JPH08301083A - ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置 - Google Patents

ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置

Info

Publication number
JPH08301083A
JPH08301083A JP7102814A JP10281495A JPH08301083A JP H08301083 A JPH08301083 A JP H08301083A JP 7102814 A JP7102814 A JP 7102814A JP 10281495 A JP10281495 A JP 10281495A JP H08301083 A JPH08301083 A JP H08301083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
piston
actuator
switch
hydraulic pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7102814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2887736B2 (ja
Inventor
Takeshi Nobori
猛 野堀
Takashi Totsuka
孝 戸塚
Shigeru Nagumo
繁 南雲
Hiroshi Okuma
寛 大熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabco Ltd
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Nabco Ltd
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabco Ltd, Mitsubishi Motors Corp filed Critical Nabco Ltd
Priority to JP7102814A priority Critical patent/JP2887736B2/ja
Publication of JPH08301083A publication Critical patent/JPH08301083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2887736B2 publication Critical patent/JP2887736B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ブレーキアクチュエータ及びブレ
ーキアクチュエータ制御装置に関し、リレーやモータを
過電流等から十分に保護できるようにすることを目的と
する。 【構成】 動力発生部22と、アクチュエータ筐体部2
3と、アクチュエータ筐体部23内の空間部23Aに形
成された液圧発生部24と、液圧発生部24内の容積を
変更するピストン部材25と、ピストン部材25を前後
進させるネジ機構28とそなえるとともに、液圧解放動
作時にネジ機構28の移動部材27に作動端126Bが
当接して、移動部材27が所定位置まで後退すると、こ
れを検出するセンサ126をそなえるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駐車中の車両の安全を
確保すべく設けられた駐車ブレーキ安全装置に用いて好
適の、ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエ
ータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両において、ド
ライバのブレーキ操作の煩わしさを低減できるようにし
たブレーキ補助装置が開発されている。このような従来
のブレーキ補助装置は、ブレーキ操作により車両が停止
するとコンピュータがこれを検出して、ドライバがブレ
ーキペダルから足を離してもブレーキペダル踏み込み時
のブレーキ液圧を保持するような装置であり、これによ
りドライバはブレーキペダルを踏み続けることなく車両
の停止状態を保つことができるようなものである。ま
た、ドライバがクラッチを接続状態にすると、上述のブ
レーキ補助装置の作動が解除されて、通常の走行ができ
るようになっている。
【0003】このような装置について具体的に説明する
と、例えば、車両のブレーキの作動油供給経路上にブレ
ーキ液圧を保つようなブレーキアクチュエータが設けら
れており、ブレーキペダルを踏んだままで車両停止状態
が所定時間継続し、その後ブレーキペダルから足を離す
と、コントローラがこれを検出して上記のアクチュエー
タにエア圧等を供給してブレーキ力を保持するのであ
る。
【0004】これにより、渋滞や信号待ちでブレーキペ
ダルを踏み続ける必要がなくなり、肉体的,精神的な疲
労を低減することができるようになる。また、坂道発進
等も容易に行なうことができ、さらには、追突された時
にも被害を最小限に抑制するとともに事故の拡大を防ぐ
ことができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなブレーキアクチュエータは、作動時にブレーキ液圧
を一定に保つように構成されたものであり、例えば坂道
等で駐車中の車両が動き出したような場合は、積極的に
ブレーキ液圧を増加させて車両の動きを止めるようなも
のではなかった。
【0006】そこで、このブレーキアクチュエータを例
えば以下のように構成し、その作動を積極的に制御する
ことで、駐車中の車両が動き出した場合に車両を停止さ
せ、車両の安全性を高めるようにしたい。このようなブ
レーキアクチュエータとしては、アクチュエータ筐体部
(ケーシング)内に油圧室を形成し、この油圧室内の容
積を変更しうるピストン部材を設け、さらに、このピス
トン部材をモータ等で制御することで、油圧室内のブレ
ーキ液圧を増減させることが考えられる。
【0007】そして、駐車ブレーキが作動しているにも
かかわらず車両が動きだしたことが検出されると、この
ブレーキアクチュエータのモータを作動させてブレーキ
液圧を増加させるのである。また、このようなアクチュ
エータの作動を解除する場合は、モータを上述とは逆方
向に作動させてブレーキ液圧を開放するようにすればよ
い。
【0008】ところで、アクチュエータの作動解除時に
モータの作動を停止させる場合は、モータの作動開始か
らの時間をタイマ等でカウントし、所定時間が経過する
と、ブレーキ液圧が十分に開放されたと判断してモータ
の作動を停止させることが考えられる。しかしながら、
このようなブレーキアクチュエータでは、図14のグラ
フに示すように、モータを作動停止させるまでの所定時
間t1内にピストン部材が十分ストロークして、モータ
が所定時間前に停止してしまう場合が考えられる。
【0009】このように、モータが停止しているにもか
かわらず、電力の供給を受けて回転しようとすると、リ
レーやモータにバッテリから過大な電流が流れてしま
い、リレーやモータの機能が損なわれるおそれがある。
ところで、特開昭63−258247号公報,特開昭6
4−67452号公報,特開平6−8808号公報及び
実開平2−126966号公報等には、停止中の車両の
ブレーキ力を保持するための技術が開示されているが、
これらの技術は、いずれも上述したような課題を解決す
るものではなかった。また、特開平3−5270号公報
には、ブレーキ液圧を制御するためのアクチュエータが
開示されているが、この技術も上述したような課題を解
決することはできない。
【0010】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、リレーやモータを過電流等から十分に保護で
きるようにした、ブレーキアクチュエータ及びブレーキ
アクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のブレーキアクチュエータは、回転力を発生す
る動力発生部と、該動力発生部を取り付けるアクチュエ
ータ筐体部と、該アクチュエータ筐体部内の空間部に形
成されるとともに、車両用のブレーキ作動用非圧縮流体
供給系に介装された液圧発生部と、該アクチュエータ筐
体部内の空間部に配設され、該動力発生部で発生した回
転力を受けて前後進することにより、該液圧発生部内の
容積を変更して、該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系に
おけるブレーキ作動部材側への液圧を増加させるピスト
ン部材と、該動力発生部と該ピストン部材との間に介装
されて、該動力発生部で発生した回転力を受けて該ピス
トン部材を前後進させるネジ機構とをそなえるととも
に、該ピストン部材による液圧解放動作時に該ネジ機構
のうちの移動部材が所定位置にまで後退すると、これを
検出するセンサをそなえて構成されたことを特徴として
いる。
【0012】また、請求項2記載の本発明のブレーキア
クチュエータ制御装置は、回転力を発生する動力発生部
と、該動力発生部を取り付けるアクチュエータ筐体部
と、該アクチュエータ筐体部内の空間部に形成されると
ともに車両用のブレーキ作動用非圧縮流体供給系に介装
された液圧発生部と、該アクチュエータ筐体部内の空間
部に配設され該動力発生部で発生した回転力を受けて前
後進することにより該液圧発生部内の容積を変更して該
ブレーキ作動用非圧縮流体供給系におけるブレーキ作動
部材側への液圧を増加させるピストン部材と、該動力発
生部と該ピストン部材との間に介装されて該動力発生部
で発生した回転力を受けて該ピストン部材を前後進させ
るネジ機構と、該ピストン部材による液圧解放動作時に
該ネジ機構のうちの移動部材が所定位置にまで後退する
と、これを検出するセンサとをそなえてなるブレーキア
クチュエータが設けられるとともに、該ブレーキアクチ
ュエータの該動力発生部に制御信号を供給して、該動力
発生部で正回転させて、該ネジ機構の該移動部材を前進
移動させることにより、該ピストン部材を前進させて、
該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系におけるブレーキ作
動部材側への液圧を増加させるとともに、該動力発生部
で逆回転させて、該ネジ機構の該移動部材を後進移動さ
せることにより、該ピストン部材を後進させて、該ブレ
ーキ作動用非圧縮流体供給系におけるブレーキ作動部材
側の増圧状態を解放する制御手段が設けられ、且つ、該
センサで該移動部材が所定位置にまで後退したことが検
出されると、該動力発生部を停止させる動力発生部停止
手段が設けられたことを特徴としている。
【0013】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のブレーキアクチ
ュエータでは、動力発生が回転力を発生すると、動力発
生部とピストン部材との間に介装されたネジ機構を介し
てピストン部材がアクチュエータ筐体部内を前後進す
る。これにより、アクチュエータ筐体部内の空間部に形
成された液圧発生部内の容積を変更して、ブレーキ作動
用非圧縮流体供給系におけるブレーキ作動部材側への液
圧を増加させる。
【0014】また、ピストン部材による液圧解放動作時
に、ネジ機構の移動部材が所定位置にまで後退するとそ
の状態がセンサにより検出される。上述の請求項2記載
の本発明のブレーキアクチュエータ制御装置では、制御
手段により動力発生部に制御信号が供給されると、動力
発生部が正回転の回転力を発生し、動力発生部とピスト
ン部材との間に介装されたネジ機構の移動部材が前進移
