JPH08248216A - 光学フイルムの製造方法 - Google Patents

光学フイルムの製造方法

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JPH08248216A
JPH08248216A JP8081495A JP8081495A JPH08248216A JP H08248216 A JPH08248216 A JP H08248216A JP 8081495 A JP8081495 A JP 8081495A JP 8081495 A JP8081495 A JP 8081495A JP H08248216 A JPH08248216 A JP H08248216A
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binder
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JP8081495A
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Toru Yoshida
透 吉田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な処理で高品質の光学フイルムを製造す
る方法を提供する。 【構成】 支持体上にバインダーを含む層が設けられて
おり、そしてビーズがバインダーを含む層により固定さ
れている光学フイルムを製造する方法であって、(1)
バインダーの溶液にビーズが分散しており、かつビーズ
の平均粒子径が形成するバインダーを含む層の厚さの3
倍乃至20倍の範囲内になるように、ビーズの平均粒子
径とバインダーの量との関係が調整されている塗布液を
得る工程、(2)塗布液を支持体上に塗布し、これによ
りビーズを支持体上に並べ、かつ支持体上に並んでいる
ビーズを固定するバインダーを含む層を形成する工程、
そして(3)ビーズの上に乗っているビーズを除去する
工程からなる光学フイルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持体上にビーズを固
定しているバインダーを含む層が設けられている光学フ
イルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上にビーズを固定しているバイン
ダーを含む層が設けられている光学フイルムは、光学材
料として様々な用途がある。特開平6−347621
号、同6−347622号、同6−347623号、同
6−347624号および同6−347625号各公報
には、上記のようなビーズを含む光学フイルムを、再帰
性反射シートの構成要素として使用する発明が開示され
ている。再帰性反射シートでは、ビーズとして一般にガ
ラスビーズが用いられている。再帰性反射シートは、光
を光源に向けて再帰反射する性質を有するシートであ
る。再帰性反射シートは、道路標識のように照明に向か
って反射することが望ましい標識において実用化されて
いる。再帰性反射シートにおいて、ガラスビーズは微小
球レンズとして機能する。
【0003】ビーズを用いる光学フイルムは、光拡散シ
ートとしても利用できる。具体的には、液晶表示装置
(LCD)の狭い視野角を拡大するために、装置に取り
付けることが可能である。すなわち、液晶のマトリック
スよりも小さいビーズを並べた透明フイルムを光拡散シ
ートとして液晶表示装置に取り付けることができる。な
お、光拡散シートを偏光板の保護膜として機能させ、液
晶表示装置の層構成を単純にすることもできる。層の数
を一つ減少させると、液晶表示装置において重要な要素
である光の透過率を高める(約8%上昇させる)ことが
できる。また、投影画像のスクリーンとして用いられる
光拡散シートとしてビーズを用いる光学フイルムを用い
ることも考えられる。特に液晶プロジェクターの画像
は、液晶のカラーフィルターのストライプの影響でモア
レが発生する。これを防止するために、透明スクリーン
の表面の透過率を維持しつつ光を拡散するためのシート
として、ビーズを用いる光学フイルムが使用できる。
【0004】ビーズを支持体上に並べるためには、ビー
ズを固定するためのバインダーが必要である。特開平6
−347621号、同6−347622号、同6−34
7623号、同6−347624号および同6−347
625号各公報記載の発明では、バインダーを含む層を
支持体上に設け、ビーズを層の上に並べ、ニップロール
等で加圧してビーズを層に埋め込む方法により光学フイ
ルムを製造している。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明者が、以上のようにビ
ーズをバインダーを含む層に埋め込んで光学フイルムを
製造する方法を検討したところ、ビーズを層に埋め込む
際の圧力で、ビーズや層に微小な傷が発生することが判
明した。また、この製造方法では、ビーズを層の上に並
べるために処理が煩雑になる欠点がある。本発明の目的
