JP2952835B2 - 溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法Info
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成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法に関する
ものである。
方法としては、例えば特開昭55−110783号公報に示され
る如く、めっき鋼板表面にAl2O3 等の酸化物皮膜を生成
せしめ、該酸化物の高融点、高電気抵抗を利用し、溶接
性を向上させるとともに電極チップとめっき金属との接
触を妨げ、チップの溶損を防止して寿命延長を図ること
が提案されている。
如く、めっき鋼板の表面に加熱処理により、 ZnO/Zn比
を0.1 〜0.7 にした酸化膜を生成させ、同様に溶接性を
向上させることが提案されている。しかしながら、この
ような方法においても、未だ工業的規模では満足すべき
結果が得られ難く、めっき鋼板における溶接性の向上が
強く要望されている。
せる方法としては、例えば、特開昭62−185883号公報に
記載の如く、めっき鋼板表面に電解クロメート処理を施
し、Cr2O3 の酸化物皮膜を生成せしめる方法や、特開昭
62−192597号公報に記載の如く、亜鉛系めっき鋼板上に
硬い皮膜を形成し、プレス時のめっきとダイスのかじり
を防止してプレスの潤滑性の向上を図る方法が開示され
ている。
く、めっき鋼板の表面に有機潤滑皮膜や潤滑油等の有機
物を塗布または被覆し、プレス性を向上させることが開
示されている。
うな製品は自動車ユーザー等の使用において、以下のよ
うな不十分な点がある。自動車ユーザーでの使用工程の
概略は、鋼板を油で洗浄する工程、プレス工程、脱脂工
程、化成処理工程、塗装工程からなっているので、電解
クロメート処理鋼板の場合は、化成処理工程で化成処理
皮膜が形成せず、また潤滑油や潤滑皮膜などを鋼板に塗
布した鋼板の場合は、洗浄工程で油が落ちるので十分な
潤滑性能を発揮しない。さらには、化成処理前の脱脂工
程に負荷がかかりコストが高くなる。一方、亜鉛系めっ
き鋼板に鉄−亜鉛合金フラッシュめっきを施したものは
電解クロメート処理に比較して鋼板のコストが高くなる
等の問題点があり、低コストで、化成処理が可能で、脱
脂等の工程に負荷をかけず、プレス性に優れる亜鉛系め
っき鋼板の製造方法の開発が望まれている。
まって化成処理性にも優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方
法が強く要望されている。
ろは下記のとおりである。 (1) 亜鉛系めっき鋼板の表面に亜鉛酸化物を生成さ
せ、次いでその上層に、Mn, Mo, Co, Ni , Ca, V,
W, Ti,Alを含む金属イオン、P,Bを含む酸素酸のう
ち1種または2種以上を含有するpH5以下の酸性水溶液
に接触させるか、あるいは該溶液中で陰極電解すること
により、該成分を含む皮膜を生成させることを特徴とす
る溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき
鋼板の製造方法。
物の生成は、亜鉛系めっき鋼板を酸性酸化剤水溶液に接
触させることにより行われるものである前項1記載の溶
接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板
の製造方法。 (3) 亜鉛系めっき鋼板表面への亜鉛酸化物の生成は、
亜鉛系めっき鋼板を亜鉛イオンと酸化剤含有水溶液中で
陰極電解処理することにより行われるものである前項1
記載の溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系め
っき鋼板の製造方法。
物の生成は、300〜600℃の亜鉛系めっき鋼板表面
に気水混合体を吹きつけることにより行われるものであ
る前項1記載の溶接性、プレス性、化成処理性に優れた
亜鉛系めっき鋼板の製造方法。 (5) 請求項1記載の上層処理水溶液中にSi,Al, Tiの
1種または2種以上の酸化物コロイドを加えることを特
