JPH08299422A - 抗菌性芳香剤 - Google Patents

抗菌性芳香剤

Info

Publication number
JPH08299422A
JPH08299422A JP7115003A JP11500395A JPH08299422A JP H08299422 A JPH08299422 A JP H08299422A JP 7115003 A JP7115003 A JP 7115003A JP 11500395 A JP11500395 A JP 11500395A JP H08299422 A JPH08299422 A JP H08299422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
cyclodextrin
powder
fragrance
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7115003A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Saeki
達哉 佐伯
Toshiro Maekawa
敏郎 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
Priority to JP7115003A priority Critical patent/JPH08299422A/ja
Publication of JPH08299422A publication Critical patent/JPH08299422A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 担体に香料を吸着させた芳香性粉末と、揮
散性を有する抗菌剤のシクロデキストリン包接化合物か
らなる抗菌性粉末とを混合し、所定形状に成形した抗菌
性芳香剤である。芳香性粉末には香料のシクロデキスト
リン包接化合物を用いてもよく、抗菌性粉末には、非晶
質リン酸カルシウムを含有させてもよい。 【効果】湿度下で長時間にわたって芳香成分と抗菌成分
とを室内に発散させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な抗菌性芳香剤に
関し、より詳しくは錠剤などの形状に成形され水分の存
在下で室内に芳香成分および抗菌成分を発散させる抗菌
性芳香剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、室内に良い香りを漂わせるために、種々の芳香剤
が使用されている。このような芳香剤は、通常、室温な
いしは加温により、液状の香料を揮発させたり、あるい
は固体状の香料を昇華させたりするものである。しか
し、このような芳香剤は、芳香を一度に多量に発散させ
るため、芳香を長時間にわたって徐々に発散させること
ができないという問題がある。このような問題を解決す
るために、特公平4−58344号公報では、香料の包
接化合物をシリカ等の中空状多孔質物質に内包させて徐
放性を図ることが提案されている。しかし、このような
構成によっても、香料の徐放性は不充分であった。
【0003】一方、冷蔵庫などの庫内や食品などを扱う
室内においては、室内の悪臭をなくすると共に、カビの
発生や細菌の繁殖を防止して、室内を清浄に保つことが
要求される。本発明の目的は、上述の技術的課題を解決
し、長時間にわたって室内に芳香を発散させることがで
きると共に、抗菌性にもすぐれた抗菌性芳香剤を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、担体
に香料を吸着させた芳香性粉末と、揮散性を有する抗菌
剤を含有した特性の抗菌性粉末とを混合し、錠剤などの
所定形状に成形した抗菌性芳香剤は、加水により、また
は室内の湿気を吸収して、芳香成分と抗菌成分とを発散
させ、しかもそれらの発散が長時間にわたって維持され
るという新たな事実を見出し、本発明を完成するにいた
った。
【0005】すなわち、本発明の抗菌性芳香剤は、担体
に香料を吸着させた芳香性粉末と、揮散性を有する抗菌
剤のシクロデキストリン包接化合物からなる抗菌性粉末
とを混合し、所定形状に成形することを特徴とする。ま
た、本発明の他の抗菌性芳香剤は、担体に香料を吸着さ
せた芳香性粉末と、揮散性を有する抗菌剤のシクロデキ
ストリン包接化合物と非晶質リン酸カルシウムとからな
る抗菌性粉末とを混合し、所定形状に成形したことを特
徴とする。
