JPH08300571A - 基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた 液体収納用容器 - Google Patents

基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた 液体収納用容器

Info

Publication number
JPH08300571A
JPH08300571A JP7129396A JP12939695A JPH08300571A JP H08300571 A JPH08300571 A JP H08300571A JP 7129396 A JP7129396 A JP 7129396A JP 12939695 A JP12939695 A JP 12939695A JP H08300571 A JPH08300571 A JP H08300571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pullulan
packaging material
layer
paper
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7129396A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Akiba
正典 秋庭
Yoshinao Tanaka
良直 田中
Hikoya Nagao
彦哉 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHOKUHIN SANGYO ECOLOGICAL PACKING GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Original Assignee
SHOKUHIN SANGYO ECOLOGICAL PACKING GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHOKUHIN SANGYO ECOLOGICAL PACKING GIJUTSU KENKYU KUMIAI filed Critical SHOKUHIN SANGYO ECOLOGICAL PACKING GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Priority to JP7129396A priority Critical patent/JPH08300571A/ja
Publication of JPH08300571A publication Critical patent/JPH08300571A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/80Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用済み容器の包装材料を構成する紙層等の
基材を効率よく分離回収して再生を容易とし、再生処理
で発生する廃水の処理が容易で、しかも、食品包装用と
しての安全性が高く、さらには、ガスバリヤー性に優れ
内容物保護の面でも効果が高い、基材を分離回収可能な
包装材料およびこれを用いた液体収納用容器を提供す
る。 【構成】 紙層等の基材と他のフィルムとの積層体から
なる包装材料であって、回収を目的とする前記基材と他
のフィルムとの間に、プルラン層を設ける。たとえば、
一般の紙パックの紙層の両面にプルラン層を有する、ポ
リエチレンフィルム1/プルラン層2/板紙3/プルラ
ン層4/ポリエチレンフィルム5、等からなる構成が挙
げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、牛乳、ジュース、コー
ヒーを始めとする各種飲料等の容器に用いる包装材料に
関するもので、詳しくは、使用済み容器の包装材料を構
成する紙層等の基材を効率よく分離回収して再生を可能
とする包装材料およびこれを用いた液体収納用容器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】牛乳、ジュース、コーヒーを始めとする
各種飲料等の容器としては、従来のビン・缶に代わる経
済的なワンウェイ液体容器として紙パックが多用される
ようになってきた。この紙パックは、内層にアルミニウ
ム箔あるいはポリエチレンを、外層に紙層を、場合によ
ってはさらにその外側にポリエチレンを配した積層構造
となっている。このような積層構造は、紙層と他のフィ
