JPH08291214A - 新規多官能エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

新規多官能エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光硬化性樹脂組成物

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JPH08291214A
JPH08291214A JP12054795A JP12054795A JPH08291214A JP H08291214 A JPH08291214 A JP H08291214A JP 12054795 A JP12054795 A JP 12054795A JP 12054795 A JP12054795 A JP 12054795A JP H08291214 A JPH08291214 A JP H08291214A
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JP
Japan
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resin composition
epoxy resin
meth
polyfunctional epoxy
diluent
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Application number
JP12054795A
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English (en)
Inventor
Katsuhisa Sakai
勝寿 酒井
Tomoharu Miyashita
知治 宮下
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線や電子線の輻射線を照射することによ
って優れた屈曲性、密着性、可撓性を有する光硬化性樹
脂組成物を提供する。 【構成】 一分子内に1個以上のエポキシ基を有する希
釈剤(A)中で、一分子内に(メタ)アクリル基と脂環
式エポキシ基を有する化合物(a)を重合させて得られ
る新規多官能エポキシ樹脂組成物および、前記新規多官
能エポキシ樹脂組成物100重量部と光重合開始剤0.
1〜20重量部からなることを特徴とする光硬化性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規多官能エポキシ樹
脂組成物およびそれを用いた光硬化性樹脂組成物に関
し、更に詳しくは常温で液体である新規多官能エポキシ
樹脂組成物と、紫外線や電子線等の輻射線を照射するこ
とによって強度に優れた硬化膜を与える光硬化性樹脂組
成物に関するものであり、各種の基材に対して、接着
性、耐溶剤性、光沢性において優れた性質を有する硬化
塗膜を形成することができ、例えば、インキ、プラスチ
ックへの塗料、紙印刷、フィルムのコ−ティング、金属
のコ−ティング、家具の塗装などの種々のコ−ティング
剤、ライニング剤、接着剤、さらにはエレクトロニクス
分野における絶縁ワニス、絶縁シ−ト、積層板、プリン
ト基盤、レジストインキ、半導体封止剤等として利用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】紫外線や電子線等の輻射線を照射するこ
とにより硬化する性質を有する光硬化性樹脂組成物は、
例えば、印刷関係、塗料関係、電気絶縁関係などの種々
の用途において開発され、実用に供されている。
【0003】この光硬化性樹脂組成物は、(1)無溶剤
で低公害型であること、(2)硬化速度が極めて速く製
品の生産性が高いこと、(3)100%固形分として硬
化するので、硬化の前後における体積変化が極めて小さ
いこと、(4)素材による熱損失、または素材に対する
熱影響がないこと等の特性を有していることから、プラ
スチック、紙、無機質素材などへの塗料や接着剤等とし
て種々開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】塗料、インキ、接着剤
等に汎用されている光硬化性樹脂として、エポキシ樹脂
のエポキシ基にアクリル酸やメタクリル酸を開環反応さ
せたエポキシ(メタ)アクリレ−ト樹脂がある。
【0005】しかしながら、このエポキシ(メタ)アク
リレ−ト樹脂は、硬くて脆いだけでなく、硬化時の収縮
が大きいことが欠点になっている。
【0006】すなわち、上記のエポキシ(メタ)アクリ
レ−ト樹脂を例えば紙面印刷用のインキとして用いた場
合には、印刷後の紙面を折り曲げるとインキ部分に亀裂
が生ずる。
【0007】また、鉄やアルミなどの金属板の塗料とし
て適用した場合には、この塗料を塗工した金属板を折り
曲げ加工すると、塗膜が割れるため、折り曲げ加工を行
なうことができなかったり、さらに鉄やアルミなどとの
接着性が悪いことがあるという問題もある。
【0008】他方、光硬化性エポキシ樹脂は、ラジカル
重合型の感光性樹脂のように硬化に際して酸素の影響を
受けることがなく、また光感度や接着性が、ラジカル重
合型の樹脂より優れているものの、多くの場合、耐溶剤
性、耐熱性、耐水性、可撓性が十分でなく、実用に耐え
得ない。
【0009】これを解決するために多官能のエポキシ樹
脂を用いる場合、耐溶剤性、耐熱性、耐水性、可撓性等
の物性は向上するが、粘度を調整するために溶剤を必要
