JPH05119431A - 写真印画紙用支持体の製造方法 - Google Patents

写真印画紙用支持体の製造方法

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JPH05119431A
JPH05119431A JP27994491A JP27994491A JPH05119431A JP H05119431 A JPH05119431 A JP H05119431A JP 27994491 A JP27994491 A JP 27994491A JP 27994491 A JP27994491 A JP 27994491A JP H05119431 A JPH05119431 A JP H05119431A
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electron beam
coating liquid
layer
weight
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JP27994491A
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Hiroyuki Nemoto
浩幸 根本
Takaharu Miura
喬晴 三浦
Masataka Ito
政孝 伊藤
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子線照射を用いて高平滑表面を有する写真
印画紙用支持体を製造する方法を提供する。 【構成】 シート状基体の表面に少なくとも1種の電子
線硬化性不飽和有機化合物を主成分として含有する塗布
液を塗布し、これを電子線照射により硬化して樹脂被覆
層を形成する工程を2回以上施す写真印画紙用支持体の
製造方法において、最外側樹脂被覆層を形成するための
塗布液の粘度を、その塗布温度において5,000cp
s以下に規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真印画紙用支持体の製
造方法に関するものである。更に詳しく述べるならば、
本発明は電子線照射を用いて2層以上の電子線硬化樹脂
被覆を形成することを含む写真印画紙用支持体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真印画紙用支持体としては、紙
基材の両面にポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂を
溶融して押し出し塗工して製造された、いわゆるRC紙
が広く使用されている。このような写真印画紙用支持体
は基材の両面がポリオレフィン樹脂で覆われているため
に、現像処理工程での処理薬液の浸透が少なく、水洗処
理時間や乾燥処理時間が大幅に短縮されること、基材の
伸縮が抑制され寸法安定性が優れていること、およびフ
ェロタイプ乾燥を行わなくても光沢仕上げが得られるこ
となどの種々の特徴を有している。
【0003】しかしながら、溶融押し出し塗工法により
製造された写真印画紙用支持体は、約300 ℃以上の高温
に加熱されたポリオレフィン樹脂を溶融状態でダイから
押し出し、これを基材の表面に塗工して製造されるため
に、この溶融押し出し工程でポリオレフィン樹脂が熱分
解したり、黄色く変着色したりすることがある。また写
真印画紙用支持体の写真感光層が塗設される側の樹脂被
覆層には、隠蔽力あるいは写真画像の解像力を向上させ
るために、二酸化チタンのような白色顔料が混合される
のが普通であるが、このような顔料は溶融したポリオレ
フィン樹脂への分散性が悪く、およそ20重量%を超え
て混入することは困難であり、このため溶融押し出し塗
工法で製造された写真印画紙用支持体は、隠蔽力や解像
力の点で不十分であるという問題点を有している。ま
た、溶融押し出し塗工法で製造された写真印画紙用支持
体には、二酸化チタンなどの白色顔料にわずかに含まれ
る揮発成分により、溶融押し出し塗工の工程において樹
脂が発泡し被覆層に膜割れが発生することがあるなどの
問題点がある。
【0004】近年、このような問題を解決するために、
従来のポリオレフィン樹脂に代えて、不飽和有機化合物
を含有する塗布液を基材の表面に塗布し、この塗布液層
に電子線を照射してこれを硬化させて樹脂被覆層を形成
する方法が提案されている(例えば特公昭60- 17104
号、特公昭60-17105号、特開昭57-49946号など)。この
方法によれば、樹脂被覆層に膜割れを生ずることがな
く、顔料含有量を20〜80重量%まで増加させることがで
きるので、隠蔽力や解像力の優れた写真印画紙用支持体
の製造が可能となる。
【0005】ところが、電子線照射を利用する上記写真
印画紙用支持体の製造方法では、写真印画紙用支持体に
望まれる高い平滑性を達成するために、基材表面の電子
線照射により硬化する塗布液層の表面を成型面に押しあ
てて硬化させる方法、例えば金属ロール表面に押し当て
ながら電子線を照射してこれを硬化させるいわゆるドラ
ムキャスト法や、未硬化の塗布液層にプラスチックフィ
