JPH08295933A - 伸線加工性の優れた線材 - Google Patents
伸線加工性の優れた線材Info
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- JPH08295933A JPH08295933A JP9900395A JP9900395A JPH08295933A JP H08295933 A JPH08295933 A JP H08295933A JP 9900395 A JP9900395 A JP 9900395A JP 9900395 A JP9900395 A JP 9900395A JP H08295933 A JPH08295933 A JP H08295933A
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Abstract
以下のC量が0.6%以上の鋼線材において、線材横断
面に存在するセメンタイトの形状が以下の特徴を持つ生
引き性の優れた線材。 平均のセメンタイトの長さが0.7μm以下。 セメンタイトの平均間隔が900Å以上。
Description
どのゴムおよび有機材料の補強用に使用されているスチ
ールコードや弁バネ、ロープなどの高強度で高延性の硬
鋼線の製造に用いられる線材に関するものである。
圧延によって4.0mmφから16mmφの線径に加工
した後、線材の機械的特性を調整するために調整冷却を
行い線材となる。
引き抜き加工による伸線と中間熱処理を繰り返すことで
より細い線径に加工し、例えば、弁バネであればスパイ
ラル状に成形後、焼入れ、焼き戻しを行い最終製品とし
たり、最終パテンティング処理を行いさらに伸線加工で
加工をおこない高強度のワイヤとするなどして使用され
ている。
熱間圧延後の線材の加工性が優れているほど、製造コス
トを低減することが容易となる。
する方法として、衝風冷却によるステルモア法や冷却媒
体として溶融塩を用いるDLP方法がある。溶融塩を用
いるものとしては特公昭59−37725があるが、加
工性を良くする事より鉛パテンティング相当の高強度が
得られるような直接熱処理法となるものである。
6−17190、特開平6−17191、特開平6−1
7192などが開示されているが、これらはベイナイト
組織を80%以上とし、所定の強度延性に調整すること
を特徴とする加工性の優れた鋼線材である。しかし、こ
の公報に示されるベイナイト率を80%以上にする事
は、5.0mmφ以上の線径では極めて困難である問題
点がある。
術として特開昭62−241136が開示されている
が、これは1.2mmφ以下の線材を鉛パテンティング
処理によって上部ベイナイト組織とし、伸線加工により
0.3mmφ以下の疲労特性の優れたワイヤとするもの
である。
するために、最終熱処理工程までの加工ができるだけ容
易となる加工性の優れた高炭素鋼線材の開発が求められ
ている。
%以上含まれる高炭素鋼の分野において加工性が優れた
線材に関し、詳しくは引き抜きダイスを用いた伸線加工
において線径が3.0mmφ以上の線径において真歪み
で3.7以上の加工性を具備する線材を提供する。
延によって得られるC量が重量%で0.6%以上の鋼線
材において、線材横断面に存在するセメンタイトが下記
の特徴を持つ伸線加工性の優れた線材。 平均のセメンタイトの長さが0.7μm以下。 セメンタイトの平均間隔が900Å以上。
工性の優れた線材。
を特徴とする前記(2)の伸線加工性の優れた線材。 Cr:0.1%以上2.0%以下 Ni:0.1%以上2.0%以下 Cu:0.1%以上2.0%以下 Mo:0.1%以上2.0%以下 Co:0.01%以上2.0%以下。
を特徴とする前記(2)または(3)の伸線加工性の優
れた線材。 Ti:0.005%以上0.03%以下 Nb:0.005%以上0.03%以下 V :0.005%以上0.03%以下 Al:0.005%以上0.03%以下 B :0.0001%以上0.003%以下。
(4)の伸線加工性の優れた線材。
大きく影響されている。線材横断面に観察されるセメン
タイトの長さが短かければ短いほど加工中に導入される
転位の増殖が抑えられるので、少なくとも平均のセメン
タイトの長さを0.7μm以下とする必要がある。平均
のセメンタイトの長さと伸線加工性の関係を図1に示
す。
タイトの平均間隔が大きければ大きいほど加工中に導入
される転位の増殖が抑えられるので、少なくともセメン
タイトの平均間隔が900Å以上とする必要がある。セ
メンタイトの平均間隔と伸線加工性の関係を図2に示
す。
ば、線材の初期強度を低下させると共に加工硬化率を下
げることができるので加工性の優れた線材とすることが
できる。
べる。Cは経済的かつ有効な強化元素である。鋼線とし
ての必要強度を確保するためにはCは少なくとも0.6
%以上とすることが必要である。高すぎると延性が低下
するので上限は1.5%とする。
り、従ってその含有量があまりに少ないとき脱酸効果が
不十分になるので下限を0.1%とする。また、Siは
熱処理後に形成されるパーライト中のフェライト相に固
溶しパテンティング後の強度を上げるが、反面フェライ
トの延性を低下させるので、伸線後性に悪影響を与えな
い2.0%以下とする。
0.1%以上添加する。しかし、多量のMn添加は偏析
を引き起こしパテンティングの際にベイナイト、マルテ
ンサイトという過冷組織が発生しその後の伸線性を害す
るため2.0%以下とする。
のでその含有量を0.02%以下とするのが望ましい。
PもSと同様に線材の延性を害するのでその含有量を
0.02%以下とするのが望ましい。
出現を抑制しさらに、パーライトを微細にする効果を持
っている。しかし、多量の添加は熱処理後のフェライト
中の転移密度を上昇させるため、引き抜き加工後の極細
線の延性を著しく害することになる。従って、Crの添
加量はその効果が期待できる0.1%以上としフェライ
ト中の転移密度を増加させ延性を害することの無い2.
