JPH08299894A - シート状積層体の製造方法 - Google Patents

シート状積層体の製造方法

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JPH08299894A
JPH08299894A JP7108676A JP10867695A JPH08299894A JP H08299894 A JPH08299894 A JP H08299894A JP 7108676 A JP7108676 A JP 7108676A JP 10867695 A JP10867695 A JP 10867695A JP H08299894 A JPH08299894 A JP H08299894A
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Japan
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coating layer
sheet
electron beam
outermost
molded body
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JP7108676A
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Takaharu Miura
喬晴 三浦
Koji Sato
宏治 佐藤
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアーの巻き込みがなく、塗布ムラのない表
面平滑性に優れた電子線硬化樹脂被覆層を有し、成型体
表面上に硬化残留物がなく、安定に連続してシート状積
層体の製造方法を提供。 【構成】 シート状基体の一面上に、電子線硬化性樹脂
組成物を含む内側塗布層を形成し、別に、成型体表面上
に、電子線硬化性樹脂組成物を含む最外側塗布層を形成
し、前記成型体表面上でこれに第一の電子線照射により
硬化された最外側硬化樹脂層を形成し、内側塗布層と重
ね合わせてなる重層体を形成し、この重層体に第二の電
子線を照射して、硬化および接着して形成された最外側
硬化樹脂層および内側硬化樹脂層を有するシート状積層
体を、前記成型体表面から剥離する工程からなり、前記
シート状基体上に設けた内側塗布層の端部が、最外側塗
布層の端部と同位置もしくは外側に位置するように、電
子線硬化性樹脂組成物の内側塗布層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シート状積層体の製造
方法に関するものである。更に詳しく述べるならば、本
発明は、電子線照射により硬化し得る不飽和有機化合物
を主成分とする塗料組成物(以下、電子線硬化性樹脂組
成物という)の硬化物からなる樹脂被覆層をシート状基
体の少なくとも一面上に形成する際、シート状基体と、
成型体表面とを塗布層を介して積層する工程において、
成型体表面上に塗膜の残留物を残さず、樹脂被覆層表面
でのピットの発生を抑え、かつ均一な厚さの塗膜を有
し、写真印画紙用支持体、溶融型熱転写受容シート、昇
華型熱転写受容シート、高光沢感熱記録シート、工程用
剥離紙、ホワイトボード、印刷用紙、金属蒸着紙等とし
て使用するのに有用なシート状積層体を安定的に、連続
して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子線硬化樹脂からなる樹脂被覆層の表
面を平滑化あるいは型付けする場合として、例えば特開
昭49−45946号公報には、板状基材に放射線硬化
材料を塗布し、凹凸模様を有するエンドレスベルトを重
ね合わせることにより、塗布層に凹凸模様を形成させな
がら放射線照射を行ない、硬化させた後、該エンドレス
ベルトから剥離する方法が開示されている。また特公昭
55−10302号公報には、移動するシート状基体上
に電子線硬化性樹脂組成物を塗布した塗布層に金属製円
筒型回転体を圧着し、シート状基体背面から電子線を照
射して電子線硬化性樹脂組成物を硬化させた後、金属製
円筒型回転体から剥離する方法が開示されている。また
特公昭60−17105号公報や特開昭59−2060
43号公報には、金属製円筒型回転体表面に電子線硬化
性樹脂組成物を塗布し、シート状基体を貼り合わせ、基
体背面からの電子線照射により、電子線硬化性樹脂組成
物を硬化させた後、金属製円筒型回転体から剥離する技
術が開示されている。
【0003】しかしこれらの技術はいずれも単層の塗膜
を有するシート状積層体の製造方法を開示したにすぎ