【0006】本発明のさらに他の抗菌性芳香剤は、香料
のシクロデキストリン包接化合物からなる芳香性粉末
と、揮散性を有する抗菌剤のシクロデキストリン包接化
合物と非晶質リン酸カルシウムとからなる抗菌性粉末と
を混合し、所定形状に成形したことを特徴とする。以
下、本発明の抗菌性芳香剤を詳細に説明する。
【0007】まず、芳香性粉末について説明する。本発
明において使用される香料としては、例えばペパーミン
ト、プチグレイン、シトロネラ、スペアミント、ライ
ム、マンダリンなどの気分をリフレッシュさせる香料、
安息香、ゼラニウム、乳香(Olibanum)、白檀(Sandalwo
od) 、マジョラム、ラベンダー、ラバンディンなどのリ
ラックスさせる香料、スィートオレンジ、ジャーマンカ
モマイル、ローマンカモマイル、リンデンなどの心地よ
い眠りを誘う香料、フェンネル、カルダモン、クラリー
セージ、ブラックペッパー、ジュニパー、パチュリー、
ヒソップ、メリッサ、没薬(Myrrha) 、コリアンダー、
アンジエリカルート、スターアニス、タラゴン、サッサ
フラスなどの強壮・活力あふれる気分にさせる香料、イ
ランイラン、ビターオレンジ、ジャスミン、ダマスクロ
ーズ、チャイナローズ、ブチバー、チュベローズ、バイ
オレットリーフ、アーモンドビター、バニラ、バルサム
などの気分を高めムードづくりに役立つ香料、バジル、
ローズマリー、ローレルなどの集中力向上に役立つ香
料、サイプレス、カンファー、ベルガモット、ユーカ
リ、ローズウッド、ニアウリ、シダーリーフ、シナモン
リーフなどのエアーフレッシュ効果を有する香料、さら
にカラマスルート、オリスルート、グリーンハーブ、フ
ローラルなどの香料があげられる。
【0008】また、前記担体としては、例えば非晶質リ
ン酸カルシウム(以下、ACPという)などの粉末形態
の担体があげられ、特にACPを使用するのが高い徐放
性を付与するうえで好ましい。上記ACPは、ACP微
粒子を含むスラリーを造粒して調製される。上記スラリ
ーは、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に、水溶性高分
子である分散剤(例えばトリアクリル酸アンモニウム塩
など)を0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜3重
量%添加して混合溶液を得た後、この混合溶液を攪拌下
でリン酸水溶液の滴下によってpH10〜5に調整する
ことにより調製され、粒径が約0.1μm以下のACP
微粒子を含んでいる。
【0009】上記ACP微粒子は、粉末X線解析法によ
る回折パターンからリン酸カルシウムであり、また、そ
のパターンがブロードであり、かつハイドロキシアパタ
イトやリン酸三カルシウムの結晶〔Ca3 (PO4 2
・nH2 O〕の回折パターンと異なることから、非晶質
リン酸カルシウムであることが確認される。ACPの造
粒法としては、得られる粒子が多孔質でかつ粒径が20
0μm以下、好ましくは8〜200μmの略球形で、か
つ比表面積が10m2/g以上、好ましくは70m2/g
以上にできるものであれば、特に制限されるものではな
く、例えば噴霧乾燥造粒法、フリーズドライ後に粉砕す
る造粒法、高速攪拌型造粒法などを用いることができ
る。噴霧乾燥造粒法では、送風温度100〜350℃
で、排風温度50〜120℃程度とするのが好ましい。
【0010】香料は、これに界面活性剤および水を加え
た分散液の形態で担体に吸着される。界面活性剤は、香
料の水への分散性と分散安定性を高めるために使用され
る。かかる界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、
アニオン界面活性剤などがあげられ、それらは単独でも
使用可能であるが、本発明においては、分散性にすぐれ
たノニオン界面活性剤と、分散安定化に寄与するアニオ
ン界面活性剤とを、重量比で9:1〜5:5程度の割合
で混合して使用するのが好ましい。
【0011】ノニオン界面活性剤としては、例えばポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレングリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テルなどがあげられる。また、アニオン界面活性剤とし
ては、例えば脂肪酸石けん、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルス
ルホコハク酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル
塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸
エステル塩などがあげられる。前記アルキル基として
は、炭素数が8〜22の直鎖または分岐のアルキル基が
好ましい。
【0012】界面活性剤は、香料を水に分散させるうえ
で、香料100重量部に対して50〜200重量部、好
ましくは80〜150重量部で使用される。また、水
は、香料1重量部に対して10〜1000重量部、好ま
しくは30〜500重量部で使用される。香料、界面活
性剤および水の混合物は担体100重量部に対して10
〜150重量部の割合で混合し、担体に吸着させる。混
合は、例えばポールミルを用いて行う。このとき、担体
に対する香料の割合は、使用する香料の種類によって異
なるが、通常担体100重量部に対して香料が0.00
01〜10重量部であるのが適当である。
【0013】次に、芳香性粉末として、香料のシクロデ
キストリン包接化合物を用いる場合について説明する。
香料のシクロデキストリンへの包接方法としては、高速
対流式の攪拌機を用いて、シクロデキストリンの水溶液
と香料との混合液中にて回転するタービンの羽根により
上記タービンの回転軸とほぼ平行な混合液の流れを形成
して上記混合液を攪拌槽内にて対流させながら、混合液
の流れ方向に対してほぼ直角方向に移動する上記タービ
ンの羽根の先端部により上記混合液を攪拌する方法を採
用するのが好ましい。これにより、シクロデキストリン
と香料とを混練する、通常の混合法に比較して、香料の
実際の包接量の割合を示す包接率を約60%以上、好ま
しくは約80%以上にまで向上させることができる。
【0014】すなわち、シクロデキストリン1重量部と
水1〜10重量部とを混合して水にシクロデキストリン
を分散させた混合液を調製し、この混合液を対流式攪拌
機にて500〜20000rpmのタービン回転数にて
攪拌しながら、シクロデキストリン1重量部に対して香
料0.01〜0.2重量部を徐々に添加し、添加終了
後、さらに10〜3時間攪拌を続けることにより、包接
率60%以上の包接化合物を含む混合液が得られる。
【0015】図1は上記攪拌機を示している。同図に示
すように、有底円筒状の攪拌槽1と、この攪拌槽1に対
して着脱自在な攪拌部2とを有している。攪拌部2は、
図示しないモータを備え、このモータの回転軸と連結さ
れた駆動軸3と、この駆動軸3の先端部に上記駆動軸3
と一体に回転するタービン4とを有している。タービン
4は、上記駆動軸3と一体に回転する円板状基部4a
と、この基部4aの周辺部に多数設けられた羽根4bと
を有している。上記各羽根4bは、攪拌槽1内の混合液
1aを対流させて攪拌するためのものであり、基部4a
に対して斜めに、すなわち基部4aに対して径方向外向
きに、かつ駆動軸3の回転軸方向の離間する方向にそれ
ぞれ取付けられている。
【0016】また、攪拌部2には、略円筒状のステータ
5が、タービン4を回転自在に支持するように駆動軸3
と同軸上に設けられており、上記ステータ5をモータの
支持台(図示せず)に対して所定間隔にて固定するため
の複数のステータロット6が取付けられている。上記ス
テータ5には、円筒状の軸受部5aがタービン4を回動
自在に支持するために設けられており、その軸受部5a
の外周面とステータ5の内周面とによって混合液の吐出
経路5bが形成されている。一方、ステータ5の先端部
には、ステータ5の内周より小径の吸入口5cが形成さ
れている。
【0017】さらに、攪拌部2には、前記のモータの支
持台(図示せず)とステータ5との間に、混合液を円滑
に対流させるための放射状バッフル形状の転流板7が、
駆動軸3および各ステータロット6を貫通させて、駆動
軸3の回転軸方向に沿って移動自在に設けられている。
なお、転流板7には、転流板7を所定位置に一時的に固
定できるロック機構(図示せず)が取り付けられてい
る。
【0018】このような攪拌部2は、攪拌槽1に対し
て、タービン4が同軸上に上方から攪拌槽1の底部の近
傍に挿入されて取り付けられ、さらに上記タービン4か
らの混合液の流れ方向を攪拌槽1内の混合液1aの上層
にて、攪拌槽1の内壁に変更するように転流板7が設定
される。次に攪拌機の動作を説明すると、タービン4の
高速回転によって生じるタービン4の羽根4bの両面間
の圧力差がポンプのような作用をすることを用いて、攪
拌槽1内の混合液1aをステータ5の下部となる吸入口