は、簡単な処理で高品質の光学フイルムを製造する方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上にバ
インダーを含む層が設けられており、そしてビーズがバ
インダーを含む層により固定されている光学フイルムを
製造する方法であって: (1)バインダーの溶液にビーズが分散しており、かつ
ビーズの平均粒子径が形成するバインダーを含む層の厚
さの3倍乃至20倍の範囲内になるように、ビーズの平
均粒子径とバインダーの量との関係が調整されている塗
布液を得る工程; (2)塗布液を支持体上に塗布し、これによりビーズを
支持体上に並べ、かつ支持体上に並んでいるビーズを固
定するバインダーを含む層を形成する工程;そして (3)ビーズの上に乗っているビーズを除去する工程か
らなることを特徴とする光学フイルムの製造方法を提供
するものである。
【0007】上記(3)の工程の後、さらに、 (4)バインダーの溶液を上記ビーズの上に塗布し、第
2のバインダーを含む層を形成して、これにより第2の
バインダーを含む層でビーズを覆う工程を実施してもよ
い。
【0008】本発明は、下記の態様で実施することがで
きる。 (イ)支持体が透明プラスチックからなる。 (ロ)上記(イ)のプラスチックが、セルロースエステ
ル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリス
ルホン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアル
コールおよびノルボルネン樹脂から選ばれる。 (ハ)支持体が、25乃至350μmの厚さを有する。 (ニ)ビーズがガラス製である。 (ホ)ビーズが、1乃至100μmの範囲の平均粒子径
を有する。 (ヘ)ビーズが、バインダーを含む層の厚さの3倍乃至
20倍の平均粒子径を有する。 (ト)ビーズが、最大粒子径が平均粒子径の2倍未満で
あり、かつ最小粒子径が平均粒子径の半分より大きい、
粒子径の分布を有する。 (チ)ビーズを下記の式を満足する範囲の量で使用す
る。
【0009】
【数1】0.6S<nd2 <3.5S
【0010】式中、Sは支持体の塗布面の面積であり、
dはビーズの平均粒子径であり、そしてnは使用するビ
ーズの粒子数である。 (リ)バインダーが、セルロースエステル、セルロース
エーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリプロ
ピレンおよびノルボルネン樹脂から選ばれる。 (ヌ)バインダーの屈折率と上記(イ)の支持体のプラ
スチックを構成するポリマーの屈折率との差が、0.5
未満である。 (ル)バインダーが、上記(イ)の支持体のプラスチッ
クを構成するポリマーと同じである。 (ヲ)バインダーの屈折率とビーズの屈折率との比が、
0.95以下または1.05以上である。
【0011】(ワ)溶媒が、有機溶剤である。 (カ)バインダーが、溶媒に対して5重量%以上の溶解
度を有する。 (ヨ)溶媒が、水、脂肪族炭化水素(例、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘ
キヘキサン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチ
ル、メチレンクロライド、四塩化炭素、トリクロロエタ
ン)、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール)、ケトン
(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル
(例、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル)およびそれらの混合物から選ばれる。 (タ)バインダーの溶液が、1乃至50重量%の範囲の
バインダーの濃度を有する。
【0012】
【発明の効果】本発明の光学フイルムの製造方法は、ビ
ーズを含む分散液の塗布によって、支持体上にビーズを
並べ、ビーズの上に乗っているビーズ(バインダーによ
り固定されていないビーズ)を除去することを特徴とす
る。この方法は、従来のビーズを埋め込む方法と比較し
て、非常に簡単な操作で、光学フイルムを製造すること
ができる。また、圧力を用いる必要がないため、ビーズ
やバインダーに微小な傷がつくこともない。さらに、ビ
ーズの平均粒子径とバインダーの量とを前記の関係とな
るように調整することによって、ビーズの上に乗ってい
るビーズを除去する工程を簡単に実施することができ
る。従って、支持体上にビーズを、重ねることなく均一
かつ最密に並べることができる。以上の結果、本発明の
製造方法では、簡単な処理で高品質の光学フイルムを製
造することができる。
【0013】
【発明の具体的な説明】
[支持体]光学フイルムの用途に応じて、支持体の光透
過性を決定する。再帰性反射シートや光拡散シートの用
途においては、一般に透明支持体を用いる。透明支持体
は、通常、ガラスまたはプラスチックから製造する。光
学フイルムとしては、柔軟かつ軽量であるプラスチック
製支持体を用いることが好ましい。プラスチックに用い
るポリマーの例としては、セルロースエステル、セルロ
ースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコールおよ
びノルボルネン樹脂を挙げることができる。セルロース
エステル(例、セルロースアセテート)が好ましく用い
られる。
【0014】支持体は、25乃至350μmの厚さを有
することが好ましい。支持体の厚さは、30乃至310
μmの範囲であることがさらに好ましく、45乃至20
0μmの範囲であることが最も好ましい。なお、薄い支
持体を用いると、後述するバインダーを含む層の影響で
支持体がカールする場合がある。このような場合は、支
持体の裏面にカール防止層を設けることが好ましい。カ
ール防止裏引き層は、後述するバインダーと実質的に同
じポリマーを用いて形成する。「実質的に同じ」とは、
吸湿性のような支持体のカールの原因となる性質が類似
していることを意味する。支持体は任意の添加剤とし
て、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、劣化防止剤、分散
剤、染料、顔料、消泡剤、潤滑剤、褐色防止剤、防腐剤
を含んでもよい。これらの添加剤は、公知の化合物を用
いることができる。支持体は、支持体を構成するポリマ
ーを溶媒に溶解して、その溶液を製膜することにより製
造される。製膜方法としては、公知の溶液流延法や溶融
流延法を採用できる。溶液流延法では、ポリマーの溶液
を金属ベルト上に流延して、支持体をポリマー膜として
得る。溶融流延法では、ポリマー樹脂を熱で溶融してか
ら流延する。
【0015】[ビーズ]ビーズは、透明な素材の微小な
粒子で構成する。透明な素材としては、ガラスまたはプ
ラスチックが用いられる。一般には、ガラスの方がプラ
スチックよりも好ましい。粒子の形状は、球形に近いこ
とが好ましい。ビーズの粒子径は、光学フイルムの用途
に応じて決定する。原則としては、なるべく小さい粒子
であることが要求される。特に、本発明の光学フイルム
を液晶表示装置の光拡散シートとして使用する場合は、
液晶の画素(マトリックス)よりも小さい粒子を用いる
必要がある。一般に、ビーズは、1乃至100μmの範
囲の平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径
は、5乃至70μmの範囲であることがさらに好まし
く、15乃至60μmの範囲であることが最も好まし
い。ビーズの平均粒子径は、バインダーを含む層(後
述)の厚さとの相対的な関係も重要である。本発明で
は、ビーズの平均粒子径を、バインダーを含む層の厚さ
の3倍乃至20倍の範囲内とする。ビーズの平均粒子径
は、バインダーを含む層の厚さの3倍乃至15倍の範囲
内であることが好ましく、4倍乃至13倍の範囲内であ
ることがさらに好ましく、5倍乃至12倍の範囲内であ
ることが最も好ましい。なお、平均粒子径と層厚との関
係は、後述するバインダーの使用量の方で調整すること
が好ましい。平均粒子径は、上記のように光学フイルム
の用途に応じて決定しておくことが望ましい。ビーズの
粒子径の分布は、なるべく均一であることが望ましい。
具体的な粒子径の分布としては、最大粒子径が平均粒子
径の2倍未満であり、かつ最小粒子径が平均粒子径の半
分より大きいことが好ましい。最大粒子径は平均粒子径
の1.5倍未満であることが好ましい。また、最小粒子
径は平均粒子径の3分の2より大きいことが好ましい。
ガラスビーズは、主に再帰性反射シート用ビーズあるい
は粉砕・分散用微粒子として既に市販されている。市販
品は、株式会社ユニオン(ユニビーズTM、ユニフラッシ
TM)や日本電気硝子株式会社から販売されている。
【0016】[バインダー]バインダーは、ビーズを支
持体上に固定するために用いる。バインダーとしては、
天然または合成ポリマーが利用可能である。ポリマーの
例としては、セルロースエステル、セルロースエーテ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、
ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリプロピ
レンおよびノルボルネン樹脂を挙げることができる。な
お、バインダーとしては、粘着剤として公知のポリマー
を使用してもよい。バインダーは、その屈折率(バイン
ダーを含む層の屈折率)が、支持体のプラスチックを構
成するポリマーの屈折率に、できる限り近いポリマーを
選択して用いることが好ましい。具体的には、バインダ
ーの屈折率と支持体のプラスチックを構成するポリマー
の屈折率との差が、0.5未満であることが好ましく、
0.2未満であることがさらに好ましく、0.1未満で
あることが最も好ましい。実質的に同じ屈折率を得るた
め、バインダーとして、支持体のプラスチックを構成す
るポリマーを用いることが特に好ましい。光を拡散する
ために、バインダーの屈折率とガラスビーズの屈折率と
は、一定値以上の差があることが望ましい。具体的に
は、屈折率の比が、0.95以下または1.05以上で
あることが好ましく、0.83以下または1.15以上
であることがさらに好ましく、0.71以下または1.
