JP2004033990A - 排ガス処理触媒およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い脱硝活性と共に優れた耐久性を有する、イリジウムを活性金属とする排ガス処理触媒及びその製造方法を提供する。
【解決手段】物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させてなる排ガス処理触媒およびその製造方法を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させてなる排ガス処理触媒およびその製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リーンバーンガソリンエンジン等の排ガス中の窒素酸化物を、炭化水素の存在の下で除去する排ガス処理触媒およびその製造方法に関する。特に、安価で簡便に、かつ再現性よく排ガス処理触媒を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化防止等の地球環境問題の高まりの中で、自動車の排気ガス低減および低燃費化の要求は非常に強くなっている。このような背景の中、排気ガス低減と低燃費化を実現できるエンジンとして、理論空燃比より薄いガスを安定して燃焼させる希薄燃焼(リーンバーン)を応用したリーンバーンエンジンがキーテクノロジーとして注目されている。
【0003】
従来、自動車等の排ガス処理において、排ガスに含まれる窒素酸化物(以下NOxと記す)は、アルミナ等を担体とした貴金属系の触媒を用いて、排ガスに含まれる一酸化炭素(以下COと記す)や炭化水素(以下HCと記す)等と反応させることで浄化されている。
しかしながら、リーンバーンガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等のリーンバーンエンジンの排気ガス中には、HC、COおよび水素(H2)等の還元性成分の酸化に必要な化学量論量より過剰な酸化剤、酸素(O2)およびNOxが存在し、特に、空燃比A/F=17以上になるほど高濃度の酸素が存在するため、従来の触媒ではNOxを効果的に処理することができなかった。
【0004】
このような背景の中、本発明者らは、イリジウム元素を各種担体に担持した触媒がリーン雰囲気で脱硝性能を有し、かつ、耐久性においても、ほとんど劣化しない触媒であることを見出した(特願平5−228382号公報、特願平6−7667号公報、特開平7−80315号公報、特開平7−17140号公報、特開平8−52365号公報等)。しかし、上記触媒は再現性が必ずしも高くなく、同一組成においても脱硝性能に相違が認められ、常にリーン状態で高い脱硝性能が得られるとは限らなかった。
【0005】
さらに、本発明者らは、このような脱硝性能に相違が活性金属であるイリジウムの結晶状態に起因することを見出した(特開平8−1006号公報)。担体上に担持されるイリジウム元素は金属(0価)又は酸化物の状態で存在するが、0価の状態で担持されるイリジウムが高い脱硝活性を示したのである。
【0006】
従来、このような0価のイリジウムを担持する排ガス処理触媒を製造するためには、イリジウム金属塩を担体に含浸させる工程、これを乾燥させる工程、さらに焼成工程、加熱処理工程、水素等の還元剤を供給する還元処理工程等を経る必要があった。このように、従来の排ガス処理触媒の製造方法は多くの工程を必要とするため、特殊な活性化処理や多くの条件の制御を要求し、このため高いコストがかかり、しかも得られる触媒の活性は必ずしも再現性が高くはなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、高い脱硝活性と共に優れた耐久性を有する、イリジウムを活性金属とする排ガス処理触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排ガス処理触媒の製造方法であって、物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させる混合工程を含む。好ましくは、前記混合工程で、前記イリジウム金属の粉末を無機バインダーと共に前記担体と混合する。なお、前記担体としては、γ型アルミナ(Al2O3)、アナターゼ型チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイトとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。また、前記無機バインダーとして、シリカゾルと、アルミナゾルと、チタニアゾルと、ジルコニアゾルとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。
【0009】
「物理的に混合する」は、湿式あるいは乾式のミル混合や、乳鉢粉砕混合等により行うことができるが、これらの方法に限定するものではない。また、「0価のイリジウム金属」とは酸化数が0のイリジウムをいい、これはX線解析法、XPS法、EXAFS法、TEM法等で確認することができる。例えば、イリジウムが金属の結晶構造を有することをX線解析法により検査することで0価の状態であることを確認できる。
【0010】
なお、X線解析法とは、物質に当たり、散乱したX線を観測することにより、物質の中の電子の分布、すなわち、物質の3次元構造を知る手法であり、これにより金属の結晶構造を調べることができる。
