JP2007131295A - 動力出力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸に入力される回転を大きな減速比でもって車輪に伝達することができるようにしたコンパクトな構成の動力出力装置を提供する。
【解決手段】電動モータ5のロータ7に回転軸11の一端部を接続し、回転軸11の減速機構収納空間4内に位置する他端部に偏心軸部16a、16bを設ける。偏心軸部16a、16bによって回転自在に支持された外歯車19a、19bを減速機構収納空間4内の外周部に設けられて、その外歯車19a、19bより歯数の多い内歯21に噛合し、上記回転軸11の回転により外歯車19a、19bを内歯21に一つずつ噛み合わせて公転させ、回転軸11の1回転当たりに外歯20と内歯21との歯数差分だけ外歯車19a、19bを自転させ、その自転運動をトルク伝達手段40を介して内方部材25に伝達して、内方部材25を減速回転させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転軸に入力される回転を減速して車両の車輪に伝達する動力出力装置に関するものである。
車両の車輪に動力を伝達する動力出力装置として、特許文献1および特許文献2に記載されたものが従来から知られている。特許文献1に記載されたインホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生する電動モータと、車輪のホイールが接続される車輪軸と、上記電動モータの回転を減速して車輪軸に伝達する減速機とを有しており、上記減速機として、歯数の異なる複数の歯車を組み合わせてなる平行軸式歯車減速機を採用している。
一方、特許文献2に記載された電気自動車用減速装置においては、電動モータのロータと車輪のハブとの間に遊星歯車式減速機構を2段に設け、2段目の遊星歯車式減速機構からの出力をドライブシャフトを介してばね下の左右の車輪に分配している。
特開2005−7914号公報 特開平5−332401号公報
ところで、特許文献1に記載されたインホイールモータ駆動装置においては、プロペラシャフトやデファレンシャル等の大がかりな動力伝達機構が不要となるので、車両の軽量化やコンパクト化等の面から注目されているが、平行軸式歯車減速機は、その減速比が1/2乃至1/3程度であって、インホイールモータ駆動装置に搭載する減速機としては不十分であり、また、減速機の重量も重く、ばね下重量の増加によって乗り心地が悪くなる難点があり、未だ実用化には至っていない。
一方、特許文献2に記載された電気自動車用減速装置の遊星歯車式減速機構は平行軸式歯車減速機に比較して大きな減速比を得ることができるものの、インホイールモータ駆動装置に搭載する減速機としてはまだ不十分である。十分な減速比を得るためには、サンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤおよびピニオンギヤのキャリヤとで構成される遊星歯車式減速機構を多段構成とする必要があり、部品点数が多くなってコンパクト化が困難となり、減速機の重量およびサイズの増大を招くという問題が発生する。
この発明の課題は、回転軸に入力される回転を大きな減速比でもって車輪に伝達することができるようにした部品点数が少ないコンパクトな組立ての容易な動力出力装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、車体側に固定され、内部にモータ収納空間と、そのモータ収納空間よりアウトボード側に減速機構収納空間とが形成されたケーシングと、前記モータ収納空間内に固定されたステータ、そのステータのコイルに対する通電によって回動されるロータを有し、そのロータがモータ収納空間と減速機構収納空間を区画する隔壁に軸受を介して回転自在に支持された電動モータと、その電動モータのロータと同軸上に配置されてそのロータと一体に回転し、前記減速機構収納空間内に位置する端部に偏心軸部が設けられた回転軸と、前記偏心軸部に回転自在に支持されて減速機構収納空間内の外周部に設けられた内歯と噛合すると共に、その内歯より歯数が少ない外歯車と、前記減速機構収納空間内に配置されて前記回転軸と同軸上に配置され、ケーシングのアウトボード側の端部から外部に位置する端部外周に車輪取付け用のフランジが設けられた内方部材と、その内方部材と前記ケーシングのアウトボード側端部間に組み込まれて内方部材を回転自在に支持する複列の転動体と、前記外歯車と内方部材の相互間に設けられて、外歯車の公転運動を吸収し、自転運動を内方部材に伝達するトルク伝達手段とからなる構成を採用したのである。
