JPH08296017A - 潤滑性、化成処理性、接着剤適合性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

潤滑性、化成処理性、接着剤適合性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板

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JPH08296017A JP10611795A JP10611795A JPH08296017A JP H08296017 A JPH08296017 A JP H08296017A JP 10611795 A JP10611795 A JP 10611795A JP 10611795 A JP10611795 A JP 10611795A JP H08296017 A JPH08296017 A JP H08296017A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明方法は、潤滑性、化成処理性、接着剤
適合性、溶接性に優れたMn、P系酸化物をめっき層表
面へ生成せしめて、潤滑性等に優れた亜鉛系めっき鋼板
を提供する。 【構成】 めっき層表面にMn−Zn−OH−PO4 酸化物をMn
量として0.1 〜100mg/m2及びP量として1 〜100mg/m2
成せしめ、P/Mn比を0.3 〜50にしたことを特徴とする潤
滑性、化成処理性、接着剤適合性、溶接性に優れた亜鉛
系めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑性、化成処理性、
接着剤適合性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板のめっき層表面にMn−
Pの非結晶質酸化物を生成せしめて、プレス性、化成処
理性に優れた鋼板とすることが特開平3−249182
号公報に開示されている。このような表面処理鋼板はプ
レス成形において摺動性が鋼板以上に向上し、しかもボ
ンデ処理等の化成処理を均一に生成させることができ、
塗装も均一にできる等優れた機能を有するめっき鋼板で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】亜鉛系めっき鋼板に上
記のごとき無機系酸化物を生成すると、プレス性、化成
処理性は向上するが、自動車、家電等で溶接の省略ある
いは補強に使用されている接着剤の接着強度を低下させ
る等の課題がある。本発明方法は、このような課題を有
利に解決するためなされたものであり、上記のごとく潤
滑性、化成処理性、接着剤適合性に優れた亜鉛系めっき
鋼板を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、めっき層表面にZnO 系酸化物を生成し、その表面
にMn−Zn−OH−PO4 酸化物をMn量として0.1 〜100mg/m2
及びP量として1 〜100mg/m2生成せしめ、P/Mn比を0.3
〜50にしたことを特徴とする潤滑性、化成処理性、接着
剤適合性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板である。
【0005】
【作用】本発明者等は、このような接着強度の低下原因
を詳細に調査した結果、接着剤の剥離が無機系酸化物内
で層内剥離することを確認した。更に検討を重ねた結
果、剥離面がPリッチであることも明らかになった、こ
のP層はプレス等の加工時に細かく剥離し、コロガリ機
能により潤滑性が得られるものと推定されるが、接着に
対しては逆に剥離面になるものと考えられる。本発明者
等は、このように相反する機能を回避することを、上記
知見に基づき無機系酸化物中のP/Mnを制御することによ
り、潤滑性を高めるとともに、接着強度(密着性)も向
上せしめることを開発したものである。上記のごとき無
機系酸化物を生成せしめる亜鉛系めっき鋼板としては、
例えば、溶融めっき法、電気めっき法、蒸着めっき法、
溶射法などの各種の製造方法によるものがあり、めっき
組成としては純Znの他、ZnとFe、ZnとNi、Z
nとAl、ZnとMn、ZnとCr、ZnとTi、Zn
とMgなどZnを主成分として、あるいは耐食性など諸