ず、例えば写真印画紙用支持体などのように、現像液に
対する耐性と、シート状積層体の柔軟性といった前記の
異なる複数の性質を満足させるためには、十分な方法と
はいえなかった。
【0004】そこで本発明者らは、前記の異なる複数の
性質を満足させる方法を検討し、成型体表面上であらか
じめ予備硬化した電子線硬化性樹脂組成物の塗膜を、シ
ート状基体上に設けられた電子線硬化性樹脂組成物の塗
布層と貼り合わせた後、さらにシート状基体の背面から
電子線を照射し、接着硬化させて成型体表面から剥離す
る方法を特開平5−93984号公報、特開平5−21
6163号公報に開示した。
【0005】この方法は、異なる性質を持つ2種類以上
の塗膜の長所を合わせ持つシート状積層体が得られると
いう点で極めて優れた方法ではあるが、塗膜端部が成型
体表面上に残留し、成型体表面とシート状基体上に塗布
された塗膜との間に空隙を生じることになり、エアの巻
き込みによるピットや塗布ムラの発生が起こり、場合に
よっては空隙部分に発生する硬化不良が成型体表面から
の剥離不良を引き起こし、紙切れの原因となることがあ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成型
体表面上に塗膜端部の硬化残留物を形成させず、安定に
連続して樹脂被覆層を有するシート状積層体を得ようと
するものであり、この方法によりエアーの巻き込みがな
く、塗布ムラのない表面平滑性に優れた電子線硬化樹脂
被覆層を有するシート状積層体の製造方法を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシート状積
層体の製造方法は、シート状基体の一面上に、電子線硬
化性樹脂組成物を含む少なくとも1層の内側塗布層を形
成する工程と、別に、成型体表面上に、電子線硬化性樹
脂組成物を含む最外側塗布層を形成し、これに第1の電
子線を照射して硬化し、この硬化された最外側硬化樹脂
層を形成する工程と、該最外側硬化樹脂層上と、前記シ
ート状基体上の内側塗布層とを重ね合わせて、最外側硬
化樹脂層および内側塗布層からなる重層体を形成する工
程と、この重層体に第2の電子線を照射して硬化および
接着し、シート状基体に隣接する少なくとも1層の内側
硬化樹脂層と、最外側硬化樹脂層とからなる積層構造を
有する電子線硬化樹脂被覆層を形成し、前記成型体表面
から剥離する工程とを含んでなる、電子線硬化樹脂被覆
層を有するシート状積層体の製造において、前記シート
状基体上に設けた内側塗布層の端部が、前記成型体表面
上に設けた最外側塗布層の端部と同位置もしくは外側に
位置するように、電子線硬化性樹脂組成物を塗布するこ
とを特徴とするものである。
【0008】本発明の製造方法を図面により説明する。
図1および図2はそれぞれ本発明の製造方法の一実施態
様を示す説明図である。図1に示された装置において、
シート状基体1上に設けられた内側塗布層2の端部が、
成型体4表面上に設けられた最外側塗布層3の端部と同
位置になるように塗布されていることを示している。成
型体4表面上の最外側塗布層3は、シート状基体上に塗
布された内側塗布層2と貼り合わされ、電子線照射によ
る硬化により接着された後、成型体4表面上から完全に
剥離される。この方法における塗工量に制限は特にな
い。
【0009】図2ではシート状基体1上に塗布された内
側塗布層2の両端部が、成型体4表面上に塗布された最
外側塗布層3の端部よりも、貼り合わされたときに、外
側にはみ出すように塗布されていることを示している。
シート状基体1上に塗布された内側塗布層2は、成型体
4表面上に塗布された最外側塗布層3を包み込むように
して貼り合わされ、かつ成型体4表面上に塗布された最
外側塗布層3の外側に位置するシート状基体1上に塗布
された内側塗布層2は、成型体4表面に押圧され、第2
の電子線照射によって硬化されたあと成型体4表面上か
ら剥離される。この場合成型体4表面上に塗布される内
側塗布層2および最外側塗布層3の塗工量には特別な制
限はないが、シート状基体1上に塗布される内側塗布層
2の塗工量は、前記の二層を貼り合わせた後、成型体4
表面上の最外側塗布層3を包み込むのに必要な厚みが必
要である。
【0010】図2において、シート状基体1上の内側塗
布層2の片端部もしくは両端部が、成型体4表面上の最
外側塗布層3の端部よりも内側になるように塗布された
場合、シート状基体1上に塗布された内側塗布層2は成
型体4表面上に塗布された最外側塗布層3を包み込むこ
とが出来ず、成型体4表面上に残留物が生じる。実際の
生産ではこの部分が次第に盛り上がってくることにな
り、内側塗布層2および最外側塗布層3の貼り合わせ部
