では温
度変化により発生していたパターンに依存したコントラ
ストの低下は見られない。
【0015】ここで、第1状態の強誘電性液晶に低周波
交番電界を印加すると、層は電界によって立てられ、層
の断面構造は基板に対しほぼ垂直に立った状態になる。
この状態では2つの安定状態の分子の配列方向間の角度
は大きくなる。しかし、このように、垂直に立った状態
が形成された場合にも、温度が低下すると、第1状態と
同様に、層の間隔は小さく層の長さは長くなるため、層
の断面構造は屈曲した構造をとり始める。このような層
の断面の変化は可逆的に行なわれる。このときにもコン
トラストの低下は見られない。しかし、低周波交番電界
による電界処理を行なった温度以上では、層間隔は大き
くなろうとするが、層の断面構造は垂直に立っているた
め断面構造で体積変動を緩和することはできず、結果と
して、パネル面内で層構造の変形が発生する。これが層
の法線方向の変形の原因であり、これによって、パター
ンに従うコントラストの低下が発生する。
【0016】以上をまとめると、コントラストの低下は
電界処理を行なった温度以上で発生し、その温度以下で
は発生しないということが言える。
【0017】このようなパターンに依存したコントラス
トの低下を回避するためには保存上限温度で電界処理を
行なうことが効果的である。保存上限温度以下の温度領
域では常に層の断面構造は屈曲した状態をとる。このた
め、体積収縮を断面で緩和するためパネル面内での変形
は発生しない。即ち、パターンに依存したコントラスト
の低下は高温で電界処理を行なうことで解決することが
できる。
【0018】ただし、この高温で電界処理を行なう方式
にも問題点がある。高温で電界処理を行なった強誘電性
液晶の層構造は、室温では先に述べたように屈曲した構
造をとっている。プレチルトが十分にない場合、「く」
の字構造の向きを規定できないため、「く」の字構造の
向きが互いに異なる層同士が接する領域ではジグザグ欠
陥と言われる筋状の欠陥が発生し、その領域の付近の応
答が非常に困難になる。これを回避するためには「く」
の字構造の屈曲角を小さくすることが望ましい。実用上
は層の基板の法線方向に対する屈曲角度は15度以下で
なければならない。このことは、先に述べた室温におけ
る2つの安定状態の分子の配列方向間の角度2θと、室
温で電界処理を行なった後における2つの安定状態の分
子の配列方向間の角度2θint との差、即ち、2θint
−2θが10度以下であることを意味する。
【0019】また、液晶材料の温度特性を考慮すること
でこのような条件を満たすようにすることができる。一
般に、屈曲角の温度依存は冷却過程において強誘電性相
に入ると急激に大きくなり、相転移温度から5℃程度低
い温度で変化量は小さくなる。このため、相転移温度よ
りも5℃以上低い温度で電界処理を行うと、その温度以
下では層の屈曲角度を比較的小さく保つことができる。
ここで、保存上限温度即ち電界処理温度を60℃とする
と、相転移温度は65℃以上であれば良好な表示品位を
得ることができる。
【0020】また、層の屈曲角度の温度依存性も重要な
パラメータである。層の屈曲角度の変動特性としては、
相転移温度近傍で急峻に立ち上がり、その後は比較的変
化が少ないことが望ましい。このような急峻性は液晶が
有するスメクチックA相及びネマチック相の温度範囲に
依存する。急峻性が高いためにはスメクチックA相の温
度範囲が狭い方が有利である。
【0021】さらに、初期状態において良好な表示品位
が得られたとしても、連続駆動後に強誘電性液晶パネル
の一部に応答しない筋状の領域が発生する場合がある。
これは、連続駆動によって強誘電性液晶の層の断面構造
が変動し、層の屈曲角度が局所的に大きくなる現象であ
る。この現象は強誘電性液晶中に含まれるイオン量及び
強誘電性液晶が持つ自発分極量に依存することを見いだ
した。自発分極が大きい強誘電性液晶に電界を印加する
と、層は屈曲運動を行ない、これによって層の屈曲角度
が大きくなる。また、イオン量は層の屈曲角度の増大を
助長する傾向がある。
【0022】このため、連続駆動後の筋状欠陥の発生の
問題を解決するためには、自発分極が小さく、また、イ
オン量の少ない液晶材料を用いることが有効である。
【0023】本発明は、以上のような知見に基づいてな
されたものであって、具体的に請求項1の発明が講じた
解決手段は、2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも一
方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され層構造
を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネルを
対象とし、前記強誘電性液晶は、その層の前記基板の法
線方向に対する角度である屈曲角度をθL とし、強誘電
性液晶が高温側に有する非強誘電性相から冷却された直
後の強誘電性液晶の層の前記屈曲角度をθLeffとする
と、全ての保存温度範囲において、θLeff>θL >0度
を満足する性質を有している構成とするものである。
【0024】請求項2の発明は、具体的には、請求項1
の発明の構成に、前記強誘電性液晶は、その層の前記屈
曲角度θL が全ての保存温度範囲において1度以上であ
るという性質を有している構成を付加するものである。
【0025】請求項3の発明は、具体的には、2枚の基
板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極と
前記2枚の基板に狭持され分子の配列方向において2つ
の安定状態を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液
晶パネルを対象とし、前記強誘電性液晶パネルは室温以
上の温度で電界処理が施されており、前記強誘電性液晶
は、その2つの安定状態の分子の配列方向間の角度が、
−20℃から60℃までの各温度において、前記強誘電
性液晶パネルに当該温度で電界処理が施された場合にお
ける強誘電性液晶の2つの安定状態の分子の配列方向間
の角度よりも小さいという性質を有している構成とする
ものである。
【0026】請求項4の発明は、具体的には、2枚の基