動する。これにより、ピストン部材が前進して、ブレー
キ作動用非圧縮流体供給系におけるブレーキ作動部材側
への液圧が増加する。
【0015】また、動力発生部に逆回転の回転力が発生
すると、ネジ機構の移動部材が後進移動することによ
り、ピストン部材が後進して、ブレーキ作動用非圧縮流
体供給系におけるブレーキ作動部材側の増圧状態を解放
する。そして、液圧解放動作時にネジ機構の移動部材が
所定位置にまで後退するとその状態がセンサにより検出
される。このとき、リミットスイッチにより移動部材が
所定位置にまで後退したことが検出されると、動力発生
部停止手段から動力発生部を停止させる制御信号が供給
されて、動力発生部の回転が停止する。
【0016】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ
制御装置について説明すると、図1,図2はいずれもそ
のブレーキアクチュエータの要部構成を示す模式的な断
面図であって、図1は図2におけるA−A断面図、図
3,図4はいずれもその外形形状を示す模式的な構成図
であって、図3は図1におけるB方向矢視図、図4は図
2におけるC方向矢視図、図5はそのブレーキアクチュ
エータ制御装置の全体構成を示す模式図、図6はその制
御系の全体構成を示す模式的な制御ブロック図、図7は
その作動を簡単に説明するためのフローチャート、図8
はその作動を簡単に説明するための図、図9はその解除
動作を簡単に説明するための図、図10はそのフェイル
チェック時の動作について説明するための図、図11は
そのフェイルチェックの項目を説明する図、図12,図
13はいずれもその作用を説明するためのグラフであっ
て、図12はブレーキアクチュエータのピストン前進時
における作動流体の液圧及びモータの電流の変化を示す
グラフ、図13はピストン後退時における作動流体の液
圧及びモータの電流の変化を示すグラフである。
【0017】(1)全体構成の説明 図5に示すように、車両1にはブレーキ装置が設けられ
ており、このブレーキ装置には、坂道発進補助装置50
と駐車ブレーキ安全装置60とが設けられていて、これ
らの各装置50,60が互いに作用し合うことで車両1
の坂道発進を容易にしたり、駐車中の車両1の安全を確
保したりすることができるようになっている。
【0018】(1・1)坂道発進補助装置の説明 まず、上述の坂道発進補助装置50について説明する
と、この坂道発進補助装置50は、図5に示すブレーキ
ペダル(サービスブレーキ操作部材)4を踏んで車両1
を停止させた場合に作動するものであって、運転者がブ
レーキペダル4を踏んで車両1が停止したことが所定時
間以上検出されると、ブレーキ液圧供給系(ブレーキ作
動用非圧縮性流体供給系)6に設けられた切り換え弁
(マグネットバルブ)7を切り換えて、ブレーキ液圧供
給系6内のブレーキオイルを封じ込めて、運転者がブレ
ーキペダル4から足を離しても制動力を保持するように
なっている。
【0019】図5に示すように、車両1には、フロント
ホイールブレーキ(前輪側ブレーキ)2とリアホイール
ブレーキ(後輪側ブレーキ)3とがそなえられており、
通常は、運転者がブレーキペダル4を踏むと、マスタシ
リンダ5で運転者のブレーキ踏力が倍力されて、ブレー
キ作動用非圧縮性流体(ブレーキ液又はブレーキオイ
ル)の流体圧(ブレーキ液圧)が増加されるようになっ
ている。そして、このブレーキ液圧により、サービスブ
レーキ作動部材としてのブレーキシューやブレーキパッ
ド(いずれも図示省略)を作動させて、車両1に制動力
を与えるようになっている。
【0020】なお、この車両1の後輪側のブレーキ液圧
供給系6には、LSV(ロードセンシングバルブ)8も
設けられている。このLSV8は、車両1の主に後輪側
の荷重をリアスプリングの撓みから検出して、車両1の
積載荷重に応じたブレーキ液圧をリアホイールブレーキ
3に供給するためのものである。ところで、上述した坂
道発進補助装置50のマグネットバルブ7は、制御手段
としてのコントローラ9により制御されるようになって
いる。このコントローラ9には、図5に示すように作動
スイッチ10,調整スイッチ11,クラッチぺダルスト
ロークセンサ(クラッチセンサ)12,車速センサ(車
速検出手段)13,ニュートラルスイッチ(変速位置検
出手段)14,ストップランプスイッチ(又はサービス
ブレーキ操作部材作動状態検出手段)15,パーキング
スイッチ(駐車ブレーキ作動状態検出手段)16,ドア
スイッチ17,エンジン作動状態検出手段としてのキー
スイッチ18や、後で詳述する圧力スイッチ(圧力検出
部材)125及びリミットスイッチ126が接続されて
おり、これらの各センサ類からの検出情報に基づいてマ
グネットバルブ7の作動が制御されるようになっている
のである。
【0021】ここで、作動スイッチ10は、運転者の周
囲に配設されたオンオフスイッチであって、この作動ス
イッチ10をオンにすることにより坂道発進補助装置5
0が作動しうる状態になるようになっており、作動スイ
ッチ10をオフにすると坂道発進補助装置50が作動し
ないようになっている。また、調整スイッチ11は坂道
発進補助装置50の作動を調整するものであり、ブレー
キ液圧を保持している状態から解除するタイミングの調
整を行なうようなスイッチである。
【0022】クラッチぺダルストロークセンサ(クラッ
チセンサ)12は、運転者がクラッチペダル(図示省
略)を踏み込むとこれを検出してオン信号を出力するよ
うなセンサであり、又車速センサ(車速検出手段)13
は、遮断手段としての車速センサ用電源遮断スイッチ6
4を介して、バッテリ68からの電力供給を受けて車速
を検出するようなアクティブ型の車速検出手段である。
【0023】ニュートラルスイッチ14は、変速機の変
速位置を検出する変速位置検出手段として設けられてお
り、このニュートラルスイッチ14は変速機の変速段位
置がニュートラルにある場合のみオン信号を出力するよ
うになっている。ストップランプスイッチ15は、サー
ビスブレーキ操作部材作動状態検出手段として設けられ
ている。すなわち、このストップランプスイッチ15
は、ブレーキペダル(つまりサービスブレーキ操作部
材)4の作動状態を検出するものであって、運転者がブ
レーキペダル4を踏み込むとこれを検出して、やはりオ
ン信号を出力するようになっている。
【0024】また、パーキングスイッチ(駐車ブレーキ
作動状態検出手段)16は、駐車ブレーキ操作部材(即
ちパーキングブレーキレバー、図示省略)の作動状態を
検出するためのスイッチであって、このパーキングブレ
ーキレバーの作動状態に基づいてパーキングブレーキの
作動状態を検出するようになっている。ドアスイッチ1
7は、車両1の運転席側のドアを開閉状態を検出ししう
るセンサであり、又キースイッチ(エンジン作動状態検
出手段)18は、エンジン(図示省略)が作動中(エン
ジンオン時)か又はエンジンが非作動時(エンジンオフ
時)かを検出するようなセンサである。
【0025】なお、圧力スイッチ(圧力検出部材)12
5及びリミットスイッチ126については後述する。
【0026】また、図5に示すように、コントローラ9
には、警報ランプ20及び警報ブザー21が接続されて
おり、坂道発進補助装置50の作動状態と車両1の状態
とが所定の条件になった場合、運転者へ警報を発するよ
うになっている。なお、これについても詳しくは後述す
る。 (1・2)駐車ブレーキ安全装置の説明 さて、次に駐車ブレーキ安全装置60について説明する
と、この駐車ブレーキ安全装置60は、所定の条件の下
で車両1を停止させた後に、運転者が何ら操作をしてい
ないにもかかわらず車両1が動き出すと、この車両1を
停止させるべく作動するものである。
【0027】すなわち、この駐車ブレーキ安全装置60
は、例えばパーキングブレーキレバーを十分に引かずに
坂道に駐車した場合等に、重力等の作用により車両1が
自然に動き始めると、これを検知してブレーキ液圧を増
圧させて機械的にリアホイールブレーキ3を作動させる
ようになっている。このため、図5に示すように、後輪
側のブレーキ液圧供給系6のマグネットバルブ7とリア
ホイールブレーキ3との間には、ブレーキ液圧を調整し
うるブレーキアクチュエータ(流体圧増加機構)19が
設けられている。
【0028】このブレーキアクチュエータ19は、上述
したコントローラ9からの作動指令を受けて作動するも
のであって、コントローラ9では、上述の各センサ類1
0〜18,125,126からの検出情報に基づいてブ
レーキアクチュエータ19を制御することにより、駐車
ブレーキ安全装置60の作動を制御するようになってい
る。
【0029】以下、上述のブレーキアクチュエータ19
について、図1〜図4を用いて詳しく説明する。このブ
レーキアクチュエータ19は、図1,図2に示すよう
に、主にアクチュエート部(動力発生部)22,ケーシ
ング(アクチュエータ筐体部)23,油圧室(液圧発生
部)24及びピストン(増圧部材又はピストン部材)2
5とからなっている。
【0030】アクチュエート部22は、回転力を発生す
る回転駆動部であって、ここではアクチュエート部22
はモータ(電動機)により構成されている。また、図2
に示すように、ケーシング23内には、空間部(シリン
ダ)23Aが形成されており、シリンダ23Aにはピス
トン25が前後進可能に配設されている。
【0031】シリンダ23Aにはピストン25とケーシ
ング23とにより油圧室24が形成されており、モータ
22で発生した回転力を用いてピストン25を移動させ
ることにより、油圧室24の容積を変更して、後輪側の
ブレーキ液圧供給系6のブレーキ作動部材側(例えばブ
レーキシューやブレーキパッド)への液圧を増加させる
ようになっている。
【0032】また、モータ22は、上記のピストン25
の軸方向に対して平行に配設されており、モータ22と
ピストン25との間には、図2に示すように、ピニオン
ギア130A,ドリブンギア130Bからなる減速機構
(回転力伝達機構)130が介装されている。そして、
このモータ22は、コントローラ9からの指令信号を受
けて回転するようになっており、これにより、この減速
機構130を介してピストン25を駆動するようになっ
ている。
【0033】ここで、ピストン25を駆動するための機
構について説明すると、ドリブンギア130Bは、ギア
ピン132によりピストン駆動軸131に固定されてお
り、また、図1,図2に示すように、ピストン駆動軸1
31の先端側(ピストン25側であって図中左側)には
雄ねじ131Aが形成されている。また、この雄ねじ1
31Aには移動部材としてのナット27が螺合して配設
されており、ケーシング23内には、このナット27の
回転を規制するためのスリーブ136が嵌挿されてい
る。このナット27は、軸方向から見ると正六角形の六
角ナットであって、スリーブ136は、このナット27
の形状に合わせて形成されている。
【0034】そして、これらのピストン駆動軸131の
雄ねじ131A及びナット27によりねじ機構28が構
成されている。一方、図1,図2に示すように、ピスト
ン25の基部には、ピストン駆動軸131よりも大きい
径を有する凹部135が形成されており、ピストン25
のピストンストロークがほとんどないような場合(即
ち、ピストン25が図中右側にあるような場合)は、こ
の凹部135にピストン駆動軸131が収納されるよう
になっている。
【0035】また、モータ22は、コントローラ9に接
続されており、このコントローラ9からの制御信号に基
づいてモータ22が回転すると、この回転駆動力が減速
機構130を介してピストン駆動軸131に伝達され、
ピストン駆動軸131を回転させるようになっている。
そして、ピストン駆動軸131が回転すると、回転を規