上記の構成からなる動力出力装置において、電動モータの駆動によって回転軸を回転すると、偏心軸部が偏心回転し、その偏心軸部に回転自在に支持された外歯車が減速機構収納空間内の外周部に設けられた内歯と1つずつ噛み合いながら回転軸を中心に公転する。
このとき、外歯車の外歯の数は減速機構収納空間内の外周部に設けられた内歯の数より少ないため、外歯車は回転軸の1回転当たり、内歯と外歯の歯数差分だけ回転軸の回転方向と逆方向に自転し、その自転運動がトルク伝達手段を介して内方部材に伝達され、上記回転軸の回転が内方部材に連結される車輪に減速して伝達されることになる。
この発明に係る動力出力装置において、減速機構収納空間のインボード側端部およびアウトボード側端部をシール部材によりシールして減速機構収納空間を密閉し、その減速機構収納空間内に潤滑剤を封入することによって、偏心軸部と外歯車の接触部、外歯車の外歯と内歯の噛み合い部、およびトルク伝達手段の接触部並びに複列の転動体の転動部を効果的に潤滑することができるため、各接触部の摩耗および発熱を防止し、耐久性に優れた動力出力装置を得ることができる。
また、回転軸の端部を内方部材のインボード側の端部内に位置させて軸受により回転軸と内方部材とを相対的に回転自在に支持することにより、回転軸の振れ回りを防止し、外歯車の外歯と内歯の噛み合い精度を高め、スムーズなトルク伝達を可能とすることができる。
ここで、ロータと回転軸とは別体であってもよく、一体であってもよい。ロータと回転軸とが別体の場合において、ロータにはその軸心上に形成されて前記軸受により回転自在に支持されたボス部に円筒状の芯だし孔部とスプライン孔部とを設け、回転軸には、上記芯だし孔部に挿入される芯だし軸部と、スプライン孔部に挿入されてスプライン結合されるスプライン軸部とを設けることによって、芯だし孔部と芯だし軸部の嵌合により、ロータと回転軸の同軸度を高め、回転軸の回転精度を向上させることができる。また、ロータに形成されたボス部を軸受により回転自在に支持することにより、動力出力装置の組立ての容易化を図ることができると共に、潤滑剤が封入される減速機構収納空間の容積の縮小化を図り、シール部材の数も減らすことができる。
上記のような動力出力装置において、外歯車の外周に形成された外歯および減速機構収納空間内の外周部に設けられた内歯はインボリュート歯形としてもよく、あるいは、外歯車の外周に形成された外歯をトロコイド曲線歯形とし、その外歯が噛合する前記内歯を外ピンとしてもよい。後者のように、外歯車の外周に形成された外歯をトロコイド曲線歯形とし、内歯を外ピンとすることによって、噛み合い率を高めることができると共に、歯が折損することの少ない耐久性に優れた動力出力装置を得ることができる。
また、外歯車を回転自在に支持する偏心軸部を2つとし、その2つの偏心軸部を周方向に180°位相をずらして設けることにより、回転軸の動力を2つの経路から内方部材に伝達することができるので、1つの経路から伝達される回転動力の負荷を軽減し、より安定した回転動力を伝達することができると共に、偏心軸部の偏心回転によって発生する振動を互いに打ち消すことができるため、振動発生の少ない動力出力装置を得ることができる。
この発明に係る動力出力装置において、トルク伝達手段として、外歯車と内方部材の軸方向で対向する対向面の一方に複数の内ピンを同心円上に等間隔に設け、各内ピンを対向面の他方に形成されたピン径より大径の円形孔内に挿入して各内ピンを各円形孔の内周一部に接触させた構成からなるものを採用することができる。
ここで、上記内ピンを回転自在に支持し、あるいは、内ピンにローラを回転自在に嵌合して、各ローラを円形孔の内周一部に接触させると、内ピンと円形孔の接触が転がり接触となるため、接触抵抗が小さく、トルク損失の低減化を図ることができる。
上記のように、この発明においては、電動モータの駆動によって回転軸を回転すると、偏心軸部に支持された外歯車が上記回転軸の1回転当たりに、減速機構収納空間内の外周部に設けられた内歯と外歯車の外周に形成された外歯の歯数差分だけ自転し、その自転運動がトルク伝達手段を介して内方部材に伝達されるため、回転軸に入力される回転を大きな減速比でもって車輪が取付けられる内方部材に伝達することができる。