板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極と
前記2枚の基板に狭持され層構造を有する強誘電性液晶
とを備えた強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘電
性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が施されてお
り、前記強誘電性液晶は、その層同士の層間隔が強誘電
性液晶が強誘電性を示す温度範囲において温度降下に伴
って減少するという性質を有している構成を付加するも
のである。
【0027】請求項5の発明は、具体的には、2枚の基
板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極と
前記2枚の基板に狭持され層構造を有する強誘電性液晶
とを備えた強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘電
性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が施されてお
り、前記強誘電性液晶は、前記強誘電性液晶パネルに電
界処理が施された直後における強誘電性液晶の層同士の
層間隔が−20℃から60℃までの温度範囲における強
誘電性液晶の層間隔のうちの何れの層間隔よりも大きい
という性質を有している構成とするものである。
【0028】請求項6の発明は、具体的には、請求項5
の発明の構成に、前記強誘電性液晶は−20℃から60
℃までの温度範囲における強誘電性液晶の層間隔のうち
の最大の層間隔と最小の層間隔との差が2オングストロ
ーム以下であるという性質を有している構成を付加する
ものである。
【0029】請求項7の発明は、具体的には、2枚の基
板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極と
前記2枚の基板に狭持され層構造を有する強誘電性液晶
とを備えた強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘電
性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が施されてお
り、前記強誘電性液晶は、その層の前記基板の法線方向
に対する角度である屈曲角度が15度以下であるという
性質を有している構成とするものである。
【0030】請求項8の発明は、具体的には、2枚の基
板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極と
前記2枚の基板に狭持され分子の配列方向において2つ
の安定状態を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液
晶パネルを対象とし、前記強誘電性液晶パネルは室温以
上の温度で電界処理が施されており、前記強誘電性液晶
は、該強誘電性液晶の室温での2つの安定状態の分子の
配列方向間の角度と、前記強誘電性液晶パネルに室温で
電界処理が施された場合における強誘電性液晶の室温で
の2つの安定状態の分子の配列方向間の角度との差が1
0度以下であるという性質を有している構成とするもの
である。
【0031】請求項9の発明は、具体的には、2枚の基
板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極と
前記2枚の基板に狭持され層構造を有する強誘電性液晶
とを備えた強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘電
性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が施されてお
り、前記強誘電性液晶は、該強誘電性液晶が高温側に有
する非強誘電性相から冷却された直後の強誘電性液晶の
層の前記基板の法線方向に対する角度である屈曲角度が
20度以下であるという性質を有している構成とするも
のである。
【0032】請求項10の発明は、具体的には、2枚の
基板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極
と前記2枚の基板に狭持される強誘電性液晶とを備えた
強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘電性液晶パネ
ルは室温以上の温度で電界処理が施されており、前記強
誘電性液晶は、該強誘電性液晶が強誘電性を示す温度範
囲の上限温度が65℃以上であるという性質を有してい
る構成とするものである。
【0033】請求項11の発明は、具体的には、2枚の
基板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極
と前記2枚の基板に狭持され層構造を有する強誘電性液
晶とを備えた強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘
電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が施されて
おり、前記強誘電性液晶は、昇温過程において、スメク
チックC相とスメクチックA相とネマチック相と等方的
液体相とを前記の順に有し、且つ、スメクチックC相か
らスメクチックA相への転移温度を摂氏でTcaとし、ス
メクチックA相からネマチック相への転移温度を摂氏で
Tanとすると、0.97≦(Tca+273)/(Tan+
273)≦0.995を満足する性質を有している構成
とするものである。
【0034】請求項12の発明は、具体的には、2枚の
基板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極
と前記2枚の基板に狭持される強誘電性液晶とを備えた
強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘電性液晶パネ
ルは室温以上の温度で電界処理が施されており、前記強
誘電性液晶は、その自発分極量が30nC/cm2 以下
であるという性質を有している構成とするものである。