25以上であることが最も好ましい。
【0017】[溶媒]溶媒は、バインダーの溶媒として
使用する。従って、バインダーは、溶媒に対して5重量
%以上の溶解度を有することが好ましく、10重量%以
上の溶解度を有することがさらに好ましく、15重量%
以上の溶解度を有することが最も好ましい。溶媒として
は、水または有機溶剤が使用できる。溶媒の例として
は、水、脂肪族炭化水素(例、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキヘキサ
ン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチル、メチレ
ンクロライド、四塩化炭素、トリクロロエタン)、アル
コール(例、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール)、ケトン(例、アセ
トン、メチルエチルケトン)、エステル(例、蟻酸メチ
ル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル)およびそれ
らの混合物を挙げることができる。なお、前記のバイン
ダーとして支持体のプラスチックを構成するポリマーを
用いると、バインダーの溶媒は支持体のプラスチックの
溶媒としても機能する。その場合、溶媒が支持体表面を
溶解または膨潤させるため、バインダーの接着力(ビー
ズを固定する力)が強化されるという効果が得られる。
【0018】[(1)塗布液調製]塗布液の調製におい
ては、溶媒中にバインダーを溶解させ、かつビーズを分
散させる。溶媒中にビーズを分散してから、バインダー
を溶解してもよい。バインダーの使用量は、前述したビ
ーズの平均粒子径とバインダーを含む層のとの関係で、
予め決定しておく。溶液中のバインダーの濃度は、1乃
至50重量%の範囲であることが好ましく、3乃至40
重量%の範囲であることがさらに好ましく、5乃至30
重量%の範囲であることが最も好ましい。ビーズは、支
持体の塗布面に重ならずに最密に並べることができる程
度の量から、その数倍の過剰量までの範囲で使用するこ
とができる。過剰量の使用が可能であるのは、後述する
ように、ビーズの上に乗っているビーズを簡単に除去で
きるからである。具体的には、ビーズを下記の式を満足
する範囲の量で使用することが好ましい。
【0019】
【数2】0.6S<nd2 <3.5S
【0020】式中、Sは支持体の塗布面の面積であり、
dはビーズの平均粒子径であり、そしてnは使用するビ
ーズの粒子数である。ビーズの使用量は、下記の式
(S、dおよびnの意味は上記式と同じ)を満足すると
がさらに好ましい。
【0021】
【数3】0.7S<nd2 <2.5S
【0022】塗布液には、バインダーおよびビーズ以外
の任意の成分を添加してもよい。任意に添加できる成分
としては、分散剤、界面活性剤、増粘剤、硬膜剤、劣化
防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、染料等の着色剤を挙げ
ることができる。これらの添加剤は、公知のものを使用
できる。溶媒中へのバインダーの溶解およびビーズの分
散は、公知の攪拌手段を用いて実施できる。なお、ビー
ズは分散用微粒子としても機能するため、極めて容易に
均一な塗布液を調製することができる。
【0023】[(2)塗布]次に、以上のように調製し
た塗布液を支持体上に塗布する。塗布は、バーコート、
ディップコート、ロールコート、ブレードコート、ビー
ドコート、エクストルージョンコート、カーテンコー
ト、スライドコートのような公知の一般的な塗布方法を
採用することができる。
【0024】図1は、塗布の工程が終了した状態を示す
断面模式図である。図1に示されるように、支持体
(1)の上に塗布液を塗布すると、ビーズの粒子(21
〜26)が支持体上に並ぶ。バインダーの溶液(3)
は、支持体(1)の上に流れる。支持体(1)上に並ぶ
ビーズの粒子(21〜26)の下部は、バインダーの溶
