JPH083062A - ヘモグロビン含有リポソーム - Google Patents
ヘモグロビン含有リポソームInfo
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Abstract
イノシンとATPが添加されている。 【効果】ヘモグロビンのメト化を抑制できる。
Description
グロビン含有リポソームに関する。本発明は、更に詳し
くは生体内に投与したときのヘモグロビン経時メト化を
著しく抑制したヘモグロビン含有リポソームに関する。
チン分解産物の溶液、デキストラン溶液、ヒドロキシエ
チルスターチ(HES)溶液等の血漿増量剤が使用され
ている。しかし、これらの代用血液は大量出血等の緊急
時に血管内の血漿量を補充し、循環動態を維持する目的
で開発された製剤で、天然赤血球の酸素運搬能を代替え
する事はできない。近年、こうした血漿増量剤とは異な
り、天然赤血球類似の酸素運搬能を保持した代用血液と
して、人工酸素運搬体の研究開発が進められている。
マルジョン(perfluorochemical:P
FC[通称:fluorocarbon])の酸素溶解
能力(水の20倍)を利用した化学合成品が検討された
が、十分な酸素運搬量の不足や体内蓄積性などの問題点
が危惧されている。
モグロビンを利用する試みも行われているが遊離ヘモグ
ロビンの生体内半減期は極端に短く(4時間以内)、末
梢への酸素運搬能も低く、腎毒性等の問題点が指摘され
ており、実用化は難しい。最近、こうした遊離ヘモグロ
ビン溶液の持つ問題点を改善した修飾ヘモグロビン(安
定化ヘモグロビン、重合ヘモグロビンetc.)やリポソー
ム化ヘモグロビンの開発検討が中心と成りつつある。
ポソームとして薄膜法により製造されたものがミラー
(Miller)らによって報告されている(米国特許
第4,133,874号)。この方法によればヘモグロビ
ン含有リポソームは、リポソーム形成脂質をクロロホル
ム等の適当な有機溶媒に溶解し、得られた溶液から溶媒
を留去して脂質の薄膜をつくり、この薄膜に溶血ヘモグ
ロビン水溶液を加え、激しく撹拌して多重層リポソーム
を形成し、次にこれを超音波処理することによって得ら
れる。この方法よれば、ヘモグロビンが酸素に触れる時
間が少ないのでヘモグロビンの変性が比較的少ない利点
がある。
とした人工赤血球の酸素運搬能はヘモグロビンと酸素分
子との可逆的結合により生じ、ヘム鉄(プロトヘム)の
原子価が2価の状態(Fe2+)でのみ保たれる機能であ
る。ヘモグロビンはその可逆的酸素化(oxigena
tion)の過程で徐々に酸化(oxidation)
され酸素結合能を持たない3価のメトヘモグロビン(F
e3+)に変化する。このため正常赤血球は、これらの酸
化作用に対し、ヘモグロビンが酸化されるのを抑制する
機構を持っている。しかし、こうした天然赤血球の酸化
抑制機構は、人工酸素運搬体として調製されたヘモグロ
ビン溶液においては認められず、ヘモグロビン酸化物の
占める割合は経時的に増加する。このため、天然ヘモグ
ロビンならびにその誘導体を医薬品や試薬として使用す
る場合には、酸化防止剤あるいは還元剤を用いる必要が
あった。亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫
酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等の物質
が知られているが、、生体に対して有害となる。また、
還元型グルタチオン、アスコルビン酸、トコフェロール
類、糖類、アミノ酸類なども一般に用いられる。しかし
ながら、これらの添加物の抑制効果は低く、特に体内投
与後の経時的な酸化抑制効果は不十分であった。
点を鑑み、ヘモグロビンの経時酸化抑制、特に、体内に
投与した時のヘモグロビンの酸化が抑制されたヘモグロ
ビン含有リポソームを提供するものである。
成からなる、本発明のヘモグロビン含有リポソームによ
り解決される。
性を有するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロ
ビン含有リポソームにおいて、前記ヘモグロビン溶液
に、アデニン、イノシン、アデノシン三リン酸(以後、
ATPと称す)からなる群の少なくとも1つと、グルコ
ースが含まれていることを特徴とするヘモグロビン含有
リポソーム。
性を有するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロ
ビン含有リポソームにおいて、前記ヘモグロビン溶液
に、ATPと、グルコースが含まれていることを特徴と
する上記(1)に記載のヘモグロビン含有リポソーム。
性を有するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロ
ビン含有リポソームにおいて、前記ヘモグロビン溶液
に、アデニンおよびイノシンと、グルコースが含まれて
いることを特徴とする上記(1)に記載のヘモグロビン
含有リポソーム。
性を有するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロ
ビン含有リポソームにおいて、前記グルコースとアデニ
ンとイノシン、またはグルコースとATP、またはグル
コースとアデニンとイノシンとATPが添加されている
