JPH08303492A - ドラムブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキシュー１を交換する際、アジャスタ
ストラット３がブレーキシュー１から脱落することを防
止する。 【構成】 一対のブレーキシュー１と、該ブレーキシュ
ー１のシューウエブ１ａの背面に枢支されたパーキング
ブレーキの作動レバー２と、上記ブレーキシュー１の間
隔を調整するアジャスタストラット３とを備え、該アジ
ャスタストラット３の係合部３ａを前記シューウエブ１
ａの係合部１ｃおよび上記作動レバー２の係合部２ｃに
交差係合させて配設したドラムブレーキにおいて、上記
作動レバー２の上記アジャスタストラット３との係合部
２ｃに、該アジャスタストラット３の係合部３ａの下面
を支持する段部２ｄを形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両のドラムブレーキに
関し、詳しくはブレーキシューの間隔を調整するアジャ
スタストラットの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】ドラムブレーキには、ライニングの摩耗
による制動性能の変化を防止するために、自動アジャス
タ機構が備えられている。従来のドラムブレーキは、図
６乃至図９に示すように、ホイールハブ１１０に固着さ
れたドラム１１１と、ドラム１１１に対向して配設され
た一対のブレーキシュー１０１と、ブレーキシュー１０
１を駆動するホイールシリンダ１０７から構成されてい
る。自動アジャスタ機構として、一対のブレーキシュー
１０１の間には、ブレーキシュー１０１の間隔を調整す
るアジャスタストラット１０３が配設されている。ブレ
ーキシュー１０１は、外周面にライニング１０１ｂが装
着され、ライニング１０１ｂの内側には三日月状のシュ
ーウエブ１０１ａが形成されている。シューウエブ１０
１ａの背面には、パーキングブレーキの作動レバー１０
２が回動自在に枢支されており、作動レバー１０２の下
部にはパーキングレバーに連結されたパーキングケーブ
ル１０８が接続されている。なお、シューウエブ１０１
ａの内側の縁には、図８に示すように、アジャスタスト
ラット１０３と係合する係合部１０１ｃおよび、アジャ
スタストラット１０３の下面を支持する段部１０１ｄが
形成されている。アジャスタストラット１０３は、両端
に形成された係合部１０３ａと、これを連結する調整ボ
ルト１０３ｂおよび調整ネジ１０３ｃから構成されてお
り、調整ネジ１０３ｃの回動により係合部１０３ａ間の
間隔が伸縮するよう配設されている。係合部１０３ａに
はそれぞれ溝１０３ｄが形成されており、シューウエブ
１０１ａおよび作動レバー１０２と交差係合している。
係合部１０３ａの下面は、シューウエブ１０１ａの段部
１０１ｄにより支持されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アジャ
スタストラット１０３は一対のシューウエブ１０１ａ間
に配設され、シューウエブ１０１ａの段部１０１ｄによ
り係合部１０３ａの下面を支持する構造であるので、図
９に示すように、ブレーキシュー１０１を交換する際、
ホイールハブ１１０を避けるようにブレーキシュー１０
１の下部を押し開いて装着すると、アジャスタストラッ
ト１０３がシューウエブ１０１ａの段部１０１ｄから外
れて脱落することがあった。したがって、本発明の目的
は、ブレーキシューを交換する際、アジャスタストラッ
トがブレーキシューから脱落することを防止して、ブレ
ーキシューの交換作業を容易にしたドラムブレーキを提
供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、一対のブレーキシューと、該ブレーキ
シューのシューウエブの背面に枢支されたパーキングブ
レーキの作動レバーと、上記ブレーキシューの間隔を調
整するアジャスタストラットとを備え、該アジャスタス
トラットの係合部を前記シューウエブの係合部および上
記作動レバーの係合部に交差係合させて配設したドラム
ブレーキにおいて、上記作動レバーの上記アジャスタス
トラットとの係合部に、該アジャスタストラットの係合
部の下面を支持する段部を形成したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】請求項１記載のドラムブレーキにおいては、シ
ューウエブの背面に装着された作動レバーの係合部に段
部が形成され、この段部でアジャスタストラットを支持
しているので、ブレーキシュー交換の際、ホイールハブ
を避けるようにブレーキシューの下部を押し開いても、
作動レバーの段部はアジャスタストラットから外れるこ
となくアジャスタストラットを支持しているため、ブレ
ーキシューからのアジャスタストラットの脱落が防止で
きる。

【０００６】

【実施例】以下、図１乃至図５の図面に基づいて、本発
明の各実施例を説明する。図１はドラムブレーキの一例
を示す図であり、ホイールハブ１０に固着されたドラム
１１と、ドラム１１に対向して配設された一対のブレー
キシュー１と、ブレーキシュー１を駆動するホイールシ
リンダ７から構成されている。一対のブレーキシュー１
の間には、自動アジャスタ機構としてブレーキシュー１
の間隔を調整するアジャスタストラット３が配設されて
いる。ブレーキシュー１は、外周面にライニング１ｂが
装着され、ライニング１ｂの内側には三日月状のシュー
ウエブ１ａが形成されている。シューウエブ１ａの上端
はホイールシリンダ７に当接され、下端はアンカー９に
当接されている。シューウエブ１ａの背面には、パーキ
ングブレーキの作動レバー２が回動自在に枢支されてお
り、作動レバー２の下部にはパーキングレバーに連結さ
れたパーキングケーブル８が接続されている。なお、シ
ューウエブ１ａおよび作動レバー２の内側の縁には、図
３に示すように、アジャスタストラット３と係合する係
合部１ｃ，２ｃおよび、アジャスタストラット３の下面
を支持する段部１ｄ，２ｄが形成されている。