ルムとが接着されていて、これを分離回収して所望の基
材を再生することは非常に困難であるため、ほとんどが
焼却処分されている。
【0003】このような問題を解決するため、例えば、
特開平4−211932号公報には、合成樹脂ラミネー
ト層と紙層とからなるラミネート加工紙において、前記
ラミネート層と紙層との間にワックス、ポリビニルアル
コール系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアク
リル系、変性シリコーン系化合物等からなる接着・剥離
コントロール剤層を介在させること、特開平5−578
47号公報には、板紙基材層の両面にそれぞれ積層した
ポリビニルアルコールなどの水溶性熱可塑性樹脂層を介
して他の熱可塑性合成樹脂層等を設けること、また、特
開平4−224940号公報には、樹脂積層紙におい
て、片面あるいは両面にアルカリ可溶性樹脂層を設ける
こと、等が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来公報に記載
されている技術はいずれも、使用済の容器から紙層を分
離回収して再生化を図ることを目的とするものである
が、紙層を分離回収するのに要する処理時間が長くかか
ったり、再生処理工程で発生する廃水の処理が困難であ
ったり、また上記の接着・剥離コントロール剤層、水溶
性熱可塑性樹脂層、あるいはアルカリ可溶性樹脂層等に
用いられる材質によっては、食品包装上の安全性に問題
があったりするなどの種々の問題点が存する。
【0005】本発明は上記従来の問題点に鑑み為された
もので、その目的とするところは、使用済み容器の包装
材料を構成する紙層等の基材を効率よく分離回収して再
生を容易とし、再生処理で発生する廃水の処理が容易
で、しかも、食品包装用としての安全性が高く、さらに
は、ガスバリヤー性に優れ内容物保護の面でも効果が高
い、基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた
液体収納用容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の包装材料は、紙層等の基材と他のフィルム
との積層体からなる包装材料であって、回収を目的とす
る前記基材と他のフィルムとの間に、プルラン層が設け
られていることを特徴としている。
【0007】また、本発明の包装材料は、前記基材が紙
層であることを特徴としている。
【0008】また、本発明の包装材料は、前記プルラン
層が、前記基材の表面にコーティングにより設けられて
いることを特徴としている。
【0009】さらに、本発明の液体収納用容器は、上記
に記載の包装材料を打ち抜いて作製したブランクスを、
該ブランクスに設けた罫線に沿って折り曲げ、所定部分
を熱接着して作製したことを特徴としている。
【0010】またさらに、本発明の液体収納用容器は、
前記ブランクスの切断端縁が内容物に接しないように、
その端縁を容器外面側に折り返してから他の端縁と熱接
着したことを特徴としている。
【0011】以下、本発明についてさらに詳しく説明す
る。
【0012】本発明に用いられるプルランとは、微生物
により生産される中性多糖類であって、主としてマルト
トリオース(グルコース3分子がα−1,4結合)がα
−1,6結合した構造からなっている水溶性の物質であ
る。
【0013】本発明に係るプルラン層を設けた包装材料
は、たとえば、液体収納用容器として一般に用いられて
いる紙パックに好ましく適用できる。
【0014】本発明の包装材料は、例えば、紙パックに
適用する場合の積層構成として、 ・構成例1 ポリエチレン/プルラン/紙/プルラン/ポリエチレン ・構成例2 ポリエチレン/プルラン/紙/プルラン/ポリエステル
/ポリエチレン ・構成例3 ポリエチレン/プルラン/紙/プルラン/ポリエチレン
/アルミニウム箔/ポリエステル/ポリエチレン 等が挙げられ、一般の紙パックの紙層の両面にプルラン
層を有する構成である。
【0015】本発明の包装材料は、このプルラン層によ
り、紙の再生処理が容易になる。すなわち、一般に紙の
再生は、パルパーという機械を用いて、紙製品を水中で
ほぐし、含まれているパルプ分を分離することで行われ
ている。しかし、紙パックなどは前述のように紙以外の
材質が含まれており、パルプ分のみを分離することは困
難である。そこで、紙層の両面に水溶性のプルラン層を
設けることで、このプルラン層が水中に溶解し、回収容
器を紙層と他の材質に簡単に分離することができれば、
