JPH08296120A - 水棲生物付着防止効果と安全性を有する繊維および繊維製品 - Google Patents

水棲生物付着防止効果と安全性を有する繊維および繊維製品

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JPH08296120A
JPH08296120A JP10087195A JP10087195A JPH08296120A JP H08296120 A JPH08296120 A JP H08296120A JP 10087195 A JP10087195 A JP 10087195A JP 10087195 A JP10087195 A JP 10087195A JP H08296120 A JPH08296120 A JP H08296120A
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JP
Japan
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fiber
polymer
adhesion
liquid
aquatic organism
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JP10087195A
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Takao Shimizu
隆夫 清水
Masahiko Nanjo
正彦 南條
Yoshinuki Maeda
佳貫 前田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 25℃下で1000センチスト−クス以上で
あるポリブテンを0.1〜60重量%、N−フルオロジ
クロロメチルチオフタルイミドを0.01〜60重量%
含有するポリヘキサメチレンテレフタレートからなる繊
維製品。 【効果】 表面に水棲生物付着防止効果を持ち、且つ防
汚成分の表面へのブルーミング、リーチングを防止し作
業者が中毒や皮膚カブレを起こすことがなく、魚介類や
人体に対する安全性が高く、繊維製品からの溶出や脱落
がなく耐久性があり、且つ表面が滑らかで粗くなく、し
かも柔軟性に富むために捕獲または養畜した魚介類の損
傷を招かず、撚糸、整経、製織、製編、製綱等の際の加
工製、および実際の使用時に作業性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海水や淡水に長期間接
触して使用されたときに、水棲生物の付着が極めて少な
い繊維、およびそれから製造された繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】海水や淡水中で長期間使用される繊維製
品としては、例えば漁業用定置網、養畜魚介類用いけす
網等の水産用繊維製品;航路浮標、灯浮標、ブイ等の係
留に使用されるロ−プ;土木用に使用される汚濁防止繊
維膜等がある。これらの繊維製品は、海水や淡水に長期
間接触するうちに、その表面に種々の付着性水棲生物、
たとえばアオサやケイソウ等の藻類、イソギンチャク等
の腔腸動物、イソカイメン等の海綿動物、ウズマキゴカ
イ等の環形動物、コケムシ等の触手動物、フジツボ等の
節足動物、ホヤ等の原索動物、ムラサキイガイ等の軟体
動物が付着し、生息する。
【0003】そして、水棲生物の付着によって、例えば
定置網では重量増加に伴う網の沈下、水流抵抗増大によ
る網の流失、接触・屈曲による網の破損、捕獲した魚介
類の損傷等の問題が生じている。また、いけす網の場合
も、重量増大による網の沈下の他に、海水や淡水の流動
性低下による酸素欠乏、種々の付着性水棲生物による養
畜魚介類の被害等の大きな障害をきたすこととなる。
【0004】海水や淡水に長期間接触して使用される繊
維製品における上記のような水棲生物の付着を防止する
ための対策として、これまでトリブチルスズオキサイ
ド、トリフェニルスズオキサイド、トリフェニルスズア
セテ−ト、トリフェニルスズクロライド等の有機スズ化
合物で上記の繊維製品を処理する方法が広く使用されて
きた。しかしながら、有機スズ化合物の使用は、それを
用いて繊維製品を処理する際に激しい不快臭や刺激臭を
伴い作業環境を劣悪にするという問題があった。しか
も、有機スズ化合物が魚介類の体内に異常に蓄積される
と、魚介類の奇形や死滅等の重大な障害を招き、そして
人間がそのような魚介類を摂取した場合には人体に多大