【0035】請求項13の発明は、具体的には、2枚の
基板と該2枚の基板の少なくとも一方に形成される電極
と前記2枚の基板に狭持される強誘電性液晶とを備えた
強誘電性液晶パネルを対象とし、前記強誘電性液晶パネ
ルは室温以上の温度で電界処理が施されており、前記強
誘電性液晶は、その単位面積当りのイオン量が5000
nC/cm2 以下であるという性質を有している構成と
するものである。
【0036】請求項14の発明は、具体的には、強誘電
性液晶表示装置を対象とし、室温以上の温度で電界処理
が施された請求項1から13までの何れか1項に記載の
強誘電性液晶パネルと、前記強誘電性液晶パネルを前記
電界処理時の室温以上の温度よりも高い所定温度まで加
熱する加熱手段と、前記強誘電性液晶パネルに前記電界
処理時の室温以上の温度で電界処理を施す電界処理手段
とを備えている構成とするものである。
【0037】
【作用】請求項1の発明の構成により、全ての保存温度
範囲において、強誘電性液晶の層の断面構造は常に屈曲
した状態をとる。これにより、体積収縮を層の断面で緩
和することができるため、パネル面内における層構造の
変形の発生を防ぐことができる。従って、表示されてい
たパターンに依存するコントラストの低下を防止でき
る。
【0038】請求項2の発明の構成により、全ての保存
温度範囲において強誘電性液晶の層の屈曲角度は1度以
上であるため、良好な表示品位を得ることができる。
【0039】請求項3の発明の構成により、例えば、保
存上限温度の60℃で電界処理を行なうことによって、
60℃以下の温度領域において、強誘電性液晶の層の断
面構造が常に屈曲した状態をとるようにすることができ
る。また、ある温度における強誘電性液晶の2つの安定
状態の分子の配列方向間の角度を2θとし、当該温度で
電界処理が施された直後における強誘電性液晶の2つの
安定状態の分子の配列方向間の角度を2θint とする
と、−20℃から60℃までの保存温度範囲において、
2θは2θint よりも常に小さい。これは、強誘電性液
晶の層の屈曲角度が常に0度以上であることとほぼ等価
である。
【0040】請求項4の発明の構成により、例えば、強
誘電性液晶が強誘電性を示す温度範囲内の温度で電界処
理を行なうことによって、電界処理直後の層間隔は、電
界処理を行なった温度以下における強誘電性液晶が強誘
電性を示す温度範囲における全ての層間隔に比べて大き
くなる。これにより、電界処理を行なった温度以下にお
ける強誘電性液晶が強誘電性を示す温度範囲において、
強誘電性液晶の層の断面構造が常に屈曲した状態をとる
ようにすることができる。
【0041】請求項5の発明の構成により、例えば、保
存上限温度の60℃で電界処理を行なうことによって、
電界処理直後の層間隔は−20℃から60℃までの保存
温度範囲における全ての層間隔に比べて大きくなる。こ
れにより、保存温度範囲において、強誘電性液晶の層の
断面構造が常に屈曲した状態をとるようにすることがで
きる。
【0042】また、請求項7の発明の構成により、強誘
電性液晶の層の屈曲角度を15度以下にすることによっ
て、電界処理後の初期状態におけるジグザグ欠陥の発生
を表示特性に影響を与えない程度まで抑制することがで
きる。
【0043】請求項8の発明の構成により、室温におけ
る強誘電性液晶の2つの安定状態の分子の配列方向間の
角度2θと、室温で電界処理が施された直後における強
誘電性液晶の2つの安定状態の分子の配列方向間の角度
2θint との差、即ち、2θint −2θが10度以下で
あり、これは、強誘電性液晶の層の屈曲角度が15度以
下であることと等価である。
【0044】請求項6の発明の構成により、−20℃か
ら60℃までの温度範囲における層間隔の変動を2オン
グストローム以下にすることによって、強誘電性液晶の
層の屈曲角度を15度以下にすることができる。
【0045】請求項9の発明の構成により、非強誘電性
相から冷却された直後の強誘電性液晶の層の屈曲角度を
20度以下にすることによって、強誘電性液晶の層の屈
曲角度を15度以下にすることができる。
【0046】請求項10の発明の構成により、例えば、
電界処理温度を60℃とすると、強誘電性液晶の相転移
温度が65℃以上の温度であれば、電界処理後の初期状
態におけるジグザグ欠陥の発生を防ぐことができる。な
ぜなら、一般に、強誘電性液晶の層の屈曲角度は温度に
依存するが、相転移温度から5℃程度低い温度以下では
変動が小さくなる。このため、60℃以下の温度範囲に
おいて層の屈曲角度を小さく保つことができるので、電
界処理後の初期状態におけるジグザグ欠陥の発生を抑制
することができる。
【0047】請求項11の発明の構成により、スメクチ
ックA相の温度範囲が狭いため、強誘電性液晶の層の屈
曲角の相転移温度近傍における急峻性が高くなり、相転
移温度以下の温度範囲における変動が小さくなる。この
特性により、相転移温度以下の温度範囲において層の屈
曲角度を小さく保つことができるので、電界処理後の初
期状態におけるジグザグ欠陥の発生を抑制することがで
きる。
【0048】また、請求項12の発明の構成により、強
誘電性液晶の自発分極量が30nC/cm2 以下と小さ
な値であるため、連続駆動による層の断面構造の変化を
抑え、層の屈曲角度の局所的な増大を抑制することがで
きる。このため、連続駆動後の筋状欠陥の発生を防ぐこ
とが可能である。
【0049】請求項13の発明の構成により、強誘電性
液晶の単位面積当りのイオン量が5000nC/cm2
以下と小さな値であるため、連続駆動による層の断面構
造の変化を抑え、層の屈曲角度の局所的な増大を抑制す
ることができる。このため、連続駆動後の筋状欠陥の発
生を防ぐことが可能である。
【0050】また、請求項14の発明の構成により、例
えば、製造工程において60℃で電界処理が施された強
誘電性液晶パネルの温度が60℃以上になり、表示され
ていたパターンに依存するコントラストの低下が発生し
た場合には、強誘電性液晶パネルは加熱手段により強誘
電性液晶が等方的液体相になる所定温度まで加熱され
る。その後、加熱手段の出力が下げられ、強誘電性液晶
パネルには電界処理手段により60℃で電界処理が施さ