効率よくパルプ分を回収して紙の再生が可能となる。
【0016】上記プルラン層は、原則として、分離回収
を行う基材(上述の構成例で言えば紙層)の両面に設け
られるが、目的とする基材が最外層である場合には、そ
の基材の内側だけにプルラン層を設ければよい。
【0017】上記プルラン層は、紙層の表面にコーティ
ングにより設けられることが好ましい。コーティングの
方法は特に問わないが、一般には、キャスティング法
(流延法)、グラビアコート法等の方法が適当である。
すなわち、プルランの水溶液を上記の方法を用いて紙層
の表面にコーティングし、これを60〜120℃前後の
温度で乾燥させることにより紙層の表面にプルラン層を
形成する。
【0018】上記プルラン層の厚みは、本発明において
特に限定されるわけではないが、プルラン層の厚みが薄
いと、紙層表面の繊維の凹凸が十分埋まらず、積層した
ときに隣接の例えばポリエチレン等が紙層に絡んで結着
され、紙層とポリエチレン層等との分離を阻害する恐れ
がある。一方、プルラン層の厚みを厚くすることは、コ
スト的には不利であるが、プルラン層はガスバリアー性
が優れ、内容物保護の面でも効果が高いので、ガスバリ
アー性を向上させるためには厚い方がよく、一般には1
0〜50μm程度の範囲の厚みが適当である。
【0019】本発明に用いるプルランは、103〜108
の範囲の分子量のものが好ましい。分子量が103未満
のものであると、紙層に対する結着力が小さく、剥離強
度が小さいため、たとえば紙パック成形時、罫線部分が
剥離される可能性が高く好ましくない。また、分子量が
108を超えるものであると、粘着性が高すぎて、コー
ティングしたときのフィルム化が困難になる。
【0020】本発明に用いるプルランは、水溶性である
こと以外に、可食性であるため、食品包装に用いても安
全衛生性が高い。
【0021】また、本発明に用いるプルランは、生分解
性を有しており、紙の再生処理で発生する廃水について
も容易に微生物による処理が可能であり、公害発生の恐
れが少ない。
【0022】ここで、本発明に用いるプルランの微生物
による分解性を確認した試験結果を示す。 [方法]活性汚泥500mlにプルラン(後述の実施例
で使用したものと同じ)2.5gを溶解し、1N水酸化
ナトリウムでpHを7付近に調整した(プルラン濃度:
0.5%)。プルランを添加した活性汚泥(プルラン添
加系)および何も添加していない活性汚泥(コントロー
ル系)を25℃で14日間ばっ気(通気量 400ml
/min)した。
【0023】ばっ気開始前およびばっ気開始後1,2,
4,7,14日目に各々をサンプリングした。ばっ気
中、プルラン添加系は幾分pH上昇を認めたため、pH
7〜8になるように1N塩酸にて調整した。また、コン
トロール系はpHが幾分低めになったため、1N水酸化
ナトリウムにて同様に調整した。
【0024】サンプリングした液は0.45μmメンブ
ランフィルターで濾過した後、アンスロン硫酸法で全糖
量を測定し、また、HPLCにて糖組成を分析した。
(試料は濾液をそのままHPLCに供した。)(HPL
C条件) カラム:MCI GEL CKO8EC(Ca型)
8mmφ×300mm 溶離液:ミリQ水 流 量:0.6ml/min 温 度:75℃ 検出器:RI 注入量:20μl 試験の結果、活性汚泥処理液の全糖量と分解率は以下の
通りである。 *プルラン添加系からコントロール系を差し引いた値 さらに、本発明に用いるプルランは、前述の如く、ガス
バリアー性が高く、基材の易再生化と同時に、内容物保
護の面でも効果が高い。たとえば、上記の構成例1は、
通常のミルクパックに用いられている積層構成(ポリエ
チレン/紙/ポリエチレン)の紙層の易再生化を考慮し
た構成であるが、プルラン層を紙層の両面に有すること
により、ガスバリアー性も付与され、内容物の劣化防
止、容器外部からの着臭防止の機能が大幅に向上し、本
発明の包装材料を用いた容器は、ミルク以外の内容物の
収納も可能となる。
【0025】以上のように構成されている本発明の包装
材料を用いて液体収納用容器を作製するには、本発明の
包装材料を所定の形状に打ち抜いて作製したブランクス
を、該ブランクスに設けた罫線に沿って折り曲げ、所定
の端縁同志を熱接着してシールする。すると、例えば、
図3(a)に示すような、内容物の充填前の容器が出来
上がる。
【0026】ところで、図3(b)に示すように、上記
のブランクスの端縁同志をそのままシールした場合、そ
のシール部はブランクスの切断端面が容器内部に露出し
て充填した内容物と接触することになる。その場合、プ
