JP2629150B2 - 顔料組成物、分散方法および塗料 - Google Patents

顔料組成物、分散方法および塗料

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JP2629150B2
JP2629150B2 JP7171738A JP17173895A JP2629150B2 JP 2629150 B2 JP2629150 B2 JP 2629150B2 JP 7171738 A JP7171738 A JP 7171738A JP 17173895 A JP17173895 A JP 17173895A JP 2629150 B2 JP2629150 B2 JP 2629150B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0033Blends of pigments; Mixtured crystals; Solid solutions

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用適正、特に非集
合性、流動性に優れたジケトピロロピロール顔料組成
物、分散方法および塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に各種コーティングまたはインキ組
成物中において鮮明な色調と高い着色力を発揮する実用
上有用な顔料は微細な粒子からなっている。しかしなが
ら顔料の微細な粒子は、オフセットインキ、グラビアイ
ンキおよび塗料のような非水性ビヒクルに分散する場
合、安定な分散体を得ることが難しく、製造作業上およ
び得られる製品の価値に重要な影響を及ぼす種々の問題
を引き起こすことが知られている。例えば、微細な粒子
からなる顔料を含む分散体は往々にして高粘度を示し製
品の分散機からの取出し、輸送が困難となるばかりでな
く、更に悪い場合は貯蔵中にゲル化を起し使用困難とな
ることがある。また異種の顔料を混合して使用する場
合、凝集による色分れや、沈降などの減少により展色物
において色むらや著しい着色力の低下となって現れるこ
とがある。さらに展色物の塗膜表面に関しては光沢の低
下、レベリング不良等の状態不良を生ずることがある。
【0003】また、顔料の分散とは直接関係しないが一
部の有機顔料では顔料の結晶状態の変化を伴う現象があ
る。すなわちオフセットインキ、グラビアインキおよび
塗料等の非水性ビヒクル中でエネルギー的に不安定な顔
料の結晶粒子がその大きさ、形態を変化させて安定状態
に移行するため展色物において著しい色相の変化、着色
力の減少、粗粒子の発生等により商品価値を損なうこと
がある。以上のような種々の問題点を解決するためにこ
れまでも銅フタロシアニンおよびキナクリドン系顔料を
中心として数多くの提案がされている。
【0004】その内容を技術的手法から分類すると大き
く次のような2つに分けられる。第1法はUSP337
0971およびUSP2965511号公報に見られる
ように酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび第3級ブチ
ル安息香酸のように無色の化合物で顔料粒子表面を被覆
するものである。第2法は特公昭41−2466号公報
およびUSP2855403号公報に代表されるように
有機顔料を母体骨格とし側鎖にスルフォン基、スルフォ
ンアミド基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等
の置換基を導入して得られる化合物を混合する方法であ
る。
【0005】第2の方法は第1の方法に比べ非水性ビヒ
クル中での顔料の非集合性、結晶安定性等に関する効果
が著しく大きくまた顔料組成物の製造の容易さから判断
しても非常に有利な方法である。ジケトピロロピロール
顔料に対して効果のある化合物はほとんど知られていな
いのが現状であるが、ジケトピロロピロール顔料に対し
ては、特開昭62−295966号公報に示されている
組成物が知られている。顔料分野では、分散助剤が有効
か否かは、遂一実験しないとわからないが、キナクリド
ンのフタルイミドメチル誘導体等を併用することは、効
果が必ずしも良くない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ジケトピロ
ロピロール顔料から成るオフセットインキ、グラビアイ
ンキおよび塗料等を製造する場合に、非集合性、流動性
に優れた安定な分散液を得るための顔料組成物および分
散方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジケトピロロ
ピロール顔料100重量部、および下記一般式(A)ま
たは一般式(B)で示される化合物、もしくはその化合
物を加水分解して生じるカルボキシル基を有する化合物
またはそのカルボキシル基が金属と塩を形成している化
合物であるキナクリドン誘導体0.3〜30重量部から
なる顔料組成物に関する。 一般式(A)
【化5】 一般式(B)
【化6】 式中、Yは、Z−CH 2 NH−または
【化7】 を表し、Zは、Q−または
【化8】 を表し(Qはキナクリドン残基を表す。)、R 3 、R 4
は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ニト
ロ基、スルホン基またはカルボキシル基を表し、s、t
は0〜4の数を表す。)本発明のキナクリドン誘導体
、キナクリドン色素と、メラミンもしくは尿素のメチ
ロール化物およびそのアルコキシメチル化物から選ばれ
る少なくとも1種と、置換されていてもよいフタルイミ
ドおよびN−オキシメチルフタルイミドから選ばれる少
なくとも1種とを反応させて得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】ジケトピロロピロール顔料は式
(I)で示される化合物であるかもしくは式(I)で示
される異なる構造の化合物2種以上の混合物であっても
よく、これらの化合物は米国特許第4,415,685
号、ヨーロッパ特許出願公開公報第133,156号ま
たは日本国公開特許公報(A)第61−120861,
61−183363,62−149759等により公知
である。
【0009】
【化1】
【0010】式(I)中Xは硫黄原子を表わし、Aおよ
びBは同一であってもよくまた相互に相異なっていても
よくアルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリール
または炭素環式もしくは複素環式芳香族残基を表わし、
1 およびR2 は水素原子、非置換もしくは置換アルキ
ル残基、更にアルケニル、アルキニル、アラルキル、シ
クロアルキル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、
アリールカルバモイル、アルコキシカルボニル、アリー
ル、アルカノイルまたはアロイル基を表わす。式(I)
においてAおよびBがアルキル基を表わす場合には、こ
のアルキル基は、分岐していても分岐していなくともよ
く、または環式であってもよく、飽和されていてもよく
あるいは不飽和であってもよい。好ましくは1〜18
個、更に好ましくは、1〜12個、とりわけ好ましく
は、1〜6個の炭素原子を有しているのがよい。具体的
には、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、第二ブ
チル、第三ブチル、第三アミル、シクロヘキシル、オク
チル、デシル、ドデシルまたはステアリルが挙げられ
る。
【0011】式(I)においてAおよびBがアラルキル
基を表わす場合には、特に、1〜12個、好ましくは1
〜6個、更に好ましくは、1〜4個の炭素原子を含有
し、かつ分岐しているかもしくは分岐していないアルキ
ル基またはアルケニル基は、好ましくは、単環〜三環
式、更に好ましくは、単環式または二環式のアリール残
基を含有するのがよい。具体的には、例えば、ベンジル
およびフェニルエチルが挙げられる。式(I)におい
て、AおよびBが炭素環式芳香族残基を表わす場合に
は、単環〜四環式、とりわけ単環式または二環式残基、
すなわちフェニル、ジフェニリルまたはナフチルが好適
である。具体的には下記式、
【0012】
【化2】
【0013】(式中T1 ,T2 ,T3 は位置が相異な
り、それぞれ独立に水素、ハロゲン、カルバモイル、シ
アノ、トリフルオルメチル、C2 〜C13のアルキルカル
バモイル、C1 〜C12のアルキル、C1 〜C12のアルコ
キシ、C1 〜C12のアルキルメルカプト、C2 〜C13
アルコキシカルボニル、C2 〜C13のアルカノイルアミ
ノ、C1 〜C12のモノアルキルアミノ、C2 〜C24のジ
アルキルアミノ、非置換またはハロゲン、C1 〜C12
アルキルもしくはC1 〜C12のアルコキシによって置換
された、フェノキシ、フェニルメルカプト、フェノキシ
カルボニル、フェニルカルバモイルまたはベンゾイルア
ミノを表わす。) または、下記式、
【0014】
【化3】
【0015】(式中T4 ,T5 は位置が相異なり、それ
ぞれ独立に水素、塩素、臭素、C1〜C4 のアルキル、
シアノ、C1 〜C4 のアルコキシ、非置換または塩素も
しくはメチルによって置換された、フェノキシ、カルバ
モイル、C2 〜C5 のアルキルカルバモイル、非置換ま
たは塩素、メチルもしくはメトキシによって置換された