機能の向上のためFe、Ni、Co、Al、Pb、S
n、Sb、Cu、Ti、Si、B、P、N、S、O等の
1種ないし2種以上の合金元素及び不純物元素を含み、
又SiO2 、Al23 などのセラミックス微粒子、T
iO2 、BaCrO4 などの酸化物、アクリル樹脂など
の有機高分子をめっき層中に分散させたものがあり、め
っき層の厚み方向で単一組成のもの、連続的あるいは層
状に組成が変化するものがあり、更に多層めっき鋼板で
は、最上層に、めっき組成としては純Znの他、Znと
Fe、ZnとNi、ZnとAl、ZnとMn、ZnとC
r、ZnとTi、ZnとMgなどZnを主成分として、
耐食性などの諸機能の向上のため1種ないし2種以上の
合金元素及び不純物元素を含み、またSiO2 、Al2
3 などのセラミックス微粒子、TiO2 、BaCrO
4 などの酸化物、アクリル樹脂などの有機高分子をめっ
き層中に分散させたものがある。更にアルミニウムめっ
き鋼板のように亜鉛を含まない、あるいは亜鉛を主成分
としないめっき鋼板の表面に上記のごとき、亜鉛を主成
分としためっきを施した多層めっき鋼板でも、その表面
が亜鉛を主成分とすならば、プレス性、化成処理性等の
効果は変わらない。
【0006】例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、蒸着亜鉛め
っき鋼板、鉄−亜鉛合金化溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛を
主とするアルミニウム、鉄などの合金溶融亜鉛めっき鋼
板、めっき層断面方向で下層が合金化されている合金化
溶融亜鉛めっき鋼板(一般にハーフアロイと称する)、
片面−亜鉛合金化溶融亜鉛めっき層、他面溶融亜鉛めっ
き層からなるめっき鋼板、これらのめっき層上に電気め
っき、蒸着めっき等により亜鉛、又は亜鉛を主成分と
し、鉄、ニッケルを含有する金属をめっきした鋼板、あ
るいは電気亜鉛めっき鋼板、亜鉛、ニッケル、クロム等
合金電気めっき鋼板等、更に単一合金層又は多層合金電
気めっき鋼板、亜鉛及び亜鉛含有金属の蒸着めっき鋼板
等がある。その他、SiO2 、Al23 などのセラミ
ックス微粒子、TiO2 酸化物微粒子及び有機高分子な
どを亜鉛又は亜鉛合金めっき中に分散させた分散めっき
鋼板がある。
【0007】次に、上記のごとき亜鉛系めっき鋼板の表
面層にZnO を主体とする酸化物を生成する方法として
は、亜鉛系めっき鋼板を酸含有の酸化剤水溶液に接触さ
せることで、ZnO を主体とする酸化物をZnO 量で30〜30
00mg/m2 生成させることが容易になり、溶接性に優れた
亜鉛系めっき鋼板にすることができる。酸の機能は、め
っき層表面を若干溶解してめっき層からZn等のイオンを
供給するとともに、めっき層に接触する酸化剤水溶液中
のPHを高くし、酸化剤はめっき層表面にZnO を主体とす
る酸化物の生成を促進する機能を果たすものである。酸
化剤としては例えば、HNO3 10 〜100g/lを含有すること
で、Zn等を酸化してめっき層表面にZnO を主体とする酸
化物を生成することができる。更に、酸化剤としてはKM
nO4 、Ca(ClO)2、NaClO2、ClO2、KNO2、NaNO2 等を添加
することにより、酸化物の生成を促進することができ
る。
【0008】このようなZnO を主体とする酸化物を生成
するためのZnイオンの補給剤としては、例えばZn(NO3)2
100〜600g/lとすることにより、酸化剤水溶液のPHを約
4以下にでき、めっき層表面の活性化に寄与してZnO を
主体とする酸化物を生成するに十分なZnイオンの補給が
できる。このように予めZnイオンを補給しておくことに
より、Znイオンをめっき層中から溶かして補給(供給)
する必要がなくなり、より短時間でZnO を主体とする酸
化物を析出させることができ好ましい。しかして、この
ような水溶液に亜鉛系めっき鋼板を浸漬、水溶液の散布
によって0.2 〜10秒接触(塗布)するこで、確実に溶接
性を向上するZnO を主体とする酸化物を生成することが
できる。
【0009】上記のごとく、ZnO を主体とする酸化物を
生成する方法の他、例えばZn(NO3)2・6H2O 400g/l 、HN