また、XPS法とは、X線光電子分光法と呼ばれ、固体表面の構成元素やその化学結合状態を分析する電子分光法であり、該方法によれば、物質にX線を当てて励起された原子からの光電子の結合エネルギーを測定することにより、化学結合状態を調べることができる。
また、EXAFS法とは、広域X線吸収端微細構造法とも呼ばれ、物質に着目した元素の吸収端より高いエネルギーのX線を照射したときに、内殻電子の励起・電離に伴い生じた物質構成原子に特有の吸収曲線に現れる微細構造を分析することにより、物質の化学結合距離および配位数を調べる方法である。
また、TEM法とは、透過型電子顕微鏡法とも呼ばれ、電子線を物質に照射して、透過する電子線をレンズで収束させることにより、物質の大きさ、微細構造および格子構造を調べる方法である。
【0011】
また、本発明は別の側面において排ガス処理触媒であって、物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させて得ることができる。好ましくは、前記排ガス処理触媒は、前記イリジウム金属の粉末と前記担体と共に無機バインダーを混合して得ることができる。
なお、前記担体として、γ型アルミナ(Al2O3)、アナターゼ型チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイトとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。また、前記無機バインダーとして、シリカゾルと、アルミナゾルと、チタニアゾルと、ジルコニアゾルとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。
【0012】
また、本発明は別の側面において排ガス処理触媒器であって、前記排ガス処理触媒を、一定形状に成形することで、または、耐火性支持基材に支持することで得ることができる。
本発明の触媒は、適当なバインダーと混合し、またはバインダー無しで、適当な一定形状、例えばペレット、球、リング、ハニカム等の形状に成形して用いることができる。また、本発明の触媒は、適当に成形された耐火性支持基質、例えばコージェライト、ムライト等のセラミックや、ステンレス等をハニカム状に成形したものの表面上に、適当なバインダーと共に、またはバインダー無しで、コーティング(例えばウオッシュコート)して用いることができる。
【0013】
さらに、本発明は別の側面において排ガス処理方法であって、前記排ガス処理触媒を空燃比A/Fが17以上の排ガスと接触させる工程を含む。
本発明にかかる排ガス処理触媒により、空燃比が高いため従来の触媒で処理することが困難であった、空燃比A/Fが17以上の排ガスを処理することが可能である。このため、本発明にかかる排ガス処理触媒は、空燃比A/Fが17以上の排ガスの処理を行うのに特に適している。
しかしながら、本発明にかかる排ガス処理触媒を適用する対象となる排ガスはこれらに限られるものではなく、本発明にかかる排ガス処理触媒は、化学両論雰囲気を含む空燃比A/Fが17未満の排ガスに対しても十分活性を有する。
なお、空燃比A/Fが17以上の排ガスとして、リーンバーンガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等のリーンバーンエンジンの排ガス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る排ガス処理触媒の製造方法の実施の形態を説明する。もっとも、以下の本発明に係る実施の形態は本発明を限定するものではない。
【0015】
[湿式ミル混合]
第1の実施の形態では、まず、イリジウム金属(ブラック)と、担体と、無機バインダーと、水とを混合する。この混合物をボールミル容器内に添加し、さらにアルミナボール等を添加し、一般的には室温において回転させることにより、均一なスラリーを調製することができる。
スラリーの組成範囲は、担体100重量部に対して、イリジウム金属は好ましくは0.005〜20重量部、さらに好ましくは0.01〜10重量部、バインダーとしてシリカゾルを用いた場合固体SiO2分が好ましくは1〜30重量部、水分量は好ましくは100〜3000重量部である。特に水分量の調整はスラリー濃度を決め、コート回数による触媒担持量を支配し、水分量が少ないほどスラリー濃度が高くなり、コート1回あたりの担持量も多くなる。
【0016】
なお、用いるイリジウムの平均一次粒子径は、好ましくは5〜400nmであり、さらに好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは10〜30nmである。
なお、イリジウムの平均一次粒子径は、X線回折法のScherrer式を用いることで、あるいは、透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
【0017】
触媒の担体として、γ型アルミナ(Al2O3)、アナターゼ型チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイト等が利用できるが、これらに限定されるものではない。また、これらの担体の比表面積は1〜600m2/gであると好ましい。
【0018】
必要に応じて、イリジウム金属と担体を密着させるために無機バインダーを添加する。添加する無機バインダーは特に限定するものではないが、粒子径が小さく、担体とイリジウム金属を接着させやすいものとしてシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル等が挙げられる。
【0019】