とするので、環境に悪影響を及ぼす。さらにエポキシ基
をもつ希釈液で粘度を調整する方法もあるが、溶液重合
した多官能エポキシ樹脂を一旦乾燥した後、エポキシ基
をもつ希釈剤で希釈しなればならないので、乾固時に分
子間でエポキシ基が反応するため、乾固できる多官能エ
ポキシ樹脂の種類が限られるし、たとえ乾固できても粘
度の上昇が生じるため望ましくない。
【0010】本発明は、このような光硬化性樹脂組成物
にみられる欠点を改良して、優れた屈曲性、密着性を有
する光硬化性樹脂組成物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、一分子内に1個以上のエポキシ基を有する希釈剤
(A)中で、一分子内に(メタ)アクリル基と脂環式エ
ポキシ基を有する化合物(a)を重合させて得られる新
規多官能エポキシ樹脂組成物が提供される。また本発明
によれば、希釈剤が後記式(1)で示される化合物であ
る前記新規多官能エポキシ樹脂組成物が提供される。ま
た本発明によれば、化合物(a)と共にビニル系単量体
(b)を重合させて得られる前記新規多官能エポキシ樹
脂組成物が提供される。さらに本発明の第二としては、
前記新規多官能エポキシ樹脂組成物100重量部および
光重合開始剤0.1〜20重量部からなることを特徴と
する光硬化性樹脂組成物が提供される。以下、本発明を
詳しく説明する。
【0012】本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、一
分子内に(メタ)アクリル基と脂環式エポキシ基を共に
有する化合物(a)あるいは前記化合物(a)とビニル
系単量体(b)とを、一分子内に1個以上のエポキシ基
を有する希釈剤(A)中で重合させて得ることができ、
その具体的な重合方法は特に限定はされない。例えば、
一分子内に(メタ)アクリル基と脂環式エポキシ基を有
する化合物(a)および必要に応じて化合物(a)と共
に重合させるビニル系単量体(b)を、1個以上のエポ
キシ基を有する希釈剤(A)中に溶解もしくは分散させ
て重合してもよいし、1個以上のエポキシ基を有する希
釈剤(A)中に、一分子内に(メタ)アクリル基と脂環
式エポキシ基を有する化合物(a)を滴下して重合させ
るか、あるいは化合物(a)およびビニル系単量体
(b)を滴下して重合させても構わない。
【0013】本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、重
合温度を通常70〜160℃の範囲に保ちながら、化合
物(a)100重量部に対しラジカル重合開始剤0.1
〜10重量部を攪拌下に滴下して重合させて製造するこ
とができる。重合温度が70℃よりも低い場合には、未
重合のモノマーが多くなり好ましくない。また、160
℃よりも高い場合には、エポキシ基による分子間の反応
が生じ易くなり、分子量の増加、粘度の増加、不溶解物
の発生などが起こり好ましくない。
【0014】ラジカル重合開始剤が0.1重量部より少
ないと、未反応のモノマーが多く残存することになり好
ましくない。また、10重量部よりも多くなると、得ら
れた樹脂中の開始剤残基の割合が高くなるために、後記
光硬化性樹脂組成物から得られる塗料の塗膜等の透明
性、耐油性、耐候性が損なわれ好ましくない。
【0015】反応時間は通常1〜15時間とすればよ
い。これにより多官能エポキシ基を含むアクリル樹脂と
一分子内に1個以上のエポキシ基を有する希釈剤(A)
とからなる組成物が得られる。
【0016】多官能エポキシ基を含むアクリル樹脂の数
平均分子量があまりに低いと、アクリル樹脂の持つ特性
が損なわれ、強靱な硬化物が得られなくなる。また、数
平均分子量が余り高いと粘度が高くなり、無溶剤化の妨
げになる。従って、好ましい数平均分子量は500〜1
00,000の範囲である。
【0017】本発明の組成物における成分(A)である
一分子内に1個以上のエポキシ基を有する希釈剤として
は、1個以上のエポキシ基を有し、常温で液体であり、
一分子内に(メタ)アクリル基と脂環式エポキシ基を有
する化合物(a)および、必要に応じて共に重合させる
ビニル系単量体(b)が溶解または分散すればよく、一
般に市販されているものが使用可能である。このような
希釈剤としては、例えば、式(1)で示される脂環式エ
ポキシ基を1個以上有する化合物などがあり、これを使
用することができる。
【0018】
【化2】
【0019】式(1)で示される化合物の内、例えばm
=1の場合、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−トおよ
びそのカプロラクトン変性物(式2)や式(3)や式
(4)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−ト
のトリメチルカプロラクトン変性物、式(5)及び式
(6)で表示される3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−
トのバレロラクトン変性物などが挙げられる。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】なお、上記の式(2)で表示される3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレートおよびそのカプロラクト
ン変性物は、例えば、特開平4−36263号公報に示
されているように、1,2,5,6−テトラヒドロベン
ジル−1,2,5,6−テトラヒドロベンゾエートもし