O3g/lの水溶液中で、めっき鋼板を陰極として電流密度
1〜20A/dm2 、処理時間0.5 〜10秒で溶接性に優れたZn
O を主体とする酸化物を生成することができる。この
他、前記のごとく溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理する
に際し、合金化炉で気水混合気体を導入して露点を調整
して合金化するとともに、合金化しためっき層表面にZn
O を主体とする酸化物を生成することもできる。ZnO を
主体とする酸化物の生成量としては、前記のごとく、Zn
O 量で下限30mg/m2 必要でありこれ未満であると溶接性
の向上が困難となり、3000mg/m2 を越えると酸化物が抵
抗皮膜となり加熱による溶接電極チップの寿命が低下す
ることがあり好ましくない。
【0010】このようにして、生成したZnO を主体とす
る酸化物は、スポット溶接において、溶接電極チップに
めっき金属(Zn)の付着による電極チップ径の拡大を確
実に防止して溶接不良を阻止するとともに、電極チップ
の寿命を延長することができる。
【0011】上記のごとき、亜鉛系めっき鋼板のめっき
層表面に生成するMn−Zn−OH−PO4系酸化物としては、
例えばプレス成形時に金型へのめっき金属の凝着防止機
能を酸化物中のMn金属酸化物が主として機能し、プレ
ス成形時の摺動に際し、潤滑機能をもつコロガリ潤滑機
能を有する酸化物としてPからなる酸素酸が酸素結合を
媒介して結合している構造が主として機能すると考えら
れる。しかしながら、皮膜の形成反応は水溶液中から界
面のpH上昇を利用して渾然一体として析出するので、
厳密に作用機能を選別できるものではなく、皮膜の一部
が凝着防止機能を担い、他の一部がコロガリ潤滑機能を
担うと解することができる。上記皮膜構成成分は、全て
無機物であり、プレス後の脱脂液には負荷をかけず、化
成処理に際してはpHの低下によって溶解するので、化
成皮膜は正常に形成できる。なおこれら皮膜形成成分
は、化成処理液の含有成分でもあり化成処理液を汚染し
ない。
【0012】酸化物生成方法は、凝着防止機能を有する
酸化物成分とコロガリ潤滑機能を有する酸化物成分を含
有する酸性水溶液に亜鉛系めっき鋼板を浸漬するか、あ
るいは陰極電解処理するこにより、確実に皮膜形成でき
る。浸漬処理においては、Znが溶解する際に界面のp
Hが上昇し、その結果皮膜成分が水酸化物あるいは酸化
物となって析出する。溶解したZnその他のめっき層成
分も皮膜中に混入する酸化還元反応を利用することもで
きる。Znの溶解は酸化反応であり、それに対応して酸
化型の金属イオンは不溶解性の還元型酸化物となって析
出する、リン酸等の酸素酸アニオンも酸化物コロイドも
界面のpH上昇によって析出できる、陰極電解処理は界
面のpH上昇を促進する効果がある、スプレー処理、コ
ーティング処理等の水膜の厚さ調整で界面反応を制御す
ることもできる。
【0013】亜鉛系めっき鋼板の凝着防止機能をもつ酸
化量は、金属としてMnが0.1〜100mg/m2と少量
で十分効果が得られ、0.1mg/m2未満では明確な潤滑
効果が認知できず、100mg/m2を越えても効果は変わ
らず経済的に不利である。コロガリ潤滑機能をもつ酸化
物量は、元素としてP1〜100mg/m2で確実な潤滑機
能が得られ、P量についても1mg/m2未満では十分な潤
滑効果が得られず、100mg/m2越えても効果は変わら
ず経済的に不利である。Mn−Zn−PO4 −OH酸化物は、構
造は明確ではないがアモルファス状の皮膜であると推定
されているが接着性の向上には、P/Mn比で決まりP
/Mn比は0.3〜50が接着剤適合性を良好にし、そ
の効果は従来の鋼板と同等以上の接着強度となる。特に
P/Mn比0.3〜30においては、従来鋼板以上の格
段と優れた接着強度となる。0.3未満では潤滑効果が
少量では十分発揮できず、50超では接着剤適合性が低
下する、P/Mn比が低い程、つまり皮膜中のMn比が
が高い程、接着強度が向上するように見られるが、これ
はMn酸化物系(酸化物、水酸化物等)の皮膜の接着剤
及びめっき層との結合力が高いことと、この皮膜自身の
強度が高いためと、更に破壊されにくいものと推定でき
る。また、このことにより接着剤の剥離時のクラックの
層内伝播を抑制しているためと考えられる。このような
