JPH0448368B2 - - Google Patents

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JPH0448368B2
JPH0448368B2 JP18767686A JP18767686A JPH0448368B2 JP H0448368 B2 JPH0448368 B2 JP H0448368B2 JP 18767686 A JP18767686 A JP 18767686A JP 18767686 A JP18767686 A JP 18767686A JP H0448368 B2 JPH0448368 B2 JP H0448368B2
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liquid crystal
phase
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chiral
voltage
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Yukio Hanyu
Hideyuki Kawagishi
Akira Tsuboyama
Yutaka Inaba
Hiroyuki Kitayama
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Canon Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、液晶表示素子や液晶−光シヤツタ等
で用いる液晶素子に関し、更に詳しくは液晶分子
の初期配向状態を改善することにより、表示なら
びに駆動特性を改善した液晶素子及びその製法に
関する。 [従来の技術] これまで、双安定性を有する液晶素子の使用が
クラーク(Clark)およびラガウエル
(Lagerwall)により提案されている(特開昭56
−107216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。この双安定性を有する液晶としては、一般
に、カイラルスメクテイツクC相(SmC*)又は
H相(SmC*)を有する強誘電性液晶が用いられ
る。この液晶は電界に対して第1の光学的安定状
態と第2の光学安定状態からなる双安定状態を有
し、従つて従来のTN型の液晶で用いられた光学
変調素子とは異なり、例えば一方の電界ベクトル
に対して第1の光学的安定状態に液晶が配向し、
他方の電界ベクトルに対しては第2の光学的安定
状態に液晶が配向される。またこの型の液晶は、
加えられる電界に応答して、極めて速やかに上記
2つの安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印
加のないときはその状態を維持する性質を有す
る。このような性質を利用することにより、上述
した従来のTN型素子の問題点の多くに対して、
かなり本質的な改善が得られる。 前述した強誘電性液晶は、均一な配向性能を得
る上で、基板表面に一軸性の配向処理を施す方法
が知られている。この一軸性の配向処理法として
は、基板表面をビーロード、布や紙で一方向にラ
ビングする方法あるいは基板表面にSiOやSiO2
斜方蒸着する方法などが挙げられる。 基板表面に適正な一軸性の配向処理を処するこ
とにより、初期配向においては、ある特定化され
た双安定状態が達成された。しかし、その初期状
態では下述するように、クロスニコル下の光学変
調実験でコントラストが悪く、また透過光量が小
さく実用上問題があつた。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上述の強誘電性液晶素子は、第
8図の様に液晶分子層内で液晶分子が平行に配列
した状態(パラレル配向状態)となるよりも、む
しろ第7図の様に分子層内で上基板から下基板に
向つて液晶分子がツイストした状態(ツイスト配
向状態)が実現されやすい。このように液晶分子
がツイストしていると、第1の配向状態と第2の
配向状態にあるときの液晶分子軸のなす角度(チ
ルト角)が見かけ上小さくなり、コントラストや
透過光量の低下を招くとともに、配向状態のスイ
ツチング時における液晶分子の応答にオーバーシ
ユートが表われることによつて、透過光量のふら
