JPH0830117B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH0830117B2 JP7783087A JP7783087A JPH0830117B2 JP H0830117 B2 JPH0830117 B2 JP H0830117B2 JP 7783087 A JP7783087 A JP 7783087A JP 7783087 A JP7783087 A JP 7783087A JP H0830117 B2 JPH0830117 B2 JP H0830117B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二酸化チタン被覆無機粒子を含有するポリエ
ステル、特に平坦性、滑り性および電気特性に優れたフ
ィルム形成性ポリエステルの製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 一般にポリエステル、特にポリエチレンテレフタレー
トは優れた力学特性、耐熱、耐候、電気絶縁、耐薬品性
を有するため、衣料用、産業用の繊維のほか、磁気テー
プ用フィルム、写真用フィルム、電絶、コンデンサー用
フィルム等のフィルム分野で広く使用されている。
ポリエステルをフィルム分野で使用する場合は、特に
易滑性の付与が重要であり、表面が易滑性でないとフィ
ルムとフィルムの密着現象が起こり、製膜時あるいは後
加工時に作業能率が低下するばかりでなく巻き姿を悪く
するため製品価値を著しく低下させるなどの問題を引き
起こすことになる。
一方、磁気テープ用途などの磁気記録媒体として使用
する場合は、易滑性とともに、出力の低下やドロップア
ウトを防止するために表面の平坦性が要求される。
また、コンデンサー用フィルム用途においては、優れ
た電気特性とともにフィルムの取扱作業性を向上させる
ために易滑性に優れることが必要である。
これらの問題点を解決する目的で従来から数多くの技
術が提案され実施されている。そのうち、二酸化チタ
ン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、カオリナイ
トなどの不活性微粒子をポリエステル合成反応系に添加
する方法がある(例えば特開昭55−133431号公報な
ど)。
しかしこれらの方法で得たフィルムは平坦性を維持し
た状態で十分な滑り性を得ることができないため、磁気
記録媒体用として好ましいものとはいえなかった。
また、コンデンサー用フィルムとしては、例えば特開
昭55−21157号公報が知られているが、十分な滑り性を
付与するために不活性微粒子を添加していくと良好な電
気特性が得られにくい欠点がある。
一般に、不活性微粒子によって易滑性が付与された二
軸延伸フィルムは粒子とポリマーとの親和性が不良であ
ることに起因して粒子の周囲に空所(ボイド)が発生
し、絶縁破壊電圧の低下の原因となる。また、不活性微
粒子の分散性が不良であると粒子同志の凝集による粗大
粒子に起因した絶縁破壊電圧の著しい低下をひきおこ
す。従って、平坦性、滑り性と電気特性を同時に解決す
る方法は未だに見い出されていないのが現状である。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは従来技術で達成し得なかった平坦性、滑
り性および電気特性を兼備したフィルム形成性ポリエス
テルの製造方法について検討し、本発明に到達した。
[問題点を解決するための手段] 前記した本発明の目的は芳香族ジカルボン酸もしくは
そのエステル形成性誘導体を主とする二官能性酸成分
と、少なくとも一種のグリコール成分よりなるポリエス
テルを製造するに際し、平均粒径が0.01〜5μmのチタ
ン水和酸化物もしくはチタン酸化物で被覆された無機粒
子を得られるポリエステルに対し0.001〜5重量%ポリ
エステルの重合が完結するまでの任意の段階で添加する
ことを特徴とするポリエステルの製造方法によって達成
できる。
本発明のポリエステルは芳香族ジカルボン酸もしくは
そのエステル形成性誘導体を主とするものであり、具体
的にはテレフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、
1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジ
カルボン酸、そのエステル形成性誘導体としてテレフタ
ル酸ジメチル、2,6−ナフタリンジカルボン酸ジメチ