なお、ボールミル条件は特に限定するものではないが、1例を挙げると、上記混合物50容積をボールミル容器100容積内に添加し、さらに15mmφのアルミナボール10容量を添加し、室温において4時間回転させることでスラリーを調製することができる。
【0020】
粉砕後に本スラリー溶液を攪拌器が付設してある別の容器に移し、この溶液にハニカム基材等を浸漬して、基材をスラリーでコートする。基材を取り出した後、必要に応じて余分なスラリーを吹き払い、好ましくは60〜600℃でこれを乾燥、焼成させる。さらに必要に応じて上記コート処理を繰り返し行うことで、基材1Lあたり30〜200gの固形分を担持させると好ましい。
【0021】
[乾式ミル混合]
第2の実施の形態では、まず、イリジウム金属(ブラック)と、担体と、無機バインダーとを混合する。この混合物をボールミル容器内に添加し、さらにアルミナボール等を添加し、一般的には室温において回転させることにより、均一な粉砕物を調製することができる。
粉砕物の組成範囲は、担体100重量部に対して、イリジウム金属は好ましくは0.005〜20重量部、さらに好ましくは0.01〜10重量部、バインダーとしてシリカゾルを用いた場合固体SiO2分が好ましくは1〜30重量部である。
また、ボールミル条件は特に限定するものではないが、1例を挙げると、上記混合物50容積をボールミル容器100容積内に添加し、さらに15mmφのアルミナボール10容量を添加し、室温において4時間回転させて粉砕物を調製することができる。
【0022】
ボールミルによる粉砕後、粉砕物を撹拌器が付設してある別の容器に移し、これに水を加えて、スラリーを得る。本スラリーを攪拌器が付設してある別の容器に移し、このスラリーにハニカム基材等を浸漬して、基材をスラリーでコートする。基材を取り出した後、必要に応じて余分なスラリーを吹き払い、好ましくは60〜600℃でこれを乾燥、焼成させる。さらに必要に応じて上記コート処理を繰り返し行うことで、基材1Lあたり30〜200gの固形分を担持させると好ましい。
【0023】
【実施例】
以下に、第1の実施の形態に基づいて行った実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。もっとも、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
【0024】
[触媒の調製]
担体として比表面積150m2/gのγ型アルミナ粉末(γAl2O3)100g、平均一次粒子径100nmのイリジウム金属(ブラック)1g、日産化学製スノーテックスO(シリカゾル)50g(SiO2 20%含有)、水500gを秤量して、内容積1Lの湿式ボールミル装置に添加した。本混合物に15mmφボールミル100cc(αアルミナ製)を添加して、4時間湿式ボールミル粉砕を行った。
粉砕後に本スラリー溶液を攪拌器が付設してある別の容器に移し、この溶液に400CPSI(セル/インチ2)のコージェライト製ハニカム基材を浸漬して、基材をスラリーでコートした。機材を取り出した後、余分なスラリーを吹き払い、これを200℃で乾燥させた。上記コート処理を繰り返し行うことで、基材1Lあたり200gの固形分を担持させた。本コート物をハニカム触媒1とした。
【0025】
[触媒2〜13の調製]
触媒2〜13の調製では、触媒1とは異なる担体を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒2〜13の調製で用いた担体を以下に示す。
触媒2:比表面積80m2/gのアナターゼ型チタニア(TiO2)
触媒3:比表面積600m2/gの正方晶ジルコニア(ZrO2)
触媒4:比表面積150m2/gの比晶質SiO2
触媒5:TiO2・SiO2複合酸化物(TiO2:SiO2=80:20…比表面積150m2/g)
触媒6:TiO2・Al2O3複合酸化物(TiO2:Al2O3=50:50…比表面積160m2/g)
触媒7:Al2O3・ZrO2複合酸化物(Al2O3:ZrO2=90:10…比表面積200m2/g)
触媒8:TiO2・ZrO2複合酸化物(TiO2:ZrO2=50:50…比表面積100m2/g)
触媒9:H型のペンタシル型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比40)
触媒10:H型のペンタシル型メタロシリケート(SiO2/Al2O3モル比30,SiO2/Fe2O3モル比600,SiO2/Co2O3モル比500)
触媒11:BaSO4粒子(林純薬製)
触媒12:SiC粒子(林純薬製)
触媒13:ペロプスカイト構造LaCoO3(林純薬製)
【0026】
[触媒14〜16の調製]
触媒14〜16の調製では、触媒1とは異なるバインダーを用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒14〜16の調製で用いたバインダーを以下に示す。
触媒14:アルミナゾル(日産化学製)
触媒15:チタニアゾル(石原産業製)
触媒16:ジルコニアゾル(第1希元素化学製)
【0027】
[触媒17、18の調製]
触媒17、18の調製では、触媒1とは異なる粒子径のイリジウム金属を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒17、18の調製で用いたイリジウム金属の平均一次粒子径を以下に示す。
触媒17:50nm
触媒18:200nm
【0028】
[触媒19〜21の調製]
