JP3650356B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、デファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
EP0130806A2号公報に図6のようなデファレンシャル装置201が記載されている。これは、エンジンに回転駆動されるデフケース203と、デフケース203とカムギヤ205とを通して形成された収納孔207,209に摺動回転自在に収納されたピニオンギヤ211,213と、一方の車輪側に連結されたサイドギヤ215と他方の車輪側に連結された他のサイドギヤとを備え、ピニオンギヤ211,213はカムギヤ205の径方向外側で互いに噛合うと共に、サイドギヤと各別に噛合っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カムギヤ205はサイドギヤの間に配置されており、ピニオンギヤ211、213の軸長さは、ピニオンギヤ同士の噛合部の軸長さと、各々のピニオンギヤとサイドギヤとの噛合部の軸長さを合わせた分の軸長さに略等しい軸長さしか有していない。また、ピニオンギヤ211、213が収納孔207、209に摺動回転自在に支持される場合、各々のピニオンギヤの外周(歯先面)の径と収納孔の内径との間では安定した摩擦トルクを得るために、収納孔内で所定の支持隙間を有して支持されるピニオンギヤの倒れを防止する必要があった。
【0004】
しかしながら、ピニオンギヤの軸長さは、上述したとおりの軸長さしか有しておらず、ギヤ同士の噛み合い反力を受けて、収納孔内での所定の支持隙間に対するピニオンギヤの倒れ角(収納孔の軸心とピニオンギヤの回転軸心とのずれ角)が大きなものであった。
【0005】
そこで、この発明は、収納孔内で摺動回転自在に収納されるピニオンギヤの倒れを抑制し、安定した摩擦トルク、すなわち差動制限力を得ることができるデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のデファレンシャル装置は、エンジンの駆動力により回転するデフケースと、左右の車軸にそれぞれ連結された一対のサイドギヤと、前記デフケースに設けられた収納孔に摺動回転自在に収納されると共に前記サイドギヤとそれぞれ噛み合って該サイドギヤを相対回転自在に連結する一対のピニオンギヤとを備え、前記一対のピニオンギヤ同士の噛み合い部が少なくとも前記一方のサイドギヤの軸方向の外側に位置し、前記一対のピニオンギヤの少なくとも一方のピニオンギヤは、一対のサイドギヤのいずれかとの噛み合い部と他方のピニオンギヤとの噛み合い部間に小径の軸部を有し、前記デフケースの収納孔の内壁の一部をなし前記一対のピニオンギヤの噛み合い部をそれぞれ収納する凹部が形成されたカムギヤを前記一対のサイドギヤの少なくとも一方のサイドギヤと前記デフケースの側壁との間に配置し、該カムギヤをサイドギヤのボス部の外周に配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のデファレンシャル装置であって、前記一対のピニオンギヤがそれぞれ前記小径の軸部を有し、前記一対のピニオンギヤ同士の噛み合い部が前記一対のサイドギヤの軸方向の両側に位置していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のデファレンシャル装置であって、前記一対のサイドギヤ間にワッシャが設けられ、前記サイドギヤと前記ワッシャ間の摩擦係数と、サイドギヤとカムギヤ間の摩擦係数を異ならせたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3記載のデファレンシャル装置であって、前記カムギヤが前記一対のサイドギヤの軸方向の両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0010】
【作用】
請求項1に記載の発明では、軸部を有するピニオンギヤの一側の噛み合い部は、サイドギヤとデフケースとの間に配置されたカムギヤに支持され、他側はサイドギヤに支持されているので、ピニオンギヤの軸長さが長く、かつピニオンギヤの両端が支持される構造となり、収納孔内でのピニオンギヤの摺動位置が変化することが抑制される。この結果、収納孔の内壁にピニオンギヤの外周が片当たりすること、つまりピニオンギヤの倒れが抑制されるので、より均一な摺動回転で摩擦トルクを得て、より均一な差動制限力を発生することができる。