ルラン層は水溶性であるため、プルラン層が内容物に接
触するような構造であると、内容物保存中にプルラン層
が溶出し、紙層とその隣接層間が剥離してくるので、耐
久性に劣る懸念がある。
【0027】そこで、上記ブランクスの切断端面が内容
物と直接接しないように、そのシール部の一方の端縁を
容器外面側に折り返してからもう一方の端縁と熱接着す
ることによりシールする構造とすることが望ましい。よ
り好ましくは、図3(c)に示すように、一方の端縁の
先端部分の厚み方向の中心付近から外側部分を先端から
一定長さで除去し、その残った内側の半分の厚み部分を
外側の除去部分へ折り込んでおき、この先端部分の外面
ともう一方の端縁の内面とを熱接着させる。このように
すると、上記ブランクスを組み立てたときに、シール部
の端縁が内容物と直接接触しない構造となるので、内容
物保存中にプルラン層が溶出して積層材内部の層間で剥
離してくる恐れはない。
【0028】以上のように、本発明の包装材料は、分離
回収を目的とする基材の原則的には両面にプルラン層を
設けた積層構成よりなるものであるが、上記の構成例で
言えば、紙層を分離回収することは、同時に紙層以外の
プラスチック成分等の材質を分離回収することでもあ
る。
【0029】また、本発明の包装材料は、上記の構成例
のような主に紙層の分離回収を目的とした包装材料に勿
論限定されるわけではなく、紙層を含まないような構成
の包装材料であっても構わない。要するに、本発明の包
装材料は、分離回収を目的とする基材とその隣接層との
間にプルラン層を設けることにより、後に回収容器から
その目的とする基材の分離回収が簡単に効率的に行え
る。
【0030】
【作用】本発明の包装材料によると、紙層等の基材と他
のフィルムとの積層体からなる包装材料であって、回収
を目的とする前記基材と他のフィルムとの間に水溶性の
プルラン層が設けられていることにより、紙の再生処理
液(水溶液)中で、このプルラン層が水中に溶解するた
め、回収容器を紙層等の基材と他のフィルムとに簡単に
分離することが出来るので、効率よくパルプ分を回収で
きて紙の再生が可能となる。
【0031】また、本発明の包装材料によると、プルラ
ン層は生分解性があるため、たとえば、基材の再生処理
で発生する廃水についても微生物による処理が可能であ
り、廃水処理が容易である。
【0032】また、本発明の包装材料によると、プルラ
ン層が水溶性であると同時に、可食性であるため、食品
包装に用いた場合の安全衛生性が高い。
【0033】さらに、本発明の包装材料によると、プル
ラン層を設けることによりガスバリアー性が高くなり、
基材の易再生化と同時に、内容物の保護機能が高まる。
ゆえに、従来はアルミニウム箔等のバリアー性の高い材
質を有していないと収納が困難であった内容物の収納も
本発明によれば可能となる。
【0034】またさらに、本発明の包装材料を用いて液
体収納用容器を組み立てる場合に、シール部の一方の端
縁を容器外面側に折り返してからもう一方の端縁と熱接
着することにより、シール部のブランクスの切断端面が
内容物と直接接触しない構造となるので、内容物保存中
にプルラン層が溶出して包装材料内部の層間で剥離が起
こる恐れはない。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 実施例−1 坪量340g/m2のミルクパック用白板紙の両面にそ
れぞれ、プルラン水溶液を真空脱気後、キャスティング
法により均一にコーティングし、70℃で乾燥させて、
厚み10μmのプルラン層を形成した。なお、プルラン
はPF−20(分子量:20×104)((株)林原
製)を使用し、プルラン水溶液のプルラン濃度は30%
とした。
【0036】次に、上記プルラン塗工板紙のプルラン面
にそれぞれ、低密度ポリエチレン(密度:0.923g
/cm3)を押し出しコーティング(樹脂温度:310
℃)し、厚さ30μmのポリエチレンフィルムを積層し
た。
【0037】このようにして得られた図1に示すような
積層体(ポリエチレン1/プルラン2/紙3/プルラン
4/ポリエチレン5)を本発明の包装材料1とした。
【0038】この本発明の包装材料1の酸素透過度の測
定を、JIS K 7126(1987)「プラスチッ
クフィルム及びシートの気体透過度試験方法」に従って
行った。測定条件は次の通りである。
【0039】・方法 B法(等圧法) ・使用機器 OX−TRAN 100型(MODE
RN CONTROLS(株)製) ・温度 20℃ ・相対温度 0%,60%,100%(調湿 2日
間) 測定の結果、本発明の包装材料1の酸素透過度は、いず