触媒19〜21の調製では、触媒1とは異なる量のイリジウム金属を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒19〜21の調製で用いたイリジウム金属の量を以下に示す。
触媒19:0.2g
触媒20:0.5g
触媒21:2g
【0029】
[触媒22、23の調製]
触媒22、23の調製では、触媒1とは異なる時間ボールミル粉砕を行い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒22、23の調製で行ったボールミル粉砕の時間を以下に示す。
触媒22:2時間
触媒23:8時間
【0030】
[触媒24、25の調製]
触媒24、25の調製では、触媒1とは異なるボールミル粒径でボールミル粉砕を行い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒24、25の調製で行ったボールミル粉砕におけるボールミル粒径を以下に示す。
触媒24:10mmφ
触媒25:8mmφ
【0031】
[比較触媒1、2の調製]
比較触媒1の調製では、イリジウム金属粉末(Ir)のかわりにIrO2粉末を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。
比較触媒2の調製では、イリジウム金属粉末を用いずに、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。
【0032】
[活性評価試験:反応条件1]
上記方法にて調製した触媒1〜25および比較触媒1、2を用いて、リーンバーンガソリンエンジンの排ガスを想定した各触媒の活性評価試験を行った。触媒入口温度を350℃、あるいは450℃にし、下記ガス組成、GHSV30000h−1の条件にて活性評価を行った。なお、触媒の形状は15mm×15mm×60mm(144セル)とした。
脱硝率(%)は100×(1−(出口NO+NO2濃度)/(入口NO+NO2濃度))で表示される。NO及びNO2濃度は化学発光法(ケミルミ法)を用いて測定した。
【0033】
[反応ガス組成]
NO:400ppm、C2H4:1500ppm、CO:1000ppm、CO2:10%、O2:8%、N2:残
【0034】
[強制劣化試験]
各触媒を、高温排ガスを想定した下記の組成をもつ強制劣化ガス、GHSV5000h−1に、700℃で8時間曝した後、上記活性評価試験を行い、各触媒の性能低下度合いを評価した。
【0035】
[強制劣化ガス組成]
H2O:10%、CO2:10%、N2:残
【0036】
各触媒の活性評価試験の結果および強制劣化試験後における各触媒の活性評価試験の結果を表1に合わせて記す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1に示すように、本発明にかかる排ガス処理触媒は反応時間350℃、450℃においてもいずれも良好な性能を示した。さらに、強制劣化試験においてもほとんど活性低下を認められず、安定な活性を有した。
【0039】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明によれば、従来と比較しても全く遜色なく、高い脱硝活性と共に優れた耐久性を有する排ガス処理触媒が提供される。また、本発明にかかる排ガス処理触媒の製造方法によると、従来と比較してより簡易で少ない工程により排ガス処理触媒を製造することが可能であり、このため、より経済的に、かつ、簡単に排ガス処理触媒を製造することが可能である。さらに、本発明にかかる排ガス処理触媒の製造方法によると、非常に再現性よく脱硝活性を示す排ガス処理触媒を製造することができる。
なお、本発明において触媒としてイリジウムを利用するが、場合によっては、白金等の金属も同様に利用できることがあると考えられる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リーンバーンガソリンエンジン等の排ガス中の窒素酸化物を、炭化水素の存在の下で除去する排ガス処理触媒およびその製造方法に関する。特に、安価で簡便に、かつ再現性よく排ガス処理触媒を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化防止等の地球環境問題の高まりの中で、自動車の排気ガス低減および低燃費化の要求は非常に強くなっている。このような背景の中、排気ガス低減と低燃費化を実現できるエンジンとして、理論空燃比より薄いガスを安定して燃焼させる希薄燃焼(リーンバーン)を応用したリーンバーンエンジンがキーテクノロジーとして注目されている。
【0003】
従来、自動車等の排ガス処理において、排ガスに含まれる窒素酸化物(以下NOxと記す)は、アルミナ等を担体とした貴金属系の触媒を用いて、排ガスに含まれる一酸化炭素(以下COと記す)や炭化水素(以下HCと記す)等と反応させることで浄化されている。
しかしながら、リーンバーンガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等のリーンバーンエンジンの排気ガス中には、HC、COおよび水素(H2)等の還元性成分の酸化に必要な化学量論量より過剰な酸化剤、酸素(O2)およびNOxが存在し、特に、空燃比A/F=17以上になるほど高濃度の酸素が存在するため、従来の触媒ではNOxを効果的に処理することができなかった。
【0004】
