JPH08291297A - 防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム合金板 - Google Patents
防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム合金板Info
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- JPH08291297A JPH08291297A JP7120898A JP12089895A JPH08291297A JP H08291297 A JPH08291297 A JP H08291297A JP 7120898 A JP7120898 A JP 7120898A JP 12089895 A JP12089895 A JP 12089895A JP H08291297 A JPH08291297 A JP H08291297A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 プレスした後、防錆・潤滑剤を除去せずその
まま溶接しても連続打点性が低下しない、防錆・潤滑剤
が塗布された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム
合金板を提供する。 【構成】 アルミニウム合金板の少なくとも一方の表面
に、0.01〜1 wt.%のエステル類、または/およ
び、0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を含有し、40℃
における動粘度が1.1〜20cSt である防錆・潤滑剤
が、0.1〜3.0g/m2 の割合で塗布されていること
からなる。 【効果】 自動車組立て・処理ラインにおいて鋼板の代
わりにアルミニウム合金板を使用しても、従来から適用
されている油等の潤滑剤を塗布した場合よりも高い生産
性を維持することができ、アルミニウム製ボデイ−の自
動車製造コストの低減に寄与する。
まま溶接しても連続打点性が低下しない、防錆・潤滑剤
が塗布された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム
合金板を提供する。 【構成】 アルミニウム合金板の少なくとも一方の表面
に、0.01〜1 wt.%のエステル類、または/およ
び、0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を含有し、40℃
における動粘度が1.1〜20cSt である防錆・潤滑剤
が、0.1〜3.0g/m2 の割合で塗布されていること
からなる。 【効果】 自動車組立て・処理ラインにおいて鋼板の代
わりにアルミニウム合金板を使用しても、従来から適用
されている油等の潤滑剤を塗布した場合よりも高い生産
性を維持することができ、アルミニウム製ボデイ−の自
動車製造コストの低減に寄与する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、抵抗スポット溶接性
に優れた、表面に防錆・潤滑剤が塗布されたアルミニウ
ム合金板に関するものである。
に優れた、表面に防錆・潤滑剤が塗布されたアルミニウ
ム合金板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、地球環境の温暖化が大きな問題と
なっており、その大きな原因の一つは空気中における二
酸化炭素の増加にあるといわれ、その対策の一つとし
て、自動車から排出される二酸化炭素の削減が要望され
ている。自動車から排出される二酸化炭素を削減するた
めに、自動車の軽量化は必須要件の一つであり、ボデイ
−の材料にアルミニウムを使用することが挙げられ、近
年、ボデイ−全体、または、エンジンフ−ドおよびフェ
ンダ−等の一部のパネルをアルミニウム製にした量販車
が市販されている。
なっており、その大きな原因の一つは空気中における二
酸化炭素の増加にあるといわれ、その対策の一つとし
て、自動車から排出される二酸化炭素の削減が要望され
ている。自動車から排出される二酸化炭素を削減するた
めに、自動車の軽量化は必須要件の一つであり、ボデイ
−の材料にアルミニウムを使用することが挙げられ、近
年、ボデイ−全体、または、エンジンフ−ドおよびフェ
ンダ−等の一部のパネルをアルミニウム製にした量販車
が市販されている。
【0003】アルミニウム合金板を自動車のボデイ−パ
ネル等に使用すると、従来、一般に製造コストが上昇す
るといわれている。その理由の一つは、鋼板の使用を前
提にした自動車用組立て・処理ラインにおいてアルミニ
ウム合金板を使用すると、鋼板使用時と同じような生産
性を維持することができないためであるといわれてい
る。このため、自動車ボデイ−へのアルミニウム合金板
の使用は、未だ一部の車種に限定されている。
ネル等に使用すると、従来、一般に製造コストが上昇す
るといわれている。その理由の一つは、鋼板の使用を前
提にした自動車用組立て・処理ラインにおいてアルミニ
ウム合金板を使用すると、鋼板使用時と同じような生産
性を維持することができないためであるといわれてい
る。このため、自動車ボデイ−へのアルミニウム合金板
