JP2004231545A - 竹炭等を含む成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の木炭及び活性炭を成分として用いた成形品における製造時の問題点がなく、而も木炭及び活性炭を成分として用いた成形品からは期待することができない作用効果が賦与された成形品を提供する。
【解決手段】竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を必須成分として含む成形品。
【選択図】 なし
【解決手段】竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を必須成分として含む成形品。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を含む成形品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木炭を成分として用い、これにタブ粉等の糊料を混合し、水を加えて練合した後成形し、乾燥させて成形品とした線香、お香等の薫蒸物がある。
【0003】
しかし、その成分として用いる木炭は、低比重であると共に嵩高であり、更に低安息角のために、粉体混合時に分級による不均一性が生じ易く、また飛散性がある。更に接触角が大であることから溶剤に濡れ難いという問題点がある。これらのことから、木炭を配合した処方においては、製造現場において秤量し難く、秤量時の飛散誤差が出易いこと、また原料保管及び秤量場所での飛散による汚染や、製造ライン及び他の製品への汚染等が問題となること、また混合時における分級、ダマの生成、混合の不均一性が生じ易いこと、更にまた練合時間が長くなる等の種々の問題点があった。
【0004】
また、このような問題点は、従来において木炭と同様に一般的に用いられてきた活性炭を成分として用いた成形品においても同様である。
【0005】
また、従来技術で製造した成形品たる線香、お香などの燻蒸物等は、屋内で燃焼させ、香りを発散させるものである。その際に発生する燃焼煙は、屋内環境を爽やかにするといわれている。しかし、その効果は微弱であり、屋内居住空間をより快適にする新しい機能の発現が、以前から非常に待望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来において一般的に用いられてきた木炭及び活性炭を成分として用いた成形品における上記製造時の問題がなく、而も木炭及び活性炭を成分として用いた成形品からは期待することが微少な屋内居住空間への効果をより高度に、而もより快適に賦与することができる成形品を得るべく鋭意研究した結果なされたものである。
【0007】
即ち、本発明者らは、木炭及び活性炭に代わって用いる成分として竹炭を用いることを思いつき、研究と実験を重ねてきた。その結果、竹炭が有する嵩密度、比重、比表面積、脱吸着、pH、無機物組成等の物理化学的特性を利用することによって製造上の利点が得られ、更にまたこれらの特性から誘導される機能特性として消臭作用、空気清浄作用、吸湿放湿作用、断熱作用、マイナスイオン生成作用、遠赤外線放出作用、害虫忌避作用等の各種作用の発現が期待できることを知見した。
【0008】
そして更に、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類、有機酸類との併用による相乗効果で、抗菌作用、消臭作用を高めることにより、木炭および活性炭を成分として用いた成形品からは期待することができない作用、効果を賦与し、生活空間を快適な環境にすることができるようになした成形品を得ることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
而して、本発明に係る竹炭を含む成形品は、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を必須成分として含むことを特徴とするものである。
【0010】
また、上記成形品における竹炭は、イネ科に属する竹材を原材料とした650℃以上で炭化する高温竹炭と600℃以下で炭化する低温竹炭の少なくとも一種からなるものである。
【0011】
また、上記成形品における竹炭は、全体に対する含有量が1〜70重量%であることが望ましい。
【0012】
更に、上記成形品には、所定の割合でフェノール類を配合することが望ましい。当該フェノール類としては、ペパーミント、アジョワン等の粉砕粉末およびそれぞれの抽出エキス又は溶解液およびこれらの各種噴霧乾燥粉末、更にこれらの希釈粉末品のうちのいずれかが用いられる。これらフェノール類の全体に対する含有量は、0.01〜20重量%であることが望ましい。
【0013】