くはラクトン変性した1,2,5,6−テトラヒドロベ
ンジル−1,2,5,6−テトラヒドロベンゾエートを
エポキシ化することによって得られる。
【0026】また、これらの市販品としては、例えば、
ダイセル化学工業(株)製CELLOXIDE 202
1、CELLOXIDE 2021P、CELLOXI
DE2081、CELLOXIDE 2083、CEL
LOXIDE 2085などがあり、それらを使用する
ことができる。さらに、式(1)で表わされる化合物は
1種類のみ、または2種類以上を同時に用いてもよい。
また、アジピン酸エステル系の脂肪族環状エポキシ樹脂
であるユニオンカーバイド(株)製ERL4289、E
RL4299なども、本発明のエポキシ基を1個以上有
する希釈剤(A)として使用することができる。
【0027】m=2の例としては、下記式(7)、
(8)で示される脂環式エポキシ樹脂組成物などをあげ
ることができる。m=2の場合の式(7)で示される脂
環式エポキシ樹脂組成物は、特開平4−69360号公
報に示されているテトラヒドロ無水フタル酸にテトラヒ
ドロベンジルアルコールをエステル化して得られる化合
物もしくはこれのラクトン変性物をエポキシ化すること
によって得られる。また、これらの市販品としては、例
えば、ダイセル化学工業(株)製EPOLEADGT3
00,EPOLEAD GT301,EPOLEAD
GT302などが有り、これらを使用することができ
る。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】また、式(9)〜(15)で表される化合
物を使用することができる。さらに、ビニルシクロヘセ
ンエポキサイド、リモネンジオキサイド、エポキシ化大
豆油、α−オレフィンエポキサイド、ビスフェノールA
−ジグリシジルエーテル、およびその誘導体を使用して
もよい。
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】一分子内に1個以上のエポキシ基を有する
希釈剤(A)の使用量は特に限定されないが、好ましく
は、一分子内に(メタ)アクリル基と脂環式エポキシ基
を有する化合物(a)および必要に応じて用いられるビ
ニル系単量体(b)の合計100重量部に対して50〜
2000重量部が望ましい。なお、希釈剤(A)の一部
は、多官能エポキシ樹脂組成物を調製したあとから追加
してもよい。
【0039】希釈剤(A)の使用量が50重量部よりも
少ないと、アクリル樹脂の重合時に分子間の反応が生じ
やすくなる。また、得られる多官能エポキシ樹脂組成物
の粘度が高くなるため好ましくない。一方、希釈剤
(A)の使用量が2000重量部よりも多いと、アクリ
ル樹脂の分子量が低下し、かつエポキシ官能基数の小さ
いエポキシ希釈剤が多くなるので、得られる多官能エポ
キシ樹脂組成物を用いた塗料は架橋点数が小さいものと
なり、耐溶剤性、耐熱性、耐水性、可撓性等の物性が低
下するため好ましくない。
【0040】本発明に使用できる一分子内に(メタ)ア
クリル基と脂環式エポキシ基を有する化合物(a)の例
としては、式(16)〜(31)で表される化合物を使
用することができる。また、これらの市販品としては、
例えば、ダイセル化学工業社製のCYCLOMER M
100、CYCLOMER A200、CYCLOME
R M101などがあり、これらを使用することができ
る。
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】本発明に使用できるビニル系単量体(b)
の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフ
ルフラル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレング
リコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
オキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートトなどが
挙げられる。
【0058】本発明において、ビニル単量体(b)は必
須使用成分ではないが、用いることが好ましい。化合物
(a)とビニル単量体(b)の使用重量比率は特に限定
されないが、化合物(a)100重量部に対してビニル
単量体(b)は0〜10000重量部が望ましい。ビニ
ル単量体(b)の重量が多くなりすぎると、アクリル樹
脂中のエポキシ基数が少なくなり、得られる多官能エポ
キシ樹脂組成物を用いた塗料の架橋点数が少なくなり、
耐溶剤性、耐熱性、耐水性、可撓性等の物性が低下する
ため好ましくない。
【0059】本発明に使用できる重合開始剤としては、
通常使用されているものを用いることができる。好まし
くは10時間半減期が40℃から130℃までものもで
ある。
【0060】具体例としては、t−ブチルパーオキシピ
バレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエー
ト等である。またアゾイソブチルニトリル、アゾビスジ
メチル−5−バレロニトリル等が挙げられる。
【0061】次に本発明で提供される光硬化性樹脂組成
物は、希釈剤(A)中で化合物(a)と、更に必要に応
じて使用されるビニル単量体(b)を重合させて得られ
る前記多官能エポキシ樹脂組成物100重量部に対して
光重合開始剤0.1〜20重量部を配合してなる。ここ
で、光重合開始剤はカチオンを発生するものであれば、
