JP2500941B2 - 顔料組成物ならびにそれを使用した塗料および印刷インキ - Google Patents

顔料組成物ならびにそれを使用した塗料および印刷インキ

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は使用適性、特に非集合性、非結晶性、流動性
に優れた顔料組成物および塗料または印刷インキに関す
る。
(従来の技術) 高ハロゲン化銅フタロシアニンは色調が美しいこと、
着色力が大きいことおよび各種堅牢度が優れていること
などで色材関係に広く使用されている緑色顔料である
が、用途によってはまだ満足できない性質を持ってい
る。
一般に高ハロゲン化銅フタロシアニンの粒子径は非常
に小さく、これに起因する大きな欠点の一つは集合性で
ある。この傾向は塗料やグラビアインキなどの非水性低
粘度分散系で著しく観察されるが、顔料の集合の結果、
流動性において大きな構造粘性を示し、また他種の顔料
と混合した塗料において色分かれや顔料の沈降など実用
上問題を起こすことがある。
この欠点を是正するためにいくつかの方法が提案され
ている。たとえばUSP3,891,455号公報に見られるような
銅フタロシアニン誘導体を高ハロゲン化銅フタロシアニ
ンに混合する方法、特公昭40−4143号公報に見られるよ
うな高ハロゲン化銅フタロシアニンのポリスルホン酸ア
ルカリ土類金属塩または高級脂肪族アミン塩を高ハロゲ
ン化銅フタロシアニンに混合する方法などである。これ
らの方法について追試して見るとグラビアインキ系では
優れた光沢と低い粘性を示すが、塗料系での効果は小さ
い。
また、特開昭52−132031号公報に見られるように、青
色の銅フタロシアニン誘導体を高ハロゲン化銅フタロシ
アニンに混合する方法も提案されている。しかし、特開
昭52−132031、47−10829、47−10831、48−41202、51
−34235、51−34236、51−133323号等の各公報等に見ら
れるような青色の銅フタロシアニン誘導体を高ハロゲン
化銅フタロシアニンに混合して塗料もしくは印刷インキ
等を作成した場合、集合性、流動性等の性質は改善され
るが、色相が青味となり、高ハロゲン化銅フタロシアニ
ン顔料の特徴である緑色の色相が損われ、緑色顔料とし
ての価値が失われてしまう。
また、このような高ハロゲン化銅フタロシアニンの色
相上にかかわる問題点を解決するための手段として、特
開昭59−168070号公報に式(E)または式(F)で表わ
されるような緑色の銅フタロシアニン誘導体を高ハロゲ
ン化銅フタロシアニンに混合する方法が提案されてい
る。
(式中の記号の意味は式(I)、式(II)と同じ) しかしながら、これらの銅フタロシアニン誘導体は、
それらの製造工程において非常に不利または不合理であ
る点が多い。例えば、式(E)で表わされる銅フタロシ
アニン誘導体を製造する場合には、カルボキシル基を有
する銅フタロシアニンを製造する必要があるわけである
が、銅フタロシアニンに置換基導入反応を行ってカルボ
キシル基を導入することは非常に困難であるため、カル
ボキシル基を有する無水フタル酸またはフタルイミドを
使用して銅フタロシアニン骨格の合成から行わなければ
ならず、これは工業上、非常に不合理である。また、式
(F)で表わされる銅フタロシアニン誘導体を製造する
には、銅フタロシアニンにクロロスルホン基の導入反応
を行って銅フタロシアニンスルホン酸クロリドを製造す
る必要があるが、クロロスルホン基を数多く導入するこ
とは困難であり、また、クロロスルホン基が加水分解し
て生じたスルホン基が式(F)で表わされる銅フタロシ
アニン誘導体中に残る可能性も大きく、これらのこと
は、顔料分散性能に悪影響を及ぼす恐れがある。
なお、銅フタロシアニン誘導体の顔料分散性能はその
化学構造の違いにより大きく異なる場合が多く、上記化
学構造の銅フタロシアニン誘導体が、高ハロゲン化銅フ
タロシアニン顔料の分散に対して必ずしも有効であると
は言えない。
(課題を解決するための手段) 本発明は、高ハロゲン化銅フタロシアニン100重量部
と式(I)または式(II)で表わされる銅フタロシアニ
ン誘導体0.1〜30重量部とからなる顔料組成物、および
該顔料組成物と塗料用ビヒクルまたは印刷インキ用ビヒ
クルからなる塗料および印刷インキに関する。
CuPc:銅フタロシアニン残基を表わす。
X:塩素原子または臭素原子を表わす。
A:−CH2−または−CH2NHCOCH2−を表わす。
R1,R2:それぞれ独立に、置換されていてもよい飽和もし
くは不飽和のアルキル基またはR1,R2で窒素、酸素また
は硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表わ
す。
l:4〜15の整数を表わす。
m:1〜20の整数を表わす。
n:1〜10の整数を表わす。