徴とする前項1〜4のいずれかに記載の溶接性、プレス
性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
溶融めっき法、電気めっき法、蒸着めっき法、溶射法な
ど各種の製造方法によるものであり、めっき組成として
は純Znの他、ZnとFe,ZnとNi,ZnとAl,ZnとMn,ZnとC
r,ZnとPなどZnを主成分として、耐食性など諸機能の
向上のため1種ないし2種以上の合金元素および不純物
元素を含む。
子、TiO2などの酸化物、有機高分子をめっき層中に分散
させたものがあり、めっき層の厚み方向で単一組成のも
の、連続的あるいは層状に組成が変化するものがある。
例えば、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層と素地の鉄を加
熱して合金化させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気め
っき法または蒸着めっき法により亜鉛とその合金(例え
ば、鉄,ニッケル,クローム等との合金)をめっきした
鋼板およびこれを200〜550℃に加熱して素地の鉄
と合金化した鋼板、さらに単一合金層のみならず、例え
ば電気めっき法で複層合金めっきとしたもの がある。
防錆鋼板の形態としては、両面めっき、片面めっきおよ
び上下面に互いに異なるめっきを施した異種めっき鋼板
がある。
何によらず、めっきがZnを主成分とする限り、めっき鋼
板の表面にZnO を形成させることにより、スポット溶接
において電極チップ先端にFe,Znを主成分とする電極保
護金属を生成させ、以って電極チップ寿命を大幅に改善
することを見出した。従来の上記めっき鋼板において
は、ZnO を主体とする酸化膜を溶接性によいとされるZn
O 量で30〜3000mg/m2 (片面当たり)生成させること
が不安定であった。ここで、ZnO を主体とする酸化
膜とは酸化物中にZnO の他、例えば、めっき層中に含有
する成分元素またはそれらの酸化物などの化合物等を含
有するものでもよい。また、陽極酸化などの電気化学処
理において、処理液が含有する成分あるいは化合物を含
んでもよい。
主体とする酸化膜を生成せしめるために、第1の方法と
して鋼板を酸含有の酸化剤水溶液に接触させることで、
ZnO を主体とする酸化膜をZnO 量で30〜3000mg/m2
(片面当たり)生成させることが容易になり、溶接性に
優れた亜鉛系めっき鋼板を提供し得ることを見出した。
酸の働きは、めっき層表面をいくらか溶解してめっき層
からZn等のイオンを供給し、かつめっき層に接触する溶
液中のpHを高くすることであり、酸化剤はそのめっき層
表面にて浴中のZn等を酸化してめっき層表面にZnO を主
体とする酸化膜を形成する働きをする。
/lを含有することで、Zn等を酸化してめっき層表面に
ZnO を主体とする酸化膜を形成することができる。HNO3
の下限を10g/lとしたのはそれ未満では酸化がしに
くくなり、酸化膜を生成することができなくなるためで
ある。また、HNO3の上限を100g/lとしたのはそれ
を超えて含有しても酸化剤としての効果が飽和し、合金
層表面のZnとFeを溶解し、特にFeを溶解することで、Fe
の酸化物の生成が多くなり、スポット溶接チップ寿命の
改善の効果が低くなるためである。
2Cr2O7, NaClO3、ClO2, KNO3, NaNO3 等を添加する
ことにより、表面皮膜の生成が促進される。鋼板にZn(N
O3)2とHNO3の水溶液を接触させる方法としては浸漬、ス
プレーによる噴射等いずれの方法でもよい。また、浸
漬、スプレーによる噴射後、例えば表面に乾燥加熱ガス
を吹きつけたり、鋼板を約100℃以下に加熱すれば、
より薄い溶液でも水分の蒸発により濃縮液となり、かつ
高温で反応するので効果的に処理することができる。
成した酸化膜等の組成はZnO を主体としてFeの酸化物、
ZnおよびFeの水酸化物で、これらは単体でも混合してい
ても、Al等の不純物を含んでいてもかまわない。しか
し、表面皮膜としての特性からは、表面を均一に覆い、
皮膜抵抗が低くなるZnO 成分の多い酸化膜が望ましい。