つきが観測されるなど、表示素子として種々の不
都合な欠点を含んでいる。そのため表示素子とし
ては、液晶分子がパラレル配向状態であることが
望まれる。 本発明は、上記の欠点を解決するためになされ
たもので、液晶分子のパラレル配向状態を実現化
し、表示特性を向上させた液晶装置を提供するこ
とを目的とする。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上述のツイスト配向状態が双安
定性強誘電性液晶に対して適当な交番電圧(以
下、パラ配向用交流電圧と称す)を印加すること
により、パラレル配向状態に移行させることがで
きることを見い出した。即ち本発明は、間隔をお
いて配置した一対の基板、該一対の基板の内側に
それぞれ設けた一対の電極及び該一対の基板間に
配置され、且つ無電界時に互いに異なる2つの配
向状態を発現し、該2つの配向状態のそれぞれの
平均分子軸のなす角度が2θである第1状態のカイ
ラルスメクテイツク相に、該液晶の閾値電圧より
大きい交流電圧を印加することにより、該交流電
圧の印加を解除した後の無電界時における前記互
いに異なる2つの配向状態のそれぞれの平均分子
軸のなす角度が前記2θより大きい角度2θ′である
第2状態のカイラルスメクテイツク相を生成して
なるカイラルスメクテイツク液晶を有する液晶素
子を第1の特徴とし、また、対向する面に一対の
電極をそれぞれ設けた一対の基板間に、無電界時
に互いに異なる2つの配向状態を有し、該2つの
配向状態のそれぞれの平均分子軸のなす角度が2θ
である第1状態のカイラルスメクテイツク相を発
現し、該相を発現する温度より高い温度で該相と
異なる液晶相を発現する液晶を配置し、 前記液晶が前記異なる液晶相の時に、該異なる
液晶相の液晶に、該液晶の閾値電圧より大きい交
流電圧を印加し、該液晶を降温させることによつ
て、前記異なる液晶相からカイラルスメクテイツ
ク相に相転移させ、続いて該カイラルスメクテイ
ツク相の液晶に該カイラルスメクテイツク相の液
晶の閾値電圧より大きい交流電圧を印加すること
により、 無電界時における前記互いに異なる2つの配向
状態のそれぞれの平均分子軸のなす角度が前記2θ
より大きい角度2θ′である第2状態のカイラルス
メクテイツク相を生成することを特徴とする液晶
素子の製法に第2の特徴を有する。 本発明で用いる液晶材料として、特に適したも
のは、カイラルスメクテイツク液晶であつて、強
誘電性を有するものである。具体的にはカイラル
スメクテイツクC相(SmC*)、カイラルスメク
テイツクG相(SmG*)、カイラルスメクテイツ
クF相(SmF*)、カイラルスメクテイツクI相
(SmI*)またはカイラルスメクテイツクH相
(SmH*)の液晶を用いることができる。その強
誘電性液晶の詳細については、“ル・ジユールナ
ル・ド・フイジーク・ルテール”(“LE
JOURNAL DE PHYSIOUE LETTERS”)
1975年,36(L−69)号に掲載の「フエロエレク
トリツク・リキツド・クリスタルス」
(「ferroelectric Liquid Crystals」);“アプライ
ド・フイジツクス・レターズ”(“Applied
physics Letters”)1980年,36(11)号に掲載の
「サブミクロ・セカンド・バイステイブル・エレ
クトロオプテイツク・スイツチング・イン・リキ
ツド・クリスタルス」(「Submicro Second
Bistable Electrooptic Switching in Liquid
Crystals」);“固体物理”1981年,16(141)号に
掲載の「液晶」等に記載されていて、本発明では
これらの開示された強誘電性液晶を用いることが
できる。 強誘電性液晶化合物の具体例としては、デシロ
キシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチ
ルシンナメート(DOBAMBC)、ヘキシルオキ
シペンジリデン−p′−アミノ−2−クロロプロピ
ルシンナメート(HOBACPC)、4−o−(2−
メチル)−ブチルレゾルシリデン−4′−オクチル
アニリン(MBRA8)が挙げられる。特に、好ま
しい強誘電性液晶としては、これより高温側でコ
レステリツク相を示すものを用いることができ、
例えば下述の実施例に挙げた相転位温度を示すビ
フエニルエステル系液晶を用いることができる。 これらの材料を用いて素子を構成する場合、液