制されているナット27が、スリーブ136をガイドに
して軸方向に移動する。ここで、例えばモータ22への
駆動信号がブレーキ液圧を高めるような制御信号の場合
は、ナット27が図中左側に駆動されるようになってい
る。
【0036】このようにしてナット27が駆動される
と、ナット27がピストン25の基端部に当接して、こ
のピストン25を前進(図中左方向)させるとともに、
油圧室24の容積を減少させるのである。また、油圧室
24内には、リターンスプリング31が設けられてお
り、ピストン25を後退方向(図中右側)に付勢してい
る。これにより、モータ22が上述とは逆方向に回転し
てナット27が後退すると、リターンスプリング31の
付勢力によってピストン25が後退していくようになっ
ている。
【0037】また、図1に示すように、ピストン25に
は、ピストン作動ストローク分の長さに亘って長穴部1
39が形成されており、この長穴部139にはストッパ
ボルト137が貫通するように配設されている。そし
て、このストッパボルト137は、ケーシング23に対
して固定されており、ストッパボルト137が長穴部1
39の左端と当接することにより、ピストン25の後端
位置が規制されるようになっている。また、これと同様
に、ストッパボルト137が長穴部139の右端と当接
することにより、ピストン25の先端位置が規制される
ようになっている。
【0038】ところで、図1に示すように、このアクチ
ュエータ19の油圧室24には、マスタシリンダ5側の
液圧供給系6に連通して、ブレーキオイルを油圧室24
に供給しうる第1連通口29と、ブレーキ作動部材(ブ
レーキシューやブレーキパッド)側のブレーキ液圧供給
系6に連通して、油圧室24で所定の油圧に調整された
ブレーキオイルをこのブレーキ作動部材側に供給する第
2連通口30とが形成されている。
【0039】また、上述したように、油圧室24内の容
積は、ピストン25が前後進することで変更されるよう
になっているが、ピストン25が前進してブレーキ液圧
を増加させるような場合には、上記の第1連通口29と
第2連通口30とは、弁機構32により閉塞されるよう
になっており、これにより、ブレーキ作動部材側のブレ
ーキ液圧供給系6の液圧を確実に増加させるようになっ
ている。
【0040】ここで弁機構32について説明すると、こ
の弁機構32は、図1,図2に示すように、主にバルブ
138,リターンスプリング141,作動油供給用連通
路142等により構成されている。すなわち、図1,図
2に示すように、ピストン25の先端内部には、バルブ
138とリターンスプリング141とが配設されてい
る。また、ピストン25の中心軸と同軸上には、マスタ
シリンダ5側からのブレーキオイルを油圧室24に供給
するための作動油供給用連通路(以下、単に連通路とい
う)142が形成されている。
【0041】また、この連通路142には、連通路14
2よりも小径に形成されたバルブ138のステムが挿通
されている。なお、このバルブ138自体は、リターン
スプリング141により、連通路142を閉塞すべく図
中右側に付勢されている。また、このバルブ138のス
テムは、連通路142よりも所定量だけ長く形成されて
いる。
【0042】これにより、ピストン25が後端まで後退
すると、バルブ138のステムがストッパボルト137
に当接し、バルブ138がリターンスプリング141の
付勢力に抗して移動して連通路142が開状態となるよ
うになっている。また、ピストン25が所定量だけ前進
すると、バルブ138のステムがストッパボルト137
から離隔するとともに、リターンスプリング141の付
勢力によってバルブ138が移動して、連通路142が
閉塞されるようになっている。
【0043】ところで、図1に示すように、ピストン2
5は、第1連通口29に対応する部位において、シリン
ダ23Aよりも小径に形成されており、これによりピス
トン25とシリンダ23Aとの間には、全周に亘って空
間部140が形成されている。したがって、連通路14
2が開状態となると、第1連通口29からの作動油が、
空間部140,長穴部139及び連通路142を通って
ピストン25の先端内部に達するようになっている。
【0044】また、ピストン25の先端内部には、油圧
室24に連通する連通孔25Aが設けられており、連通
路142からピストン25の先端内部に供給された作動
油は、この連通孔25Aを介して油圧室24に供給され
るようになっている。したがって、ピストン25が後端
まで後退しているときは、第1連通口29と第2連通口
30とが連通状態となり、ピストン25が所定量前進す
ると第1連通口29と第2連通口30とは遮断状態とな
るのである。
【0045】なお、図中において符号69,133及び
134は、それぞれゴムカップ(シール部材),スラス
トベアリング及びストッパである。さて、本発明のブレ
ーキアクチュエータ19では、上述のような構成に加え
て、図2に示すような液圧検出室150が設けられてい
る。この液圧検出室150は、オリフィス151を介し
て油圧室24に連通接続されており、このオリフィス1
51により、油圧室24で急激に圧力が発生しても圧力
衝撃が和らげられて液圧検出室150の作動油の液圧は
緩やかに上昇するようになっている。
【0046】また、液圧検出室150には、圧力検出部
材として圧力スイッチ125が設けられている。この圧
力スイッチ125は、液圧検出室150内の液圧が所定
値以上になるとこれを検出してオン信号を出力するセン
サであって、ここでは、液圧検出室150内が、例えば
70Kg/cm2 以上になるとオン信号を出力するよう
になっている。また、この圧力スイッチ125はヒステ
リシスを有しており、例えば圧力が50Kg/cm2
下に低下するとオフになるようになっている。
【0047】ここで、圧力スイッチ125は、制御手段
としてのコントローラ9に接続されている。また、コン
トローラ9には、リレーボックス160を介してモータ
22も接続されている。そして、コントローラ9では、
この圧力スイッチ125のオン信号を検出すると、この
ブレーキアクチュエータ19により液圧が十分に高めら
れたと判断して、モータ22の作動を停止させるように
なっている。
【0048】したがって、モータ22が、コントローラ
9からの制御信号を受けてピストン25が前進した場合
に、必要以上にモータ22が駆動するようなことがなく
なり、これにより、リレーボックス160やモータ22
を過電流から保護することができるようになる。すなわ
ち、油圧室24の液圧が十分高まった場合、速やかにモ
ータ22の作動を停止させないとリレーボックス160
やモータ22に過大な電流が流れて、リレーボックス1
60やモータ22が損傷してその機能が損なわれること
が考えられるが、このように圧力スイッチ125を設け
て、ブレーキオイルの液圧が所定値になるとモータ22
の作動を停止させることにより、リレーボックス160
やモータ22を保護するようになっているのである。
【0049】ところで、このブレーキアクチュエータ1
9には、図1に示すように、リミットスイッチ126も
設けられており、コントローラ9に接続されている。こ
のリミットスイッチ126は、上述とは逆に、ピストン
25を後端まで後退させた場合に、モータ22の過回転
によるリレーボックス160やモータ22の損傷を防止
するために設けられたものであって、ナット27が所定
位置まで後退すると、オン信号を出力するようなセンサ
である。
【0050】そして、このリミットスイッチ126から
オン信号が出力されると、コントローラ9では、このオ
ン信号に基づいてモータ22の作動を停止させるように
なっているのである。ここで、リミットスイッチ126
は、主にスイッチ本体126Aとセンサロッド(リミッ
トスイッチの作動端)126Bとロッドガイド126C
とから構成されている。
【0051】そして、図1に示すように、ナット27の
センサロッド126Bへの当接部は、ピストン25の軸
線に対して傾斜した面に形成されており、この面にセン
サロッド126Bの先端部が接するようになっている。
したがって、ナット27が前後進すると、センサロッド
126Bの先端部がナット27に形成された傾斜面上を
滑りながら接触して、センサロッド126Bが上下方向
に移動するようになっている。
【0052】そして、このセンサロッド126Bが所定
位置まで上方向に移動するとオン信号が出力され、この
所定位置以下の場合は、リミットスイッチ126はオフ
となるようになっている。なお、このリミットスイッチ
126は、弁機構32のバルブ138のステムがストッ
パボルト137に当接して、作動油供給用連通路142
を確実に開いた後にオン信号を出力するように設定され
ており、これにより、第1連通口29と第2連通口30
とが連通した後にピストン25が停止するようになって
いる。これは、通常のサービスブレーキを確実に作動さ
せるためである。
【0053】これにより、例えばモータ22の回転にと
もなってナット27が後退してくると、所定の後退位置
でリミットスイッチ126からオン信号が出力されるよ
うになり、モータ22の回転が停止するのようになる。
したがって、ナット27がすでに後端まで後退している
にもかかわらず、バッテリ68からの電力供給を受けて
モータ22が回転しようとするといったことがなくなる
ので、モータ22やリレー160を過電流から保護する
ことができるようになるのである。
【0054】なお、図1に示す状態では、ナット27が
後端に位置しており、センサロッド126Bを上方向に
押し上げて、リミットスイッチ126がオンになってい
る状態を示している。また、コントローラ9からの制御
信号に基づいて、ナット27が前進すると、センサロッ
ド126Bが下方へ移動することによりリミットスイッ
チ126はオフとなる。
【0055】また、図1に示す断面図には、実際にはモ
ータ22が現れることはない(モータ22は、図1中の
ピストン25に対して紙面上方に存在している)が、こ
こではその制御系を簡単に説明するために、あえて実際
とは異なる位置にモータ22を仮想線で示している。と
ころで、このブレーキアクチュエータ19は、図5に示
すように、後輪側のブレーキ液圧供給系6のマグネット
バルブ7とリアホイールブレーキ3との間に設けられた
ものであり、モータ22が回転して所定量ピストン25
が駆動されると、マスタシリンダ5側からのブレーキオ
イルの供給を絶って、リアホイールブレーキ3側に封入
されたブレーキオイルの液圧を高めるものである。
【0056】したがって、ブレーキアクチュエータ19
内において、ブレーキオイルを封入した状態でピストン
25が固着したり、あるいは、モータ22やリレー16
0が損傷したりすると、車両1に制動力が作用したまま
になってしまい、通常の走行に支障をきたすことが考え
られる。そこで、このブレーキアクチュエータ19で
は、このような場合を考慮して、ピストン駆動軸131
に手動による回転力を入力しうる手動回転入力部172
を設けるとともに、手動回転入力部172をボルト状に
形成している。
【0057】そして、上述のようなトラブル発生時は、
この手動回転入力部172を治具等により手動回転させ
てピストン25を後退させ、通常の走行が行なえるよう
になっているのである。すなわち、本発明のブレーキア
クチュエータ19の端部には、図1〜図4に示すよう
に、カバー部材(以下、これをギアカバーという)17
0が取り付けられている。このギアカバー170は、上
述した減速機構130を覆うようにして取り付けられて
おり、減速機構130を塵埃や泥水等から保護するよう
になっている。
【0058】そして、図1,図2に示すように、ピスト
ン駆動軸131の後端部(図中右側)に設けられた手動