また、減速機構が、減速機構収納空間内の外周部に設けられた内歯と、回転軸の偏心軸部に支持された外歯車と、外歯車の自転運動を伝達するトルク伝達手段とからなる部品点数の少ない構成であるため、コンパクトな構成の動力出力装置を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1乃至図4はこの発明に係る動力出力装置の第1の実施の形態を示す。図1に示すように、車体に取付けられるケーシング1は、同軸上に配置された第1ケーシング1a乃至第3ケーシング1cからなり、第2ケーシング1bには第1ケーシング1aに対する接続部に隔壁としての端壁2が設けられ、その端壁2によってケーシング1の内部はモータ収納空間3と減速機構収納空間4とに区画されている。
第1ケーシング1a内に形成されたモータ収納空間3には電動モータ5が組込まれている。電動モータ5は、対向一対のステータ6と、そのステータ6間に組込まれて、上記ステータ6とアキシャル方向で対向するロータ7とからなり、上記ロータ7には、ステータ6と対向する位置に複数の永久磁石8が周方向に等間隔に設けられている。このロータ7は上記ステータ6のコイル6aに対する通電によって回転する。
また、ロータ7はボス部7aを有し、そのボス部7aは上記端壁2に形成された円筒部2a内に挿入され、その円筒部2a内に組込まれた軸受9によって回転自在に支持されている。また、円筒部2aの開口端部内には、その開口端を密閉するシール部材10が組込まれている。
ロータ7のボス部7aには回転軸11の一端部が挿入されている。ここで、ボス部7aには、芯だし孔部12と、スプライン孔部13とが形成され、一方、回転軸11の一端部には、芯だし軸部14と、セレーション軸部15とが設けられ、上記芯だし孔部12に対する芯だし軸部14の嵌合によって、ロータ7と回転軸11は同軸上に保持されている。また、スプライン孔部13とスプライン軸部15のスプライン嵌合によってロータ7と回転軸11は相対的に回り止めされている。
なお、回転軸11に軸受9によって回転自在に支持されるボス部を設け、ロータ7にそのボス部内に挿入されてセレーションにより回り止めされる軸部を設けるようにしてもよい。この場合も、ボス部に芯だし孔部と、スプライン孔部とを形成し、一方、軸部に芯だし軸部と、セレーション軸部とを設けるようにする。
回転軸11は端壁2を貫通し、その貫通部に組込まれた軸受35によって回転自在に支持されている。また、回転軸11の第2ケーシング1bの内部の減速機構収納空間4内に位置する他端部には2つの偏心軸部16a、16bが形成されている。
2つの偏心軸部16a、16bは周方向に180°位相がずれ、各偏心軸部16a、16bの両側に一対のカウンタウェイト17が設けられている。一対のカウンタウェイト17は、その重心が隣接する偏心軸部16a、16bの偏心方向と逆方向に位置する取付けとされている。
各偏心軸部16a、16bの外周には軸受18が嵌合され、その軸受18を介して外歯車19a、19bが回転自在に支持されている。
図3に示すように、外歯車19a、19bは、複数の外歯20を外周に有し、その外歯20は第2ケーシング1bの内周に設けられた内歯21と噛合しており、上記外歯20の数は内歯21の数より少なくなっている。ここで、外歯20は、トロコイド曲線歯形からなり、一方、内歯21は、第2ケーシング1bによって両端部が支持された外ピン22aと、その外ピン22aに回転自在に支持されたローラ22bとからなっている。
なお、内歯21はローラ22bが省略されて外ピン22aからなるものであってもよい。また、外歯20および内歯21は、インボリュート曲線歯形からなるものであってもよい。
ここで、図2に示すように、2つの偏心軸部16a、16b間の中心点をGとすると、その中心点Gから右側に位置する偏心軸部16a、外歯車19aおよびカウンタウェイト17からなる偏心回転体の質量と、中心点Gから左側に位置する偏心軸部16b、外歯車19bおよびカウンタウェイト17からなる偏心回転体の質量は等しくされている。
