JPH083049B2 - 顔料組成物,分散方法および塗料 - Google Patents

顔料組成物,分散方法および塗料

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JPH083049B2
JPH083049B2 JP63042637A JP4263788A JPH083049B2 JP H083049 B2 JPH083049 B2 JP H083049B2 JP 63042637 A JP63042637 A JP 63042637A JP 4263788 A JP4263788 A JP 4263788A JP H083049 B2 JPH083049 B2 JP H083049B2
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勝彦 澤村
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は使用適性,特に非集合性,流動性に優れたジ
ケトピロロピロール顔料組成物,分散方法および塗料に
関する。
(従来の技術) 一般に各種コーティングまたはインキ組成物中におい
て鮮明な色調と高い着色力を発揮する実用上有用な顔料
は微細な粒子からなっている。しかしながら顔料の微細
な粒子は,オフセットインキ,グラビアインキおよび塗
料のような非水性ビヒクルに分散する場合,安定な分散
体を得ることが難しく,製造作業上および得られる製品
の価値に重要な影響を及ぼす種々の問題を引き起こすこ
とが知られている。
例えば,微細な粒子からなる顔料を含む分散体は往々
にして高粘度を示し製品の分散機からの取出し,輸送が
困難となるばかりでなく,更に悪い場合は貯蔵中にゲル
化を起し使用困難となることがある。また異種の顔料を
混合して使用する場合,凝集による色分れや,沈降など
の減少により展色物において色むらや著しい着色力の低
下となって現れることがある。さらに展色物の塗膜表面
に関しては光沢の低下,レベリング不良等の状態不良を
生ずることがある。
また、顔料の分散とは直接関係しないが一部の有機顔
料では顔料の結晶状態の変化を伴う現象がある。
すなわちオフセットインキ,グラビアインキおよび塗
料等の非水性ビヒクル中でエネルギー的に不安定な顔料
の結晶粒子がその大きさ,形態を変化させて安定状態に
移行するため展色物において著しい色相の変化,着色力
の減少,粗粒子の発生等により商品価値を損なうことが
ある。
以上のような種々の問題点を解決するためにこれまで
も銅フタロシアニンおよびキナクリドン系顔料を中心と
して数多くの提案がされている。
その内容を技術的手法から分類すると大きく次のよう
な2つに分けられる。
第1法はUSP3370971およびUSP2965511号公報に見られ
るように酸化ケイ素,酸化アルミニウムおよび第3級ブ
チル安息香酸のように無色の化合物で顔料粒子表面を被
覆するものである。
第2法は特公昭41-2466号公報およびUSP2855403号公
報に代表されるように有機顔料を母体骨格とし側鎖にス
ルフォン基,スルフォンアミド基,アミノメチル基,フ
タルイミドメチル基等の置換基を導入して得られる化合
物を混合する方法である。
第2の方法は第1の方法に比べ非水性ビヒクル中での
顔料の非集合性,結晶安定性等に関する効果が著しく大
きくまた顔料組成物の製造の容易さから判断しても非常
に有利な方法である。
ジクトピロロピロール顔料に対して効果のある化合物
はほとんど知られていないのが現状であるが,ジケトピ
ロロピロール顔料に対しては,特開昭62-295966号公報
に示されている組成物が知られている。顔料分野では,
分散助剤が有効か否かは,逐一実験しないとわからない
が,キナクリドンのフタルイミドメチチル誘導体等を併
用することは,効果が必ずしも良くない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,ジケトピロロピロール顔料から成るオフセ
ットインキ,グラビアインキおよび塗料等を製造する場
合に,非集合性,流動性に優れた安定な分散液を得るた
めの顔料組成物および分散方法を提供するものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明はジケトピロロピロール顔料100重量部に対し