5cより吸入し、上記ステータ5の上部吐出口より上方
に向かって吐出させる。
【0019】この上昇する混合液1aの流れが上面の転
流板7により変更され、攪拌槽1の内側面に沿って下降
し、再び、攪拌槽1の底部に達する。このような攪拌槽
1内の混合液1aは対流しながら、絶えず攪拌されるこ
とになる。このとき、ステータ5に対して高速回転する
羽根4bは、上記混合液1aの流れに対してほぼ直角方
向に横切るように回転移動するから、上記羽根4bは、
流れている混合液1aに対して強力な剪断力、衝撃、乱
流を発生させることができ、それによって上記混合液1
aが攪拌されて、混合液1aに含まれる香料からなる油
滴の大きさを小さくできる。その結果、香料の包接率を
60%以上にも高めることができる。
【0020】上記シクロデキストリンとしては、α−シ
クロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シク
ロデキストリンなどがあげられ、これらは2種以上を混
合して用いることもできる。本発明では、徐放性の点で
β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンを用
いるのが好ましい。また、コスト的には、β−シクロデ
キストリンを用いるのが好ましい。
【0021】上記混合液1aにおけるシクロデキストリ
ンの含有量は1〜90重量%の範囲で変えることによ
り、所望の平均粒径を有する包接化合物を得ることがで
きる。シクロデキストリンの割合が90重量%以上にな
ると、混合液の粘度が高くなるので、造粒が困難にな
る。包接化合物は上記混合液の形態でACPの粉末と混
合され、包接化合物をACPに複合させる。ACPは、
包接化合物100重量部に対して1〜100重量部であ
るのが好ましい。
【0022】これらの方法により得られる本発明におけ
る芳香性粉末は平均粒径が8〜200μm程度である。
次に、本発明における抗菌性粉末について説明する。本
発明における抗菌性粉末は、揮散性を有する抗菌剤のシ
クロデキストリン包接化合物からなるか、あるいは揮散
性を有する抗菌剤のシクロデキストリン包接化合物とA
CPとからなる。
【0023】上記揮散性を有する抗菌剤としては、常温
において揮散性を有し、殺菌・静菌作用を有するイソチ
オシアン酸アリル〔CH2 =CHCH2 NCS〕、ヒノ
キチオール、ヒバオイル、月桃オイル、ペニーローヤ
ル、レモングラス、レモン、スパイクラベンダー、ナツ
メグ、オレガノ、セージ、ジンジャー、セーボリー、タ
イム、オールスパイス、シダーウッド、シナモンバー
ク、クローブバッズ、カユブテ、パイン、ティートゥリ
ー、テルペン類などがあげられる。本発明においては、
とくにワサビの抽出成分であるイソチオシアン酸アリル
を使用するのが高い抗菌性を付与するうえで好ましい。
【0024】揮散性を有する抗菌剤のシクロデキストリ
ン包接化合物は、前記した香料のシクロデキストリン包
接化合物と同様にして調製することができる。一方、揮
散性を有する抗菌剤のシクロデキストリン包接化合物と
ACPとからなる抗菌性粉末は、以下のようにして調製
される。すなわち、前記で用いたと同じACP微粒子を
含むスラリー中にシクロデキストリンを添加し、前記し
た対流式高速攪拌機にて500〜20000rpmの回
転数で上記攪拌機のタービンを回転させて、シクロデキ
ストリン添加スラリーを得る。このスラリーに上記抗菌
剤を徐々に添加して、抗菌剤をシクロデキストリンに包
接させた包接物スラリーを造粒することにより、抗菌性
粉末を得る。
【0025】抗菌剤は、水と自由に混和するアルコール
に溶解して、室温下でスラリーに添加される。また、別
法として、上記ACP粒子を含むスラリーを造粒して得
られたACP粒子と、抗菌剤を包接したシクロデキスト
リンとを混合して、抗菌性粉末を得る方法がある。
【0026】このようにして得られる抗菌性粉末と芳香
性粉末とは重量比で1:1〜30、好ましくは1:1〜
20程度の割合で均一に混合され、ついで、プレス機な
どによって、錠剤形や板状などの任意の形状に成形され
て、本発明の抗菌性芳香剤を得る。なお、芳香性粉末と
抗菌性粉末との混合はスラリー状態で行ってもよく、混
合後、乾燥して、成形する。
【0027】本発明の抗菌性芳香剤は、加水または吸湿
により芳香成分と抗菌成分とを室内に発散させることが
できる。その際、電気ヒータなどで加温してもよい。ま
た、吸湿は高湿度下である必要はなく、中程度、例えば
湿度60%程度の環境下においても、有効に発散させる