酸化物は、浸漬法や陰極電解処理法の如く界面の化学反
応で析出させる場合には、一般には混合皮膜として皮膜
生成される。しかるに、凝着防止機能を亜鉛めっきとの
界面により強く、コロガリ潤滑機能を皮膜の表面により
強く、傾斜機能的に皮膜形成させること可能である。か
くすることにより、難成形部品をプレス加工する場合の
ように、亜鉛めっき鋼板の局部に高面圧がかかるとき、
カジリが発生する限界面圧が向上する効果がある。所謂
プレス成形荷重範囲が広く採れるので、実用上は金型設
計が容易になり、プレス作業も安定するので大きな利益
を享受できる。
【0014】傾斜機能型皮膜の生成方法は、金属酸化物
等の溶解度積の相違を利用して、各成分のイオン濃度、
流速、溶解温度、電解処理の場合には電流密度等を調整
することにより、界面のイオン濃度を制御することから
なる。例としてMn 、P系酸化物の場合には、処理溶液
に過マンガン酸カリウム、リン酸、硫酸を配合し、亜鉛
系めっき鋼板と反応を起こさせると、Znの溶解と過マ
ンガン酸イオンの還元により、界面のPHの急激な上昇
によりMn酸化物もしくは水酸化物主体の皮膜が形成さ
れ、その皮膜形成により上昇したPHが低下し、形成し
た皮膜の加水分解が起こり、より溶解度の低いリン酸塩
となり皮膜の再形成が行われる。この繰り返しが短時間
内に起こりPは表層に富み、Mnは下層に富んだ傾斜機
能になるものと考えられる。
【0015】次にMn−Zn−OH−PO4 系酸化物中のMn 、
P系酸化物は、分析できるがZn、OHは酸化物生成時
には存在量の分析は不可能である。P/Mn比を0.3 〜50
にすることによって、前記のごとく酸化物(皮膜) の剪
断効力が向上し、プレス成形にクラックが発生し難く、
またクラックが発生してもクラックの伝播をほとんど阻
止することができため、接着剤の密着性(接着剤適合
性)が優れている。
【0016】なお皮膜中に混入しても潤滑性、化成処理
性、接着剤適合性(密着性)に障害とはならず、本質的
に変わらない元素としては、Li、Be、C 、F 、Na、Mg、
Al、Si、Cl、K 、Ca、Ni、Mo、V 、W 、Ti、Fe、Rb、S
r、Y 、Zn、Nb、Cs、Ba、ランタニド類のイオンや酸化
物、水酸化物、リン酸塩、硫酸塩硝酸塩等はある程度
(皮膜中に約10%以下)混入しても影響はない。さら
にCr、Cd、Pb、Sn、Asは微量であれば、化成処理性や化
成処理液への汚染に影響はなく本発明の効果は変わらな
い。
【0017】上記こごとく、酸化物中のP/Mn比を0.3
〜50にする酸化物の生成方法としては、例えば過マンガ
ン酸カリウム濃度:0.5〜50g/l、リン酸1カリ
ウム0.5〜100g/l、リン酸:0〜30g/l、
硫酸:0〜10g/lで浸漬、塗布等の接触、または電
流密度5〜60A/dm2 で電解することにより生成す
ることができる。
【0018】
【実施例】次に本発明方法の実施例を比較例とともに挙
げる。
【表1】
【0019】注1)めっき鋼板の種類 EG:電気亜鉛めっき鋼板、AS:合金化溶融亜鉛めっき鋼
板(Fe10%、Al0.2%、残Zn)、GI:溶融亜
鉛めっき鋼板、HA:半合金化溶融亜鉛めっき鋼板( Fe
5%、Al0.3%、残Zn)、Zn−Ni:亜鉛−ニ
ッケル合金電気めっき鋼板(Ni9%、残Zn)、Zn
−Mg:亜鉛マグネシウム合金蒸着めっき鋼板(Mg1
0%、残Zn)、Zn−Cr:Zn−Cr合金電気めっ
き鋼板(Cr14%、残Zn)、Zn−Mn:Zn−M
n合金電気めっき鋼板(Mn20%、残Zn)、Zn−
Al:亜鉛アルミニウム合金溶融めっき鋼板(Al5
%、Mg0.1%、残Zn)、Zn/Al−Zn:亜鉛
上層アルミニウム亜鉛合金溶融めっき鋼板(上層Zn2
g/m2 、下層Al55%、残Zn60g/m2 )、Z
n−Fe:亜鉛−鉄合金電気めっき鋼板(Zn85%、
Fe15%)、Zn−Cr−Ni:Zn−Cr−Ni合
金電気めっき鋼板(Zn85%、Cr13%、Ni2
%)、Zn/Al:亜鉛上層アルミニウムめっき鋼板
(上層Zn1g/m2、下層Al60g/m2 )。鋼板
厚はいずれも0.8mmの普通鋼。 注2)Zno 酸化物生成方法 ・浸漬:Zn(NO3)2 ・6H2O 400g/l 、HNO2 70g/lの水溶液