て下記一般式〔I〕で示されるキナクリドン誘導体0.3
〜30重量部を用いる顔料組成物,分散方法および塗料に
関する。
ジケトピロロピロール顔料は式(II)で占められる化
合物であるかもしくは式(II)で示される異なる構造の
化合物2種以上の混合物であってもよく,これらの化合
物は米国特許第4,415,685号,ヨーロッパ特許出願公開
公報第133,156号または日本国公開特許公報(A)第61-
120861,61-183363,62-149759等により公知である。
式(II) 式(II)中Xは硫黄原子を表わし,AおよびBは同一で
あってもよくまた相互に相異なっていてもよくアルキ
ル,アラルキル,シクロアルキル,アリールまたは炭素
環式もしくは複素環式芳香族残基を表わし,R1およびR2
は水素原子,非置換もしくは置換アルキル残基,更にア
ルケニル,アルキニル,アラルキル,シクロアルキル,
カルバモイル,アルキルカルバモイル,アリールカルバ
モイル,アルコキシカルボニル,アリール,アルカノイ
ルまたはアロイル基を表わす。
式(II)においてAおよびBがアルキル基を表わす場
合には,このアルキル基は,分岐していてもよく,分岐
していなくともよく,または環式であってもよく,飽和
されていてもよくあるいは不飽和であってもよい。好ま
しくは,1〜18個,更に好ましくは,1〜12個,とりわけ好
ましくは,1〜6個の炭素原子を有してしるのがよい。具
体的には,例えば,メチル,エチル,イソプロピル,第
二ブチル,第三ブチル,第三アミル,シクロヘキシル,
オクチル,デシル,ドデシルまたはステアリルが挙げら
れる。
式(II)においてAおよびBがアラルキル基を表わす
場合には,特に,1〜12個,好ましくは1〜6個,更に好
ましくは,1〜4個の炭素原子を含有し,かつ分岐してい
るかもしくは分岐していないアルキル基またはアルケニ
ル基は,好ましくは,単環〜三環式,更に好ましくは,
単環式または二環式のアリール残基を含有するのがよ
い。具体的には,例えば,ベンジルおよびフェニルエチ
ルが挙げられる。
式(II)において,AおよびBが炭素環式芳香族残基を
表わす場合には,単環〜四環式,とりわけ単環式または
二環式残基,すなわちフェニル,ジフェニリルまたはナ
フチルが好適である。具体的には 式 (式中T1,T2,T3は位置が相異なり,それぞれ独立に水
素,ハロゲン,カルバモイル,シアノ,トリフルオルメ
チル,C2〜C13のアルキルカルバモイル,C1〜C12のアル
キル,C1〜C12のアルコキシ,C1〜C12のアルキルメルカ
プト,C2〜C13のアルコキシカルボニル,C2〜C13アルカ
ノイルアミノ,C1〜C12のモノアルキルアミノ,C2〜C24
のジアルキルアミノ,非置換またはハロゲン,C1〜C12
のアルキルもしくはC1〜C12のアルコキシによって置換
された,フェノキシ,フェニルメルカプト,フェノキシ
カルボニル,フェニルカルバモイルまたはベンゾイルア
ミノを表わす。)または, 式 (式中T4,T5は位置が相異なり,それぞれ独立に水素,
塩素,臭素,C1〜C4のアルキル,シアノ,C1〜C4のアル
コキシ,非置換または塩素もしくはメチルによって置換
された,フェノキシ,カルバモイル,C2〜C5のアルキル
カルバモイル,非置換または塩素,メチルもしくはメト
キシによって置換されたフェニルカルバモイルを表わ
す。)または, 式 (式中T6がメチル,イソブチル,塩素,臭素,メトキ
シ,フェノキシまたはシアノを表わし,T7がメチル,塩
素またはシアノを表わし,かつT8がメチルまたは塩素を
表わす)であり,さらに具体的には,Aがフェニル,4−ク
ロルフェニルまたは4−ビフェニル残基であり,かつB
がフェニル,3−もしくは4−クロルフェニル,4−メチル
フェニル,4−イソブチルフェニル,4−ジフェニリルまた
は3−シアノフェニル残基である場合が挙げられる。
式(II)において,AおよびBが複素環式芳香族残基を
表わす場合には,単環〜三環式のものが好適である。こ
れらのものは純複素環式であってもよくまた1個の複素
環および1個または複数の縮合ベンゼン環を含有してい
てもよく,具体的には,例えば,ピリジル,ピリミジ
