JPH08304609A - 光学フイルムの製造方法および製造装置 - Google Patents

光学フイルムの製造方法および製造装置

Info

Publication number
JPH08304609A
JPH08304609A JP13715995A JP13715995A JPH08304609A JP H08304609 A JPH08304609 A JP H08304609A JP 13715995 A JP13715995 A JP 13715995A JP 13715995 A JP13715995 A JP 13715995A JP H08304609 A JPH08304609 A JP H08304609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beads
roller
binder
film
optical film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13715995A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Miyazaki
政明 宮▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP13715995A priority Critical patent/JPH08304609A/ja
Publication of JPH08304609A publication Critical patent/JPH08304609A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な処理で高品質の光学フイルムを製造す
る方法および装置を提供する。 【構成】 支持体上にバインダーを含む粘着性層または
接着性層が設けられており、そしてビーズがバインダー
を含む層により固定されている光学フイルムを製造する
方法であって:(1)上記バインダーを含む層の粘着性
または接着性よりも弱い粘着性の表面を有するローラー
の該表面を、粉末状のビーズに接触させ、その状態でロ
ーラーを回転することによりビーズをローラーの表面に
付着させる工程;そして(2)支持体上にバインダーを
含む粘着性または接着性層を有するフイルムの該バイン
ダーを含む層側の面を、ビーズが付着したローラーの粘
着性表面に接触させ、その状態でローラーを回転させる
ことにより、ビーズをローラーからフイルムに移す工程
からなる光学フイルムの製造方法およびその方法に好ま
しく用いられる製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持体上にビーズを固
定しているバインダーを含む層が設けられている光学フ
イルムの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上にビーズを固定しているバイン
ダーを含む層が設けられている光学フイルムは、光学材
料として様々な用途がある。特開平6−347621
号、同6−347622号、同6−347623号、同
6−347624号および同6−347625号各公報
には、上記のようなビーズを含む光学フイルムを、再帰
性反射シートの構成要素として使用する発明が開示され
ている。再帰性反射シートでは、ビーズとして一般にガ
ラスビーズが用いられている。再帰性反射シートは、光
を光源に向けて再帰反射する性質を有するシートであ
る。再帰性反射シートは、道路標識のように照明に向か
って反射することが望ましい標識において実用化されて
いる。再帰性反射シートにおいて、ガラスビーズは微小
球レンズとして機能する。
【0003】ビーズを用いる光学フイルムは、光拡散シ
ートとしても利用できる。具体的には、液晶表示装置
(LCD)の狭い視野角を拡大するために、装置に取り
付けることが可能である。すなわち、液晶のマトリック
スよりも小さいビーズを並べた透明フイルムを光拡散シ
ートとして液晶表示装置に取り付けることができる。な
お、光拡散シートを偏光板の保護膜として機能させ、液
晶表示装置の層構成を単純にすることもできる。層の数
を一つ減少させると、液晶表示装置において重要な要素
である光の透過率を高める(約8%上昇させる)ことが
できる。また、投影画像のスクリーンとして用いられる
光拡散シートとしてビーズを用いる光学フイルムを用い
ることも考えられる。特に液晶プロジェクターの画像
は、液晶のカラーフィルターのストライプの影響でモア
レが発生する。これを防止するために、透明スクリーン
の表面の透過率を維持しつつ光を拡散するためのシート
として、ビーズを用いる光学フイルムが使用できる。
【0004】ビーズを支持体上に並べるためには、ビー
ズを固定するためのバインダーが必要である。特開平6
−347621号、同6−347622号、同6−34
