JPH08294357A - ぶり又はカンパチの燻製品並びにぶり又はカンパチの燻製冷凍品の製造方法 - Google Patents
ぶり又はカンパチの燻製品並びにぶり又はカンパチの燻製冷凍品の製造方法Info
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Abstract
実現するぶり又はカンパチ燻製冷凍品の製造方法を提供
すること。 【構成】 ぶりの活魚を低温にすることで仮死状態と
し、この仮死状態のぶりに血管を介して血液を凝固させ
ない成分を含む血液を流出させるための第一潅流液を圧
入して血液を流出させた後、酸化防止や味覚改善などの
目的に応じた成分を含む第二潅流液を圧入し、この潅流
処理を行ったぶりを容体内に燻煙と共に封入し、ぶりの
自然生息環境温度で数時間放置した後、マイナス数度ま
で冷却して数時間放置し、容体よりぶりを取り出し、マ
イナス数十度以下に急速凍結処理するぶりの燻製冷凍品
の製造方法。
Description
パチに於ける燻製品並びに燻製冷凍品の製造方法に関す
るものである。
ぶり(ハマチ)やカンパチと同科の魚は色飛び(色素の
メト化(茶褐色化))、及び解凍後の極端な品質低下が
原因で冷凍技術の発達した今日でも実用化に至っていな
い。確立技術としては−60℃以下に於ける超低温保存
はあるが解凍後の処理技術未確立の問題があり冷凍技術
のみで主使用目的である刺身商材(生食用)としての利
用は困難な状況にあった。
数量があり、生産業者も数多く過剰供給の状況にある。
保管する以外に方法がなく出荷環境(生産環境,消費環
境の変化)により大幅な価格変動を繰り返しており、養
殖経営の不安定さにつながっている。
効果的な凍結品として扱えるようにすると同時に従来の
品質(生臭い,飼料臭い等養殖魚特有の欠点)をも改善
した商品とするものであり、生産面,流通面,消費面等
にその効果が及ぶものと考えられる。
より血液を抜かないで死亡させた場合)すると血液中に
大量に含まれる蛋白質分解酵素等により自己分解を引き
起こし短時間で鮮度低下を引き起こす。業界ではこれら
の品質劣化防止のため野締めと称し延髄と背動脈の末端
(尾部)に包丁で血管を切断し放血処理を行い、品質劣
化防止を行っている。これらは畜肉での処理も同様であ
り体内の血液を除去することが重要な技術となってい
る。又、初期の鮮度保持の方法はその温度管理が重要で
あり、魚種別にその適正温度がありその目安は魚種別の
生存環境温度に基づく要因が大きく活魚を即死させた後
の肉質変化はこの温度管理により大幅に変化する。
素でありぶりについては、その赤い色素(ミオグロビ
ン)の発色状態が商品価値とされ、この色素は極めて不
安定であり凍結,真空状態で自動酸化が進み茶色のメト
ミオグロビンに変化し以後安定化する。
凍後解凍収縮を引き起こし多量の肉汁(ドリップ)が流
れ出て食味を低下させる。
ならない必要技術は、 (1)確実な脱血処理 (2)風味を低下させない酸化防止処理 (3)色素の安定化処理 (4)解凍収縮によるドリップ流出防止処理 (5)風味,味覚改善の調味処理 である。
で流通しなかったぶりの凍結品(冷凍品)が刺身材料と
して商品価値を有することとなることを見出した。
発された様々な手法を改良し、これらを組み合わせ更に
改良することで前記問題点を解決し、秀れたぶり又はカ
ンパチの燻製品並びに燻製冷凍品を実現させた画期的な
ぶり冷凍品の製造方法である。
明の要旨を説明する。
で仮死状態とし、この仮死状態のぶり又はカンパチに、
血管を介して血液を凝固させない成分を含む血液を流出
させるための第一潅流液を圧入して血液を流出させた
後、酸化防止や味覚改善などの目的に応じた成分を含む
第二潅流液を圧入し、この潅流処理を行ったぶり又はカ
ンパチを容体内に燻煙と共に封入し、ぶり又はカンパチ
の自然生息環境温度で数時間放置した後、マイナス数度
まで冷却して数時間放置したことを特徴とするぶり又は
カンパチの燻製品の製造方法に係るものである。
カンパチチルド品をマイナス数十度以下に急速凍結処理
することを特徴とするぶり又はカンパチの燻製冷凍品の
製造方法に係るものである。
する。 主要技術1 <潅流処理>品質劣化の原因である血液を可能な限り除
去する方法として“生体に於ける潅流処理”を利用し更
に色素,脂質,蛋白等酸化によっての品質低下防止の
為、酸化防止剤を組織に確実に注入する方法とした。
織を毛細血管を通じ生体組織の生命維持が図られている
ことに着目した技術であり、血液の完全除去及び目的剤
の注入浸透には合理的である。
更に試験試行の結果次に述べる改善を加え実用化した。