回転入力部172は、ギアカバー170から突出するよ
うに形成されており、この手動回転入力部172は、図
1〜図4に示すようなグロメット(キャップ)171に
より被覆されるようになっている。なお、このグロメッ
ト171は、適度な弾性を有する樹脂材等を用いて形成
されており、ギアカバー170に対して簡単に取り外し
たり、取り付けたりすることができるようになってい
る。
【0059】また、この手動回転入力部172は、図1
〜図3に示すように、その断面形状が、例えば正六角形
に形成されており、通常のボルト頭部と同様のボルト状
端部として構成されている。これにより、アクチュエー
タ19が故障して、制動力が作用したままになってしま
った場合は、ドライバはグロメット171を取り外し
て、手動回転入力部172を露出させる。
【0060】そして、六角レンチ等の工具又は専用の治
具等をこの手動回転入力部172に嵌合させた後、手動
でピストン駆動軸131を回転させてピストン25を後
退させるのである。そして、これにより、ブレーキアク
チュエータ19の第1連通口29と第2連通口30とを
連通させて、通常の走行を可能にするのである。 (2)制御系の全体構成の説明 次に、図6を用いて、坂道発進補助装置50と駐車ブレ
ーキ安全装置60との制御系の全体構成について説明す
る。
【0061】図6に示すように、制御手段としてのコン
トローラ9には、坂道発進補助装置50の作動を制御す
るための坂道発進補助装置制御手段51と、駐車ブレー
キ安全装置60の作動を制御するための駐車ブレーキ安
全装置制御手段61とが設けられている。そして、坂道
発進補助装置制御手段51は、作動開始コントローラ5
2,作動解除コントローラ53,作動警報コントローラ
54及びドライバ55,56をそなえており、駐車ブレ
ーキ安全装置制御手段61は、作動開始コントローラ
(第1制御手段)62,作動解除コントローラ(第2制
御手段)63,タイマ(タイマ手段)65,ドライバ6
6,67をそなえている。
【0062】(2・1)坂道発進補助装置の制御系の説
明 まず、坂道発進補助装置制御手段51について説明する
と、作動開始コントローラ52は坂道発進補助装置50
の作動の開始を制御するための制御部,作動解除コント
ローラ53はその作動の解除を制御するための制御部,
作動警報コントローラ54はその作動の警報を発する制
御するための制御部である。
【0063】そして、この坂道発進補助装置制御手段5
1には、上述したマグネットバルブ7や警報ランプ20
や警報ブザー21が接続されており、ドライバ55,5
6から出力された制御信号に基づいて、これらのマグネ
ットバルブ7や警報ランプ20や警報ブザー21の作動
を制御するようになっている。
【0064】すなわち、図6に示すように、坂道発進補
助装置制御手段51の作動開始コントローラ52には、
上述したセンサ類10〜18のうち、クラッチセンサ1
2,車速センサ13,ニュートラルスイッチ14,スト
ップランプスイッチ15が接続されており、作動開始コ
ントローラ52では、これら各センサ類12〜15によ
り以下の3つ車両状態が検出されたときに、坂道発進補
助装置50を作動させる制御信号を設定するようになっ
ている。
【0065】1.ストップランプスイッチ15によりブレ
ーキペダル4が所定時間(例えば1sec)以上踏まれ
ていることが検出されたとき。 2.車速センサ13により車速=0(即ち停車している)
が検出されたとき。 3.クラッチセンサ12によりクラッチペダルが踏まれて
いることが検出される、又は、ニュートラルスイッチ1
4により変速段がニュートラル位置であることが検出さ
れたとき。
【0066】そして、上記の1.〜3.の3つの条件を全て
満たしている場合は、作動開始コントローラ52では運
転者が車両1を停止状態を維持していると見做して、坂
道発進補助装置50を作動させる制御信号を設定し、ド
ライバ55からマグネットバルブ7にこの制御信号が出
力されるようになっているのである。これにより、前輪
側のブレーキ液圧供給系6及び後輪側のブレーキ液圧供
給系6の経路上に設けられたマグネットバルブ7がオン
に切り換えられ、ブレーキ液圧を封じ込めるようになっ
ているのである。
【0067】このように、坂道発進補助装置50を作動
させると、坂道での停車時や渋滞時の停車時に、ブレー
キペダル4を踏み続けなくても車両1が停止状態となる
ので、運転者の疲労が低減されるのである。なお、作動
開始コントローラ52には、作動スイッチ10も接続さ
れており、この作動スイッチをオフにすることにより、
作動開始コントローラ52で設定された制御信号をキャ
ンセルすることができるようになっている。
【0068】一方、作動解除コントローラ53には、ク
ラッチセンサ12,ニュートラルスイッチ14,パーキ
ングスイッチ16が接続されており、作動解除コントロ
ーラ53では、上記各センサ類12,14,16からの
検出情報に基づいて、以下の2つの状態のうちいずれか
が検出されたときに、坂道発進補助装置50の作動を解
除する制御信号を設定するようになっている。
【0069】4.ニュートラルスイッチ14により変速装
置のギアがニュートラル以外に操作されたことが検出さ
れ、これに加えてクラッチセンサ12によりクラッチペ
ダルを戻したことが検出されたとき。 5.パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキレ
バーの作動が検出されたとき。
【0070】上述の4.の場合は、作動解除コントローラ
53では、運転者が車両1を発進させようとしていると
判断して、坂道発進補助装置50の作動を解除する制御
信号を設定するものであり、この場合は、ドライバ55
からマグネットバルブ7にこの解除信号が出力されるよ
うになっている。また、5.の場合は、車両1がパーキン
グブレーキにより停車状態に保たれるようになるので、
作動解除コントローラ53では、ブレーキ液圧を封じ込
めて車両1を停止させる必要がなくなると判断して、坂
道発進補助装置50の作動を解除する制御信号を設定す
るようになっているのである。なお、この場合は、他の
所定の条件を満たすと、上述した駐車ブレーキ安全装置
60が作動して車両1を確実に停止状態に保つようにな
るが、この場合については後述する。
【0071】このように、上記の4.及び5.の条件のうち
何れかの条件を満たしている場合は、作動解除コントロ
ーラ53により設定された作動解除信号がドライバ55
からマグネットバルブ7に出力されて、これによりマグ
ネットバルブ7がオフに切り換えられるようになってい
る。したがって、車両1を発進させる場合には、運転者
はブレーキペダル4の操作を行なうことなく、アクセル
ペダルの操作とクラッチペダルの操作を行なうことで車
両1を発進させることができるので、特に坂道発進時に
容易に車両1を発進させることができるようになる。
【0072】また、パーキングブレーキを作動させる場
合(上記5.の場合)は、比較的長時間に亘って車両1を
停車させる場合が多いので、坂道発進補助装置50の作
動を解除してブレーキ液圧供給系6内のブレーキオイル
を高圧状態から開放することで、サービスブレーキ2,
3への不必要な負荷をなくしているのである。なお、こ
の作動解除コントローラ53には、調整スイッチ11も
接続されており、この調整スイッチ11を操作すること
により、坂道発進補助装置50の作動解除タイミングを
調整できるようになっている。
【0073】次に、坂道発進補助装置50の作動警報に
ついて説明すると、作動解除コントローラ53には、パ
ーキングスイッチ16,ドアスイッチ17及びキースイ
ッチ18が接続されており、坂道発進補助装置50の作
動中に運転者が以下の操作のいずれかを行なったことが
検出されると、コントローラ9は警報ランプ20及び警
報ブザー21を作動させて、運転者に警報を行なうよう
になっている。
【0074】6.パーキングスイッチ16及びドアスイッ
チ17により、パーキングブレーキレバーを引かずにド
アを開けたことが検出されたとき。 7.パーキングスイッチ16及びキースイッチ18によ
り、パーキングブレーキレバーが引かれずにエンジンの
停止が検出されたとき。 上述の6.の場合は、作動解除コントローラ53では、パ
ーキングブレーキを作動させずに、運転者が車両1から
離れると判断して警報信号を設定し、ドライバ56から
警報ランプ20及び警報ブザー21にこの警報信号出力
するようになっているのである。そして、これにより警
報ランプ20及び警報ブザー21を作動させて、運転者
に注意を促すようになっているのである。
【0075】また、上述の6.,7.の場合以外にも、坂道
発進補助装置50に異常が発生したことが検出される
と、上記と同様に警報ランプ20及び警報ブザー21を
作動させて、運転者に注意を促すようになっている。こ
のように、車両1に坂道発進補助装置50をそなえるこ
とにより、発進と停車とを頻繁に繰り返すような場合
に、運転者の疲労を大きく低減することができ、また、
安全且つ確実に坂道発進を行なうことができるようにな
る。 (2・2)駐車ブレーキ安全装置の制御系の説明
【0076】次に、駐車ブレーキ安全装置制御手段61
について説明すると、上述したように、この駐車ブレー
キ安全装置制御手段61は、作動開始コントローラ6
2,作動解除コントローラ63,タイマ(タイマ手段)
65,ドライバ66,67及び動力発生部停止手段16
5をそなえている。上述の作動開始コントローラ62は
駐車ブレーキ安全装置60の作動の開始を制御するため
の制御部であり、又作動解除コントローラ63はその作
動を解除するための制御部である。また、ドライバ6
6,67は駆動回路であり、動力発生部停止手段165
はブレーキアクチュエータ19のモータ22の作動を停
止させるための制御手段である。なお、タイマ65につ
いては後述する。
【0077】また、この駐車ブレーキ安全装置制御手段
61には、図6に示すように、ブレーキアクチュエータ
(流体圧増加機構)19や、パーキングブレーキが作動
すると点灯するパーキングブレーキランプ33が接続さ
れており、ドライバ66,67から出力された制御信号
に基づいて、ブレーキアクチュエータ19やパーキング
ブレーキランプ33の作動が制御されるようになってい
る。
【0078】ここで、駐車ブレーキ安全装置制御手段6
1の作動開始コントローラ62について説明すると、こ
の作動開始コントローラ62では、パーキングブレーキ
が作動中であるにもかかわらず、所定の車速が検出され
ると駐車ブレーキ安全装置60を作動させるための制御
信号を設定するようになっている。詳しくは、図6に示
すように、この作動開始コントローラ62には車速セン
サ13,ニュートラルスイッチ14,パーキングスイッ
チ16,キースイッチ18,圧力スイッチ125が接続
されており、作動開始コントローラ62では、これらの
センサ類13,14,16,18から、以下の8.,9.の
何れかの車両状態が検出されると、ブレーキアクチュエ
ータ19を作動させてブレーキオイルの液圧を増加させ
るようになっている。
【0079】8.パーキングスイッチ16によりパーキン
グブレーキが作動していることが検出されたにもかかわ
らず、車速センサ13により所定の車速が検出されると
ともに、キースイッチ18によりエンジンの作動である
ことが検出され、且つニュートラルスイッチ14により
変速位置が中立位置であることが検出されたとき。 9.パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキが
作動中であることが検出されたにもかかわらず、車速セ
ンサ13により所定の車速が検出されにとともに、キー
スイッチ18によりエンジンが非作動中が検出されたと
き。