れる。これにより、コントラストの低下が解消される。
【0051】
【実施例】
(第1の実施例)以下、本発明の第1の実施例に係る強
誘電性液晶表示装置について図面を参照しながら説明す
る。
【0052】図1は第1の実施例に係る強誘電性液晶表
示装置が備える強誘電性液晶パネルを示す断面図であ
り、図1において、前記強誘電性液晶パネルは、上側の
基板11と、下側の基板12と、基板11の下側及び基
板12の上側にそれぞれ形成された導電性薄膜13と、
基板11下の導電性薄膜13の下側及び基板12上の導
電性薄膜13の上側にそれぞれ形成されたオーバーコー
ト14と、オーバーコート14を被覆するようにそれぞ
れ形成された配向膜15と、基板11、12に挟持され
た強誘電性液晶からなる強誘電性液晶層16とを有して
いる。
【0053】図2〜図4は強誘電性液晶の2つの安定状
態の分子の配列方向及び強誘電性液晶層の断面構造を模
式的に示した図である。同図において、201は2つの
安定状態における強誘電性液晶分子、202は偏向板方
向、203は上側の基板、204は下側の基板、205
は強誘電性液晶層を示している。
【0054】高温側の非強誘電性相より冷却された直後
の強誘電性液晶の第1状態では、図2(a)に示すよう
に、2つの安定状態の分子の配列方向間の角度は小さく
25度程度である。これは、強誘電性液晶の層の断面構
造が大きく「く」の字状に屈曲しているためである(図
2(b)参照)。これは、先にも述べたように、温度低
下に従って強誘電性液晶の層間隔が減少することに起因
する。本実施例で用いた強誘電性液晶では、層間隔の温
度依存は図5に示すように温度低下に伴い単調に減少す
る特性を示す。
【0055】強誘電性液晶の層の屈曲角度は次のように
定義する。ある温度において、強誘電性液晶は分子の配
列方向における2つの安定状態を持ち、この2つの安定
状態の分子の配列方向間の角度を2θとする。また、そ
の温度において電界処理を行なった直後の2つの安定状
態の分子の配列方向間の角度を2θint とすると、ある
温度における実効的な層の屈曲角度θL は次の(1)式
によって決定される。
【0056】 θL =COS-1(COSθint /COSθ) …(1) (1)式に従えば、電界処理を行なった直後は層がほと
んど立っており、層の屈曲角度は0度となる。また、電
界処理を全く行なわない場合における層の屈曲角度を特
にθLeffと定義する。θLeffの値は(1)式においてθ
の代わりにθeffを用いて求めた値である。
【0057】本実施例の強誘電性液晶パネルでは保存温
度範囲を−20℃〜60℃とした。強誘電性液晶パネル
の製造工程において、保存温度範囲の上限温度である6
0℃に昇温し、60℃の温度で、液晶の厚さが1.5μ
mの強誘電性液晶パネルのパネル全面に30V、15H
zの矩形波を印加する。このとき、電圧が35V即ち電
界強度が23V/μm未満では強誘電性液晶の層を十分
に立てることができず不均一になる。また、電界強度が
35V/μm以上では強すぎるためにパネル全面を均一
な状態に保つことができなくなる。
【0058】また、周波数についても1kHz以上では
十分に強誘電性液晶の層を立てることができず、15H
z以下では均一性に問題がある。
【0059】前記電界処理を行った後には、強誘電性液
晶の2つの安定状態の分子の配列方向間の角度は増大す
る。60℃におけるこの角度は40度である。このとき
の液晶分子の配列方向は図3(a)に示され、強誘電性
液晶の層の断面構造は実効的にほぼ垂直に立った状態に
ある(図3(b)参照)。
【0060】その後、温度を下げることにより、分子の
配列方向間の角度はわずかに増大する(図4(a)参
照)。このとき、強誘電性液晶の層の断面構造はわずか
に屈曲した状態にある(図4(b)参照)。
【0061】図6は温度変化に対応した強誘電性液晶の
層の断面構造の変化を示したものであり、縦軸に実効的
な層の屈曲角度、横軸に温度をとっている。
【0062】図6において、実線で記されたLa1は本実
施例の60℃で電界処理が施された強誘電性液晶の層の
屈曲角度の温度変化に対応するラインである。60℃で
電界処理が行なわれた直後では、層はほぼ垂直に立って
いるが、温度降下に伴い、層は次第に曲がった状態にな
る。このとき、−20℃から60℃までの保存温度範囲
では層の屈曲角度は常に1度以上であった。比較の為
に、高温側の非強誘電性相より冷却された直後の第1状
態の強誘電性液晶の層の屈曲角度を示すラインLbと、
各温度で電界処理が施された直後の強誘電性液晶の層の
屈曲角度を示すラインLcとを併せて記してある。ライ
ンLcでは常に層が立った状態であり、即ち、層の屈曲
角度は0度である。
【0063】強誘電性液晶の層構造において、第1状態
の強誘電性液晶(ラインLb)では層が最も屈曲した状
態、各温度で電界処理が施された直後の強誘電性液晶
(ラインLc)では層がほぼ基板に垂直に立った状態、
そして、60℃で電界処理が施された強誘電性液晶(ラ
インLa1)では層がその中間的に屈曲した状態であると
解釈できる。
【0064】問題としている、表示していたパターンに
従って発生するコントラストの低下は、図7に示すよう
に、強誘電性液晶パネルの温度が60℃以上になった場
合に発生する。この現象は、次のように説明することが
できる。図6において、ラインLa1は60℃以下ではラ
インLcとラインLbとの間に存在する。これより、強
誘電性液晶の層の断面構造はわずかに屈曲した状態にあ
ると判断される。このことは、層間隔の変化を断面構造
で緩和していることを示しており、パネル面内での層の
法線方向の変化は発生しない。しかし、60℃以上の温
度では、ラインLa1はラインLcと一致する。これは、
60℃で電界処理が施された強誘電性液晶の層の断面構
造が基板に対して垂直に立った構造をとっていることを
示している。このとき、層間隔の変動を断面構造で緩和
することができないため、パネル面内での変形が発生す
る。これが原因となって、図7に示すように、60℃以
上の温度においてコントラストの低下が発生する。
【0065】従って、60℃で電界処理が行なわれた直
後の強誘電性液晶の層間隔が、強誘電性液晶表示装置の
保存温度範囲における全ての層間隔に比べ大きいこと