ZnO を主体とする酸化膜を生成せしめるために、Znイオ
ンの補給剤としてZn(NO3)2100〜600g/lとする
ことで、酸化剤水溶液のpHが4以下であればめっき層表
面の活性化に寄与し、ZnO を生成せしめるためのZnイオ
ンの供給ができる。
それ未満では合金層表面のZnイオンとして不十分で酸化
膜を生成することができなくなるためである。また、そ
の上限を600g/lとしたのはそれを超えると皮膜が
多く生成しすぎて、抵抗が大きくなり、溶接時の電極チ
ップとの抵抗発熱により、電極チップ径の拡大による溶
接性劣化の原因になるからである。
てのMn, Al, P, Si等が溶け出すことがある。これらの
中でZnイオンをあらかじめ浴中に添加しておくとZnイオ
ンをめっき層中から溶かして供給する必要がなくなり、
より短時間でZnO の析出が起こるので好ましい。なお、
他の不純物の溶出はできるだけ少量に抑制することが望
ましい。特に、Feは1g/lを超えて含有すると表面に
Feの酸化物、水酸化物が生成して表面が黄変し、鋼板表
面の商品品位を悪化させるとともに、Feの酸化物、水酸
化物が抵抗皮膜となり、スポット溶接チップ寿命が低下
する。従って、本発明ではFeイオン濃度を規定するもの
ではないが、できるだけ低くすることが望ましい。
めに、鋼板をZn(NO3)2100〜600g/lとHNO310
〜100g/lを含有する酸化剤水溶液に浴温30〜80
℃で0.2 〜10秒間接触をさせることにより、酸化膜生成
処理を行うことができる。処理浴温を30〜80℃と
し、下限を30℃としたのは、めっき表面のZnイオン
の酸化を容易にするためであり、それ未満では反応速度
が遅く、表面皮膜を得にくいためである。また、上限を
80℃としたのは、反応が進行しすぎて、過度に酸化
皮膜が発生し、溶接性を悪くするためである。もっと
も、温度が80℃を超えても接触時間を短くすればよい
が、時間を短くしたときの温度を高温に制御することが
困難なため、温度は80℃以下とするのが望ましい。
よるが、浸漬またはスプレー等の接触処理時間を0.2 〜
10秒としたのは、0.2 秒未満では酸化膜生成処理が不十
分で、溶接性が向上しないためであり、10秒を超えて処
理しても酸化膜の生成は多くなりすぎて、溶接性を悪く
するためである。また、第2の方法としては、例えば、
Zn(NO3)2・6H2O:400g/l、HNO3:1g/lの水溶
液中で、亜鉛系めっき鋼板を陰極として、電流密度1〜
20A/dm2 、処理時間0.5 〜10秒で溶接性に優れた酸
化物を生成せしめることができる。
気めっき或いは蒸着めっき後、合金化処理、酸化膜生成
処理を行うことで、ZnO を主体とする酸化膜を確実に生
成することができる。その具体的な方法としては、例え
ば合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する合金化炉を、板
温が300〜600℃になるように調整し、該炉中を表
面まで合金化が完了する速度で通過させ、続いて雰囲気
の露点を確保するために気水ノズルで水と空気を噴射す
る気水処理することで効果的に酸化膜生成反応を行わせ
ることもできる。さらに、ライン外で溶融めっき、電気
めっきあるいは蒸着めっき後、合金化処理、酸化膜生成
処理を行うことで、ZnO を主体とする酸化膜を確実に生
成させることができる。その方法も、前記の方法に類似
の方法を採れば、ZnO を主体とする酸化膜生成反応を確
実にかつ効果的に行うことができる。
他に、蒸気をめっき表面に噴射してZnO を主体とする酸
化膜を生成させたり、ライン外で、露点を酸化雰囲気に
調整した加熱炉で熱処理を行ってZnO を主体とする酸化
膜を生成させる等、いずれの方法を採ってもよい。この
ようにして亜鉛系めっき鋼板の表面に溶接性に優れた酸
化物としてZnO 主体酸化物を30〜3000mg/m2 生成せ
しめ、その上層に下記の如くプレス性、化成処理性に優
れた酸化物を生成せしめることができる。
質の皮膜を形成することが有効である。この点で電解ク
ロメート処理、鉄亜鉛合金めっきは有効であるが、前者
は化成処理皮膜が形成できず、後者は処理量が多くコス