フェニルカルバモイルを表わす。) または、下記式、
【0016】
【化4】
【0017】(式中T6 はメチル、イソブチル、塩素、
臭素、メトキシ、フェノキシまたはシアノを表わし、T
7 はメチル、塩素またはシアノを表わし、かつT8 はメ
チルまたは塩素を表わす)であり、さらに具体的にはA
がフェニル、4−クロルフェニルまたは4−ビフェニル
残基であり、かつBがフェニル、3−もしくは4−クロ
ルフェニル、4−メチルフェニル、4−イソブチルフェ
ニル、4−ジフェニリルまたは3−シアノフェニル残基
である場合が挙げられる。式(I)において、Aおよび
Bが複素環式芳香族残基を表わす場合には、単環〜三環
式のものが好適である。これらのものは純複素環式であ
ってもよく、また1個の複素環および1個または複数の
縮合ベンゼン環を含有していてもよく、具体的には、例
えば、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、トリアジニ
ル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、キノリル、ク
マリニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリルまたは
ベンゾオキサゾリル等がある。炭素環式芳香族残基であ
っても複素環式芳香族残基であっても、例えば、欧州特
許出願第94911号に記載されているような通常の非
水溶性化置換基を示すこともある。
【0018】本発明のキナクリドン誘導体は、たとえば
式(II)、(III) で示されるようにトリアジン環または
尿素結合をキナクリドン母体骨格が間にはさんで結合し
ている。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】Q:キナクリドン残基を表す。3 ,R4 :ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基、スルホン基またはカルボキシル基を表わ
す。 s,t:0〜4の数を表わす。 本発明で使用するメラミンのメチロール化物もしくはそ
のアルコキシメチル化物は、ジ置換体からヘキサ置換体
のいずれでもよく、工業的には、モノ置換体からヘキサ
置換体およびそれらの重合物を含む原料を使用する場合
が多い。同様に尿素のメチロール化物もしくはそのアル
コキシメチル化物の場合も置換基数に限らず優れた顔料
分散効果が得られる。
【0022】本発明で得られる化合物は、メチロール基
またはアルコキシメチル基が必ずしもフタルイミドもし
くはN−オキシメチルフタルイミドと完全に反応する必
要はなく、一部のメチロール基またはアルコキシメチル
基が未反応のまま残っていても極めて優れた分散効果を
示す。さらにメラミンまたは尿素のメチロール化物また
はアルコキシメチル化物を仕込み原料として使用せず
に、メラミンまたは尿素とパラホルムアルデヒドおよび
アルコールを仕込み原料として使用することが可能であ
る。
【0023】また、本発明で得られる化合物は、原料の
キナクリドン色素がメラミンもしくは尿素のメチロール
化物またはアルコキシメチル化物による架橋反応によっ
て、例えば式(IV)のような化合物を含有している。こ
の場合でも極めて優れた分散効果を示すことが判明し
た。
【0024】
【化7】
【0025】Q:キナクリドン残基を表す。 R3 ,s:式(II)または(III) 中に示されるR3 ,s
と同様の内容を表わす。 N−メチロールフタルイミドを原料として使用した場合
には、キナクリドン母体骨格へも一部直接フタルイミド
基が導入された、たとえば式(V)のような化合物を生
成するが、この場合でも極めて優れた分散効果を示す。
【0026】
【化8】
【0027】Q:キナクリドン残基を表す。 R3 ,R4 ,s,t:式(II)または(III) 中に示され
るR3 ,R4 ,s,tと同様の内容を表わす。 さらに、たとえば式(VI) で示されるようなフタルイミ
ド基を加水分解した化合物およびそのナトリウム、カル
シウム、バリウム、アルミニウム、ストロンチウムなど
の金属塩も極めて優れた分散効果を示す。
【0028】
【化9】
【0029】Q:キナクリドン残基を表す。 R3 ,R4 ,s,t:式(II)または(III) 中に示され
るR3 ,R4 ,s,tと同様の内容を表わす。 本発明の化合物の製造の反応溶媒として硫酸、ポリリン
酸などの酸類を使用すことができる。本発明の化合物を
製造する場合、キナクリドン色素1モルに対してメラミ
ンもしくは尿素のメチロール化物およびそのアルコキシ
メチル化物は0.2〜6モル、置換されていてもよいフ
タルイミドおよびN−オキシメチルフタルイミドは0.