分に空隙が生じ、エアを巻き込み硬化不良部分が発生
し、ピット発生のような表面性不良や紙切れが起こる。
【0011】本発明の方法は、成型体4表面上に塗布し
た最外側塗布層を第一の電子線照射装置により硬化さ
せ、その後シート状基体上に塗布した内側塗布層と貼り
合わせる場合において有利に利用されるが、最外塗布層
に第一の電子線照射装置での照射を行わない、すなわち
ウェットオンウェットに貼り合わせ、重層体に電子線を
照射することにより製造することも可能である。
【0012】本発明において、電子線硬化性樹脂組成物
の塗布方法は特に制限はなく、例えばバーコート法、ロ
ールコート法、エアードクターコート法、ブレードコー
ト法、リバースロールコート法、グラビアロールコート
法、トランスファーロールコート法、ファウンテンコー
ト法、スロットダイコート法のような方法を用いること
が出来る。
【0013】本発明に利用される塗工巾制御の方法は、
使用する塗工装置の形式によりいかなる方法も用いるこ
とが出来る。例えばロールコーターではアプリケーター
ロールまたはバックアップロールの段差加工、ドクター
ブレードによるアプリケーターロールもしくはシート状
基体上の塗膜の掻き落としなどの方法が有利に利用でき
るし、ダイコーターでは塗料吐出巾のコントロール等の
方法が利用できる。
【0014】本発明方法において、各塗布層の塗工量
は、各層それぞれ、1〜50g/m2であり、その合計
塗布量が3〜100g/m2であることが好ましい。各
層の塗工量が1g/m2より少ないと、本発明の効果を
十分に発揮することが難しく、また塗布層中にピンホー
ルなどの塗工欠陥が生じるという問題が生じるという問
題が生じる。また各層の塗工量が50g/m2を超え
る、または合計塗工量が100g/m2を超えると、得
られるシート状積層体は、全体としての適度の柔軟性を
維持することが難しくなり、またコストの点で実用的で
ない。
【0015】本発明に用いられる成型体としての金属製
円筒型回転体は、その材質および形状を特に限定するも
のではないが、ステンレススチール、銅、クロームなど
で鏡面仕上げされた平滑な表面を有する金属製円筒型回
転体が最も好ましく用いられる。またポリエステルフィ
ルムのような合成樹脂フィルムを成型体として繰り返し
使用する場合にも、本発明の方法は有利に用いられる。
【0016】本発明における内側塗布層および最外側塗
布層に使用する電子線硬化性樹脂組成物は、電子線照射
により硬化しうる不飽和有機化合物を必須成分として含
むものである。前記不飽和有機化合物としては、 (1)脂肪族、脂環族または芳香脂肪族の1〜6価のア
ルコールおよび/またはポリアルキレングリコールのア
クリレート化合物類 (2)脂肪族、脂環族または芳香脂肪族の1〜6価のア
ルコールにアルキレンオキサイドを付加させたもののア
クリレート化合物類 (3)ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類 (4)カルボン酸とポリオールとアクリル酸との反応生
成物 (5)イソシアネートとポリオールとアクリル酸との反
応生成物 (6)エポキシ化合物とアクリル酸との反応生成物 (7)エポキシ化合物とポリオールとアクリル酸との反
応生成物 などを挙げることが出来る。
【0017】具体的に述べるならば、前記不飽和有機化
合物として、ポリオキシエチレンエピクロルヒドリン変
性ビスフェノールAジアクリレート、ジシクロヘキシル
アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレング
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、ヒドロキシビバリン酸エステルネオペン
チルグリコールジアクリレート、ノニルフェノキシポリ
エチレングリコールアクリレート、エチレンオキサイド
変性フェノキシ化リン酸アクリレート、エチレンオキサ
イド変性フタル酸アクリレート、ポリブタジエンアクリ
レート、カプロラクタン変性テトラヒドロフルフリルア
クリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、1,4−ブタジエンジオールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、およびネオペン
チルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレ
ートなどを挙げることが出来る。これらの不飽和有機化
合物は単独、あるいは二種以上を組み合わせて使用する