7623号、同6−347624号および同6−347
625号各公報記載の発明では、バインダーを含む層を
支持体上に設け、ビーズを層の上に並べ、ニップロール
等で加圧してビーズを層に埋め込む方法により光学フイ
ルムを製造している。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明者が、以上のようにビ
ーズをバインダーを含む層に埋め込んで光学フイルムを
製造する方法を検討したところ、ビーズを層に埋め込む
際の圧力で、ビーズや層に微小な傷が発生することが判
明した。また、この製造方法では、ビーズを層の上に並
べるために処理が煩雑になる欠点がある。本発明の目的
は、簡単な処理で高品質の光学フイルムを製造する方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上にバ
インダーを含む粘着性層または接着性層が設けられてお
り、そしてビーズがバインダーを含む層により固定され
ている光学フイルムを製造する方法であって: (1)上記バインダーを含む層の粘着性または接着性よ
りも弱い粘着性の表面を有するローラーの該表面を、粉
末状のビーズに接触させ、その状態でローラーを回転す
ることによりビーズをローラーの表面に付着させる工
程;そして(2)支持体上にバインダーを含む粘着性層
または接着性層を有するフイルムの該バインダーを含む
層側の面を、ビーズが付着したローラーの粘着性表面に
接触させ、その状態でローラーを回転させることによ
り、ビーズをローラーからフイルムに移す工程からなる
ことを特徴とする光学フイルムの製造方法を提供する。
上記(2)の工程の後、さらに、(3)ポリマーの溶液
を上記ビーズの上に塗布し、ポリマーを含む層を形成し
て、これによりポリマーを含む層でビーズを覆う工程を
実施してもよい。
【0007】また本発明は、支持体上にバインダーを含
む粘着性層または接着性層が設けられており、そしてビ
ーズがバインダーを含む層により固定されている光学フ
イルムを製造するための装置であって: (A)粉末状のビーズを収容する容器;(B)上記バイ
ンダーを含む層の粘着性または接着性よりも弱い粘着性
の表面を有し、該表面の一部が容器に収容される粉末状
のビーズに接触するように配置されているローラー;お
よび(C)支持体上にバインダーを含む粘着性層または
接着性層を有するフイルムの該バインダーを含む層側の
面を、ビーズが付着したローラーの粘着性表面に接触す
るように搬送する機構が設けられていることを特徴とす
る光学フイルムの製造装置も提供する。上記(A)、
(B)および(C)に加えて、(D)ローラーの表面に
粘着性を付与するため、ローラーの表面が容器に収容さ
れている粉末状のビーズに接触する位置から、ローラー
の表面がフイルムのバインダーを含む層側の面に接触す
る位置まで、ローラーに巻き付いている粘着性シートを
設けてもよい。
【0008】本発明は、下記の態様で実施することがで
きる。 (イ)光学フイルムの支持体が透明プラスチックからな
る。 (ロ)上記(イ)のプラスチックが、セルロースエステ
ル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリス
ルホン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアル
コール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびノ
ルボルネン樹脂から選ばれる。 (ハ)支持体が、25乃至350μmの厚さを有する。 (ニ)ビーズがガラス製である。 (ホ)ビーズが、1乃至100μmの範囲の平均粒子径
を有する。 (ヘ)ビーズが、バインダーを含む層の厚さの3倍乃至
20倍の平均粒子径を有する。 (ト)ビーズが、最大粒子径が平均粒子径の2倍未満で
あり、かつ最小粒子径が平均粒子径の半分より大きい、
粒子径の分布を有する。 (チ)バインダーが、セルロースエステル、セルロース
エーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリプロ
ピレン、ノルボルネン樹脂、スチレン−ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アク
リルゴムおよびウレタンゴムから選ばれる。 (リ)バインダーの屈折率と上記(イ)の支持体のプラ
スチックを構成するポリマーの屈折率との差が、0.5
未満である。 (ヌ)バインダーの屈折率とビーズの屈折率との比が、
0.95以下または1.05以上である。
【0009】(ル)粘着性表面を有するローラーの直径
が10乃至300mmである。 (ヲ)フイルムを搬送する機構が、フイルムのバインダ
ーを含む層側の面を、ビーズが付着したローラーの粘着
性表面に接触するように配置されているローラーであ
る。 (ワ)上記(ヲ)のローラーの直径が10乃至300m
mである。