な悪影響を及ぼすことが近年明らかにされている。従っ
て、有機スズ化合物で処理された繊維製品の使用は自主
規制されるようになっており、全面禁止となる傾向にあ
る。
【0005】そこで、上記のような大きな弊害を伴う有
機スズ化合物に代わり得る技術の一つとして、付着性水
棲生物に対して付着阻害効果を有する銅、銀、亜鉛、ニ
ッケルなどの金属、及びその化合物、または窒素硫黄
系、ハロゲン系などの有機化合物を用いる方法がある。
そしてこれらを繊維製品に付与する手段としてはその粉
末を天然樹脂、合成樹脂等をバインダ−とした塗料に混
合し、これを繊維表面に塗装、硬化させる方法がある。
しかし、この方法の場合には繊維が硬くなるため撚糸・
整経・製織・製網等の加工製及び使用時の作業性が劣る
こと、また表面の粗さが原因で養畜魚介類を損傷するこ
となどの不都合を生じる。さらに、磨耗等によって比較
的短期間に有効成分および塗膜が脱落し、水棲生物付着
防止効果が消失してしまう。
【0006】また、付着阻害効果を有する金属やその化
合物、もしくは有機化合物を合成繊維の内部に含有させ
る方法があるが、十分な有効成分量を添加した場合は該
防汚成分が繊維表面に粉末状で析出するブルーミング現
象、または液状で滲出するリーチング現象が生じ、製
糸、製網工程、また漁業現場で防汚剤が飛散して作業現
場が汚染され、さらには作業者が吸引したり皮膚に付着
して中毒やカブレ等の事故を引き起こす恐れがあった。
【0007】以上のように、金属あるいはその化合物、
および有機化合物を用いたもので水棲生物付着防止効果
が高く、永続的で、且つ生産、作業上の安全性が高く実
用に供することができる繊維は現在まで得られていなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性があり、水棲生物の付着を長期に亘って防止でき、魚
介類や人体に対する安全性が高く、特に製糸、製網、お
よび漁業において防汚剤が飛散し作業者が中毒や皮膚カ
ブレを起こす恐れの無い繊維、および繊維製品を提供す
ることにある。さらに、本発明は、繊維製品が粗くなっ
たり硬くならず、捕獲または養畜した魚介類の損傷を招
かない水棲生物付着防止用の繊維および繊維製品を提供
することにある。また、本発明は、撚糸、整経、製織、
製編、製網等の加工性が良く、しかも実際の使用時に作
業性のよい網や綱等の繊維製品になる繊維、およびそれ
らから製造された繊維製品の提供をも目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく研究を行った結果、熱可塑性樹脂の内部に付
着性水棲生物に対して付着阻害効果を有する金属やその
化合物、もしくは有機化合物と室温で流動性を示す中分
子ポリマ−を含有させた場合に優れた水棲生物付着防止
効果が得られ、且つ防汚剤の繊維表面へのブルーミン
グ、リーチングを防止し、製糸、製網、漁業従事者が防
汚剤による被害を受けることが無いことを見出し本発明
に至った。
【0010】すなわち、本発明は、室温で流動性を示す
中分子ポリマ−と水棲生物付着阻害剤を含有することを
特徴とする熱可塑性樹脂からなる合成繊維である。本発
明において言う中分子ポリマ−とは、室温で流動性を示
し数平均分子量が数百から数千、好ましくは1000〜
5000の数平均分子量を有する低重合体であり、各種
の化合物を用いることが可能である。具体例としては、
低分子量ポリプロピレン、ポリブテン、液状ポリブタジ
エン、液状ポリクロロプレン、液状ポリサルファイド、
液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン、低分子量
ポリスチレン、ポリヒドロキシポリオレフィンなどを単
独または混合使用することができる。
【0011】中分子ポリマ−の粘度は、25℃下で10
00センチスト−クス以上、更に好ましくは5000セ
ンチスト−クス以上のものが良い。1000センチスト
−クス未満になってくるとブルーミング、及びリーチン
グ防止効果が低下してくる傾向が認められた。また液状
中分子ポリマ−の粘度が低くなると繊維を構成する熱可
塑性樹脂との相分離が一層進行し、紡糸性、延伸性が著
しく低下するのみならずポリマ−中へ含有した液状中分
子ポリマ−が繊維製品を製造する工程での熱履歴を受け
る過程で繊維表面への移行が進み、繊維製品風合上から
も好ましくない。
【0012】繊維中への添加量としては、その繊維の表
層を構成する熱可塑性樹脂に対し中分子ポリマ−が0.
