JPH08300267A - パイプ保持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】諸設備の配管工事における管継手箇所の工事の
能率を向上させると共に、工事ミスに基づく管継手継手
部分からの漏れ事故発生を防止するための作業用補助具
を提供する。 【構成】連結杆１の両端部分にクリップ体２ａ，２ｂを
平行に突設したパイプ保持具で、接続すべき２本の被接
続管０５ａ，０５ｂの各端部を管継手Ａに装着した状態
で保持し、保持状態でナット体の締め付け作業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス、空調、油圧、給
湯水の諸設備の配管工事における管継手箇所の工事に使
用するパイプ保持具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】金属配管における管接続の一手段とし
て、配管自体に何等の加工を施す必要がない管継手Ａが
採用される。この管継手Ａは図２に例示した通り、継手
本体０１と、締付ナット体０２と、スリーブ体０３から
構成されている。継手本体０１はその開口端部側の外周
面に螺子を刻設し、その内周面に外側に拡大するテーパ
ー壁面を形成し、更にテーパー壁の奥側端から突出する
内筒０４を設けてなり、また締付ナット体０２は、内周
面に継手本体０１の開口端部外側に螺合する螺子部とテ
ーパー壁面を形成したもので、前記テーパー壁面は、継
手本体０１のテーパー壁面に相対してなる。そして被接
続管０５にスリーブ体０３を被装して、被接続管０５を
本体０１の内筒０４に外挿し、締付ナット体０２を本体
０１に螺合緊締し、各テーパー壁面との密着押圧によっ
てスリーブ体０３を変形させ、スリーブ体０３の両端で
継手本体０１内に挿入された被接続管０５の外周面を密
着押圧してシーリングを実現したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで前記の管継手
を使用しての金属配管工事に於いて、締付ナット体０２
の締め付け作業中に、何らかの原因で被接続管０５が動
揺するとスリーブ体０３への押圧力の均等性が崩れ、均
一なシーリングが実現しない場合があり、また被接続管
０５が締付ナット体０２の回転によって共回りしたり、
被接続管０５が抜け方向に移動したりして完全なシーリ
ングが実現しない場合がある。このため機器の使用時に
管継手部分からの液漏れやガス漏れが生じてしまい、再
工事を必要とされる。更に前記の事態を引き起こさない
ように作業者が被接続管０５をしっかりと握時して作業
すると、作業能率が低下する。そこで本発明は、管継手
の接続作業を完全に且つ能率的に実施できる補助器具と
なるパイプ保持具を提案したものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係るパイプ保持
具は、連結杆の両端部分にクリップ体を平行に突設した
ことを特徴とするものである。

【０００５】特に前記パイプ保持具に於いて、先端部を
挾持部とし、基部を操作摘部として中間部分を枢結する
と共に、枢結部に挾持部を挾圧方向に付勢する発条を付
設したクリップ体を採用し、平行に配置したクリップ体
の各基部同士を、平行な二本の連結杆で連結してなるこ
とを特徴とするものであり、更に前記連結杆を、抜き差
し自在にして長さ調整可能に設けると共に、抜き差し状
態の連結杆を固定する固定構造を付設してなるものであ
る。

【０００６】従って接続すべき２本の被接続管の各端部
を管継手の内筒に外挿した状態で、管継手を挟んで両接
続管をクリップ体で挟持すると、多少の外力が加わって
も管継手と２本の接続管は一体に保持されるので、その
状態で締付ナット体の締め付け作業を行うと、被接続管
の移動もなく完全なシーリングが実現する。

【０００７】またクリップ体に中間部を枢結して挾持方
向に付勢する発条を付設したものを採用すると共に、ク
リップ体を平行な二本の連結杆で連結すると、両連結杆
の片手操作で、両クリップ体を同時に操作できる。

【０００８】更に前記の二本の連結杆を抜き差し自在と
すると、両クリップ体の間隔を調整できることになる。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について説
明する。 ＜第一実施形態＞本発明の第一の実施の形態として示し
たパイプ保持具は、図１の通り連結杆１と２個のクリッ
プ体２ａ，２ｂから構成される。

【００１０】連結杆１は、管継手Ａの長さより充分に長
い棒状体であり、クリップ体２ａ，２ｂは、前記の連結
杆１の両端部分に平行に突設したものである。即ちクリ
ップ体２ａ，２ｂは、先端に樹脂コーティングを施した
挟持部２１を設け、基部に操作摘部２２を備え、その中
間を枢結２３すると共に、挟持部２１を挟圧方向に付勢
する発条２４を枢結部２３に付設してなり、操作摘部２
２の一方の基端を連結杆１に溶接その他の手段で一体的
に連結したものである。