ことが可能である。
【0018】また本発明のシート状基体および成型体表
面上に塗工される電子線硬化性樹脂組成物には各種顔料
を混合することが出来る。この顔料としてはアナターゼ
型またはルチル型の二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸
カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウムのような白色顔料のほか、
カーボン黒のような黒色顔料、酸化鉛や酸化クロムのよ
うな有色無機顔料、アゾ顔料や多環式顔料のような有機
顔料などのいずれも使用することが出来る。それらの顔
料は単独または2種類以上を混合して使用することも可
能である。
【0019】各種顔料を上記のような電子線照射で硬化
する不飽和有機化合物中に分散するには、3本ロールミ
ル、2本ロールミル、カウレスディゾルバー、ホモミキ
サー、サンドグラインダー、ペイントコンディショナー
および超音波分散機などを使用することができる。
【0020】本発明に用いられる電子線照射装置は、特
にその方式を限定するものではなく、例えばバンデグラ
ーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、お
よびカーテンビーム方式のような電子線照射装置を使用
することが出来、これらの中でも比較的安価で電子線の
照射出力の大きい、カーテンビーム方式が好ましい。
【0021】電子線照射の際、電子線の加速電圧は10
0〜300KVであることが好ましい。電子線の吸収線
量は、第一および第二の電子線照射装置ともに電子線硬
化性樹脂組成物が硬化出来ればよく、0.1〜6.0M
radの範囲であることが好ましく、0.2〜4.0M
radがより好ましい。電子線の吸収線量が0.1Mr
adより小さい場合には、電子線照射による電子線硬化
性樹脂組成物の硬化が不十分であり、6.0Mradよ
り大きい場合には、シート状基体が電子線により劣化
し、変色する。
【0022】電子線照射時における雰囲気中の酸素濃度
は500ppm以下であることが好ましい。酸素濃度が
500ppmより高いと、酸素が硬化反応を阻害し、被
覆層の硬化が不十分となる。ただし本発明の場合におい
て、成型体表面上の塗布層とシート状基体を貼合わせた
後に電子線照射する場合には、電子線照射中に電子線硬
化性樹脂組成物が直接空気に触れることがなく、電子線
照射時における雰囲気中の酸素濃度を低減させる必要は
ない。電子線照射によるオゾン発生を抑制する目的、あ
るいは電子線の照射窓を冷却する目的で窒素、アルゴ
ン、二酸化炭素のような不活性ガスを使用することも可
能である。
【0023】または成型体表面上の最外側塗布層を第1
の電子線照射で硬化する際の雰囲気中の酸素濃度を10
00ppm以上とすることにより、最外側塗布層の表面
に薄い未硬化層を作り、成型体表面上での内側塗布層と
の濡れ性を高めることにより、最外側硬化樹脂層と内側
硬化樹脂層とを強固に接着することが有利に用いられ
る。
【0024】本発明に用いられるシート状基体は、通常
50〜300g/m2の坪量を有し、表面の平滑なもの
であれば、特別の制限はない。例えば広葉樹パルプ、針
葉樹パルプのような木材パルプや、リンター、マニラ
麻、バンブー、ケナフ、バガス等をパルプ化した非木材
パルプを主成分とするシート状基体が使用することが出
来る。またポリエチレン、ポリプロピレンのような合成
樹脂を用いた合成パルプ、レーヨン繊維、ビニロン繊
維、ナイロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル
繊維のような合成繊維を含むシート状基体を使用するこ
とが出来る。
【0025】本発明における、シート状基体には、通常
の各種添加剤として、例えばカチオン化澱粉、カチオン
性ポリアクリルアミド、およびアニオン性ポリアクリル
アミド、メラミン樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂のよ
うな紙力増強剤、ロジン、石油樹脂、アルケニル琥珀酸
ソーダ塩のようなサイズ剤、クレー、タルク、カオリ
ン、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネ
シウムのような填料、硫酸アルミニウムのような定着剤
などが1種以上含まれていてもよい。
【0026】またシート状基体には水溶性高分子添加
剤、無機電解質、顔料、pH調節剤、染料、帯電防止
剤、ポリビニルアルコールおよびカルボキシ変性ポリビ
ニルアルコールなどの表面サイズ剤等を表面塗布しても
よい。
