JPH08303723A

JPH08303723A - 誘導空気触媒バーナ、及び該バーナを備えた装置

Info

Publication number: JPH08303723A
Application number: JP8080036A
Authority: JP
Inventors: Jean-Claude Pivot; ジャン−クロード・ピヴォ
Original assignee: Application des Gaz SA
Current assignee: Application des Gaz SA
Priority date: 1995-04-05
Filing date: 1996-04-02
Publication date: 1996-11-22
Also published as: DE19612430A1; GB2299525B; GB9606926D0; FR2732752A1; HK1014043A1; FR2732752B1; GB2299525A; US5842851A

Abstract

(57)【要約】【課題】高い運転温度、及び高い面出力密度が条件
となる触媒バーナの長寿命化を目的とする。【解決手段】少なくとも一つの炭化水素及び酸素を有
したガス混合体を酸化するため、少なくともジルコニア
から成り、例えばプラチナ又はパラジウム等の触媒酸化
作用を有した少なくとも一つの金属２が付着された多孔
質単一相１を含んで成る装置であって、大気と混合され
炭化水素ガスを触媒燃焼させるための誘導空気触媒バー
ナ３から成り、多孔質単一相のための支持体内部での少
なくとも７００℃の平均温度において少なくとも１０Ｗ
／ｃｍ² の平均熱出力を発揮するために、支持体内部に
発生した熱を放散させるための手段６を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、概して、例えば大
気と混合されたブタン又はプロパン，天然ガス等の炭化
水素ガスの触媒燃焼に関する。

【０００２】より詳細には本発明は、これに限定される
ものではないが、予め大気と混合された炭化水素ガスの
燃焼を二次空気を流入させることなく可能とするいわゆ
る誘導空気触媒バーナに関する。かかるバーナは、実際
上は、文献 FR-A-2,678,360及び EP-A 0,313,479 にも
詳細に記載されているように、例えばハンダ付け，料
理，加熱等の種々の機能及び用途を持った家庭用あるい
は工業用の携帯又は非携帯装置内に組み込まれるか、備
えられる。

【０００３】

【従来の技術】通常、添付図面の図１及び図２に示すよ
うに、誘導空気触媒バーナは一般に： − 燃焼空気を炭化水素ガスと混ぜる受動又は能動部材
４であって、実際には加圧炭化水素ガス流を噴き出すイ
ンジェクタ７と、該インジェクタと同心的に、かつ燃焼
空気が入り込む隙間を形成すべく同インジェクタから離
間配置されたベンチェリ８とから成る受動又は能動部材
４；

【０００４】− 熱化学的に不活性な材料から成り、浸
透可能な機械的機能を有し、燃焼される混合体のための
入口面５ａと廃棄ガスのための出口面５ｂとを規定する
支持体であって、一例として、前記入口面５ａと前記出
口面５ｂとを接続する複数の平行なチャンネル５ｃを有
した例えばコージライトから成るハニカム型のセラミッ
クマトリックスである支持体５；

【０００５】− 前記支持体５に付けられ、前記支持体
５の内面を少なくとも部分的にコーティングする広い特
定領域（しばしば、「薄め塗膜」あるいは「捨て塗り」
(washcoat) と称される）を有する多孔質単一相１；

【０００６】− 前記多孔質単一相に付着された、触媒
酸化作用を有する金属であって、一般的には例えばプラ
チナ及び／又はパラジウム等の貴金属である金属２；及
び、

【０００７】− 例えばハンダごてのビットに設けられ
る金属質量体形状に形成され、前記支持体５の内部に発
生した熱を放散させるための手段６；を備える。

【０００８】熱化学的に不活性である材料とは、例えば
７００℃以上の温度、及びかなりの高温を含むこれらの
条件、使用環境下でのあらゆる形態の化学的な又は腐食
による攻撃にも耐える材料を意味するものである。