【0010】
【発明の効果】本発明の光学フイルムの製造方法は、
(1)ローラーの弱い粘着性表面にビーズを付着させ、
次に(2)ビーズをフイルムに移す(転写する)ことを
特徴とする。本発明の方法では、ローラーおよびフイル
ムの表面の粘着性または接着性を利用して転写によりビ
ーズをフイルムの表面に並べる。このため、従来のビー
ズを埋め込む方法と比較して、簡単な操作で、光学フイ
ルムを製造することができる。また、強い圧力を用いる
必要がないため、ビーズやバインダーに微小な傷がつく
こともない。さらに本発明の方法により光学フイルムを
製造すると、支持体上にビーズを重ねることなく均一か
つ最密に並べることができる。フイルムに用いるポリマ
ーは、ビーズを固定するために充分な強度の粘着性また
は接着性を有する必要がある。しかし、本発明者の研究
によると、そのようなポリマーに直接ビーズを付着させ
ると、粘着性または接着性が強過ぎて、ビーズが重な
り、均一に並べることができない。本発明では、まず、
ローラーの弱い粘着性表面にビーズを付着させて、次に
それをフイルムに転写することにより、ビーズの重なり
を防止する。以上の結果、本発明の製造方法では、簡単
な処理で高品質の光学フイルムを製造することができ
る。また、本発明の光学フイルムの製造装置を用いる
と、さらに簡単な処理で高品質の光学フイルムを製造す
ることができる。
【0011】
【発明の具体的な説明】 [光学フイルムの支持体]光学フイルムの用途に応じ
て、支持体の光透過性を決定する。再帰性反射シートや
光拡散シートの用途においては、一般に透明支持体を用
いる。透明支持体は、通常、ガラスまたはプラスチック
から製造する。光学フイルムとしては、柔軟かつ軽量で
あるプラスチック製支持体を用いることが好ましい。プ
ラスチックに用いるポリマーの例としては、セルロース
エステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、
ポリスルホン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニ
ルアルコールおよびノルボルネン樹脂を挙げることがで
きる。セルロースエステル(例、セルロースアセテー
ト)が好ましく用いられる。
【0012】支持体は、25乃至350μmの厚さを有
することが好ましい。支持体の厚さは、30乃至310
μmの範囲であることがさらに好ましく、45乃至20
0μmの範囲であることが最も好ましい。なお、薄い支
持体を用いると、後述するバインダーを含む層の影響で
支持体がカールする場合がある。このような場合は、支
持体の裏面にカール防止層を設けることが好ましい。カ
ール防止裏引き層は、後述するバインダーと実質的に同
じポリマーを用いて形成する。「実質的に同じ」とは、
吸湿性のような支持体のカールの原因となる性質が類似
していることを意味する。支持体は任意の添加剤とし
て、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、劣化防止剤、分散
剤、染料、顔料、消泡剤、潤滑剤、褐色防止剤、防腐剤
を含んでもよい。これらの添加剤は、公知の化合物を用
いることができる。支持体は、支持体を構成するポリマ
ーを溶媒に溶解して、その溶液を製膜することにより製
造される。製膜方法としては、公知の溶液流延法や溶融
流延法を採用できる。溶液流延法では、ポリマーの溶液
を金属ベルト上に流延して、支持体をポリマー膜として
得る。溶融流延法では、ポリマー樹脂を熱で溶融してか
ら流延する。
【0013】[ビーズ]ビーズは、透明な素材の微小な
粒子で構成する。透明な素材としては、ガラスまたはプ
ラスチックが用いられる。一般には、ガラスの方がプラ
スチックよりも好ましい。粒子の形状は、球形に近いこ
とが好ましい。ビーズの粒子径は、光学フイルムの用途
に応じて決定する。原則としては、なるべく小さい粒子
であることが要求される。特に、本発明の光学フイルム
を液晶表示装置の光拡散シートとして使用する場合は、
液晶の画素(マトリックス)よりも小さい粒子を用いる
必要がある。一般に、ビーズは、1乃至100μmの範
囲の平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径
は、5乃至70μmの範囲であることがさらに好まし
く、15乃至60μmの範囲であることが最も好まし
い。
【0014】ビーズの平均粒子径は、バインダーを含む
層(後述)の厚さとの相対的な関係も重要である。ビー
ズの平均粒子径は、バインダーを含む層の厚さの3倍乃
至20倍の範囲内とすることが好ましく、4倍乃至13
倍の範囲内であることがさらに好ましく、5倍乃至12
倍の範囲内であることが最も好ましい。なお、平均粒子
径と層厚との関係は、後述するバインダーの使用量の方
で調整することが好ましい。平均粒子径は、上記のよう
に光学フイルムの用途に応じて決定しておくことが望ま