れの調湿条件下においても、0.1ml/m2・24h
・atm以下であった。
【0040】また、上記の板紙の両面にプルランをコー
ティングしないで、上記ポリエチレンをコーティングし
て出来た積層体(ポリエチレン/紙/ポリエチレン)を
比較例の包装材料1とした。
【0041】本発明の包装材料1および比較例の包装材
料1を20mm×50mmの大きさに切断し、それぞれ
10枚ずつをサンプルとし、これらのサンプルについ
て、水溶液中での浸漬攪拌試験を行った。このときの水
温は、30℃、40℃及び50℃の3段階でそれぞれ行
い、攪拌速度は、750rpm及び1000rpmの2
段階でそれぞれ行った。
【0042】肉眼観察によって30分毎の完全剥離した
ポリエチレンフィルムの枚数(なお、ポリエチレン/プ
ルラン/紙/プルラン/ポリエチレンの構成のため、1
0枚のサンプルの両面から剥れるポリエチレンが合計で
20枚となり、下記表1等の中の枚数として現れる。)
を計測するとともに、浸漬液中のプルラン濃度を、アン
スロン硫酸法(全糖量測定法)を用いて測定した。その
結果を下記表1乃至表4に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表3(続き)】
【0047】
【表4】
【0048】
【表4(続き)】 表1乃至表4の結果から明らかなように、いずれの条件
下においても、本発明の包装材料1の方が比較例の包装
材料1よりも短時間でポリエチレンフィルムが板紙から
完全剥離することが確認された。
【0049】なお、糖濃度の測定で、比較例の包装材料
1の場合に検知される「糖」は、紙のセルロースや澱粉
に由来するものである。したがって、本発明の包装材料
1の場合においても、主たるプルランの他にこれらの糖
が合わせて検知される。
【0050】また、図4及び図5は、浸漬液の温度と攪
拌速度の影響を、全てのポリエチレンフィルムが板紙か
ら剥離するまでに要した時間(完全剥離時間)で評価し
た結果をグラフに表したものであり、図4は攪拌速度7
50rpmでの温度の影響を、図5は温度50℃での攪
拌速度の影響を、それぞれ表している。図中、Aの折れ
線は本発明の包装材料1を、Bの折れ線は比較例の包装
材料1をそれぞれ示している。
【0051】本発明の包装材料1は、温度が低く、攪拌
速度が緩やかな条件下においても、比較例の包装材料1
の場合の約半分の時間で剥離され、加温や攪拌の省エネ
ルギー化に有効であることが判る。また、本発明の包装
材料1は、このような比較的緩やかな条件下において、
板紙とポリエチレンフィルムとの分離が可能なため、回
収されるパルプの繊維そのものはほとんど傷んでおら
ず、繊維の長いものが得られ、高品質な紙の再生が可能
となる。 実施例−2 坪量340g/m2のミルクパック用白板紙の両面にそ
れぞれ、プルラン水溶液を真空脱気後、キャスティング
法により均一にコーティングし、70℃で乾燥させて、
厚み10μmのプルラン層を形成した。なお、プルラン
は実施例−1で使用したPF−20(分子量:20×1
4)((株)林原製)を使用し、プルラン水溶液のプ
ルラン濃度は30%とした。
【0052】次に、上記プルラン塗工板紙のプルラン面
の一方に、低密度ポリエチレン(密度:0.923g/
cm3)を押し出しコーティング(樹脂温度:310
℃)し、厚さ30μmのポリエチレンフィルムを積層し
た。
【0053】これとは別に、ドライラミネート法により
積層した、アルミニウム(7μm)/ポリエチレンテレ
フタレート(12μm)/ポリエチレン(60μm)か
らなる積層フィルムを作製した。
【0054】次いで、この積層フィルムのアルミニウム
面と、上記プルラン塗工板紙のもう一方のプルラン面と
を対向させ、その間に溶融ポリエチレンを膜状に押し出
し、圧着(サンドラミネーション)して、積層体を得
た。なお、上記溶融ポリエチレンは接着性樹脂に変更し
てもよい。
【0055】このようにして得られた図2に示すような
積層体(ポリエチレン1/プルラン2/紙3/プルラン
4/ポリエチレン5/アルミニウム6/ポリエチレンテ
レフタレート7/ポリエチレン8)を本発明の包装材料
2とした。
【0056】また、上記の板紙の両面にプルランをコー
ティングしないで、上記ポリエチレン等をコーティング
して出来た積層体(ポリエチレン/紙/ポリエチレン/
アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチ
レン)を比較例の包装材料2とした。
【0057】本発明の包装材料2および比較例の包装材