【０００９】文献 US-A-3,441,359 及び JP-A-59,041,7
06 によれば、「薄め塗膜」と言われる前記多孔質単一
相１は、前記支持体５の内面を連続的にコーティングす
る粒状のジルコニアから成る。

【００１０】かかる触媒バーナは、後述する試験手順で
用いられる如く、一例として以下の寸法及び構成を備え
ている： − ハニカム型の前記支持体５は、約５μｍの平均的な
気孔径を有した多孔質コージライトから成り、該気孔の
容積は該支持体の見かけの容積の約４０％であり、ま
た、前記複数のチャンネル５ｃの壁部が複数の矩形セル
を規定しており、これら矩形セルのピッチは１.２０ｍ
ｍであり厚みは０.２０ｍｍである。また、断面寸法即
ち円筒形状をした該支持体の直径は１０.７ｍｍであ
り、前記ガス、特に燃焼される混合体の流れ方向に沿っ
た長さ、すなわち軸方向厚さは８ｍｍである；

【００１１】− 「薄め塗膜」と称される前記多孔質単
一相１はそれ自体、見かけ面積に関して広く発展した例
えば約１００ｍ² ／ｇの内面積を有しており、この多孔
質単一相は、略４５重量％の乾燥ジルコニア、及び約
０.５重量％の有機界面活性剤を含む水性懸濁液を用意
し、該懸濁液を前記支持体５に含浸させ、該支持体を乾
燥させ、かつそれを５００℃でカ焼することにより得ら
れるもので、該多孔質単一相は支持体５の約１５重量％
を占める；

【００１２】− ジルコニアの多孔質単一相がコーティ
ングされた前記支持体５は、６重量％の硝酸イットリウ
ムを含む水溶液であって該硝酸イットリウムの一つの分
子が六個の水分子と結合した水溶液内に浸漬され、次
に、該支持体が乾燥され、上述の如くカ焼され、これに
より、該多孔質単一相の熱平衡を高めるため、「薄め塗
膜」と称される前記多孔質単一相１に対し、約３重量％
の酸化イットリウムを導くことが可能となる；

【００１３】− 触媒酸化作用を有した前記金属２は含
浸により付着され、次いで乾燥され、「薄め塗膜」と称
される前記多孔質単一相１上に、例えば塩化白金酸のア
セトン溶液を用いて、完成された触媒の総重量に対して
０.３％の割合で焼成される。ここでの該酸アッセイは
前記溶液の約０.５〜１重量％である。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】相当に高い運転温度、
及びこれら触媒バーナによって生ずる相当に高い面出力
密度を考慮し、本発明は、これら触媒バーナの寿命に関
連しており、かつ本発明は、これら触媒バーナが、多孔
質単一相（「薄め塗膜」）及び触媒金属を備えた支持体
から成る少なくとも燃焼触媒ができるだけ遅く変化する
よう、あるいはできるだけ長期間耐久し得るように組み
込まれたガス装置に関連している。

【００１５】「寿命」とは、それ以降は、前記燃焼触媒
が本質的にその触媒燃焼機能あるいは触媒燃焼活性を喪
失した時点を言う。この触媒燃焼機能あるいは触媒燃焼
活性が喪失するとは、例えば、前記バーナがもはや裸火
燃焼形態から火のない触媒燃焼形態に移れなくなるこ
と、あるいは、一つの形態から他方の形態に移るまで
に、該バーナが組み込まれた該装置の使用者が受容でき
る待ち時間を考慮した場合に非常に長時間を要するよう
なことを言うものである。