しい。ビーズの粒子径の分布は、なるべく均一であるこ
とが望ましい。具体的な粒子径の分布としては、最大粒
子径が平均粒子径の2倍未満であり、かつ最小粒子径が
平均粒子径の半分より大きいことが好ましい。最大粒子
径は平均粒子径の1.5倍未満であることが好ましい。
また、最小粒子径は平均粒子径の3分の2より大きいこ
とが好ましい。ガラスビーズは、主に再帰性反射シート
用ビーズあるいは粉砕・分散用微粒子として既に市販さ
れている。市販品は、株式会社ユニオン(ユニビー
TM、ユニフラッシュTM)や日本電気硝子株式会社から
販売されている。
【0015】[バインダー]バインダーは、ビーズを支
持体上に固定するために用いる。そのためにビーズに対
して、充分な粘着性または接着性を示すポリマーをバイ
ンダーとして使用する。具体的には、粘着剤あるいは接
着剤として公知の天然または合成ポリマーが利用可能で
ある。ポリマーの例としては、セルロースエステル、セ
ルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホ
ン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリウレタ
ン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ノルボルネン樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリル
ゴムおよびウレタンゴムを挙げることができる。ポリア
クリレートとポリメタクリレート、すなわちアクリル系
の粘着剤または接着剤が好ましく用いられる。バインダ
ーは、その屈折率(バインダーを含む層の屈折率)が、
支持体のプラスチックを構成するポリマーの屈折率に、
できる限り近いポリマーを選択して用いることが好まし
い。具体的には、バインダーの屈折率と支持体のプラス
チックを構成するポリマーの屈折率との差が、0.5未
満であることが好ましく、0.2未満であることがさら
に好ましく、0.1未満であることが最も好ましい。光
を拡散するために、バインダーの屈折率とガラスビーズ
の屈折率とは、一定値以上の差があることが望ましい。
具体的には、屈折率の比が、0.95以下または1.0
5以上であることが好ましく、0.83以下または1.
15以上であることがさらに好ましく、0.71以下ま
たは1.25以上であることが最も好ましい。
【0016】[(1)ビーズのローラー表面への付着]
第1の工程では、表面が、フイルムのバインダーを含む
層の粘着性または接着性よりも弱い粘着性を有するロー
ラーを、粉末状のビーズに接触させ、その状態でローラ
ーを回転することによりビーズをローラーの表面に付着
させる。上記の「弱い粘着性」は、フイルムの粘着性ま
たは接着性に対する相対的な定義である。すなわち、ビ
ーズが付着したローラーの粘着性表面に、フイルムの粘
着性層または接着性層側の面を接触させると、ビーズが
ローラーからフイルムに転写されればよい。例えば、粘
着性ポリマーをローラーの表面に塗布して粘着性を得る
場合、フイルムに用いたポリマーよりも粘着性が弱いポ
リマーを用いるか、あるいはフイルムに用いたポリマー
の量よりも少ない量で粘着性ポリマーを使用すればよ
い。粘着性ポリマーをローラーの表面に塗布する以外に
も、(後述する図2の態様のように)粘着性シートをロ
ーラーに巻付けて、それによりローラーの表面に粘着性
を付与することができる。あるいは、ローラーの表面を
溶剤で膨潤させて、ローラーの表面に粘着性を付与する
こともできる。ローラーの大きさ、特にローラーの幅
は、製造する光学フイルムの寸法に応じて決定する。ロ
ーラーの直径は、一般に10乃至300mm程度であ
る。
【0017】第1の工程を比較的小規模で実施する場
合、皿等の容器に入れた粉末状のビーズの上を、粘着性
ローラー(清掃等の用途で市販されているもの)を手で
転がすことにより、ビーズをローラーの粘着性表面に付
着させることができる。実用的には、粉末状のビーズを
収容する容器と粘着性ローラーを組み込んだ装置を用い
ることが好ましい。図1にそのような装置の断面模式図
を示す。図1に示すように、容器(1)に入れた粉末状
のビーズ(2)に接触するように、弱い粘着性表面を有
するローラー(3)を配置する。このローラー(3)を
回転することにより、ビーズをローラーの粘着性表面に
付着させることができる。なお、図1に示す態様では、
ローラーの表面の粘着性が劣化する前に、適宜、ローラ
ーそのもの、あるいはその粘着性表面を交換する必要が
ある。図2は、別の態様の装置を示す断面模式図であ
る。図2に示す装置では、弱い粘着性表面を有するシー
ト(6)をローラー(7)に巻付けて、それによりロー
ラーの表面に弱い粘着性を付与する。シートがローラー
に巻付く範囲は、ローラー(7)の表面が容器に収容さ
れている粉末状のビーズ(2)に接触する位置から、ロ