ル、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′
−ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられ、なかでもテレ
フタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルが好ましい。ま
たグリコール成分としてはエチレングリコール、ブチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールなどが挙げられ、なかでもエチレングリ
コールが好ましい。これらジカルボン酸もしくはそのエ
ステル形成性誘導体およびグリコール成分以外に他の成
分も共重合してもよく、共重合する成分は例えば、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ポリアルキレングリコール、p−キシリ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
5−ナトリウムスルホレゼゾルシンなどのジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、
p−オキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成
分などが挙げられる。
ジカルボン酸成分がジカルボン酸の場合はグリコール
とのエステル化反応後、またジカルボン酸エステルの場
合はグリコールとのエステル交換反応、高温、減圧下に
て重縮合せしめポリエステルを得る。
また、プレポリマー自身を出発物質として重縮合させ
ることもできる。
一方、被覆に用いる無機粒子はチタン水和酸化物もし
くはチタン酸化物で被覆することが可能な無機粒子であ
れば特に種類は限定されないが、二酸化ケイ素、ケイ素
アルミニウム、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウムなどの粒子や例えば特公昭54−
6251号公報、特公昭57−55454号公報などに記載されて
いる「界面反応法」によって調整される中空球形多孔質
もしくは球形多孔質の無機粒子がより好ましいく用いら
れる。
また、被覆に用いる無機粒子はチタン以外の金属水和
酸化物もしくは金属酸化物被覆をあらかじめ施こしたも
のであってもよく、該金属酸化物被覆としては珪素、ア
ルミニウム、ジルコニウム、鉄、スズ、マグネシウム、
亜鉛、硫酸バリウムなどの水和酸化物もしくは酸化物な
どが挙げられる。これらのチタン水和酸化物もしくはチ
タン酸化物被覆無機粒子の添加量は得られるポリエステ
ルに対し、0.001〜5重量%であり、好ましく0.005〜2
重量%であり、0.01〜1重量%が更に好ましい。粒子含
有量が0.001重量%未満ではフィルムとしたときフィル
ム−フィルム間、フィルム−金属間の摩擦係数が大きく
なり、一方粒子含有量が5重量%を越えた場合には粗大
粒子の発生が多くなり、フィルムにしたときの平坦性が
阻害され、また粗大粒子が絶縁破壊の発生点となるため
絶縁破壊電圧特性が著しく低下する。また溶融成形過程
でのフィルターの目詰り、フィルム破れなどに悪影響を
与える恐れがあり好ましくない。
また、フィルム表面の平坦性、滑り性および電気特性を
バランスさせるためにはチタン水和酸化物もしくはチタ
ン酸化物を被覆した無機粒子の平均粒径は0.01〜5μm
とする必要があり、より好ましくは0.05〜2μmであ
る。平均粒径が0.01μm未満ではフィルムの滑り性が低
下する。また平均粒径が5μmを越えると粗大粒子に起
因する絶縁破壊電圧の低下およびフィルムの平坦性の低
下が生じる。
本発明でチタン水和酸化物もしくはチタン酸化物を被
覆した無機粒子とはチタン水和酸化物もしくはチタン酸
化物で無機粒子表面の一部を付着もしくは層を形成して
付着したものである。
本発明に用いるチタン水和酸化物もしくはチタン酸化
物を被覆した無機粒子の製造方法は特開昭61−57653号
公報などに示されるように、無機粒子を硫酸チタニル水
溶液中に懸濁し、該無機粒子の存在下で加熱することに
より硫酸チタニルの加水分解を行ない、該無機粒子の表
面にチタン水和酸化物もしくはチタン酸化物で被覆層を
形成させ、必要によっては機械的強度を向上させるため
高温で焼成するという方法を採用できるが、この方法に
限定されるものではない。
本発明によればチタン水和酸化物もしくはチタン酸化
物で被覆されると、ポリマーとの親和性が格段に向上
し、二軸延伸フィルムにした場合、粒子のまわりのボイ