ル,ピラジニル,トリアジニル,フラニル,ピロリル,
チオフェニル,キノリル,クマリニル,ベンゾフラニ
ル,ベンゾイミダゾリルまたはベンゾオキサゾリル等が
ある。炭素環式芳香族残基であっても複素環式芳香族残
基であっても,例えば,欧州特許出願第94911号に記載
されているような通常の非水溶性化置換基を示すことも
ある。
また,本発明にかかわるキナクリドン誘導体は下記一
般式(I)として示されるものであり、これらの中には
特開昭56-118462,56-167762,58-145762,59-96175,61-24
6261号公報等により公知であるものもある。
一般式(I) −O-(CH2)n-R20,−OR21,−NR22R23,−Clまたは
−Fを表す。ただし,R11,R12はそれぞれ独立であり、
少なくとも一方は または−O-(CH2)n-R20である。
Q:キナクリドン系色素残基を表す。
Y1:−SO2−,−CH2NHCOCH2−,−CO−または炭素数10
以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基を表す。
Y2:直接結合するかあるいは−NR′−E-SO2−または−N
R′−E-CO−を表わす。ただし、Eは置換されていても
よい飽和もしくは不飽和のアルキレン基またはアリーレ
ン基を表わし、R′は水素原子、置換されていてもよい
飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアリールを表わ
す。
なお、以下に示されるEまたはR′,Rは、前述のEま
たはR′と同様の内容を表わす。
R4,R5,R13,R14:それぞれ独立に、置換されていてもよ
い飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアリール基あ
るいはR4,R5またはR13,R14で窒素、酸素または硫黄原子
を含む置換されていてもよいヘテロ環を表わす。
Y4:直接結合するかあるいは−NH−を表わす。
R10,R19:それぞれ独立に、置換されていてもよい飽和
もしくは不飽和アルキル基またはアリール基を表わす。
Y5:Y1と窒素原子で結合し、トリアジン環と、Y1と結合
する窒素原子とは異なる窒素原子または酸素原子で結合
する連結基を表わす。
Z1:−NR′−または−O−を表わす。
Z2:直接結合するかあるいは−E-SO2‐NR′−または−E
-CO-NR′−を表わす。
R20:窒素原子を含む置換されていてもよい複素環を表
わす。
R21,R22,R23:それぞれ独立に、水素原子、置換されて
いてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアリ
ール基を表わす。
j,k,l,m,n:それぞれ独立に0〜20の数を表わす。ただ
し、j+k、l+mがゼロであることはない。
p,q,r:それぞれ独立に0〜4の数を表わす。ただし、p
+q+rがゼロであることはない。
なお,式(I)で示される化合物は,1分子中に同一の
一般式で示される異種構造の置換基を有していてもよ
い。
式(I)において,Y2,Y4,Z2,Z4中のEは置換されて
いてもよい飽和もしくは不飽和のアルキレン基またはア
リーレン基を表わすが,好ましくは置換されていてもよ
いフェニレン基,ナフチレン基または炭素数が10以下で
ある側鎖を有していてもよい飽和のアルキレン基である
場合が挙げられる。
また, を形成するために使用されるアミン成分またはアルコー
ル成分は,たとえばジメチルアミノメチル,ジメチルア
ミノエチル,ジメチルアミノプロピル,ジメチルアミノ
アミル,ジメチルアミノブチル,ジエチルアミノエチ
ル,シエチルアミノプロピル,ジエチルアミノヘキシ
ル,ジエチルアミノエトキシプロピル,ジエチルアミノ
ブチル,ジエチルアミノペンチル,ジプロピルアミノブ
チル,ジブチルアミノプロピル,ジブチルアミノエチ
ル,ジブチルアミノブチル,ジイソブチルアミノペンチ
ル,N,N−メチル−ラウリルアミノプロピル,N,N−−エチ
ル−ヘキシルアミノエチル,ジステアリルアミノエチ
ル,ジオレイルアミノエチル,ジステアリルアミノブチ
ルアミンまたはアルコール,あるいはN−アミノエチル
ピペリジン,N−アミノエチル−4−ピペコリン,N−アミ
