JPH08296714A - デファレンシャル装置 - Google Patents
デファレンシャル装置Info
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Abstract
シャル装置の耐久性を向上させる。 【構成】 エンジンの駆動力により回転駆動されるデフ
ケース3と、デフケース3の内部に回転自在に支承され
た一対のサイドギヤ15,17と、これらサイドギヤ1
5,17の径方向外側に配置され、サイドギヤ15,1
7と各別に噛み合う第1ギヤ部45,51および互いに
噛み合う第2ギヤ部47,53を有する少なくとも一対
のピニオンギヤ41,43と、デフケース3に形成され
各ピニオンギヤ41,43を摺動回転自在に収納する収
納孔37,39とを備え、一方のピニオンギヤ41の第
1ギヤ部45と第2ギヤ部47の歯先が軸端部から他方
のギヤ部47,45側の端部に向けて凸型曲線形状に形
成されていることを特徴とする。
Description
ル装置に関する。
ようなデファレンシャル装置201が記載されており、
図6はその構成を示している。
ス203、これと同軸配置された出力側のヘリカルサイ
ドギヤ205,207、これらの径方向外側に配置され
た長短のヘリカルピニオンギヤ209,211(211
は図7参照)などを備えている。ピニオンギヤ209は
デフケース203の収納孔213に摺動回転自在に収納
され、ピニオンギヤ211は他の収納孔に摺動回転自在
に収納されている。各ピニオンギヤ209,211は、
それぞれの第1ギヤ部215,217がサイドギヤ20
5,207と各別に噛み合い、第2ギヤ部219,22
1が互いに噛み合うことによりサイドギヤ205,20
7を連結している。長いピニオンギヤ209は第1と第
2のギヤ部215,219を連結する小径の軸部223
を持っている。エンジンの駆動力はデフケース203を
回転させ、ピニオンギヤ209,211からサイドギヤ
205,207を介して車輪側に伝達される。
09,211はサイドギヤ205,207との噛み合い
反力により歯先を各収納孔の壁面に押し付けられて摩擦
抵抗が生じると共に、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト
力によって、サイドギヤ205,207の間で、あるい
はピニオンギヤ209,211やサイドギヤ205,2
07とデフケース203との間で摩擦抵抗が生じ、これ
らの摩擦抵抗によりトルク感応型の差動制限機能を得て
いる。
印225は車両が前進走行するときのデフケース203
の回転方向を示す。一対のピニオンギヤ209,211
のうち長いピニオンギヤ209はデフケース203の回
転方向に対して短いピニオンギヤ211よりも先行して
公転するように配置されている。図7のように、デフケ
ース203が矢印225の方向に回転するとピニオンギ
ヤ209の第1ギヤ部215とピニオンギヤ211の第
1ギヤ部217にはそれぞれの収納孔から破線の矢印の
ような回転トルク227,229が作用すると共に、実
線の矢印のようにその反力の負荷トルク231,233
が各収納孔を介してデフケース203に作用する。
ニオンギヤ211,209の第2ギヤ部221,219
では、互いの噛み合いによる反対方向の噛み合い反力F
1,F2が生じ、図9に示すように、各第1ギヤ部21
7,215では、サイドギヤ207,205との噛み合
いによる同方向の噛み合い反力F3,F4が生じる。
225に対して後行して公転する短いピニオンギヤ21
1では反力F1,F3が略同方向側であるのに対して、
先行して公転する長いピニオンギヤ209では反力F
2,F4が反対方向になって転倒トルクが生じるときが
ある。長いピニオンギヤ209及び短いピニオンギヤ2
11は、歯先でデフケース203の収納孔に回転自在に
収納されており、収納孔とピニオンギヤ209,211