特に制限はない。
【0062】本発明に用いられる光カチオン重合開始剤
としては、式(32、33)で示されるようなジアゾニ
ウム塩や、式(34、35、36、37)で示されるよ
うなスルホニウム塩や、式(38)で示されるようなヨ
−ドニウム塩や、式(39、40,41)で示されるよ
うな金属化合物などを使用し得る。
【0063】
【化33】
【0064】
【化34】
【0065】
【化35】
【0066】
【化36】
【0067】
【化37】
【0068】
【化38】
【0069】
【化39】
【0070】
【化40】
【0071】
【化41】
【0072】
【化42】
【0073】また、本発明に用いられる光ラジカル重合
開始剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ジルジメチルケタールなどのベンゾイン系開始剤、4−
フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−
ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロ
アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル
−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプ
ロパン−1などのアセトフェノン系開始剤、ベンゾフェ
ノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチ
ル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフ
ェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3´−ジメチ
ル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン
系開始剤、チオキサンソン、2−メチルチオキサンソ
ン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジエチルチ
オキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソ
ン、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジルなどの
開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤はそれぞれ
単独で用いても、2種以上を同時に用いてもよい。光重
合開始剤の添加配合量は、多官能エポキシ樹脂組成物1
00重量部に対し0.1〜20重量部であり、好ましく
は1〜10重量部の範囲である。
【0074】さらに本発明の光硬化性樹脂組成物には、
必要に応じてレベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、酸化防止剤、顔料、増粘剤、沈降防止剤、帯電
防止剤、防曇剤、有機溶剤などを添加することもでき
る。
【0075】本発明の光硬化性樹脂組成物の塗布方法と
しては、ハケ塗り、スプレ−コ−ト、ディップコ−ト、
スピンコ−ト、カ−テンコ−トなどの方法が用いられ
る。活性エネルギ−線としては、高圧水銀ランプ、メタ
ルハライドランプなどを用いて、100〜400nmの
紫外線を照射する。照射する雰因気は、空気中でもよい
し、窒素、アルゴンの不活性ガス中でもよい。
【0076】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例、比較例中の「部」はすべて「重量部」を意
味する。また、実施例、比較例中の測定評価は次のよう
な方法で行った。
【0077】(1)密着性:硬化皮膜に1mm間隔で基
材まで到達するクロスカットを入れ、1mm2の碁盤目
を100個作り、その上にセロファンテ−プを貼り付け
てから急激に剥がし、剥離した碁盤目の数により、5:
剥離数・・・・0、4:剥離数・・・・1〜25個、3:剥離数
・・・・25〜50個、2:剥離数・・・・50〜75個、1:
剥離数・・・・75〜100個、により表示した。なお、基
材はAl:リン酸クロム処理したアルミニウム板およ
びSteel:未処理品(SPCC)を用いた。
【0078】(2)鉛筆硬度 JIS規格に準じて行った。ただし、基材はリン酸クロ
ム処理したアルミニウム板を用いた。
【0079】(3)耐屈曲性:屈曲試験器を用いてJI
S規格に準じて屈曲試験を行ない、目視によって塗膜の
割れ及びはがれを調べ、5:割れ、はがれともなし、
4:少し割れを生じていた、3:割れを生じていた、
2:少しはがれていた、1:はがれていた、により表示
した。なお、心棒の直径は2mmで、試験板としてリン
酸クロム処理したアルミニウム板を用いた。
【0080】(実施例1:多官能エポキシ樹脂組成物の
合成例1)攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートお
よび窒素導入管を備えた2リットル容量のセパラブルフ
ラスコに、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[ダ
イセル化学工業(株)製セロキサイド2021P]10
00gを仕込み、100℃に昇温後、エポキシシクロヘ
キサンメタノールのメタクリル酸エステル[ダイセル化
学工業(株)製サイクロマーM100]300gを加え