晶化合物が所望の相となるような温度状態に保持
する為、必要に応じて素子をヒーターが埋め込ま
れた銅ブロツク等により支持することができる。 [作用] 第5図は、強誘電性液晶の動作説明のために、
セルの例を模式的に描いたものである。以下、所
望の相としてSmC*を例にとつて説明する。 11と11′は、In2O3、SnO2あるいはITO
(Indium−Tin Oxide)等の薄膜からなる透明電
極で被覆された基板(ガラス板)であり、その間
に液晶分子層12がガラス面に垂直になるよう配
向したSmC*相の液晶が封入されている。太線で
示した線13が液晶分子を表わしており、この液
晶分子13は基板の面方向に連続的にらせん構造
を形成している。このらせん構造の中心軸15と
液晶分子13の軸方向とのなす角度をΘとして表
わす。この液晶分子13は、その分子に直交した
方向に双極子モーメント(P⊥)14を有してい
る。基板11と11′上の電極間に一定の閾値以
上の電圧を印加すると、液晶分子13のらせん構
造がほどけ、双極子モーメント(P⊥)14がす
べて電界方向に向くよう、液晶分子13は配向方
向を変えることができる。液晶分子13は、細長
い形状を有しており、その長軸方向と短軸方向で
屈折率異方性を示し、従つて例えばガラス面の上
下に互いにクロスニコルの偏光子を置けば、電圧
印加極性によつて光学特性が変わる液晶光学素子
となることは、容易に理解される。 本発明の液晶光学素子で好ましく用いられる液
晶セルは、その厚さを充分に薄く(例えば10μ以
下)することができる。このように液晶層が薄く
なるにしたがい、第6図に示すように電界を印加
していない状態でも液晶分子のらせん構造がほど
け、非らせん構造となり、その双極子モーメント
PまたはP′は上向き24又は下向き24′のどち
らかの状態をとる。この液晶分子13の分子軸
と、23′のなす角度の1/2の角度をチルト角
(Θ)と称し、このチルト角(Θ)はらせん構造
をとる時のコーンのなす頂角の1/2に等しい。こ
のようなセルに、第6図に示す如く一定の閾値以
上の極性の異る電界E又はE′を電圧印加手段21
と21′により付与すると、双極子モーメントは、
電界E又はE′の電界ベクトルに対応して上向き2
4又は下向き24′と向きを変え、それに応じて
液晶分子は、第1の安定状態23かあるいは第2
の安定状態23′の何れか一方に配向する。 このような強誘電性を液晶光学素子として用い
ることの利点は、先にも述べたが2つある。その
第1は、応答速度が極めて速いことであり、第2
は液晶分子の配向が双安定性を有することであ
る。第2の点を、例えば第6図によつて更に説明
すると、電界Eを印加すると液晶分子は第1の安
定状態23に配向するが、この状態は電界を切つ
ても安定である。又、逆向きの電界E′を印加する
と、液晶分子は第2の安定状態23′に配向して
その分子の向きを変えるが、やはり電界を切つて
もこの状態に留まつている。 このような応答速度の速さと、双安定性が有効
に実現されるにはセルとしては出来るだけ薄い方
が好ましい。 このような強誘電性を有する液晶で素子を形成
するに当つて最も問題となるのは、先にも述べた
ように、SmC*相を有する層が基板面に対して垂
直に配列し且つ液晶分子が基板面に略平行に配向
したモノドメイン性の高いセルを形成することが
困難なことである。 ところで、従来より大面積の液晶セルを製造す
る上で、基板表面に一軸性の配向処理を施す方法
が知られている。この一軸性の配向処理法として
は基板表面をビロード、布や紙で一方向にラビン
グする方法あるいは基板表面にSiOやSiO2を斜方
蒸着する方法などが挙げられる。 しかしながら、強誘電性液晶に対して、このよ
うなラビング法や斜方蒸着法を適用しても、配向
処理を施すこと自体が、前記した液晶分子の双安
定性を阻害するため、所謂メモリー性を生かした
駆動法を採用する場合には一軸性配向処理では、
不適当なものと考えられていた。 ところが、本発明者らが鋭意検討した結果、基
板表面に適正な一軸性の配向処理を施し、所定の
交流電圧を印加することにより、以下に詳述する
如く、ある特定化された双安定状態を達成するこ
とが可能であり、偏光子をその特定化された軸方
向に一致させることにより、メモリー性を生かし
た駆動が達成できることが明らかになつた。 [実施例] 以下、本発明の実施例を、図面と共に詳細に説