【0080】このような8.,9.の場合は、作動開始コン
トローラ62では、車両がパーキングブレーキにより停
止状態であるにもかかわらず、坂道等の勾配により自然
に車両1が動き出したと判断して、ドライバ66からブ
レーキアクチュエータ19に駐車ブレーキ安全装置60
を作動させるための制御信号が出力されるようになって
いるのである。
【0081】これにより、後輪側のブレーキ液圧供給系
6の経路上に設けられたブレーキアクチュエータ19が
作動し、ブレーキ液圧を増加させて車両1の制動力を高
めて車両1を停止させるようになっているのである。こ
のように、駐車ブレーキ安全装置60では、坂道等での
駐車時に自然に車両1が動き出すと、ブレーキアクチュ
エータ19を作動させてブレーキ液圧を増加させること
で駐車中の車両1の安全を確保するのである。
【0082】そして、ブレーキアクチュエータ19で
は、作動開始コントローラ62からの制御信号を受ける
と、モータ22を回転させてナット27を前進させ、ピ
ストン25を前進させる。これにより、ピストン25が
所定量前進すると、弁機構32により第1連通口29と
第2連通口30とが遮断され、ブレーキオイルが封入さ
れ、液圧が上昇してブレーキが作動するのである。
【0083】ところで、図6に示すように、この駐車ブ
レーキ安全装置制御手段61には、圧力スイッチ125
からオン信号が出力されると、モータ22を停止させる
信号を出力する動力発生部停止手段165が設けられて
いる。そして、動力発生部停止手段165では、圧力ス
イッチ125からオン信号を検出すると、ブレーキが十
分作動していると判断して、モータ22の作動を停止さ
せる信号を出力するようになっている。モータ22は、
この制御信号が入力されると、作動を停止する。
【0084】したがって、油圧室24が十分高圧になっ
ているにもかかわらず、モータ22を回転させてピスト
ン25を前進させようとするようなことが防止される。
また、これによりモータ22やリレー160を過電流か
ら保護することができ、これらモータ22やリレー16
0等の損傷を防止することができる。また、この圧力ス
イッチ125はヒステリシスを有しているので、圧力ス
イッチ125がオンになる圧力(例えば70Kg/cm
2 )よりも、低い圧力(例えば50Kg/cm2 )にな
るとオフとなるが、駐車ブレーキ安全装置60が作動し
ている場合は、ブレーキオイル液圧が低下して圧力スイ
ッチ125がオフになると、再び圧力スイッチ125が
オン信号を出力するまで、ブレーキオイルを再加圧する
ようになっている。なお、このような再加圧は繰り返し
行なわれるようになっている。
【0085】したがって、例えば駐車直後に高温となっ
ていたブレーキオイルが時間経過とともに温度低下して
体積が収縮することで、液圧が低下した場合でも、この
ように再加圧を行なうことで十分なブレーキ力を得るこ
とができるようになっているのである。
【0086】また、このときドライバ67からパーキン
グブレーキランプ33を点滅させる信号を出力して、駐
車ブレーキ安全装置60が作動していることを運転者に
報知するようになっている。なお、上述の9.の場合は、
キースイッチ18によりエンジンが非作動状態であっ
て、且つブレーキアクチュエータ19が作動していなけ
れば、タイマ65がトリガされてこのタイマ65により
カウントが開始されるようになっている。
【0087】そして、タイマ65により、車両1が停止
した状態で所定時間(例えば1時間)経過したことが検
出されると、タイマ65からのタイムアップ信号を受け
て車速センサ用電源スイッチ64がオフとなり、これに
より、車速センサ13への電力供給遮断されるようにな
っている。また、このとき、タイマ65からのタイムア
ップ信号により、システム用電源スイッチ64Aがオフ
状態にされるようになっている。
【0088】これにより、作動開始コントローラ62に
よる車両1の監視態勢が解除される。また、この場合
は、ドライバ67からのパーキングブレーキランプ33
の点滅信号もオフにして、駐車ブレーキ安全装置60の
作動がオフになったことを運転者に知らせるようになっ
ている。なお、このようにタイマ65でエンジンが非作
動状態になってから車両1の停止状態が所定時間継続し
たことが検出されると、車速センサ13への電力供給を
遮断し、更には駐車ブレーキ安全装置制御手段61をオ
フにするのは、以下の理由による。
【0089】すなわち、車速センサ13は常に電力を必
要とするアクティブ型車速センサであるため、長時間の
駐車時に作動開始コントローラ62をオンの状態のまま
にしておくとバッテリが上がることが考えられるからで
ある。また、あらかじめ設定された所定時間内に車両1
が動き出したことが検出されなければ、即ち、この例で
言えば車両1の停止状態が1時間も継続していれば、パ
ーキングブレーキが十分に作動していて駐車の安全が確
保されていると考えられるからである。
【0090】そして、このタイマ65では、キースイッ
チ18によりエンジンが作動状態である間は、図示しな
いタイマリセット手段によりタイマ65がリセットされ
るようになっている。また、作動開始コントローラ62
には、坂道発進補助装置制御手段51の作動開始コント
ローラ52と同様に、作動スイッチ10も接続されてお
り、この作動スイッチをオフにすることにより、やはり
作動開始コントローラ62で設定された制御信号をキャ
ンセルすることができるようになっている。
【0091】一方、駐車ブレーキ安全装置制御手段61
の作動解除コントローラ63には、ストップランプスイ
ッチ15,パーキングスイッチ16及びリミットスイッ
チ126が接続されており、作動解除コントローラ63
では、上記各センサ類15,16からの検出情報に基づ
いて、以下の10. ,11. の何れかの車両状態が検出され
ると、駐車ブレーキ安全装置60の作動を解除する制御
信号を設定するようになっている。
【0092】10. パーキングスイッチ16により、パー
キングブレーキレバーの解除操作が続けて所定の複数回
(例えば2回)検出されたとき。 11. パーキングスイッチ16によりパーキングブレーキ
レバーの解除操作が検出されるとともに、ストップラン
プスイッチ15によりブレーキペダルの踏み込み(即ち
サービスブレーキの作動操作)が検出されたとき。
【0093】つまり、駐車ブレーキ安全装置60が作動
状態となるには、上記8.,9.で詳述したようにパーキン
グブレーキの作動が必要であり、したがって、この装置
60の作動解除には、10. ,11. のようにパーキングブ
レーキを解除することが前提条件となっているのであ
る。このように、作動解除コントローラ63で駐車ブレ
ーキ安全装置60の作動解除信号が設定されると、ブレ
ーキアクチュエータ19では、モータ22が駐車ブレー
キ安全装置60の作動時とは反対方向に回転してピスト
ン25を後退させるようになっている。
【0094】そして、ピストン25が所定位置まで後退
すると、弁機構32によりマスタシリンダ5側の第1連
通口29とブレーキ作動部材側の第2連通口30とが連
通して、通常のブレーキ操作が行なえるようなる。ま
た、このようにピストン25が所定位置まで後退すると
リミットスイッチ126がオンになるが、コントローラ
9の動力発生部停止手段165では、リミットスイッチ
126のオン信号を検出すると、ピストン25が十分後
退して通常のブレーキ操作が可能な状態になったと判断
して、モータ22の作動を停止させる信号を出力するよ
うになっている。
【0095】これにより、モータ22の作動が停止する
ので、ピストン25が後端位置まで後退したにもかかわ
らず、モータ22が回転しようとするようなことが防止
される。したがって、上述のブレーキオイル加圧時と同
様に、モータ22やリレー160を過電流から保護する
ことができ、これらモータ22やリレー160等の損傷
を防止することができるのである。
【0096】ここで、上記の10. について説明すると、
ブレーキアクチュエータ19が作動してブレーキ液圧を
増加させているときに駐車ブレーキ安全装置60を解除
する場合は、運転者がこれを意識的に行なうように、続
けて複数回パーキングブレーキの解除操作を行なったと
きに、この駐車ブレーキ安全装置60を解除するように
なっているのである。
【0097】つまり、坂道等で車両が動き出すと、駐車
ブレーキ安全装置60が作動して駐車ブレーキに代わっ
て車両を停止させることができるが、このような場合、
もう一度駐車ブレーキを強く作動させるのが好ましい。
そして、再度駐車ブレーキを作動させることで、確実に
駐車ブレーキを作動させることができれば、駐車ブレー
キ安全装置60の作動を解除したい。
【0098】しかし、このような場合、再度駐車ブレー
キを作動させるために、まずブレーキレバーを一旦戻し
てから再びブレーキレバーを強く引くことが考えられ
る。そして、このように一旦ブレーキレバーを戻した状
態で駐車ブレーキ安全装置60の作動が解除されてしま
うと、再び車両が動き出してしまう。そこで、この駐車
ブレーキ安全装置60では、これを防止すべく、駐車ブ
レーキの作動が解除されただけでは、駐車ブレーキ安全
装置60の作動を解除せず、その後、再度駐車ブレーキ
が作動したときに駐車ブレーキ安全装置60の作動を解
除するようになっている。
【0099】これにより、運転者が無意識にパーキング
ブレーキの解除操作を行なっても、ブレーキアクチュエ
ータ19がブレーキ液圧を減少させるように作動するこ
とがなく、駐車時の車両1の安全を確保しているのであ
る。
【0100】なお、パーキングブレーキが作動中であっ
てエンジンが作動中且つ変速位置が中立位置であるとき
や、パーキングブレーキが作動中であってエンジンが非
作動中のときは、車速が検出されるとアクチュエータ1
9が作動するような駐車ブレーキ安全装置60のスタン
バイ状態となるが(上記8.及び9.)、このスタンバイ状
態において車速が検出されていない間は、パーキングブ
レーキの1回の解除操作により、駐車ブレーキ安全装置
60のスタンバイ状態を解除して通常の走行が行なえる
ようになっている。
【0101】また、上記11. の場合は、作動解除コント
ローラ63では、運転者が車両1を発進させようとして
いると判断して、ブレーキアクチュエータ19の作動を
解除するようになっているのである。そして、これら1
0. ,11. の場合は、作動解除コントローラ63で作動
解除信号が設定され、ドライバ66からブレーキアクチ
ュエータ19へこの作動解除信号が出力されるようにな
っているのである。 (2・3)フェイルチェック機能の説明 ところで、上述の駐車ブレーキ安全装置60は、駐車中
の車両1が動き出したときにこれを停止させるために設
けられたいわば非常用の装置であって、通常の車両使用
時に頻繁に作動するようなことは少ない。
【0102】このように、駐車ブレーキ安全装置60
(即ち、その要部としてのブレーキアクチュエータ1
9)の作動する機会が少ないと、このブレーキアクチュ
エータ19に何かしらの異常があっても、定期的な機能
チェックを実施しない限りはこの異常を発見しづらい。
また、何らかの理由でブレーキアクチュエータ19がフ
ェイルしている場合には、これを検出して乗員に報知し
ないと、駐車ブレーキ安全装置60が作動すべきとき
(即ち、パーキングブレーキの効きが十分でないために
駐車中の車両1が動き出したとき)に、車両を停止させ
ることができずに、この駐車ブレーキ安全装置60の信
頼性を損なってしまうことも考えられる。
【0103】一方、上述したように、ブレーキアクチュ
エータ19に2つのセンサ125,126を設け、これ
により、リレー160やモータ22を過電流から保護す
るようになっているが、これらのセンサ125,126