ヘモグロビン溶液に、さらに還元型ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド(以後、NADHと称す)、酸化型
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以後、NAD
と称す)、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ドリン酸(以後、NADPHと称す)、酸化型ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドリン酸(以後、NADP
と称す)よりなる群の少なくとも1つが含まれてなるこ
とを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載のヘモグロ
ビン含有リポソーム。
モグロビン溶液中にヘモグロビン1モルに対して1〜2
0モル含まれていることを特徴とする上記(1)乃至
(4)に記載のヘモグロビン含有リポソーム。
ロビン溶液中にヘモグロビン1モルに対して0.01〜
1モル含まれていることを特徴とする上記(1)、
(2)および(4)に記載のヘモグロビン含有リポソー
ム。
グロビン溶液中にヘモグロビン1モルに対して0.1〜
1モル、およびイノシンの量(重量モル比)がヘモグロ
ビン溶液中にヘモグロビン1に対して0.1〜1モル含
まれていることを特徴とする上記(1)、(3)および
(4)に記載のヘモグロビン含有リポソーム。
を除去し、30〜60(W/W)%の濃縮ヘモグロビン溶液
に、アデニン、イノシン、ATPからなる群の少なくと
も1つと、グルコースを添加して混和させ、ヘモグロビ
ン溶液中の酵素失活が無い緩和な条件下でリポソーム化
することを特徴とする上記(1)乃至(7)に記載のヘ
モグロビン含有リポソームの製法。
化変性に対する問題を解決するために、ATPおよびグ
ルコースを添加し、経時的に生成するヘモグロビン酸化
物を還元することにより、ヘモグロビン経時酸化に伴う
機能低下を防止するものである。
の酸化変性に対する問題を解決するために、アデニン、
イノシンおよびグルコースを添加し、経時的に生成する
ヘモグロビン酸化物を還元することにより、ヘモグロビ
ン経時酸化に伴う機能低下を防止するものである。
の酸化変性に対する問題を解決するために、グルコー
ス、アデニン、イノシンおよびATPを添加し、経時的
に生成するヘモグロビン酸化物を還元することにより、
ヘモグロビン経時酸化に伴う機能低下を防止するもので
ある。
比)はヘモグロビン1モルに対して、1〜20モル、好
ましくは2〜15モル、より好ましくは2〜10モルで
ある。1モルより少ないとヘモグロビンのメト化防止効
果が少なく、また20モルより多いと溶液の流動性の問
題でリポソーム化効率があまり良くはない。
ンの量(重量モル比)は、各々ヘモグロビン1モルに対
して、0.1〜1モル、好ましくは0.1〜0.5モル、
より好ましくは0.2〜0.5モルである。0.1モルよ
り少ないとヘモグロビンのメト化防止効果が少なく、ま
た1モルより多いと溶液の流動性の問題でリポソーム化
効率があまり良くはない。
比)はヘモグロビン1モルに対して、0.01〜1モ
ル、好ましくは0.1〜1モル、より好ましくは0.1〜
0.5モルである。0.01モルより少ないとヘモグロビ
ンのメト化防止効果が少なく、また1モルより多いと溶
液の流動性の問題でリポソーム化効率があまり良くはな
い。
を常法によって溶血し分画分子量1万の膜を使用した限
外濾過により30%(W/W)以上に濃縮したものに所定
量のリンゴ酸を添加し混和したものが使用される。ヘモ
グロビンは水溶液の形態で取り込まれ、その濃度は30
〜60%(W/W)が好ましい。
シトールヘキサホスフェートなどの有機リン化合物を末
梢における酸素放出量を調整するため、加えると良い。
のヘモグロビン含有リポソームをヒトに使用する場合、
ヒト由来のものであれば特に問題はなく、また、新鮮な
もの程良いが、採血後4℃以下で50日以上保存したも
のでも充分に使用できる。
はグルコースとアデニンとイノシン、またはグルコース
とATP、またはグルコースとアデニンとイノシンとA
TPのみならず、これらに加えてNADH、NAD、N
ADPH、NADPのうちの少なくとも1つを加えても
良い。その量(重量モル比)はヘモグロビン1モルに対
して0.1〜25モルである。
リポソームが形成できるものであれば特に制限はなく、
天然のもの及び合成のものが利用できる。その例として
は、レシチン(=ホスファチジルコリン)、ホスファチ
ジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチ
ジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチ
ジルグリセロース、スフィンゴミエリン、カルジオリビ
ン等、およびこれらを常法に従って水素添加したものが
あげられ、これらを組み合わせて用いることもできる。
分として所望によりステロール類や脂肪酸等の電荷付与
物質を添加して、膜構造の強化や体内消失時間の調節を
図ることができる。
を防止するためにトコフェロール同族体すなわちビタミ
ンEを添加してもよい。トコフェロールには、α,β,
γ,δの4個の異性体が存在するが、本発明においては
いずれの異性体も使用することができる。トコフェロー
ルの添加量はリポソーム膜の総脂質に対して0.5〜4.