明する。 第1図は、本発明による液晶素子の分子の配向
状態を示す模式図である。第2図及び第3図は、
その本発明に使用される液晶セルの1例を示す平
面図及びそのX−X′による断面図である。 第2図及び第3図において、液晶セル1は、ガ
ラス又はプラスチツクの基板3a及び3b上に、
ストライプ状電極群4a及び4bをITO(Indium
−Tin Oxide)により1000Åの膜厚で形成し、そ
の上層に配向制御膜5a及び5bを10Å〜1μm、
好ましくは100Å〜5000Åの膜厚で形成すること
ができる。更にその上層に液晶層厚を保持するた
めに、1μのドツト状のポリイミド・スペーサー
群6を設け、このスペーサー群6によつて、液晶
層2が広い範囲で一定の厚さに保たれている。上
記の2枚の基板をラビング処理したのち、セル組
みして、液晶を導入する。 以下、液晶材料としてエステル系混合液晶を例
にとり、上記の各図に従つて、本発明を説明す
る。このエステル系混合液晶は、次の相転移状態
を表わしている(この相転移点は顕微鏡観察によ
り求めた)。 Iso(等方相) ―――→ 90℃Ch(コレステリツク相) ―――→ 75℃SmA(スメクテイツクA相) ―――→ 50℃SmC* ――――→ 0℃以下Cry(晶相) 液晶層が充分に厚い場合(〜100μ)、SmC*
はらせん構造をとり、そのピツチは約6μである。 本発明では前述したパラレル配向状態を実現化
する上で配向制御膜5aと5bのうち、少なくと
も一方の配向制御膜の極性項(γp b)が20dyna/
cm以下、好ましくは10dyne/cm以下、特に
7dyne/cm以下となつていることが望ましい。 本発明者らは、配向制御膜を形成するポリマー
被膜について前述の極性項を測定したが、その結
果を下記表−1に示す。
【表】
【表】 尚、前述した極性項(γp b)は、日本接着協会誌
VOl.18,No.3(1972)p.131〜p.141に記載された
方法に従つて、温度20℃、相対湿度55%の条件下
で測定した時の値を示している。この際に用いた
B系列の液体(水素結合成分と分散成分を含まな
いもの)は、メチレンヨーダイド、テトラブロモ
エタン、α−ブロモナフタレン、トリクレジルホ
スフエート、ヘキサクロロブタジエンの5種であ
つて、それぞれの液体で測定した値の平均値で表
わしたものである。 また、この100μセルで三角波印加法により自
発分極の測定を行うと10nC/cm2(25℃)であつ
た(nC;ナノクーロン)。本発明の交流印加によ
るメモリー状態のチルト角増大は、比較的自発分
極が大きい液晶の方が実現されやすい傾向があ
る。特に、本発明では25℃で5nC/cm2以上、好ま
しくは10nC/cm2〜300nC/cm2の自発分極をもつ強
誘電性液晶が適している。しかし、配向処理膜の
種類などにより異なり単純ではない。 なお前記三角波印加法による自発分極の測定
は、“ジヤパニーズ・ジヤーナル・オブ・アプラ
イド・フイジツクス”(“Japanese Journal of
Applied Physics”)1983年,22(10)号、661〜
663頁に形成され、ケイ.ミヤサト(K.
Miyasato)らの共著の“ダイレクト・メソツ
ド・ウイズ”「トライアングラー・ウエーブス・
フオア・メジヤーイング・スポンテニアス・ポラ
リゼイシヨン・オン・フエロエレクトリツク・リ
キツド・クリスタル」(“Direct Method with”
「Trianguler Waves for Measuring
Spontanious Polarization on Ferroelectric
Liquid Crystal」)にある。 まず、前述のビフエニルエステル系液晶が封入
されているセル構造体1は、セル1全体が均一に
加熱される様な加熱ケース(図示せず)にセツト
される。 次に、セル1中の化合物が等方相となる温度
(約95℃)まで加熱する。しかる後に、加熱ケー
スの温度を降温させて、セル1中の等方相となつ
ている化合物を降温過程に移す。この降温過程で
等方相の化合物は、約90℃でグランジユアン組織
のコレステリツク相に相転移し、さらに降温過程
を続けると約75℃でコレステリツク相から一軸異
方相であるSmAに相転移を生じることができる。
この時、SmAの液晶分子軸は、ラビング方向に
揃う。 しかる後に、このSmAより降温過程でSmC*