を利用してフェイルチェックを行なうようにすれば、車
両1の安全性や信頼性をさらに高められる。そこで、こ
のコントローラ9には、ブレーキアクチュエータ19を
定期的(例えば、月に1回程度)、且つ自動的に診断し
て、このブレーキアクチュエータ19の異常を検出する
ようなフェイルチェック機能も設けられている。
【0104】すなわち、図11の一覧表に示すように、
コントローラ9では、駐車ブレーキ安全装置制御手段6
1及び坂道発進補助装置制御手段51による制御信号
や、クラッチセンサ12,ストップランプスイッチ1
5,圧力スイッチ125及びリミットスイッチ126か
らの出力信号に基づいて、以下の6通りのフェイルチェ
ックを行なうようになっている。
【0105】まず、駐車ブレーキ安全装置制御手段61
により、駐車ブレーキ安全装置60が非作動状態であっ
て、クラッチセンサ12及びストップランプスイッチ1
5の検出情報により、ブレーキペダル4及びクラッチペ
ダルのいずれも踏んでいない状態であることが検出さ
れ、さらに、坂道発進補助装置制御手段51により、坂
道発進補助装置50が作動していない時は、以下のフェ
イルをチェックすることができる。
【0106】つまり、車両1が、このような状態のとき
に、圧力スイッチ125からオン信号が出力されるとと
もに、リミットスイッチ126からもオン信号が出力さ
れた場合は、圧力スイッチ125が固着等により故障し
ていることが考えられ、圧力スイッチ125のフェイル
を検出するようになっている。また、圧力スイッチ12
5からオン信号が出力されているが、リミットスイッチ
126がオフの場合は、例えばモータ22の駆動部分の
故障が考えられ、モータ22やリレー160のフェイル
を検出するようになっている。
【0107】さらに、圧力スイッチ125,リミットス
イッチ126がともにオフの場合は、リミットスイッチ
126の断線等が考えられ、リミットスイッチ126の
フェイルを検出するようになっている。次に、駐車ブレ
ーキ安全装置60の作動・非作動に関係なく、ブレーキ
ペダル4及びクラッチペダルのいずれも踏んでいない状
態であることが検出され、且つ坂道発進補助装置50が
作動していない時に、圧力スイッチ125がオフでリミ
ットスイッチ126がオン信号を出力している場合は、
やはりモータ22の駆動部分の故障が考えられ、モータ
22やリレー160のフェイルを検出するようになって
いる。
【0108】また、駐車ブレーキ安全装置60が作動し
ていて、ブレーキペダル4及びクラッチペダルのいずれ
も踏んでいない状態であることが検出され、且つ坂道発
進補助装置50が作動していない時に、圧力スイッチ1
25,リミットスイッチ126がともにオフの場合は、
リミットスイッチ126の断線やブレーキ液圧供給系6
の故障等によるブレーキオイル漏れ等が考えられ、リミ
ットスイッチ126やブレーキ液圧供給系6のフェイル
を検出するようになっている。
【0109】最後に、駐車ブレーキ安全装置60が作動
していて、ブレーキペダル4及びクラッチペダルのいず
れも踏んでいない状態であることが検出され、且つ坂道
発進補助装置50が作動していない時に、圧力スイッチ
125,リミットスイッチ126がともにオン信号を出
力している場合は、やはり、リミットスイッチ126の
固着等が考えられ、リミットスイッチ126のフェイル
を検出するようになっているのである。
【0110】そして、このようにして検出されたフェイ
ルチェックの結果、異常箇所が検出されると、例えばメ
ータパネル内に設けられたディスプレイ(図示省略)等
に表示されるようになっている。なお、このようなフェ
イルチェックは、コントローラ9内のフェイルチェック
検出部(図示省略)で行なわれるようになっている。
【0111】本発明の一実施例としてのブレーキアクチ
ュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置は、上述
のように構成されているので、例えば、図7に示すよう
なフローチャートにしたがってブレーキアクチュエータ
19を作動させて駐車ブレーキ安全装置60を作動させ
る。ここで、図7に示すフローチャートについて簡単に
説明する。まずステップS1で車速センサ13により車
両1の停止が検出されると、ステップS2に進んで、パ
ーキングスイッチ16によりパーキングブレーキの作動
を検出する。
【0112】そして、ステップS3で車速センサ13に
より車両1が動き出したことが検出されると、ステップ
S4においてキースイッチ18によりエンジンが作動中
で、且つニュートラルスイッチ14により変速位置が中
立位置であることが検出されるか、又はステップS5に
おいてキースイッチ18によりエンジンが非作動中(ト
ランスミッションの変速位置は任意)であることが検出
されるという作動条件を満足している場合に、ステップ
S6でブレーキアクチュエータ19を作動させてブレー
キ液圧を増加させる。
【0113】そして、ステップS7でリアホイールブレ
ーキ3を作動させるとともに、ステップS8でパーキン
グブレーキランプ33を作動させ、運転者に駐車ブレー
キ安全装置60の作動を報知するのである。また、駐車
ブレーキ安全装置60が作動したときのブレーキアクチ
ュエータ19の動作について説明すると、図8のように
なる。つまり、作動開始コントローラ62によりブレー
キアクチュエータ19に作動信号が設定されてこの信号
がドライバ66から出力されると、まずモータ22が回
転してナット27が前進する。
【0114】これにより、ナット27がピストン25に
当接してピストン25が前進し、油圧室24の容積が縮
小する。このとき、マスタシリンダ5側の液圧供給系6
に連通してブレーキオイルを油圧室24に供給しうる第
1連通口29が弁機構32により閉塞される。つまり、
ピストン25が所定量だけ前進すると、バルブ138の
ステムがストッパボルト137から離隔するとともに、
リターンスプリング141の付勢力によってバルブ13
8が移動して、連通路142が閉塞されてブレーキオイ
ルは供給されなくなるのである。
【0115】このように、ピストン25が前進すること
により、第1連通口29が閉塞されるとともに油圧室2
4の容積が縮小されることにより、ブレーキ液圧供給系
6におけるブレーキアクチュエータ19とブレーキ作動
部材側との間の液圧が増加して、車両1により大きな制
動力が作用するのである。そして、この後、液圧検出室
150において液圧が所定圧力まで上昇すると、圧力ス
イッチ125がオンになる。また、コントローラ9で
は、圧力スイッチ125からのオン信号を検出すると、
動力発生部停止手段165においてモータ22の作動停
止信号を出力してモータ22への電力供給を遮断する。
【0116】これにより、図12に示すように、液圧が
急激に高まってモータ22の負荷が大きくなる前にモー
タ22の作動を停止させることにより、モータ22に過
度の負荷がかかることがなく、モータ22やリレー16
0を過電流から保護することができるのである。なお、
この圧力スイッチ125はヒステリシスを有しており、
ブレーキオイル液圧が低下して圧力スイッチ125がオ
フになると、コントローラ9では、再び圧力スイッチ1
25がオン信号を出力するまでモータ22を作動させて
再加圧を行なう。なお、このような再加圧は繰り返し行
なわれる。
【0117】したがって、液圧が低下した場合でも、こ
のような再加圧を行なうことで十分なブレーキ力を得る
ことができるのである。また、すでに述べたように、こ
のときドライバ67からはパーキングブレーキランプ3
3を点滅させる信号が出力されて、駐車ブレーキ安全装
置60が作動中であることが運転者に報知される。
【0118】また、駐車ブレーキ安全装置60の作動解
除時のブレーキアクチュエータ19の動作について説明
すると、図9のようになる。
【0119】すなわち、作動解除コントローラ62によ
りブレーキアクチュエータ19に作動解除信号が設定さ
れてこの信号がドライバ66から出力されると、ブレー
キアクチュエータ19では、モータ22が逆回転してナ
ット27を後退させる。これにより、ピストン25は油
圧室24内の油圧反力と、油圧室24内に配設されたリ
ターンスプリング31の付勢力との作用により後退し
て、ブレーキ液圧供給系6におけるブレーキアクチュエ
ータ19とブレーキ作動部材側との間の液圧が減少す
る。
【0120】また、このときは第1連通口29と油圧室
24とが連通した状態となる。つまり、ピストン25が
所定位置まで後退すると、バルブ138のステムがスト
ッパボルト137に当接し、バルブ138がリターンス
プリング141の付勢力に抗して移動して連通路142
が開状態となる。したがって、リアホイールブレーキ3
のブレーキ作動部材側へのブレーキ液圧が開放され、制
動力を発揮しなくなるのである。
【0121】また、モータ22の回転にともなってナッ
ト27が後退してくると、連通路142が開状態となっ
た後の所定の後退位置でリミットスイッチ126がオン
信号う出力する。そして、コントローラ9では、リミッ
トスイッチ126からのオン信号を検出すると、動力発
生部停止手段165においてモータ22の作動停止信号
を出力してモータ22の作動を停止させるのである。
【0122】これにより、ナット27が後端まで後退し
ているにもかかわらず、バッテリ68からの電力供給を
受けてモータ22が回転するといったことがなくなるの
で、図13に示すように、モータ22やリレー160に
過電流が流れることがなくなり、やはりモータ22やリ
レー160を保護することができるようになる。次に、
フェイルチェック時の動作について説明すると、図10
に示すようなものになる。
【0123】つまり、ブレーキアクチュエータ19のフ
ェイルチェック時は、まず、ブレーキアクチュエータ1
9のモータ22を作動させてブレーキ液圧の加圧を行な
う。このとき、圧力スイッチ125等からの検出信号に
基づいて、主に油圧室24の加圧状態がチェックされ
る。次に、モータ22を逆回転させてブレーキ液圧の減
圧を行なう。そして、このときはリミットスイッチ12
6等からの検出信号に基づいて、主にピストン25の後
退が確認されるのである。
【0124】このように本発明のブレーキアクチュエー
タ19を用いたブレーキ装置では、信号待ちや渋滞等の
一時停車時には、坂道発進補助装置50を作動させ、ブ
レーキペダル4から足を離しても制動力を維持するよう
にすることで、運転者の疲労の低減を図ることができ、
また、容易に坂道発進を行なうことができるようにな
る。
【0125】一方、パーキングブレーキを作動させて車
両1を駐停車させた場合には、エンジンが作動中で且つ
変速位置が中立位置であるか、又はエンジンが非作動中
で変速位置が任意であると駐車ブレーキ安全装置60が
作動する。これにより、坂道等で何ら操作していないに
もかかわらず車両1が動き出そうとするとブレーキアク
チュエータ19が作動しブレーキ液圧を増加させて駐停
車中の車両1の安全が確保される。
【0126】また、ブレーキアクチュエータ19に液圧
検出室150が設けられ、この液圧検出室150に油圧
室24内の液圧を検出する圧力スイッチ125が設けら
れているので、リレーボックス160やモータ22を過
電流等による損傷から保護することができる。すなわ
ち、コントローラ9では、圧力スイッチ125のオン信
号を検出すると、ブレーキアクチュエータ19によりブ
レーキオイルの液圧が十分に高められたと判断して、モ
ータ22の作動を停止させるので、モータ22が必要以
上に駆動されるようなことがなくなり、これにより、リ
レーボックス160やモータ22を過電流から保護する
ことができるようになるのである。
【0127】また、ブレーキアクチュエータ19による
ブレーキオイルの加圧後、液圧が低下して圧力スイッチ