の歯先との間に僅かな隙間を有しているため、こうして
生じた転倒トルクを受けて長いピニオンギヤ209には
回転中心軸に対する倒れが生じ、図7に示すように、無
負荷時の位置から負荷を受けたときの位置まで端部が移
動する。
入力し矢印225の方向に回転した場合、ピニオンギヤ
211はデフケース203の収納孔より直接駆動トルク
を受けて略同方向の反力が生じるため高反力側のピニオ
ンギヤと呼び、ピニオンギヤ209はピニオンギヤ21
1よりデフケース203の回転方向225に対して先行
して公転する側に配置されているため、ピニオンギヤ2
09の第2のギヤ部219へはピニオンギヤ211の第
2のギヤ部221から駆動トルクを受け、反対方向の反
力が生じるため低反力側のピニオンギヤと呼ぶことにす
る。
0のように、第1ギヤ部215はサイドギヤ205と、
また、第2ギヤ部219は短いピニオンギヤ211の第
2ギヤ部221とそれぞれが矢印235,237で示す
部分で局部当りを起こす。この局部当りによって、図1
1に示すように、各歯面の各歯当り部239,241に
ピッチング(歯面が荷重を受けて歯面の表面が薄片とな
って剥離する現象)が生じ、ピニオンギヤ209,21
1及びサイドギヤ205等の耐久性が低下し、最終的に
はデファレンシャル装置201自体の耐久性が低下する
ことになる。
対方向に回転する後進走行時は、ピニオンギヤ209が
第1ギヤ部219及び第2ギヤ部215でデフケース2
03の収納孔より直接駆動トルクを受けるため、ピニオ
ンギヤ209に略同方向の反力が生じて高反力側とな
る。このため、先行して公転する短いピニオンギヤ21
1が倒れ、短いピニオンギヤ211に局部当りが生じて
ピッチングが発生し耐久性が低下することになる。
が適正値に保たれている間は小さいが、経時変化によっ
て隙間が広がるにしたがって倒れ角が大きくなり、やが
てはピッチングによって耐久性を低下させることにな
る。
ピニオンギヤの歯先を支承するように構成されたデファ
レンシャル装置において、ピニオンギヤの片当りを防止
し、デファレンシャル装置の耐久性を向上させることを
目的とする。
に、請求項1に記載の発明は、エンジンの駆動力により
回転駆動されるデフケースと、デフケースの内部に回転
自在に支承された一対のサイドギヤと、これらサイドギ
ヤの径方向外側に配置され、サイドギヤと各別に噛み合
う第1ギヤ部および互いに噛み合う第2ギヤ部を有する
少なくとも一対のピニオンギヤと、デフケースに形成さ
れ各ピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔とを
備え、少なくともいずれか一方のピニオンギヤの第1ギ
ヤ部と第2ギヤ部のいずれか一方又は両方のギヤ部の歯
先が軸端部から他方のギヤ部側の端部に向けて凸型曲線
形状に形成されていることを特徴とする。
のデファレンシャル装置であって、該デファレンシャル
装置は車両用に用いられ、凸型曲線形状に形成されピニ
オンギヤは、車両が前進走行する際のデフケースの回転
方向に対し、一対のピニオンギヤのうち先行回転側に配
置されたことを特徴とする。
に記載のデファレンシャル装置であって、前記一対のピ
ニオンギヤは、小径の軸部を介して第1と第2のギヤ部
が連結された長いピニオンギヤと、第1と第2のギヤ部
が連続して形成された短いピニオンギヤとからなること
を特徴とする。
請求項3のいずれかに記載のデファレンシャル装置であ
って、前記ピニオンギヤはヘリカルギヤとして形成さ
れ、凸型曲線形状に形成されたピニオンギヤは回転方向
左右の歯面での曲率が異なるように形成されていること
を特徴とする。
請求項4のいずれかに記載のデファレンシャル装置であ
って、歯先が凸型曲線形状に形成されたピニオンギヤの
第1ギヤ部と第2ギヤ部は小径の軸部を介して連結さ
れ、第1ギヤ部の一方側の歯面の曲率と第2ギヤ部の他