また、上記成形品には、所定の割合でアスコルビン酸類を配合することが望ましい。当該アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム等の水溶性塩、アスコルビン酸脂肪酸塩(例えばアスコルビルパルミテートなど)、デヒドロアスコルビン酸およびその水溶性塩、アラボアスコルビン酸およびその水溶性塩、エリアスコルビン酸およびその水溶性塩のうちのいずれかが用いられる。これらアスコルビン酸類の全体に対する含有量は、0.01〜20重量%であることが望ましい。
【0014】
更に、上記成形品には、所定の割合で有機酸類を配合することが望ましい。当該有機酸類としてはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマール酸、アミノ酢酸およびこれらのアルカリ金属およびアルカリ土類塩のうちのいずれかが用いられる。そしてこれら有機酸類の全体に対する含有量は0.01〜20重量%であることが望ましい。
【0015】
また、本発明に係る竹炭等を含む成形品の製造方法は、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類と無機物質、糊料、香料、防かび剤、着色剤、可溶解剤等を混合し、更にこれらに水を加えて均一に練合し、所定の形状に成形することを要旨とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る成形品は、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を必須成分として含むことを特徴とするものである。
【0017】
斯かる竹炭によれば嵩密度、比表面積、脱吸着、pH、無機物組成等の物理化学的特性を利用することで製造上での利点が得られる。そしてまた、これらの特性から誘導される機能特性として消臭作用、空気清浄作用、吸湿放湿作用、断熱作用、マイナスイオン生成作用、害虫忌避作用等の各種作用が生ずる。
【0018】
また、竹炭は木炭よりもナトリウム、カリウムを多量に含み(カリウムは木炭の約2倍、ナトリウムは約7〜30倍)、アルカリ度の高い(pH9〜10)竹炭は、強酸性物質の配合においても水酸化アルミニウム分子などの塩基の形態を維持させる。また、糊料の機能の失活を防止する効果が、木炭に比べて優れている。同様に酸性で反応する炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪酸ナトリウム(水ガラスを含む)、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどとの酸性物質との配合時においても竹炭の安定化効果が顕著である。また、酸性で不安定な顔料の分解を回避できる。
【0019】
更に竹炭は、木炭及び活性炭よりも高比重であり(竹炭の比重は約0.7〜0.9、木炭は約0.2、活性炭は0.5)、また竹特有の筒状の多孔性構造のために濡れ易く、吸着水を脱着し易い。このため飛散性、分級によるトラブルが大いに改良される。また竹の組成からも考察されるように比較的単純な成分からなり、炭化後の燃焼成分には複雑な重合物質が存在しないと言われる。更に比表面積は300m2 /gであり、木炭の十数倍の吸着力を有する。
【0020】
上記構成における竹炭は、具体的にはイネ科(Gramineae)に属するマダケ属の孟宗竹(Phyllostachys pubescens)、布袋竹(別名:ゴザンチク、クレタケ)(Phyllostachys aurea)、真竹(別名:ニガタケ)(Phyllostachys bambusoides)、ハチク( 別名: クレタケ、カラダケ)(Phyllostachys nigra var.henonis)、黒竹(別名:シチク)(Phyllostachys nigra var.nigra )、メダケ属の女竹(Pleioblastus simonii)、ホウライチク属の蓬莱竹(別名:ドヨウチク、チンチク)等の他、同じイネ科のナリヒラダケ属の業平竹(Semiarundinaria fastuosa var.fastuosa )、トウチク属の唐竹(別名:ダイミョウチク)(Sinobambusa tootsik )、シホウチク属の四方竹(別名:シカクダケ、イボダケ)(Tetragonocalamus angulatus)、オカメザサ属の阿亀笹、ササ属の隈笹、千島笹、棕笹、都笹等を原材料とするものである。またその他、姫篠、スズタケ、矢竹、ラッキョウダケ、カムロザサ、寒山竹、大明竹、アズマネザサ、ハコネダケ、オロシマチク、チゴザサ、寒竹、鳳凰竹、スホウチク等を用いてもよく、種類は特に限定されない。そしてまた、竹材の形態としては、竹加工過程で生ずる引き粉、チップ、竹片等も利用できる。
【0021】
これらの竹材を原材料とする竹炭は、一般的な簡易製炭法である伏焼き法、移動式鉄板窯法、ドラム缶窯法、築窯製炭法、工業的炭化法(平炉法、流動炉法、ロータリーキルン法)等で製造されたものである。また、本実施形態に係る竹炭は、良質な孟宗竹を原材料とし、高温で焼いた後、連続酸素隔離等の工程を経て精製したものである。燃焼の際にあっさりとした香を発散し、「竹香炭」とも呼ばれるものである。