1〜60重量%、更に好ましくは1〜30重量%分散し
ていることが望ましい。中分子ポリマ−の添加量が少な
すぎるとポリマ−中で島状態に分散している中分子ポリ
マ−を断面方向に島と島を結ぶ連絡路が極端に少なくな
りブルーミングやリーチング防止の効果及び繊維表面へ
の徐放性が著しく減少する結果となり、逆に添加量が多
すぎると溶融紡糸工程でのフィルタ−詰まりや毛羽断糸
を起こしやすく、また紡糸ガイドでの摩擦抵抗が増大し
使用困難である。
【0013】本発明において使用される水棲生物付着阻
害剤としては、金属等の無機系の阻害剤や有機系化合物
があるが、付着性水棲生物に対して付着阻害効果を有す
る金属とは銅、銀、亜鉛、錫、ニッケルまたはこれらを
含む合金であり、これらの粉末、またはこれらの化合物
の粉末も用いることができる。
【0014】また、付着性水棲生物に対して付着阻害効
果を有する有機化合物とは、具体例として2,4,5,
6−テトラクロロイソフタロニトリル、ジメチルジチオ
カルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、N
−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド、NN−ジ
メチル−N’−フェニル−N’−フルオロジクロロメチ
ルチオスルフォアミド、ジクロロフェニルジメチル尿
素、ビス−2−ピリジルチオ−1−オキシド亜鉛、2−
4−チアゾリル−ベンズイミダゾ−ル、2−n−オクチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(2’,6’
−ジエチルフェニル)2,3−ジクロロマレイミド、N
−(2’−エチル−6’−メチルフェニル)2,3−ジ
クロロマレイミド、4−クロロフェニル−3−ヨ−ドプ
ロパギルホルマ−ル、ジヨ−ドメチル−p−トリルスル
ホン等が挙げられる。金属、金属化合物、及び有機化合
物は単独で、もしくは複数の成分を適宜組み合わせて用
いることができる。
【0015】付着性水棲生物に対して付着阻害効果を有
する金属、及びその化合物、または有機化合物の繊維へ
の添加量は、0.01〜60重量%、更に好ましくは
0.1〜20重量%が望ましい。金属、金属化合物、及
び有機化合物の付着性水棲生物に対する付着阻害効果
は、直接的には極めて微量で有効性を示すが、実用上必
要な数ヶ月以上の水棲生物付着防止効果を維持させるた
めには0.1重量%以上の添加が必要である。また20
重量%を超えると溶融紡糸時にフィルタ−詰まりや毛羽
断糸を起こし易く、また得られた繊維が固くなったり強
度が著しく低下して製綱、製網などの加工がしにくくな
り好ましくない。
【0016】本発明で言う熱可塑性樹脂としては、ポリ
エステル系、ポリアミド系、ポリエチレン系(塩素化ポ
リエチレンも含む)、ポリプロピレン系、ポリウレタン
系、ポリアクリレ−ト系、ポリ塩化ビニル系、ポリ沸化
ビニル、ポリ沸化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レン等沸素系化合物、ポリビニルアルコ−ル系、エチレ
ン−ビニルアルコ−ル共重合体等が代表的なものとして
挙げられ、更にこれら樹脂の混合物であっても良い。ま
たこれらの樹脂は導電性改良剤、紫外線吸収剤等の改質
剤や着色顔料等の添加剤も適宜含むことができる。
【0017】本発明の繊維は、仮撚捲縮加工時の高次加
工により五角、六角に類似した形状になったり、紡糸時
の異形断面ノズルにより三葉形、T形、四葉形、五葉
形、六葉形、七葉形、八葉形等の多葉形や各種の断面形
状をとることができ、その効果は十分に発現される。ま
たさらに、いわゆる芯鞘構造や、背腹構造の複合繊維と
することもでき、この場合でも中分子ポリマーと、水棲
生物に対して付着阻害効果を有する金属、及びその化合
物、または有機化合物が添加されているポリマ−部分が
繊維断面占有面積で20%以上であり、なおかつ望まし
くは、該ポリマ−部分が一部繊維表層に存在しているな
らば本発明の効果は十分に発現される。