ノエチルモルホリン,N−アミノプロピルピペリジン,N−
アミノプロピルピペリジン,N−アミノプロピル−2−ピ
ペコリン,N−アミノプロピル−4−ピペコリン,N−アミ
ノプロピルモルホリン,N−アミノメチルピペリジン,ま
たはN−ヒドロキシメチルピペリジン,N−ヒドロキシエ
チルピペリジン,N−ヒドロキシプロピルピペリジン、N
−ヒドロキシエチルピペコリン,N−ヒドロキシプロピル
ピペコリン,N−ヒドロキシメチルピロリジン、N−ヒド
ロキシブチルピロリジン,N−ヒドロキシエチルモルホリ
ン,N−ヒドロキシブチルモルホリン等である。
また, および 式−O-(CH2)n-R20 を形成するために使用されるアミン成分またはアルコー
ル成分は,たとえばN−メチルピペラジン,N−エチルピ
ペラジン,N−ブチルピペラジン,1−アミノ−4−メチル
ピペラジン,1−アミノ−4−シクロペンチルピペラジ
ン,1−シクロペンチルピペラジン,N−メチル−3−ピペ
リジンメタノール,N−エチル−3−ヒドロキシピペリジ
ン,N−エチル−3−ヒドロキシピペリジン,N−メチル−
4−ピペリジノール,N−メチル−2−ヒドロキシエチル
ピロリジン等である。
また,Y5はY1と窒素原子で結合し,トリアジン環と,
Y1と結合する窒素原子とは異なる窒素原子または酸素原
子で結合する連結基を表わし,Y5を形成するために使用
される成分は,たとえばヒドラジン,1,2−ジメチルヒド
ラジン,エチレンジアミン,1,2−ジアミノプロパン,1,3
−ジアミノプロパン,N−メチルエチレンジアミン,t−ブ
チルヒドラジン,1,4−ジアミノブタン,1,2−ジアミノ−
2−メチルプロパン,1,2−ジエチルヒドラジン,N,N′−
ジメチルエチレンジアミン,N−エチルエチレンジアミ
ン,N−メチル−1,3−プロパンジアミン,1,5−ジアミノ
ペンタン,2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン,N−
イソプロピルエチレンジアミン,N,N′−ジエチルエチレ
ンジアミン,1,6−ヘキサンジアミン,1,7−ジアミノヘプ
タン,N,N′−ジエチル1,3−プロパンジアミン,N′−イ
ソプロピル−2−メチル−1,2−プロパンジアミン,1,8
−ジアミノオクタン,N,N′−ジメチル1,6−ヘキサンジ
アミン,1,9−ジアミノノナン,1,10−ジアミノデカン,
ヒドロキシルアミン,N−イソプロピルヒドロキシルアミ
ン,N-(t−ブチル)ヒドロキシルアミン,エタノール
アミン,1−アミノ−2−プロパノール,2−アミノ−1−
プロパノール,3−アミノ−1−プロハノール,2−(メチ
ルアミノ)エタノール,2−アミノ−1−ブタノール,4−
アミノ−1−ブタノール,2−アミノ−2−メチル−1−
ブタノール,2−アミノ−1−ペンタノール,5−アミノ−
1−ペンタノール,2−(プロピルアミノ)エタノール,2
−アミノ−1−ヘキサノール,6−アミノ−1−ヘキサノ
ール,2-(t−ブチルアミノ)エタノール,2−アミノ−
3−メチル−1−ペンタノール,2−アミノ−4−メチル
−1−ペンタノール,1,2−フェニレンジアミン,1,3−フ
ェニレンジアミン,1,4−フェニレンジアミン,2−アミノ
フェノール,3−アミノフェノール,4−アミノフェノー
ル,2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸,3−アミノ−4−
ヒドロキシベンゼンスルホン酸,ビス−(3−アミノプ
ロピル)−エーテル,1,2−ビス−(3−アミノプロポキ
シ)−エタン,1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−
2,2−ジメチルプロパン,ラウリルアミノプロピルアミ
ン,メチルイミノービス−プロピルアミン,3−ピペリジ
ンメタノール,2−アミノメチルピペリジン,2−ピペリジ
ンエタノール,4−アミノメチルピペリジン,1,3−ジ−
(4−ピペリジル)−プロパン,3−ヒドナキシピロリジ
ン,ホモピペラジン,N−アミノプロピルピペラジン,2−
メチルピペラジン,2,6−ジメチルピペラジン,2,5−ジメ
チルピペラジン,ピペラジン等である。
式(I)で表わされる化合物を製造するには,ます置
換基として導入されるアミン成分を合成し,これと,ア