中に 1〜10秒かんめっき鋼板を浸漬してZno 酸化物を生
成した。 ・電解:Zn(NO3)2 ・6H2O 400g/l 、HNO3 70g/lの水溶液
中でめっき鋼板を陰極として電流密度7A/dm2、1 〜7 秒
電解によりZno 酸化物を生成した。 ・気水: 合金化処理後の亜鉛めっき鋼板(500℃) 表面に
80〜125l/ 分の霧化水を噴射してZno 酸化物を生成し
た。Zno 酸化物量は、ヨウ素メタノール溶解−IPC
(イオンプラズマ発光分析法)による化学分析法により
行った。 注3)無機系酸化物の生成方法 過マンガン酸カリウム:0.5〜50g/l、リン酸1
カリウム0.5〜100g/l、リン酸0〜30g/
l、硫酸0〜10g/l溶液を作成した。浸漬:めっき
鋼板を1〜60秒浸漬した後水洗乾燥した。塗布:スプ
レーで めっき鋼板へ散布し、ロールで水膜を調整した
後乾燥した。電解:液中でめっき鋼板を陰極とし、電流
密度5〜60A/dm2 で生成した後水洗、乾燥した。
不純物元素は、炭酸塩等で添加した。生成量は何れも測
定元素量 注4)プレス性 サンプルサイズ:17mm×300mm、引張り速度:50
0mm/min 、角ビート肩R:1.0/3.0mm、摺動
長:200mm、塗油:ノックスラスト530F40(パ
ーカー興産株式会社製)40.1g/m2の条件で、面圧
を100〜600Kgf の間で数点試験を行い、引き抜き
加重を測定し、面圧と引き抜き加重の傾きから摩擦係数
を求めた。 注5)化成処理性 化成処理液にはSD5000(日本ペイント社製)を用
い、処方どおり脱脂、表面調整を行った後化成処理を行
った。化成処理皮膜の判定は、SEM(2次電子線像)によ
り、均一に皮膜が形成されているものは○、部分的に皮
膜形成されているものは△、皮膜が一部形成されていな
いるものは×と判定した。 注6)接着剤適合性 めっき鋼板を25mm巾の短冊状にし、防錆油(ノック
スラスト530F40、パーカー興産株式会社製)を1
g/m2塗油した後、エポキシ系接着剤(EP190、セ
メダイン社製、ヘミング用接着剤)を、ラップ代8m
m、接着剤厚み0.15mmで3枚重ねで接着し、17
0℃で20分焼付け硬化させた後、引張り試験機で剪断
剥離力を求め、片面の剪断力(kgf/cm2 )を算出
した。 注7)溶接性 1)加圧力:250kgf 2)初期加圧時間:40サイクル 3)通電時間:12サイクル 4)保持時間:5サイクル 5)溶接電流:11kA 6)チップ先端径:50φ(円錐台頭型) 7)電極寿命終点判定:溶接電流の85%でのナゲット
径が3.6mmを確保できる打点数。 8)電極材質:Cu−Cr(一般に用いられているも
の)溶接は、めっき鋼板の片面を上、他面を下にして2
枚重ね合わせて連続打点数をとった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、Mn、P系酸化物を生
成した亜鉛系めっき鋼板の潤滑性、化成処理性を向上す
るとともに、接着剤適合性も向上することができ亜鉛系
めっき鋼板の適用範囲を拡大することができる。また化
成処理液の汚染がなく、プレス−接着−化成処理の一連
の工程において生産性向上のみならず、化成処理液の劣
化もなく、しかも排水処理の低減によるコスト軽減がで
きる等優れた効果が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき層表面にZnO 系酸化物を生成し、
    その表面にMn−Zn−OH−PO4 酸化物をMn量として0.1 〜
    100mg/m2及びP量として1 〜100mg/m2生成せしめ、P/Mn
    比を0.3 〜50にしたことを特徴とする潤滑性、化成処理
    性、接着剤適合性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板。
JP10611795A 1995-04-28 1995-04-28 潤滑性、化成処理性、接着剤適合性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板 Expired - Lifetime JP3153098B2 (ja)

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