このような背景の中、本発明者らは、イリジウム元素を各種担体に担持した触媒がリーン雰囲気で脱硝性能を有し、かつ、耐久性においても、ほとんど劣化しない触媒であることを見出した(特願平5−228382号公報、特願平6−7667号公報、特開平7−80315号公報、特開平7−17140号公報、特開平8−52365号公報等)。しかし、上記触媒は再現性が必ずしも高くなく、同一組成においても脱硝性能に相違が認められ、常にリーン状態で高い脱硝性能が得られるとは限らなかった。
【0005】
さらに、本発明者らは、このような脱硝性能に相違が活性金属であるイリジウムの結晶状態に起因することを見出した(特開平8−1006号公報)。担体上に担持されるイリジウム元素は金属(0価)又は酸化物の状態で存在するが、0価の状態で担持されるイリジウムが高い脱硝活性を示したのである。
【0006】
従来、このような0価のイリジウムを担持する排ガス処理触媒を製造するためには、イリジウム金属塩を担体に含浸させる工程、これを乾燥させる工程、さらに焼成工程、加熱処理工程、水素等の還元剤を供給する還元処理工程等を経る必要があった。このように、従来の排ガス処理触媒の製造方法は多くの工程を必要とするため、特殊な活性化処理や多くの条件の制御を要求し、このため高いコストがかかり、しかも得られる触媒の活性は必ずしも再現性が高くはなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、高い脱硝活性と共に優れた耐久性を有する、イリジウムを活性金属とする排ガス処理触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排ガス処理触媒の製造方法であって、物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させる混合工程を含む。好ましくは、前記混合工程で、前記イリジウム金属の粉末を無機バインダーと共に前記担体と混合する。なお、前記担体としては、γ型アルミナ(Al2O3)、アナターゼ型チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイトとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。また、前記無機バインダーとして、シリカゾルと、アルミナゾルと、チタニアゾルと、ジルコニアゾルとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。
【0009】
「物理的に混合する」は、湿式あるいは乾式のミル混合や、乳鉢粉砕混合等により行うことができるが、これらの方法に限定するものではない。また、「0価のイリジウム金属」とは酸化数が0のイリジウムをいい、これはX線解析法、XPS法、EXAFS法、TEM法等で確認することができる。例えば、イリジウムが金属の結晶構造を有することをX線解析法により検査することで0価の状態であることを確認できる。
【0010】
なお、X線解析法とは、物質に当たり、散乱したX線を観測することにより、物質の中の電子の分布、すなわち、物質の3次元構造を知る手法であり、これにより金属の結晶構造を調べることができる。
また、XPS法とは、X線光電子分光法と呼ばれ、固体表面の構成元素やその化学結合状態を分析する電子分光法であり、該方法によれば、物質にX線を当てて励起された原子からの光電子の結合エネルギーを測定することにより、化学結合状態を調べることができる。
また、EXAFS法とは、広域X線吸収端微細構造法とも呼ばれ、物質に着目した元素の吸収端より高いエネルギーのX線を照射したときに、内殻電子の励起・電離に伴い生じた物質構成原子に特有の吸収曲線に現れる微細構造を分析することにより、物質の化学結合距離および配位数を調べる方法である。
また、TEM法とは、透過型電子顕微鏡法とも呼ばれ、電子線を物質に照射して、透過する電子線をレンズで収束させることにより、物質の大きさ、微細構造および格子構造を調べる方法である。
【0011】
また、本発明は別の側面において排ガス処理触媒であって、物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させて得ることができる。好ましくは、前記排ガス処理触媒は、前記イリジウム金属の粉末と前記担体と共に無機バインダーを混合して得ることができる。
なお、前記担体として、γ型アルミナ(Al2O3)、アナターゼ型チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイトとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。また、前記無機バインダーとして、シリカゾルと、アルミナゾルと、チタニアゾルと、ジルコニアゾルとからなる群から選ばれる少なくとも1つが好適である。
【0012】
また、本発明は別の側面において排ガス処理触媒器であって、前記排ガス処理触媒を、一定形状に成形することで、または、耐火性支持基材に支持することで得ることができる。
本発明の触媒は、適当なバインダーと混合し、またはバインダー無しで、適当な一定形状、例えばペレット、球、リング、ハニカム等の形状に成形して用いることができる。また、本発明の触媒は、適当に成形された耐火性支持基質、例えばコージェライト、ムライト等のセラミックや、ステンレス等をハニカム状に成形したものの表面上に、適当なバインダーと共に、またはバインダー無しで、コーティング(例えばウオッシュコート)して用いることができる。
【0013】
さらに、本発明は別の側面において排ガス処理方法であって、前記排ガス処理触媒を空燃比A/Fが17以上の排ガスと接触させる工程を含む。