ミン成分と反応しうる置換基を導入したキナクリドン化
合物とを反応させるか,もしくはアミン成分と反応しう
る置換基を導入したキナクリドン化合物に対して数回の
反応を行なって,最終的にキナクリドン骨格にアミン成
分の置換基を形成させる方法とがあり,これらの反応に
は酸結合剤として水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,
水酸化カリウム,炭酸カリウム,トリエチルアミン,ピ
リジン,p−ジメチルアミノピリジン等の塩基性化合物を
併用して用いることもできる。また,これらの反応に使
用される溶媒としては水またはメタノール,エタノー
ル,プロピルアルコール,イソプロピルアルコール,ア
セトン,ジオキサン,N,N−ジメチルホルムアミド,N−メ
チル−2−ピロリジノン,ジメチルスルホキシド,シク
ロヘキサン,トルエン,キシレン等の一般の有機溶剤が
挙げられる。
本発明で得られるキナクリドン誘導体の顔料に対する
配合は,顔料100重量部に対し,0.3〜30重量部が好まし
い。0.3重量部より少ないと本発明で得られる顔料分散
剤の効果が得られず,また,30重量部より多く用いても
用いた分の効果が得られない。
本発明にかかわるキナクリドン誘導体の使用方法とし
ては,例えば次のような方法がある。
1.顔料とキナクリドン誘導体を予め混合して得られる顔
料組成物を非水系ビヒクル等に添加して分散する。
2.非水系ビヒクルなどに顔料とキナクリドン誘導体を予
め別々に分散し得られた分散体を混合する。
3.非水系ビヒクルなどに顔料とキナクリドン誘導体を予
め別々に分散し得られた分散体を混合する。この場合キ
ナクリドン誘導体を溶剤のみで分散しても良い。
4.非水系ビヒクルなどに顔料を分散した後,得られた分
散体にキナクリドン誘導体を添加する。
等の4つの方法があり,これらのいずれによっても目的
とする効果が得られる。
上記1で示した顔料組成物の調整法としては,顔料粉
末と本発明に関わるキナクリドン誘導体の粉末を単に混
合しても充分目的とする効果が得られるが,ニーダー,
ロール,アトライター,スーパーミル,各種粉砕機等に
より機械的に混合するか,顔料の水または有機溶媒によ
るサスペンジョン系に本発明に係わるキナクリドン誘導
体を含む溶液を添加し,顔料表面にキナクリドン誘導体
を沈着させるか,硫酸等の強い溶解力をもつ溶媒に顔料
とキナクリドン誘導体を共溶解して水等の貧溶媒により
共沈させる等の緊密な混合法を行えば更に良好な結果を
得ることができる。
また,上記2〜4で示した,顔料とキナクリドン誘導
体との使用においては,非水系ビヒクルまたは溶剤中へ
の顔料あるいはキナクリドン誘導体の分散,これらの混
合等に分散機械としてディゾルバー,ハイスピードミキ
サー,ホモミキサー,ニーダー,ロールミル,サンドミ
ル,アトライター等を使用することにより顔料の良好な
分散ができる。
したがって本発明によれば,ライムロジンワニス,ポ
リアミド樹脂ワニスまたは塩化ビニル樹脂ワニス等のグ
ラビアインキ,ニトロセルロースラッカー,アミノアル
キド樹脂の常乾もしくは焼付け塗料,アクリルラッカ
ー,アミノアクリル樹脂焼付け塗料,ウレタン系樹脂塗
料等の非水性ビヒクルにおいて,顔料を単独で使用した
場合に比べ分散体の粘度の低下および構造粘性の減少等
良好な流動性を示すと同時に色分れ,結晶の変化等の問
題もなく印刷物あるいは塗膜の光沢が良く従って美麗製
品を得ることができる。
特に,本発明にかかわるキナクリドン誘導体は,油変
性アミノアルソキド樹脂塗料はもちろんのことオイルフ
リーアルキド樹脂塗料でも極めて優れた分散効果を有し
ている。
本発明にかかわるキナクリドン誘導体の使用は非水系
ビヒクルだけに限定されず,その他の印刷インキや塗
料,さらにはプラスチックの着色においても,分散効果
に優れ,着色力のある着色物が得られる。
以下に,本発明にかかわるキナクリドン誘導体の合成
法の概略を製造例として示す。なお,以下の「部」,
「%」とは「重量部」,「重量%」を表わし,キナクリ
ドン誘導体の番号は表−1に示される略号と一致する。
〔製造例1〕 モノ(クロルスルホン化)キナクリドン50部を水500
部に分散した後,ジエチルアミノプロピルアミン100部