5モル%、好ましくは1.0〜2.0モル%である。
洗浄赤血球を溶血後、赤血球膜成分を除去し、30〜6
0(W/W)%の濃縮ヘモグロビン溶液に、グルコースと
アデニンとイノシン、またはグルコースとATP、また
はグルコースとアデニンとイノシンとATPを添加して
混和させ、ヘモグロビン溶液中の酵素失活が無い緩和な
条件下で高圧吐出処理によりリポソーム化することによ
って製造することができる。
は、50〜1800kg/cm2、好ましくは80〜12
00kg/cm2の圧で細隙から1回〜数回吐出させるこ
とである。また、処理温度は40℃以下に保持する。具
体的な例としては、高圧吐出型乳化機に、マイクロフル
イダイザー 110Y[Microfluidizer 110Y](マイ
クロフルイダイザー社[Microfluidics Co.])を用い
る場合には480〜1450kg/cm2、パール細胞破
砕器(パール社[Parr Co.]) を用いる場合には80〜
200kg/cm2であり、いずれも40℃以下、好まし
くは氷冷下で実施する。
によりメトヘモグロビンとなるが、赤血球酵素の作用に
より元のヘモグロビンへ還元され、可逆的にヘモグロビ
ン−メトヘモグロビンの反応が起こっている。つまり、
ヘモグロビンがメト化される際、その酵素反応(NAD
H−チトクロームb5還元酵素など)と同時に天然赤血
球中のNAD、NADPが還元され、NADH、NAD
PHを生じる。この生じたNADH、NADPHは可逆
的に酸化され、それと同時にメト化ヘモグロビンはヘモ
グロビンに還元される。
に含有させるために天然赤血球外に取り出されたヘモグ
ロビンはこのようなメト化ヘモグロビン還元機構が働か
なくなり、一度メト化したヘモグロビンは再びヘモグロ
ビンに戻ることができず、酸素運搬機能を失ってしま
う。
でヘモグロビンにかかる物理的エネルギーあるいは熱に
よって、還元機構に関与する酵素が失活してしまうのが
原因と考え、リポソーム化処理条件を検討し、ヘモグロ
ビン溶液中の酵素活性が維持できる50〜1600kg
/cm2、好ましくは80〜1200kg/cm2の圧で細
隙から1回〜数回吐出させるなどの穏やかな製造条件を
設定してヘモグロビン含有リポソームを製造した。しか
しながら、これらのヘモグロビン含有リポソームでもな
お、体内投与後のヘモグロビン経時酸化は進行した。
果、上記のような穏やかな条件で製造するとき、グルコ
ースとアデニンとイノシン、またはグルコースとAT
P、またはグルコースとアデニンとイノシンとATPを
ヘモグロビン溶液中に共存させることによって、体内投
与後のヘモグロビン経時酸化を顕著に抑制できることを
発見した。
つまり、上記のような穏やかな条件でリポソーム化を行
えば、ヘモグロビン溶液中の酵素は失活することはない
が、天然赤血球から膜成分を除去し、ヘモグロビンを取
り出す過程、または精製、濃縮の過程で分子量1万以下
の酵素基質や補酵素類等の酵素反応に必要な物質も失わ
れてしまい、結果的にメトヘモグロビン還元酵素反応が
消失してしまう。そこで、グルコースとATPを生成す
るアデニンとイノシン、またはグルコースとATP、ま
たはグルコースとアデニンとイノシンとATPを添加す
ると、まずアデニン、イノシン、無機リン酸から生じた
ATPまたは添加したATPと、NADを補酵素として
グルコースの解糖系が動きだしその結果として天然の赤
血球と同様にNADおよびNADPからNADHおよび
NADPHへの還元反応も起こるためリポソーム内に生
じたメトヘモグロビンもこのNADH−チトクロームb
5還元酵素により還元され、ヘモグロビンの経時酸化の
抑制にも寄与しているものと推定される。
明する。
は冷蔵状態(4℃)に維持し、無菌的環境で実施した。
また、試薬・器具類は滅菌処理を行い、重金属イオン・
無機イオン等の残留の無い無菌的超純水(15megΩ
℃・cm at 25℃以上(パイロジェンフリー))
を調製に使用した。
塩水で洗浄し、混在する血小板・白血球等の血漿成分を
除去した洗浄赤血球を得た。この洗浄赤血球5L.に対
して純水10L.を添加し溶血させた。孔径0.45μ
mの血漿分離器及び分画分子量30万(孔径5nm)の
フィルターを用いて赤血球膜成分を除去し、ヘモグロビ
ン濃度8%(w/v)の赤血球膜除去ヘモグロビン溶液