の使用は、未だ一部の車種に限定されている。
【0004】上述したように現有の自動車用組立て・処
理ラインでアルミニウム合金板を使用した場合に、鋼板
使用時と比較して生産性が低下する大きな原因の一つ
は、従来、アルミニウム合金板の抵抗スポット溶接にお
ける、所謂、連続打点性が鋼板におけるよりも著しく低
下することが挙げられる。このような連続打点性の低下
の原因は、抵抗スポット溶接機の電極表面に、主として
アルミニウム合金板中のAlやMg等と電極中のCuと
が溶融混合した滓が付着し(以下、ピックアップとい
う)、または/および、電極先端が変形し、これらが健
全な抵抗スポット溶接を阻害することにあり、健全な溶
接継手(ナゲット)を得るためには電極表面から上記滓
を頻繁に除去しつつ、先端の形状を元の形状に整える作
業(以下、ドレッシングという)をしなければならな
い。
理ラインでアルミニウム合金板を使用した場合に、鋼板
使用時と比較して生産性が低下する大きな原因の一つ
は、従来、アルミニウム合金板の抵抗スポット溶接にお
ける、所謂、連続打点性が鋼板におけるよりも著しく低
下することが挙げられる。このような連続打点性の低下
の原因は、抵抗スポット溶接機の電極表面に、主として
アルミニウム合金板中のAlやMg等と電極中のCuと
が溶融混合した滓が付着し(以下、ピックアップとい
う)、または/および、電極先端が変形し、これらが健
全な抵抗スポット溶接を阻害することにあり、健全な溶
接継手(ナゲット)を得るためには電極表面から上記滓
を頻繁に除去しつつ、先端の形状を元の形状に整える作
業(以下、ドレッシングという)をしなければならな
い。
【0005】現状では、アルミニウム合金板を使用した
自動車のボデイ−パネル等を抵抗スポット溶接により組
立てる場合、鋼板を使用する場合と殆ど同様の工程で処
理されてボデイ−に組立てられる。図1は、自動車ボデ
イ−の組立て工程の内の、材料板のプレスおよび抵抗ス
ポット溶接作業の部分を示す概略フロ−図であり、図2
は、抵抗スポット溶接機によりアルミニウム合金板が溶
接される状況を示す概略部分縦断面図である。図1から
わかるように、防錆・潤滑剤を塗布されたアルミニウム
合金板はプレスされた後、アルミニウム合金板表面に付
着する防錆・潤滑剤は除去されず、そのまま抵抗スポッ
ト溶接される。このように防錆・潤滑剤を板表面から除
去せずに溶接するのは、除去設備の新設によるコスト上
昇および生産性の低下を防ぐためである。図2におい
て、1はアルミニウム合金板、2は酸化皮膜層および防
錆・潤滑剤層、3は抵抗スポット溶接の電極チップ、4
は電極を水冷却するための通路、そして、5はアルミニ
ウム合金板の接合部に生ずる溶融凝固した金属部(ナゲ
ット)である。抵抗スポット溶接によりアルミニウム合
金板1を接合するには、例えば2枚のアルミニウム合金
板1を重ね合わせ、接合しようとする位置で2枚のアル
ミニウム合金板1の両面を電極チップ3ではさみ、所定
の圧力を一定時間(t1 )を加え、次いで、所定の電流
を一定時間(t2 )流す。その結果、ナゲットが形成さ
れる。
自動車のボデイ−パネル等を抵抗スポット溶接により組
立てる場合、鋼板を使用する場合と殆ど同様の工程で処
理されてボデイ−に組立てられる。図1は、自動車ボデ
イ−の組立て工程の内の、材料板のプレスおよび抵抗ス
ポット溶接作業の部分を示す概略フロ−図であり、図2
は、抵抗スポット溶接機によりアルミニウム合金板が溶
接される状況を示す概略部分縦断面図である。図1から
わかるように、防錆・潤滑剤を塗布されたアルミニウム
合金板はプレスされた後、アルミニウム合金板表面に付
着する防錆・潤滑剤は除去されず、そのまま抵抗スポッ
ト溶接される。このように防錆・潤滑剤を板表面から除
去せずに溶接するのは、除去設備の新設によるコスト上
昇および生産性の低下を防ぐためである。図2におい
て、1はアルミニウム合金板、2は酸化皮膜層および防
錆・潤滑剤層、3は抵抗スポット溶接の電極チップ、4
は電極を水冷却するための通路、そして、5はアルミニ
ウム合金板の接合部に生ずる溶融凝固した金属部(ナゲ
ット)である。抵抗スポット溶接によりアルミニウム合
金板1を接合するには、例えば2枚のアルミニウム合金
板1を重ね合わせ、接合しようとする位置で2枚のアル
ミニウム合金板1の両面を電極チップ3ではさみ、所定
の圧力を一定時間(t1 )を加え、次いで、所定の電流
を一定時間(t2 )流す。その結果、ナゲットが形成さ
れる。
【0006】抵抗スポット溶接されたアルミニウム合金
板の接合部の強度は、健全なナゲットの形成により付与
される。ここで、アルミニウム合金板の電気抵抗が鋼板
より小さい上、熱伝導率が高く熱の逸散が速いので、望
ましい形状と大きさのナゲットを形成させるため、鋼板
の場合より溶接電流を大きく、通電時間を短くしなけれ
ばならない。即ち、アルミニウム合金板の抵抗スポット
溶接は、板の化学成分および板厚に応じて、通常、加圧
力:2〜10kN、溶接電流:10〜50kA、通電時
間:2〜10サイクル(1/25〜1/5sec)の条
件下において行われる。具体的に鋼板の場合と概略比較
すると、例えば、板厚1.0mmの場合、鋼板において
は8〜10kAの電流を約10サイクルの時間通電する
のに対して、自動車ボデ−に用いられる代表的なアルミ