【0011】
また、デフケースの壁面に近い部分で、カムギヤの凹部が一対のピニオンギヤをそれぞれ収納支持するので、ピニオンギヤの内径側の支持がなされ、さらに、ピニオンギヤの倒れが抑制される。また、ピニオンギヤ同士の噛み合いにより発生した熱をデフケースに伝達しやすくなり、放熱性が向上する。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1の発明の作用に加えて、カムギヤが各々のサイドギヤの軸方向のスラスト力を受けるので、例えば、急なトルクの変化で発生した衝撃力を確実に受けることができ、他の部材への影響を低減することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、上記請求項1、2の発明の作用に加えて、サイドギヤとワッシャ間の摩擦係数と、サイドギヤとカムギヤ間の摩擦係数を異ならせることにより、前進時と後進時における差動制限力を変えることができるため、例えば、ABSシステムに影響を与えることがない。
【0014】
請求項4に記載の発明では、一対のサイドギヤの軸方向の両側にカムギヤを設けているので、軸部を有するピニオンギヤの両側がこのカムギヤに支持されることで、両方のピニオンギヤの支持をより確実にして倒れを防止して、収納孔内でのピニオンギヤの摺動位置の変化を確実に防止することができ、ピニオンギヤの外周が片当たりすることがないので、摩擦トルクの発生を安定させより均一な差動制限力を発生させることができる。
【0015】
【実施例】
図1ないし図3及び図5により第1実施例の説明をする。図1はこの実施例のデファレンシャル装置を示し、図5はこのデファレンシャル装置が用いられた車両の動力系を示す。左右の方向はこの車両及び図1での左右の方向である。
【0016】
図5のように、この動力系は、エンジン1、トランスミッション3、プロペラシャフト5、リヤデフ7(後輪側に配置された図1のデファレンシャル装置)、後車軸9,11、左右の後輪13,15、左右の前輪17,19などから構成されている。
【0017】
リヤデフ7のデフケース21はデフキャリヤ23内に回転自在に支承されており、デフケース21にはリングギヤ25が固定されている。リングギヤ25はドライブピニオンギヤ27と噛合い、ドライブピニオンギヤ27はプロペラシャフト5側のドライブピニオンシャフト29と一体に形成されている。こうして、エンジン1の駆動力はトランスミッション3とプロペラシャフト5とを介してデフケース21を回転駆動する。
【0018】
図1のように、デフケース21の内部には左右のヘリカルサイドギヤ31,33が同軸配置されている。これらのサイドギヤ31,33はそれぞれ軸方向外側のボス部35,37とデフケース21との間に形成された軸支部39,41によりデフケース21に支承されていると共に、互いの間に形成された軸支部43により互いに支承し合い、自由端をセンタリングしている。又、サイドギヤ31,33はスプライン45,47により左右の後車軸9,11に連結されている。サイドギヤ31,33の間及び右のサイドギヤ33とデフケース21との間にはワッシャ49,51が配置されている。
【0019】
図1に示すように、デフケース21とヘリカルサイドギヤ31との間には、図2に示すような筒状のカムギヤ53が設けられている。そして、カムギヤ53の内周全面をボス部35の外周に摺動接触することにより、デフケース21に対してセンタリングされている。
【0020】
サイドギヤ31,33の径方向外側には長いヘリカルピニオンギヤ55と短いヘリカルピニオンギヤ56とが4対配置されており、これらは図1と図3のようにデフケース21とカムギヤ53とを通して形成された長短の収納孔57,59にそれぞれ摺動回転自在に収納されている。長いピニオンギヤ55は左右のギヤ部61,63とこれらを連結する小径の軸部65とからなり、左のギヤ部61は短いピニオンギヤ56の左端部の噛合い、右のギヤ部63は右のサイドギヤ33と噛合っている。又、短いピニオンギヤ56の右端部は左のサイドギヤ31と噛合っている。
【0021】
デフケース21を回転させるエンジン1の駆動力は各ピニオンギヤからサイドギヤ31,33を介して左右の後輪13,15に分配され、後輪間に駆動抵抗差が生じるとピニオンギヤの自転により左右各側に差動分配される。