本発明にかかる排ガス処理触媒により、空燃比が高いため従来の触媒で処理することが困難であった、空燃比A/Fが17以上の排ガスを処理することが可能である。このため、本発明にかかる排ガス処理触媒は、空燃比A/Fが17以上の排ガスの処理を行うのに特に適している。
しかしながら、本発明にかかる排ガス処理触媒を適用する対象となる排ガスはこれらに限られるものではなく、本発明にかかる排ガス処理触媒は、化学両論雰囲気を含む空燃比A/Fが17未満の排ガスに対しても十分活性を有する。
なお、空燃比A/Fが17以上の排ガスとして、リーンバーンガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等のリーンバーンエンジンの排ガス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る排ガス処理触媒の製造方法の実施の形態を説明する。もっとも、以下の本発明に係る実施の形態は本発明を限定するものではない。
【0015】
[湿式ミル混合]
第1の実施の形態では、まず、イリジウム金属(ブラック)と、担体と、無機バインダーと、水とを混合する。この混合物をボールミル容器内に添加し、さらにアルミナボール等を添加し、一般的には室温において回転させることにより、均一なスラリーを調製することができる。
スラリーの組成範囲は、担体100重量部に対して、イリジウム金属は好ましくは0.005〜20重量部、さらに好ましくは0.01〜10重量部、バインダーとしてシリカゾルを用いた場合固体SiO2分が好ましくは1〜30重量部、水分量は好ましくは100〜3000重量部である。特に水分量の調整はスラリー濃度を決め、コート回数による触媒担持量を支配し、水分量が少ないほどスラリー濃度が高くなり、コート1回あたりの担持量も多くなる。
【0016】
なお、用いるイリジウムの平均一次粒子径は、好ましくは5〜400nmであり、さらに好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは10〜30nmである。
なお、イリジウムの平均一次粒子径は、X線回折法のScherrer式を用いることで、あるいは、透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
【0017】
触媒の担体として、γ型アルミナ(Al2O3)、アナターゼ型チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイト等が利用できるが、これらに限定されるものではない。また、これらの担体の比表面積は1〜600m2/gであると好ましい。
【0018】
必要に応じて、イリジウム金属と担体を密着させるために無機バインダーを添加する。添加する無機バインダーは特に限定するものではないが、粒子径が小さく、担体とイリジウム金属を接着させやすいものとしてシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル等が挙げられる。
【0019】
なお、ボールミル条件は特に限定するものではないが、1例を挙げると、上記混合物50容積をボールミル容器100容積内に添加し、さらに15mmφのアルミナボール10容量を添加し、室温において4時間回転させることでスラリーを調製することができる。
【0020】
粉砕後に本スラリー溶液を攪拌器が付設してある別の容器に移し、この溶液にハニカム基材等を浸漬して、基材をスラリーでコートする。基材を取り出した後、必要に応じて余分なスラリーを吹き払い、好ましくは60〜600℃でこれを乾燥、焼成させる。さらに必要に応じて上記コート処理を繰り返し行うことで、基材1Lあたり30〜200gの固形分を担持させると好ましい。
【0021】
[乾式ミル混合]
第2の実施の形態では、まず、イリジウム金属(ブラック)と、担体と、無機バインダーとを混合する。この混合物をボールミル容器内に添加し、さらにアルミナボール等を添加し、一般的には室温において回転させることにより、均一な粉砕物を調製することができる。
粉砕物の組成範囲は、担体100重量部に対して、イリジウム金属は好ましくは0.005〜20重量部、さらに好ましくは0.01〜10重量部、バインダーとしてシリカゾルを用いた場合固体SiO2分が好ましくは1〜30重量部である。
また、ボールミル条件は特に限定するものではないが、1例を挙げると、上記混合物50容積をボールミル容器100容積内に添加し、さらに15mmφのアルミナボール10容量を添加し、室温において4時間回転させて粉砕物を調製することができる。
【0022】
ボールミルによる粉砕後、粉砕物を撹拌器が付設してある別の容器に移し、これに水を加えて、スラリーを得る。本スラリーを攪拌器が付設してある別の容器に移し、このスラリーにハニカム基材等を浸漬して、基材をスラリーでコートする。基材を取り出した後、必要に応じて余分なスラリーを吹き払い、好ましくは60〜600℃でこれを乾燥、焼成させる。さらに必要に応じて上記コート処理を繰り返し行うことで、基材1Lあたり30〜200gの固形分を担持させると好ましい。
【0023】
【実施例】
以下に、第1の実施の形態に基づいて行った実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。もっとも、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
【0024】
[触媒の調製]