ことができる。加熱する場合、温度は、通常30〜10
0℃程度であるのが適当である。
【0028】
【実施例】
実施例1 香料であるラベンダー1gと界面活性剤の水溶液1gと
をスパチュラにて充分に混合し、これに50gの水を加
え、さらに混合した。得られた水溶液を非晶質リン酸カ
ルシウム(積水化成品工業(株)製のアパミクロンAP
−20C、粒径20μm、比表面積70m2 /g)の1
00gに加え、充分に混合して、芳香性粉末のスラリー
を得、これを造粒して平均粒径20μmの芳香性粉末を
得た。
【0029】なお、上記界面活性剤の水溶液は、POE
(10)アルキルエーテル硫酸ナトリウム(ただし、ア
ルキル基の炭素数は10〜13)とPOE(10)ノニ
ルフェニルエーテルとの20:70の混合物70重量
%、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
20重量%および水10重量%からなる。一方、図1に
示す攪拌機を用いてイソチオシアン酸アリルのシクロデ
キストリン包接化合物を調製した。まず、精製水150
0gとβ−シクロデキストリン900gとを攪拌槽1に
投入し、タービン4を5000rpmにて回転させて、
精製水とβ−シクロデキストリンからなる混合液1aを
攪拌しながら、イソチオシアン酸アリルの100gを徐
々に添加し、さらにタービン4を5000rpmにて回
転させ、90分間攪拌し、混合液1a中にてイソチオシ
アン酸アリルをシクロデキストリンに包接した抗菌性粉
末のスラリーを得、これを造粒して平均粒径20μmの
抗菌性粉末を得た。
【0030】得られた芳香性粉末と抗菌性粉末とを9:
1で混合し、この混合物をプレス機にて直径1.2c
m、厚さ2mmの錠剤形に成形して抗菌性芳香剤を得
た。混合にはオムニミキサー(千代田技研工業社製)を
使用した。 実施例2 芳香性粉末と抗菌性粉末とを5:5で混合したほかは実
施例1と同様にして抗菌性芳香剤を得た。 実施例3 攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に、2〜4倍に水で希
釈したリン酸水溶液を滴下してpH11付近に調整し、
続いて上記懸濁液に対して、5〜8倍に水で希釈したリ
ン酸水溶液を滴下してpH10〜9に調整し、さらに弱
アルカリ性の水溶性高分子である分散剤としてのトリア
クリル酸アンモニウム塩をACP微粒子に対して0.5
重量%となるように添加して、粒径0.1μm以下のA
CP微粒子を安定に分散させたスラリ−を得た。
【0031】このスラリーをイオン交換水により希釈し
て、ACPの濃度が10重量%となるように調整したA
CPスラリーを得、このACPスラリー1500gにβ
−シクロデキストリン100gを分散させ、ホモミキサ
ーにて5000rpmで対流攪拌しながら、イソチオシ
アン酸アリル10gを徐々に添加し、さらに90分間攪
拌を続けて、上記イソチオシアン酸アリルをβ−シクロ
デキストリンに包接させて、図2に示すように、ACP
微粒子11とイソチオシアン酸アリルのシクロデキスト
リン包接化合物12とを含む包接物スラリー13を得
た。
【0032】ついで、包接物スラリー13を定量ポンプ
14によりスプレードライヤー15(大川原化工機械社
製のL−8)に供給した(供給量:1〜3kg/時
間)。スプレードライヤー15のアトマイザー16を高
速回転させて、上記包接物スラリー13をスプレードラ
イヤー15内の乾燥用の熱空気流中に噴霧する噴霧造粒
法により造粒乾燥して、ACP微粒子11と包接化合物
12とを含む抗菌性粉末17(ACP配合量10%)を
得た。
【0033】なお、上記噴霧造粒法における熱空気はエ
アーフィルター19を経て外部より吸入した空気を電気
ヒータ20により加温して供給される。このとき、熱ガ
ス室21の入口温度が180℃で、サイクロン18に繋
がる排出孔22における出口温度が70℃となるように
制御される。また、アトマイザー16の回転数は250
00rpmに設定した。
【0034】得られた抗菌性粉末17は、略球形であ
り、サイクロン18によって約15μmの平均粒度のも
のが採取された。なお、抗菌性粉末17では、イソチオ
シアン酸アリルの一部はACPに吸着されているものと
推定される。得られた抗菌性粉末17と、実施例1と同
様にして調製した芳香性粉末とを1:9(重量比)の割
合で混合し、この混合物をプレス機にて直径1.2c
m、厚さ2mmの錠剤形に成形して抗菌性芳香剤を得
た。混合にはオムニミキサー(千代田技研工業社製)を