【0018】次に、本発明の繊維の製造方法について説
明する。熱可塑性樹脂がポリエステルの場合は、本発明
で言う中分子ポリマ−、及び付着性水棲生物に対して付
着阻害効果を有する金属またはその化合物、または有機
化合物をポリエステルポリマ−の重合完了後、紡糸直前
までに添加し、混練した後、ノズル孔より押し出して繊
維化する方法が、ポリマ−の粘度低下、副反応、可塑剤
の分解等の問題を発生させないことから好ましい。
【0019】重合完了後、一旦ペレットの形状に成型す
る工程を経る場合は、重合完了後に重合釜の中へ液状中
分子ポリマ−、及び付着性水棲生物に対して付着阻害効
果を有する金属、及びその化合物、または有機化合物を
添加し、混練攪拌後ペレット化してもよいが、好ましく
は紡糸時にポリマ−溶融流体中に添加し、その後スタチ
ックミキサ−によって混練した後に紡糸ノズル孔より押
し出して繊維化するほうが望ましい。なぜならば、ポリ
マ−粘度低下が発生したり、均一分散が困難であった
り、更には重合釜のコンタミネ−ションの問題等が生ず
るからである。重合前にモノマ−と共に添加するのは副
反応等の問題が発生し好ましくない。
【0020】重合完了後ペレット化する工程を経ず、連
続的に溶融ポリマ−を紡糸ノズルへ供給して吐出させる
ような連続プロセスにおいては、紡糸直前までの段階で
溶融ポリマ−流中へ中分子ポリマ−、及び付着性水棲生
物に対して付着阻害効果を有する金属、金属化合物、ま
たは有機化合物を定量供給し、その後スタチックミキサ
−で混練した後、紡糸ノズル孔より吐出させるとよい。
【0021】また、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系等
の場合は、いわゆる二軸混練押出機を用い、本発明の液
状中分子ポリマ−、及び付着性水棲生物に対して付着阻
害効果を有する金属、金属化合物、または有機化合物
を、熱可塑性樹脂と均一に混練してペレット化し、その
ペレットを用いて紡糸し、繊維化することができる。
【0022】更に、溶融押出被覆法によって樹脂被覆糸
として繊維化することもできるが、芯糸としては紡績
糸、フィラメント糸等形態を問わず、更にこれらよりな
る合撚糸等も目的に応じて用いることができる。芯糸の
素材は天然繊維、合成繊維、再生繊維など特に限定する
ものではなく、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維等も含
まれる。
【0023】こうして得られた繊維は、その表面に水棲
生物付着防止効果を持ち、且つ防汚成分の繊維表面への
ブルーミング、リーチングを防止し製糸、製網、及び漁
業現場において防汚成分で作業場を汚染することなく、
作業者が中毒や皮膚かぶれを起こすことが無い。また、
繊維自体は強度、耐久性、柔軟性を持っており、加工性
にも極めてすぐれている。本発明の繊維は、単独で、又
は必要に応じて他の繊維と混繊、混紡、撚合したのち、
糸、ロ−プ、紐、網、編織物、不織布等の繊維製品とす
ることができる。本発明の繊維及び繊維製品は、海水や
淡水に長期間接触して使用される漁業用定置網、養畜魚
介類用生簀網、海水や淡水の濾過フィルタ−等の水産用
繊維製品;航路浮標、灯浮標、ブイ等の係留に使用され
るロ−プ;土木用に使用される汚濁防止繊維膜等を構成
する原料繊維あるいは原料繊維製品として有効に使用す
ることができる。また、本発明の繊維及び繊維製品は水
中における用途のみならず、真菌類、細菌類に対しての
抗菌、殺菌力を利用した壁紙、クッションフロアー等に
応用することも可能である。
【0024】
【実施例】
実施例1 [η]=1.0dl/gのポリヘキサメチレンテレフタ
レート(融点149℃)にN−フルオロジクロロメチル
チオフタルイミド(バイエル社 プリベトールA3)を
10重量%、25℃での粘度が200000センチスト
−クスのポリブテン2000H(出光石油化学)を20
重量%配合させ、日本製鋼所製のTEX30二軸押出機
で混練し、80t/m片撚糸1000d/192fのポ