ルムなどを重ね合わせ、これに電子線を照射して硬化樹
脂被覆層を形成し、これをフィルムから剥離する方法、
いわゆるフィルムキャスト法などが有利に用いられてい
る。しかしこのような工程において、加工速度すなわち
基材の送り(走行)速度を早めると、塗布液層の塗工ム
ラに起因して、樹脂被覆層の表面に凹凸を生じ、これが
気泡の巻き込を生じて、表面の平滑性が劣下するという
問題点があり、このために加工速度を速め、しかも高い
平滑性を維持するということは不可能と思われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決し、電子線照射により硬化された2層以上の樹脂
被覆層を有し、その最外側表面がすぐれた平滑性を有し
ている写真印画紙用支持体の製造方法を提供しようとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、被覆層の電子
線硬化樹脂被覆層を形成する工程において、その最外側
樹脂被覆層を形成する際に、その塗布液の粘度を、特定
値にコントロールすることによって、上記課題の解決に
成功したものである。
【0008】本発明に係る写真印画紙用支持体の製造方
法は、シート状基体の少なくとも1面上に、電子線照射
により硬化し得る少なくとも1種の不飽和有機化合物を
主成分として含有する電子線硬化性塗布液を塗布し、こ
の塗布液層に電子線照射を施してこれを硬化する工程を
少なくとも2回施して、多層樹脂被覆層を形成する方法
において、最外側樹脂被覆層を形成する工程に用いられ
る電子線硬化性塗布液が、その塗布温度において、5,
000cps以下の粘度を有することを特徴とするもの
である。
【0009】
【作用】本発明に用いられる電子線硬化性塗布液は電子
線照射により硬化する少なくとも1種の不飽和有機化合
物を主成分として含むものであって、必要に応じて他の
化合物からなる添加剤を含むことができる。
【0010】電子線の照射により硬化しうる不飽和有機
化合物としては、 (1)脂肪族、脂環族、および芳香脂肪族の、1〜6価
のアルコール及びポリアルキレングリコールのアクリレ
ート化合物類 (2)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族の、1〜6価のアル
コールにアルキレンオキサイドを付加させたもののアク
リレート化合物類 (3)ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類 (4)カルボン酸と、ポリオールと、アクリル酸との反
応生成物 (5)イソシアネートと、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物 (6)エポキシ化合物とアクリル酸との反応生成物 (7)エポキシ化合物と、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物 などを挙げることが出来る。
【0011】具体的に述べるならば、電子線の照射によ
り硬化しうる不飽和有機化合物として、ポリオキシエチ
レンエピクロルヒドリン変性ビスフェノールAジアクリ
レート、ジシクロヘキシルアクリレート、エピクロルヒ
ドリン変性ポリエチレングリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシ
ビバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリ
レート、エチレンオキサイド変性フェノキシ化リン酸ア
クリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸アクリレ
ート、ポリブタジエンアクリレート、カプロラクタン変
性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリス(アク
リロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−
ブタジエンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、およびネオペンチルグリコール
変性トリメチロールプロパンジアクリレートなどを用い
ることができる。
【0012】また本発明方法において、シート状基材を
被覆する電子線硬化性塗布液中には白色顔料を混合する
ことができ、このような白色顔料としては、二酸化チタ
ン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムな
どが使用できる。これらの中でも二酸化チタンを用いる
ことが好ましい。またこれらの白色顔料は、それぞれ単
独に用いられてもよく、または2種類以上を混合して使
用することも可能である。
【0013】本発明方法において使用される二酸化チタ
ンは、ルチル型およびアナターゼ型のいずれでもよく、
塩素法または硫酸法のいずれの方法で製造されたもので
もよい。また白色顔料(例えば二酸化チタン)はその表
面を含水酸化アルミニュウム、含水酸化珪素、含水酸化
チタンなどで表面処理を施されたものであってもよい。
