JPH082919A - 強誘電体結晶薄膜及び該強誘電体結晶薄膜を有する強誘電体薄膜素子及び該強誘電体結晶薄膜の製造方法 - Google Patents

強誘電体結晶薄膜及び該強誘電体結晶薄膜を有する強誘電体薄膜素子及び該強誘電体結晶薄膜の製造方法

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JPH082919A
JPH082919A JP13435994A JP13435994A JPH082919A JP H082919 A JPH082919 A JP H082919A JP 13435994 A JP13435994 A JP 13435994A JP 13435994 A JP13435994 A JP 13435994A JP H082919 A JPH082919 A JP H082919A
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ferroelectric
crystal thin
ferroelectric crystal
strontium
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JP13435994A
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Hironori Matsunaga
宏典 松永
Masayoshi Koba
正義 木場
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電特性の信頼性を向上させたBi4 Ti
3 12強誘電体結晶薄膜及びこの薄膜を用いたデバイス
の提供。 【構成】 Bi4 Ti3 12に、ストロンチウム又はバ
リウム元素を、好ましくはそれぞれ5〜10モル%の範
囲で添加してなる強誘電体結晶薄膜を形成する。また、
この強誘電体結晶薄膜を単結晶半導体基板上に形成し、
こうして作成した基板を用いて強誘電体薄膜素子を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電体結晶薄膜、該
強誘電体結晶薄膜を有する強誘電体薄膜素子及び強誘電
体薄膜の製造方法に関する。より詳しくは、強誘電体不
揮発性メモリ素子、焦電赤外線センサ素子、オンチップ
薄膜コンデンサ、圧電素子等に用いられる強誘電体結晶
薄膜、及び該強誘電体結晶薄膜を有する強誘電体薄膜素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電体結晶は、自発分極、高誘電率、
焦電効果、圧電効果、電気光学効果等の機能を持ち、従
来から、コンデンサ、赤外線センサ、超音波発振器、圧
力センサ、周波数フィルター、光スィッチ等の多くの素
子開発に応用されてきた。最近、強誘電体材料の薄膜化
技術の進展に伴い、各種の基板上に高品質の強誘電体薄
膜の形成が可能となり、シリコンプロセス等の多くの半
導体デバイス開発への応用が検討されている。特に、高
誘電率材料をDRAMのキャパシタに応用することで、
素子構造、製造工程の簡略化とコスト低下が可能とな
る。更に、この強誘電体キャパシタの持つ強誘電性(自
発分極)を利用した不揮発性メモリの開発が行われてい
る。
【0003】このようなデバイス開発には、残留自発分
極(Pr)が大きく、かつ抗電界(Ec)が小さく、低
リーク電流であり、更に駆動電圧の低減と半導体プロセ
スとの整合のために膜厚200nm以下の高品質薄膜が
必要となる。また、自発分極を利用したデバイス開発に
は、繰り返し分極反転を行った場合の強誘電特性の劣化
(疲労)の少ない、安定した自発分極特性を持つ高信頼
性材料の開発が不可欠となる。
【0004】多くの強誘電体材料の中でも、ペロブスカ
イト構造を持つPb(Zr1-x Tix )O3 (PZT)
は、最も集中的に研究されている材料である。その薄膜
形成方法もスパッタ法、ゾルーゲル法、MOCVD法等
により強誘電特性の良好な薄膜が得られており、その残
留自発分極も10〜26μC/cm2 と大きな値を示
す。しかしながら、その良好な初期特性にも拘わらず、
強誘電特性の繰り返し疲労耐性が約108 回程度であ
り、デバイスの長時間の安定動作は困難である。このよ
うな、強誘電特性の不安定性の原因としては、薄膜を構
成する強誘電体結晶における酸素欠損や空間電荷による
キャリアが電極と強誘電体の界面に移動し、トラップさ
れるために強誘電体中の分極が減少してしまうことが考
えられる。その理由は、もっと詳細に説明すると、電極
近傍にキャリアがトラップされることにより強誘電体薄
膜中に反電場が発生するために、実効的に強誘電体にか
かる電界強度が減少することから分極反転が十分に行え
なくなり、残留分極の値が減少してしまうのである。従