相転移することによつて、例えばセル厚を3μm
程度以下とすると非らせん構造をもつモノドメイ
ンのSmC*が得られる。 ここで、第1図を再び説明すると、第1図は、
基板面の上方から見た配向状態の模式図である。 図中、100は一軸性配向処理の方向、即ち、
本実施例ではラビング方向に相当している。
SmA相では、液晶分子がラビング方向100と
一致する液晶の平均分子軸方向101をもつて配
向する。SmC*相に於ては液晶分子の平均的な分
子軸方向は、102の方向に傾き、ラビング方向
100とSmC*の平均分子軸方向102は、角度
θをなして第1の安定配向状態となる。この状態
で上下基板に電圧を印加すると、SmC*の液晶分
子の平均的な分子軸方向は、角度θより大きい角
度に変化し、角度Θで飽和した第3の安定配向状
態をとる。この時の平均分子軸方向を103とす
る。 次に、電圧を零に戻すと、液晶分子は再びもと
の第1の分子軸方向102の状態に戻る。従つ
て、第1の分子軸方向102の状態で、液晶分子
はメモリー性を有することになる。又、分子軸方
向102の状態で、逆方向の電圧を印加すると、
その電圧が充分に高い場合には、液晶分子の平均
的分子軸方向は、飽和して角度Θをなす第4の安
定配向状態の平均分子軸方向103′に転移する。 そして、再び電圧を零に戻すと、液晶分子は、
角度θをなす第2の安定配向状態の平均分子軸方
向102′の状態に落ちつく。従つて、図に示す
ように偏光子の一方の偏光軸方向104を角度θ
をなす分子軸方向102に合致させることによつ
て、下述する如き電界による第1と第2の安定配
向状態との間で生じる配向転移とこのメモリー性
を生じた駆動法を用いた時にオン状態とオフ状態
での光学コントラストを向上することができる。 角度θは、1つの安定状態の分子軸の平均的な
方向を検出されるもので、これが角度Θより小さ
い理由は、SmC層内で液晶が完全に平行な配列
をとらないためと考えられ、その配向の平均的な
分子軸方向がθの方向である。θの角度をΘにす
ることは原理的に可能であると考えられる。 θの値を大きくすることは、透過率を高める意
味で大きな効果を奏する。入射光I0、透過光Iと
すると、透過率は下記の式で示される。 I/I0=sin24θ・sin2Δndπ/λ (1) θ:チルト角、Δn:屈折率異方性 d:膜厚、λ:波長 上式は、直交ニコル下で、一方の平均的分子軸
方向と1つの偏光軸とを合致させ、もう一方の安
定状態の分子軸方向に転移させた際の透過率であ
り、基板に対して液晶分子がすべて平行に配列し
た場合に適用されるが、角度θを持つような分子
軸方向が、基板に対してほぼ平行の場合も適用で
きることが確認されている。従つて、チルト角は
θ=22.5°で透過率は最大となる。 前述したチルト角θ,θ′並びにΘの測定は、閾
値電圧を越えた正極性パルスを印加した後、素子
の両側に配置したクロスニコル偏光子をその素子
における最暗状態となる位置に設定し、次いで閾
値電圧を越えた逆極性の負極性パルスを印加し、
クロスニコル偏光子を回転させることによつて再
び最暗状態となる位置に設定する。この際のクロ
スニコル偏光子の回転角度がチルト角θ,θ′並び
にΘの2倍の値に相当している。尚、チルト角θ
とθ′は、メモリー状態下でのチルト角であり、パ
ルス電圧を除去した後に測定したものであるが、
チルト角Θは、パルス電圧の印加が維持されてい
る状態下で測定したものである。 実施例 1 上記において、セル厚dが1.1μm及び1.8μmの
セルで(配向制御膜5aと5bに極性項γp b
7.5dyne/cmのポリイミドを使用した)実験を行
つたが、それぞれθ=8.0°及びθ=7.5°の結果を
得、最適値に及ばない。次に直流電圧50Vを2つ
の極性で印加すると、セル厚d=1.1μm及び1.8μ
mに対して、それぞれΘ=23.1°及びΘ=24.0°で、
ほぼ最適値に近い値が得られた。 さらに、セル厚dとパルス幅との関係を確認す
るため、双安定状態間の反転を下記表−2のパル
スで行つた。
【表】 これらのセルに10〜150V、20〜100Hzの交流電
界を印加した。そして、これらの電圧を印加した
のち、電界を切り、再び双安定状態のチルト角
θ′及び双安定状態反転パルスのパルス幅−電圧特
性を調べた。 交流電圧を10秒印加した場合のセルの状態は、
次のとおりである。チルト角θを広げるために効