ーラーの表面(7)がフイルム(4)の粘着性層または
接着性層側の面に接触する位置まででよい。図2に示す
ように、シート(6)によりローラー(7)の表面に粘
着性を付与すると、常に新しい粘着性表面がビーズ
(2)に接触することになる。従って、図2に示す態様
では、粘着性表面の劣化の問題がなく、長時間、連続し
て実施することができる。
【0018】[(2)ローラーからフイルムへの転写]
第2の工程では、支持体上にバインダーを含む粘着性層
または接着性層を有するフイルムの粘着性層または接着
性層側の面を、ビーズが付着したローラーの粘着性表面
に接触させ、その状態でローラーを回転させることによ
り、ビーズをローラーからフイルムに移す。比較的小規
模の実施の場合、フイルムの上を、前述したようにビー
ズを付着させた粘着性ローラーを手で転がすことによ
り、ビーズをローラーからフイルムに移すことができ
る。実用的には、フイルムをビーズが付着したローラー
の粘着性表面に接触するように搬送する機構装置を用い
ることが好ましい。図1および図2に示す装置では、別
のローラー(5)を用いてフイルム(4)を搬送する。
ローラー(5)は、フイルム(4)が、ビーズが付着し
たローラー(図1の3または図2の7)の粘着性表面に
接触するように配置する。図1および図2に示すように
二つのローラーを用いると、重なって付着しているビー
ズをローラーの間でしごき落とすこともできる。フイル
ムの搬送に用いるローラーの大きさ、特にローラーの幅
は、製造する光学フイルムの寸法に応じて決定する。フ
イルムの搬送に用いるローラーの直径は、一般に10乃
至300mm程度である。図1および図2に示す装置に
おける支持体の搬送速度(ラインスピード)は、一般に
0.5乃至10m/分である。
【0019】[(3)後処理]以上のように本発明に従
い光学フイルムを製造した後、さらにポリマーを含む層
を形成して、この層によりビーズを覆うことができる。
ポリマーを含む層は、溶媒中にポリマーを溶解した溶液
を、ビーズの上に塗布し、そして溶媒を除去することに
より形成することができる。この層に用いられるポリマ
ーは、前述したガラスビーズの固定に用いるバインダー
の例に加えて、硬化性樹脂を用いることができる。硬化
性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹
脂が利用可能である。なお、バインダーとは別の種類の
ポリマーを用いる場合は、なるべくビーズの固定に用い
るバインダーの屈折率に近い屈折率を有するポリマーを
用いることが好ましい。ポリマーは、溶媒に対して5重
量%以上の溶解度を有することが好ましく、10重量%
以上の溶解度を有することがさらに好ましく、15重量
%以上の溶解度を有することが最も好ましい。
【0020】溶媒としては、水または有機溶剤が使用で
きる。溶媒の例としては、水、脂肪族炭化水素(例、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタ
ン、シクロヘキヘキサン)、芳香族炭化水素(例、ベン
ゼン、トルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素
(例、塩化メチル、メチレンクロライド、四塩化炭素、
トリクロロエタン)、アルコール(例、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケト
ン)、エステル(例、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル)およびそれらの混合物を挙げること
ができる。塗布液の塗布は、バーコート、ディップコー
ト、ロールコート、ブレードコート、ビードコート、エ
クストルージョンコート、カーテンコート、スライドコ
ートのような公知の一般的な塗布方法を採用することが
できる。
【0021】以上のように、ポリマーを含む層を設けた
光学フイルムの断面模式図を図3に示す。図3に示され
るように、本発明に従い製造した光学フイルムは、支持
体(31)上にバインダーを含む層(32)が設けられ
ており、そしてビーズ(33)がバインダーを含む層に
より固定されている。さらに、(3)の工程を実施する
と、ポリマーを含む層(34)でビーズを覆うことがで
きる。従来の技術の説明で述べたように、本発明に従い
製造した光学フイルムは、再帰性反射シートや光拡散シ
ートとして、様々な分野で利用できる。それらの用途に
応じて、さらに様々な機能層を光学フイルムに追加する
ことができる。
【0022】
【実施例】
[実施例1]市販の粘着性ローラーを用いて、以下のよ
うに光学フイルムを製造した。 (1)ビーズのローラー表面への付着 皿に入れたガラスビーズ(平均粒子径:32μm、最大
粒子径:36μm、最小粒子径:26μm)の粉末の上
を、粘着性表面を有するローラー(宮川ローラー(株)