って、膜中のキャリアの発生、移動を如何にして抑制す
るかが問題となる。このため、疲労耐性を向上する手段
として、PZTへの異種元素の添加が試みられている。
例えば、LaやZn等の添加により、残留自発分極の減
少はあるものの、疲労耐性が1011回程度にまで向上す
ることが報告されている(岡田、富永:応用物理学会誌
第61巻(1992年)1152、Melnick
他:4th International Sympo
sium on Integrated Ferroe
lectrics.Proceeding(1992)
221)。
【0005】一方、PZT以外の強誘電体材料の探索も
行われている。Bi4 Ti3 12は、斜方晶系に属する
層状ペロブスカイト構造(格子常数:a=5.4100
Å、b=5.4489Å、c=32.815Å)を持つ
強誘電体であり、その単結晶でのa軸方向で自発分極P
r= 50μC/cm2 、抗電界Ec=50kV/c
m、c軸方向で自発分極Pr=4μC/cm2 、抗電界
Ec=4kV/cmと、優れた強誘電特性を持つ。そし
て、白金被覆シリコン基板上に形成した膜厚500nm
のBi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜の強誘電特性につ
いて、Pr=4.4μC/cm2 、及びEc=84kV
/cmとの結果が得られている。更に薄膜のリーク電流
も10-7A/cm以下で、疲労耐性も1010回程度であ
るとの報告がされている(P.C.Joshi and
S.B.Krupanidhi:J.Appl.Ph
ys.72(1992)5827)。
【0006】Bi4 Ti3 12は、次のような一般式で
表される一群のビスマス層状構造強誘電体に属する。
【0007】(Bi2 m-1 m 3m+3) ここで、AはNa1+、K1+、Pb2+、Ca2+、Sr2+
Ba2+、Bi3+、等、BはFe3+、Ti4+、Nb5+、T
5+、W6+、Mo6+等で、mは1から8である。その結
晶構造の基本は、(m−1)個のABO3 からなるペロ
ブスカイト格子が連なった層状ペロブスカイト層の上下
を(Bi2 2 2+層が挟み込んだ構造をなす。これら
の材料の中で、AがSr、Ba、BがTi、Ta、Nb
の組み合わせに強誘電性を示すものが多い。また、Bi
2 2 層の存在がキャリヤのバリアとして作用している
との指摘もあり、膜中のキャリア移動によるリーク電流
の発生や繰り返し疲労耐性の劣化の抑制にも効果が期待
される。事実、ストロンチウム元素を含んだ材料を用い
ることで低リーク電流や、繰り返し疲労耐性も1012
まで達成できることが示されている(Araujo他:
PCT/US92/10627)。また、バリウム元素
を含んだ材料についても同様の結果が得られることが知
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】強誘電体材料を各種の
デバイスに応用するには、残留自発分極や抗電界のよう
な強誘電特性と共に、その疲労耐性とリーク電流の低減
といったデバイスの信頼性に係わる特性の向上が課題と
なる。このためには、高性能な強誘電体材料の開発と共
に、電極材料の開発及びこれらの材料の高品質薄膜形成
の技術を開発することが必要となる。上記のストロンチ
ウムやバリウム元素を含んだビスマス層状構造強誘電体
は高信頼性の材料として有望であるが、残留自発分極の
大きさはBi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜に比べて約
10分の1以下となるため、デバイスの微細化(キャパ
シタ面積の減少)には適応が困難となる。
【0009】本発明は上記の課題に鑑みなされたもので
あり、強誘電特性の信頼性を向上させたBi4 Ti3
12強誘電体結晶薄膜及びこの薄膜を用いたデバイスを提
供することを目的にしている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明ではBi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜に
ストロンチウム又はバリウム元素を添加することで、B
4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜でのリーク電流の低減
と共に疲労耐性の改善を行った。
【0011】本発明の強誘電体薄膜素子は、シリコンや
砒化ガリウム等の単結晶半導体基板の表面を二酸化ケイ
素や窒化ケイ素(SiN)等の絶縁膜で被覆した後、下
部薄膜電極を形成し、この下部電極上に強誘電体結晶薄
膜を形成し、その上に上部電極を形成してある。下部薄
膜電極としては、白金、金、ニッケル、クロム、窒化ケ
イ素タングステン(WSiN)等を用いることが好まし