果的な周波数は30〜40Hzであり、この範囲では優
劣差はなく、周波数を40Hzとした場合の電圧変化
によるセル状態の変化は、10〜50Vではチルト角
θ′に差がないが、50〜60Vではセル厚d=1.1μm
及び1.8μmに対してそれぞれθ′=21.0°及びθ′=
18.8°のドメインが出現し始める。60〜150Vでは
このドメインが全体に広がり、非常によいコント
ラストが得られた。しかし、150V以上ではモノ
ドメインが崩れ、他にも欠陥が発生した。 60〜150Vの電圧を印加したのちのチルト角
θ′のパラレル配向状態の双安定状態間反転は下記
表−3のパルスで行われた。
【表】 チルト角θ′のパラレル配向状態では、電圧印加
前の双安定状態より反転電圧が高くなつている
が、チルト角θ′がΘに近づくために、配向膜の界
面付近の液晶分子をも反転させるエネルギーを与
える必要があり、そのために反転に必要な駆動電
圧が高くならざるを得なかつたものと考えられ
る。 交流電圧印加後のチルト角θ′による透過光量の
増減は、透過率がセル厚d=1.1μmで14%、d=
1.8μmで19%になり、これは印加前の3倍近い値
である。 実施例 2 実施例1におけるガラス基板上のポリイミド被
膜の代りにポリビニルアルコール被膜(極性項γp b
が3.3dyne/cm)を使用し、他は全く同一の条件
で実験を行つた。但し、セル厚d=1.5μmとし
た。実験結果は基本的には実施例1とほぼ同様で
あつた。 有効交流電圧:45〜70V、30〜70Hz 交流印加時間:5〜20秒 チルト角:交流電圧印加前、θ=7.8° 直流電圧印加時、Θ=22.8° 交流電圧印加後、θ=21.6° 反転駆動電圧は下記表−4のとおりである。
【表】 透過率は、交流電圧印加前が6%であり、印加
後が18%であつて、3倍になつた。 実施例 3 前記の如く、双安定性を有する強誘電性液晶相
は、通常、高温状態の別な相からの降温によつて
得られるが、このとき40V、50Hzの交流電界を印
加しつつ降温したところ、広い範囲にわたつて均
質なモノドメインのパラレル配向状態が実現され
た。 実施例 4 交流電界を印加することによりコントラストの
高いθ′状態に移行したセルを数日間放置すると、
もとの低コントラスト状態に戻ることがある。従
つて、チルト角θ′のパラレル配向状態の強誘電性
液晶を表示素子として利用する際には、使用前又
は使用中にコントラストが低下した場合にチルト
角θ′のパラレル配向状態へ移すために、交流電圧
を印加することが必要かつ有効である。第4図は
上記の交流印加用の周辺回路の1例を示す配線図
であつて、41及び42は液晶を挟持する上下一
対のガラス基板上に形成された透明電極であり、
互いに直交してマトリクス状の画素群を構成し、
43及び44は前記電極に電圧を印加するための
駆動回路で、45が本発明の交流電圧発生回路で
ある。 駆動回路44と交流電圧発生回路45とは、ス
イツチ群46を介して、透明電極42に接続され
ていて、スイツチ群46が駆動回路側に投入され
ているときには画像表示信号が印加され、交流電
圧発生回路側に投入されているときには全電極に
一斉に交流電圧が印加される。このようにして、
本発明の強誘電性液晶は、可能な限りチルト角
θ′のパラレル配向状態に保たれるものとする。 なお、駆動回路43は、スイツチ群46が交流
電圧発生回路側に投入中は、電極41にすべて同
一の電圧、例えば零ボルトを与えるものとする。 実施例 5〜8 実施例1におけるガラス基板上のポリイミド被
膜の代りに、ポリエチレン(実施例5)、ナイロ
ン12(実施例6)、ナイロン11(実施例7)及びポ
リイミド*(実施例8)を使用し、他は全く同一
の条件で実験を行なつた。但し、セル厚d=1.5μ
mとした。又、それぞれのセルについて、70V、
70Hzの交流電圧を20秒間印加した後のチルト角
θ′を測定した。その結果を下記表−5に示す。
【表】 尚、第7図はらせん構造が解除され、双安定状
態を有する液晶セルのスメクテイツク層の面内で
切断したとき(らせん構造の中心軸方向から見た
とき)の、ダイレクタ即ちCダイレクタ71およ
び対応する双極子モーメント72の配列の様子を
模式的に示したものであり、一番上の円(液晶コ
ーンのスメクテイツク層面への射影に相当)は上
基板近傍の状況を、一番下の円は下基板近傍の状
況を示す。第7図aは平均的自発分極73bの向