【０００７】アジャスタストラット３は、両端に形成さ
れた係合部３ａと、これを連結する調整ボルト３ｂおよ
び調整ネジ３ｃから構成されており、調整ネジ３ｃの回
動により係合部３ａ間の間隔が伸縮するよう配設されて
いる。調整ネジ３ｃには調整レバー４が係合されてお
り、調整レバー４はブレーキ操作によるブレーキシュー
１の拡張により回動されるよう配設されている。ライニ
ング１ｂが摩耗してブレーキシュー１の移動量が大きく
なると、調整レバー４の回動量が大きくなり、調整レバ
ー４が調整ネジ３ｃを回動する。調整ネジ３の回動によ
りアジャスタストラット３が伸ばされ、両シューウエブ
１ｂの間隔が拡張されることにより、ブレーキシュー１
とドラム１１の隙間が適正に調整される。係合部３ａに
はそれぞれ溝３ｄが形成されており、図４に示すよう
に、シューウエブ１ａおよび作動レバー２と交差係合し
ている。係合部３ａの下面は、シューウエブ１ａおよび
作動レバー２の段部１ｄ，２ｄにより支持されている。
シューウエブ１ａの上部および下部には、それぞれリタ
ーンスプリング１２が装着されており、一対のシューウ
エブ１ａでホイールシリンダ７およびアンカー９を挟持
するように配設されている。

【０００８】ライニング１ｂの交換のためにブレーキシ
ュー１を装着する場合、アジャスタストラット３の各係
合部３ａをシューウエブ１ａおよび作動レバー２と交差
係合させて、アジャスタストラット３を一対のブレーキ
シュー１の間に配設する。この状態でブレーキシュー１
の上端をホイールシリンダ７の当接させて、上部のリタ
ーンスプリング１２を装着する。シューウエブ１ａの背
面の作動レバー２をホイールハブ１０の背面に装着し、
下端のブレーキケーブル８を連結する。その後、各シュ
ーウエブ１ａの下部を押し開き、ホイールハブ１０を避
けてアンカー９に当接させて、下部のリターンスプリン
グ１２を装着する。各シューウエブ１ａの下部を押し開
き装着する際、図５に示すように、シューウエブ１ｂの
段部１ｄは溝３ｄから外れるが、作動レバー２の段部２
ｄがアジャスタストラット３を下方から支持しているの
で、アジャスタストラット３の脱落が防止できる。

【０００９】この実施例のドラムブレーキでは、シュー
ウエブ１ａの背面に装着された作動レバー２の係合部２
ｃに段部２ｄを形成し、シューウエブ１ａの装着前にこ
の段部２ｄでアジャスタストラット３を支持している。
このため、ブレーキシュー１交換の際、ホイールハブ１
０を避けるようにブレーキシュー１ａの下部を押し開い
てシューウエブ１ｂの段部１ｄが溝３ｄから外れても、
作動レバー２の段部２ｄがアジャスタストラット３の溝
３ｄから外れることなくアジャスタストラット３の支持
している。ブレーキシュー１からのアジャスタストラッ
ト３の脱落が防止できるので、ライニング１ｃの摩耗に
よるブレーキシュー１の交換作業が容易になる。

【００１０】以上、図示実施例について説明したが、本
発明は上記形態にのみ限定されるものではなく、各構成
要素の形状等に種々の変更を加えることが可能である。

【００１１】

【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
のドラムブレーキは、ブレーキシューを交換する際、ア
ジャスタストラットがブレーキシューから脱落すること
が防止できるので、ブレーキシューの交換作業が容易に
なるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のドラムブレーキを示す構成図である。

【図２】図１に示すＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】本発明のシューウエブおよび作動レバーを示す
説明図である。

【図４】図２の要部拡大図である。

【図５】装着状態を示す図２と同様な拡大図である。

【図６】従来のドラムブレーキを示す図２と同様な断面
図である。

【図７】図６の要部拡大図である。

【図８】従来のシューウエブおよび作動レバーを示す説
明図である。

【図９】従来のブレーキシューの装着状態を示す構成図
である。

【符号の説明】

１ ブレーキシュー １ａ シューウエブ １ｃ シューウエブの係合部 １ｄ シューウエブの段部 ２ 作動レバー ２ｃ 作動レバーの係合部 ２ｄ 作動レバーの段部 ３ アジャスタストラット ３ａ アジャスタストラットの係合部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のブレーキシューと、該ブレーキシ
   ューのシューウエブの背面に枢支されたパーキングブレ
   ーキの作動レバーと、上記ブレーキシューの間隔を調整
   するアジャスタストラットとを備え、該アジャスタスト
   ラットの係合部を前記シューウエブの係合部および上記
   作動レバーの係合部に交差係合させて配設したドラムブ
   レーキにおいて、上記作動レバーの上記アジャスタスト
   ラットとの係合部に、該アジャスタストラットの係合部
   の下面を支持する段部を形成したことを特徴とするドラ
   ムブレーキ。