また、中心点Gから右側に位置する偏心軸部16a、外歯車19aおよびカウンタウェイト17からなるそれぞれの偏心回転体の重心から中心点Gまでの軸方向距離と回転軸心までの半径方向距離の積を加えたものと、中心点Gから左側に位置する偏心軸部16b、外歯車19bおよびカウンタウェイト17からなるそれぞれの偏心回転体の重心から中心点Gまでの軸方向距離と回転軸心までの半径方向距離の積を加えたものは等しくされて、右側偏心回転体と左側偏心回転体の偏心回転による偶力が打ち消されるような構成とされている。
図1に示すように、第3ケーシング1cは、第2ケーシング1bの開口端部にボルト止めされるフランジ23を外周に有し、内周には複列の軌道溝24が形成されている。
また、第3ケーシング1cの内側には内方部材25が挿通されている。内方部材25は、ハブ輪26と、軸受内輪27とからなり、上記軸受内輪27は減速機構収納空間4内に位置する一端部にフランジ27aを有し、他端部には筒部27bが設けられている。筒部27bはハブ輪26内に嵌合され、内径部からの拡径加締めによってハブ輪26に一体化されている。
なお、拡径加締めによる結合力を高めるため、ハブ輪26の内径面と筒部27bの外径面の少なくとも一方に微細な凹凸28を形成しておくのが好ましい。
ハブ輪26の第3ケーシング1cの開口端から外部に位置する端部外周には車輪取付け用のフランジ29が形成されている。また、ハブ輪26および軸受内輪27の第3ケーシング1c内に位置する端部外周には、その第3ケーシング1cの複列の軌道溝24のそれぞれと径方向で対向する軌道溝30が設けられ、その径方向で対向する軌道溝24、30間に転動体31が組込まれている。
内方部材25は、上記複列の転動体31を介して回転自在に支持されて、回転軸11と同軸上に配置され、その内方部材25を形成する軸受内輪27の筒部27b内に回転軸11の他端部を回転自在に支持する軸受32が組込まれている。
図1、図3および図4に示すように、外歯車19a、19bと軸受内輪27の相互間には、外歯車19a、19bの公転運動を自由にして、自転運動を軸受内輪27、即ち、内方部材25に伝達するトルク伝達手段40が設けられている。
トルク伝達手段40は、軸受内輪27におけるフランジ27a側面外周部に複数の内ピン41を同一円上に等間隔に設け、各内ピン41にローラ42を回転自在に嵌合し、各ローラ42を外歯車19a、19bに形成されたローラ径より大径の円形孔43内に位置させて、その円形孔43の内周一部に接触させるようにしている。
ここで、ローラ42としてころ軸受の外輪相当部材を採用しているが、軸受の外輪相当部材や内ピン41に対して摺動するすべり軸受を用いるようにしてもよい。なお、ローラ42を省略し、内ピン41を回転自在に支持して、その内ピン41を円形孔43の内周一部に接触させるようにしてもよい。
図1に示すように、ハブ輪26のアウトボード側の開口端は蓋体33の取り付けにより密閉されている。また、第3ケーシング1cの開口端部内にはシール部材34が組込まれ、そのシール部材34と前述の円筒部2a内に組込まれたシール部材10によって減速機構収納空間4は密閉され、その密閉された減速機構収納空間4内に潤滑剤が封入されている。
第1の実施の形態で示す動力出力装置は上記の構造からなり、電動モータ5の駆動によって回転軸11を回転すると、偏心軸部16a、16bが偏心回転し、その偏心軸部16a、16bに回転自在に支持された外歯車19a、19bが第2ケーシング1bの内周に設けられた内歯21と1つずつ噛み合いながら回転軸11を中心に公転する。
このとき、外歯車19a、19bの外歯20の数は第2ケーシング1bの内周に設けられた内歯21の数より少ないため、外歯車19a、19bは回転軸11の1回転当たり、内歯21と外歯20の歯数差分だけ回転軸11の回転方向と逆方向に自転し、その自転運動がトルク伝達手段40を介して内方部材25に伝達され、内方部材25が減速回転する。
ここで、内歯21の歯数をZ、外歯車19a、19bの歯数をZとすると、減速比は、(Z−Z)/Zで表すことができる。
このように、実施の形態で示す動力出力装置においては、回転軸11の回転により内歯21に噛合する外歯車19a、19bが上記回転軸11の1回転当たりに、内歯21と外歯20の歯数差分だけ回転軸11の回転方向と逆方向に自転し、その自転運動がトルク伝達手段40を介して内方部材25に伝達されるため、回転軸11の回転を大きな減速比でもって内方部材25に伝達することができる。