2〜10モルを原料として使用すると最も優れた分散性
能を有する化合物が得られるが、この範囲外の仕込みモ
ル比で製造した場合でも不純物量は増大するが実用上は
添加量を増加するなどして、充分な分散効果を得ること
ができる。
【0030】本発明で得られるキナクリドン誘導体の顔
料に対する配合は、顔料100重量部に対し、0.3〜
30重量部が好ましい。0.3重量部より少ないと本発
明で得られる顔料分散剤の効果が得られず、また、30
重量部より多く用いても用いた分の効果が得られない。
本発明にかかわるキナクリドン誘導体の使用方法として
は、例えば次のような方法がある。 1.顔料とキナクリドン誘導体を予め混合して得られる
顔料組成物を非水系ビヒクル等に添加して分散する。 2.非水系ビヒクルなどに顔料とキナクリドン誘導体を
予め別々に分散し得られた分散体を混合する。 3.非水系ビヒクルなどに顔料とキナクリドン誘導体を
予め別々に分散し得られた分散体を混合する。この場合
キナクリドン誘導体を溶剤のみで分散しても良い。 4.非水系ビヒクルなどに顔料を分散した後、得られた
分散体にキナクリドン誘導体を添加する。 等の4つの方法があり、これらのいずれによっても目的
とする効果が得られる。
【0031】上記1で示した顔料組成物の調整法として
は、顔料粉末と本発明に関わるキナクリドン誘導体の粉
末を単に混合しても充分目的とする効果が得られるが、
ニーダー、ロール、アトライター、スーパーミル、各種
粉砕機等により機械的に混合するか、顔料の水または有
機溶媒によるサスペンジョン系に本発明に係わるキナク
リドン誘導体を含む溶液を添加し、顔料表面にキナクリ
ドン誘導体を沈着させるか、硫酸等の強い溶解力をもつ
溶媒に顔料とキナクリドン誘導体を共溶解して水等の貧
溶媒により共沈させる等の緊密な混合法を行えば更に良
好な結果を得ることができる。
【0032】また、上記2〜4で示した、顔料とキナク
リドン誘導体との使用においては、非水系ビヒクルまた
は溶剤中への顔料あるいはキナクリドン誘導体の分散、
これらの混合等に分散機械としてディゾルバー、ハイス
ピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ロールミ
ル、サンドミル、アトライター等を使用することにより
顔料の良好な分散ができる。したがって本発明によれ
ば、ライムロジンワニス、ポリアミド樹脂ワニスまたは
塩化ビニル樹脂ワニス等のグラビアインキ、ニトロセル
ロースラッカー、アミノアルキド樹脂の常乾もしくは焼
付け塗料、アクリルラッカー、アミノアクリル樹脂焼付
け塗料、ウレタン系樹脂塗料等の非水性ビヒクルにおい
て、顔料を単独で使用した場合に比べ分散体の粘度の低
下および構造粘性の減少等良好な流動性を示すと同時に
色分れ、結晶の変化等の問題もなく印刷物あるいは塗膜
の光沢が良く従って美麗製品を得ることができる。
【0033】特に、本発明にかかわるキナクリドン誘導
体は、油変性アミノアルソキド樹脂塗料はもちろんのこ
とオイルフリーアルキド樹脂塗料でも極めて優れた分散
効果を有している。本発明にかかわるキナクリドン誘導
体の使用は非水系ビヒクルだけに限定されず、その他の
印刷インキや塗料、さらにはプラスチックの着色におい
ても、分散効果に優れ、着色力のある着色物が得られ
る。以下に、本発明にかかわるキナクリドン誘導体の合
成法の概略を製造例として示す。なお、以下の「部」、
「%」とは「重量部」、「重量%」を表わし、キナクリ
ドン誘導体の番号は表−1に示される略号と同じであ
る。 〔製造例1〕98%硫酸300部にメラミン13部を1
0〜20℃で溶解し、ついでパラホルムアルデヒド18
部を20℃以下で添加し、加熱して70〜80℃で4時
間攪拌する。次に冷却して20〜30℃としキナクリド
ン16部を加えて、同温度で2時間攪拌する。ついでフ
タルイミド50部を加えて50〜60℃で3時間攪拌す
る。反応液を5000部の氷水に注入して濾過、水洗、
乾燥してキナクリドン誘導体(1)77部を得た。
【0034】表1に、製造例1と同様な方法によって合
成された本発明にかかわるキナクリドン誘導体の例を示
した。
【0035】
【表1】
【0036】なお、キナクリドン誘導体5は比較例を示
す。本発明で得られたキナクリドン誘導体の分散効果を
評価するため、式(VII)で示されるジケトピロロピロー