ドが著しく減少する。したがって、得られたフィルムは
良好な絶縁破壊電圧特性を示す。チタン水和酸化物もし
くはチタン酸化物被覆無機粒子は粗大粒子の除去および
粒度調整を目的に通常用いられる種々の方法、たとえ
ば、風ひ分級、エチレングリコールスラリーまたは水ス
ラリーとして自然沈降分離、遠心沈降分離、サンドミル
などの粉砕および/または分級処理を採用してもよい。
本発明において、チタン水和酸化物もしくはチタン酸
化物被覆無機粒子を分散剤により分散処理してポリエス
テル合成反応系に添加した場合粒子がポリマー中に均
一、微細に分散されるので凝集粗大粒子がなく本発明の
効果がより向上する。分散剤としてはリン酸、亜リン
酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、縮合リン酸もしくは
その塩、リン酸のモノ、ジあるいはトリエステル(メチ
ルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェー
ト、トリメチルホスフェートなど)、あるいはホスホン
酸、ホスホネート(フェニルホスホン酸、ジメチルフェ
ニルホスホネートなど)などのリン原子含有化合物、テ
トラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、ヒドロキ
シルアミン、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン
などの窒素原子含有化合物、アルカリ金属の水酸化物、
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、ケイ酸
ナトリウムアルミン酸ナトリウムなどの強塩基と無機弱
酸とからなる水溶性塩類などのアルカリ性無機化合物、
陽イオン、陰イオン、両性もしくは非イオンなどの界面
活性剤、ポリアクリル酸ソーダ、マレイン酸−スチレン
共重合物、マレイン酸−酢酸ビニル共重合物およびアク
リル酸−酢酸ビニル共重合物などの高分子分散剤などが
挙げられる。使用する分散剤は前記した化合物の一種ま
たは二種以上の混合物であり、好ましくはリン酸、亜リ
ン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどのリン化合物が
挙げられる。
チタン水和酸化物もしくはチタン酸化物被覆無機粒子
を分散させる媒体としては水またはメタノール、エタノ
ール等の一価のアルコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、トリメチレングリコール等の二価のアル
コール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三価
のアルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタ
エリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソ
ルビット等の四価のアルコール、あるいはそれ以上の多
価アルコールを挙げることができ、特にエチレングリコ
ールが好ましいが必要に応じてこれらの中から一種また
はそれ以上を適宜併用してもよい。
分散剤の使用量はチタン水和酸化物もしくはチタン酸
化物被覆無機粒子に対して0.01〜20重量%の範囲にする
必要があり、好ましくは0.05〜10重量%、さらに好まし
くは0.1〜5重量%の範囲である。0.01重量%未満では
チタン水和酸化物もしくはチタン酸化物被覆無機粒子に
対する十分な分散効果が得られず、20重量%より多くし
ても、もはやそれ以上の効果は期待できない。
前記チタン水和酸化物もしくはチタン酸化物被覆無機
粒子の分散剤による分散処理は前記分散媒体中で行なう
のが好ましい。例えばチタン水和酸化物もしくはチタン
酸化物被覆無機粒子のエチレングリコールスラリーと、
分散剤のエチレングリコール溶液を別々に調整した後、
混合して分散処理する方法、また分散剤のエチレングリ
コール溶液中に、チタン水和酸化物もしくはチタン酸化
物被覆無機粒子を投入して微分散する方法、さらにエチ
レングリコール中にチタン水和酸化物もしくはチタン酸
化物被覆無機粒子と分散剤を同時に投入して微分散する
方法等、任意の方法によって、ポリエステル重縮合系内
に添加する以前に分散処理しておくことが好ましい。チ
タン水和酸化物もしくはチタン酸化物被覆無機粒子のエ
チレングリコールなどのスラリーの反応系に添加する時