また、減速装置が、外歯車19a、19bと、ケーシング1の内周に形成された内歯21とからなる部品点数の少ない構成であるため、小型、コンパクトな動力出力装置を得ることができる。
第1の実施の形態で示すように、シール部材10、34によって密閉された減速機構収納空間4内に潤滑剤を封入することによって、偏心軸部16a、16bと外歯車19a、19bの回転接触部、外歯車19a、19bの外歯20と内歯21の噛み合い部、およびトルク伝達手段40のローラ42と円形孔43の接触部並びに複列の転動体31の転動部を効果的に潤滑することができるため、各接触部の摩耗および発熱を防止し、耐久性に優れた動力出力装置を得ることができる。
また、軸受内輪27の端部内に組込まれた軸受32によって回転軸11と軸受内輪27とを相対的に回転自在に支持することにより、回転軸11の振れ回りを防止し、外歯車19a、19bの外歯20と内歯21の噛み合い精度を高め、スムーズなトルク伝達を可能とすることができる。
さらに、回転軸11に芯だし軸部14を設け、その芯だし軸部14をロータ7のボス部7aに形成された芯だし孔部12に嵌合することによって、ロータ7と回転軸11の同軸度を高め、回転軸11の回転精度を向上させることができる。
また、外歯車19a、19bの外周に形成された外歯20をトロコイド曲線歯形とし、その外歯20が噛合する前記内歯21を外ピン22aに回転自在に設けられたローラ22bとすることによって、噛み合い率を高めることができると共に、歯が折損することの少ない耐久性に優れた動力出力装置を得ることができる
上述の動作説明では、電動モータ5を駆動し、その電動モータ5からの動力を車輪が取り付けられる内方部材25に伝達したが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときには、車輪からの動力を減速部で高回転低トルクに変換して電動モータ5に伝達し、電動モータ5で発電してもよい。さらに、ここで発電した電力は、バッテリィに一時蓄電した後に電動モータ5や車両に備えられた他の電気機器に用いてもよい。
なお、電動モータ5で回転軸11を回転させるようにした動力出力装置の制御は、例えば、アクセルペダル位置センサ、ブレーキ踏込み量センサ、車速センサ、バッテリィ温度検出センサ、バッテリィの端子間に接続された電圧センサ、バッテリィからの電力ラインに設置された電流センサ、モータの回転位置検出センサ等の様々なセンサからの信号を電子制御ユニットに入力し、これらの信号に基いてインバータを介してバッテリィと電動モータとの間でやりとりする電力の調節をすることによって行う。
制御には、例えば、ハンドルの操舵角に応じて左右または前後左右の各々の位置に設置された本動力出力装置で駆動する車輪の回転数を各々独立に制御して、車両を安定して旋回させたり、前後車輪の各々の車輪速センサの信号から車輪の空転を検出し、この検出結果に基いて本動力出力装置の回転数を制御して車両の姿勢を安定させるものなどが考えられる。
なお、図1の実施の形態では、回転軸11を回転させる電動モータ5として、ステータ6とロータ7との間にアキシャルギャップを設けたものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、ステータとロータとの間にラジアルギャップを設けたものであってもよい。
図5は、この発明に係る動力出力装置の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、ロータ7に回転軸11を一体に形成している点で第1の実施の形態と相違している。このため、第1の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態で示すように、ロータ7に回転軸11を一体に形成すると、図1に示す芯だし孔部12、スプライン孔部13、芯だし軸部14およびスプライン軸部15を不要とすることができるため、加工の容易化を図ることができる。
図6は、この発明に係る動力出力装置の第3の実施の形態を示す。この実施の形態では、ロータ7および端壁2によって回転軸11を片持ち支持している点で第1の実施の形態と相違している。このため、第1の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態で示すように、回転軸11を片持ち支持することによって、図1に示す軸受32を省略することができるため、部品点数を削減し、組立ての容易化を図ることができる。