い。更に、これらの電極と基板との間の密着性を向上す
るために、下地としてチタン、タンタル、モリブデン、
ニッケル、クロム等の層を形成することが好ましい。
【0012】本発明における酸化物強誘電体結晶薄膜の
形成方法としては、スパッタリング法、レーザーアブレ
ーション法、ゾルーゲル法、CVD法等種々の方法が可
能である。更に、成膜原料としても、薄膜を構成する各
元素毎に独立した原料、或いは予め所定の組成比に調製
された混合原料を用いることが可能である。
【0013】例えば、スパッタリング法、レーザーアブ
レーション法により、ストロンチウム元素を添加したB
4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜を形成する場合、原料
ターゲットとして、Bi2 3 、TiO2 及びSrOの
それぞれ独立の焼結体原料、又はBi4 Ti3 12粉末
に所定量のSrOを混合した焼結体原料を用いることが
可能である。
【0014】一方、ゾルーゲル法では原理的に原料溶液
の組成と形成される薄膜の組成は一致するため、添加元
素量を調製するには適している。原料としては、硝酸ビ
スマス(Bi(NO3 3 ・5H2 O)、チタンイソプ
ロポキサイド(Ti(i−OC3 7 4 )、硝酸スト
ロンチウム(Sr(NO3 2 )、酢酸バリウム(Ba
(CH3 COO)2 )等の他にも多くの化合物原料が使
用できる。これらの原料を溶媒として氷酢酸やアルコー
ル、水を用い所定の割合に混合することで、成膜用の透
明ゾル溶液を作成し、基板上にスピンコートした後に結
晶化熱処理を行う。
【0015】また、CVD法による成膜を行う場合、原
料としてビスマス、チタン、ストロンチウム、バリウム
の有機金属化合物を加熱気化し、キャリヤガスを用い
て、酸素ガスと共に加熱した基板上に供給することで結
晶薄膜が作成できる。原料としては、トリオルトトリル
ビスマス(Bi(o−C7 7 3 )、トリフェニルビ
スマス(Bi(C5 6 3 )、チタンイソプロポキサ
イド(Ti(i−OC37 4 )、ストロンチウムビ
スジピバロイルメタナート(Sr(C11
1922 )、バリウムビスジピバロイルメタナート
(Ba(C11192 2 )等が用いられる。
【0016】このようにして形成されたBi4 Ti3
12強誘電体結晶薄膜の上に、上記電極材料と同じ材料に
より、上部電極を形成することにより、強誘電体不揮発
性メモリ素子、焦電赤外線センサ素子、圧電素子、コン
デンサ、発振器等多くのデバイスに応用することができ
る強誘電体薄膜素子を得ることができる。
【0017】
【作用】本発明の強誘電体結晶薄膜は、Bi4 Ti3
12強誘電体結晶薄膜にストロンチウム又はバリウム元素
を添加することで、Bi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜
の持つ大きな残留自発分極を維持し、薄膜のリーク電流
及び繰り返し疲労耐性の改善が可能となった。この効果
の一つの解釈として、次のようなものが考えられる。リ
ーク電流は膜中のグレイン境界を通じて流れることが考
えられ、更に、添加した不純物元素はセラミックスの場
合と同様にグレイン境界に吐き出されると考えた場合、
この領域にストロンチウムやバリウム元素を含むリーク
電流の低いビスマス層状構造結晶が発生するため、薄膜
全体のリーク電流の抑制及び疲労耐性の向上が図れたも
のと解釈できる。その結果、優れた強誘電特性と低リー
ク電流特性及び高い繰り返し疲労耐性を兼ね備えた強誘
電体結晶薄膜が得られ、従来のPZT等では不十分であ
ったデバイスの信頼性確保が可能となる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の強誘電体結晶薄膜を有する強
誘電体薄膜素子の実施例を説明する。
【0019】実施例1.図1に示したように、本実施例
ではシリコン単結晶ウェハ1の表面に膜厚200nmの
熱酸化膜2が形成され、その上に膜厚30nmのチタン
層3を介して200nmの白金下部電極4が形成された
ものに強誘電体結晶薄膜5を形成した。強誘電体結晶薄
膜5の形成方法としては、ゾルーゲル法を用いた。
【0020】原料として、硝酸ビスマス(Bi(N
3 3 ・5H2 O)とチタンイソプロポキサイド(T
i(i−OC3 7 4 )、添加元素のストロンチウム
及びバリウムについては、それぞれ硝酸ストロンチウム
(Sr(NO3 2 )及び酢酸バリウム(Ba(CH3
COO)2 )を用いた。まず、硝酸ビスマスを氷酢酸に
溶解した後、Bi/Ti=4/3となるように適量のチ
タンイソプロポキサイドを混合し、さらに硝酸ストロン
チウム又は酢酸バリウムをBi4 Ti3 12に対してモ
ル比でそれぞれ0、2、5、7、10%となるように混
合溶解した後、2−メトキシエタノール(CH3 OCH