ニウム合金板においては27〜30kAの電流を4〜5
サイクルの時間通電する。このように、アルミニウム合
金板の抵抗スポット溶接においては、鋼板におけるより
も著しく大きな溶接電流を必要とする。ただ、この場
合、アルミニウム合金板に防錆・潤滑剤等の油が付着し
たまま抵抗スポット溶接されると、防錆・潤滑剤等によ
る絶縁作用により溶接部の電流密度が不均一になる。更
に、アルミニウム合金板と電極チップが接する位置にお
いて、電極チップ表面は防錆・潤滑剤の分解により汚染
され、また、電流の通路が偏って形成されるため、その
先端部が加熱されてCuとAl(場合によってはMgを
含む)の合金が形成し易く、電極チップ先端表面にピッ
クアップの発生と成長が促進される。ピックアップの成
長と電極チップ先端の変形(先端径の増大)により、健
全で十分な継手強度を有するナゲットの形成が阻害され
る。従って、アルミニウム合金板の抵抗スポット溶接に
おいては、頻繁に電極チップをドレッシングしなければ
ならず、生産性を低下させ、ひいては、大きなコストア
ップを招いていた。
板の接合部の強度は、健全なナゲットの形成により付与
される。ここで、アルミニウム合金板の電気抵抗が鋼板
より小さい上、熱伝導率が高く熱の逸散が速いので、望
ましい形状と大きさのナゲットを形成させるため、鋼板
の場合より溶接電流を大きく、通電時間を短くしなけれ
ばならない。即ち、アルミニウム合金板の抵抗スポット
溶接は、板の化学成分および板厚に応じて、通常、加圧
力:2〜10kN、溶接電流:10〜50kA、通電時
間:2〜10サイクル(1/25〜1/5sec)の条
件下において行われる。具体的に鋼板の場合と概略比較
すると、例えば、板厚1.0mmの場合、鋼板において
は8〜10kAの電流を約10サイクルの時間通電する
のに対して、自動車ボデ−に用いられる代表的なアルミ
ニウム合金板においては27〜30kAの電流を4〜5
サイクルの時間通電する。このように、アルミニウム合
金板の抵抗スポット溶接においては、鋼板におけるより
も著しく大きな溶接電流を必要とする。ただ、この場
合、アルミニウム合金板に防錆・潤滑剤等の油が付着し
たまま抵抗スポット溶接されると、防錆・潤滑剤等によ
る絶縁作用により溶接部の電流密度が不均一になる。更
に、アルミニウム合金板と電極チップが接する位置にお
いて、電極チップ表面は防錆・潤滑剤の分解により汚染
され、また、電流の通路が偏って形成されるため、その
先端部が加熱されてCuとAl(場合によってはMgを
含む)の合金が形成し易く、電極チップ先端表面にピッ
クアップの発生と成長が促進される。ピックアップの成
長と電極チップ先端の変形(先端径の増大)により、健
全で十分な継手強度を有するナゲットの形成が阻害され
る。従って、アルミニウム合金板の抵抗スポット溶接に
おいては、頻繁に電極チップをドレッシングしなければ
ならず、生産性を低下させ、ひいては、大きなコストア
ップを招いていた。
【0007】従来は、アルミニウム合金板表面の防錆・
潤滑剤に関する技術は、プレス成形性の向上および脱脂
性の向上を目的にしたものが主であった。例えば、特開
平6−9980号公報は、アルミニウム合金板成形用潤
滑剤について開示している。その要旨は、アルミニウム
合金板に塗布し、乾燥させて固化させることにより塗膜
を形成させて使用するアルミニウム成形用潤滑剤におい
て、水溶性高分子樹脂に、ワックス、油脂、脂肪酸、エ
ステル、アルコ−ルおよび金属セッケンからなる群から
選ばれた少なくとも1種の潤滑剤の乳化物を20重量%
以上混合した混合物からなることを特徴とするアルミニ
ウム成形用潤滑剤にある(以下、先行技術1という)。
先行技術1は、アルミニウム合金板のプレス成形性を向
上させ、広い範囲の形状の成形に使用することができ、
また、脱脂性にも優れたアルミニウム成形用潤滑剤を提
供する。しかし、このような潤滑のみに着目した塗膜
は、先に述べた抵抗スポット溶接に有害な油膜と同様の
悪影響を有しており、塗膜をアルミニウム合金板につけ
たまま抵抗スポット溶接をした場合に連続打点性を阻害
する傾向が非常に強い。
潤滑剤に関する技術は、プレス成形性の向上および脱脂
性の向上を目的にしたものが主であった。例えば、特開
平6−9980号公報は、アルミニウム合金板成形用潤
滑剤について開示している。その要旨は、アルミニウム
合金板に塗布し、乾燥させて固化させることにより塗膜
を形成させて使用するアルミニウム成形用潤滑剤におい
て、水溶性高分子樹脂に、ワックス、油脂、脂肪酸、エ
ステル、アルコ−ルおよび金属セッケンからなる群から
選ばれた少なくとも1種の潤滑剤の乳化物を20重量%
以上混合した混合物からなることを特徴とするアルミニ
ウム成形用潤滑剤にある(以下、先行技術1という)。
先行技術1は、アルミニウム合金板のプレス成形性を向
上させ、広い範囲の形状の成形に使用することができ、
また、脱脂性にも優れたアルミニウム成形用潤滑剤を提
供する。しかし、このような潤滑のみに着目した塗膜
は、先に述べた抵抗スポット溶接に有害な油膜と同様の
悪影響を有しており、塗膜をアルミニウム合金板につけ
たまま抵抗スポット溶接をした場合に連続打点性を阻害
する傾向が非常に強い。
【0008】特開平5−320685号公報は、成形