液(3)と接触する。なお、ビーズを過剰の量で用いる
と、図1に示すように一部のビーズの粒子(27〜2
9)は、他の粒子(21〜26)の上に乗る。このよう
な粒子(27〜29)は、バインダーの溶液(3)とは
ほとんど接触しない。
【0025】[(3)除去処理]塗布液の塗布後、溶媒
を除去して、バインダーを含む層を形成する。溶媒の除
去は、通常の空気乾燥または熱乾燥として実施できる。
もちろん、特に何も処理を行なわずに、自然乾燥しても
よい。バインダーを含む層を形成することにより、支持
体上に並べられたビーズが固定される。溶媒の除去と同
時に、あるいはそれと前後して、ビーズの粒子の上に乗
っているビーズの粒子を除去する工程を実施する。図1
において説明したように、ビーズの粒子の上に乗ってい
る粒子は、バインダーの溶液とはほとんど接触していな
い。このため、粒子上に乗っている粒子は、バインダー
を含む層により固定されていない。従って、このような
粒子を除去する処理は、簡単に実施できる。すなわち、
シートを裏返したり、振動させる程度でも除去できる。
また、ローラーを通して軽い圧力をかけて、粒子を除去
してもよい。さらに、空気流を当てて、粒子を飛ばして
除去してもよい。
【0026】図2は、除去の工程が終了した状態を示す
断面模式図である。図2に示されるように、溶媒の除去
により、支持体(1)上にバインダーを含む層(3)が
形成される。この層(3)により、支持体上に並ぶビー
ズの粒子(21〜26)が固定されている。そして、図
1において粒子(21〜26)の上に乗っていた粒子
は、除去されている。
【0027】[(4)後処理]以上のように本発明に従
い光学フイルムを形成した後、さらに第2のバインダー
を含む層を形成して、この層によりビーズを覆うことが
できる。第2のバインダーを含む層は、溶媒中にバイン
ダーを溶解した溶液を、前記の層の上に塗布し、そして
溶媒を除去することにより形成することができる。第2
の層に用いるバインダーおよび溶媒は、前述したバイン
ダーおよび溶媒と同じものを用いることができる。第2
の層のバインダーとしては、前述したガラスビーズの固
定に用いるバインダーの例に加えて、硬化性樹脂を用い
ることができる。硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹
脂あるいは熱硬化性樹脂が利用可能である。なお、別の
種類のバインダーを用いる場合は、なるべくビーズの固
定に用いるバインダーの屈折率に近い屈折率を有するバ
インダーを用いることが好ましい。
【0028】図3は、第2のバインダーを含む層を形成
した状態を示す断面模式図である。図3に示されるよう
に、支持体(1)上にビーズの粒子(21〜26)を固
定するためのバインダーを含む層(3)が形成され、そ
の上に第2のバインダーを含む層(4)が形成されて、
ビーズの粒子(21〜26)を覆っている。
【0029】従来の技術の説明で述べたように、本発明
に従い製造した光学フイルムは、再帰性反射シートや光
拡散シートとして、様々な分野で利用できる。それらの
用途に応じて、さらに様々な機能層を光学フイルムに追
加することができる。
【0030】
【実施例】
[実施例1] (1)塗布液調製 ジアセチルセルロース10重量部を下記の混合溶媒に溶
解した。この溶液にガラスビーズ(平均粒子径:32μ
m、最大粒子径:36μm、最小粒子径:26μm)を
分散して塗布液を調製した。なお、ジアセチルセルロー
スの屈折率は、1.48であり、ガラスビーズの屈折率
は、1.93である。
【0031】 ──────────────────────────────────── 混合溶媒 ──────────────────────────────────── メチレンクロライド 25重量部 メタノール 2重量部 アセトン 63重量部 ────────────────────────────────────