0%以下とする。
よりその効果を発揮する0.1%以上添加する。Niも
添加量が多くなり過ぎるとフェライト相の延性を低下さ
せるので上限を2.0%とする。
素であるので、必要によりその効果を発揮する0.1%
以上添加することが望ましい。Cuも添加量が多くなり
過ぎるとフェライト相の延性を低下させるので上限を
2.0%とする。
添加する元素で、必要によりその効果を発揮する0.1
%以上添加することが望ましい。Moも添加量が多くな
り過ぎると焼入れ性が高まり、偏析部にミクロマルテン
サイトが析出しやすくなるので上限を2.0%とする。
る元素で、必要によりその効果を発揮する0.01%以
上添加することが望ましい。Coは高価な元素であるの
で経済性を損なわない2.0%以下の添加とする。
その後に形成される組織単位を微細にし、靭性値を向上
することが出来るのでその効果を発揮する0.005%
以上を添加し、その他の特性に悪影響を与える事のない
0.03%以下とする。
効果が認められる0.0001%以上添加し、焼入れ性
が高くなり過ぎるためその処理が困難となる0.003
%以下とする。
冷却によってベイナイト組織、パーライト組織、これら
の混合組織と造り分けを行いセメンタイトの形態を調整
する方法で線材を製造した。
よって4.5〜16.0mmφに圧延し、調整冷却を行
い表2に示す組織の線材とした。
形応力、全伸び、降伏比のいずれも請求項1に示す条件
を満足している。
の長さが0.7μm超と長い事が本発明鋼と異なる。比
較鋼49、50、51は、セメンタイトの間隔が900
Å未満と小さい事が本発明と異なる。
線を用いて行った。伸線は、各パスにおける減面率が1
5〜20%の間となるようにして伸線加工を行った。生
引き性は、伸線限界まで加工を行い、真ひずみで3.8
以上の加工が可能であった場合を○、できなかった場合
を×で表2に示した。
本発明に従って調整されているため、優れた生引き性を
示す。反対に、比較鋼46〜51は本発明と先に述べた
違いがあるため生引き性が劣っている。
鋼に比べ伸線加工性の優れた線材を得ることができる。
係を示す図。
関係を示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】熱間圧延によって得られるC量が0.6%
以上の鋼線材において、線材横断面に存在するセメンタ
イトの形状が下記の特徴を持つ伸線加工性の優れた線
材。 平均のセメンタイトの長さが0.7μm以下。 セメンタイトの平均間隔が900Å以上。 - 【請求項2】鋼成分が重量%で C :0.6%以上1.5%以下 Si:0.1%以上2.0%以下 Mn:0.1%以上2.0%以下 となる鋼からなることを特徴とする請求項1の伸線加工
性の優れた線材。 - 【請求項3】下記の成分の一種以上添加することを特徴
とする請求項2の伸線加工性の優れた線材。 Cr:0.1%以上2.0%以下 Ni:0.1%以上2.0%以下 Cu:0.1%以上2.0%以下 Mo:0.1%以上2.0%以下 Co:0.01%以上〜2.0%以下 - 【請求項4】下記の成分の一種以上を添加することを特
徴とする請求項2または請求項3の伸線加工性の優れた
線材。 Ti:0.005%以上0.03%以下 Nb:0.005%以上0.03%以下 V :0.005%以上0.03%以下 Al:0.005%以上0.03%以下 B :0.0001%以上0.003%以下 - 【請求項5】P :0.02%以下 S :0.02%以下 であることを特徴とする請求項2または3または4の伸
線加工性の優れた線材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09900395A JP3487957B2 (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | 伸線加工性の優れた線材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP09900395A JP3487957B2 (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | 伸線加工性の優れた線材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08295933A true JPH08295933A (ja) | 1996-11-12 |
JP3487957B2 JP3487957B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
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JP09900395A Expired - Fee Related JP3487957B2 (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | 伸線加工性の優れた線材 |
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JP (1) | JP3487957B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016180147A (ja) * | 2015-03-24 | 2016-10-13 | 新日鐵住金株式会社 | 導電性に優れた鋼線材 |
WO2018079781A1 (ja) * | 2016-10-28 | 2018-05-03 | 新日鐵住金株式会社 | 線材およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-04-24 JP JP09900395A patent/JP3487957B2/ja not_active Expired - Fee Related
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