が、層の断面構造により層間隔の変動を緩和できるため
の条件となる。
【0066】以上のように、従来、室温で行なっていた
電界処理を60℃で行なうことにより、60℃以下の温
度領域におけるコントラストの低下の問題を解決でき
た。
【0067】しかし、高温で電界処理を行なうと、コン
トラストの低下の問題は解決できるが、他のさまざまな
問題が発生する。その一つとして、初期状態におけるジ
グザグ欠陥の発生がある。電強誘電性液晶パネルに60
℃で電界処理を行なった後、室温まで冷却した初期状態
において、強誘電性液晶パネルの画面上に筋状の欠陥が
発生し、その欠陥の周辺部が応答しない場合がある。こ
れは一般にジグザグ欠陥と呼ばれている。高温側の非強
誘電性相より冷却された直後の第1状態の強誘電性液晶
に最も多く見られる欠陥と同じものである。電界処理が
施された直後における強誘電性液晶の層が立った状態で
はほとんど見られない。
【0068】初期状態におけるジグザグ欠陥の発生の原
因は次のように考えられている。図8において、基板の
界面付近の液晶分子がほとんど基板に平行にならんでい
ると考えると、層が屈曲する向きに関して、領域602
のように右向き又は領域603のように左向きである確
率は同等であり、パネル面内ではこれらは混在した状態
にある。このとき、領域602と領域603との境界部
は他の部分と特性が異なるためジグザグ欠陥601とし
て現われる。
【0069】図6に示すように、ラインLa1で示される
60℃で電界処理が施された強誘電性液晶では若干層が
屈曲した構造をとっているため、わずかにジグザグ欠陥
が発生する。ラインLa1がラインLcに近いほどジグザ
グ欠陥の発生は少なくなる。表示特性に影響を与えない
範囲の実効的な層の屈曲角度は15度以下であった。ま
た、このことは、室温における強誘電性液晶の2つの安
定状態の分子の配列方向間の角度2θと、室温で電界処
理が施された直後における強誘電性液晶の2つの安定状
態の分子の配列方向間の角度2θint との差が10度以
下であることを示している。
【0070】このような条件を満たすためには、第1状
態の強誘電性液晶の層の屈曲角度が小さいものが特に有
効であり、室温でのこの角度が20度以下の液晶材料を
用いる必要があった。
【0071】また、実効的な層の屈曲角度が15度以下
であるという条件は、60℃以下での層間隔の変動が少
ないことを示し、−20℃〜60℃の温度範囲において
層間隔の変動が2オングストローム以下であることを示
す。
【0072】また、図6に示すラインLa1は、相転移温
度Tcから約5℃低い温度までの範囲で急激に立ち上が
り、その後、増大傾向は緩やかになる。このような立ち
上がりの急峻性は相転移系列の温度範囲に大きく依存す
る。強誘電性液晶は、昇温過程において、強誘電性を示
すスメクチックC相、スメクチックA相、ネマチック
相、等方的液体相を持つ。ここで、ラインLa1の立ち上
がりの急峻性は、スメクチックC相からスメクチックA
相への転移温度Tcaと、スメクチックA相からネマチッ
ク相への転移温度Tanとに依存し、次の(2)式により
示されるパラメータPが重要になる。
【0073】 P=(Tca+273)/(Tan+273) …(2) (2)式のパラメータPが0.97以上、0.995以
下の場合に、立ち上がりが急峻となり、ほぼ5℃で増大
が緩やかになる。このような液晶材料を用いることによ
り、高温で電界処理が行なわれた場合にも層の屈曲角度
を比較的小さく抑えることができる。本実施例では、2
つの相転移温度Tca、Tanはそれぞれ66℃、76℃で
あり、パラメータPは0.971である。
【0074】また、層の屈曲角度を小さく抑えるために
は、相転移温度の高い強誘電性液晶を用いることも有効
であり、相転移温度が65℃以上であり、相転移温度か
ら5℃低い温度までの範囲でほぼ立ち上がる強誘電性液
晶を用いると、図6に示すラインLa1とラインLcとの
隔たりを10度以下に抑えることができる。
【0075】以上をまとめると、ジグザグ欠陥の発生が
許容できるための条件は、強誘電性液晶の層の屈曲角が
15度以下であり、これは、室温での2θint −2θが
10度以下であることと等価である。また、これを実現
するためには、第1状態の層の屈曲角度が20度以下で
あり、層間隔の−20℃〜60℃における温度変化が2
オングストローム以下であり、相転移温度Tca、Tanの
それぞれの絶対温度の比Pが0.97以上0.995以
下であり、強誘電性液晶相への相転移温度が65℃以上
であるという条件を満たせばよい。
【0076】次に、強誘電性液晶パネルを連続駆動した
場合の問題について述べる。
【0077】初期特性で良好な表示が得られる強誘電性
液晶パネルにおいても、連続駆動を行なうと筋状の応答
しない領域(以後、応答不能領域と称す)が発生する場
合がある。図9は応答不能領域701を示す顕微鏡写真
(倍率30倍)である。連続駆動時に応答不能領域が発
生する現象は、強誘電性液晶が有する自発分極量と液晶
中に存在するイオン量とに依存することを見いだした。
図10は応答不能領域の発生と自発分極量及び単位面積
当りのイオン量との関係を示した図である。ここでは、
応答不能領域の発生程度を4段階で評価しており、Aは
発生しなかった場合、Bは部分的に発生した場合、Cは
全面に発生した場合、Dは全面に密に発生した場合を示
している。図10から判るように、応答不能領域が発生
しないためには、自発分極量が30nC/cm2 以下で
あり、単位面積当りのイオン量が5000nC/cm2
以下であるいう条件を満たせばよい。
【0078】強誘電性液晶の単位面積当りのイオン量
は、2V、0.01Hzの矩形波を強誘電性液晶パネル
に印加し、その1周期に流れた電流を積算することより
求めた。
【0079】本実施例では、強誘電性液晶として、自発
分極量が27nC/cm2 、単位面積当りのイオン量が
4500nC/cm2 、相転移温度が66℃であるもの
を用い、60℃で電界処理を行い、室温での第1状態の
層の屈曲角度は18度、室温での2つの安定状態の分子
の配列方向間の角度は40度であった。参考までに、こ
れを室温で電界処理を行った場合の2つの安定状態の分