料2を20mm×50mmの大きさに切断し、それぞれ
10枚ずつをサンプルとし、これらのサンプルについ
て、実施例−1と同様に、水溶液中での浸漬攪拌試験を
行った。このときの水温は50℃、攪拌速度は750r
pmでそれぞれ行った。
【0058】肉眼観察によって30分毎の完全剥離した
ポリエチレンフィルムと、アルミニウム層を含む側の積
層フィルムとの両方の合計枚数を計測するとともに、浸
漬液中のプルラン濃度を実施例−1と同様に糖濃度によ
り測定した。その結果をグラフに表したものを図6に示
す。図中、Aは本発明の包装材料2を、Bは比較例の包
装材料2をそれぞれ示しており、棒グラフは完全剥離し
たフィルムの枚数を剥離度により、また折れ線グラフは
浸漬液中の糖濃度を糖の溶出度でそれぞれ表したもので
ある。なお、糖の溶出度は、ポリエチレンが全て剥離し
た時点の数値を100%として計算してあるため、Aに
ついては100%以上の値が示されているが、測定誤差
の範囲内である。
【0059】図6の結果から明らかなように、本発明の
包装材料2の方が比較例の包装材料2よりも短時間でフ
ィルム層が板紙から完全剥離することが確認された。 実施例−3 実施例−1と同様にして本発明の包装材料1を作製し、
これを通常のミルクパック用のブランクスの形状に打ち
抜いたブランクスを作製した。
【0060】次いで、このブランクスを該ブランクスに
設けた罫線に沿って折り曲げ、所定部分を熱接着により
シール加工して図3(a)に示すようなパックスリーブ
を作製した。なお、シール部の端縁同志を折り曲げ加工
しないでそのままシールした構造(図3(b)参照)の
ものと、一方の端縁を折り曲げ加工してからもう一方の
端縁とシールした構造(図3(c)参照)のものとを作
製した。
【0061】次に、上記で作製したパックスリーブを用
い、パック成形充填機で牛乳を充填したミルクパックを
作製した。作製したミルクパックの成形性、シール性及
び充填適性はともに良好であった。
【0062】このようにして作製した牛乳充填紙パック
について、JIS Z 0232に準じて、振動試験を行
った。
【0063】振動試験の結果、成形紙パックからの液も
れは観察されなかった。しかし、振動試験後の紙パック
を切り開き、シール部の積層材断面の剥離の状態を観察
したところ、シール部を折り曲げ加工したものは剥離は
生じていなかったが、シール部を折り曲げ加工していな
いものは、内容物である牛乳が露出していた積層材の断
面と接触し、プルランが溶解したことが原因と考えられ
る剥離が観察された。
【0064】さらに、この振動試験品を冷室で1週間保
存し、シール部の積層材断面の剥離の状態を再度観察し
たところ、シール部を折り曲げ加工したものについて
は、振動試験直後と同様、剥離は生じていなかったが、
シール部を折り曲げ加工していないものは、明らかに判
る状態の剥離が確認された。
【0065】したがって、この結果から、シール部を上
記のように折り曲げ加工した構造のものが耐久性に優れ
ることが確認された。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の包
装材料によれば、紙層等の基材と他のフィルムとの積層
体からなる包装材料であって、回収を目的とする前記基
材と他のフィルムとの間に水溶性のプルラン層が設けら
れていることにより、紙の再生処理液(水溶液)中で、
このプルラン層が水中に溶解するため、回収容器を紙層
等の基材と他のフィルムとに簡単に分離することが出来
るので、効率よくパルプ分を回収できて紙の再生が可能
になるという優れた効果を奏する。しかも、従来よりも
約半分の短時間でパルプ分の分離回収が可能で、その際
の液温や攪拌速度も比較的緩やかな条件で行えるので、
回収パルプの繊維が傷まず、高品質の紙等の再生が可能
となる。
【0067】また、本発明の包装材料によれば、プルラ
ン層が生分解性があるため、たとえば、基材の再生処理
で発生する廃水についても微生物による処理が可能であ
り、廃水処理が容易であるという効果を奏する。
【0068】また、本発明の包装材料によれば、プルラ
ン層が水溶性であると同時に、可食性であるため、食品
包装に用いた場合の安全衛生性が高いという効果を奏す
る。
【0069】さらに、本発明の包装材料によれば、プル
ラン層を設けることによりガスバリアー性が高くなり、
基材の易再生化と同時に、内容物の保護機能が高まると
いう効果を奏する。ゆえに、従来はアルミニウム箔等の
バリアー性の高い材質を有していないと収納が困難であ
った内容物の収納も本発明によれば可能となる。