ル顔料に対してキナクリドン誘導体を内割りで5%添加
して、下記配合の塗料を作成した。
【0037】
【化10】
【0038】なお、 配合(1) 顔料 9.5部 キナクリドン誘導体 0.5部 アルキド樹脂系ワニス(不揮発分60%) 26.4部 メラミン樹脂系ワニス(不揮発分50%) 13.6部 シンナー 20 部 (キシレン/n−ブタノール=8/2) 分散後添加する混合ワニス 48.3部 (アルキド/メラミン=7/3(固形分)) 配合(2) 顔料 9.5部 キナクリドン誘導体 0.5部 アルキド樹脂系ワニス(不揮発分60%) 26.4部 メラミン樹脂系ワニス(不揮発分50%) 13.6部 スワゾール 20 部 分散後添加する混合ワニス 48.3部 (アルキド/メラミン=7/3(固形分)) 上記の配合をしたものを容器に入れ、スチールボールを
加えてペイントシェイカーにて分散し、塗料を作成し
た。これらの塗料を、キナクリドン誘導体未添加の塗料
(上記配合においてキナクリドン誘導体を添加せず、顔
料を10部とした塗料)と、下記の評価方法に従って比
較した。表2にその結果の例を示した。なお、表2にお
けるキナクリドン誘導体の番号は表1中に示される略号
と同じである。
【0039】評価法(1) 得られた塗料の粘度をB型粘度計にて測定し(測定温度
25℃)、そのTI値(6rpm/60rpm)にて判
定した。 ○ : 1.0〜1.5 △ : 1.5〜2.0 × : 2.0以上 評価法(2) 得られた塗料を最終塗料粘度がフォードカップ4で23
秒になるようにシンナーで調整し、エアースプレーガン
でブリキ板に吹き付けた後焼き付け、目視およびグロス
メーターでの20°グロスの測定により、塗面の鮮映性
の総合評価を行なった。
【0040】 ○ : 優 △ : 良 × : 劣 表2 配合 添加したキナクリドン誘導体 評価(1) 評価(2) (1) 未添加 × × 1 ○ ○ 3 ○ ○ 5 × × (2) 未添加 × × 2 ○ ○ 4 ○ これらの塗料は、1週間放置後に同じ粘度計で粘度を測
定しても、粘度の増加はほとんど認められなかった。ま
た、チタン白で調整した白塗料で1/10カットの淡色
塗料を作成し、粘度をフォードカップ4で23秒に調整
し、試験管にとって凝集状態を観察したが、1ヶ月後で
も色分れや沈降は認められなかった。
【0041】さらに、本発明にかかわるキナクリドン誘
導体を添加した顔料は、ニトロセルロースラッカー、ア
クリル樹脂塗料およびグラビアインキ中でも凝集を起こ
さず良好な分散性を示した。なお、式(VII)以外のジケ
トピロロピロール顔料においても同様な結果が得られ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明により、ジケトピロロピロール顔
料を含有するオフセットインキ、グラビアインキ、塗料
等において、非集合性、流動性に優れた安定な顔料分散
体を得ることができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジケトピロロピロール顔料100重量
    部、および下記一般式(A)または一般式(B)で示さ
    れる化合物、もしくはその化合物を加水分解して生じる
    カルボキシル基を有する化合物またはそのカルボキシル
    基が金属と塩を形成している化合物であるキナクリドン
    誘導体0.3〜30重量部からなる顔料組成物。一般式(A) 【化1】 一般式(B) 【化2】 (式中、Yは、Z−CH 2 NH−または 【化3】 を表し、Zは、Q−または 【化4】 を表し(Qはキナクリドン残基を表す。)、R 3 、R 4
    は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ニト
    ロ基、スルホン基またはカルボキシル基を表し、s、t
    は0〜4の数を表す。)
  2. 【請求項2】 ジケトピロロピロール顔料100重量部
    に、請求項1記載のキナクリドン誘導体0.3〜30重
    量部を使用することを特徴とする顔料の分散方法。
  3. 【請求項3】 ジケトピロロピロール顔料100重量部
    および請求項1記載のキナクリドン誘導体0.3〜30
    重量部を含むことを特徴とする塗料。
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