JPH08289941A - 粉末消火薬剤の製造方法 - Google Patents

粉末消火薬剤の製造方法

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JPH08289941A
JPH08289941A JP9686895A JP9686895A JPH08289941A JP H08289941 A JPH08289941 A JP H08289941A JP 9686895 A JP9686895 A JP 9686895A JP 9686895 A JP9686895 A JP 9686895A JP H08289941 A JPH08289941 A JP H08289941A
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JP
Japan
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powder fire
fire extinguishing
white carbon
weight
extinguishing agent
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JP9686895A
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English (en)
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Takeshi Nishimura
健 西村
Yukihiro Yoda
幸廣 與田
Motoi Takenaga
基 武永
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 燐酸二水素アンモニウム30〜100重
量%および/又は硫酸アンモニウム0〜70重量%の混
合物100重量部に粉砕助剤0.1〜10重量部を混合
し、177μ以下に粉砕した後、ホワイトカーボン1〜
10重量部およびシリコン樹脂0.1〜2重量部を混合
し、加熱することを特徴とする粉末消火薬剤の製造方
法。 【効果】 有機塩素系溶剤を用いることなく粉末消
火薬剤としての必要な物性を得ることが可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末消火薬剤の製造方
法に関する。特には、製造時に有機溶剤を使用しない粉
末消火薬剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末消火薬剤は、原料として燐酸二水素
アンモニウムを使用したものが一般的で、この他、炭酸
ナトリウムなどを原料としたものが一部使用されてい
る。燐酸二水素アンモニウムを原料とした粉末消火薬剤
は、最近ではコスト削減を目的として、燐酸二水素アン
モニウムの一部を硫酸アンモニウムに置き換えたものが
製造されるのが一般的である。よって、主な原料として
は燐酸二水素アンモニウムおよび/又は硫酸アンモニウ
ムが用いられ、その他ホワイトカーボン、シリコン樹
脂、染料などの添加剤が用いられる。
【0003】粉末消火薬剤は、通常次の方法で製造され
る。即ち、燐酸二水素アンモニウムおよび/又は硫酸ア
ンモニウムなどの原料を177μ以下に粉砕する粉砕工
程。粉砕された原料にシリコン樹脂、染料を添加する撥
水、着色工程。大粒子を除去する篩分工程。製品を充填
包装する充填包装工程などである。
【0004】従来の撥水、着色工程では、燐酸二水素ア
ンモニウムおよび/又は硫酸アンモニウムなどの177
μ以下に粉砕した主原料に、塩化メチレン、トリクロロ
メチレン、パークロロメチレンなどの有機塩素系溶剤に
シリコン樹脂、染料を溶解し常用の混合器を用いて混合
される。この混合物を100℃以上に加熱し、有機塩素
系溶剤を除去した後シリコン樹脂が架橋することによ
り、撥水性が付与され、粉末消火薬剤となる。ここで使
用される有機塩素系溶剤は、引火性がなく火災などの危
険性は低いものの最近、発癌性、オゾン層破壊などの恐
れが指摘されており、有機塩素系溶剤を使用しない処方
の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの有機
塩素系溶剤を用いない処方では、シリコン樹脂、染料な
どの少量の添加物を均一に混合することは不可能であ
り、粉末消火薬剤として必要な物性が得られないという
致命的な問題点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの様な問
題点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、粉末消火薬
剤の原料である燐酸二水素アンモニウムおよび/又は硫
酸アンモニウムの混合物に粉砕助剤を添加し、特定の粒
径に粉砕した後、ホワイトカーボンにシリコン樹脂およ