【0014】白色顔料の含有量は、電子線の照射により
硬化する塗布液の全固形分重量の20〜80%であることが
好ましい。その含有量が20重量%より少なくなると隠蔽
力と解像力が不十分になることがあり、それが80重量%
を越えると塗料の粘度が著しく上昇して取扱が困難にな
ることがあり、また硬化した塗膜に膜割れを生じること
がある。
【0015】白色顔料を上記のような電子線硬化性塗布
液中に分散するには、3本ロールミル(スリーロールミ
ル)、2本ロールミル(ツーロールミル)、カウレスデ
ィゾルバー、ホモミキサー、サンドグラインダー、ペイ
ントコンディショナーおよび超音波分散機などを使用す
ることができる。
【0016】本発明方法において、電子線硬化性塗布液
から2層以上の多層塗布液層を形成するには、適宜の塗
布法を用いることができる。塗布法を具体的に述べれ
ば、バーコート法、エアードクターコート法、ブレード
コート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、
リバースロールコート法、グラビアロールコート法、ト
ランスファーコート法、ファウンテンコート法、あるい
はスロットダイコート法などのいづれであってもよい。
【0017】本発明方法において、シート状基体上に、
電子線硬化性塗布液による少なくとも1層の内側塗布液
層が形成され、各内側塗布液層は電子線照射により硬化
される。このようにして形成された内側硬化樹脂被覆層
上に、電子線硬化性塗布液が塗布され、これに電子線照
射を施して最外側硬化樹脂層が形成される。
【0018】本発明方法において、最外側硬化樹脂被覆
層の形成に用いられる電子線硬化性塗布液は、その塗布
温度、好ましくは10〜70℃、より好ましくは20〜
35℃の温度において、5,000cps以下、好まし
くは50〜5,000cps、より好ましくは200〜
4,000cpsの粘度を有する。このような低粘度塗
布液は、それを内側硬化樹脂被覆層上に塗布したとき、
得られる塗布液層の表面が直ちに平準化し、気泡が巻き
込まれることがなく、又は少なく、従ってそれから得ら
れる最外側硬化樹脂被覆層はきわめて平滑度の高い表面
を有している。従って上記低粘度塗布液は高速をもって
塗布されたときでも均一な塗布液層を形成し、かつ平滑
でかつ硬い表面を有する最外側硬化樹脂被覆層を形成す
ることができる。最外側層用塗布液の塗布温度における
粘度が5,000cpsより高くなると、得られる最外
側硬化樹脂被覆層の平滑度が不十分になる。
【0019】本発明方法において内側硬化樹脂被覆層を
形成するために用いられる電子線硬化性塗布液の粘度に
は格別の制限はないが、その塗布温度において5,00
0cps以下の粘度を有することが好ましい。
【0020】上記のような多層構造の硬化樹脂被覆層を
形成する方法にも格別の制限はなく、例えば上記方法に
よってシート状基体の1表面上に、適宜の粘度を有する
電子線硬化性塗布液を塗布し、この塗布液層に電子線照
射を施して1層以上の内側硬化樹脂被覆層を形成し、そ
の上に、低粘度を有する電子線硬化性塗布液を塗布し、
これを、金属ロール、又はドラムの平滑な周面に押し当
てながらこれに電子線を照射してこれを硬化する方法、
すなわちドラムキャスト法を用いてもよい。或は、上記
金属ロール、又はドラムの代りにシート状材料、例えば
プラスチックフィルムの平滑な表面を最外側塗布液層に
重ね合わせ、これに電子線を照射するフィルムキャスト
法を用いてもよい。
【0021】各樹脂被覆層の重量は、1〜50g/m2
あることが好ましく、樹脂被覆層の合計重量は10〜100
g/m2 であることが好ましい。各層の重量が1g/m
2 より少なくなると本発明方法の効果が十分に得られな
いことがあり、また樹脂被覆層中にピンホールが生じる
などの塗工欠陥が生じることがある。また各層の重量が
50g/m2 を越えると得られる、写真印画紙支持体の厚
さが過度に大きくなる。更に樹脂被覆層の合計重量が10
g/m2 より少ないと、写真印画紙用支持体に要求され
る隠蔽力と解像力が不十分になることがある。また樹脂
被覆層の合計重量が100 g/m2 を越えると得られる、
写真印画紙用支持体の厚さが過大になり、また製造コス
トが上昇して実用的でないものになってしまう。
【0022】本発明の電子線照射に用いられる電子線加
速器としては、バンデグラーフ型スキャニング方式、ダ
ブルスキャニング方式、カーテンビーム方式のいづれで
も使用できるが、比較的安価で大出力の得られるカーテ
ンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の
際の加速電圧は100〜300kvであることが好まし
く、吸収線量としては、0. 1〜6Mradであることが好
ましく、0. 2〜4.0Mradが特に好ましい。吸収線量
が 0. 1Mrad以下の場合には、電子線照射による樹脂
の硬化が不十分になることがある。また必要以上に吸収
線量を高くすることはエネルギー的に無駄であるばかり
でなく、カールの原因ともなり更に塗膜が硬くなり過ぎ
る可能性もあり好ましくない。