性、脱脂性、接着性および溶接性に優れた固体潤滑剤を
塗布したアルミニウム合金板を開示している。その要旨
は、アルミニウム合金板材の表面に、水溶性で潤滑性の
ある高分子系ワックスを主成分とし、これに金属セッケ
ンと導電性パウダ−を添加した混合物を塗布し、乾燥さ
せた皮膜を設けたものにある(以下、先行技術2とい
う)。先行技術2は、ワックス系の優れた成形性と高分
子系の優れた脱脂性および接着性を付与した潤滑剤であ
る。そして、溶接性、特に、スポット溶接性を改善する
ために、潤滑剤に導電性パウダ−としてグラファイト、
Cu、Ni等の金属粉末、または、導電性セラミックス
を添加するものである。しかし、先行技術2の潤滑剤の
塗膜をアルミニウム合金板につけたまま抵抗スポット溶
接をした場合でも、未だ、連続打点性の向上は不十分と
いえる。
性、脱脂性、接着性および溶接性に優れた固体潤滑剤を
塗布したアルミニウム合金板を開示している。その要旨
は、アルミニウム合金板材の表面に、水溶性で潤滑性の
ある高分子系ワックスを主成分とし、これに金属セッケ
ンと導電性パウダ−を添加した混合物を塗布し、乾燥さ
せた皮膜を設けたものにある(以下、先行技術2とい
う)。先行技術2は、ワックス系の優れた成形性と高分
子系の優れた脱脂性および接着性を付与した潤滑剤であ
る。そして、溶接性、特に、スポット溶接性を改善する
ために、潤滑剤に導電性パウダ−としてグラファイト、
Cu、Ni等の金属粉末、または、導電性セラミックス
を添加するものである。しかし、先行技術2の潤滑剤の
塗膜をアルミニウム合金板につけたまま抵抗スポット溶
接をした場合でも、未だ、連続打点性の向上は不十分と
いえる。
【0009】特開平6−55276号公報は、アルミニ
ウム合金板の抵抗スポット溶接方法を開示している。そ
の要旨は、アルミニウム合金板を抵抗スポット溶接する
方法において、溶接前にアルミニウム合金板と電極チッ
プとの間のみに水または40℃における粘度が24cst
未満の油剤を塗布することにある(以下、先行技術3と
いう)。先行技術3においても、アルミニウム合金板の
両面の表面に付着している防錆潤滑油を、一旦前もって
脱脂しなければならず、その効果を発揮することが困難
とみられる。
ウム合金板の抵抗スポット溶接方法を開示している。そ
の要旨は、アルミニウム合金板を抵抗スポット溶接する
方法において、溶接前にアルミニウム合金板と電極チッ
プとの間のみに水または40℃における粘度が24cst
未満の油剤を塗布することにある(以下、先行技術3と
いう)。先行技術3においても、アルミニウム合金板の
両面の表面に付着している防錆潤滑油を、一旦前もって
脱脂しなければならず、その効果を発揮することが困難
とみられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、自動
車ボデイ−の組立工程におけるアルミニウム合金板の抵
抗スポット溶接においては、プレスに際して塗布された
防錆・潤滑剤が付着したままの状態のアルミニウム合金
板が溶接される。このような条件下においては、抵抗ス
ポット溶接により電極チップ先端にピックアップが形成
され、健全で所定の接合強度を有するナゲットが得られ
なくなったら、電極先端をドレッシングしなければなら
ず、連続打点性が著しく低下する。かくして、自動車ボ
デイ−の組立工程の生産性が著しく低下する。
車ボデイ−の組立工程におけるアルミニウム合金板の抵
抗スポット溶接においては、プレスに際して塗布された
防錆・潤滑剤が付着したままの状態のアルミニウム合金
板が溶接される。このような条件下においては、抵抗ス
ポット溶接により電極チップ先端にピックアップが形成
され、健全で所定の接合強度を有するナゲットが得られ
なくなったら、電極先端をドレッシングしなければなら
ず、連続打点性が著しく低下する。かくして、自動車ボ
デイ−の組立工程の生産性が著しく低下する。
【0011】従って、この発明の目的は、上述した問題
点を解決することにより、防錆・潤滑剤が塗布されたア
ルミニウム合金板がプレスされた後、その防錆・潤滑剤
を除去せずそのまま溶接しても連続打点性が低下しな
い、防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接性に優
れたアルミニウム合金板を提供することにある。
点を解決することにより、防錆・潤滑剤が塗布されたア
ルミニウム合金板がプレスされた後、その防錆・潤滑剤
を除去せずそのまま溶接しても連続打点性が低下しな
い、防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接性に優
れたアルミニウム合金板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の防錆・
潤滑剤が塗布されたアルミニウム合金板は、アルミニウ
ム合金板の少なくとも一方の表面に、0.01〜1 wt.
% のエステル類を含有し、40℃における動粘度が1.
1〜20cSt である防錆・潤滑剤が、0.1〜3.0 g
/m2 の割合で塗布されていることに特徴を有するもので
ある。
潤滑剤が塗布されたアルミニウム合金板は、アルミニウ
ム合金板の少なくとも一方の表面に、0.01〜1 wt.