方側の歯面の曲率および第1ギヤ部の他方側の歯面の曲
率と第2ギヤ部の一方側の歯面の曲率が等しく形成され
ていることを特徴とする。
請求項5のいずれかに記載のデファレンシャル装置であ
って、前記第1と第2のギヤ部の少なくとも一方のギヤ
部に形成された凸型曲線形状は、他方のギヤ部と向かい
合う側のみに形成されていることを特徴とする。
ずれか一方のピニオンギヤの第1ギヤ部と第2ギヤ部の
いずれか一方又は両方のギヤ部を、歯先が軸端部から他
方のギヤ部側の端部に向けて凸型曲線形状に形成した。
イドギヤとの噛み合い反力により収納孔の壁面に押し付
けられることにより摩擦抵抗が生じ、トルク感応型の差
動制限機能が得られる。
ヤ部で生じる噛み合い反力が反対方向の反力として発生
しピニオンギヤに倒れが生じても、ピニオンギヤを歯先
が軸端部から他方のギヤ部側の端部に向けて凸型曲線形
状に形成したことにより、ピニオンギヤの歯面端部でギ
ヤの倒れによる相手側ギヤと局部当りが発生しない。こ
のため、局部当りによるピッチングを防止でき耐久性の
向上が図れる。
のいずれか一方に設けるだけでもよく、その場合にはそ
の分加工が容易となり、コストの上昇が抑えられる。
に記載の発明による作用に加え、凸型曲線形状に形成さ
れたピニオンギヤは車両が前進走行する際のデフケース
の回転方向に対し、一対のピニオンギヤのうち先行回転
側に配置されているので、実質的に十分な耐久性の向上
効果を得ることができる。
又は2に記載の発明による作用に加え、一対のピニオン
ギヤが、小径の軸部を介して第1ギヤ部と第2ギヤ部と
が連結された長いピニオンギヤと、第1と第2のギヤ部
が連続して形成された短いピニオンギヤとから構成され
ているため、デファレンシャル装置の小型化が図れる。
ないし請求項3のいずれかに記載の発明による作用に加
え、ピニオンギヤはヘリカルギヤとして形成され、凸型
曲線形状に形成されたギヤは回転方向左右の歯面での曲
率が異なるように形成されていることによりピニオンギ
ヤの歯厚を増加でき、耐久性をより向上できる。
ないし請求項4のいずれかに記載の発明による作用に加
え、歯先が凸型曲線形状に形成されたピニオンギヤの第
1ギヤ部と第2ギヤ部は小径の軸部を介して連結され、
第1ギヤ部の一方側の歯面の曲率と第2ギヤ部の他方側
の歯面の曲率および第1ギヤ部の他方側の歯面の曲率と
第2ギヤ部の一方側の歯面の曲率が等しく形成されてい
ることにより、凸型曲線形状を一対のピニオンギヤのい
ずれか一方のピニオンギヤにだけ設けた場合であって
も、デフケースの回転方向にかかわりなくギヤ部端部で
の各歯当り部でピニオンギヤの倒れによる局部当りが発
生せず、局部当りによるピッチングを防止でき耐久性の
向上が図れる。
ないし請求項5のいずれかに記載の発明による作用に加
え、第1と第2のギヤ部の少なくとも一方のギヤ部に形
成された凸型曲線形状は、他方のギヤ部と向かい合う側
のみに形成されていることにより、ピニオンギヤに倒れ
が生じないときにあっても、各歯面での歯当り面積が増
大して耐久性の向上が図れる。
する。この実施例は請求項1,2,3の特徴を備えてい
る。図1は本実施例のデファレンシャル装置1の全体構
成を示す断面図である。
をボルト9で固定して構成されている。デファレンシャ
ル装置1全体がデフキャリア(図示省略)の内部に配置
されており、デフケース3の左右のボス部11,13は
ベアリングを介してデフキャリアに支承されている。デ
フキャリアにはオイル溜りが設けられており、デファレ
ンシャル装置1は、静止状態では下部がこのオイル溜り
に浸されており、回転するとオイル溜りからオイルを撥
ねあげる。
ルギヤで構成された左右のサイドギヤ15,17が配置
されている。
9,21はデフケース3の支承部23,25によって回
転自在に支承されている。ボス部19,21の内側に形
成された大径部27,29には、これらの内周に跨がっ