この発明に係る動力出力装置の第1の実施の形態を示す縦断正面図 図1の回転軸に設けられた偏心軸部を拡大して示す断面図 図1のIII−III線に沿った断面図 図3の一部を拡大して示す断面図 この発明に係る動力出力装置の第2の実施の形態を示す縦断正面図 この発明に係る動力出力装置の第3の実施の形態を示す縦断正面図
符号の説明
1 ケーシング
2 端壁(隔壁)
3 モータ収納空間
4 減速機構収納空間
5 電動モータ
6 ステータ
6a コイル
7 ロータ
7a ボス部
9 軸受
10 シール部材
11 回転軸
12 芯だし孔部
13 スプライン孔部
14 芯だし軸部
15 スプライン軸部
16a 偏心軸部
16b 偏心軸部
19a 外歯車
19b 外歯車
20 外歯
21 内歯
22a 外ピン
22b ローラ
25 内方部材
29 車輪取付け用のフランジ
31 転動体
32 軸受
34 シール部材
40 トルク伝達手段
41 内ピン
42 ローラ
43 円形孔

Claims (9)

  1. 車体側に固定され、内部にモータ収納空間と、そのモータ収納空間よりアウトボード側に減速機構収納空間とが形成されたケーシングと、
    前記モータ収納空間内に固定されたステータ、そのステータのコイルに対する通電によって回動されるロータを有し、そのロータがモータ収納空間と減速機構収納空間を区画する隔壁に軸受を介して回転自在に支持された電動モータと、
    前記電動モータのロータと同軸上に配置されてそのロータと一体に回転し、前記減速機構収納空間内に位置する端部に偏心軸部が設けられた回転軸と、
    前記偏心軸部に回転自在に支持されて減速機構収納空間内の外周部に設けられた内歯と噛合すると共に、その内歯より歯数が少ない外歯車と、
    前記減速機構収納空間内に配置されて前記回転軸と同軸上に配置され、ケーシングのアウトボード側の端部から外部に位置する端部外周に車輪取付け用のフランジが設けられた内方部材と、
    前記内方部材と前記ケーシングのアウトボード側端部間に組み込まれて内方部材を回転自在に支持する複列の転動体と、
    前記外歯車と内方部材の相互間に設けられて、外歯車の公転運動を吸収し、自転運動を内方部材に伝達するトルク伝達手段と、
    からなる動力出力装置。
  2. 前記減速機構収納空間のインボード側端部およびアウトボード側端部をシール部材によりシールして減速機構収納空間を密閉し、その減速機構収納空間内に潤滑剤を封入した請求項1に記載の動力出力装置。
  3. 前記回転軸の端部を前記内方部材のインボード側の端部内に位置させて軸受により回転軸と内方部材とを相対的に回転自在に支持した請求項1又は2に記載の動力出力装置。
  4. 前記ロータと回転軸とを別体とし、ロータにはその軸心上に形成されて前記軸受により回転自在に支持されたボス部に円筒状の芯だし孔部とスプライン孔部とを設け、回転軸には、前記芯だし孔部に挿入される芯だし軸部と、スプライン孔部に挿入されてスプライン結合されるスプライン軸部とを設けた請求項1乃至3のいずれかに記載の動力出力装置。
  5. 前記ロータと回転軸とを一体に形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の動力出力装置。
  6. 前記外歯車の外歯がトロコイド曲線歯形からなり、前記内歯が外ピンからなる請求項1乃至5のいずれかに記載の動力出力装置。
  7. 前記回転軸に形成された偏心軸部を2つとし、その2つの偏心軸部を周方向に180°位相をずらし、各偏心軸部の外周に外歯車を回転自在に設け、前記減速機構収納空間の外周部に各外歯車に噛合する内歯を設け、各外歯車と内方部材の相互間にトルク伝達手段を設けた請求項1乃至6のいずれかに記載の動力出力装置。
  8. 前記トルク伝達手段が、外歯車と内方部材の対向面一方に複数の内ピンを同心円上に等間隔に設け、各内ピンを対向面の他方に形成されたピン径より大きい円形孔に挿入して、各内ピンを各円形孔の内周一部に接触させた構成からなる請求項1乃至7のいずれかに記載の動力出力装置。
  9. 前記各内ピンにローラを回転自在に嵌合し、各ローラを円形孔の内周一部に接触させた請求項8に記載の動力出力装置。
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