本発明における高ハロゲン化銅フタロシアニンとして
は塩素および/または臭素の置換数が8〜16のものをい
う。
式(I)または式(II)で表わされる銅フタロシアニ
ン誘導体の塩素および/または臭素の置換基数は合計し
て4〜15であり、置換基数が3以下であると、銅フタロ
シアニン誘導体が青色の化合物となり、高ハロゲン化銅
フタロシアニン顔料に混合して使用した場合、塗料およ
び印刷インキの色相が青味になるという問題を引き起こ
す。これに対して、塩素または臭素の置換基数の合計が
4以上であると、式(I)または式(II)で表わされる
銅フタロシアニン誘導体は緑色系の化合物となるため、
高ハロゲン化銅フタロシアニン顔料に混合して使用して
も、顔料のもつ緑色の色相を損うことがない。なお、式
(I)または式(II)で表わされる銅フタロシアニン誘
導体の塩素および臭素の置換基数の合計は5〜10の範囲
が実用上有利である。
本発明にかかわる銅フタロシアニン誘導体を製造する
には、数種の合成経路があるが、式(III)で表わされ
る銅フタロシアニン誘導体を例として、代表的な製造方
法の概略を下記に1),2),3)として示す。
1)トリ(クロロメチル)銅フタロシアニンとジエチル
アミンを反応させて式(IV)で表わされる化合物を製造
する。
次に、式(IV)で表わされる化合物を塩素化して、式
(III)で表わされる銅フタロシアニン誘導体を製造す
る。
2)トリ(クロロメチル)銅フタロシアニンを塩素化し
て、式(V)で表わされる化合物を製造する。
式(V) (Cl)−CuPcCH2Cl) 次に、式(V)で表わされる化合物とジエチルアミン
を反応させて、式(III)で表わされる銅フタロシアニ
ン誘導体を製造する。
3)ヘキサクロロ銅フタロシアニンをトリ(クロロメチ
ル)化して、式(V)で表わされる化合物を製造する。
次に、式(V)で表わされる化合物とジエチルアミンを
反応させて、式(III)で表わされる銅フタロシアニン
誘導体を製造する。
なお、式(I)および式(II)においてAが−CH2NCO
CH2−を表わす場合、すなわち、式(VI)または式(VI
I)で表わされるようなクロロアセチルアミノメチル化
銅フタロシアニンを反応中間体とする場合も、前記
1),2),3)と同様な方法により、本発明にかかわる銅
フタロシアニン誘導体を製造することができる。
式(VI) CuPcCH2NHCOCH2Cl) 式(VII) Xl−CuPcCH2NHCOCH2Cl) (X,l,nは前記と同じ) また、クロロメチル基またはクロロアセチルアミノメ
チル基を有する銅フタロシアニン類とアミン類との反応
においては、脱塩化水素剤として水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリエ
チルアミン、ピリジン、p−ジメチルアミノピリジン等
の塩基性化合物を併用して用いることもできる。
式(I)または式(II)における、 または を形成するために使用されるアミン類は、たとえば、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、N−エチルイソプロピ
ルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−メチルブチ
ルアミン、N−メチルイソブチルアミン、N−ブチルエ
チルアミン、N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、ジプロピルアミン、N−sec−ブチルプ
ロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミ
ン、ジイソブチルアミン、N−イソブチル−sec−ブチ
ルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘ
キシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジオ
クチルアミン、N−メチルオクタデシルアミン、ジデシ
ルアミン、ジアリルアミン、N−エチル−1,2−ジメチ
ルプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、2−ヒ
ドロキシメチルアミノエタノール、ジオレイルアミン、
ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミ
ン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチル
アミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルア
ミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチ
ルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピル
アミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジ
エチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペン
チルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N
−ブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノ
エチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N
−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチル−
ラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチル−ヘキシ
ルアミノエチルアミン、N,N−ジエステルアミノエチル
アミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジ
ステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペ
コリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペ
チジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペ
リジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、
イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2
−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシ
ピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノ
エチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリ
ン、N−アミノピロピルピペリジン、N−アミノプロピ
ル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコ
リン、N−アミノプロピルモリホリン、N−メチルピペ
ラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラ
ジン、1−シクロペンチルピペラジン等である。
式(I)または式(II)で表わされる銅フタロシアニ
ン誘導体の高ハロゲン化銅フタロシアニンに対する配合
は、高ハロゲン化フタロシアニン100重量部に対し、0.1
〜30重量部が好ましい。0.1重量部より少ないと本発明
にかかわる銅フタロシアニン誘導体の効果が得られず、
30重量部より多く用いても用いた分の効果が得られな
い。
高ハロゲン化銅フタロシアニンと式(I)または式
(II)で表わされる銅フタロシアニン誘導体の使用方法
としては、例えば次のような方法がある。
1.高ハロゲン化銅フタロシアニンと銅フタロシアニン誘
導体を予め混合して得られる顔料組成物を非水系ビヒク
ルなどに添加して分散する。
2.非水系ビヒクルなどに高ハロゲン化銅フタロシアニン
と銅フタロシアニン誘導体を別々に添加して分散する。
3.非水系ビヒクルなどに高ハロゲン化銅フタロシアニン
と銅フタロシアニン誘導体を予め別々に分散し得られた
分散体を混合する。
この場合、銅フタロシアニン誘導体を溶媒のみで分散
してもよい。
4.非水系ビヒクルなどに高ハロゲン化銅フタロシアニン
を分散した後、得られた分散体に銅フタロシアニン誘導
体を添加する。
等の方法があり、これらのいずれによっても目的とする
効果が得られる。
上記1で示した顔料組成物の調整法としては、高ハロ
ゲン化銅フタロシアニン顔料粉末と本発明に関わる銅フ
タロシアニン誘導体の粉末を単に混合しても充分目的と
する効果が得られるが、ニーダー、ロールミル、アトラ
イター、スーパーミル、各種粉砕機等により機械的に混
合するか、高ハロゲン化銅フタロシアニン顔料の水また
は有機溶媒によるサスペンジョン系に本発明に係わる銅
フタロシアニン誘導体を含む溶液を添加し、顔料表面に
銅フタロシアニン誘導体を沈着させるか、硫酸等の強い
溶解力をもつ溶媒に高ハロゲン化銅フタロシアニンと銅
フタロシアニン誘導体を共溶解して水等の貧溶媒により
共沈させる等の緊密な混合法を行えば更に良好な結果を
得ることができる。
また、上記2〜4で示した、高ハロゲン化銅フタロシ
アニンと銅フタロシアニン誘導体との使用においては、
非水系ビヒクルまたは溶剤中への高ハロゲン化銅フタロ
シアニンあるいは銅フタロシアニン誘導体の分散、これ
らの混合等に分散機械としてディゾルバー、ハイスピー
ドミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ロールミル、サ
ンドミル、アトライター等を使用することにより高ハロ
ゲン化銅フタロシアニンの良好な分散ができる。
本発明では上記顔料分散体の適用として塗料、印刷イ
ンキを含むものである。
塗料では本発明の顔料組成物0.1〜15重量%、塗料溶
ビヒクル99.9〜55重量%、その他の補助剤や体質顔料0
〜30重量%からなり、塗料用ビヒクルはアクリル樹脂、
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、塩化ビニル、
合成樹脂エマルジョン、シリコーン樹脂、水溶性樹脂、
ポリウレタン、ポリエステル、メラミン樹脂ユリア樹脂
またはこれらの混合物80〜20重量%と炭化水素、アルコ
ール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステ
ル、水などの溶剤60〜10重量%からなるものである。
グラビアインキでは、本発明の顔料組成物3〜20重量
%、グラビアインキ用ビヒクル97〜60重量%、その他補
助剤や体質顔料0〜20重量%からなり、グラビアインキ
用ビヒクルは、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロ
ジン、ライムロジン、ロジンエステル、マレイン酸樹
脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、ウレアン樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキド樹脂、ギルソナイト、ダンマル、セラックなどの
樹脂混合物10〜50重量%、炭化水素、アルコール、ケト
ン、エーテルアルコール、エーテル、エステル、水など
の溶剤30〜80重量%からなるものである。
オフセットインキでは、本発明の顔料組成物3〜35重
量%とオフセットインキ用ビヒクル97〜45重量%、その
他補助剤や体質顔料0〜20重量%からなり、オフセット
インキ用ビヒクルはロジン変性フェノール樹脂、石油樹
脂、アルキド樹脂、または、これらの乾性油変性樹脂な
どの樹脂20〜50重量%、アマニ油、桐油、大豆油などの
植物油0〜30重量%、n−パラフィン、イソパラフィ
ン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィンなどの溶
剤10〜60重量%からなるものである。
(発明の効果) 本発明によれば高ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を
単独で使用した場合に比べ分散体の粘度の低下および構
造粘性の減少等良好な流動性を示すと同時に色分れ、結
晶の変化、色相の変化等の問題もなく印刷物あるいは塗
膜の光沢が良く、従って美麗な製品を得ることができ
る。
特に、本発明にかかわる顔料組成物は、油変性アミノ
アルキド樹脂塗料は勿論のことオイルフリーアルキド樹
脂塗料でも極めて優れた分散効果を有している。
また、本発明にかかわる顔料組成物の使用は非水系ビ
ヒクルだけに限定されず、その他の印刷インキや塗料、
さらにはプラスチックの着色においても、分散効果に優
れ、着色力のある着色物が得られる。
以下に、式(I)または式(II)で表わされる銅フタ
ロシアニン誘導体の製造例を示す。なお、以下の「部」
とは「重量部」を表わし、製造例中の銅フタロシアニン
誘導体の番号は表−1に示される銅フタロシアニン誘導
体の略号と一致する。
〔製造例1〕 塩化アルミニウム200部、塩化ナトリウム40部を加熱
して170℃の共融塩とした後、ビス(クロロメチル)銅
フタロシアニン46部を仕込み塩素ガスを毎時4部の割合
で8時間導入した。反応終了後多量の水に注入し、沈殿
物を過、水洗してから、再び800部の水に分散した。
次いでジエチルアミン22部を加えて80℃に昇温し、同温
度で5時間撹拌を行った。生成物を過、水洗、乾燥し
て、銅フタロシアニン誘導体(1)55部を得た。
〔製造例2〕 クロロアセチルアミノメチル銅フタロシアニン40部を
水800部に分散し、次いでN,N−ジメチルアミノプロピル
アミン23部を加えて90℃に昇温した。同温度で10時間撹
拌し、沈殿物を過、水洗、乾燥、粉砕した。この生成
物を四塩化チタン800部と塩化アルミニウム37部の混合
液中に加え、135℃に昇温して、塩素ガスを毎時5部の
割合で24時間導入した。反応終了後多量の水に注入し、
過、水洗、乾燥して銅フタロシアニン誘導体(2)81
部を得た。
〔製造例3〕 トリス(クロロメチル)銅フタロシアニン20部をジブ
チルアミン400部中に加え、100℃に昇温して、同温度で
6時間撹拌した。この反応液を水1500部中に注入し、得
られた沈殿物を過、水洗、乾燥、粉砕した。この生成