【0023】電子線照射雰囲気中の酸素濃度は、500
ppm 以下であることが好ましい。この酸素濃度が500
ppm を超えると、酸素が重合反応の抑制剤として働き、
塗布液層の硬化が不十分になることがある。ただしキャ
スト法により硬化させる場合には、電子線照射中に電子
線硬化性塗布液が直接空気に触れることがなく、従って
電子線照射雰囲気中の酸素濃度を必ずしも低減させる必
要はないが、もちろん電子線照射によるオゾン発生を抑
制する目的で、あるいは電子線が通過する際に発熱する
ウィンドウを冷却するなどの目的のために窒素ガスなど
の不活性ガスを使用することには支障はない。
【0024】電子線照射処理の後に、写真感光(乳剤)
層との接着性を向上させる目的で最外側樹脂被覆層の表
面にコロナ処理などの表面処理を施してもよく、あるい
は、最外側樹脂被覆層の表面上に写真感光層形成のため
の下塗り層を塗布してもよい。
【0025】本発明方法に用いられるシート状基体の種
類、および厚さに関しては、一般に写真印画紙用支持体
に用いられているものであれば特に制限はない。基体の
種類としては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針
葉樹混合パルプなどの木材パルプからなる原紙が有利に
用いられ、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソー
ダパルプなどの通常使用されている晒パルプからなる原
紙であってもよい。また、必要によっては合成パルプ、
合成繊維を含むパルプから製造された原紙を使用するこ
ともできる。
【0026】シート状基体の厚さは、50〜250μm
であることが好ましく、その坪量は50〜300g/m
2 であることが好ましい。また基体の表面はカレンダー
などにより圧力を印加して圧縮し、その表面平滑性を改
善したものが好ましい。
【0027】本発明方法において、写真印画紙用支持体
のシート状基体として用いられる原紙には、電子線照射
に由来するカブリの発生を抑制するために、マグネシウ
ム化合物を含ませたものが有利に利用できる。また通常
の各種添加剤、例えば乾燥紙力増強剤(カチオン化澱
粉、カチオン化ポリアクリルアミド、およびアニオン性
ポリアクリルアミドなど)、サイズ剤(脂肪酸塩、ロジ
ン、マレイン化ロジン、カチオン化サイズ剤、および反
応性サイズ剤など)、填料(クレー、タルク、カオリ
ン、および酸化マグネシュームなど)、湿潤紙力増強剤
(メラミン樹脂、およびエポキシ化ポリアミド樹脂な
ど)、定着剤(硫酸アルミニウム、およびカチオン化澱
粉など)、pH調節剤(苛性ソーダ、および炭酸ソーダ
など)などの1種以上を含んでいてもよい。
【0028】また原紙には、水溶性高分子添加剤、表面
サイズ剤、無機電解質、吸湿性物質、顔料、pH調節
剤、染料、帯電防止剤、ポリビニルアルコール、および
カルボキシ変性ポリビニルアルコール、などの1種以上
を含む処理液でタブサイズ、またはサイズプレスを施し
てもよい。
【0029】また本発明方法において、写真印画紙用支
持体の裏面もまた樹脂材料で被覆してもよい。この裏面
の樹脂被覆層は、上述の電子線硬化性不飽和有機化合物
を主成分として含有する塗布液を用いて、上述と同様の
方法により形成されたものであってもよいし、或は溶融
押し出し法により塗設されたポリオレフィン樹脂被覆層
であってもよい。
【0030】裏面被覆に用いられるポリオレフィン樹脂
は、エチレン、α−オレフィン類、例えばプロピレンな
どの単独重合体、および前記オレフィンのすくなくとも
2種からなる共重合体、および、これら各種重合体の少
なくとも2種の混合物などから選ぶことができる。すな
わち低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖型
低密度ポリエチレンおよびこれらの混合物を用いること
ができる。ポリオレフィン樹脂の分子量には特に制限は
ないが、通常は20,000〜200,000 の範囲のものが用いら
れ、必要に応じて少量の酸化防止剤、および滑剤を含ん
でいてもよい。
【0031】本発明方法により得られた写真印画紙用支
持体の最外側樹脂被覆層の表面が高い平滑性を示す理由
は十分には解明されていないが、本発明者らは以下の通
り推測している。すなわち、電子線照射を用いて形成さ
れた硬化樹脂被覆層表面が、低い平滑性を示す理由は、
電子線硬化性塗布液の塗工ムラに起因して表面に凹凸が
形成され、それによって気泡の巻き込みを生ずるためと
推定される。本発明方法により、樹脂被覆層を2層以上
の多層構造にし、最外側の樹脂被覆層を形成するための
電子線硬化性塗布液の粘度を、その塗布温度において
5,000cps以下にコントロールすることにより、
塗布液層と金属ロールやフィルムなどのキャスト表面と
の接合面における気泡の巻き込みが少なくなり、および
たとえ気泡が巻き込まれても、塗布液層の粘度が低いた
め、塗布液の流動により気泡が容易に取り除かれ易いた
めに、工程のスピードを上げても平滑性を損なうことな
く写真印画紙用支持体を製造できるものと思われる。
【0032】
【実施例】下記実施例により本発明の構成及び効果をさ