ト高になる。これらの問題を解決し得るめっき鋼板表面
の硬質皮膜としては、酸化物皮膜であって、かつ化成処
理液中で溶解し、化成皮膜を形成できるとともに、皮膜
成分が化成処理液に溶け出しても化成処理に悪影響を与
えないことが必要である。
にMn, Mo, Co, Ni, Ca, W, V, Ti, Al, P,Bの1種
または2種以上からなる酸化物系皮膜を形成すれば良い
ことを見出した。この酸化物皮膜はクロメート皮膜と同
様ガラス状の皮膜となり、プレス時にめっきのダイスへ
のかじりを抑制し、摺動性を良好とする。さらに、化成
処理液には溶解するため、クロメート皮膜と異なり、化
成処理皮膜を形成することができ、また化成処理皮膜の
成分でもあるため、化成処理液に溶け出しても悪影響は
ない。
O結合、その他金属−O結合、P−O結合、B−O結
合、Ti−O結合、Al−O結合からなるネットワークが主
体で、部分的に−OH、CO3 基等が、さらにはめっきから
供給される金属が置換したアモルファス状の巨大分子構
造であろうと推定している。また、この皮膜は酸化物皮
膜のため、油による洗浄工程や、脱油工程でも溶解しな
いので、潤滑性能の低下や、他の工程に負荷を与えな
い。
ためにコロイダルSiO2、コロイダルTiO2、コロイダルAl
2O3 の1種又は2種以上500 mg/m2 以下(SiO2,Ti
O2, Al2O3 として)を混入する。かくして、酸化物の
皮膜構造が均一化し、成膜性も向上し、プレス成形性が
良好になり、又化成処理性をも向上することができる。
このような酸化物皮膜は、亜鉛系めっき鋼板をMn,Mo,C
o,Ni,Ca,V,W,Ti,Alを含む金属イオン、P,Bを含む酸
素酸のうち1種または2種以上を含有するpH5以下の
水溶液中へ浸漬するか、水溶液を散布するか、又は水溶
液中で陰極電解処理することにより確実に生成させるこ
とができる。このときに前記の如きめっき金属の亜鉛、
亜鉛合金めっきの場合は、亜鉛と合金元素(金属)、水
溶液中の不純物等がその他の酸化物として混入する。
述べる。酸化物の皮膜量はプレス性を良好とするには、
金属としてmg/m2 以上あればよいが、皮膜量が500
mg/m2 を越えると化成処理皮膜の形成が不十分とな
る。ゆえに、酸化物の適正な皮膜量は、金属として1〜
500mg/m2 、好ましくは1〜200mg/m2 であ
る。
ロイダルAl2O3 の1種又は2種以上の合計量としては5
00mg/m2以下(SiO2、TiO2、Al2O3 として)、好まし
くは200mg/m2 以下がよく、500mg/m2 超にな
ると化成処理性が劣化することがある。下限は1mg/m
2 で十分である。次に上記のごとき酸化物皮膜生成の処
理浴について述べる。金属イオンししては、Mnは過マン
ガン酸塩( MnO4 - ) の形態で建浴することが工業的に有
利であり、MnO4 - イオンの酸化力を利用して亜鉛の溶解
を促進できる利点もある。Mo ,W,Vはそれぞれモリブ
テン酸塩( MnO4 -2 ) ,タングステン酸塩(WO4 -2),バナジ
ン酸塩(VO4 -3) あるいはそのポリ塩の形態で安定に建浴
できる。Ti , Al はpH2以下の酸性中で溶解できる。こ
れら金属イオンの濃度は1g/l以上溶解限まで適用で
きる。P,Bの酸素酸はそれぞれリン酸,ホウ酸あるい
は及びその塩として適用する。溶液のpHは5以下が好ま
しく、5を越えると事実上反応は進行しない。溶液のpH
はリン酸,ホウ酸で調整してもよいが、皮膜形成に与か
らない酸、例えば硫酸,塩酸,硝酸,酢酸,過塩素酸を
加えて調整することは皮膜量と皮膜成分比を独立に制御
する手段として有利である。
ロイド微粒子水溶液、ケイフッ化カリウム、チタンフッ
化カリウム等を固体として1〜60g/l添加すること
ができる。皮膜形成反応は自己不働態型、即ち酸化亜鉛
層の全ての表面が被膜されれば自動的に反応は完結す
る。処理時間は反応が速いものでは0.1 秒で被覆が終了
し、一般的には1分以内で十分である。処理液の温度は
常温から80℃までで容易に処理できる。皮膜形成反応
は酸化亜鉛層の溶解で開始するが、直ちに界面のpHが上