使用した。 実施例4 抗菌性粉末17と、実施例1と同様にして調製した芳香
性粉末とを5:5(重量比)の割合で混合したほかは、
実施例3と同様にして抗菌性芳香剤を得た。 実施例5 実施例3で用いたと同じACP微粒子を分散させたスラ
リ−をイオン交換水にて希釈し、ACP濃度が20重量
%となるように調整したACPスラリーを得た。このA
CPスラリーを、実施例3と同様にしてスプレードライ
ヤー5により噴霧造粒乾燥法によって造粒されたACP
粒子(平均粒径:約17μm)を得た。
【0035】また、β−シクロデキストリンに対して、
エタノールに溶解したイソチオシアン酸アリルが10重
量%となるように添加した混合物を、減圧乾燥した後、
ACP粒子の平均粒径と同程度となるように解砕して、
包接体粒子(平均粒径:約16μm)を得た。ついで、
上記ACP粒子と上記包接体粒子とを1:1の割合でオ
ムニミキサー(千代田技研工業社製)に投入し、均一に
混合して抗菌性粉末(ACP配合量:10%)を得た。
【0036】一方、実施例1におけるイソチオシアン酸
アリルの100gに代えて香料であるヒノキチオールの
100gを用いたほかは実施例1と同様にしてヒノキチ
オールをシクロデキストリンで包接した平均粒径20μ
mの芳香性粉末を得た。上記抗菌性粉末と芳香性粉末と
を1:9(重量比)の割合で混合し、この混合物をプレ
ス機にて直径1.2cm、厚さ2mmの錠剤形に成形し
て抗菌性芳香剤を得た。混合にはオムニミキサー(千代
田技研工業社製)を使用した。 実施例6 抗菌性粉末と芳香性粉末とを5:5(重量比)の割合で
混合したほかは、実施例5と同様にして抗菌性芳香剤を
得た。
【0037】これらの各実施例で得られた抗菌性芳香剤
を、常温下、湿度55%の室内に放置したところ、いず
れも約5時間にわたって室内に芳香成分と抗菌成分とが
発散された。
【0038】
【発明の効果】本発明の芳香剤は、適度な湿度下で、長
時間にわたって芳香成分と抗菌成分とを室内に発散する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】香料のシクロデキストリンへの包接に用いられ
る攪拌機の概略断面図である。
【図2】実施例3における抗菌性粉末を製造するための
スプレードライヤーの概略説明図である。
【符号の説明】
1 攪拌槽 1a 混合液 4 タービン 4b 羽根 11 ACP粒子 12 包接化合物 15 スプレードライヤー 17 抗菌性粉末
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】上記ACP微粒子は、粉末X線解析法によ
る回折パターンからリン酸カルシウムであり、また、そ
のパターンがブロードであり、かつハイドロキシアパタ
イトやリン酸三カルシウムの結晶の回折パターンと異な
ることから、非晶質リン酸カルシウムであることが確認
される。ACPの造粒法としては、得られる粒子が多孔
質でかつ粒径が200μm以下、好ましくは8〜200
μmの略球形で、かつ比表面積が10m2/g以上、好
ましくは70m2/g以上にできるものであれば、特に
制限されるものではなく、例えば噴霧乾燥造粒法、フリ
ーズドライ後に粉砕する造粒法、高速攪拌型造粒法など
を用いることができる。噴霧乾燥造粒法では、送風温度
100〜350℃で、排風温度50〜120℃程度とす
るのが好ましい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体に香料を吸着させた芳香性粉末と、揮
    散性を有する抗菌剤のシクロデキストリン包接化合物か
    らなる抗菌性粉末とを混合し、所定形状に成形したこと
    を特徴とする抗菌性芳香剤。
  2. 【請求項2】担体に香料を吸着させた芳香性粉末と、揮
    散性を有する抗菌剤のシクロデキストリン包接化合物と
    非晶質リン酸カルシウムとからなる抗菌性粉末とを混合
    し、所定形状に成形したことを特徴とする抗菌性芳香
    剤。
  3. 【請求項3】前記担体が、非晶質リン酸カルシウムであ
    る請求項1または2に記載の抗菌性芳香剤。
  4. 【請求項4】香料のシクロデキストリン包接化合物から
    なる芳香性粉末と、揮散性を有する抗菌剤のシクロデキ
    ストリン包接化合物と非晶質リン酸カルシウムとからな
    る抗菌性粉末とを混合し、所定形状に成形したことを特
    徴とする抗菌性芳香剤。