【0027】またポリプロピレンやポリエチレンなどの
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂のような熱可塑性樹脂組成物を溶融押し出し法で形
成したプラスチックフィルムや合成紙をシート状基体と
して使用することも出来る。このようなプラスチックフ
ィルムや合成紙には、クレー、タルク、カオリン、炭酸
カルシウム、二酸化チタン、水酸化マグネシウムのよう
な顔料、ステアリン酸亜鉛や界面活性剤のような分散
剤、有色顔料などが含まれていてもよい。
【0028】本発明に係るシート状基体の裏面には、裏
面樹脂被覆層を形成してもよい。裏面樹脂被覆層を形成
するのに用いられるフィルム形成性合成樹脂としては、
従来のポリオレフィン樹脂、または前述の電子線硬化性
樹脂組成物等を使用することが出来る。
【0029】裏面樹脂被覆層を形成するためのポリオレ
フィン樹脂としては、エチレン、α−オレフィン類、例
えばプロピレンなどの単独重合体、前記オレフィンの少
なくとも二種の共重合体、およびこれら各種重合体の少
なくとも二種以上の混合物などから選ぶことが出来る。
特に好ましいポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖型低密度ポリエチレン、
およびこれらの混合物である。ポリオレフィン樹脂の分
子量には特に制限はないが、通常は20,000〜20
0,000の範囲のものが用いられる。ポリオレフィン
樹脂には、必要に応じて、少量の酸化防止剤、および滑
剤を添加してもよい。ポリオレフィン樹脂を用いて裏面
樹脂被覆層を形成するには、通常の溶融押し出し塗工を
用いることが出来る。
【0030】裏面樹脂被覆層を形成する電子線硬化性樹
脂組成物に用いる不飽和有機化合物としては、前述の表
面の電子線硬化樹脂層の形成に用いられる不飽和有機化
合物をすべて使用できる。さらに裏面樹脂被覆層の形成
方法も、前述の表面の電子線硬化樹脂層の形成の場合と
同様に積層構造としてもよい。裏面樹脂被覆層の被覆量
は、特に制限はないが、一般に5〜40g/m2(固形
分)であることが好ましい。
【0031】また本発明のシート状基体の裏面には、水
溶性樹脂や溶剤系樹脂のような樹脂組成物を主成分とす
る裏面樹脂被覆層を形成してもよい。
【0032】
【実施例】下記実施例により本発明の構成および効果を
さらに説明するが、本発明はこれらの態様になんら制限
されるものではない。
【0033】実施例1 下記の最外側硬化樹脂層用電子線硬化性樹脂組成物(組
成物1)をペイントコンディショナーで1時間混合分散
させ、調製した。 組成物1 ジペンタエリスリトール系オリゴマー 80重量部 (商標:ビームセット700 荒川化学工業社製) 二酸化チタン 20重量部 (商標:A−220 石原産業社製)
【0034】上記組成物1を成型体表面として使用する
クロムメッキを施した平滑な鏡面を有するロール面長4
50mmの金属製円筒型回転体の表面上に、オフセット
グラビアコーターを用いて、硬化後の塗布量が5g/m
2、塗工巾が300mmになるように塗布し、塗工面に
スムージングロールによる平滑化処理を施した最外側塗
布層上に加速電圧:175KV、吸収線量:3Mrad
の条件で電子線を照射してこれを硬化させて最外側硬化
樹脂層を形成した。
【0035】別に、下記の内側硬化樹脂層用電子線硬化
性樹脂組成物(組成物2)をペイントコンディショナー
で1時間混合分散させ、調製した。 組成物2 2官能ウレタンアクリレートオリゴマー 36重量部 (商標:ビームセット550B 荒川化学工業社製) 2官能アクリレートモノマー 44重量部 (商標:アロニックスM−220 東亜合成化学工業社製) 二酸化チタン 20重量部 (商標:A−220 石原産業社製)
【0036】上記成分の混合物を坪量180g/m2
紙基体の表面上にロールコーターを用いて、硬化後の塗
布量が25g/m2、塗工巾が300mmになるように
塗布し、内側塗布層を形成した。さらにこの内側塗布層
が、前記最外側塗布層上に正確に重なるように重ね合わ
せ、ニップロールで金属製円筒型回転体に押圧し、金属
製円筒型回転体を回転させながら、この重層体に紙基体
の背面から加速電圧:200KV、吸収線量:2Mra
dの条件で電子線照射を行ない、これを硬化・接着させ
た。次に金属製円筒型回転体表面から前記工程により得
られた積層体を剥離し、シート状積層体を作製した。
【0037】実施例2 紙基体上に塗布する内側塗布層の塗工巾を305mmに
なるように塗布し、その内側塗布層両端部が、金属製円
筒型回転体上の最外側塗布層両端部よりもそれぞれ2.