【0022】
トルクの伝達中各ピニオンギヤはサイドギヤ31,33との噛合い反力により収納孔57,59の壁面に押し付けられて摩擦トルクが生じると共に、ヘリカルギヤの噛合いスラスト力によりサイドギヤ31,33の間及びサイドギヤ31,33とデフケース21との間で摩擦トルクが生じる。これらの摩擦トルクにより差動制限力が得られる。
【0023】
図1のように、デフケース21の左側壁67には開口69が設けられている。
【0024】
又、長い収納孔57は右側壁71でデフケース21を貫通し、図3のような開口73を形成している。デフキャリヤ23にはオイルが封入されており、このオイルはリングギヤの回転によりデフケース21に撥ね掛けられ、各開口69,73から流出入して各ギヤの噛合い部や摺動部などを潤滑する。
【0025】
図3のように、カムギヤ53には収納孔57,59の一部をなす凹部75,77が設けられており、残りの円筒面79でデフケース21に対し回転不能に固定されている。このように外周を固定されていると共に、上記のように、内周の全面をボス部35を介してデフケース21にセンタリングされて、位置決め固定されているから、図6の従来例と異って、ピニオンギヤとの片当りが生じることはなく、差動制限力が安定する。
【0026】
また、図1に示すように、長いヘリカルピニオンギヤ55のギヤ部61はカムギヤ53の凹部75に収納・支持され、ギヤ部63はデフケース21に支承されたヘリカルサイドギヤ33に噛み合っているので、軸部を有するピニオンギヤ55の両端が支持される構造となり、収納孔内57でのヘリカルピニオンギヤ55の摺動位置が変化することが抑制される。この結果、収納孔57の内壁にヘリカルピニオンギヤ55の外周が片当たりすること、つまりヘリカルピニオンギヤ55、56の倒れが抑制されるので、より、均一な摺動回転で摩擦トルクを得て、より均一な差動制限力を発生することができる。
【0027】
また、図1に示すように、カムギヤ53がヘリカルサイドギヤ31とデフケース21との間に配置されて一対のヘリカルピニオンギヤ55、56を支持しているので、ピニオンギヤ55、56のの内径側の支持がなされ、さらにピニオンギヤ55、56の倒れが抑制される。また、デフケース21の壁面に近い部分で、一対のヘリカルピニオンギヤ55、56の噛み合い部がカムギヤ53に収納・支持されることになり、ピニオンギヤ同士の噛み合いにより発生した熱をデフケース21に伝達しやすくなり、放熱性が向上する。
【0028】
さらに、図1に示すように、カムギヤ53がヘリカルサイドギヤ31とデフケース21との間に位置決め・配置されているので、カムギヤ53が各々のサイドギヤ31、33の軸方向のスラスト力を受けるので、例えば、急なトルクの変化で発生した衝撃力を確実に受けることができ、他の部材への影響を低減することができる。
【0029】
次に、図4により第2実施例の説明をする。この実施例も第1実施例のリヤデフ7と同様に図5の車両のリヤデフ81として用いられている。以下、左右の方向はこの車両と図4での左右の方向である。
【0030】
リヤデフ81のデフケース83は本体85と、本体85にボルト87で固定されたカバー89とからなり、本体85にはリングギヤ25が固定されている。
【0031】
図4のように、デフケース83の内部には左右のヘリカルサイドギヤ91,93が同軸配置されている。これらのサイドギヤ91,93は軸方向外側のボス部95,97とデフケース83の側壁99,101との間に形成された軸支部103,105によりデフケース83に支承されていると共に、互いの間に形成された軸支部107で互いの自由端を支承し合い、センタリングをしている。各ボス部95,97には油溝109,111が設けられている。
【0032】
各サイドギヤ91,93はスプライン113,115により左右の後車軸9,11にそれぞれ連結されている。又、各サイドギヤ91,93の間にはワッシャ117が配置され、各車軸9,11間には互いのスラスト力を授受するスラストブロック121が配置されている。
【0033】
各ボス部95,97の外周にはカムギヤ123,123が配置され、その内周全面をボス部95,97の外周と摺動接触することによりデフケース83に対してセンタリングされている。
【0034】