期は、重縮合反応開始前の任意の時期でよいが、エステ
ル交換反応を経て重縮合反応を行なう場合には、エステ
ル交換反応が実質的に終了した後が好ましい。
さらにポリエステルの製造時に通常用いられるリチウ
ム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガ
ン、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン等の金属
化合物触媒、着色防止剤としてのリン化合物、界面活性
剤、チタン水和酸化物もしくはチタン酸化物で被覆され
た粒子以外の無機粒子も必要に応じて適宜添加できる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
なお、得られたポリエステルの各特性値の測定は次の
方法に従って行なった。
(A)粒子の粒径 平均粒径は粒子の電子顕微鏡写真によって測定した50
重量%の点にあたる粒子の等価球直径により求めた。等
価球直径とは粒子と同じ容積を有する球の直径である。
(B)ポリマーの極限粘度 o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
(C)ポリマー中の粒子分散状態 ポリマーを超薄膜作成装置によって800Å前後の超薄
切片にしたのち、透過型電子顕微鏡により、ポリマー中
の粒子分散状態を観察した。
分散状態の判定は次のとおりに行なった。
◎:二次凝集粒子はほとんど観察されず、目的を達成す
る。
○:二次凝集粒子はわずかに観察されるが、目的を達成
する。
△:二次凝集粒子が存在し、目的を達成しない。
×:ほとんどの粒子が二次凝集粒子であるので目的を達
成しない。
(D)フィルム特性 1)表面粗さ:Ra(μm) 触針式表面粗さ計による測定値で示した(カットオフ
値0.25mm、測定長4mm。ただし、JIS−B−8601に従っ
た。) ◎:0.02未満で目的を達成する。
○:0.02以上〜0.05未満で目的を達成する。
△:0.05以上〜0.10未満で目的を達成しない。
×:0.10以上で目的を達成しない。
2)滑り性 ASTM−D−1894B−63に従い、スリップテスターを用
いて、静摩擦係数(μs)ならびに動摩擦係数(μd)
を測定した。
評価基準は下記のとおりである。
滑り性(μs): ◎:0.7未満で目的を達成する。
○:0.7以上〜1.0未満で目的を達成する。
△:1.0以上〜1.6未満で目的を達成しない。
×:1.6以上で目的を達成しない。
3)ボイド 遠心倍率として縦3.3倍、横3.5倍、延伸温度85〜95℃
で延伸した厚さ5μの二軸配向フィルムをスライドグラ
ス上に流動パラフィンでマウントし、透過型光学顕微鏡
を暗視野にして高輝度部分(白色部分)の面積Aをイメ
ージアナライザー(QTM900、ケンブリッジインストラメ
ント製)で求める。
次に、位相差顕微鏡にて上記高輝度部分と同一場所に
おける低輝度部分(灰色〜黒色部分)の面積Bを上記と
同様にしてイメージアナライザーで求め、両者の面積の
比(B/A)をボイド比率とした。
評価基準は下記の通りである。
ボイド比率: ◎:0.1未満で目的を達成する。
○:0.13〜0.1で目的を達成する。
△:0.13を越え、0.2までは目的を達成しない。
×:0.2を越えるので目的を達成しない。
4)絶縁破壊電圧(BDV) 交流耐圧試験器を用い、JIS−C−2318に従って測定
した。
評価基準は下記の通りである。
◎:500V/μ以上で十分目的を達成する。
○:400以上〜500未満で目的を達成する。
△:300以上〜400未満で目的を達成しない。
×:300未満で目的を達成しない。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル70重量部とから酢酸カルシウム0.09重量部を触媒とし
て常法により、エステル交換反応を行ない、その生成物
に三酸化アンチモン0.03重量部、酢酸リチウム0.3重量
部、リン酸トリメチル0.2重量部および10重量%濃度の
エチレングリコールスラリーとして分散された二酸化チ
タン被覆コロイダルシリカ(平均粒径1.0μm)0.1重量
部を添加し、常法により重合して、極限粘度0.615、軟
化点260.9℃のポリエチレンテレフタレートを得た。
該ポリマーを押出延伸して二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを製造した。延伸条件は、延伸倍率
が縦:3.3倍、横:3.5倍であり、延伸温度は縦:85℃、横:
95℃であり、210℃で10秒間熱固定した。またフィルム
の厚みは5μmであった。該フィルム特性を評価した結
果、平坦性、滑り性に優れ、ボイドも非常に少なく絶縁
破壊電圧も良好であった(表1)。
実施例2〜7 比較実施例1,2 添加する二酸化チタン被覆無機粒子の種類、平均粒
径、添加量を種々変えて実施例1と同様にポリエチレン
テレフタレートの2軸配向フィルムとした。添加した粒
子の種類、平均粒径、含有量の全てが本発明の範囲であ
るものは、フィルムとした場合、平坦性、滑り性、絶縁
破壊電圧ともに優れていた(実施例2〜7)。
しかし、含有する二酸化チタン被覆無機粒子の平均粒
径、含有量のいずれかが本発明外であるときは、平坦
性、滑り性と絶縁破壊電圧を共に満足させることはでき
なかった。(比較実施例1,2)。
比較実施例3〜5 実施例1と同様にして、コロイダルシリカ、カオリン
および炭酸カルシウム粒子を添加した二軸配向ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを得た。被覆していない本
発明外の粒子を用いるといずれの場合も平坦性、滑り性
と絶縁破壊電圧を共に満足させることはできなかった。
実施例8 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル70重量部とから酢酸カルシウム0.09重量部を触媒とし
て常法によりエステル交換反応を行ない、その生成物に
三酸化アンチモン0.03重量部、酢酸リチウム0.3重量
部、リン酸トリメチル0.2重量部および予め粒子に対し
て0.5モル%の亜リン酸を用いて10重量%濃度のエチレ
ングリコールスラリーとして微分散された二酸化チタン
被覆コロイダルシリカ(平均粒径1.0μm)0.1重量部添
加し、常法により重合して、極限粘度0.621、軟化点25
9.8℃のポリエチレンテレフタレートを得た。ポリマー
中の粒子分散状態は透過型電子顕微鏡によって観察した
結果、二次凝集粒子は観察されず、ほぼ一次粒子として
存在しており、分散剤を添加しない場合に比べて分散性
の向上が認められた。
該ポリマーを実施例1と同様にしてポリエチレンテレ
フタレートの二軸配向フィルムとした。該フィルム特性
を評価した結果、平坦性に優れ、ボイドも非常に少な
く、滑り性、絶縁破壊電圧を共に満足していた(表
2)。
実施例9〜13、比較実施例6,7 含有する二酸化チタン被覆無機粒子の種類、平均粒
径、含有量、分散剤の種類、使用量を種々変えて実施例
8と同様にポリエチレンテレフタレートの二軸配向フィ
ルムとした。分散剤の種類、使用量が本発明の範囲内で
あるものは、ポリマー中での粒子分散性が良好であり、
分散剤無添加に比べて緒特性の向上が認められた(実施
例9〜13)。
しかし、分散剤の使用量が本発明外であるときは各フ
ィルム特性の向上は認められなかった(比較6,7)。
[発明の効果] 本発明の方法により得られたポリエステルはチタン水
和酸化物もしくはチタン酸化物被覆無機粒子を含有する
ので次のような優れた効果が発揮される。
(1)フィルムの溶融成形過程でフィルターの目詰りが
少なく、かつ粗大粒子によるフィルムの膜破れがない。
(2)種々の形状、粒径を有する被覆に用いる無機粒子
を適宜選択すればポリエステルに添加する粒子として従
来では得られなかった種々の形状、粒径をもったチタン
水和酸化物もしくはチタン酸化物粒子が得られ、ポリマ
ーとの親和性が改良できる。
さらに本発明の粒子は、無機複合粒子であり、粒子表
面とポリマーが特異な相互作用を示すためポリマーとの
親和性が良好となる。従って、フィルムにした場合延伸
後もボイドの発生が著しく少ない。
(3)フィルム表面の平坦性に優れ、かつポリマーとの
親和性が良好なので粒子の脱落も少なく、磁気テープ用
途では記録再生時のドロップアウト、音飛びなどの欠点
がなく、極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル
    形成性誘導体を主とする二官能性酸成分と、少なくとも
    一種のグリコール成分よりなるポリエステルを製造する
    に際し、平均粒径が0.01〜5μmのチタン水和酸化物も
    しくはチタン酸化物で被覆された無機粒子を得られるポ
    リエステルに対し0.001〜5重量%ポリエステルの重合
    が完結するまでの任意の段階で添加することを特徴とす
    るポリエステルの製造方法。
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