【0070】またさらに、本発明の包装材料を用いて液
体収納用容器を組み立てる場合に、シール部の一方の端
縁を容器外面側に折り返してからもう一方の端縁と熱接
着することにより、シール部のブランクスの切断端面が
内容物と直接接触しない構造となるので、内容物保存中
にプルラン層が溶出して包装材料内部の層間で剥離が起
こる恐れはないため、耐久性の優れた液体収納用容器が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装材料の一実施例の構成を示す断面
図である。
【図2】本発明の包装材料の他の実施例の構成を示す断
面図である。
【図3】ブランクスを用いて組み立てたパックスリーブ
の斜視図及び一部破断拡大斜視図である。
【図4】実施例−1におけるポリエチレンフィルムの完
全剥離時間と浸漬液の温度(水温)との関係を示すグラ
フである。
【図5】実施例−1におけるポリエチレンフィルムの完
全剥離時間と浸漬液の攪拌速度との関係を示すグラフで
ある。
【図6】実施例−2におけるフィルム層の剥離度・糖の
溶出度と分離回収処理経過時間との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 ポリエチレンフィルム 2 プルラン層 3 板紙 4 プルラン層 5 ポリエチレンフィルム 6 アルミニウム層 7 ポリエチレンテレフタレートフィルム 8 ポリエチレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 彦哉 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙層等の基材と他のフィルムとの積層体
    からなる包装材料であって、回収を目的とする前記基材
    と他のフィルムとの間に、プルラン層が設けられている
    ことを特徴とする、基材を分離回収可能な包装材料。
  2. 【請求項2】 前記基材が紙層であることを特徴とす
    る、請求項1記載の基材を分離回収可能な包装材料。
  3. 【請求項3】 前記プルラン層が、前記基材の表面にコ
    ーティングにより設けられていることを特徴とする、請
    求項1または2のいずれかに記載の基材を分離回収可能
    な包装材料。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の包装材料を打ち抜いて作製したブランクスを、該ブラ
    ンクスに設けた罫線に沿って折り曲げ、所定部分を熱接
    着して作製したことを特徴とする液体収納用容器。
  5. 【請求項5】 前記ブランクスの切断端縁が内容物に接
    しないように、その端縁を容器外面側に折り返してから
    他の端縁と熱接着したことを特徴とする請求項4記載の
    液体収納用容器。
JP7129396A 1995-04-28 1995-04-28 基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた 液体収納用容器 Pending JPH08300571A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7129396A JPH08300571A (ja) 1995-04-28 1995-04-28 基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた 液体収納用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7129396A JPH08300571A (ja) 1995-04-28 1995-04-28 基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた 液体収納用容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08300571A true JPH08300571A (ja) 1996-11-19

Family

ID=15008539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7129396A Pending JPH08300571A (ja) 1995-04-28 1995-04-28 基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた 液体収納用容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08300571A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155656A (ja) * 2010-04-12 2010-07-15 Yushin:Kk 飲食品包装袋用の液体注出ノズルおよびそれの製造方法