担体として比表面積150m2/gのγ型アルミナ粉末(γAl2O3)100g、平均一次粒子径100nmのイリジウム金属(ブラック)1g、日産化学製スノーテックスO(シリカゾル)50g(SiO2 20%含有)、水500gを秤量して、内容積1Lの湿式ボールミル装置に添加した。本混合物に15mmφボールミル100cc(αアルミナ製)を添加して、4時間湿式ボールミル粉砕を行った。
粉砕後に本スラリー溶液を攪拌器が付設してある別の容器に移し、この溶液に400CPSI(セル/インチ2)のコージェライト製ハニカム基材を浸漬して、基材をスラリーでコートした。機材を取り出した後、余分なスラリーを吹き払い、これを200℃で乾燥させた。上記コート処理を繰り返し行うことで、基材1Lあたり200gの固形分を担持させた。本コート物をハニカム触媒1とした。
【0025】
[触媒2〜13の調製]
触媒2〜13の調製では、触媒1とは異なる担体を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒2〜13の調製で用いた担体を以下に示す。
触媒2:比表面積80m2/gのアナターゼ型チタニア(TiO2)
触媒3:比表面積600m2/gの正方晶ジルコニア(ZrO2)
触媒4:比表面積150m2/gの比晶質SiO2
触媒5:TiO2・SiO2複合酸化物(TiO2:SiO2=80:20…比表面積150m2/g)
触媒6:TiO2・Al2O3複合酸化物(TiO2:Al2O3=50:50…比表面積160m2/g)
触媒7:Al2O3・ZrO2複合酸化物(Al2O3:ZrO2=90:10…比表面積200m2/g)
触媒8:TiO2・ZrO2複合酸化物(TiO2:ZrO2=50:50…比表面積100m2/g)
触媒9:H型のペンタシル型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比40)
触媒10:H型のペンタシル型メタロシリケート(SiO2/Al2O3モル比30,SiO2/Fe2O3モル比600,SiO2/Co2O3モル比500)
触媒11:BaSO4粒子(林純薬製)
触媒12:SiC粒子(林純薬製)
触媒13:ペロプスカイト構造LaCoO3(林純薬製)
【0026】
[触媒14〜16の調製]
触媒14〜16の調製では、触媒1とは異なるバインダーを用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒14〜16の調製で用いたバインダーを以下に示す。
触媒14:アルミナゾル(日産化学製)
触媒15:チタニアゾル(石原産業製)
触媒16:ジルコニアゾル(第1希元素化学製)
【0027】
[触媒17、18の調製]
触媒17、18の調製では、触媒1とは異なる粒子径のイリジウム金属を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒17、18の調製で用いたイリジウム金属の平均一次粒子径を以下に示す。
触媒17:50nm
触媒18:200nm
【0028】
[触媒19〜21の調製]
触媒19〜21の調製では、触媒1とは異なる量のイリジウム金属を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒19〜21の調製で用いたイリジウム金属の量を以下に示す。
触媒19:0.2g
触媒20:0.5g
触媒21:2g
【0029】
[触媒22、23の調製]
触媒22、23の調製では、触媒1とは異なる時間ボールミル粉砕を行い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒22、23の調製で行ったボールミル粉砕の時間を以下に示す。
触媒22:2時間
触媒23:8時間
【0030】
[触媒24、25の調製]
触媒24、25の調製では、触媒1とは異なるボールミル粒径でボールミル粉砕を行い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。触媒24、25の調製で行ったボールミル粉砕におけるボールミル粒径を以下に示す。
触媒24:10mmφ
触媒25:8mmφ
【0031】
[比較触媒1、2の調製]
比較触媒1の調製では、イリジウム金属粉末(Ir)のかわりにIrO2粉末を用い、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。
比較触媒2の調製では、イリジウム金属粉末を用いずに、その他の点に関しては上記の触媒1の調製と同様の操作を行った。
【0032】
[活性評価試験:反応条件1]
上記方法にて調製した触媒1〜25および比較触媒1、2を用いて、リーンバーンガソリンエンジンの排ガスを想定した各触媒の活性評価試験を行った。触媒入口温度を350℃、あるいは450℃にし、下記ガス組成、GHSV30000h−1の条件にて活性評価を行った。なお、触媒の形状は15mm×15mm×60mm(144セル)とした。
脱硝率(%)は100×(1−(出口NO+NO2濃度)/(入口NO+NO2濃度))で表示される。NO及びNO2濃度は化学発光法(ケミルミ法)を用いて測定した。
【0033】
[反応ガス組成]
NO:400ppm、C2H4:1500ppm、CO:1000ppm、CO2:10%、O2:8%、N2:残
【0034】
[強制劣化試験]
各触媒を、高温排ガスを想定した下記の組成をもつ強制劣化ガス、GHSV5000h−1に、700℃で8時間曝した後、上記活性評価試験を行い、各触媒の性能低下度合いを評価した。
【0035】
[強制劣化ガス組成]
H2O:10%、CO2:10%、N2:残