リエステルフィラメント100重量部に対し2000重
量部被覆し、これを直径2mmの綱状となるように撚糸
し、さらに1目5cmの蛙又網に製網し、被覆樹脂部に
N−フルオロジクロロメチルチオフタルイミドとポリブ
テンを含有したポリヘキサメチレンテレフタレート系樹
脂被覆糸からなる網地を得た。
【0025】実施例2 実施例1の方法において、N−フルオロジクロロメチル
チオフタルイミドの代わりに2−n−オクチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オン(ローム・アンド・ハース社
SKANE M8)を用いた以外は実施例1と同一の方
法により2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−
オン、ポリブテンを含有したポリヘキサメチレンテレフ
タレート系樹脂被覆糸からなる網地を得た。
【0026】実施例3 実施例1の方法において、ポリブテン2000Hの代わ
りに25℃での粘度が700センチストークスのポリブ
テン100Rを用いた以外は実施例1と同一の方法によ
りN−フルオロジクロロメチルチオフタルイミドとポリ
ブテンを含有したポリヘキサメチレンテレフタレート系
樹脂被覆糸からなる網地を得た。
【0027】実施例4 実施例1の方法において、ポリブテン2000Hの代わ
りに25℃での粘度が1200センチストークスのポリ
ヒドロキシポリオレフィンを用いた以外は実施例1と同
一の方法によりN−フルオロジクロロメチルチオフタル
イミドとポリヒドロキシポリオレフィンを含有したポリ
ヘキサメチレンテレフタレート系樹脂被覆糸からなる網
地を得た。
【0028】実施例5 実施例1の方法において、ポリブテン2000Hの代わ
りに25℃での粘度が200000センチストークスの
液状ポリブタジエンを用いた以外は実施例1と同一の方
法によりN−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド
と液状ポリブタジエンを含有したポリヘキサメチレンテ
レフタレート系樹脂被覆糸からなる網地を得た。
【0029】実施例6 実施例1の方法において、ポリヘキサメチレンテレフタ
レートの代わりに融点が105℃の低密度ポリエチレン
(住友化学 スミカセンG804)を用いた以外は実施
例1と同一の方法によりN−フルオロジクロロメチルチ
オフタルイミドとポリブテンを含有したポリエチレン系
樹脂被覆糸からなる網地を得た。
【0030】比較例1 実施例1の方法において、ポリブテンを用いなかった以
外は実施例1と同一の方法によりN−フルオロジクロロ
メチルチオフタルイミドを含有したポリヘキサメチレン
テレフタレート系樹脂被覆糸からなる網地を得た。
【0031】比較例2 実施例2の方法において、ポリブテンを用いなかった以
外は実施例2と同一の方法により2−n−オクチル−4
−イソチアゾリン−3−オンを含有したポリヘキサメチ
レンテレフタレート系樹脂被覆糸からなる網地を得た。
【0032】比較例3 実施例6の方法において、ポリブテンを用いなかった以
外は実施例2と同一の方法によりN−フルオロジクロロ
メチルチオフタルイミドを含有したポリヘキサメチレン
テレフタレート系樹脂被覆糸からなる網地を得た。
【0033】比較例4 [η]=1.0dl/gのポリヘキサメチレンテレフタ
レート(融点149℃)を80t/m片撚糸1000d
/192fのポリエステルフィラメント100重量部に
対し3000重量部被覆し、これを直径2mmの綱状と
なるように撚糸し、さらに1目5cmの蛙又網に製網
し、ポリヘキサメチレンテレフタレート系樹脂被覆糸か
らなる網地を得た。
【0034】各糸条を12000デニールに収束して1
5T/Mの撚りをかけ、スプリングテンサーを通して1
50m/分の速さで2.5kgの張力をかけて巻取り、
糸条表面を実体顕微鏡で観察して防汚成分のブルーミン
グ性を調べた。その結果を表1に示す。さらに各網地を
4月から3年間瀬戸内海の水深約1〜2mの位置に浸漬
して海棲生物の付着状況を調べたところ表1に示す結果