(SFH溶液)、12L.を回収した。得られたSFH
溶液は重炭酸ナトリウムを添加しpHを7.4に調整し
た後、ホローファイバー型ダイアライザー(テルモ社
製、CL−C8N)を用いて純水に対して透析を行った
後、限外濾過により濃縮し、ヘモグロビン濃度50%
(w/v)の濃縮SFH溶液、1.8L.を得た。
してβ−NAD(1mM、133mg)、D−グルコー
ス(100mM、3.6g)、ATP−Na(1mM、
110mg)、塩化マグネシウム・6水和塩(1mM、
40mg)、リン酸2水素カリウム(9mM、247m
g)、リン酸水素2ナトリウム(11mM、310m
g)、フィチン酸(3mM、396mg)を添加し均一
になるように混合した。
コリン(HSPC)、コレステロール(Chol)、ミ
リスチン酸(MA)、トコフェロール(Toc)の均一
混合粉末[HSPE:Chol:MA:Toc=7:7:2:0.28]45
gに45mlの純水を加え、60−70℃に加温し膨潤
させた。この膨潤脂質にで調製したSFHを加え撹拌
混合(15秒間)した。この脂質−濃縮SFH混合液を
マイクロフルイダイザー(Microfluidics co., Microfl
uidizer 110Y)を用いて、氷冷下、12000psi(約
844kg/cm2)の圧力でリポソーム化した。
塩水(3%(w/v))を加え、遠心分離(10000rpm
(13000g)×30分、at4℃)を行った。効率
良くヘモグロビンを含有したリポソームは、この遠心処
理により沈殿物として回収された。リポソーム化されな
かった遊離ヘモグロビン及び原料脂質を含む上澄はデカ
ンテーションもしくは吸引により除去した、以上の洗浄
操作を上澄中のヘモグロビンが肉眼的に認められなくな
るまで繰り返した後、0.45μmのデュラポアメンブ
ランフィルター(Millipore Ltd., Minitan system)を
用いて濾過し、懸濁液中に混在する粗大粒子を除去し
た。濾液をホローファイバー型ダイアライザー(テルモ
社製、CL−C8N)により限外濾過、濃縮しヘモグロ
ビン濃度5%(w/v)の精製ヘモグロビン含有リポソー
ム懸濁液600mlを得た。
てβ−NAD(1mM、133mg)、D−グルコース
(100mM、3.6g)、アデニン(2mM、54m
g)、イノシン(5mM、268mg)、塩化マグネシ
ウム・6水和塩(1mM、40mg)、リン酸2水素カ
リウム(9mM、247mg)、リン酸水素2ナトリウ
ム(11mM、310mg)、フィチン酸(3mM、3
96mg)を添加し均一になるように混合し、実施例1
同様の方法でリポソーム化、精製、濃縮し、ヘモグロビ
ン濃度5%(w/v)の精製ヘモグロビン含有リポソーム
懸濁液600mlを得た。
FHにたいしフィチン酸(3mM、396mg)のみを
添加し、同様な方法でリポソーム化、精製し、ヘモグロ
ビン濃度5%(w/v)のコントロール精製ヘモグロビン
含有リポソーム懸濁液600mlを得た。
℃にてインキュベート、経時的に0.5mlサンプリン
グし、これに10%(w/v)・Triton X100
−HEPES緩衝液(0.5M、pH7.4)2mlを加
え撹拌後、さらにフレオン2mlを添加し約1分間撹拌
した。この溶液を3000rpmで15分間遠心処理し、
上清1.8mlを分画分子量5000の限外濾過膜にて
除蛋白した。この除蛋白した溶液をODSカラム(セン
シュウ科学、ODS−1301−N)を用いた高速液体
クロマトグラフィーによりATP量の定量を行った。結
果を図1に示す。
有リポソーム懸濁液1mlを、ICR系雄性マウス(5
週令)の尾静脈から投与し、24時間経過後、腹大動脈
から全血を回収し、下記の方法で酸化率を算出した。
に対して強く、この特徴を利用して天然赤血球と分離し
た。すなわち、ヘパリン添加全血に8〜10倍容の純水
を添加、撹拌しマウス由来赤血球を溶血後、18000
rpmで30分間(4℃)高速遠心を行いヘモグロビン含
有リポソームを沈殿物として回収した。この操作を3回
繰り返し、完全に血液成分を洗浄除去した。得られた試
料に10%(w/v)・Triton X100−HEP
ES緩衝液(0.5M、pH7.4)2mlを加え撹拌
後、さらにフレオン2mlを添加し約1分間撹拌した。
この溶液を3000rpmで15分間遠心処理し、上清1.