5mmずつ外側に位置するように調整して貼り合わせた
以外は、実施例1と同様に行なった。
【0038】比較例1 紙基体上に塗布する内側塗布層の塗工巾を295mmに
なるように塗布し、その内側塗布層両端部が、金属製円
筒型回転体上の最外側塗布層両端部よりもそれぞれ2.
5mmずつ内側に位置するように調整して貼り合わせた
以外は、実施例1と同様に行なった。
【0039】
【表1】
【0040】表からわかるように、本発明の要件を満た
すシート状積層体の製造において、成型体表面上の電子
線硬化樹脂層の残留物は発生せず、連続的なシート状積
層体の製造が可能であった。一方、本発明の要件を満た
さない比較例では、成型体表面上に最外側硬化樹脂層の
残留物が帯状に発生し、製造中、次第に盛り上がり、内
側塗布層と最外側塗布層との間に空隙が発生して表面性
の悪化を招き、最終的には紙切れを起こしたため、連続
したシート状積層体を得ることは出来なかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法におけるシート状基体
上に設けられた内側塗布層の端部を、成形体表面上に設
けられた最外側塗布層の端部と同位置もしくは外側に位
置するように塗布する方法において、成形体表面上に塗
膜の残留物を残せず、塗膜表面でのピットの発生を抑
え、かつ均一な厚さの塗膜を有するシート状積層体を安
定的に連続して製造することが可能となり、実用上極め
て有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法におけるシート状基体上に設
けられた内側塗布層の端部と、成形体表面上に設けられ
た最外側塗布層の端部が同位置の場合の断面図である。
【図2】本発明の製造方法におけると、成形体表面上に
設けられた最外側塗布層の端部が、シート状基体上に設
けられた内側塗布層の端部の外側に位置する場合の断面
図である。
【符号の説明】
1・・・シート状基体 2・・・内側塗布層 3・・・最外側塗布層 4・・・成形体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体の一面上に、電子線照射に
    より硬化し得る不飽和有機化合物を主成分として含む少
    なくとも1層の内側塗布層を形成する工程と、別に、成
    型体表面上に、電子線照射により硬化し得る不飽和有機
    化合物を主成分として含む最外側塗布層を形成し、これ
    に第1の電子線を照射して硬化し、この硬化された最外
    側硬化樹脂層を形成する工程と、該最外側硬化樹脂層上
    と、前記シート状基体上の内側塗布層とを重ね合わせ
    て、最外側硬化樹脂層および内側塗布層からなる重層体
    を形成する工程と、この重層体に第2の電子線を照射し
    て硬化および接着し、シート状基体に隣接する少なくと
    も1層の内側硬化樹脂層と、最外側硬化樹脂層とからな
    る積層構造を有する電子線硬化樹脂被覆層を形成し、前
    記成型体表面から剥離する工程とを含んでなる、電子線
    硬化樹脂被覆層を有するシート状積層体の製造におい
    て、前記シート状基体上に設けた内側塗布層の端部が、
    前記成型体表面上に設けた最外側塗布層の端部と同位置
    もしくは外側に位置するように、電子線照射により硬化
    し得る不飽和有機化合物を主成分とする塗料組成物を塗
    布することを特徴とするシート状積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064203A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Toppan Printing Co Ltd 防眩性フィルム及びその製造方法

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