製、グレード:LT)を手で転がして、ローラーの表面
にビーズを付着させた。 (2)ローラーからフイルムへの転写 トリアセチルセルロース支持体(厚さ:100μm)上
に、透明アクリル系接着剤を塗布し、接着性層を形成し
た(平均層厚:10μm)。その上にビーズを付着させ
たローラーを手で転がして、ビーズをローラーからフイ
ルムに転写した。 (3)後処理 ジアセチルセルロース10重量部を下記の混合溶媒に溶
解した溶液を、バーコーターにて、ガラスビーズの上に
塗布、乾燥し、ガラスビーズをバインダーで覆った。塗
布量は、乾燥後のバインダーを含む層の厚さが40μm
となるように調整した。
【0023】 ──────────────────────────────────── 混合溶媒 ──────────────────────────────────── メチレンクロライド 25重量部 メタノール 2重量部 アセトン 63重量部 ────────────────────────────────────
【0024】(4)評価 以上のように製造した光学フイルムを、コリメーション
機能を持つ液晶表示装置の偏光板の保護膜として使用し
たところ、視野角を大幅に広げることができた。また、
目視による観察では、シートに傷は全く観察されなかっ
た。
【0025】[実施例2]図1に示す装置を用いて、実
施例1の(1)および(2)の工程を連続して実施し
た。次に、実施例1の(3)の工程と同様にしてガラス
ビーズをバインダーで覆った。なお、フイルムは、1m
/分のラインスピードで搬送した。以上のように作成し
た光学フイルムを、コリメーション機能を持つ液晶表示
装置の偏光板の保護膜として使用したところ、視野角を
大幅に広げることができた。また、目視による観察で
は、シートに傷は全く観察されなかった。
【0026】[実施例3]図2に示す装置を用いて、実
施例1の(1)および(2)の工程を連続して実施し
た。なお、フイルムは、1m/分のラインスピードで搬
送した。また、図2に示す弱い粘着性シート(6)とし
ては、市販のラミネート用フイルム(サニテクトPAC
−2、サンエー化学(株)製)を用いた。次に、実施例
1の(3)の工程と同様にしてガラスビーズをバインダ
ーで覆った。以上のように作成した光学フイルムを、コ
リメーション機能を持つ液晶表示装置の偏光板の保護膜
として使用したところ、視野角を大幅に広げることがで
きた。また、目視による観察では、シートに傷は全く観
察されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の態様の一つを示す断面模式図である。
【図2】本発明の別の態様を示す断面模式図である。
【図3】本発明の方法により製造した光学フイルムの一
態様を示す断面模式図である。
【符号の意味】
1 ビーズの容器 2 容器に収容された粉末状のビーズ 3 弱い粘着性表面を有するローラー 4 強い粘着性表面を有するフイルム 5 フイルムを搬送するためのローラー 6 弱い粘着性表面を有するシート 7 シートを搬送するローラー 31 支持体 32 バインダーを含む層 33 ビーズ 34 ポリマーを含む層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にバインダーを含む粘着性層ま
    たは接着性層が設けられており、そしてビーズがバイン
    ダーを含む層により固定されている光学フイルムを製造
    する方法であって: (1)上記バインダーを含む層の粘着性または接着性よ
    りも弱い粘着性の表面を有するローラーの該表面を、粉
    末状のビーズに接触させ、その状態でローラーを回転す
    ることによりビーズをローラーの表面に付着させる工
    程;そして(2)支持体上にバインダーを含む粘着性ま
    たは接着性層を有するフイルムの該バインダーを含む層
    側の面を、ビーズが付着したローラーの粘着性表面に接
    触させ、その状態でローラーを回転させることにより、
    ビーズをローラーからフイルムに移す工程からなること
    を特徴とする光学フイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 (2)の工程の後、さらに、(3)ポリ
    マーの溶液を上記ビーズの上に塗布し、ポリマーを含む
    層を形成して、これによりポリマーを含む層でビーズを
    覆う工程を実施する請求項1に記載の光学フイルムの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 支持体上にバインダーを含む粘着性層ま
    たは接着性層が設けられており、そしてビーズがバイン
    ダーを含む層により固定されている光学フイルムを製造
    するための装置であって: (A)粉末状のビーズを収容する容器;(B)上記バイ
    ンダーを含む層の粘着性または接着性よりも弱い粘着性