【００１６】実際には、この寿命は、図１及び図２を参
照して説明しかつ既に例示した触媒バーナを使用して、
以下の実験的手法を用いて測定することができる。

【００１７】（ａ）浸透可能な支持体５の中央領域は、
該支持体の中心への加熱を制限すべく、５.５ｍｍの径
にわたってブロックされている；

【００１８】（ｂ）該触媒バーナは、４.６５ｇ／ｈの
流速において６０mol ％の不飽和化合物を有したブタ
ン、及び理論燃焼量に対し５％の過剰燃焼空気により働
き、これにより、前記入口面５ａの稼働部の単位面積当
たり約１００Ｗ／ｃｍ² のパワーが得られるようになっ
ている；

【００１９】（ｃ）該バーナは、１時間の停止を介して
２５時間サイクルで作動する。

【００２０】（ｄ）新規の稼働サイクルは、３０mol ％
の不飽和化合物を有したブタン、及び前記理論燃焼量の
０.５倍の燃焼空気流量で開始され、一旦この触媒燃焼
形態が得られると、該バーナは、上記（ｂ）の如き送り
条件の下で稼働する；

【００２１】（ｅ）触媒バーナは、もし裸火燃焼から火
のない燃焼に移る時間が３分を超えた場合に、非作動状
態とされる。

【００２２】現在、「薄め塗膜」として従来のジルコニ
アを用い、既に規定した実験的な条件の下における上記
例のバーナにおいては、該触媒の寿命は１００時間を超
えない。

【００２３】触媒反応に関しては、触媒寿命は通常制限
されており、この触媒寿命が、触媒反応の性能及び作
用、又は工業的規模で使用するに当たっての重要なパラ
メータを構成していることが知られている。

【００２４】事実、これと同じ問題は、不均質触媒のそ
の他の応用分野、例えば可燃ガスの触媒燃焼の分野とは
全く異なる技術分野である内燃機間のための触媒排気放
出制御の分野、においても関心の焦点となっていた。

【００２５】従って、触媒排気放出制御の分野では、文
献 JP-A-57,153,737 にあるように、自動車の触媒コン
バータのための触媒が提案されている。この触媒は、好
ましくは塊あるいは粒子形状とされ、「薄め塗膜」を一
切有しない支持体を備え、高比率（アルミナに対し約３
０から８０重量％）のジルコニアを有したアルミナから
成り、所要の触媒活性度（この場合、残留した炭化水
素、一酸化炭素、及び酸化窒素の完全なる酸化）を有し
た金属が付着されている。上記文献 JP-A-57,153,737
は、支持体上に付着された「薄め塗膜」として、ジルコ
ニアと混合さたアルミナを使用することについては一切
述べていない。支持体に関しては、前記アルミナに取り
入れられた前記ジルコニアは０.５から１０μｍの粒径
を有し、それにより主として、同じ触媒活性度を維持し
つつ触媒金属、特に貴金属の量を制限することが可能と
なり、そして副次的に、同じ触媒金属の量で触媒の寿命
を延ばすことが可能であることが指摘されている。

【００２６】触媒バーナとは特に作動温度の点で非常に
異なる触媒コンバータ（つまり、触媒コンバータでは作
動温度が非常に低い）における技術的課題又は稼働条件
を考慮すると、上記文献 JP-A-57,153,737 によって提
案された解決手段は、触媒バーナ分野の当業者によって
観察されることはできない。この場合さらに、前記ジル
コニアが支持体それ自体の部分を形成しており、それ自
体「薄め塗膜」とは考えられないからである。

【００２７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、驚くべ
きことに、上記の燃焼触媒の寿命は、ジルコニアをベー
スとした多孔質単一相又は「薄め塗膜」の粒径に依存す
ることが判明した。より詳しくは、この寿命は、ジルコ
ニア粒子のサイズが１ないし５μｍ、好ましは２.５な
いし４.５μｍのときに最適化され、しかも触媒の触媒
効果、特に燃焼率は損なわれないことが判明した。

【００２８】

【発明の実施の形態】この発見は、既に例示した触媒バ
ーナを用い、上記に規定したように寿命を計り、その寿
命を、多孔質単一相１又は「薄め塗膜」を得るために使
用されていた初期乾燥ジルコニアの粒径と相関させるこ
とによってなされたものである。