JP7115003A 1995-05-12 1995-05-12 抗菌性芳香剤 Pending JPH08299422A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7115003A JPH08299422A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 抗菌性芳香剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7115003A JPH08299422A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 抗菌性芳香剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08299422A true JPH08299422A (ja) 1996-11-19

Family

ID=14651891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7115003A Pending JPH08299422A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 抗菌性芳香剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08299422A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100462003B1 (ko) * 2002-01-31 2004-12-16 학교법인 원광학원 적외선 램프가 달린 네트형 두피마사지기구

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100462003B1 (ko) * 2002-01-31 2004-12-16 학교법인 원광학원 적외선 램프가 달린 네트형 두피마사지기구

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6200949B1 (en) Process for forming solid phase controllably releasable fragrance-containing consumable articles
TWI314865B (ja)
JP2764143B2 (ja) アジェバントを発汗抑制薬で被包した組成物およびその被包方法
JP2006045491A (ja) 機能性材料、機能性材料の製造方法並びにその機能性材料を用いた、機能性部材及び環境改質装置
CN1276827A (zh) 香珠的制备方法
KR20190088918A (ko) 활물질을 담지한 에어로겔, 이와 하이드로겔의 복합체
JPWO2010107010A1 (ja) 粉末組成物の製造方法及び粉末化粧料
EP1347740B1 (en) Fragrance compositions
CA1232547A (en) Sustained release compositions
US20010008318A1 (en) Artificial rock fragrance delivery system
KR19990058712A (ko) 젤형 방향제 조성물
JPH11209784A (ja) 香料含有複合粒子とこれを含む入浴剤
JPH08299422A (ja) 抗菌性芳香剤
CN107812223A (zh) 一种空气芳香剂
US20020036364A1 (en) Method of shaping porous agglomerations of fused microspheres
JP2005298418A (ja) 抗菌性微粒子、その製造法及び該抗菌性微粒子を含む化粧料又は殺菌殺虫剤
JPH08310933A (ja) 芳香剤
CN108676615A (zh) 一种纳米缓释香精的制备方法
JP2001276597A (ja) 造粒粉体及びその製造方法及び圧縮成形固形物
JPH11246897A (ja) 顆粒状消臭・抗菌剤及びその製造方法
JP2004231545A (ja) 竹炭等を含む成形品及びその製造方法
KR101960777B1 (ko) 향오일 다공성 입자 조성물 및 그 제조방법
JP3505633B2 (ja) 表面処理した非晶質リン酸カルシウム粒子とその製造方法
JP2006239505A (ja) 噴霧乾燥粉末およびその製造法
JP3075942B2 (ja) 油状物質の包接方法およびその包接化合物