てスラストブロック31が配置され、サイドギヤ15,
17の各自由端を支承しセンタリングしている。
れデフケース3のボス部11,13を貫通し、サイドギ
ヤ15,17のボス部19,21にスプライン連結され
ている。サイドギヤ15,17とデフケース3との間に
はそれぞれスラストワッシャ33が配置されており、サ
イドギヤ15,17の間(スラストブロック33の外周
側)にはスラストワッシャ35が配置されている。
が周方向に複数組形成されている。これらの収納孔3
7,39にはそれぞれヘリカルギヤで構成された長短の
ピニオンギヤ41,43が摺動回転自在に収納されてい
る。
ヤ部45,47とこれらを連結する小径の軸部49とか
らなり、第1ギヤ部45は右のサイドギヤ17と噛み合
っている。また、短いピニオンギヤ43は、互いの間に
軸部を持たない第1と第2のギヤ部51,53からな
り、第1ギヤ部51は左のサイドギヤ15と噛み合い、
第2ギヤ部53はピニオンギヤ41の第2ギヤ部47と
互いに噛み合っている。
力は、ピニオンギヤ41,43からサイドギヤ15,1
7を介して左右の出力軸側に分配される。また、例えば
悪路走行中に、出力軸間に駆動抵抗差が生じると各ピニ
オンギヤ41,43の自転によってエンジンの駆動力は
左右各側に差動分配される。
3の歯先はサイドギヤ17,15との噛み合い反力によ
り収納孔37,39の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が
発生する。また、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力に
よって各ピニオンギヤ41,43の端面とデフケース3
との間で摩擦抵抗が発生し、スラストワッシャ33を介
してサイドギヤ15,17とデフケース3との間で、ま
た、スラストワッシャ35を介してサイドギヤ15,1
7の間で摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗によ
り、トルク感応型の差動制限機能が得られる。
設けられており、ボス部11,13の内周には螺旋状の
オイル溝61,61が形成されている。デファレンシャ
ル装置1の回転時はオイル溜りから撥ね上げられたオイ
ルが、また、静止時にはオイル溜りのオイルが、開口5
5,57,59とオイル溝61,61とからデフケース
3に流出入し、収納孔37,39や各ギヤの噛み合い部
などに供給され、これらを潤滑する。
短いピニオンギヤ43から長いピニオンギヤ41の方向
に回転する。つまり短いピニオンギヤ43が高反力側の
ピニオンギヤで、長いピニオンギヤ41が低反力側のピ
ニオンギヤであり、デフケース3の回転方向に対してピ
ニオンギヤ41は先行して公転する。このとき、ピニオ
ンギヤ41には、第1ギヤ部45が右のサイドギヤ17
から受ける噛み合い反力と、第2ギヤ部47がピニオン
ギヤ43の第2ギヤ部53から受ける噛み合い反力とに
よって転倒トルクがかかり、倒れが生じる。
2のギヤ部45,47には、図2に示すように、それぞ
れの歯先が一方の端部から他方の端部に至る中間で凸型
曲線形状に形成してある。このように凸型曲線形状に形
成したことにより、図3に破線で示すように、ピニオン
ギヤ41の第1ギヤ部45と第2ギヤ部47の各歯当り
部63,65は、それぞれサイドギヤ17とピニオンギ
ヤ43の第2ギヤ部53と歯幅の中央部で接触してお
り、図11に示す前記従来例の現象と異なって、片当り
とピッチングが防止され、耐久性が大幅に向上する。
されている。
は、デファレンシャル装置1のトルク感応型差動制限力
によって、発進時や加速時のように大きなトルクをかけ
たときの車体の挙動が安定すると共に、デファレンシャ
ル装置1の大きな耐久性によって長期にわたり優れた操
縦性と安定性とが得られる。
説明する。
いる。全体構成は上記第1実施例と同じである。従っ