昇して、上層酸化物ないし水酸化物層が析出被覆するの
で反応が停止し、ほとんどの下層酸化亜鉛層は残存し、
2層皮膜が形成されることになる。フリー酸濃度の増
加、即ちpHの低下は皮膜量を増大させる。またスプレー
処理,コーティング処理等によって亜鉛系めっき鋼板表
面に供給する水膜の厚さを調整し、pH上昇を早める方法
も皮膜量制御に有効である。
た皮膜量を増大させる効果がある。印加電流密度は10A
/dm2 以下で十分である。10A/dm2 を越えると、金
属が析出しやすくなり、潤滑性能が劣化するか、あるい
は皮膜量が短時間処理でも500mg/m2 を越えるので
好ましくない。
表に示す。
鉛めっき鋼板(Fe10%,Al 10.25%,残Zn), EG:電
気亜鉛めっき鋼板,GI:溶融亜鉛めっき鋼板( Al 0.3
%,Fe 0.8%,Pb 0.1 %,残Zn),HA:半合金化溶融
亜鉛めっき 鋼板(Fe5%,Al0.3 %, 残Zn),鋼板厚
はいずれも0.8mmの普通鋼,Zn/Zn-Cr:12%Cr含有電
気合金めっき上層に電気亜鉛めっき1g/m2鋼板 注2)ZnO 皮膜処理条件 浸漬:Zn(NO3)2・6H2O:400g/l、HNO3:70g/
lの50℃水溶液中に1〜10秒間亜鉛系めっき鋼板を
浸漬してZnO 皮膜を生成せしめた。
O3:1g/l水溶液中で亜鉛系めっき鋼板を陰極として
電流密度7A/dm2 、1〜7秒電解によりZnO 皮膜を生
成せしめた。 ・気水噴霧:合金化処理後の亜鉛系めっき鋼板 (500℃)表面に80〜125l/分の霧化水を噴射
して、ZnO 皮膜を生成した。
l、リン酸10g/l、硫酸3g/l、炭酸 亜鉛:5
g/lの溶液(30℃)に被処理鋼板を浸漬するかまた
は該鋼板を陰極とし、Pt電極を陽極として7A/dm2 で
1.5 秒電解を行った後、水洗、乾燥した。
/l、リン酸10g/lの水溶液中に亜鉛系めっき鋼板
を浸漬するかまたは該鋼板を陰極または陽極として、電
解処理(5〜10A/dm2 、1〜1.5 秒)した。・Mo酸
化物生成はモリブデン酸アンモニウム: 50g/l、
リン酸:10g/lの溶液(30℃) に被処理鋼板を浸漬
するかまたは該鋼板を陰極、Pt電極を陽極にして7A/
dm2 で1.5秒電解を行った後、水洗、乾燥した。モリブ
デン酸アンモニウム、リン酸の濃度、さらには一部には
硫酸、炭酸亜鉛の添加を行い、溶液の温度、浸漬時間、
電解量を調整して作成した。
/l、 硝酸亜鉛:150g/l、濃硝酸:1cc/lの
溶液30℃で被処理鋼板を陰極として、Pt電極 を陽
極にし、7A/dm2 で1.5 秒電解を行った後、水洗、乾
燥した。硝酸コバルト、硝酸亜鉛、硝酸の濃度を調節
し、さらには一部にはリン酸、硫酸、炭酸亜鉛の添加を
行い、溶液の温度、電解量を調整して作成した。
/l、硝酸亜鉛:150g/l、濃硝酸1cc/lの溶液
30℃で被処理鋼板を陰極として、Pt電極を陽極にし、
7A/dm2 で1.5 秒電解を行った後、水洗、乾燥した。
硝酸ニッケル、硝酸亜鉛、硝酸の濃度を調節し、さらに
は一部にはリン酸、硫酸、炭酸亜鉛の添加を行い、溶液
の温度、電解量を調整して作成した。
g/l、濃硝酸:1cc/lの溶液30℃で被処理鋼板を
陰極として、Pt電極を陽極にし、7A/dm2 で1.5 秒電
解を行った後、水洗、乾燥した。硝酸カルシウム、硝酸
の濃度を調節し、さらには一部にはリン酸、硫酸、炭酸
亜鉛の添加を行い、溶液の温度、電解量を調整して作成
した。
ウム:20g/l、リン酸:10g/lの溶液(30 ℃)
に被処理鋼板を浸漬するかまたは該鋼板を陰極として、
Pt電極を陽極にし、7A/dm2 で1.5 秒電解を行った
後、水洗、乾燥した。タングステン酸アンモニウム、リ
ン酸の濃度を調節し、さらには一部には硫酸、炭酸亜鉛
の添加を行い、溶液の温度、浸漬時間、電解量を調整し
て作成した。
ム:30g/l、リン酸:10g/lの水溶液(30℃)
中で被処理鋼板を陰極として、Pt電極を陽極にし、7A
/dm2 で1.5 秒電解を行った後、水洗、乾燥した。バナ
ジン酸アンモニウム、リン酸の濃度、さらには一部には
硫酸、炭酸亜鉛の添加を行い、溶液の温度、電解時間、
電解量を調整して作成した。