% のエステル類を含有し、40℃における動粘度が1.
1〜20cSt である防錆・潤滑剤が、0.1〜3.0 g
/m2 の割合で塗布されていることに特徴を有するもので
ある。
【0013】この発明の第2の防錆・潤滑剤が塗布され
たアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板の少なく
とも一方の表面に、0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を
含有し、40℃における動粘度が1.1〜20cSt であ
る防錆・潤滑剤が、0.1〜3.0 g/m2 の割合で塗布
されていることに特徴を有するものである。
たアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板の少なく
とも一方の表面に、0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を
含有し、40℃における動粘度が1.1〜20cSt であ
る防錆・潤滑剤が、0.1〜3.0 g/m2 の割合で塗布
されていることに特徴を有するものである。
【0014】この発明の第3の防錆・潤滑剤が塗布され
たアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板の少なく
とも一方の表面に、0.01〜1 wt.% のエステル類、
および、0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を含有し、4
0℃における動粘度が1.1〜20cSt である防錆・潤
滑剤が、0.1〜3.0 g/m2 の割合で塗布されている
ことに特徴を有するものである。
たアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板の少なく
とも一方の表面に、0.01〜1 wt.% のエステル類、
および、0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を含有し、4
0℃における動粘度が1.1〜20cSt である防錆・潤
滑剤が、0.1〜3.0 g/m2 の割合で塗布されている
ことに特徴を有するものである。
【0015】
【作用】この発明の防錆・潤滑剤が塗布されたアルミニ
ウム合金板を上述したように限定した理由を説明する。
ウム合金板を上述したように限定した理由を説明する。
【0016】(1)エステル類:エステル類は極圧添加
剤として添加する。エステル類を極圧添加剤として添加
することにより、エステル類はアルミニウム合金板のプ
レス時に、加工温度の上昇とともに化学的分解をして金
型表面およびアルミニウム合金板表面と反応し、固体潤
滑膜を形成して耐圧荷重が向上する。このような極圧添
加剤として、りん化物、硫化物および塩化物のエステル
が適している。しかしながら、防錆・潤滑剤中のエステ
ル類の濃度が0.01 wt.% 未満では、上述した効果が
十分発揮されない。一方、その濃度が1 wt.% 超えで
は、電極チップとアルミニウム合金板との間、および、
アルミニウム合金板とアルミニウム合金板との間の電気
絶縁性が大きくなり、良好なナゲットの形成が阻害さ
れ、また、通電により変成した化合物がナゲットに包含
されて継手の強度が低下する。従って、防錆・潤滑剤に
添加するエステル類の添加量を0.01〜1 wt.% の範
囲内に限定すべきである。なお、この発明において耐圧
荷重を一層向上させるためには、エステル類の添加量を
0.1 wt.% 以上に限定すべきであり、しかも、抵抗ス
ポット溶接における連続打点性を一層向上させるために
は、エステル類の添加量を0.5 wt.% 以下に限定すべ
きである。
剤として添加する。エステル類を極圧添加剤として添加
することにより、エステル類はアルミニウム合金板のプ
レス時に、加工温度の上昇とともに化学的分解をして金
型表面およびアルミニウム合金板表面と反応し、固体潤
滑膜を形成して耐圧荷重が向上する。このような極圧添
加剤として、りん化物、硫化物および塩化物のエステル
が適している。しかしながら、防錆・潤滑剤中のエステ
ル類の濃度が0.01 wt.% 未満では、上述した効果が
十分発揮されない。一方、その濃度が1 wt.% 超えで
は、電極チップとアルミニウム合金板との間、および、
アルミニウム合金板とアルミニウム合金板との間の電気
絶縁性が大きくなり、良好なナゲットの形成が阻害さ
れ、また、通電により変成した化合物がナゲットに包含
されて継手の強度が低下する。従って、防錆・潤滑剤に