び適量の染料を混合してなる撥水処理剤を混合した後加
熱することにより、本発明を完成させたものである。
【0007】即ち、本発明は燐酸二水素アンモニウム3
0〜100重量%および/又は硫酸アンモニウム0〜7
0重量%の混合物100重量部に粉砕助剤0.1〜10
重量部を混合し、177μ以下に粉砕した後、ホワイト
カーボン1〜10重量部およびシリコン樹脂0.1〜2
重量部を混合し、加熱することを特徴とする粉末消火薬
剤の製造方法に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる燐酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウムおよ
びホワイトカーボンは、一般に次のような方法で製造さ
れるが、これらの製造方法に特に制限されるものではな
い。また、通常市販されているものを用いても構わな
い。燐酸二水素アンモニウムは、燐酸にアンモニア水ま
たはアンモニアガスを反応させ、母液のpHを4.5〜
5.0に保ち真空蒸発し結晶を析出させ、遠心分離、乾
燥工程を経て得られる。この燐酸二水素アンモニウムは
30〜100重量%用いる。30重量%未満では、消火
能力が低下するという不都合がある。また、100重量
%では前述したようにコスト削減の目的が達成できな
い。
【0009】また、硫酸アンモニウムは、アンモニアを
硫酸に吸収させ硫酸アンモニウムの結晶をつくり、これ
を遠心分離器などにより母液から結晶を分離し、母液は
再循環させ結晶は乾燥工程を経て得られる。硫酸アンモ
ニウムは0〜70重量%用いる。70重量%を超えると
燐酸二水素アンモニウムの添加量が30重量%未満とな
り、消火能力に影響を及ぼす。
【0010】本発明では、燐酸二水素アンモニウムおよ
び/又は硫酸アンモニウムと粉砕助剤を加え177μ以
下に粉砕する。該粉砕したものに、ホワイトカーボン、
シリコン樹脂および染料を混合し加熱する。これらを粉
砕および混合するために、粉砕機としては衝撃式粉砕機
(自由ミル、奈良式粉砕機)が一般的に用いられ、混合
機には固定容器型混合機(ヘンシェルミキサー、パンミ
キサー)が一般的に用いられている。
【0011】ここで用いるホワイトカーボンは、湿式法
と乾式法に大別される。本発明に用いるホワイトカーボ
ンはその性質上、安価なものが望まれることから湿式法
が好適に使用される。一般に湿式法によるホワイトカー
ボンの製造方法は、ケイ酸ナトリウムの酸による分解、
アンモニウム塩による分解およびその他ケイ酸のオルガ
ノゲルからオートクレーブでエアロゲルをつくるオルガ
ノ法などがある。
【0012】粉末消火薬剤に用いられるホワイトカーボ
ンに要求される性質として、ホワイトカーボンのもつ吸
油量が挙げられる。該吸油量によりシリコンオイルの添
加量が規制され、消火薬剤への流動性および混合性に大
きく影響を及ぼすことになる。本発明では、吸油量が2
20ml/100g以上であるのが好ましい。吸油量が
220ml/100g未満では、ホワイトカーボンの表
面に展着しきれず余剰となったシリコンオイルにより、
流動性および混合性を悪くするという問題点が生じるの
で好ましくない。
【0013】シリコン樹脂は0.1〜2重量%用いる。
0.1重量%未満では、粉末消火薬剤としての撥水性が
劣るという不都合がある。また2重量%を超えると、粉
末消火薬剤の流動性が悪化し噴霧効率の低下をきたすと
ともに、コストアップとなり経済性の面で不都合を生じ
る。シリコン樹脂としては、シリコンオイルが好まし
い。本発明の粉末消火薬剤にはこの他に製造時期を表す
ことを目的として適量の染料が添加されている。ここで
用いられる染料としては、一般的にアゾ系染料が用いら
れる。
【0014】然して、本発明者らは種々の実験とその結
果、観察とにより、本発明の少量のホワイトカーボン、
シリコン樹脂および染料の添加物が均一に効率よく混合
されるのは、ホワイトカーボンの微少な粒子の表面に展
着したシリコンオイル、染料等が混合機により流動する
際にホワイトカーボン粒子とともに分散し均一組成とな
るものと推定している。尚、本発明に用いる粉砕助剤と
してのホワイトカーボンには、性質上の制限は特にな
い。
【0015】本発明の粉末消火薬剤の製造方法は、燐酸
二水素アンモニウムおよび/又は硫酸アンモニウムおよ
び粉砕助剤を加え、177μ以下に粉砕し、予めシリコ
ンオイルと染料を混合したホワイトカーボンを混合し、
加熱することにより、特殊な混合機を必要とせず常法の
混合機で混合するという極めて簡単な方法によって達成
することができる。しかも、有機塩素系溶剤による人体
への発癌性の問題およびオゾン層破壊などの環境上の恐
れもなく、その上、粉末消火薬剤の製造コストを下げる
という効果を有する。
【0016】粉末消火薬剤に要求される物性として主な
項目は、吸湿率、粒径および撥水性などであり、それぞ
れ2%以下、177μ以下および水上に浮かべて2時間