C,ビタミンE,クエン酸Naの組成変更及びその方法
を改善した。
ビタミンCの濃度が高く食味に悪い影響を与えることか
ら潅流を2段階以上に分離し、第一潅流液を血液を流出
する目的のものとし、血液を凝固させない成分精製塩と
クエン酸Naを含む液として血管に圧入して充分体内の
血液を洗いだし、その後酸化防止並びに味覚改善の目的
で、味覚に影響のない低濃度のビタミンC,ビタミン
E,クエン酸Na,粗製塩(精製塩+CaCl)及び味
覚改善の目的で調味料(イノシン酸,グルタミン酸,天
然エキス)を第二潅流液とした。
る目的は、主体のNaClにより蛋白変性を起こしゲル
化を促進させ、第二潅流液では精製塩にCaClを少量
添加した粗製塩を有するため、この少量含有するCaC
lによる解凍収縮の軽減を狙ったものであり、比較試験
等で明瞭な有為差が認められる。
成し実用化した。
類以上の潅流液をその工程順に合わせ順次自動又は手動
で切り替え血液の完全除去及び目的の潅流液を注入する
装置を利用し、更に圧力調整及び流量測定ができるよう
にし、個体差による調整が円滑に行える装置を利用す
る。 主要技術2 <燻煙処理>燻煙を与える効果としては、 特有の香気,風味の付与 食肉の発色及び肉色の安定化 脂肪の酸化防止作用 肉中の微生物の増加防止 肉の自己消化の促進 乾燥効果(水分活性の低下) 燻煙成分より抗菌性物質の浸透吸着 加熱殺菌効果(40℃以上に上昇の場合) とされており、また商品の性状と加工処理時間より期待
できる効果は、表1に示すとおり
用方法を確立した。必要な燻煙の組成は次の三つの点を
解決できるものとしている。
除去する。
能な成分発生を軽減するため燻煙は可能な限り無酸素状
態に於ける桜,リンゴ,ナラ等の広葉樹で味覚の改善に
寄与するもの乾留(熱分解のみ)とする。
3−4−ベンツピレンを発生させない温度帯425℃以
下にて燻煙を作る。
く、刺激臭と甘さと若干の生臭さを感ずるが、更に同煙
にて作成されたぶりは渋味や苦みは全く感じられず、多
少甘い焦げ臭を感じ風味と味覚の向上に大きく寄与する
ことが確認された。
ロビンが酸素と結合しオキシミオグロビンとなり、更に
時間が経つと酸素と結合し、茶褐色のメトミオグロビン
となってしまう。
により発色と安定化が図れ茶褐色になりにくくなる。
ピレン等発癌物質は少ないものと言える。
クの中に入れ、この袋の中に作成燻煙を封入し冷蔵庫内
にて死後硬直状態に連動した温度管理を行う。 主要技術3 <冷凍処理開始時間などに関する処理法>主要技術1,
2により作成されたぶりの急速凍結を条件を変えて行っ
たが、解凍後大量のドリップが発生し商品化に至らなか
った。
消費者の手元で難しい解凍方法行うこととなるのでは実
用的ではなく可能な限り生産加工時の処理工程に含むこ
ととしたい。 根拠説明 活魚ぶりの棲息温度は12〜29℃帯にあり比較的温帯
性の魚である。ぶりを即殺死して一気に氷温に接すると
間もなく強い低温硬直が始まり極めて短時間で大量のド
リップを生じ品質が低下する。
は大きな差を生んでいる。 関西市場・・・野ジメのぶりは箱に入れパスシートを掛
けるだけ。 関東市場・・・野ジメのぶりは箱に入れパスシートを掛
け氷を掛ける。 これは魚の鮮度の理解度の差を示したもので、ぶりの養
殖が盛んな関西九州では死後直後は決して氷と接触させ
ることをせず、一定時間経過後6〜8時間後に氷を打
つ。
げた状態で保管するとした食品衛生上からの発想であ
り、食品を腐食させる微生物制御の立場からの意見であ
り、魚類の活魚を基準とした鮮度保持からの内容と意を
異にする。
ATP(アデノシン3燐酸)の消費に伴う収縮過程で生
ずるもので一気に低温環境においてATPを分解活性さ
せると低温収縮が強くなる。このためATPをいかに緩
やかに魚体内で消費させるかが課題となる。
慢解凍(20時間解凍)であることから逆に解凍硬直を
引き起こすエネルギー(アデノシン3燐酸)を凍結前に
消費させる方法として0℃〜−3℃で放置することが最
も効果的に解凍硬直の防止に効果があることから実験体
験的に−1℃環境にて15時間〜17時間でATPが消
費され凍結、解凍後に解凍硬直が生じにくいことを確認
した。
製成分の浸透圧による移動環境も維持される。
境により一気に活性化し硬直が進むが、15℃保存では
ゆっくり硬直が進むとともに硬直度が強くならない。
さずATPを消費させることであり、自然棲息環境温度
にて死後硬直を起こさせそれ以上硬直が進まないことを
確認の上−1℃〜−3℃の環境下で残りのATPを処理
する。
Cl処理を加工時間に含めることにより消費者に通常の
解凍方法でノンドリップ商品の供給を可能にした。