125がオフとなると、圧力スイッチ125がオンにな
るまで再び加圧を介しするので、車両1の動きを確実に
停止させることができるのである。また、ブレーキアク
チュエータ19にリミットスイッチ126を設けて、ナ
ット27が所定の位置まで後退するとモータ22の回転
が停止するのように構成されているため、ナット27が
後端まで後退しているにもかかわらず、バッテリ68か
らの電力供給を受けてモータ22が回転しようとすると
いったことがなくなり、やはり、モータ22やリレー1
60を過電流から保護することができるようになる。
【0128】さらに、このような圧力スイッチ125や
リミットスイッチ126を設けることにより、フェイル
チェック機能を簡単に追加することができ、駐車ブレー
キ安全装置60の信頼性や安全性をさらに高めることが
できるようになる。ところで、アクチュエータ19が故
障しても、ピストン25には手動による回転力を入力し
うる手動回転入力部172が設けられているので、この
手動回転入力部172を手動で回転させることにより、
ピストン25を後退させることができ、通常の走行を行
なうことができる。
【0129】つまり、このような場合は、ドライバはグ
ロメット171を取り外して、手動回転入力部172を
露出させ、六角レンチ等の工具又は専用の治具等を手動
回転入力部172に嵌合させた後、手動でピストン駆動
軸131を回転させてピストン25を後退させるのであ
る。そして、これにより、ブレーキアクチュエータ19
の第1連通口29と第2連通口30とが連通して、通常
の走行が可能となるのである。
【0130】また、駐車ブレーキ安全装置60がエンジ
ンがオフのときに作動すると、タイマ65がトリガされ
てこのカウントが開始される。そして、このタイマ65
により車両1が停止した状態で所定時間(例えば1時
間)経過したことが検出されると、パーキングブレーキ
が十分に作動していて駐車の安全が確保されていると判
断して、車速センサ用電源スイッチ64やシステム用電
源スイッチ64Aをオフにして、車速センサ13や駐車
ブレーキ安全装置制御手段61をオフ状態にする。ま
た、この場合は、ドライバ67からのパーキングブレー
キランプ33の点滅信号もオフにして、駐車ブレーキ安
全装置60の作動がオフになったことを運転者に知らせ
る。
【0131】これにより、車速センサ13による必要以
上の電力消費を抑制することができ、バッテリ上がりを
防止することができる。また、タイマ65では、キース
イッチ18によりエンジンが作動状態である間は、図示
しないタイマリセット手段によりタイマ65がリセット
されるので、エンジンが非作動状態になったときのみ確
実に所定時間をカウントすることができる。
【0132】さらに、駐車ブレーキ安全装置60の作動
時には、ドライバ67からの出力信号に基づいてパーキ
ングブレーキランプ33が点滅するので、この駐車ブレ
ーキ安全装置60が作動を確実に運転者に報知すること
ができる。なお、このモータ22に、圧力スイッチ(圧
力検出部材)125の代わりにモータ22の負荷を検出
する負荷検出手段を設け、負荷検出手段で検出された負
荷が所定値以上になると、モータ22を停止させる電動
機停止手段を設けて構成してもよい。
【0133】また、ブレーキアクチュエータ19を必ず
しも後輪側のブレーキ液圧供給系6に設ける必要はな
く、例えばこれを前輪側のブレーキ液圧供給系6に設け
て構成してもよい。さらには、独立に構成された前輪用
ブレーキアクチュエータ及び後輪用ブレーキアクチュエ
ータを前輪側及び後輪側のブレーキ液圧供給系6にそれ
ぞれ設けて構成してもよい。そして、このような構成に
することで、より確実に車両の駐車時の安全を確保する
ことができる。
【0134】また、移動部材(ナット)27の後退を検
出するセンサとしては、上述の実施例で用いたリミット
スイッチ126がコストや信頼性の面でも有利である
が、これ以外にも他の型式の接触型センサや光電式,磁
気感応式等の非接触型のセンサ等を使用してもよい。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のブレーキアクチュエータによれば、回転力を発生
する動力発生部と、該動力発生部を取り付けるアクチュ
エータ筐体部と、該アクチュエータ筐体部内の空間部に
形成されるとともに、車両用のブレーキ作動用非圧縮流
体供給系に介装された液圧発生部と、該アクチュエータ
筐体部内の空間部に配設され、該動力発生部で発生した
回転力を受けて前後進することにより、該液圧発生部内
の容積を変更して、該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系
におけるブレーキ作動部材側への液圧を増加させるピス
トン部材と、該動力発生部と該ピストン部材との間に介
装されて、該動力発生部で発生した回転力を受けて該ピ
ストン部材を前後進させるネジ機構とをそなえるととも
に、該ピストン部材による液圧解放動作時に該ネジ機構
のうちの移動部材が所定位置にまで後退すると、これを
検出するセンサをそなえて構成されることにより、液圧
解放動作時に動力発生部の作動を所定位置で停止させる
ことができ、動力発生部等を過電流から保護することが
できるという利点がある。
【0136】また、請求項2記載の本発明のブレーキア
クチュエータ制御装置によれば、回転力を発生する動力
発生部と、該動力発生部を取り付けるアクチュエータ筐
体部と、該アクチュエータ筐体部内の空間部に形成され
るとともに、車両用のブレーキ作動用非圧縮流体供給系
に介装された液圧発生部と、該アクチュエータ筐体部内
の空間部に配設され該動力発生部で発生した回転力を受
けて前後進することにより該液圧発生部内の容積を変更
して該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系におけるブレー
キ作動部材側への液圧を増加させるピストン部材と、該
動力発生部と該ピストン部材との間に介装されて該動力
発生部で発生した回転力を受けて該ピストン部材を前後
進させるネジ機構と、該ピストン部材による液圧解放動
作時に該ネジ機構のうちの移動部材が所定位置にまで後
退すると、これを検出するセンサとをそなえてなるブレ
ーキアクチュエータが設けられるとともに、該ブレーキ
アクチュエータの該動力発生部に制御信号を供給して、
該動力発生部で正回転させて、該ネジ機構の該移動部材
を前進移動させることにより、該ピストン部材を前進さ
せて、該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系におけるブレ
ーキ作動部材側への液圧を増加させるとともに、該動力
発生部で逆回転させて、該ネジ機構の該移動部材を後進
移動させることにより、該ピストン部材を後進させて、
該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系におけるブレーキ作
動部材側の増圧状態を解放する制御手段が設けられ、且
つ、該リミットスイッチで該移動部材が所定位置にまで
後退したことが検出されると、該動力発生部を停止させ
る動力発生部停止手段が設けられるという簡素な構成に
より、増圧状態の解放時に動力発生部等を過電流から保
護することができるようになり、本装置の作動信頼性も
向上するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータにおける要部構成を示す模式的な断面図であって、
図1は図2におけるA−A断面図である。
【図2】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータにおける要部構成を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータにおける外形形状を示す模式的な構成図であって、
図1におけるB方向矢視図である。
【図4】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータにおける外形形状を示す模式的な構成図であって、
図2におけるC方向矢視図である。
【図5】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータ制御装置における全体構成を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータ制御装置における制御系の全体構成を示す模式的な
制御ブロック図である。
【図7】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータ及びブレーキアクチュエータ制御装置の作動を簡単
に説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータ及びブレーキアクチュエータ制御装置の作動を簡単
に説明するための図である。
【図9】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュエ
ータ及びブレーキアクチュエータ制御装置の作動解除動
作を簡単に説明するための図である。
【図10】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュ
エータ制御装置のフェイルチェック時の動作について説
明するための図である。
【図11】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュ
エータ制御装置のフェイルチェックの項目を説明する図
である。
【図12】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュ
エータ制御装置の作用を説明するためのグラフであっ
て、ブレーキアクチュエータのピストン前進時における
作動流体の液圧及びモータの電流の変化を示すグラフで
ある。
【図13】本発明の一実施例としてのブレーキアクチュ
エータ制御装置の作用を説明するためのグラフであっ
て、ブレーキアクチュエータのピストン後退時における
作動流体の液圧及びモータの電流の変化を示すグラフで
ある。
【図14】ブレーキアクチュエータの液圧開放時におけ
る作動流体の液圧の変化及びモータの電流の変化を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 車両 2 フロントホイールブレーキ(前輪側ブレーキ) 3 リアホイールブレーキ(後輪側ブレーキ) 4 ブレーキペダル(サービスブレーキ操作部材) 5 マスタシリンダ 6 ブレーキ液圧供給系(ブレーキ作動用非圧縮性流体
供給系) 7 切り換え弁(マグネットバルブ) 8 LSV(ロードセンシングバルブ) 9 制御手段としてのコントローラ 10 作動スイッチ 11 調整スイッチ 12 クラッチぺダルストロークセンサ(又はクラッチ
センサ) 13 車速センサ(車速検出手段) 14 ニュートラルスイッチ(変速位置検出手段) 15 ストップランプスイッチ(サービスブレーキ操作
部材作動状態検出手段) 16 パーキングスイッチ(駐車ブレーキ作動状態検出