きは下向き、bの平均的自発分極73aは下向き
である。従つて電界によつてaとbとの間でスイ
ツチングがおこる。 一方、第8図は液晶セルの厚さ方向にねじれ構
造が無い、即ち理想的な場合のCダイレクタの配
列を示したものである。一般化のため図では液晶
分子が基板面に対し少しチルトしているケースが
示してある。それぞれ自発分極の向きはaで上向
き、bで下向きである。 [発明の効果] 以上説明したとおり、本発明によれば、双安定
状態を有する強誘電性液晶のセルに、高電界交流
を印加することにより、該交流電界を除去後の双
安定状態のチルト角を拡大し、透過光量を増大す
ると共に、高電界交流を印加しつつ温度を下げて
双安定状態を形成することにより均質な広チルト
角状態を得、さらに表示装置に使用時にも該装置
に高電界交流印加用回路を併設することにより広
チルト角状態を回復できる強誘電性液晶素子を提
供することができ、透過光量とコントラストに恵
まれ、高速応答性、画素密度及び大面積を兼ねた
表示素子あるいはシヤツタ素子を実現することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による液晶セルの1実施例の模
式図、第2図及び第3図は液晶セルの平面図及び
断面図、第4図は交流印加用の回路図、第5図及
び第6図は液晶セルの模式図、第7図はツイスト
配向状態におけるカイラルスメクテイツク層面の
ダイレクタの模式射影図、第8図はパラレル配向
状態におけるカイラルスメクテイツク層面のダイ
レクタの模式射影図である。 1……液晶セル、2……液晶、3……基板、4
……電極、5……被膜、6……スペーサー、45
……交流電圧発生回路、101……ラビング方向
平均分子軸、102……安定状態平均分子軸、1
03……飽和平均分子軸、104……偏光軸方
向、71……Cダイレクタ、72……双極子モー
メント、73a,73b……平均的自発分極。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 間隔をおいて配置した一対の基板、該一対の
    基板の内側にそれぞれ設けた一対の電極及び該一
    対の基板間に配置され、且つ無電界時に互いに異
    なる2つの配向状態を発現し、該2つの配向状態
    のそれぞれの平均分子軸のなす角度が2θである第
    1状態のカイラルスメクテイツク相に、該液晶の
    閾値電圧より大きい交流電圧を印加することによ
    り、該交流電圧の印加を解除した後の無電界時に
    おける前記互いに異なる2つの配向状態のそれぞ
    れの平均分子軸のなす角度が前記2θより大きい角
    度2θ′である第2状態のカイラルスメクテイツク
    相を生成してなるカイラルスメクテイツク液晶を
    有することを特徴とする液晶素子。 2 対向する面に一対の電極をそれぞれ設けた一
    対の基板間に、無電界時に互いに異なる2つの配
    向状態を有し、該2つの配向状態のそれぞれの平
    均分子軸のなす角度が2θである第1状態のカイラ
    ルスメクテイツク相を発現し、該相を発現する温
    度より高い温度で該相と異なる液晶相を発現する
    液晶を配置し、 前記液晶が前記異なる液晶相の時に、該異なる
    液晶相の液晶に、該液晶の閾値電圧より大きい交
    流電圧を印加し、該液晶を降温させることによつ
    て、前記異なる液晶相からカイラルスメクテイツ
    ク相に相転移させ、続いて該カイラルスメクテイ
    ツク相の液晶に該カイラルスメクテイツク相の液
    晶の閾値電圧より大きい交流電圧を印加すること
    により、 無電界時における前記互いに異なる2つの配向
    状態のそれぞれの平均分子軸のなす角度が前記2θ
    より大きい角度2θ′である第2状態のカイラルス
    メクテイツク相を生成することを特徴とする液晶
    素子の製法。 3 前記異なる液晶相がコレステリツク相又はス
    メクテイツクA相である特許請求の範囲第2項記
    載の液晶素子の製法。
JP18767686A 1985-09-04 1986-08-12 液晶素子及びその製法 Granted JPS62161123A (ja)

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