子の配列方向間の角度は48度であった。
【0080】本実施例の強誘電性液晶パネルにおいて
は、60℃以下の温度ではコントラストの低下も見られ
ず、また、長期間連続に駆動に対しても非常に安定で良
好な表示を保つことができた。
【0081】(第2の実施例)以下、本発明の第2の実
施例に係る強誘電性液晶表示装置について図面を参照し
ながら説明する。なお、第2の実施例に係る強誘電性液
晶表示装置は第1の実施例と同様の強誘電性液晶パネル
を備えているものとする。
【0082】通常の強誘電性液晶は、その層間隔の温度
依存性として、温度低下に伴い単調に減少するものが多
い。しかし、ビフェニル系の液晶を混合させた液晶材料
の中には、図11に示すように、温度降下に伴い層間隔
が一旦減少した後、再び増大していく材料がある。本実
施例はこのような性質を持つ液晶材料を用いた場合の例
である。図12において、実線で記されたLa2は本実施
例の60℃で電界処理が施された強誘電性液晶の層の屈
曲角度の温度変化に対応するラインであり、強誘電性液
晶の層の屈曲角度は、温度の低下に伴い一旦増大した
後、15℃付近でピークとなり、再び減少していく。こ
れは、強誘電性液晶の層構造を形成するそれぞれの層の
分子が、隣合う層に食い込んだ状態となり、実効的な層
の間隔が広くなったものと解釈できる。この場合、低温
(本実施例ではほぼ−23℃)で層の屈曲角度は0度と
なり、それ以下の温度ではパターンに従ってコントラス
トの低下が発生する。即ち、高温での現象と同様の現象
が低温でも起こり、層が立った状態ではコントラストの
低下の問題が発生する。ただし、本実施例においては、
コントラストの低下が発生する温度は−23℃であり、
−20℃〜60℃の保存温度範囲では良好な特性が得ら
れた。従って、所望の保存温度範囲において常に層の屈
曲角度が1度以上であることが必須条件となる。このこ
とは、2θが2θint 以下であることと等価である。ま
た、以上の条件を満たすときには、強誘電性液晶の層間
隔は−20℃〜60℃の温度範囲において60℃で最大
となる。
【0083】(第3の実施例)以下、本発明の第3の実
施例に係る強誘電性液晶表示装置について説明する。
【0084】強誘電性液晶パネルに60℃で電界処理を
行なう手段を内蔵した強誘電性液晶表示装置を実現し
た。強誘電性液晶パネルの背面に透明なヒーターを設置
し、温度センサーにより温度の検出を行ないフィードバ
ック制御を行なった。液晶駆動回路には低周波交番電界
を印加するための波形発生器が内蔵されている。強誘電
性液晶パネルとしては第1の実施例と同様のものを用い
た。
【0085】強誘電性液晶パネルの温度が60℃以上に
なり、表示されていたパターンに従ってコントラストが
低下する領域が発生した場合に、前記のようなヒーター
と電界処理を行なう手段とを用いて表示品位の回復を図
る。
【0086】使用者が強誘電性液晶表示装置に設けられ
たスイッチを入れると、強誘電性液晶パネルの駆動は停
止し、ヒーターにより強誘電性液晶パネルの温度が90
℃まで上げられる。このとき、強誘電性液晶は等方的液
体相になっている。その後、ヒーターの出力を下げ、強
誘電性液晶パネルを60℃で保温する。十分に温度が安
定したところで、強誘電性液晶パネルの全面に低周波交
番電圧を印加し、強誘電性液晶の層の断面構造を立たせ
る処理を行なった。
【0087】その後、ヒーターを停止させ、室温に戻す
とコントラストが部分的に低下する問題は解消される。
この一連の温度コントロールは温度センサーからフィー
ドバック制御を行なった。
【0088】以上のように、加熱手段としてのヒーター
と強誘電性液晶パネルに電界処理を行なう手段とを有す
ることによって、60℃以上の温度でコントラストの低
下が発生した場合にも、強誘電性液晶パネルの表示品位
の低下を修復することができる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜5の発
明に係る強誘電性液晶パネルによると、室温以上の保存
上限温度で電界処理が施されることによって、保存上限
温度以下の全ての保存温度範囲において、強誘電性液晶
の層の断面構造は常に屈曲した状態をとる。これによ
り、体積収縮を層の断面で緩和することができ、パネル
面内における層構造の変形の発生を防ぐことができる。
従って、表示されていたパターンに依存するコントラス
トの低下を防止でき良好な表示を保つことができる。
【0090】また、請求項6〜11の発明に係る強誘電
性液晶パネルによると、強誘電性液晶の層の屈曲角度を
小さくすることによって、電界処理後の初期状態におけ
るジグザグ欠陥の発生を表示特性に影響を与えない程度
まで抑制することができる。
【0091】さらに、請求項12、13の発明に係る強
誘電性液晶パネルによると、強誘電性液晶の自発分極量
を小さくし、強誘電性液晶の単位面積当りのイオン量を
小さくすることによって、連続駆動による層の断面構造
の変化を抑え、層の屈曲角度の局所的な増大を抑制する
ことができるため、連続駆動後の筋状欠陥の発生を防ぐ
ことが可能である。
【0092】その上、請求項14の発明に係る強誘電性
液晶表示装置によると、強誘電性液晶パネルの温度が保
存上限温度以上となりコントラストの低下が発生した場
合にも、強誘電性液晶が等方的液体相になる所定温度ま
で加熱された後、製造工程における電界処理温度と同一
の温度で電界処理が施されることによって、コントラス
トの低下を解消することができる。
【0093】以上のように、本発明によると、初期状態
はもとより長時間駆動後も応答不良領域が発生すること
なく、コントラストの低下もない良好な表示を保つこと
が可能な強誘電性液晶パネル及び強誘電性液晶表示装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る強誘電性液晶パネ
ルを示す断面図である。
【図2】高温側の非強誘電性相より冷却された直後の強
誘電性液晶の状態を示しており、(a)は強誘電性液晶
の2つの安定状態の分子の配列方向を示す模式図であ
り、(b)は強誘電性液晶の層の断面構造を示す模式図
である。
【図3】60℃で電界処理が施された直後の強誘電性液
晶の状態を示しており、(a)は強誘電性液晶の2つの