2 CH2 OH)を添加して溶液の粘度を調整すること
で、成膜用原料溶液とした。このように調製したゾル溶
液を、基板1に形成した下部電極4上にスピンコート
(5000rpmで20秒間)した後、大気中で115
℃で15分の乾燥と400℃で60分の仮焼成(有機成
分の除去)を行った。この1回のスピンコートで約50
nmの膜厚が得られたことから、これらの工程を4回繰
り返して全体の膜厚が200nmとなるようにした。次
にこの仮焼成膜を酸素雰囲気中で650℃で15秒間の
高速熱処理(RTA)による結晶化を行った。
【0021】こうして得られたBi4 Ti3 12強誘電
体結晶薄膜のX線回折パターンを図2に示す。層状ペロ
ブスカイト構造のランダム配向Bi4 Ti3 12結晶に
対応する(117)回折ピークが30゜の位置に顕著に
認められる。なお、40゜の位置に認められるピークは
白金電極の(111)反射である。
【0022】これらの強誘電体結晶薄膜について、上部
電極6を100nmの白金の蒸着により形成して目的の
素子を得た。この素子について強誘電体結晶薄膜のリー
ク電流の測定を行った。5V印加でのリーク電流密度の
測定値は次のようになった。
【0023】
【表1】
【0024】上記の結果から、ストロンチウム又はバリ
ウム元素の添加によって、リーク電流が低減できたこと
が分かる。元素添加量5〜10モル%で、特に好ましい
リーク電流低下の効果が得られた。元素添加量が10モ
ル%を越えると、Bi4 Ti3 12以外の相が出現して
きて好ましくない。その理由は、SrBi4 Ti4 15
やBaBi4 Ti4 15等の自発分極値が小さい成分の
発生により薄膜全体としての自発分極が低下してしまう
ためである。
【0025】これらの試料の内、元素添加量5、7、1
0モル%のリーク電流の小さい膜について、ヒステリシ
ス曲線の測定を行った所、全試料でヒステリシス曲線が
観察された。図3に7モル%ストロンチウム元素添加の
試料についての測定結果の例を示す。縦軸は残留分極
(Pr)、横軸は抗電界(Ec)を示す。良好なヒステ
リシス曲線が得られており、残留自発分極Prは約12
μC/cm2 、抗電界Ecは約84kV/cm、誘電率
εは180(測定周波数10kHz)である。
【0026】次に、この試料について繰り返し疲労耐性
の測定を行った。電圧3V、パルス幅8.6μsecの
バイポール2連パルス印加による残留自発分極値の変化
の結果を図4に示す。縦軸は残留分極(Pr)、横軸は
分極反転回数を示す。ここで、白丸及び黒丸は、それぞ
れプラス方向及びマイナス方向の残留自発分極値を意味
する。1011回までの分極反転回数での測定結果では、
殆ど残留自発分極の値に変化は見られていない。
【0027】以上の結果から、Bi4 Ti3 12へのス
トロンチウム又はバリウム元素の添加により、従来の報
告にない200nmの薄い膜厚での強誘電体結晶薄膜の
リーク電流の低減と繰り返し疲労耐性の向上が得られ
た。
【0028】実施例2.実施例1と同様の下部電極の形
成されたシリコン基板を用い、ゾルーゲル法によるBi
4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜の形成を行った。原料ゾ
ル溶液の調製方法は実施例1と同様である。まず、基板
上に5モル%ストロンチウム元素添加の原料ゾル溶液を
塗布し、乾燥、仮焼成、結晶化高速熱処理して形成した
膜厚50nmの薄膜上に、5モル%バリウム元素添加の
原料ゾル溶液を塗布し、乾燥、仮焼成、結晶化高速熱処
して膜厚50nmの薄膜を形成した。これらの工程を合
計2回繰り返し、全膜厚が200nmの強誘電体結晶薄
膜を作成した。ここで、塗布、乾燥、仮焼成、結晶化高
速熱処理は実施例1と同様の条件とした。
【0029】得られた強誘電体結晶薄膜を使用して実施
例1と同様にして得た素子について測定した強誘電体結
晶薄膜のリーク電流密度は、1×10-7A/cm2 (5
V印加)であった。また、残留自発分極Prは約9μC
/cm2 、抗電界Ecは約78kV/cm、誘電率εは
185であった。残留自発分極値の変化の結果を図5に
示す。繰り返し疲労耐性は1011回以上を示した。
【0030】なお、ここではストロンチウム元素を添加
した強誘電体結晶薄膜の形成を先に行ったが、バリウム
を添加した強誘電体薄膜の形成を先に行っても良い。
【0031】実施例3.実施例1と同様の下部電極の形
成されたシリコン基板を用い、ゾルーゲル法によるBi
4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜の形成を行った。原料ゾ
ル溶液の調製方法は実施例1と同様である。まず、基板
上に7モル%ストロンチウム元素添加の原料ゾル溶液を
塗布し、乾燥、仮焼成、結晶化高速熱処理して形成した