からなる水溶液中で、亜鉛系めっき鋼板を陰極として7
A/dm2 、1.5 〜7秒の電解条件で電解した。混合酸化
物皮膜の生成においては、上記それぞれの金属塩あるい
は酸を添加混合した浴を作成して行った。
(日本ペイント社製)を用い、処方どおり脱脂、表面調
整を行った後化成処理を行った。化成処理皮膜の判定
は、SEM(2次電子線像)により、均一に皮膜が形成され
ているものは○、部分的に皮膜形成されているものは
△、皮膜が形成されていないものは×と判定した。
0mm/min ,角ビート肩R:1.0 /3.9mm ,摺動長:2
00mm, 塗油:ノックスラスト530F(パーカー興産
株式会社)40.1g/m2 の条件で、面圧を100〜60
0kgf の間で数点試験を行い、引き抜き加重を測定し、
面圧と引き抜き加重の傾きから摩擦係数を求めた。
径が3.6 mmを確保できる打点数 8)電極材質:Cu−Cr(一般に用いられているもの)溶
接は、めっき鋼板の片面を上、他面を下として、2枚重
ね合わせて連続打点数をとった。
し、抽出残渣で混合融剤(硼酸1,炭酸ナトリウム3)
で融解した後、塩酸で溶液化してICP で分析した亜鉛量
をZnO 量に換算。
て、連続打点数を増加し、それだけチップを取り替える
ことなく長時間溶接でき、チップの耐久性を向上し得る
亜鉛系めっき鋼板を製造することができる。また、溶接
による生産性を向上させることができ、かつ適正溶接電
流範囲も従来材と同レベルであり、溶接性も良好な亜鉛
系めっき鋼板を得ることができる。
動性を冷延鋼板並以上に向上させ、かつ化成処理皮膜も
形成可能とすることができ、これによって従来より低コ
ストで、またユーザーの工程における負荷を低減でき、
プレスによる生産性を向上させることができるなどの優
れた効果が奏される。
Claims (5)
- 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の表面に亜鉛酸化物を
生成させ、次いでその上層に、Mn, Mo, Co, Ni , Ca,
V, W, Ti,Alを含む金属イオン、P,Bを含む酸素酸
のうち1種または2種以上を含有するpH5以下の酸性水
溶液に接触させるか、あるいは該溶液中で陰極電解する
ことにより、該成分を含む皮膜を生成させることを特徴
とする溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系め
っき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板表面への亜鉛酸化物の
生成は、亜鉛系めっき鋼板を酸性酸化剤水溶液に接触さ
せることにより行われるものである請求項1記載の溶接
性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板の
製造方法。 - 【請求項3】 亜鉛系めっき鋼板表面への亜鉛酸化物の
生成は、亜鉛系めっき鋼板を亜鉛イオンと酸化剤含有水
溶液中で陰極電解処理することにより行われるものであ
る請求項1記載の溶接性、プレス性、化成処理性に優れ
た亜鉛系めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 亜鉛系めっき鋼板表面への亜鉛酸化物の
生成は、300〜600℃の亜鉛系めっき鋼板表面に気
水混合体を吹きつけることにより行われるものである請
求項1記載の溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜
鉛系めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の上層処理水溶液中にSi,
Al, Tiの1種または2種以上の酸化物コロイドを加える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶接
性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板の
製造方法。
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