を得た。表1におけるブルーミング性は下記の基準によ
り判定した。 ○・・・・全くブルーミングは見られない。 △・・・・若干ブルーミングが認められる。 ×・・・・激しいブルーミングが認められる。 表1における海棲生物の付着状況は、下記の基準により
目視により判定したものである。 5・・・・生物の付着が何ら観察されない。 4・・・・撚糸の表面積の約2割に生物が付着してい
る。 3・・・・撚糸の表面積の約4割に生物が付着してい
る。 2・・・・撚糸の表面積の約8割が付着生物に覆われて
いる。 1・・・・撚糸の表面積の約10割が付着生物に覆われ
ている。 また、表1に記載した略号の内容は下記のとおりであ
る。 樹脂; PHMT:ポリヘキサメチレンテレフタレ−ト中分子ポ
リマ− LDPE:低密度ポリエチレン 中分子ポリマー; PB:ポリブテン PHPO:ポリヒドロキシポリオレフィン LPD:液状ポリブタジエン 防汚薬剤; A3:N−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド M8:2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から、室温で流動性を示す中分
子ポリマ−を水棲生物付着防止効果を有する成分と共に
配合した熱可塑性ポリマ−からなる本発明の撚糸は、1
8ヶ月後も海棲生物の付着がないかまたは少なく、長期
間海水中で有効に使用し得ることがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明の繊維、糸および繊維製品は、魚
介類や人体に対する安全性が高く、繊維製品からの溶出
や脱落が少なく耐久性があり、水棲生物の付着を長期に
亘って防止できる。さらに防汚成分のブルーミングも無
く安全に取り扱うことができる。また、本発明の繊維、
糸および繊維製品は、表面が滑らかであり粗くなく、し
かも柔軟性に富み硬くないので、捕獲または養畜した魚
介類の損傷を招かず、撚糸、整経、製織、製編、製綱等
の際の加工性がよく、その上、実際の使用時に作業性が
極めて良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08K 5/00 KAJ C08K 5/00 KAJ C08L 5/00 C08L 5/00 23/00 KEG 23/00 KEG

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で流動性を示す中分子ポリマ−と水
    棲生物付着阻害剤を含有することを特徴とする熱可塑性
    樹脂からなる合成繊維。
  2. 【請求項2】 中分子ポリマ−の粘度が、25℃下で1
    000センチスト−クス以上である請求項1に記載の合
    成繊維。
  3. 【請求項3】 中分子ポリマ−が、低分子量ポリプロピ
    レン、ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリクロ
    ロプレン、液状ポリサルファイド、液状ポリイソプレ
    ン、液状ポリイソブチレン、低分子量ポリスチレン、ポ
    リヒドロキシポリオレフィンの単独または混合物である
    請求項2に記載の合成繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1の合成繊維からなる繊維製品。
JP10087195A 1995-04-25 1995-04-25 水棲生物付着防止効果と安全性を有する繊維および繊維製品 Pending JPH08296120A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015027291A (ja) * 2013-06-24 2015-02-12 ダイキン工業株式会社 水生生物付着防止用織布

Cited By (4)

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