【0022】
また、上記構成におけるフェノール類は、ペパーミント又はアジョワン等のそれぞれの粉砕物又はその抽出物で、これらはポリフェノール類、チモール等を主成分とする。尚、本実施形態ではこれらの抽出物粉末を用いている。これらに含まれるポリフェノール類は、分子内にフェノール性OH基を有する構造の物質であり、当該成形品の燃焼時に揮散して、防菌作用および防かび作用、消臭作用を発現する。
【0023】
また、アスコルビン酸類は、アスコルビン酸のナトリウム塩、カルシウム塩等水溶性物質およびアスコルビン酸の脂溶性誘導体、デヒドロアスコルビン酸およびその水溶性塩、アラボアスコルビン酸およびその水溶性塩、エリアスコルビン酸およびその水溶性塩である。これはいずれも還元性物質であり、上記フェノール類を安定化し、自ら抗菌作用、消臭作用を発揮すると共に、燃焼時における竹炭、フェノール類の抗菌作用、消臭作用に対しシネルギストとして相乗的に作用する。
【0024】
また、有機酸類は、分子内に存在するカルボキシル基或いは水酸基の作用によって酸化作用を持った金属イオンと錯化合物を形成するか、金属塩の生成により金属イオンを遮蔽し、これらイオンによるフェノール類、アスコルビン酸類の酸化による失活を阻止する。更に、成形品のpHをアルカリ性から中性乃至微酸性の状態に保持して、抗菌作用、消臭作用の低下を強力に防止する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。
〔実施例1〕
竹炭50g、タブ粉40g、炭酸カルシウム5g、CMC・Naを1g、アジョワン粉末1g、アスコルビン酸Naを1g、クエン酸Naを0.1g、その他香料などを混和、練合し、円柱状に成形し、乾燥させて線香を製造した。
【0026】
〔実施例2〕
竹炭55g、タブ粉30g、ミント抽出物粉末0.1g、エリアスコルビン酸0.5g、酒石酸Na0.1g、その他の香料などを混和、練合し、成形し、乾燥させてお香を製造した。
【0027】
これら実施例において、竹炭を木炭とした配合処方で同様に製造し、飛散性、混合性について比較試験を行った。その結果、木炭処方に比べて竹炭処方がこれらの点において良好であることを確認した。
【0028】
次に、実施例1及び2において、竹炭の代わりに木炭を使用し、他の添加物を含まない処方を対照に、消臭効果、殺菌効果の機能について測定した。測定方法及び結果は、以下の通りである。
【0029】
抗菌効果の測定:20m3 の室内に滅菌寒天培地入りシャーレを30分間静置し、室内の落下細菌を採取し、37℃にて培養後、生菌数をカウントした。同様に実施例1の試料を室内で燃焼させ、5分間放置後、同様の培地を室内に30分間静置して落下細菌を採取し、同様に操作後、生菌数をカウントした。
【0030】
【表1】
【0031】
消臭効果の測定:6リットルのボックス内にアンモニア200mgを染み込ませた濾紙を静置し、30分間放置した。その後アンモニア検知管を用いてボックス内のアンモニア濃度を測定した。予めボックス内に設置した実施例2の試料を燃焼させ、10分間放置後、アンモニア200mgを染み込ませた濾紙をボックス内で開放し、30分間放置した。同様にアンモニア検知管を用いてボックス内空間の残存アンモニア濃度を測定した。これらの測定値から消臭効果を測定した。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る成形品によれば、従来の木炭及び活性炭を成分として用いた成形品における製造時の問題点がなく、而も木炭及び活性炭を成分として用いた成形品からは期待することができない作用効果が賦与されており、生活空間をより快適な環境にすることができるものである。
【0034】
上記作用効果を具体的に示すと次の通りである。
1)製造時の分級による不均一性の回避。
2)濡れ易さによる練合性の向上。
3)飛散性の軽減。
4)強酸性物質の安定な添加作用。
5)低揮発成分(抗菌性成分等)の安定化作用。
6)優れた防菌作用。
7)強力な消臭作用。
【発明の属する技術分野】
本発明は竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を含む成形品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木炭を成分として用い、これにタブ粉等の糊料を混合し、水を加えて練合した後成形し、乾燥させて成形品とした線香、お香等の薫蒸物がある。
【0003】
しかし、その成分として用いる木炭は、低比重であると共に嵩高であり、更に低安息角のために、粉体混合時に分級による不均一性が生じ易く、また飛散性がある。更に接触角が大であることから溶剤に濡れ難いという問題点がある。これらのことから、木炭を配合した処方においては、製造現場において秤量し難く、秤量時の飛散誤差が出易いこと、また原料保管及び秤量場所での飛散による汚染や、製造ライン及び他の製品への汚染等が問題となること、また混合時における分級、ダマの生成、混合の不均一性が生じ易いこと、更にまた練合時間が長くなる等の種々の問題点があった。