CN104354418A (zh) * 2014-11-24 2015-02-18 天津市天塑特种母料有限公司 一种具有隔氧性改性制剂的bopp复合薄膜
CN104401075A (zh) * 2014-11-24 2015-03-11 天津市天塑特种母料有限公司 一种具有隔氧性改性制剂的bopp复合薄膜的制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155656A (ja) * 2010-04-12 2010-07-15 Yushin:Kk 飲食品包装袋用の液体注出ノズルおよびそれの製造方法
CN104354418A (zh) * 2014-11-24 2015-02-18 天津市天塑特种母料有限公司 一种具有隔氧性改性制剂的bopp复合薄膜
CN104401075A (zh) * 2014-11-24 2015-03-11 天津市天塑特种母料有限公司 一种具有隔氧性改性制剂的bopp复合薄膜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2002331335B2 (en) Self-absorbing gas-barrier receptacle for food packaging and food package obtained therefrom
AU663229B2 (en) Container to hold aromatic substances
JPH09506300A (ja) 造瘻術用途のための多層遮断フィルム
EP1491458A2 (en) Package, method of manufacturing the package and packet of the package
WO2006073777A1 (en) Pull-tab sealing member with improved heat distribution for a container
JPH08300571A (ja) 基材を分離回収可能な包装材料およびこれを用いた 液体収納用容器
JP3843694B2 (ja) 積層体およびそれを用いた蓋材および軟包装材および複合紙容器
JPH0580224B2 (ja)
JP4259171B2 (ja) 紙製蓋材
JP2925652B2 (ja) 食品包装体
JP5162298B2 (ja) マイクロ波処理包装体用のシート状蓋材、及びマイクロ波処理包装体
JPS5974077A (ja) 包装体
JP4595191B2 (ja) 分離可能な蓋材
JPH01226569A (ja) 包装用袋
JP4677662B2 (ja) 蓋材およびその蓋材を用いた容器
JP2712875B2 (ja) 液体容器用素材の製造方法
JP3475326B2 (ja) ノミとり首輪用ブリスター包装体
JPH06278741A (ja) プラスチック紙容器
JPH10248482A (ja) 食肉包装体
JPS6132753Y2 (ja)
JPH10129720A (ja) ガス滅菌用包装体
JP3064378B2 (ja) カップ状容器
JP3052467B2 (ja) 積層体
GB2289647A (en) film construction for a disposable ostomy pouch
JP2000211052A (ja) 収縮性積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20031224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040426

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110521

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120521

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120521

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521

Year of fee payment: 10