添加するエステル類の添加量を0.01〜1 wt.% の範
囲内に限定すべきである。なお、この発明において耐圧
荷重を一層向上させるためには、エステル類の添加量を
0.1 wt.% 以上に限定すべきであり、しかも、抵抗ス
ポット溶接における連続打点性を一層向上させるために
は、エステル類の添加量を0.5 wt.% 以下に限定すべ
きである。
【0017】(2)合成脂肪酸:合成脂肪酸を油性剤と
して添加する。この油性剤として、合成脂肪酸、特に、
高級脂肪酸が適している。合成脂肪酸は、その極性基を
金型表面およびアルミニウム合金板の表面に吸着させて
強固な潤滑膜を形成し、プレス時に滑り性を向上させ
る。また、金属石鹸を形成し、金型およびアルミニウム
合金板の表面に吸着して合成脂肪酸とともに潤滑膜の形
成に寄与する。しかしながら、防錆・潤滑剤中の合成脂
肪酸の濃度が0.01 wt.% 未満では、上述した効果が
発揮されない。一方、その濃度が1 wt.% 超えでは、電
極とアルミニウム合金板との間、および、アルミニウム
合金板とアルミニウム合金板との間の電気絶縁性が大き
くなり、良好なナゲットの形成が阻害され、また、通電
により変成した化合物やC(すす)により板の通電領域
の形状が歪んで継手の強度が低下する。従って、防錆・
潤滑剤に添加する合成脂肪酸の添加量を0.01〜1 w
t.% の範囲内に限定すべきである。なお、この発明にお
いてプレス時の滑り性を一層向上させるためには、合成
脂肪酸の添加量を0.1 wt.% 以上に限定すべきであ
り、しかも、抵抗スポット溶接時の連続打点性を一層向
上させるためには、合成脂肪酸の添加量を0.5 wt.%
以下に限定すべきである。
して添加する。この油性剤として、合成脂肪酸、特に、
高級脂肪酸が適している。合成脂肪酸は、その極性基を
金型表面およびアルミニウム合金板の表面に吸着させて
強固な潤滑膜を形成し、プレス時に滑り性を向上させ
る。また、金属石鹸を形成し、金型およびアルミニウム
合金板の表面に吸着して合成脂肪酸とともに潤滑膜の形
成に寄与する。しかしながら、防錆・潤滑剤中の合成脂
肪酸の濃度が0.01 wt.% 未満では、上述した効果が
発揮されない。一方、その濃度が1 wt.% 超えでは、電
極とアルミニウム合金板との間、および、アルミニウム
合金板とアルミニウム合金板との間の電気絶縁性が大き
くなり、良好なナゲットの形成が阻害され、また、通電
により変成した化合物やC(すす)により板の通電領域
の形状が歪んで継手の強度が低下する。従って、防錆・
潤滑剤に添加する合成脂肪酸の添加量を0.01〜1 w
t.% の範囲内に限定すべきである。なお、この発明にお
いてプレス時の滑り性を一層向上させるためには、合成
脂肪酸の添加量を0.1 wt.% 以上に限定すべきであ
り、しかも、抵抗スポット溶接時の連続打点性を一層向
上させるためには、合成脂肪酸の添加量を0.5 wt.%
以下に限定すべきである。
【0018】この発明において防錆・潤滑剤に添加すべ
きエステル類および合成脂肪酸の添加量の限定は、何れ
か一方が上述した限定を満たせば、抵抗スポット溶接時
の連続打点性が改善される。そして、その連続打点性を
一層改善するためには、エステル類および合成脂肪酸の
両方について上述した限定条件を満たすことが望まし
い。
きエステル類および合成脂肪酸の添加量の限定は、何れ
か一方が上述した限定を満たせば、抵抗スポット溶接時
の連続打点性が改善される。そして、その連続打点性を
一層改善するためには、エステル類および合成脂肪酸の
両方について上述した限定条件を満たすことが望まし
い。
【0019】(3)動粘度:防錆・潤滑剤が適正な粘度
を有することにより、プレス成形性および防錆性が向上
する。しかしながら、その動粘度が40℃において1.
1cSt 未満では、防錆・潤滑剤がプレス成形性および防
錆性を十分発揮することができない。一方、その動粘度
が40℃において20cSt 超えでは、溶接時に電極チッ
プで2枚のアルミニウム合金板をはさみ、所定の荷重で
加圧した時に、電極チップとアルミニウム合金板との
間、および、アルミニウム合金板とアルミニウム合金板
との間に介在する防錆・潤滑剤を十分に排除することが
できない。このような場合には、これら部分の電気絶縁
性が大きくなり、溶接部の通電が不均一になって良好な
ナゲットが形成されない。従って、防錆・潤滑剤の40
℃における動粘度を1.1〜20cSt の範囲内に限定す
べきである。
を有することにより、プレス成形性および防錆性が向上
する。しかしながら、その動粘度が40℃において1.