【００２９】この粒径は、下記の如く準備された懸濁液
を用いて "Coultronics Coulter LS130" 装置によって
種々の初期乾燥ジルコニアについて計測される： − 約０.１ｇの初期ジルコニアが、０.１％のヘキサメ
タリン酸ナトリウムを含む２５０ｍｌの水溶液に懸濁さ
れる； − この懸濁液に５分間超音波が照射され、次いで１分
間機械的に撹拌する。 − そして、１ｍｌのこの懸濁液が１.５ｌの水で希釈
される。上記装置により粒径分析されるのはこの希釈で
ある。

【００３０】これらの試験から下記の表に示す結果が得
られた。

【００３１】

【表１】

【００３２】かかる特徴により、少なくとも１０Ｗ／ｃ
ｍ² の平均熱出力、及び少なくとも７００℃の支持体内
部の平均温度の双方によって特徴づけられる高熱負荷下
でも導入空気触媒バーナの寿命はかなり長いものとな
る。これらの特性は、該バーナの混合部材及びその放散
手段を、前記浸透性支持体の全断面に関連させて適宜に
選択して寸法を決定することによる該触媒バーナの設計
によって決定される。

【００３３】本発明により大きな進歩が見て取れる。何
故なら、この導入空気触媒バーナは、従来の触媒バーナ
と同一寿命とした場合に、従来の解決法に比して、使用
する触媒金属を非常に少なくすることができるからであ
る。事実、触媒金属の量が増加すれば、燃焼触媒の寿命
を延ばせることは通常認められているところである。

【００３４】また、上記の如く規定された粒径により前
記「薄め塗膜」が前記支持体の内面内に良好に浸透する
ものとなる。

【００３５】本発明はさらに下記の技術的特徴を有す
る： − 前記浸透性を有する支持体１は、熱化学的に不活性
な材料による繊維（これら繊維は一斉に撚られて繊維間
に比較的大きな発展した内面領域を提供する）から成る
シートに置き換えることができる；

【００３６】− 前記ジルコニアは単結晶相を有する；

【００３７】− 前記多孔質単一相１すなわち「薄め塗
膜」は、添加により、元素周期表のIIa 及び IIIb のグ
ループに属する化学元素、特に酸化物の形態の状態のイ
ットリウムまたはランタンを有する；

【００３８】− 「薄め塗膜」と称される前記多孔質単
一相１全体がジルコニアから成る；

【００３９】− 「薄め塗膜」と称される前記多孔質単
一相１は、前記支持体１の最大２５重量％、好ましくは
約１０ないし２０重量％である；

【００４０】− 前記混合部材４及び前記放散手段６
は、前記浸透性を有する支持体５の平均断面に関連し
て、少なくとも７００℃の支持体内部の平均温度で少な
くとも１０Ｗ／ｃｍ² の平均熱出力を発揮するよう設計
され、かつ寸法が決定されている；

【００４１】− 前記混合部材４は、該バーナ３のその
他の部分に関連して、理論燃焼量に対し特に最大５０
％、好ましくは約１０％の過剰空気を含む燃焼される混
合体を供給するよう設計され、かつ寸法を決定されてい
る；

【００４２】− 前記浸透性を有する支持体５は、ガ
ス、特に燃焼される混合体の流れ方向に沿った細長い、
特に軸方向に延びた寸法を有しており、該寸法は、前記
ガスの流れ方向との直交寸法、特に直径よりも小さい；

【００４３】− 上述した如く、本発明によるバーナは
どのようなガス装置、特にハンダ付け，料理，及び加熱
等の機能の一つを有する特に可搬装置、の一部となり得
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】触媒バーナを一部断面で示す側面図である。