で、本実施例の具体的工程手段は次のようになる。
心室に向かってカテーテルを挿入し第一潅流液を圧入
し、完全に血液が流れでた後第二潅流液を圧入する。 4.ロイン(節)まで加工処理し完全なボンレス状態と
する。 5.高濃度の粗製塩,酸化防止剤溶液にて塩漬処理をす
る。 6.オゾン水又は水道水にて塩抜きをする。
7.バック中に空気が混入しないように燻煙を封入し1
0℃〜15℃で7〜8時間放置更にその後保管庫の温度
を−2度まで下げ7時間を経過させる。 8.このバックの中に、高分子吸収紙にぶりを乗せて封
をし、目安3〜5%に脱水を行う。 9.ガスバックより取り出し真空パックとする。(ぶり
燻製品の完成,このまま燻製品として販売しても良
い。) 10.凍結品を作る場合には、燻煙臭が残ることから真空
パック後3〜5時間蒸れ順れを行った凍結処理とする。 11.急速凍結処理(−45度以下のブライン凍結) 以上の工程によって作成された燻製凍結品の特徴は、
凍結状態における保存性も−20℃保存で3ケ月以上良
好な状態を維持している。
魚とでは解凍直後より食味の点で大きな有為差が感じら
れるが時間と共に、対照魚は色彩,風味,味覚は急速に
低下しその差は更に大きくなり、試験魚は経時でも大き
な変化は起きず加工処理の効果と判断できる。
燻製品若しくは請求項2記載の燻製凍結品は次の〜
のような特徴を有し、秀れたぶり又はカンパチの燻製凍
結品が実現できる画期的なぶり又はカンパチに於ける燻
製品並びに燻製冷凍品の製造方法となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ぶり又はカンパチの活魚を低温にするこ
とで仮死状態とし、この仮死状態のぶり又はカンパチ
に、血管を介して血液を凝固させない成分を含む血液を
流出させるための第一潅流液を圧入して血液を流出させ
た後、酸化防止や味覚改善などの目的に応じた成分を含
む第二潅流液を圧入し、この潅流処理を行ったぶり又は
カンパチを容体内に燻煙と共に封入し、ぶり又はカンパ
チの自然生息環境温度で数時間放置した後、マイナス数
度まで冷却して数時間放置したことを特徴とするぶり又
はカンパチの燻製品の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の工程を経たぶり又はカン
パチチルド品をマイナス数十度以下に急速凍結処理する
ことを特徴とするぶり又はカンパチの燻製冷凍品の製造
方法。
Priority Applications (1)
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JP01773296A JP3559119B2 (ja) | 1995-03-02 | 1996-02-02 | ぶり又はカンパチの燻製品並びにぶり又はカンパチの燻製冷凍品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP7-42696 | 1995-03-02 | ||
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Publications (2)
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JPH08294357A true JPH08294357A (ja) | 1996-11-12 |
JP3559119B2 JP3559119B2 (ja) | 2004-08-25 |
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ID=26354293
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Cited By (7)
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JP2017192382A (ja) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | 株式会社オンスイ | ブリの脱血処理方法、脱血ブリの製造方法、ブリ加工品の製造方法、マグロの脱血処理方法、脱血マグロの製造方法並びにマグロ加工品の製造方法 |
-
1996
- 1996-02-02 JP JP01773296A patent/JP3559119B2/ja not_active Expired - Lifetime
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