膜厚50nmの薄膜上に、ストロンチウム及びバリウム
のいずれの元素も添加していないBi4 Ti3 12の原
料ゾル溶液を塗布し、乾燥、仮焼成、結晶化高速熱処理
して膜厚100nmの薄膜を形成し、更にこの上に5モ
ル%バリウム元素添加の原料ゾル溶液を塗布し、乾燥、
仮焼成、結晶化高速熱処理して膜厚50nmの薄膜を形
成して、全膜厚が200nmの強誘電体結晶薄膜を作成
した。ここで、塗布、乾燥、仮焼成、結晶化高速熱処理
の条件は実施例1と同様である。
【0032】得られた強誘電体結晶薄膜を使用して実施
例1と同様にして得た素子について測定した作成した強
誘電体結晶薄膜のリーク電流密度は、7×10-6A/c
2(5V印加)であった。また、残留自発分極Prは
約10μC/cm2 、抗電界Ecは約105kV/c
m、誘電率εは170であった。残留自発分極値の変化
の結果を図6に示す。繰り返し疲労耐性は1010回であ
った。
【0033】なお、ここではストロンチウム元素を添加
した強誘電体結晶薄膜の形成を先に行ったが、バリウム
を添加した強誘電体薄膜の形成を先に行っても良い。
【0034】以上の実施例では、ゾルーゲル法による成
膜法の結果を示したが、薄膜中の不純物量を制御して成
膜できる方法であれば、他の成膜方法を用いることも可
能である。更に、その元素添加量を薄膜中で連続的に変
化させることも可能なことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】本発明の強誘電体結晶薄膜は、Bi4
3 12強誘電体結晶薄膜にストロンチウム又はバリウ
ム元素を添加することで、従来のBi4 Ti3 12強誘
電体結晶薄膜単独では得られなかった薄い膜厚での低リ
ーク電流及び高い繰り返し疲労耐性を有する高品質な強
誘電体結晶薄膜が得られる。従って、この強誘電体結晶
薄膜の上下を電極で挟んだキャパシタ構造を用いること
で、高信頼性を有する強誘電体不揮発性メモリ素子、各
種のIC用のオンチップコンデンサ、焦電効果型赤外線
センサ等のデバイスを作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電体結晶薄膜を有する強誘電体薄
膜素子の断面概略図。
【図2】実施例1において形成されたBi4 Ti3 12
結晶薄膜のX線回折パターンを示す図。
【図3】実施例1において形成されたBi4 Ti3 12
結晶薄膜のヒステリシス曲線を示す図。
【図4】実施例1において形成されたBi4 Ti3 12
結晶薄膜の繰り返し疲労耐性測定結果を示す図。
【図5】実施例2において形成されたBi4 Ti3 12
結晶薄膜の繰り返し疲労耐性測定結果を示す図。
【図6】実施例3において形成されたBi4 Ti3 12
結晶薄膜の繰り返し疲労耐性測定結果を示す図。
【符号の説明】
1 半導体基板(シリコンウェハ) 2 絶縁膜(シリコン熱酸化膜) 3 チタン膜 4 下部電極(白金) 5 強誘電体結晶薄膜(Bi4 Ti3 12薄膜) 6 上部電極(白金)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 18/12 C30B 29/32 Z 9261−4G H01B 3/00 F H01L 27/04 21/822 21/8242 27/108 37/02 41/08 41/22 // C23C 24/10 A H01L 27/10 325 J 41/08 Z 41/22 Z

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストロンチウム元素を添加してなるBi
    4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜。
  2. 【請求項2】 基板上に形成したストロンチウム元素を
    添加してなるBi4Ti3 12強誘電体結晶薄膜。
  3. 【請求項3】 ストロンチウム元素の添加量の範囲が5
    〜10モル%であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の強誘電体結晶薄膜。
  4. 【請求項4】 バリウム元素を添加してなるBi4 Ti
    3 12強誘電体結晶薄膜。
  5. 【請求項5】 基板上に形成したバリウム元素を添加し
    てなるBi4 Ti312強誘電体結晶薄膜。
  6. 【請求項6】 バリウム元素の添加量の範囲が5〜10
    モル%であることを特徴とする請求項4又は請求項5記
    載の強誘電体結晶薄膜。
  7. 【請求項7】 基板上に、ストロンチウム元素を添加し
    てなるBi4 Ti312強誘電体結晶薄膜及びバリウム
    元素を添加してなるBi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜
    を有することを特徴とする強誘電体薄膜素子。
  8. 【請求項8】 基板上に、ストロンチウム元素を添加し
    てなるBi4 Ti312強誘電体結晶薄膜を有すること
    を特徴とする強誘電体薄膜素子。
  9. 【請求項9】 基板上に、バリウム元素を添加してなる
    Bi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜を有することを特徴
    とする強誘電体薄膜素子。
  10. 【請求項10】 ストロンチウム及びバリウムのいずれ
    の元素も添加しないBi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜
    を、ストロンチウム元素を添加してなるBi4 Ti3
    12強誘電体結晶薄膜とバリウム元素を添加してなるBi
    4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜の間に有することを特徴
    とする請求項7記載の強誘電体薄膜素子。
  11. 【請求項11】 ストロンチウム元素又はバリウム元素
    の添加量の範囲がそれぞれ5〜10モル%であることを
    特徴とする請求項7、8、9又は10記載の強誘電体結
    晶薄膜素子。
  12. 【請求項12】 ビスマス、チタン及びストロンチウム
    元素の酸素含有化合物から調製した、ストロンチウム元
    素を添加してなるBi4 Ti3 12薄膜の成膜用原料の
    ゾル溶液を基板上に塗布し、乾燥し、次いで、結晶化高
    速熱処理を行うことを特徴とするストロンチウム元素を
    添加してなるBi4 Ti3 12強誘電体結晶薄膜の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 ビスマス、チタン及びバリウム元素の
    酸素含有化合物から調製した、バリウム元素を添加して
    なるBi4 Ti3 12薄膜の成膜用原料のゾル溶液を基
    板上に塗布し、乾燥し、次いで、結晶化高速熱処理を行
    うことを特徴とするバリウム元素を添加してなるBi4
    Ti3 12強誘電体結晶薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 ビスマス、チタン、及びストロンチウ
    ム元素の酸素含有化合物から調製した、ストロンチウム
    元素を添加してなるBi4 Ti3 12薄膜の成膜用原料
    のゾル溶液、又はビスマス、チタン、及びバリウム元素
    の酸素含有化合物から調製した、バリウム元素を添加し
    てなるBi4 Ti3 12薄膜の成膜用原料のゾル溶液の
    何れか一方を基板上に塗布し、乾燥、結晶化高速熱処理
    を行って第1の薄膜を形成すること、次いで、この薄膜
    の上に、第1の薄膜とは異なる種類の薄膜の成膜用原料
    のゾル溶液を塗布し、乾燥、結晶化高速熱処理を行って
    第2の薄膜を形成することを特徴とするストロンチウム
    及びバリウム元素を添加してなるBi4 Ti3 12強誘
    電体結晶薄膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 第1の薄膜の上に、ストロンチウム及
    びバリウムのいずれの元素も添加しないBi4 Ti3
    12強誘電体結晶薄膜の成膜用原料のゾル溶液を塗布し、
    乾燥、結晶化高速熱処理を行って該強誘電体結晶薄膜を
    形成してから第2の薄膜を形成することを特徴とする請
    求項14記載の強誘電体結晶薄膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998008255A1 (fr) * 1996-08-20 1998-02-26 Hitachi, Ltd. Procede de fabrication de dispositif a oxyde dielectrique et memoire et semi-conducteur utilisant ce dispositif

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WO1998008255A1 (fr) * 1996-08-20 1998-02-26 Hitachi, Ltd. Procede de fabrication de dispositif a oxyde dielectrique et memoire et semi-conducteur utilisant ce dispositif

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