物を、塩化アルミニウム100部と塩化ナトリウム25部、
ヨウ素0.4部からなる150℃の共融塩中に仕込み、臭素を
毎時6部の割合で10時間加えた。反応終了後多量の水に
注入し、過、水洗、乾燥して銅フタロシアニン誘導体
(3)45部を得た。
〔製造例4〕 塩化アルミニウム200部、塩化ナトリウム40部を加熱
して200℃の共融塩とした後、ビス(クロロアセチルア
ミノメチル)銅フタロシアニン40部を加えて170℃まで
冷却し、臭素を毎時2部の割合で60時間導入した後、さ
らに塩素ガスを毎時4部の割合で8時間導入した。反応
終了後多量の水に注入し、沈殿物を過、水洗してか
ら、再び800部の水に分散した。次いで、N−メチルピ
ペラジン38部を加えて85℃に昇温し、同温度で9時間撹
拌を行った。生成物を過、水洗、乾燥して、銅フタロ
シアニン誘導体(4)78部を得た。
表−1に、本発明にかかわる銅フタロシアニン誘導体
の一部の構造例を示す。
本発明にかかわる顔料組成物の性能を評価するため、
下記配合の塗料およびグラビアインキを作成した。
配合(1) 高ハロゲン化銅フタロシアニン顔料 9.5部 銅フタロシアニン誘導体 0.5部 アルキド樹脂系ワニス(不揮発分60%) 26.4部 メラミン樹脂系ワニス(不揮発分50%) 13.6部 シンナー(キシレン/n−ブタノール=8/2) 20 部 分散後添加する混合ワニス(アルキド/メラミン=7/ 3(固形分)) 48.3部 配合(2) 高ハロゲン化銅フタロシアニン顔料 9.5部 銅フタロシアニン誘導体 0.5部 オイルフリーポリエステル樹脂系 26.4部 ワニス(不揮発分60%)メラミン樹脂系ワニス(不揮 発分50%) 13.6部 スワゾール 20部 分散後添加する混合ワニス(アルキド/メラミン=7/ 3(固形分)) 48.3部 配合(3) 高ハロゲン化銅フタロシアニン顔料 9.5部 銅フタロシアニン誘導体 0.5部 ポリアミド・ニトロセルロースワニス 70 部 シンナー 20 部 上記の配合をしたものを容器に入れ、スチールボール
を加えてペイントシェイカーにて分散し、塗料を作成し
た。これらの塗料を、銅フタロシアニン誘導体未添加の
塗料(上記配合において銅フタロシアニン誘導体を添加
せず、高ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を10部とした
塗料またはグラビアインキ)と、下記の評価方法に従っ
て比較した。
評価法(1)流動性評価法 得られた顔料分散体の粘度はB型粘度計にて6および
60rpmで測定した。
評価法(2)光沢評価法 油性塗料はフォードカップ4で23秒になるようにシン
ナーで調整し、エアースプレイガンでブリキ板に吹き付
けた後焼き付けた塗板をつくり、グラビアインキはバー
コーターでトリアセテートフィルムに展色して、それぞ
れ光沢計で60度光沢を測定した。
〔比較例1〜6および実施例1〜6〕 表−2より明らかなように、いずれの場合も、本発明
にかかわる顔料組成物は良好な分散性を示した。
これらの塗料は、1週間放置後に同じ粘度計で粘度を
測定しても、粘度の増加はほとんど認められなかった。
また、チタン白で調整した白塗料で1/10カットの淡色塗
料を作成し、粘度をフォードカップ4で23秒に調整し、
試験管に取って凝集状態を観察したが、1ケ月後でも色
分れや沈降は認められなかった。
また、グラビアインキにおいても塗料の場合と同様に
良好な結果を示した。
さらに、本発明にかかわる顔料組成物は、ニトロセル
ローススラッカー、アクリル樹脂塗料、水溶性樹脂塗料
等の中でも、凝集を起こさず良好な分散性を示した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高ハロゲン化銅フタロシアニン100重量部
    と下記一般式(I)または(II)で表わされる銅フタロ
    シアニン誘導体0.1〜30重量部とからなることを特徴と
    する顔料組成物。 CuPc:銅フタロシアニン残基を表わす。 X:塩素原子または臭素原子を表わす。 A:−CH2−または−CH2NHCOCH2−を表わす。 R1,R2:それぞれ独立に、置換されていてもよい飽和もし
    くは不飽和のアルキル基またはR1,R2で窒素、酸素また
    は硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表わ
    す。 l:4〜15の整数を表わす。 m:1〜20の整数を表わす。 n:1〜10の整数を表わす。
  2. 【請求項2】請求項1記載の顔料組成物および塗料用ビ
    ヒクルからなることを特徴とする塗料。
  3. 【請求項3】請求項1記載の顔料組成物および印刷イン
    キ用ビヒクルからなることを特徴とする印刷インキ。
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