【0036】
各触媒の活性評価試験の結果および強制劣化試験後における各触媒の活性評価試験の結果を表1に合わせて記す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1に示すように、本発明にかかる排ガス処理触媒は反応時間350℃、450℃においてもいずれも良好な性能を示した。さらに、強制劣化試験においてもほとんど活性低下を認められず、安定な活性を有した。
【0039】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明によれば、従来と比較しても全く遜色なく、高い脱硝活性と共に優れた耐久性を有する排ガス処理触媒が提供される。また、本発明にかかる排ガス処理触媒の製造方法によると、従来と比較してより簡易で少ない工程により排ガス処理触媒を製造することが可能であり、このため、より経済的に、かつ、簡単に排ガス処理触媒を製造することが可能である。さらに、本発明にかかる排ガス処理触媒の製造方法によると、非常に再現性よく脱硝活性を示す排ガス処理触媒を製造することができる。
なお、本発明において触媒としてイリジウムを利用するが、場合によっては、白金等の金属も同様に利用できることがあると考えられる。
Claims (11)
- 物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させる混合工程を含む排ガス処理触媒の製造方法。
- 前記混合工程で、前記イリジウム金属の粉末を無機バインダーと共に前記担体と混合する請求項1に記載の排ガス処理触媒の製造方法。
- 前記担体が、γ型アルミナ、アナターゼ型チタニア、ジルコニア、シリカ、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイトとからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1または請求項2に記載の排ガス処理触媒の製造方法。
- 前記無機バインダーが、シリカゾルと、アルミナゾルと、チタニアゾルと、ジルコニアゾルとからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス処理触媒の製造方法。
- 物理的に混合することで0価のイリジウム金属を担体に担持させてなる排ガス処理触媒。
- 前記イリジウム金属の粉末と前記担体と共に無機バインダーを混合してなる請求項5に記載の排ガス処理触媒。
- 前記担体が、γ型アルミナ、アナターゼ型チタニア、ジルコニア、シリカ、ゼオライト、メタロシリケートの各酸化物と、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・アルミナ、アルミナ・ジルコニアの複合酸化物と、SiCと、BaSO4と、ペロブスカイトとからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項5または請求項6に記載の排ガス処理触媒。
- 前記無機バインダーが、シリカゾルと、アルミナゾルと、チタニアゾルと、ジルコニアゾルとからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項5〜7のいずれかに記載の排ガス処理触媒。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の排ガス処理触媒を、一定形状に成形してなる排ガス処理触媒器。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の排ガス処理触媒を、耐火性支持基材に支持してなる排ガス処理触媒器。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の排ガス処理触媒を、空燃比A/Fが17以上の排ガスと接触させる工程を含む排ガス処理方法。
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JP2002198304A JP2004033990A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 排ガス処理触媒およびその製造方法 |
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CN102380398A (zh) * | 2010-08-27 | 2012-03-21 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 用于稀薄排气nox减少的双功能催化剂材料 |
JP2016032789A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-10 | 住友大阪セメント株式会社 | 窒素酸化物浄化触媒及び内燃機関の排ガス浄化装置並びに排ガス浄化フィルタ |
CN106492791A (zh) * | 2016-11-17 | 2017-03-15 | 西南化工研究设计院有限公司 | 一种中低温脱硝催化剂及其制备方法 |
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2002
- 2002-07-08 JP JP2002198304A patent/JP2004033990A/ja not_active Withdrawn
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