を加えて60℃で2時間撹拌して濾過し,中性まで水洗し
てから乾燥して,キナクリドン誘導体(1)60部を得
た。
〔製造例2〕 モノ(クロルメチル化)キナクリドン50部を水500部
に分散した後,2−(エチルアミノ)エタノール12部を加
えて30℃で3時間撹拌した。次いで,塩化シアヌル25部
を溶解したメタノール溶液100部を加えて10℃で1時間
撹拌してから,N−メチル−4−ピペリジノール80部を加
えて80℃で2時間撹拌した。生成物を濾過し,中性まで
水洗してから乾燥して,キナクリドン誘導体(25)90部
を得た。
〔製造例3〕 ジ(クロルアセトアミドメチル化)キナクリドン50部
を水500部に分散した後,ジエチルアミノプロピルアミ
ン6部と1−アミノ−2−プロパノール4部を加えて20
℃で12時間撹拌した。次いで,塩化シアヌル9部を溶解
したメタノール溶液100部を加えて10℃で1時間撹拌し
てから,N−メチル−2−ヒドロキシエチルピロリジン30
部を加えて70℃で2時間撹拌した。生成物を濾過し,中
性まで水洗してから乾燥して,キナクリドン誘導体(3
0)69部を得た。
〔製造例4〕 98%硫酸300部にメラミン13部を10〜20℃で溶解し,
ついでパラホルムアルデヒド18部を20℃以下で添加し,
加熱して70〜80℃で4時間撹拌する。次に冷却して20〜
30℃としキナクリドン16部を加えて,同温度で2時間撹
拌する。ついでフタルイミド50部を加えて50〜60℃で3
時間撹拌する。反応液を5000部の氷水に注入して濾過,
水洗,乾燥してキナクリドン誘導体(31)77部を得た。
表−1に,製造例1〜4と同様な方法によって合成さ
れた本発明にかかわるキナクリドン誘導体の例を示し
た。
なお,キナクリドン誘導体43は比較例を示す。
本発明で得られたキナクリドン誘導体の分散効果を評
価するため,式(IX)で示されるジケトピロロピロール
顔料に対してキナクリドン誘導体を内割りで5%添加し
て,下記配合の塗料を作成した。
式(IX) なお, 配合(1) 顔料 9.5部 キナクリドン誘導体 0.5部 アルキド樹脂系ワニス(不揮発分60%) 26.4部 メラミン樹脂系ワニス(不揮発分50%) 13.6部 シンナー 20 部 (キシレン/n−ブタノール8/2) 分散後添加する混合ワニス 48.3部 (アルキド/メラミン=7/3(固形分)) 配合(2) 顔料 9.5部 キナクリドン誘導体 0.5部 アルキド樹脂系ワニス(不揮発分60%) 26.4部 メラミン樹脂系ワニス(不揮発分50%) 13.6部 スワゾール 20 部 分散後添加する混合ワニス 48.3部 (アルキド/メラミン=7/3(固形分)) 上記の配合をしたものを容器に入れ,スチールボール
を加えてペイントシェイカーにて分散し,塗料を作成し
た。これらの塗料を,キナクリドン誘導体未添加の塗料
(上記配合においてキナクリドン誘導体を添加せず,顔
料を10部とした塗料)と,下記の評価方法に従って比較
した。表−2にその結果の例を示した。なお,表−2に
おけるキナクリドン誘導体の番号は表−1中に示される
略号と一致する。
評価法(1) 得られた塗料の粘度をB型粘度計にて測定し(測定温
度25℃),そのTI値(6rpm/60rpm)にて判定した。
○:1.0〜1.5 △:1.5〜2.0 ×:2.0以上 評価法(2) 得られた塗料を最終塗料粘℃がフォードカップ4で23
秒になるようにシンナーで調整し,エアースプレーガン
でブリキ板に吹き付けた後焼き付け,目視およびグロス
メーターでの20°グロスの測定により,塗面の鮮映性の
総合評価を行なった。
○:優 △:良 ×:劣 これらの塗料は,1週間放置後に同じ粘度計で粘度を測
定しても,粘度の増加はほとんど認められなかった。ま
た,チタン白で調整した白塗料で1/10カットの淡色塗料
を作成し,粘度をフォードカップ4で23秒に調整し,試
験管にとって凝集状態を観察したが,1ケ月後でも色分れ
や沈降は認められなかった。
さらに,本発明にかかわるキナクリドン誘導体を添加
した顔料は,ニトロセルロースラッカー,アクリル樹脂
塗料およびグラビアインキ中でも凝集を起こさず良好な
分散性を示した。
なお,式(IX)以外のジケトピロロピロール顔料にお