【0032】(2)塗布 トリアセチルセルロース支持体(厚さ:100μm、塗
布面の面積:100cm2 )に、上記の塗布液をバーコ
ーターにて、乾燥後のバインダーを含む層の厚さが10
μmとなる塗布量で塗布した。 (3)除去処理 シートを乾燥して溶媒を除去し、バインダーを含む層を
形成した。さらに、しごきロールを用いて、ビーズの粒
子の上に乗っているビーズの粒子を除去した。
【0033】(4)後処理 上記(1)の工程で用いたバインダーの溶液を、ガラス
ビーズの上に塗布、乾燥し、ガラスビーズをバインダー
で覆った。 (5)評価 以上のように作成した光学フイルムを、コリメーション
機能を持つ液晶表示装置の偏光板の保護膜として使用し
たところ、視野角を大幅に広げることができた。また、
目視による観察では、シートに傷は全く観察されなかっ
た。
【0034】[比較例1]乾燥後のバインダーを含む層
の厚さが40μmとなるようにバインダーの量を増加さ
せた以外は、実施例1と同様に塗布液を調製し、支持体
上に塗布、乾燥した。次に、しごきロールを用いて、ビ
ーズの粒子の上に乗っているビーズの粒子を除去しよう
としたが、粒子の上に乗っている粒子もバインダーによ
り固定されており、充分に除去することができなかっ
た。さらに、実施例1と同様に、バインダーの溶液をガ
ラスビーズの上に塗布、乾燥し、ガラスビーズをバイン
ダーで覆った。以上のように作成した光学フイルムを、
コリメーション機能を持つ液晶表示装置の偏光板の保護
膜として使用したところ、部分的に表示品位が低下して
いる個所が観察された。さらに確認したところ、その個
所ではビーズの粒子が重なっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布の工程が終了した状態を示す断面模式図で
ある。
【図2】除去の工程が終了した状態を示す断面模式図で
ある。
【図3】第2のバインダーを含む層を形成した状態を示
す断面模式図である。
【符号の意味】
1 支持体 21〜26 支持体上に並べられたビーズの粒子 27〜29 ビーズの粒子の上に乗っているビーズの粒
子 3 バインダーを含む層 4 第2のバインダーを含む層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にバインダーを含む層が設けら
    れており、そしてビーズがバインダーを含む層により固
    定されている光学フイルムを製造する方法であって: (1)バインダーの溶液にビーズが分散しており、かつ
    ビーズの平均粒子径が形成するバインダーを含む層の厚
    さの3倍乃至20倍の範囲内になるように、ビーズの平
    均粒子径とバインダーの量との関係が調整されている塗
    布液を得る工程; (2)塗布液を支持体上に塗布し、これによりビーズを
    支持体上に並べ、かつ支持体上に並んでいるビーズを固
    定するバインダーを含む層を形成する工程;そして (3)ビーズの上に乗っているビーズを除去する工程か
    らなることを特徴とする光学フイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記(3)の工程の後、さらに、 (4)バインダーの溶液を上記ビーズの上に塗布し、第
    2のバインダーを含む層を形成して、これにより第2の
    バインダーを含む層でビーズを覆う工程を実施する光学
    フイルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020027890A (ko) * 2000-10-06 2002-04-15 김동일 오픈렌즈형 재귀반사재의 제조방법
JP2019523896A (ja) * 2016-12-29 2019-08-29 ソフォス カンパニー,リミテッド 高輝度再帰反射繊維素材製造のためのuv硬化コーティング方法

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