【0004】
また、このような問題点は、従来において木炭と同様に一般的に用いられてきた活性炭を成分として用いた成形品においても同様である。
【0005】
また、従来技術で製造した成形品たる線香、お香などの燻蒸物等は、屋内で燃焼させ、香りを発散させるものである。その際に発生する燃焼煙は、屋内環境を爽やかにするといわれている。しかし、その効果は微弱であり、屋内居住空間をより快適にする新しい機能の発現が、以前から非常に待望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来において一般的に用いられてきた木炭及び活性炭を成分として用いた成形品における上記製造時の問題がなく、而も木炭及び活性炭を成分として用いた成形品からは期待することが微少な屋内居住空間への効果をより高度に、而もより快適に賦与することができる成形品を得るべく鋭意研究した結果なされたものである。
【0007】
即ち、本発明者らは、木炭及び活性炭に代わって用いる成分として竹炭を用いることを思いつき、研究と実験を重ねてきた。その結果、竹炭が有する嵩密度、比重、比表面積、脱吸着、pH、無機物組成等の物理化学的特性を利用することによって製造上の利点が得られ、更にまたこれらの特性から誘導される機能特性として消臭作用、空気清浄作用、吸湿放湿作用、断熱作用、マイナスイオン生成作用、遠赤外線放出作用、害虫忌避作用等の各種作用の発現が期待できることを知見した。
【0008】
そして更に、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類、有機酸類との併用による相乗効果で、抗菌作用、消臭作用を高めることにより、木炭および活性炭を成分として用いた成形品からは期待することができない作用、効果を賦与し、生活空間を快適な環境にすることができるようになした成形品を得ることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
而して、本発明に係る竹炭を含む成形品は、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を必須成分として含むことを特徴とするものである。
【0010】
また、上記成形品における竹炭は、イネ科に属する竹材を原材料とした650℃以上で炭化する高温竹炭と600℃以下で炭化する低温竹炭の少なくとも一種からなるものである。
【0011】
また、上記成形品における竹炭は、全体に対する含有量が1〜70重量%であることが望ましい。
【0012】
更に、上記成形品には、所定の割合でフェノール類を配合することが望ましい。当該フェノール類としては、ペパーミント、アジョワン等の粉砕粉末およびそれぞれの抽出エキス又は溶解液およびこれらの各種噴霧乾燥粉末、更にこれらの希釈粉末品のうちのいずれかが用いられる。これらフェノール類の全体に対する含有量は、0.01〜20重量%であることが望ましい。
【0013】
また、上記成形品には、所定の割合でアスコルビン酸類を配合することが望ましい。当該アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム等の水溶性塩、アスコルビン酸脂肪酸塩(例えばアスコルビルパルミテートなど)、デヒドロアスコルビン酸およびその水溶性塩、アラボアスコルビン酸およびその水溶性塩、エリアスコルビン酸およびその水溶性塩のうちのいずれかが用いられる。これらアスコルビン酸類の全体に対する含有量は、0.01〜20重量%であることが望ましい。
【0014】
更に、上記成形品には、所定の割合で有機酸類を配合することが望ましい。当該有機酸類としてはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマール酸、アミノ酢酸およびこれらのアルカリ金属およびアルカリ土類塩のうちのいずれかが用いられる。そしてこれら有機酸類の全体に対する含有量は0.01〜20重量%であることが望ましい。
【0015】
また、本発明に係る竹炭等を含む成形品の製造方法は、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類と無機物質、糊料、香料、防かび剤、着色剤、可溶解剤等を混合し、更にこれらに水を加えて均一に練合し、所定の形状に成形することを要旨とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る成形品は、竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を必須成分として含むことを特徴とするものである。
【0017】