いても同様な結果が得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジケトピロロピロール顔料100重量部およ
    び下記一般式(I)で示されるキナクリドン誘導体0.3
    〜30重量部を含むことを特徴とする顔料組成物。 式(I) −O-(CH2)n-R20,−OR21,−NR22R23,−Clまたは−
    Fを表す。ただし,R11,R12はそれぞれ独立であり、少
    なくとも一方は または−O-(CH2)n-R20である。 Q:キナクリドン系色素残基を表す。 Y1:−SO2−,−CH2NHCOCH2−,−CO−または炭素数10
    以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基を表す。 Y2:直接結合するかあるいは−NR′−E-SO2−または−N
    R′−E-CO−を表わす。ただし、Eは置換されていても
    よい飽和もしくは不飽和のアルキレン基またはアリーレ
    ン基を表わし、R′は水素原子、置換されていてもよい
    飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアリールを表わ
    す。 なお、以下に示されるEまたはR′は、前述のEまたは
    R′と同様の内容を表わす。 R4,R5,R13,R14:それぞれ独立に、置換されていてもよ
    い飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアリール基あ
    るいはR4,R5またはR13,R14で窒素、酸素または硫黄原子
    を含む置換されていてもよいヘテロ環を表わす。 Y4:直接結合するかあるいは−NH−を表わす。 R10,R19:それぞれ独立に、置換されていてもよい飽和
    もしくは不飽和アルキル基またはアリール基を表わす。 Y5:Y1と窒素原子で結合し、トリアジン環と、Y1と結合
    する窒素原子とは異なる窒素原子または酸素原子で結合
    する連結基を表わす。 Z1:−NR′−または−O−を表わす。 Z2:直接結合するかあるいは−E-SO2‐NR′−または−E
    -CO-NR′−を表わす。 R20:窒素原子を含む置換されていてもよい複素環を表
    わす。 R21,R22,R23:それぞれ独立に、水素原子、置換されて
    いてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアリ
    ール基を表わす。 j,k,l,m,n:それぞれ独立に0〜20の数を表わす。ただ
    し、j+k、l+mがゼロであることはない。 p,q,r:それぞれ独立に0〜4の数を表わす。ただし、p
    +q+rがゼロであることはない。
  2. 【請求項2】ジケトピロロピロール顔料100重量部に、
    請求項1記載のキナクリドン誘導体0.3〜30重量部を使
    用することを特徴とする顔料の分散方法。
  3. 【請求項3】ジケトピロロピロール顔料100重量部およ
    び請求項1記載のキナクリドン誘導体0.3〜30重量部を
    含むことを特徴とする塗料。
  4. 【請求項4】ジケトピロロピロール顔料が式(II)で示
    される化合物であるかもしくは式(II)で示される異な
    る構造の化合物2種以上の混合物である請求項1ないし
    3いずれか1項記載の顔料組成物。 式(II) 式中Xは酸素もしくは硫黄原子を表わし、AおよびBは
    同一であってもよく、また相互に相異なっていてもよく
    アルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリールまた
    は炭素環式もしくは複素環式芳香族残基を表し、R1およ
    びR1は水素原子、非置換もしくは置換アルキル残基、ア
    ルケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル、
    カルバモイル、アルキルカルバモイル、アリールカルバ
    モイル、アルコキシカルボニル、アリール、アルカノイ
    ルまたはアロイル基を表わす。
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