サイドギヤ91,93の径方向外側にはヘリカルピニオンギヤ125と他のヘリカルピニオンギヤとが4対配置されている。又、デフケース83と各カムギヤ123にはこれらのピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔127が形成されている。ピニオンギヤ125は左右のギヤ部129,131とこれらを連結する小径の軸部133とからなり、他のピニオンギヤも左右のギヤ部とこれらを連結する小径の軸部とからなっている。
【0035】
ピニオンギヤ125のギヤ部129の左端部は他のピニオンギヤの左のギヤ部と噛合い、右端部は左のサイドギヤ91と噛合っている。又、他のピニオンギヤの右のギヤ部は左端部で右のサイドギヤ93との噛合い、右端部でピニオンギヤ125のギヤ部131と噛合っている。
【0036】
デフケース83を回転させるエンジン1の駆動力は、各ピニオンギヤからサイドギヤ91,93を介して左右の後輪13,15に分配され、後輪間に駆動抵抗差が生じるとピニオンギヤの自転により左右各側に差動分配される。
【0037】
トルクの伝達中各ピニオンギヤはサイドギヤ91,93との噛合い反力により収納孔127の壁面に押し付けられて摩擦トルクが生じると共に、ヘリカルギヤの噛合いスラスト力によりサイドギヤ91,93の間及びサイドギヤ91,93とカムギヤ123との間で摩擦トルクが生じる。これらの摩擦トルクにより差動制限力が得られる。
【0038】
デフケース83には各収納孔127が右側壁101を貫通して形成された開口135の他に、開口137,139が設けられ、リングギヤ25により撥ね掛けられたオイルはこれらの開口から流出入し、各摺動部やギヤの噛合い部などを潤滑する。
【0039】
左のカムギヤ123は収納孔127の一部をなす凹部141を除いた外周の円筒部143でデフケース83に対して回転不能に固定されている。一方、右のカムギヤ123はカムギヤ123の外周のセンタリング部142によってデフケース83にセンタリングされ、かつデフケース83に対し回転不能に圧入固定されている。このように、外周を固定されていると共に、上記のように内周の全面をボス部95,97を介してデフケース83にセンタリングされているから、図6の従来例と異って、センタリングが確実であってピニオンギヤとの片当りが生じることはなく、差動制限力が安定する。
【0040】
また、図4に示すように、小径の軸部を有するヘリカルピニオンギヤ125のギヤ部129、131は左右のカムギヤ123、123の凹部141にそれぞれ収納・支持されているので、軸部を有するヘリカルピニオンギヤ125の両端が支持される構造となり、収納孔内127でのヘリカルピニオンギヤ125の摺動位置が変化することが抑制される。この結果、収納孔127の内壁にヘリカルピニオンギヤ125の外周が片当たりすること、つまりピニオン125の倒れが抑制されるので、より均一な摺動回転で摩擦トルクを得て、より均一な差動制限力を発生することができる。
【0041】
また、図1に示すように、カムギヤ123がヘリカルサイドギヤ91とデフケース83の一側の壁部との間、カムギヤ123がヘリカルサイドギヤ93とデフケース83の他側の壁部との間に配置されて一対のヘリカルピニオンギヤ125、125を支持しているので、デフケース83の壁面に近い部分で、一対のヘリカルピニオンギヤ125、125の噛み合い部がカムギヤ123にそれぞれ収納・支持されることになり、ピニオンギヤ同士の噛み合いにより発生した熱をデフケース83に伝達しやすくなり、放熱性が向上する。
【0042】
さらに、図1に示すように、カムギヤ123がヘリカルサイドギヤ91、93とデフケース83との間に位置決め・配置されているので、カムギヤ123が各々のサイドギヤ91、93の軸方向のスラスト力を受けるので、例えば、急なトルクの変化で発生した衝撃力を確実に受けることができ、他の部材への影響を低減することができる。
【0043】
又、サイドギヤ91,93とワッシャ117間の摩擦係数と、サイドギヤ91,93とカムギヤ123間の摩擦係数とを変えることによりカムスラスト力による差動制限力を車両の前進時と後進時とで変えることができ、例えばABSシステムに悪影響を与えることがない。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、軸部を有するピニオンギヤの一側の噛み合い部は、サイドギヤとデフケースとの間に配置されたカムギヤに支持され、他側はサイドギヤに支持されているので、ピニオンギヤの支持軸長さが長くなり、かつピニオンギヤの両端が支持される構造となり、収納孔内でのピニオンギヤの摺動位置が変化することが抑制される。この結果、収納孔の内壁にピニオンギヤの外周が片当たりすること、つまりピニオンギヤの倒れが抑制されるので、より均一な摺動回転で摩擦トルクを得て、より均一な差動制限力を発生することができる。