て、以下の説明の中で上記第1実施例の部材と同機能の
部材は同一の符号を付して引用し、重複する説明は省略
する。
用いられた長いピニオンギヤ67の第1と第2のギヤ部
69,71を展開して示している。ピニオンギヤ67は
デフケース3の収納孔37に摺動回転自在に収納され、
車両の前進走行時にデフケース3の回転方向に対して先
行して公転する低反力側に配置されている。ピニオンギ
ヤ67は第1と第2のギヤ部69,71とこれらを連結
する小径の軸部(図示省略)とからなり、第1ギヤ部6
9はサイドギヤ17と噛み合い、第2ギヤ部71は短い
ピニオンギヤ43の第2ギヤ部53と噛み合っている。
ニオンギヤ43から長いピニオンギヤ67の方向に回転
し、長いピニオンギヤ67は第1と第2のギヤ部69,
71の噛み合い反力による転倒トルクを受けて回転中心
軸に対する倒れが生じる。
67の第1と第2のギヤ部69,71は軸端部から他方
のギヤ部に向けてしだいに歯先が小さくなる凸型の連続
した曲線形状とされている。なお、この曲線形状の曲率
は回転方向左右の歯面で異なって形成されている。ま
た、第2ギヤ部71の曲線形状は図4において第1ギヤ
部69を180度(上下逆に)回転した形状とされてい
る。つまり第1ギヤ部69の一方側の歯面の曲率と第2
ギヤ部71の他方側の歯面の曲率とが等しく、第1ギヤ
部69の他方側の歯面の曲率と第2ギヤ部71の一方側
の歯面の曲率が等しく形成されている。
9,71の歯幅L1の80%となる歯幅中央部の幅L2
における減少量tを指定するとともに、歯厚は歯幅中央
付近Cでのピッチ円径に沿った歯厚u´を指定すること
により設定される。
のギヤ部69,71は回転方向左右の歯面で異なった曲
率の曲線形状に形成されていることにより、同一の曲率
の曲線形状に形成する場合よりもギヤ部69,71の歯
厚を増加でき、耐久性をより向上できる。
率と第2ギヤ部71の他方側の歯面の曲率とが等しく、
第1ギヤ部69の他方側の歯面の曲率と第2ギヤ部71
の一方側の歯面の曲率が等しく形成されていることによ
り、凸型曲線形状をピニオンギヤ67にだけ設けた場合
であっても、デフケースの回転方向にかかわりなくギヤ
部端部での各歯当り部でピニオンギヤ67,43の倒れ
による局部当りが発生せず、局部当りによるピッチング
を防止でき耐久性の向上が図れる。
説明する。
いる。全体構成は上記第1実施例と同じである。従っ
て、以下の説明の中で上記第1実施例の部材と同機能の
部材は同一の符号を付して引用し、重複する説明は省略
する。
用いられた長いピニオンギヤ91の第1と第2のギヤ部
93,95を展開して示している。ピニオンギヤ91は
デフケース3の収納孔37に摺動回転自在に収納され、
車両の前進走行時にデフケース3の回転方向に対して先
行して公転する低反力側に配置されている。ピニオンギ
ヤ91は第1と第2のギヤ部93,95とこれらを連結
する小径の軸部(図示省略)とからなり、第1ギヤ部9
3はサイドギヤ17と噛み合い、第2ギヤ部95は短い
ピニオンギヤ43の第2ギヤ部53と噛み合っている。
ニオンギヤ43から長いピニオンギヤ91の方向に回転
し、長いピニオンギヤ91は第1と第2のギヤ部93,
95の噛み合い反力による転倒トルクを受けて回転中心
軸に対する倒れが生じる。
91の第1と第2のギヤ部93,95はそれぞれ各歯幅
の中央付近Cから他方のギヤ部95,93側にだけ設け
られ、かつ他方のギヤ部95,93に向けてしだいに歯
先が小さくなる凸型の連続した曲線形状とされている。
なお、この曲線形状の曲率は回転方向左右の歯面で異な
って形成されている。また、第2ギヤ部95の曲線形状
は図5において第1ギヤ部93を180度(上下逆に)
回転した形状とされている。つまり第1ギヤ部93の一
方側の歯面の曲率と第2ギヤ部95の他方側の歯面の曲
率とが等しく、第1ギヤ部93の他方側の歯面の曲率と