斯かる竹炭によれば嵩密度、比表面積、脱吸着、pH、無機物組成等の物理化学的特性を利用することで製造上での利点が得られる。そしてまた、これらの特性から誘導される機能特性として消臭作用、空気清浄作用、吸湿放湿作用、断熱作用、マイナスイオン生成作用、害虫忌避作用等の各種作用が生ずる。
【0018】
また、竹炭は木炭よりもナトリウム、カリウムを多量に含み(カリウムは木炭の約2倍、ナトリウムは約7〜30倍)、アルカリ度の高い(pH9〜10)竹炭は、強酸性物質の配合においても水酸化アルミニウム分子などの塩基の形態を維持させる。また、糊料の機能の失活を防止する効果が、木炭に比べて優れている。同様に酸性で反応する炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪酸ナトリウム(水ガラスを含む)、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどとの酸性物質との配合時においても竹炭の安定化効果が顕著である。また、酸性で不安定な顔料の分解を回避できる。
【0019】
更に竹炭は、木炭及び活性炭よりも高比重であり(竹炭の比重は約0.7〜0.9、木炭は約0.2、活性炭は0.5)、また竹特有の筒状の多孔性構造のために濡れ易く、吸着水を脱着し易い。このため飛散性、分級によるトラブルが大いに改良される。また竹の組成からも考察されるように比較的単純な成分からなり、炭化後の燃焼成分には複雑な重合物質が存在しないと言われる。更に比表面積は300m2 /gであり、木炭の十数倍の吸着力を有する。
【0020】
上記構成における竹炭は、具体的にはイネ科(Gramineae)に属するマダケ属の孟宗竹(Phyllostachys pubescens)、布袋竹(別名:ゴザンチク、クレタケ)(Phyllostachys aurea)、真竹(別名:ニガタケ)(Phyllostachys bambusoides)、ハチク( 別名: クレタケ、カラダケ)(Phyllostachys nigra var.henonis)、黒竹(別名:シチク)(Phyllostachys nigra var.nigra )、メダケ属の女竹(Pleioblastus simonii)、ホウライチク属の蓬莱竹(別名:ドヨウチク、チンチク)等の他、同じイネ科のナリヒラダケ属の業平竹(Semiarundinaria fastuosa var.fastuosa )、トウチク属の唐竹(別名:ダイミョウチク)(Sinobambusa tootsik )、シホウチク属の四方竹(別名:シカクダケ、イボダケ)(Tetragonocalamus angulatus)、オカメザサ属の阿亀笹、ササ属の隈笹、千島笹、棕笹、都笹等を原材料とするものである。またその他、姫篠、スズタケ、矢竹、ラッキョウダケ、カムロザサ、寒山竹、大明竹、アズマネザサ、ハコネダケ、オロシマチク、チゴザサ、寒竹、鳳凰竹、スホウチク等を用いてもよく、種類は特に限定されない。そしてまた、竹材の形態としては、竹加工過程で生ずる引き粉、チップ、竹片等も利用できる。
【0021】
これらの竹材を原材料とする竹炭は、一般的な簡易製炭法である伏焼き法、移動式鉄板窯法、ドラム缶窯法、築窯製炭法、工業的炭化法(平炉法、流動炉法、ロータリーキルン法)等で製造されたものである。また、本実施形態に係る竹炭は、良質な孟宗竹を原材料とし、高温で焼いた後、連続酸素隔離等の工程を経て精製したものである。燃焼の際にあっさりとした香を発散し、「竹香炭」とも呼ばれるものである。
【0022】
また、上記構成におけるフェノール類は、ペパーミント又はアジョワン等のそれぞれの粉砕物又はその抽出物で、これらはポリフェノール類、チモール等を主成分とする。尚、本実施形態ではこれらの抽出物粉末を用いている。これらに含まれるポリフェノール類は、分子内にフェノール性OH基を有する構造の物質であり、当該成形品の燃焼時に揮散して、防菌作用および防かび作用、消臭作用を発現する。
【0023】
また、アスコルビン酸類は、アスコルビン酸のナトリウム塩、カルシウム塩等水溶性物質およびアスコルビン酸の脂溶性誘導体、デヒドロアスコルビン酸およびその水溶性塩、アラボアスコルビン酸およびその水溶性塩、エリアスコルビン酸およびその水溶性塩である。これはいずれも還元性物質であり、上記フェノール類を安定化し、自ら抗菌作用、消臭作用を発揮すると共に、燃焼時における竹炭、フェノール類の抗菌作用、消臭作用に対しシネルギストとして相乗的に作用する。
【0024】
また、有機酸類は、分子内に存在するカルボキシル基或いは水酸基の作用によって酸化作用を持った金属イオンと錯化合物を形成するか、金属塩の生成により金属イオンを遮蔽し、これらイオンによるフェノール類、アスコルビン酸類の酸化による失活を阻止する。更に、成形品のpHをアルカリ性から中性乃至微酸性の状態に保持して、抗菌作用、消臭作用の低下を強力に防止する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。
〔実施例1〕