8mlに対しHEPES緩衝液(0.5M、pH7.4)
を1ml加えて調製した溶液の可視領域(700nm〜
460nm)における吸収スペクトルを測定し、酸化率
を算出した。結果を表1及び図2に示す。
は、リポソーム内のATPの量が多いためグルコースが
有効に消費され、その過程でへモグロビンがメト化する
際に生じたNADHおよびNADPHがNADまたはN
ADPに酸化され、同時にメト化されたヘモグロビンが
元のヘモグロビンに還元される。
ソームは、優れたヘモグロビンのメト化抑制能を有し、
人工赤血球として有効に使用できる。
定結果を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】脂質からなるリポソーム内に酵素活性を有
するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロビン含
有リポソームにおいて、前記ヘモグロビン溶液に、アデ
ニン、イノシン、アデノシン三リン酸からなる群の少な
くとも1つと、グルコースが含まれていることを特徴と
するヘモグロビン含有リポソーム。 - 【請求項2】脂質からなるリポソーム内に酵素活性を有
するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロビン含
有リポソームにおいて、前記ヘモグロビン溶液に、アデ
ノシン三リン酸と、グルコースが含まれていることを特
徴とする請求項1に記載のヘモグロビン含有リポソー
ム。 - 【請求項3】脂質からなるリポソーム内に酵素活性を有
するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロビン含
有リポソームにおいて、前記ヘモグロビン溶液に、アデ
ニンおよびイノシンと、グルコースが含まれていること
を特徴とする請求項1に記載のヘモグロビン含有リポソ
ーム。 - 【請求項4】脂質からなるリポソーム内に酵素活性を有
するヘモグロビン溶液を取り込んでなるヘモグロビン含
有リポソームにおいて、アデニン、イノシン、アデノシ
ン三リン酸からなる群の少なくとも1つと、グルコース
が添加されているヘモグロビン溶液に、さらに還元型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド、還元型ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドリン酸、酸化型ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドリン酸よりなる群の少なくとも
1つが含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求
項3に記載のヘモグロビン含有リポソーム。 - 【請求項5】洗浄赤血球を溶血後、赤血球膜成分を除去
し、30〜60(W/W)%の濃縮ヘモグロビン溶液に、ア
デニン、イノシン、アデノシン三リン酸からなる群の少
なくとも1つと、グルコースを添加して混和させ、ヘモ
グロビン溶液中の酵素失活が無い緩和な条件下でリポソ
ーム化することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記
載のヘモグロビン含有リポソームの製法。
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DE69519332T DE69519332T2 (de) | 1994-06-15 | 1995-06-15 | Liposomen mit eingekapseltem Hämoglobin |
EP95401394A EP0687463B1 (en) | 1994-06-15 | 1995-06-15 | Hemoglobin-encapsulated liposome |
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Cited By (3)
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EP2058398A1 (en) | 2007-11-09 | 2009-05-13 | Nipro Corporation | Production of recombinant human hemoglobin using pichia yeast |
JP2012063348A (ja) * | 2010-08-16 | 2012-03-29 | Arkray Inc | ヘモグロビンの分析方法 |
-
1994
- 1994-06-15 JP JP13304394A patent/JP3925665B2/ja not_active Expired - Fee Related
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