第2ギヤ部95の一方側の歯面の曲率が等しく形成され
ている。
のギヤ部93,95は回転方向左右の歯面で異なった曲
率の曲線形状に形成されていることにより、同一の曲率
の曲線形状に形成する場合よりもギヤ部93,95の歯
厚を増加でき、耐久性をより向上できる。
率と第2ギヤ部95の他方側の歯面の曲率とが等しく、
第1ギヤ部93の他方側の歯面の曲率と第2ギヤ部95
の一方側の歯面の曲率が等しく形成されていることによ
り、凸型曲線形状をピニオンギヤ91にだけ設けた場合
であっても、デフケースの回転方向にかかわりなくギヤ
部端部での各歯当り部でピニオンギヤ91,43の倒れ
による局部当りが発生せず、局部当りによるピッチング
を防止でき耐久性の向上が図れる。
合う側のみに形成されていることにより、ピニオンギヤ
91,43に倒れが生じないときにあっても、各歯面で
の歯当り面積が増大して耐久性の向上が図れる。
ヤに凸型曲線形状を形成しているが、短いピニオンギヤ
に凸型曲線形状を形成してもよい。また、上記各実施例
のようなヘリカルギヤに形成するのではなく、スパーギ
ヤに形成してもよい。
1に記載の発明によれば、少なくともいずれか一方のピ
ニオンギヤの第1ギヤ部と第2ギヤ部のいずれか一方又
は両方のギヤ部を、歯先が軸端部から他方のギヤ部側の
端部に向けて凸型曲線形状に形成したので、ピニオンギ
ヤに第1と第2のギヤ部で生じる噛み合い反力が反対方
向の反力として発生しピニオンギヤに倒れが生じても、
ピニオンギヤの歯面端部でギヤの倒れによる相手側ギヤ
と局部当りが発生しない。このため、局部当りによるピ
ッチングを防止でき耐久性の向上が図れる。
に記載の発明による効果に加え、凸型曲線形状に形成さ
れたピニオンギヤは車両が前進走行する際の回転方向に
対し、一対のピニオンギヤのうち先行回転側に配置され
ているので、実質的に十分な耐久性の向上効果を得るこ
とができる。
又は2に記載の発明による効果に加え、一対のピニオン
ギヤが、小径の軸部を介して第1ギヤ部と第2ギヤ部と
が連結された長いピニオンギヤと、第1と第2のギヤ部
が連続して形成された短いピニオンギヤとから構成され
ているため、デファレンシャル装置の小型化が図れる。
ないし3のいずれかに記載の発明による効果に加え、ピ
ニオンギヤはヘリカルギヤとして形成され、凸型曲線形
状に形成されたギヤは回転方向左右の歯面での曲率が異
なるように形成されていることによりピニオンギヤの歯
厚を増加でき、耐久性をより向上できる。
ないし4のいずれかに記載の発明による効果に加え、歯
先が凸型曲線形状に形成されたピニオンギヤの第1ギヤ
部と第2ギヤ部は小径の軸部を介して連結され、第1ギ
ヤ部の一方側の歯面の曲率と第2ギヤ部の他方側の歯面
の曲率および第1ギヤ部の他方側の歯面の曲率と第2ギ
ヤ部の一方側の歯面の曲率が等しく形成されていること
により、凸型曲線形状を一対のピニオンギヤのいずれか
一方のピニオンギヤにだけ設けた場合であっても、デフ
ケースの回転方向にかかわりなくギヤ部端部での各歯当
り部でピニオンギヤの倒れによる局部当りが発生せず、
局部当りによるピッチングを防止でき耐久性の向上が図
れる。
ないし5のいずれかに記載の発明による効果に加え、第
1と第2のギヤ部の少なくとも一方のギヤ部に形成され
た凸型曲線形状は、他方のギヤ部と向かい合う側のみに
形成されていることにより、ピニオンギヤに倒れが生じ
ないときにあっても、各歯面での歯当り面積が増大して
耐久性の向上が図れる。
る。
歯当りを示す図である。
図である。
図である。
である。
面図である。
向を示す斜視図である。
当り箇所を示す側面図である。
の歯当り部に生じたピッチングを示す側面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
デフケースと、デフケースの内部に回転自在に支承され
た一対のサイドギヤと、これらサイドギヤの径方向外側