竹炭50g、タブ粉40g、炭酸カルシウム5g、CMC・Naを1g、アジョワン粉末1g、アスコルビン酸Naを1g、クエン酸Naを0.1g、その他香料などを混和、練合し、円柱状に成形し、乾燥させて線香を製造した。
【0026】
〔実施例2〕
竹炭55g、タブ粉30g、ミント抽出物粉末0.1g、エリアスコルビン酸0.5g、酒石酸Na0.1g、その他の香料などを混和、練合し、成形し、乾燥させてお香を製造した。
【0027】
これら実施例において、竹炭を木炭とした配合処方で同様に製造し、飛散性、混合性について比較試験を行った。その結果、木炭処方に比べて竹炭処方がこれらの点において良好であることを確認した。
【0028】
次に、実施例1及び2において、竹炭の代わりに木炭を使用し、他の添加物を含まない処方を対照に、消臭効果、殺菌効果の機能について測定した。測定方法及び結果は、以下の通りである。
【0029】
抗菌効果の測定:20m3 の室内に滅菌寒天培地入りシャーレを30分間静置し、室内の落下細菌を採取し、37℃にて培養後、生菌数をカウントした。同様に実施例1の試料を室内で燃焼させ、5分間放置後、同様の培地を室内に30分間静置して落下細菌を採取し、同様に操作後、生菌数をカウントした。
【0030】
【表1】
【0031】
消臭効果の測定:6リットルのボックス内にアンモニア200mgを染み込ませた濾紙を静置し、30分間放置した。その後アンモニア検知管を用いてボックス内のアンモニア濃度を測定した。予めボックス内に設置した実施例2の試料を燃焼させ、10分間放置後、アンモニア200mgを染み込ませた濾紙をボックス内で開放し、30分間放置した。同様にアンモニア検知管を用いてボックス内空間の残存アンモニア濃度を測定した。これらの測定値から消臭効果を測定した。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る成形品によれば、従来の木炭及び活性炭を成分として用いた成形品における製造時の問題点がなく、而も木炭及び活性炭を成分として用いた成形品からは期待することができない作用効果が賦与されており、生活空間をより快適な環境にすることができるものである。
【0034】
上記作用効果を具体的に示すと次の通りである。
1)製造時の分級による不均一性の回避。
2)濡れ易さによる練合性の向上。
3)飛散性の軽減。
4)強酸性物質の安定な添加作用。
5)低揮発成分(抗菌性成分等)の安定化作用。
6)優れた防菌作用。
7)強力な消臭作用。
Claims (10)
- 竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類および有機酸類を必須成分として含むことを特徴とする竹炭等を含む成形品。
- 竹炭がイネ科に属する竹材から製造されるもので、それらの1種以上からなるものである請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- フェノール類がペパーミント又はアジョワンの粉砕物又はその抽出物である請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- アスコルビン酸類がアスコルビン酸のナトリウム塩、カルシウム塩等水溶性物質およびアスコルビン酸の脂溶性誘導体、デヒドロアスコルビン酸およびその水溶性塩、アラボアスコルビン酸およびその水溶性塩、エリアスコルビン酸およびその水溶性塩である請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- 有機酸類がクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマール酸、アミノ酢酸およびこれらのアルカリ金属およびアルカリ土類塩である請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- 竹炭の全体に対する含有量が、1〜70重量%である請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- フェノール類の全体に対する含有量が、0.01〜20重量%である請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- アスコルビン酸類の全体に対する含有量が、0.01〜20重量%である請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- 有機酸類の全体に対する含有量が、0.01〜20重量%である請求項1記載の竹炭等を含む成形品。
- 竹炭、フェノール類、アスコルビン酸類、有機酸類とに無機物質、糊料、香料、防かび剤、着色剤、可溶解剤等を混合し、更にこれらに水を加えて均一に練合し、所定の形状に成形してなる竹炭等を含む成形品の製造方法。
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