らに説明するが、むろん本発明はこれらの態様に制限さ
れるものではない。
【0033】実施例1 坪量180g/m2 の上質紙をシート状基体として用
い、その裏面にコロナ放電処理を施した後、溶融押し出
し塗工法によって高密度ポリエチレン樹脂を塗工量25
g/m2 で塗設し裏面被覆層を形成した。
【0034】さらに下記組成の混合物をホモミキサーで
1時間混合分散させて電子線照射により硬化する塗布液
を調製した。 内側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 エポキシアクリレートオリゴマー 70重量部 (商標:ビスコート540、大阪有機化学製) 2官能アクリレートモノマー 30重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0035】この塗布液を基体の表面にバーコート法を
用い、硬化後の重量が20g/m2 になるように塗布し
た。この塗布液層に引き続き加速電圧200kV で吸収線量
2Mradの条件で電子線を照射し、この塗布液層を硬化さ
せて内側硬化樹脂被覆層を形成した。
【0036】別に、下記組成の混合物をホモミキサーで
1時間混合分散させて電子線照射により硬化する塗布液
を調製した。 最外側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 エポキシアクリレートオリゴマー 50重量部 (商標:ビスコート540、大阪有機化学製) 2官能アクリレートモノマー 50重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0037】この塗布液を上記内側硬化樹脂被覆層上
に、グラビアコート法を用い、塗布温度25℃で、硬化
後の重量が10g/m2 になるようにして塗布した。この
塗布液層をただちに金属キャストロール(360mm径)
の周面に押し当て、週速100m/min で回転させながら
基体の側から加速電圧200kV で吸収線量2Mrad の条件で
電子線を照射し、この塗布液層を硬化させて最外側硬化
樹脂被覆層を形成し、写真印画紙用支持体を作成した。
【0038】上記両塗布液の硬化前の粘度を測定した。
測定は、塗布液を前記塗布温度と同一の温度に保ちなが
ら、B型粘度計(東京計器製)を用いて、ローターNo.
4、30rpmの条件で行った。測定結果を表1に示
す。上記のようにして得られた写真印画紙用支持体の平
滑性を、JIS−B0601の手順にしたがい、中心線
平均粗さ(Ra)を測定して評価した。一般に、グロス
タイプの写真印画紙用支持体としては、その中心線平均
表面粗さが0.15μm以下であることが望ましい。その評
価結果を表1に示す。
【0039】実施例2 実施例1と同様にして、基体の裏面に樹脂被覆層を形成
した。さらに下記組成の混合物をホモミキサーで1時間
混合分散させて、電子線照射により硬化する塗布液を調
製した。
【0040】 内側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 ウレタンアクリレートオリゴマー 60重量部 (商標:ビームセットBS550B、荒川化学工業製) 2官能アクリレートモノマー 40重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0041】上記塗布液を、バーコート法を用いて硬化
後の塗工量が25g/m2 になるように塗布し、この塗
布液層に加速電圧175kVで、吸収線量2Mradの
条件で電子線を照射してこれを硬化させた。
【0042】別に、下記組成の最外側樹脂被覆層用塗布
液を調製した。 最外側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 ウレタンアクリレートオリゴマー 50重量部 (商標:ビームセットBS550B、荒川化学工業製) 2官能アクリレートモノマー 50重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 20重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0043】上記塗布液を、内側樹脂被覆層上に、グラ
ビアコート法を用いて、塗布温度25℃で硬化後の塗工
量が5g/m2 になるように塗布した。この塗布液層に
ただちに、PETフィルム(商標:ルミラーT−75、
パナック製)を重ね合わせ押し当てた後、これに加工速
度20m/minで加速電圧200kV で吸収線量4Mradの
条件で電子線を照射し、この塗布液層を硬化させ、PE
Tフィルムを取り除いて最外側樹脂被覆層を形成し、写
真印画紙用支持体を作成した。
【0044】各塗布液の粘度および得られた最外側樹脂
被覆層表面の平滑性の評価結果を表1に示す。
【0045】実施例3 実施例2と同様の操作を行なった。ただし内側および最
外側樹脂被覆層用塗布液の組成を下記の如く変更した。