【0045】
また、デフケースの壁面に近い部分で、カムギヤの凹部が一対のピニオンギヤをそれぞれ収納支持するので、ピニオンギヤの内径側の支持がなされ、さらに、ピニオンギヤの倒れが抑制される。また、ピニオンギヤ同士の噛み合いにより発生した熱をデフケースに伝達しやすくなり、放熱性が向上する。
【0046】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、カムギヤが各々のサイドギヤの軸方向のスラスト力を受けるので、例えば、急なトルクの変化で発生した衝撃力を確実に受けることができ、他の部材への影響を低減することができる。
【0047】
請求項3の発明によれば、上記請求項1、2の発明の効果に加えて、サイドギヤとワッシャ間の摩擦係数と、サイドギヤとカムギヤ間の摩擦係数を異ならせることにより、前進時と後進時における差動制限力を変えることができるため、例えば、ABSシステムに影響を与えることがない。
【0048】
請求項4の発明によれば、一対のサイドギヤの軸方向の両側にカムギヤを設けているので、軸部を有するピニオンギヤの両側がこのカムギヤに支持されることで、両方のピニオンギヤの支持をより確実にして倒れを防止して収納孔内でのピニオンギヤの摺動位置の変化を確実に防止することができ、ピニオンギヤの外周が片当たりすることがないので、摩擦トルクの発生を安定させ、より均一な差動制限力を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の断面図である。
【図2】図1の実施例に用いられたカムギヤの斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】第2実施例の断面図である。
【図5】各実施例を用いた車両の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図6】従来例の断面図である。
【符号の説明】
7,81 リヤデフ(デファレンシャル装置)
21,83 デフケース
31,33、91,93 サイドギヤ
35,37、95,97 ボス部
53,123 カムギヤ
55,56,125 ピニオンギヤ
57,59、127 収納孔
75、77、141 凹部
Claims (4)
- エンジンの駆動力により回転するデフケースと、左右の車軸にそれぞれ連結された一対のサイドギヤと、前記デフケースに設けられた収納孔に摺動回転自在に収納されると共に前記サイドギヤとそれぞれ噛み合って該サイドギヤを相対回転自在に連結する一対のピニオンギヤとを備え、
前記一対のピニオンギヤ同士の噛み合い部が少なくとも前記一方のサイドギヤの軸方向の外側に位置し、
前記一対のピニオンギヤの少なくとも一方のピニオンギヤは、一対のサイドギヤのいずれかとの噛み合い部と他方のピニオンギヤとの噛み合い部間に小径の軸部を有し、
前記デフケースの収納孔の内壁の一部をなし前記一対のピニオンギヤの噛み合い部をそれぞれ収納する凹部が形成されたカムギヤを前記一対のサイドギヤの少なくとも一方のサイドギヤと前記デフケースの側壁との間に配置し、該カムギヤをサイドギヤのボス部の外周に配置したことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、前記一対のピニオンギヤがそれぞれ前記小径の軸部を有し、前記一対のピニオンギヤ同士の噛み合い部が前記一対のサイドギヤの軸方向の両側に位置していることを特徴とするデファレンシャル装置。
- 請求項1又は請求項2記載のデファレンシャル装置であって、前記一対のサイドギヤ間にワッシャが設けられ、前記サイドギヤと前記ワッシャ間の摩擦係数と、サイドギヤとカムギヤ間の摩擦係数を異ならせたことを特徴とするデファレンシャル装置。
- 請求項2又は3記載のデファレンシャル装置であって、前記カムギヤが前記一対のサイドギヤの軸方向の両側にそれぞれ設けられていることを特徴とするデファレンシャル装置。
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