【００１１】而して接続すべき２本の被接続管０５ａ，
０５ｂの各端部を管継手Ａの奥まで充分差し込み、内筒
０４にちゃんと外挿した状態で、両被接続管０５ａ，０
５ｂを、クリップ体２ａ，２ｂの各挟持部２１でしっか
りと挟持すると、被接続管０５に多少の外力が加わって
も管継手Ａと２本の接続管０５ａ，０５ｂは一体に保持
されることになる。従ってこの保持状態で締付ナット体
０２の締め付け作業を行うと、被接続管０５が何等の移
動もなく完全なシーリングが実現し、液漏れやガス漏れ
の無い完全な配管工事を実施することができるものであ
る。更に被接続管０５を保持すると、従来の作業におけ
る被接続管０５の手による保持を必要せず、両手作業を
行うことができ、作業能率も向上する。

【００１２】＜第二実施形態＞図３に示した第二実施形
態は、前記の第一実施形態のパイプ保持具に於いて、連
結杆１ａ，１ｂを二本平行にして、クリップ体２ａ，２
ｂの隣接する操作摘部２２間を接続したものである。こ
の様にクリップ体２の対向する操作摘部２２を異なる連
結杆１ａ，１ｂと連結すると、連結杆１ａ，１ｂの開閉
操作のみで両クリップ体２ａ，２ｂの挾持開放操作がな
される。従って連結杆１ａ，１ｂの開閉は片手で実施す
ることができるので、両クリップ体の開閉操作を片手で
実施できることになる。

【００１３】＜第三実施形態＞図４に示した第三実施形
態は、前記第二実施形態に於いて、連結杆の構造を変更
したものである。即ち第二実施形態の各連結杆１ａ，１
ｂを、それぞれ２個の部材（それぞれのクリップ体２
ａ，２ｂの操作摘部と接続された部材：連結杆部）１
１，１２で形成し、而も一方の連結杆部１１を、鞘状に
形成し、他方の連結杆部１２を前記鞘状連結杆部１１に
抜き差し自在に設けたものである。更に両連結杆部１
１，１２の抜き差し状態を固定する構造として、連結杆
部１２には長孔１３を穿設し、鞘状連結杆部１１には、
前記長孔１３に挿通したボルト１４を装着し、固定ボル
ト１４に、連結杆部１１，１２の固定解除を行う蝶ナッ
ト１５を螺合したものである。

【００１４】従って連結杆部１１，１２の抜き差しによ
ってクリップ体２ａ，２ｂの間隔の調整が可能であり、
予め必要とするクリップ体間隔を定めて被接続管０５の
挾持固定を行っても良いし、逆に被接続管０５をクリッ
プ体２ａ，２ｂで挾持した後、両接続管０５を所定位置
まで接近させて、連結杆部１１，１２の固定を行う様に
しても良い。

【００１５】尚本発明は前記実施例に限定するものでは
なく、クリップ体は、被接続管を保持できる構造であれ
ば良いもので、その具体的構造は任意に定められるので
ある。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明は、連結杆の両端部
分にクリップ体を平行に突設したパイプ保持具で、配管
工事における管継手の接続作業時に、接続しようとする
被接続管をしっかりと保持するもので、管継手を使用し
た管接続作業を完全に且つ能率的に実施できる補助器具
を提供できたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施形態の使用状態を示す斜視
図。

【図２】本発明の使用対象を示す説明図（一部切断正面
図）。

【図３】本発明の第二実施形態の使用状態を示す斜視
図。

【図４】本発明の第三実施形態の使用状態を示す斜視
図。

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ 連結杆 １１，１２ 連結杆部 １３ 長孔 １４ 固定ボルト １５ 蝶ナット ２ａ，２ｂ クリップ体 ２１ 挟持部 ２２ 操作摘部 ２３ 枢結部 ２４ 発条

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連結杆の両端部分にクリップ体を平行に
   突設したことを特徴とするパイプ保持具。
2. 【請求項２】 請求項１記載のパイプ保持具に於いて、
   先端部を挾持部とし、基部を操作摘部として中間部分を
   枢結すると共に、枢結部に挾持部を挾圧方向に付勢する
   発条を付設したクリップ体を採用し、平行に配置したク
   リップ体の各基部同士を、平行な二本の連結杆で連結し
   てなることを特徴とするパイプ保持具。
3. 【請求項３】 請求項２記載のパイプ保持具に於いて、
   連結杆を、抜き差し自在にして長さ調整可能に設けると
   共に、抜き差し状態の連結杆を固定する固定構造を付設
   してなることを特徴とするパイプ保持具。