安定状態の分子の配列方向を示す模式図であり、(b)
は強誘電性液晶の層の断面構造を示す模式図である。
【図4】電界処理後室温まで温度が降下した際の強誘電
性液晶の状態を示しており、(a)は強誘電性液晶の2
つの安定状態の分子の配列方向を示す模式図であり、
(b)は強誘電性液晶の層の断面構造を示す模式図であ
る。
【図5】前記第1の実施例に係る強誘電性液晶の層間隔
の温度依存性を示す特性図である。
【図6】前記第1の実施例に係る強誘電性液晶の層の屈
曲角度の温度依存性を示す特性図である。
【図7】前記第1の実施例に係る強誘電性液晶パネルの
コントラストの温度依存性を示す特性図である。
【図8】強誘電性液晶パネルにおいて電界処理後の初期
状態に発生するジグザグ欠陥を示す模式図である。
【図9】強誘電性液晶パネルにおいて連続駆動時に発生
する応答不能領域を示す顕微鏡写真である。
【図10】強誘電性液晶パネルにおける前記応答不能領
域の発生と、強誘電性液晶の自発分極量及び単位面積当
りのイオン量との関係を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る強誘電性液晶の
層間隔の温度依存性を示す特性図である。
【図12】前記第2の実施例に係る強誘電性液晶の層の
屈曲角度の温度依存性を示す特性図である。
【符号の説明】
11 上側の基板 12 下側の基板 13 導電性薄膜 14 オーバーコート 15 配向膜 16 強誘電性液晶層 201 強誘電性液晶分子 202 偏向板方向 203 上側の基板 204 下側の基板 205 強誘電性液晶層 601 ジグザグ欠陥 602 右向きの領域 603 左向きの領域 701 応答不能領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 尚英 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長尾 一矢 埼玉県川越市久保町6−11 コーポサンキ ョウ 202

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも
    一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され層構
    造を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネル
    において、 前記強誘電性液晶は、その層の前記基板の法線方向に対
    する角度である屈曲角度をθL とし、強誘電性液晶が高
    温側に有する非強誘電性相から冷却された直後の強誘電
    性液晶の層の前記屈曲角度をθLeffとすると、全ての保
    存温度範囲において、 θLeff>θL >0度 を満足する性質を有していることを特徴とする強誘電性
    液晶パネル。
  2. 【請求項2】 前記強誘電性液晶は、その層の前記屈曲
    角度θL が全ての保存温度範囲において1度以上である
    という性質を有していることを特徴とする請求項1に記
    載の強誘電性液晶パネル。
  3. 【請求項3】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも
    一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され分子
    の配列方向において2つの安定状態を有する強誘電性液
    晶とを備えた強誘電性液晶パネルであって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、その2つの安定状態の分子の配列
    方向間の角度が、−20℃から60℃までの各温度にお
    いて、前記強誘電性液晶パネルに当該温度で電界処理が
    施された場合における強誘電性液晶の2つの安定状態の
    分子の配列方向間の角度よりも小さいという性質を有し
    ていることを特徴とする強誘電性液晶パネル。
  4. 【請求項4】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも
    一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され層構
    造を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネル
    であって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、その層同士の層間隔が強誘電性液
    晶が強誘電性を示す温度範囲において温度降下に伴って
    減少するという性質を有していることを特徴とする強誘
    電性液晶パネル。
  5. 【請求項5】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも
    一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され層構
    造を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネル
    であって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、前記強誘電性液晶パネルに電界処
    理が施された直後における強誘電性液晶の層同士の層間
    隔が、−20℃から60℃までの温度範囲における強誘
    電性液晶の層間隔のうちの何れの層間隔よりも大きいと
    いう性質を有していることを特徴とする強誘電性液晶パ
    ネル。
  6. 【請求項6】 前記強誘電性液晶は、−20℃から60
    ℃までの温度範囲における強誘電性液晶の層間隔のうち
    の最大の層間隔と最小の層間隔との差が2オングストロ
    ーム以下であるという性質を有していることを特徴とす
    る請求項5に記載の強誘電性液晶パネル。
  7. 【請求項7】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも
    一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され層構
    造を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネル
    であって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、その層の前記基板の法線方向に対
    する角度である屈曲角度が15度以下であるという性質
    を有していることを特徴とする強誘電性液晶パネル。
  8. 【請求項8】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも
    一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され分子
    の配列方向において2つの安定状態を有する強誘電性液
    晶とを備えた強誘電性液晶パネルであって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、該強誘電性液晶の室温での2つの
    安定状態の分子の配列方向間の角度と、前記強誘電性液
    晶パネルに室温で電界処理が施された場合における強誘
    電性液晶の室温での2つの安定状態の分子の配列方向間
    の角度との差が10度以下であるという性質を有してい
    ることを特徴とする強誘電性液晶パネル。
  9. 【請求項9】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくとも
    一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され層構
    造を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネル
    であって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、該強誘電性液晶が高温側に有する
    非強誘電性相から冷却された直後の強誘電性液晶の層の
    前記基板の法線方向に対する角度である屈曲角度が20
    度以下であるという性質を有していることを特徴とする
    強誘電性液晶パネル。
  10. 【請求項10】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくと
    も一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持される
    強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネルであって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、該強誘電性液晶が強誘電性を示す
    温度範囲の上限温度が65℃以上であるという性質を有
    していることを特徴とする強誘電性液晶パネル。
  11. 【請求項11】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくと
    も一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持され層
    構造を有する強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネ
    ルであって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、昇温過程において、スメクチック
    C相とスメクチックA相とネマチック相と等方的液体相
    とを前記の順に有し、且つ、スメクチックC相からスメ
    クチックA相への転移温度を摂氏でTcaとし、スメクチ
    ックA相からネマチック相への転移温度を摂氏でTanと
    すると、 0.97≦(Tca+273)/(Tan+273)≦0.
    995 を満足する性質を有していることを特徴とする強誘電性
    液晶パネル。
  12. 【請求項12】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくと
    も一方に形成される電極と前記2枚の基板に狭持される
    強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネルであって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、その自発分極量が30nC/cm
    2 以下であるという性質を有していることを特徴とする
    強誘電性液晶パネル。
  13. 【請求項13】 2枚の基板と該2枚の基板の少なくと
    も一方に形成される電極と前記2枚の基板に挟持される
    強誘電性液晶とを備えた強誘電性液晶パネルであって、 前記強誘電性液晶パネルは室温以上の温度で電界処理が
    施されており、 前記強誘電性液晶は、その単位面積当りのイオン量が5
    000nC/cm2 以下であるという性質を有している
    ことを特徴とする強誘電性液晶パネル。
  14. 【請求項14】 室温以上の温度で電界処理が施された
    請求項1から13までの何れか1項に記載の強誘電性液
    晶パネルと、 前記強誘電性液晶パネルを前記電界処理時の室温以上の
    温度よりも高い所定温度まで加熱する加熱手段と、 前記強誘電性液晶パネルに前記電界処理時の室温以上の
    温度で電界処理を施す電界処理手段とを備えていること
    を特徴とする強誘電性液晶表示装置。
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JP2003280041A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Ricoh Co Ltd 光偏向素子・光偏向装置および画像表示装置

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