後沈降物のないことが必要である。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の要旨をそれらに限定するものではな
い。尚、撥水性および吸湿率の測定方法は消火器の技術
上の規格を定める省令(昭和48年10月17日、自治
省令第28号)によって実施した。また部および%は特
に断りのない場合には重量部および重量%を示す。
【0018】実施例1 燐酸二水素アンモニウム50%、硫酸アンモニウム50
%の混合物100部および粉砕助剤(塩野義製薬製カー
プレックス#80)5部の混合物を177μ以下に粉砕
した後、吸油量237ml/100gのホワイトカーボ
ン(塩野義製薬製 カープレックス #80)1部にシ
リコンオイル(信越化学KF−99)1部、適量の染料
を混合した後、通常用いられる乾燥機で105℃、2時
間加熱した。得られた粉末消火薬剤の撥水性および吸湿
率の測定結果を表1に示す。
【0019】実施例2〜3 ホワイトカーボンの添加量を表1の通りに変更した以外
は実施例1と同様にして粉末消火薬剤を得た。得られた
粉末消火薬剤の撥水性および吸湿率の測定を行った。そ
れぞれの添加量および測定結果を表1に示す。
【0020】実施例4 燐酸二水素アンモニウム50%、硫酸アンモニウム50
%の混合物100部を燐酸二水素アンモニウム100%
に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた
粉末消火薬剤の撥水性および吸湿率の測定を行った。そ
れぞれの添加量および測定結果を表1に示す。
【0021】比較例1 ホワイトカーボンの添加量を0.5部に変更した以外は
実施例1と同様にして粉末消火薬剤を得た。得られた粉
末消火薬剤の撥水性および吸湿率の測定を行った。測定
結果を表1に示す。
【0022】比較例2 105℃、2時間の加熱処理を行わない他は、実施例1
と同様にして粉末消火薬剤を得た。得られた粉末消火薬
剤の撥水性および吸湿率の測定を行った。測定結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】 なお、撥水性の測定結果:○は沈降物を生じないもの ×は沈降物を生じたもの
【0024】実施例5〜7 実施例1のホワイトカーボンの添加量を5部とし、シリ
コンオイルの添加量を表2に示す他は実施例1と同様に
して粉末消火薬剤を得た。得られた粉末消火薬剤の撥水
性および吸湿率の測定を行った。測定結果を表2に示
す。
【0025】比較例3 シリコンオイルの添加量を0.05部に変更した以外
は、実施例4と同様にして粉末消火薬剤を得た。得られ
た粉末消火薬剤の撥水性および吸湿率の測定を行った。
測定結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、177μ以下に粉砕し
た燐酸二水素アンモニウムおよび/又は硫酸アンモニウ
ムに特定量のホワイトカーボンおよびシリコン樹脂を用
いることにより、有機塩素系溶剤を用いることなく粉末
消火薬剤としての必要な物性を得ることが可能となっ
た。また、有機塩素系溶剤を必要としないことで、人体
への発癌性およびオゾン層破壊といった環境汚染問題の
解消、およびコスト削減となり、本発明の意義は大きい
といえる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐酸二水素アンモニウム30〜100
    重量%および/又は硫酸アンモニウム0〜70重量%の
    混合物100重量部に粉砕助剤0.1〜10重量部を混
    合し、177μ以下に粉砕した後、ホワイトカーボン1
    〜10重量部およびシリコン樹脂0.1〜2重量部を混
    合し、加熱することを特徴とする粉末消火薬剤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ホワイトカーボンの吸油量が220m
    l/100g以上である請求項1記載の粉末消火薬剤の
    製造方法。
JP9686895A 1995-04-21 1995-04-21 粉末消火薬剤の製造方法 Pending JPH08289941A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108771815A (zh) * 2018-06-01 2018-11-09 苏州吴越合成消防科技有限公司 一种干粉灭火剂
KR102094656B1 (ko) * 2020-01-03 2020-03-31 손주달 팽창 절연성 분말 소화약제의 조성물
CN114146356A (zh) * 2021-12-15 2022-03-08 深圳市博恩实业有限公司 一种自动灭火剂材料及其制备方法和应用
CN114344791A (zh) * 2021-12-06 2022-04-15 芮鸿南 一种干粉灭火剂及其制造方法

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