1cSt 未満では、防錆・潤滑剤がプレス成形性および防
錆性を十分発揮することができない。一方、その動粘度
が40℃において20cSt 超えでは、溶接時に電極チッ
プで2枚のアルミニウム合金板をはさみ、所定の荷重で
加圧した時に、電極チップとアルミニウム合金板との
間、および、アルミニウム合金板とアルミニウム合金板
との間に介在する防錆・潤滑剤を十分に排除することが
できない。このような場合には、これら部分の電気絶縁
性が大きくなり、溶接部の通電が不均一になって良好な
ナゲットが形成されない。従って、防錆・潤滑剤の40
℃における動粘度を1.1〜20cSt の範囲内に限定す
べきである。
【0020】(4)塗布量:上述したように限定された
適正量の防錆・潤滑剤が塗布されたアルミニウム合金板
をプレスした後、防錆・潤滑剤を除去しなくても連続打
点性を低下させずに抵抗スポット溶接を行なうことがで
きる。防錆・潤滑剤の塗布量が0.1 g/m2未満ではプ
レス成形性および防錆性が劣化し、一方、3.0 g/m2
超えでは絶縁性が大きくなり過ぎ健全なナゲットの形成
ができなくなる。従って、防錆・潤滑油の塗布量を、
0.1〜3.0 g/m2 の範囲内に限定すべきである。
適正量の防錆・潤滑剤が塗布されたアルミニウム合金板
をプレスした後、防錆・潤滑剤を除去しなくても連続打
点性を低下させずに抵抗スポット溶接を行なうことがで
きる。防錆・潤滑剤の塗布量が0.1 g/m2未満ではプ
レス成形性および防錆性が劣化し、一方、3.0 g/m2
超えでは絶縁性が大きくなり過ぎ健全なナゲットの形成
ができなくなる。従って、防錆・潤滑油の塗布量を、
0.1〜3.0 g/m2 の範囲内に限定すべきである。
【0021】
【実施例】次に、この発明を実施例により更に詳細に説
明する。表1に示す、本発明の範囲内の防錆・潤滑剤が
両表面に塗布されたアルミニウム合金板(以下、本発明
供試体という)No.1〜18、および、本発明の範囲外
の防錆・潤滑剤が両表面に塗布されたアルミニウム合金
板(以下、比較用供試体という)No.1〜8の各々につ
いて抵抗スポット溶接を行ない、連続打点性を試験し
た。
明する。表1に示す、本発明の範囲内の防錆・潤滑剤が
両表面に塗布されたアルミニウム合金板(以下、本発明
供試体という)No.1〜18、および、本発明の範囲外
の防錆・潤滑剤が両表面に塗布されたアルミニウム合金
板(以下、比較用供試体という)No.1〜8の各々につ
いて抵抗スポット溶接を行ない、連続打点性を試験し
た。
【0022】
【表1】
【0023】表1において、エステル類としてはリン酸
エステルを使用し、合成脂肪酸としてはステアリン酸お
よびラウリン酸を混ぜて使用した。上記試験におけるそ
の他の条件は、下記の通りである。 アルミニウム板の合金名:5182合金 アルミニウム合金板の板厚:1.0mm 溶接機:単相交流式抵抗スポット溶接機 電極チップ:Cu−1 wt.% Cr、100mmR(先端
曲率半径) 加圧力:2.9kN 加圧保持時間:25サイクル 溶接電流:29〜30kA 通電時間 アップスロ−プ:3サイクル/50Hz 溶接:4サイクル/50Hz
エステルを使用し、合成脂肪酸としてはステアリン酸お
よびラウリン酸を混ぜて使用した。上記試験におけるそ
の他の条件は、下記の通りである。 アルミニウム板の合金名:5182合金 アルミニウム合金板の板厚:1.0mm 溶接機:単相交流式抵抗スポット溶接機 電極チップ:Cu−1 wt.% Cr、100mmR(先端
曲率半径) 加圧力:2.9kN 加圧保持時間:25サイクル 溶接電流:29〜30kA 通電時間 アップスロ−プ:3サイクル/50Hz 溶接:4サイクル/50Hz
【0024】上記条件で行なった抵抗スポット溶接にお
ける連続打点性の評価を、電極チップを交換またはドレ
ッシングせずに、溶接部の引張剪断強度が1.7kN以
下になった時までの数で行ない、連続打点数で示した。
また、プレス成形性の評価を、ドロ−ビ−ド試験におけ
る限界剪断圧着荷重により評価した。前記表1に、厚さ
1.0mmの5182合金板の連続打点数およびプレス
成形性の結果を併記した。
ける連続打点性の評価を、電極チップを交換またはドレ
ッシングせずに、溶接部の引張剪断強度が1.7kN以
下になった時までの数で行ない、連続打点数で示した。
また、プレス成形性の評価を、ドロ−ビ−ド試験におけ
る限界剪断圧着荷重により評価した。前記表1に、厚さ
1.0mmの5182合金板の連続打点数およびプレス
成形性の結果を併記した。
【0025】表1から明らかなように、抵抗スポット溶
接における連続打点数は、本発明供試体においてはすべ
て1000点以上であり、これに対して比較用供試体に
おいてはすべて400点以下である。そして、プレス成
形性については、本発明供試体および比較用供試体のす
べてについて、不良なものは発生しなかった。従って、
この結果より、本発明による防錆・潤滑剤が塗布された
アルミニウム合金板を使用すれば、プレスした後にその
防錆・潤滑剤を除去せずに抵抗スポット溶接を行って
も、連続打点性が著しく向上することがわかる。
接における連続打点数は、本発明供試体においてはすべ
て1000点以上であり、これに対して比較用供試体に
おいてはすべて400点以下である。そして、プレス成
形性については、本発明供試体および比較用供試体のす
べてについて、不良なものは発生しなかった。従って、
この結果より、本発明による防錆・潤滑剤が塗布された
アルミニウム合金板を使用すれば、プレスした後にその
防錆・潤滑剤を除去せずに抵抗スポット溶接を行って
も、連続打点性が著しく向上することがわかる。
【0026】実施例では、5182合金板の例のみ示し
たが、本発明は、板表面に存在して、ナゲット形成に有
効な通電を妨げる作用を改良し、連続打点性を向上した
潤滑剤に関するものであり、全てのアルミニウムおよび
アルミニウム合金(アルミニウム材)に適用可能であ
る。また、、ショットダル・フィニッシュ表面あるいは
ミルフィニッシュ表面等の表面のミクロ形状、酸洗、ア
ルカリ洗あるいはめっき等の表面処理、および通電条件
や加圧力等の溶接条件を選ばずに適用できることはいう
までもない。
たが、本発明は、板表面に存在して、ナゲット形成に有
効な通電を妨げる作用を改良し、連続打点性を向上した
潤滑剤に関するものであり、全てのアルミニウムおよび
アルミニウム合金(アルミニウム材)に適用可能であ
る。また、、ショットダル・フィニッシュ表面あるいは
ミルフィニッシュ表面等の表面のミクロ形状、酸洗、ア
ルカリ洗あるいはめっき等の表面処理、および通電条件
や加圧力等の溶接条件を選ばずに適用できることはいう
までもない。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ア
ルミニウム合金板の抵抗スポット溶接において、板の表
面に防錆・潤滑剤が付着したままであっても連続打点性
を高水準に確保することができ、従って、例えば、鋼板
の自動車用組立て・処理ラインにおいて鋼板の代わりに
アルミニウム合金板を使用しても、従来から適用されて
いる油等の潤滑剤を塗布した場合よりも高い生産性を維
持することができ、アルミニウム製ボデイ−の自動車製
造コストを低減することができる、防錆・潤滑剤が塗布
された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム合金板
を提供することができ、工業上極めて有用な効果がもた
らされる。
ルミニウム合金板の抵抗スポット溶接において、板の表