に配置され、サイドギヤと各別に噛み合う第1ギヤ部お
よび互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少なくとも一対
のピニオンギヤと、デフケースに形成され各ピニオンギ
ヤを摺動回転自在に収納する収納孔とを備え、 少なくともいずれか一方のピニオンギヤの第1ギヤ部と
第2ギヤ部のいずれか一方又は両方のギヤ部の歯先が軸
端部から他方のギヤ部側の端部に向けて凸型曲線形状に
形成されていることを特徴とするデファレンシャル装
置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のデファレンシャル装置
であって、 該デファレンシャル装置は車両用に用いられ、凸型曲線
形状に形成されピニオンギヤは、車両が前進走行する際
のデフケースの回転方向に対し、一対のピニオンギヤの
うち先行回転側に配置されたことを特徴とするデファレ
ンシャル装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のデファレンシャ
ル装置であって、 前記一対のピニオンギヤは、小径の軸部を介して第1と
第2のギヤ部が連結された長いピニオンギヤと、第1と
第2のギヤ部が連続して形成された短いピニオンギヤと
からなることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載のデファレンシャル装置であって、 前記ピニオンギヤはヘリカルギヤとして形成され、凸型
曲線形状に形成されたピニオンギヤは回転方向左右の歯
面での曲率が異なるように形成されていることを特徴と
するデファレンシャル装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
載のデファレンシャル装置であって、 歯先が凸型曲線形状に形成されたピニオンギヤの第1ギ
ヤ部と第2ギヤ部は小径の軸部を介して連結され、第1
ギヤ部の一方側の歯面の曲率と第2ギヤ部の他方側の歯
面の曲率および第1ギヤ部の他方側の歯面の曲率と第2
ギヤ部の一方側の歯面の曲率が等しく形成されているこ
とを特徴とするデファレンシャル装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
載のデファレンシャル装置であって、 前記第1と第2のギヤ部の少なくとも一方のギヤ部に形
成された凸型曲線形状は、他方のギヤ部と向かい合う側
のみに形成されていることを特徴とするデファレンシャ
ル装置。
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GB9607278A GB2300234B (en) | 1995-04-18 | 1996-04-09 | Differential apparatus |
DE19615406A DE19615406C2 (de) | 1995-04-18 | 1996-04-18 | Differential |
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JPH08296714A true JPH08296714A (ja) | 1996-11-12 |
JP3694058B2 JP3694058B2 (ja) | 2005-09-14 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3694058B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-26 JP JP10221995A patent/JP3694058B2/ja not_active Expired - Fee Related
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