    の表面を有し、該表面の一部が容器に収容されている粉
    末状のビーズに接触するように配置されているローラ
    ー;および(C)支持体上にバインダーを含む粘着性層
    または接着性層を有するフイルムの該バインダーを含む
    層側の面を、ビーズが付着したローラーの粘着性表面に
    接触するように搬送する機構が設けられていることを特
    徴とする光学フイルムの製造装置。
  4. 【請求項4】 (A)、(B)および(C)に加えて、
    (D)ローラーの表面に粘着性を付与するため、ローラ
    ーの表面が容器に収容されている粉末状のビーズに接触
    する位置から、ローラーの表面がフイルムのバインダー
    を含む層側の面に接触する位置まで、ローラーに巻き付
    いている粘着性シートが設けられている請求項3に記載
    の光学フイルムの製造装置。
JP13715995A 1995-05-11 1995-05-11 光学フイルムの製造方法および製造装置 Withdrawn JPH08304609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13715995A JPH08304609A (ja) 1995-05-11 1995-05-11 光学フイルムの製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13715995A JPH08304609A (ja) 1995-05-11 1995-05-11 光学フイルムの製造方法および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08304609A true JPH08304609A (ja) 1996-11-22

Family

ID=15192206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13715995A Withdrawn JPH08304609A (ja) 1995-05-11 1995-05-11 光学フイルムの製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08304609A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050127541A1 (en) Microstructured screen and method of manufacturing using coextrusion
US7050227B2 (en) Composition for microstructured screens
JP6064984B2 (ja) 光制御シート、該光制御シートを用いた液晶表示装置
JP4814946B2 (ja) バックライトユニット用光拡散シート及びその製造方法
US20100245995A1 (en) Projection screen
CN101241203A (zh) 光学薄膜体及光学薄膜体的制造方法
CN102848588A (zh) 光学显示单元的制造系统及输送机构
US5879740A (en) Process for the preparation of composite sheet comprising support and transparent solid fine particles
JP2002267804A (ja) 反射防止フィルム及びその製造方法
JPH08304609A (ja) 光学フイルムの製造方法および製造装置
JPH08334607A (ja) 光学用透明プラスチックフイルム
JP3879284B2 (ja) 表面処理を施された樹脂板
JPH0675301A (ja) 反射型映写スクリーンとその製造方法
JP3619607B2 (ja) 光学フイルムの製造方法および製造装置
JPH095508A (ja) 光学フイルムの製造方法
JPH09269403A (ja) ノングレア層を有するシート
JPH11337705A (ja) 反射防止膜を有する光吸収性プラスチックフィルム構造体
JP2002346466A (ja) 微粒子を固着させたフイルムの製造方法
WO2020007056A1 (zh) 投影屏幕
JPH08248216A (ja) 光学フイルムの製造方法
JPH09304603A (ja) ノングレア層を有するシート
JP4151997B2 (ja) ノングレアシート
JP2006038902A (ja) 拡散フィルムの製造方法及び製造装置
KR100940763B1 (ko) 투사형 스크린
JP2000035617A (ja) 透明微小球体配置シートとこれを用いる透明微小球体配置層を有する透過型スクリーンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020806