【図２】図１に示した触媒バーナの部分拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１多孔質単一相２触媒酸化作用
を有した金属３誘導触媒バーナ４混合部材５支持体５ａ入口面５ｂ出口面５ｃチャンネル６放散手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】大気と混合された炭化水素ガスの触媒に
よる燃焼のための誘導空気触媒バーナ（３）であって、燃焼空気を前記炭化水素ガスと混合するための混合部材
（４）と、熱化学的に不活性な材料より成り、燃焼される前記混合
体のための入口面（５ａ）及び廃棄ガスのための出口面
（５ｂ）を規定する浸透性を有する支持体であって、該
支持体の前記入口面が、少なくともジルコニアから成り
例えばプラチナあるいはパラジウム等の触媒酸化作用を
有した金属（２）が付着された「薄め塗膜」と称される
多孔質単一相（１）により少なくとも部分的にコーティ
ングされている支持体（５）と、前記支持体内部で発生された熱を放散するための放散手
段（６）と、を備えて成り、「薄め塗膜」と称される前記多孔質単一相（１）が、１
ないし５μｍ、好ましくは２.５μｍないし４.５μｍの
粒径を持ったジルコニア粒子を有していることを特徴と
する誘導空気触媒バーナ。
【請求項２】請求項１記載のバーナにおいて、「薄め
塗膜」と称される前記多孔質単一相（１）全体がジルコ
ニアから成ることを特徴とするバーナ。
【請求項３】請求項２記載のバーナにおいて、「薄め
塗膜」と称される前記多孔質単一相が、前記支持体の最
大２５重量％、好ましくは約１０ないし２０重量％であ
ることを特徴とするバーナ。
【請求項４】請求項１記載のバーナにおいて、前記支
持体内部での少なくとも７００℃の平均温度において少
なくとも１０Ｗ／ｃｍ² の平均熱出力を発揮するため
に、前記混合部材（４）及び前記放散手段（６）は、前
記浸透性を有する支持体（５）の平均断面に応じて設計
され、かつ寸法を決定されていることを特徴とするバー
ナ。
【請求項５】請求項１記載のバーナにおいて、前記混
合部材（４）は、前記バーナ（３）のその他の部分に関
連して、理論燃焼量に対して特に最大５０％に匹敵しか
つ好ましくは約１０％の過剰空気を含む燃焼混合体を供
給すべく設計され、かつ寸法を設定されていることを特
徴とするバーナ。
【請求項６】請求項１記載のバーナにおいて、前記浸
透性を有する支持体（５）は、ガス、特に燃焼される混
合体の流れ方向に沿った細長い、特に軸方向に延びた寸
法を有しており、該寸法は前記ガスの流れ方向との直交
寸法、特に直径よりも小さいことを特徴とするバーナ。
【請求項７】請求項１記載のバーナにおいて、前記浸
透性を有する不活性な支持体（５）は、前記入口面（５
ａ）と前記出口面（５ｂ）とを接続する複数の平行なチ
ャンネル（５ｃ）を有したセラミックマトリックスであ
ることを特徴とするバーナ。
【請求項８】請求項１記載のバーナにおいて、前記浸
透性を有する支持体（５）は、熱化学的に不活性な材料
から成り一斉に撚られて相互間に発展した内面領域を提
供する繊維を有していることを特徴とするバーナ。
【請求項９】請求項１記載のバーナにおいて、前記ジ
ルコニアが単結晶相を有していることを特徴とするバー
ナ。
【請求項１０】請求項１記載のバーナにおいて、「薄
め塗膜」と称される前記多孔質単一相（１）は、添加に
より、元素周期表の IIa 及び IIIb のグループに属す
る化学元素、特に酸化物の形態のイットリウムまたはラ
ンタンを有することを特徴とするバーナ。
【請求項１１】請求項１ないし１０の何れかによる触
媒バーナが組み込まれた酸化装置であって、特にハンダ
付け，料理，及び加熱等の機能のうちの一つを有する可
搬酸化装置。