た。その後、セロキサイド2021Pの30gに溶解し
たt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
[日本油脂(株)製パーブチルO]5gを2時間かけて
滴下し、さらに6時間熟成することによって多官能エポ
キシ樹脂組成物を得た。なお、反応は窒素気流下で行っ
た。
【0081】(実施例2:多官能エポキシ樹脂組成物の
合成例2)攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートお
よび窒素導入管を備えた2リットル容量のセパラブルフ
ラスコに、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシヘキサンカルボキシレート[ダイセル
化学工業(株)製セロキサイド2021P]1000g
を仕込み、90℃に昇温した。その後、エポキシシクロ
ヘキサンメタノールのメタクリル酸エステル[ダイセル
化学工業(株)製サイクロマーM100]300g、メ
タクリル酸メチル100g、ラクトン変性2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート[ダイセル化学工業(株)製プ
ラクセルFM1]100gを、セロキサイド2021P
の30gに溶解したt−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート[日本油脂(株)製パーブチルO]3g
と共に3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成すること
によって多官能エポキシ樹脂組成物を得た。なお、反応
は窒素気流下で行った。
【0082】(比較例1:多官能エポキシ樹脂組成物の
合成比較例)実施例2(合成例2)の3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレートをトルエンに変更した以外は、実施
例2と同様に行い、多官能エポキシ樹脂のトルエン溶液
を得た。これをエバポレーターを用いて乾燥温度50℃
で最大0.1torrで2時間減圧乾燥させた。得られ
たものはゲル化を起こしていたため、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシヘキサンカル
ボキシレート[ダイセル化学工業(株)製セロキサイド
2021P]1000gに溶解しなかった。
【0083】(実施例3〜6)表1の所定欄に表示した
組成(重量部)によるコーティング剤をアルミニウム
板、スチール板からなるそれぞれの基材に、膜厚が10
μmになるように塗工し、空気中で高圧水銀ランプを照
射して硬化塗膜を形成した。結果を表1に示す。
【0084】(比較例2〜3)表1の所定欄に表示した
組成(重量部)によるコーティング剤を、アルミニウム
板、スチール板からなるそれぞれの基材に、膜厚が10
μmになるように塗工し、空気中で高圧水銀ランプを照
射して硬化塗膜を形成した。結果を[表1]に示す。
【0085】
【表1】
【0086】なお[表1]において、 樹脂組成物1:実施例1で合成した多官能エポキシ樹脂
組成物、 樹脂組成物2:実施例2で合成した多官能エポキシ樹脂
組成物、 樹脂組成物3:比較例1で合成し、乾固した多官能エポ
キシ樹脂、 CEL2021P:ダイセル化学工業(株)製 CEL
LOXIDE 2021P(式(2)でb=0)、 GT302:ダイセル化学工業(株)製 EPOLEA
D GT302(式(7)でn1+n2=2)、 PCL308:ダイセル化学工業製 PLACCEL3
08(ポリカプロラクトンポリオール) FX512:スリ−M製 FX512(式(34)およ
び(35)でR=フェニル基,MXn-=PF6 -の化合
物の混合物)をそれぞれ示す。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒を含まない多官能
エポキシ樹脂組成物を提供することができる。さらに、
この多官能エポキシ樹脂組成物を用いた光硬化性樹脂組
成物は、金属などの表面に塗布し、次いで紫外線や電子
線の輻射線を照射することにより、優れた屈曲性、密着
性を有する硬化皮膜を形成することができる。また、本
発明の光硬化性樹脂組成物は無溶剤系で使用ができるの
で、環境保護の点からも極めて有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子内に1個以上のエポキシ基を有す
    る希釈剤(A)中で、一分子内に(メタ)アクリル基と
    脂環式エポキシ基を有する化合物(a)を重合させて得
    られる新規多官能エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 希釈剤(A)が式(1)で示される化合
    物である請求項1記載の新規多官能エポキシ樹脂組成
    物。 【化1】
  3. 【請求項3】 化合物(a)と共にビニル系単量体
    (b)を重合させて得られる請求項1記載の新規多官能
    エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の新規多官
    能エポキシ樹脂組成物100重量部および光重合開始剤
    0.1〜20重量部からなることを特徴とする光硬化性
    樹脂組成物。
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