面に防錆・潤滑剤が付着したままであっても連続打点性
を高水準に確保することができ、従って、例えば、鋼板
の自動車用組立て・処理ラインにおいて鋼板の代わりに
アルミニウム合金板を使用しても、従来から適用されて
いる油等の潤滑剤を塗布した場合よりも高い生産性を維
持することができ、アルミニウム製ボデイ−の自動車製
造コストを低減することができる、防錆・潤滑剤が塗布
された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム合金板
を提供することができ、工業上極めて有用な効果がもた
らされる。
【図1】自動車ボデイ−の組立て工程の内の、材料板の
プレスおよび抵抗スポット溶接作業の部分を示す概略フ
ロ−図である。
プレスおよび抵抗スポット溶接作業の部分を示す概略フ
ロ−図である。
【図2】抵抗スポット溶接機によりアルミニウム合金板
が溶接される状況を示す概略部分縦断面図である。
が溶接される状況を示す概略部分縦断面図である。
1 アルミニウム合金板 2 酸化皮膜層および防錆・潤滑剤層 3 電極チップ 4 冷却水通路 5 ナゲット 6 水流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 40:20 (72)発明者 兵庫 靖憲 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社技術開発センター内 (72)発明者 樺沢 真事 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 船川 義正 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミニウム合金板の少なくとも一方の
表面に、0.01〜1 wt.% のエステル類を含有し、4
0℃における動粘度が1.1〜20cSt である防錆・潤
滑剤が、0.1〜3.0 g/m2 の割合で塗布されている
ことを特徴とする、防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポ
ット溶接性に優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項2】 アルミニウム合金板の少なくとも一方の
表面に、0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を含有し、4
0℃における動粘度が1.1〜20cSt である防錆・潤
滑剤が、0.1〜3.0 g/m2 の割合で塗布されている
ことを特徴とする、防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポ
ット溶接性に優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項3】 アルミニウム合金板の少なくとも一方の
表面に、0.01〜1 wt.% のエステル類、および、
0.01〜1 wt.% の合成脂肪酸を含有し、40℃にお
ける動粘度が1.1〜20cSt である防錆・潤滑剤が、
0.1〜3.0g/m2 の割合で塗布されていることを特
徴とする、防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接
性に優れたアルミニウム合金板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12089895A JP3340589B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム合金板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12089895A JP3340589B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム合金板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08291297A true JPH08291297A (ja) | 1996-11-05 |
JP3340589B2 JP3340589B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=14797734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12089895A Expired - Fee Related JP3340589B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 防錆・潤滑剤が塗布された抵抗スポット溶接性に優れたアルミニウム合金板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3340589B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000265189A (ja) * | 1999-03-17 | 2000-09-26 | Nippon Mitsubishi Oil Corp | さび止め油組成物 |
US6863210B2 (en) * | 2000-08-12 | 2005-03-08 | Daimlerchrysler Ag | Method and clamping frame for joining a number of piece parts to form a complex assembled part |
JP2015503448A (ja) * | 2011-12-21 | 2015-02-02 | アルコア インコーポレイテッド | 異種材を接合するための装置及び方法 |
KR20200023862A (ko) * | 2018-08-27 | 2020-03-06 | 한국조선해양 주식회사 | 용접방법 |
-
1995
- 1995-04-21 JP JP12089895A patent/JP3340589B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000265189A (ja) * | 1999-03-17 | 2000-09-26 | Nippon Mitsubishi Oil Corp | さび止め油組成物 |
US6863210B2 (en) * | 2000-08-12 | 2005-03-08 | Daimlerchrysler Ag | Method and clamping frame for joining a number of piece parts to form a complex assembled part |
JP2015503448A (ja) * | 2011-12-21 | 2015-02-02 | アルコア インコーポレイテッド | 異種材を接合するための装置及び方法 |
KR20200023862A (ko) * | 2018-08-27 | 2020-03-06 | 한국조선해양 주식회사 | 용접방법 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3340589B2 (ja) | 2002-11-05 |
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