【0046】 内側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 ポリエステルアクリレートオリゴマー 100重量部 (商標:アロニックスM6500、東亜合成化学化学工業製) 二酸化チタン 50重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0047】 最外側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 ポリエステルアクリレートオリゴマー 80重量部 (商標:アロニックスM6500、東亜合成化学工業製) 2官能アクリレートモノマー 20重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 30重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0048】各塗布液の粘度、および最外側樹脂被覆層
表面の平滑性(Ra)を表1に示す。
【0049】比較例1 実施例1と同様の操作を行なった。ただし内側および最
外側樹脂被覆層用塗布液の組成を以下の如く変更した。
【0050】 内側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 エポキシアクリレートオリゴマー 70重量部 (商標:ビスコート540、大阪有機化学製) 2官能アクリレートモノマー 30重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0051】 最外側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 エポキシアクリレートオリゴマー 70重量部 (商標:ビスコート540、大阪有機化学製) 2官能アクリレートモノマー 30重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0052】各塗布液の粘度、および最外側樹脂被覆層
の表面の平滑性(Ra)を表1に示す。
【0053】比較例2 実施例2と同様の操作を行なった。ただし内側および最
外側樹脂被覆層用塗布液の組成を下記の如く変更した。
【0054】 内側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 ウレタンアクリレートオリゴマー 60重量部 (商標:ビームセットBS550B、荒川化学工業製) 2官能アクリレートモノマー 40重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0055】 最外側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 ウレタンアクリレートオリゴマー 60重量部 (商標:ビームセットBS550B、荒川化学工業製) 2官能アクリレートモノマー 40重量部 (商標:KAYARAD-HDDA、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A220、石原産業製)
【0056】各塗布液の粘度、および最外側樹脂被覆層
表面の平滑性(Ra)を表1に示す。
【0057】比較例3 比較例2と同様の操作を行なった。ただし最外側樹脂被
覆層用塗布液を塗布するときの、加工速度を2m/mi
nに減速した。各塗布液の粘度および、最外側樹脂被覆
層表面の平滑性(Ra)を表1に示す。
【0058】実施例4 実施例2と同様の操作を行なった。ただし最外側樹脂被
覆層用塗布液の組成を下記の如く変更した。 最外側樹脂被覆層用塗布液の組成 成 分 配合量 ポリアクリレートオリゴマー 60重量部 (商標:DPCA−20、日本化薬製) 二酸化チタン 40重量部 (商標:A−220、石原産業製) 最外側層用塗布液の塗布温度は40℃であった。各塗布
液の粘度、および最外側樹脂被覆層表面の平滑性(R
a)を表1に示す。
【0059】比較例4 実施例4と同じ塗料を用いて、同様の操作を行なった。
ただし最外側層用塗布液の塗布温度は25℃であった。
各塗布液の粘度、および最外側樹脂被覆層表面の平滑性
(Ra)を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明の写真印画紙用支持体製造方法
は、電子線照射を用いて優れた平滑性を有する写真印画
紙用支持体を製造することを可能にするものであって、
実用上極めて有効なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体の少なくとも1面上に、電
    子線照射により硬化し得る少なくとも1種の不飽和有機
    化合物を主成分として含有する電子線硬化性塗布液を塗
    布し、この塗布液層に電子線照射を施して、これを硬化
    する工程を少なくとも2回施して多層樹脂被覆層を形成
    する方法において、最外側樹脂被覆層を形成する工程に
    用いられる電子線硬化性塗布液がその塗布温度において
    5,000cps以下の粘度を有することを特徴とす
    る、写真印画紙用支持体の製造方法。
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