手段) 17 ドアスイッチ 18 キースイッチ(エンジン作動状態検出手段) 19 ブレーキアクチュエータ 20 警報ランプ 21 警報ブザー 22 モータ又は電動機(アクチュエート部) 23 ケーシング(アクチュエータ筐体部) 23A 空間部(シリンダ) 24 油圧室(液圧発生部) 25 ピストン(増圧部材又はピストン部材) 25A 連通孔 27 移動部材としてのナット 28 ねじ機構 29 第1連通口 30 第2連通口 31 リターンスプリング 32 弁機構 33 パーキングブレーキランプ 50 坂道発進補助装置 51 坂道発進補助装置制御手段 52 作動開始コントローラ 53 作動解除コントローラ 54 作動警報コントローラ 55,56 ドライバ 60 駐車ブレーキ安全装置 61 駐車ブレーキ安全装置制御手段 62 作動開始コントローラ(第1制御手段) 63 作動解除コントローラ(第2制御手段) 64 車速センサ用電源遮断スイッチ 64A システム用電源スイッチ 65 タイマ手段 66,67 ドライバ 68 バッテリ 69 ゴムカップ(シール部材) 125 圧力スイッチ(圧力検出部材) 126 リミットスイッチ(センサ) 126A スイッチ本体 126B センサロッド(リミットスイッチの作動端) 126C ロッドガイド 130 減速機構(又は回転力伝達機構) 130A ピニオンギア 130B ドリブンギア 131 ピストン駆動軸 131A 雄ねじ 132 ギアピン 133 スラストベアリング 134 ストッパ 135 凹部 136 スリーブ 137 ストッパボルト 138 バルブ 139 長穴部 140 空間部 141 リターンスプリング 142 作動油供給用連通路 150 液圧検出室 151 オリフィス 160 リレー 165 動力発生部停止手段 170 カバー部材(ギアカバー) 171 グロメット(キャップ) 172 手動回転入力部(ボルト状端部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南雲 繁 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工会社内 (72)発明者 大熊 寛 神奈川県横浜市港南区笹下一丁目4番地43 号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転力を発生する動力発生部と、 該動力発生部を取り付けるアクチュエータ筐体部と、 該アクチュエータ筐体部内の空間部に形成されるととも
    に、車両用のブレーキ作動用非圧縮流体供給系に介装さ
    れた液圧発生部と、 該アクチュエータ筐体部内の空間部に配設され、該動力
    発生部で発生した回転力を受けて前後進することによ
    り、該液圧発生部内の容積を変更して、該ブレーキ作動
    用非圧縮流体供給系におけるブレーキ作動部材側への液
    圧を増加させるピストン部材と、 該動力発生部と該ピストン部材との間に介装されて、該
    動力発生部で発生した回転力を受けて該ピストン部材を
    前後進させるネジ機構とをそなえるとともに、 該ピストン部材による液圧解放動作時に該ネジ機構のう
    ちの移動部材が所定位置にまで後退すると、これを検出
    するセンサをそなえて構成されたことを特徴とする、ブ
    レーキアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 回転力を発生する動力発生部と、 該動力発生部を取り付けるアクチュエータ筐体部と、 該アクチュエータ筐体部内の空間部に形成されるととも
    に、車両用のブレーキ作動用非圧縮流体供給系に介装さ
    れた液圧発生部と、 該アクチュエータ筐体部内の空間部に配設され該動力発
    生部で発生した回転力を受けて前後進することにより該
    液圧発生部内の容積を変更して該ブレーキ作動用非圧縮
    流体供給系におけるブレーキ作動部材側への液圧を増加
    させるピストン部材と、 該動力発生部と該ピストン部材との間に介装されて該動
    力発生部で発生した回転力を受けて該ピストン部材を前
    後進させるネジ機構と、 該ピストン部材による液圧解放動作時に該ネジ機構のう
    ちの移動部材が所定位置にまで後退すると、これを検出
    するセンサとをそなえてなるブレーキアクチュエータが
    設けられるとともに、 該ブレーキアクチュエータの該動力発生部に制御信号を
    供給して、該動力発生部で正回転させて、該ネジ機構の
    該移動部材を前進移動させることにより、該ピストン部
    材を前進させて、該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系に
    おけるブレーキ作動部材側への液圧を増加させるととも
    に、該動力発生部で逆回転させて、該ネジ機構の該移動
    部材を後進移動させることにより、該ピストン部材を後
    進させて、該ブレーキ作動用非圧縮流体供給系における
    ブレーキ作動部材側の増圧状態を解放する制御手段が設
    けられ、 且つ、該センサで該移動部材が所定位置にまで後退した
    ことが検出されると、該動力発生部を停止させる動力発
    生部停止手段が設けられたことを特徴とする、ブレーキ
    アクチュエータ制御装置。
JP7102814A 1995-04-26 1995-04-26 ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置 Expired - Fee Related JP2887736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7102814A JP2887736B2 (ja) 1995-04-26 1995-04-26 ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7102814A JP2887736B2 (ja) 1995-04-26 1995-04-26 ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08301083A true JPH08301083A (ja) 1996-11-19
JP2887736B2 JP2887736B2 (ja) 1999-04-26

Family

ID=14337509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7102814A Expired - Fee Related JP2887736B2 (ja) 1995-04-26 1995-04-26 ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2887736B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005537176A (ja) * 2002-08-13 2005-12-08 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 電気機械式駐車ブレーキを操作する方法
US7140697B2 (en) 2002-11-27 2006-11-28 Advics Co., Ltd. Electric parking brake apparatus
JP2008174169A (ja) * 2007-01-22 2008-07-31 Honda Motor Co Ltd ブレーキ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005537176A (ja) * 2002-08-13 2005-12-08 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 電気機械式駐車ブレーキを操作する方法
US7140697B2 (en) 2002-11-27 2006-11-28 Advics Co., Ltd. Electric parking brake apparatus
JP2008174169A (ja) * 2007-01-22 2008-07-31 Honda Motor Co Ltd ブレーキ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2887736B2 (ja) 1999-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8016720B2 (en) Hold function for temporarily holding an operationally ready motor vehicle in a stationary state
JP2009541888A (ja) 存在監視部を備える運転者支援システム
US7597170B2 (en) Method for controlling the operation of a reversible belt retractor in a motor vehicle
EP0168356B1 (en) A device for automatically restarting the engine of a motor vehicle after sudden braking
US20030090150A1 (en) Braking device for vehicles
JP2891166B2 (ja) ブレーキアクチュエータ
GB2143978A (en) Vehicle safety device
JPH0776235A (ja) 車両用灯火制御装置
JPH0215423B2 (ja)
US5224736A (en) Safety belt arrangement for occupants of land vehicles and aircraft
JP2887736B2 (ja) ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置
JP5395846B2 (ja) アイドリングストップシステムおよびアイドリングストップの方法
JPH08296677A (ja) ブレーキアクチュエータ
JPH08296676A (ja) ブレーキアクチュエータ及びブレーキアクチュエータ制御装置
JPH08198100A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08198071A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JP3204016B2 (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JP3612091B2 (ja) 車両用停止維持装置
JP3264130B2 (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08198070A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08198080A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JPH08198094A (ja) ブレーキアクチュエータ
JPH08198073A (ja) 駐車ブレーキ安全装置
JP3293419B2 (ja) ロックブレーキ装置
JPH0565061A (ja) 車両用ブレーキ制御装置の安全機構およびブレーキアクチユエータ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990106

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090219

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090219

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100219

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees