JPH08289739A - 魚餌用冷凍ブロツク - Google Patents

魚餌用冷凍ブロツク

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JPH08289739A
JPH08289739A JP7273533A JP27353395A JPH08289739A JP H08289739 A JPH08289739 A JP H08289739A JP 7273533 A JP7273533 A JP 7273533A JP 27353395 A JP27353395 A JP 27353395A JP H08289739 A JPH08289739 A JP H08289739A
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fat
water
fish
feed
weight
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JP7273533A
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Inventor
Hiroki Takahashi
浩樹 高橋
Masahiko Yamashita
昌彦 山下
Hirokazu Shimoe
宏和 下江
Takashi Iwai
孝志 岩井
Hitoshi Uematsu
仁 上松
Shigeru Machida
茂 町田
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Mercian Corp
Original Assignee
Mercian Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペレット化に適する魚餌用組成物の提供。 【解決手段】 澱粉を含有する魚餌用配合飼料に脂肪お
よび水を混合し、総組成物重量当り、粗脂肪としての脂
肪含有量が約35重量%以下であり、かつ前記脂肪含有
量と水分含有量の合計が約90重量%以下である魚餌用
冷凍ブロック。ならびに魚餌用ペレット形成のための前
記冷凍ブロックの使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚餌に関し、より具体
的には、澱粉を含み、一定範囲に調整された粗脂肪分お
よび水分を含有する組成物の魚餌用冷凍ブロックに関す
る。また、本発明は、前記冷凍ブロックが造粒特性に優
れることから、そのペレット形成のための使用にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在のところ、生餌と配合飼料を混合し
造粒した、いわゆるオレゴンモイストペレット(OM
P)は、従来の生餌の単独給餌と比較して、給餌時の飼
料の飛散が少なく、漁場の自家汚染の抑制性、経済性の
面で優れており、養魚用飼料(魚餌)の主流になってい
る。しかし、栄養成分面では各種栄養素をバランス良く
含んでいる配合飼料を原料の一部としているので安定し
ているとはいえ、使用する生餌によっては栄養成分値が
左右されやすい欠点をもっている。また、原料の容易入
手性の観点に立てば、生餌は価格の変動が大きく、必ず
しも安定して入手できるものとは言い難い。特に、最近
の生餌の価格高騰傾向を考慮すれば原料の容易入手性に
難点があることは明らかであろう。
【0003】このような状況の中で、生餌を使用せず、
配合飼料、油脂(脂肪分)、および水のみで混合造粒し
たいわゆるシングルモイストペレット(SMP)によ
り、飼料経費の削減、および安定供給化を目指す試みが
なされている(例えば、特開平2−257834号、同
2−257836号および同5−64552号公報参
照)。
【0004】しかし、SMPは従来のOMPと比較して
造粒性が悪く、特に大口径のSMPを造粒する場合、飼
料飛散、海面汚濁が大きく、造粒可能な脂肪分、および
水分の配合割合にかなりの制限を強いられるのが実状で
ある。
【0005】脂肪分および水分の含有量が魚餌の嗜好性
に及ぼす影響の大きさを考慮すると、既に提供されてい
る魚餌のさらなる改善を図ることが望まれるであろう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、実質的に生餌を使用することなく、所定量の脂肪お
よび水、澱粉、ならびに魚粉を主成分とする配合飼料
(またはコンパウンドとも称されている)からなり、し
かも造粒特性および嗜好性に優れる魚餌用組成物を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種魚餌
用原料の配合および成型方法に伴う成型品特性の変動に
着目して、有用な魚餌を提供すべく検討を行ってきた。
その結果、一定組成の原料を一定条件下で押出し成型
し、次いで凍結させると、前記目的に沿う魚餌が効率よ
く得られることを見い出し、係属中の特許出願明細書に
開示した。
【0008】他方、かかる検討の一環より、前記配合飼
料に所望の脂肪および水を加えた組成物を冷凍すると、
得られる冷凍組成物は、嗜好性に富みしかも物理的に安
定なペレット状の魚餌を提供するのに有利に使用できる
ことを見い出した。
【0009】従って、本発明に従う、少なくとも脂肪、
水および澱粉を含んでなる魚餌用冷凍ブロックであっ
て、総組成物重量当り、 A)粗脂肪としての脂肪含有量が約35重量%以下であ
り、かつ B)前記脂肪含有量と水分含有量の合計が約90重量%
以下である、冷凍ブロックを提供することにより前記目
的が達成できる。
【0010】かかる冷凍ブロックは、上述のとおり、物
理的に安定なペレット状の魚餌を有利に提供できるの
で、別の態様の本発明として、ペレットを成形するため
に用いる前記魚餌用冷凍ブロックも提供する。そしてま
た、かかる冷凍ブロックから調製した魚餌用ペレットを
も提供する。
【0011】本発明の冷凍ブロックの原料としては、脂
肪、水および澱粉を含み、魚餌に使用できるものであれ
ば、その種類の如何を問うことなく使用できる。好まし
い原料としては、当該技術分野で、通常、配合飼料また
はコンパンドと称されている魚餌用組成物またはその改
変物を挙げることができる。このような原料の具体的な
構成成分としては、ホワイトフィシュミール、ブラウン
フィシュミール、等の魚粉、肉粉、骨肉粉、フェーザー
ミール、血粉、脱脂粉乳、オキアミミール、イカミー
ル、大豆粕、グルテンミールおよびこれらの1種以上の
混合物、ならびに小麦粉、米粉、米ぬか、脂肪米ぬか、
ふすまなどの澱粉質、その他、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)もしくはそのナトリウム塩、アルギン酸
ナトリウム、グアーガム、ポリアクリル酸ナトリウムな
どの粘質物類、ミネラル類、ビタミンB1、ビタミンB2
ビタミンB6、葉酸、ビオチン類などのビタミン類色素等
の副原料が挙げられる。
【0012】これら配合飼料を構成する原料の中で、特
に澱粉質を含む成分は粘結剤として有用であり、配合飼
料全体の約5重量%以上含有させたものが都合よく使用
できる。澱粉質の上限は特に限定されるものでないが、
約30重量%以下に止めるのが好ましい。海産魚に給餌
する場合、飼料効率が低下する可能性があるからであ
る。この中でα−澱粉は、比較的少量の添加でその目的
が達成できるので好適である。なお、本発明の目的の一
つである、生餌を実質的に使用しないとの目的、例えば
経済性およびペレットの形成性等の向上、に反しない限
度で、イワシ、サバ、アミエビ等の生魚のミンチを含め
ることを排除するものでない。なお、大豆粕またはグル
テンミールを使用する場合には、魚粉の最大約30%ま
での代替に止めるのが好ましい。
【0013】本発明の冷凍ブロックは、前記原料に一定
量の脂肪および水分を含むことに特徴がある。すなわ
ち、脂肪は、粗脂肪として総組成物重量当り約35重量
%以下であり、かつ水分は、脂肪含有量に依存して変動
し、前記脂肪含有量と水分含有量の合計が総組成物重量
当り90重量%以下となるように含められる。脂肪含有
量の最低値は、特に限定されるものでないが、少なくと
も約5重量%含めることが好ましい。5重量%未満にす
ると、一般に魚に対する嗜好性および栄養価が低下する
可能性があるからである。また、脂肪含有量と水分含有
量の合計値にも特に下限は存在しないが、ペレット形成
性、嗜好性を考慮すると、約40重量%以上水分が含ま
れることが好ましい。前記合計値が40重量%未満にな
ると、常用される造粒機の操作性を低下する場合が多く
なるからである。
【0014】脂肪および水分のさらに好ましい含有量
は、脂肪含有量が約10〜約30重量%であり、脂肪含
有量と水分含有量の合計が約50〜約80重量%の範囲
内にある。この範囲内の組成を有する冷凍ブロックは、
それから形成されるペレットの物理特性、例えばペレッ
トの硬度、表面平滑性、水中での崩壊抵抗性等に、優れ
ているだけでなく、生物学特性、例えば嗜好性、飼料効
率等にも優れている。
【0015】脂肪は、前記配合飼料にも含まれるが、一
般に、外部成分として魚油などを用いてその含有量を調
整する。かかる脂肪は、飼料効率または魚の増肉係数に
悪影響を及ぼさない限り、魚油以外の動物油または植物
油を含めてもよい。魚油の具体的な原料としては、イワ
シ、すけそうだら、イカ、その他の各種魚に由来する魚
油が挙げられる。なお、本発明の魚餌用冷凍ブロックに
おける脂肪含有量は、後述する粗脂肪の測定方法によっ
て決定される値に基づく。一方、水分は、水を使用する
のが好ましいが、海水を使用して調整することもでき
る。水分の含有量の測定方法も後述する。
【0016】こうして調製した組成物を、常用の混練手
段を用いて均質に混練した後冷凍して、本発明の冷凍ブ
ロックを製造することが好ましい。しかし、上記脂肪含
有量および水分含有量の範囲内に入らない2種以上の冷
凍ブロック、例えば一方は前記両含有量のいずれかが上
記範囲内の上限を超え、他方がその下限を下廻わるも
の、を組み合わせて、本発明の冷凍ブロックとすること
もできる。
【0017】次に、好ましい態様に従う冷凍ブロックの
製造方法を概述する。当該技術分野で飼料成分の攪拌混
練に使用される攪拌機に、まず、配合飼料(コンパウン
ド)の各成分を投入し、次いで攪拌しながら所定量の脂
肪原料、例えば魚油を投入し数分間攪拌混練する。次
に、所定量の水を投入して数分間攪拌混練し、ほぼ均質
になった混練物を調製する。各工程における処理時間
は、使用する機械の性能および成分の種類により変動す
るので特定できないが、肉眼的観察や触感により、組成
分がほぼ均質とみなせる状態になるまで処理すればよ
い。一般的に、脂肪原料投入後の攪拌混練は約1分間で
完了し、水投入後の攪拌混練は約5分間で完了する。
【0018】こうして得られる混練物は、適当な形状お
よび大きさの型に詰め、これを冷凍することによって、
本発明の冷凍ブロックを製造する。冷凍は、飼料中に含
まれる水分が凍結する温度で、実質的にすべての水分が
凍結するまで行うのがよい。型の大きさ、使用する組成
物成分、特に脂肪含有量と水分含有量の割合により、冷
凍が完了する時間は異なるが、例えば、型として金属
(ブリキ)製の型枠(550mm×300mm×95m
m)を使用して処理する場合には、−40℃では約17
時間、−25℃では2日間程度で凍結が完了する。
【0019】以上のようにして得られる本発明の冷凍ブ
ロックは、必要により、使用態様に合わせて寸法調整を
その後に行ってもよい。かかる冷凍ブロックは、魚餌、
特にペレット状の魚餌を形成した場合に、優れた特徴を
発揮する。すなわち、前記冷凍ブロックから形成される
ペレットは、給餌に適する硬度、および水中安定性を有
すると共に、栄養価も生餌を使用するものに匹敵する
か、または使用対象魚餌に応じて配合成分を広範に変え
ることができる点では生餌を使用するものより優れた特
性を示し、その上、給餌による海洋汚染の程度を低減す
ることもできる。従って、本発明は、ペレットを形成す
るために用いる前記冷凍ブロックも提供される。
【0020】本発明にいう、「ブロック」および「ペレ
ット」の語は、上記説明から理解できるように、魚に飼
料を給餌するのに使用できる寸法及び形状の粒状物すべ
てをペレットといい、ブロックはペレットの形成に用い
る塊状物のすべてを包含する概念で用いている。
【0021】本発明の冷凍ブロックまたはペレットの使
用ができる対象魚は、餌として前記ペレットを利用でき
るものであれば限定されないが、特に生餌を使用して養
殖している魚、例えば、ハマチ、タイ、ヒラメ、銀ザ
ケ、マアジ、フグ、カンパチ、ヒラマサおよびシマアジ
を好ましいものとして挙げることができる。
【0022】冷凍ブロックのペレット化は、当該技術分
野で常用されている造粒機を使用して実施することがで
きる。従って、ペレット化は、陸上の工場、または給餌
する海洋上の舟もしくは筏上で、従来別の目的に使用し
てきた造粒機を使用して実施できる。
【0023】さらに、本発明が奏する格別な効果は、冷
凍過程を経ないときには、同一組成の飼料組成物からは
造粒が困難であるか、造粒できたとしても十分な物理特
性を有するペレットが得られない場合でも、上述した優
れた特性を有するペレットが提供できる点にある。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。なお、以下の例で使用する
粗脂肪、水分、粗蛋白、ペレットの破断応力およびペレ
ットの水中安定性は、それぞれ次のように測定した。
【0025】粗脂肪 試料2〜5gを正確に秤量し、円筒濾紙(直径22m
m、高さ90mm)の入れ、その上に脱脂綿を軽く押さ
えるようにして入れた後、95〜100℃で2時間乾燥
する。これをソックスレー抽出器に入れ、脂肪秤量瓶に
連結し、ジエチルエーテルを加えて16時間抽出する。
次に脂肪秤量瓶を外してジエチルエーテルを揮散させ、
95〜100℃で3時間乾燥し、デシケーター中で放冷
後、正確に秤量し、次式により試料中の粗脂肪を算出す
る。
【0026】試料中の粗脂肪(%)=[(W1−W2)
/W]×100 W1:脂肪秤量瓶+抽出物の重量(g) W2:脂肪秤量瓶の重量(g) W :分析に用いた試料の重量(g)
【0027】水分 試料2〜5gを正確に秤量し、アルミニウム製秤量皿に
入れる。135±2℃で2時間乾燥し、これをデシケー
ター(乾燥剤:シリカゲル)中で45分間放冷した後、
正確に秤量し、水分(減量分)を求める。
【0028】粗蛋白 A.試薬の調製 1) N/10水酸化ナトリウム標準液:水酸化ナトリ
ウム(特級)の飽和溶液を調製し、栓をして10日間以
上放置した後、その上澄み液50mlに煮沸冷却した水
を加えて10lとし、N/10水酸化ナトリウム標準液
を調製し、次によりその濃度を標定する。
【0029】スルファミン酸(標準試薬)(デシケータ
ー(減圧)中で48時間乾燥したもの)2〜2.5gを
正確に量って250mlのメスフラスコに入れ、水を加
えて溶かし、更に標線まで水を加えてスルファミン酸標
準液を調製する。その25mlを正確に量って200m
lの三角フラスコに入れ、ブロムチモールブルー試液数
滴を加え、N/10水酸化ナトリウム標準液で滴定し、
次式によりN/10水酸化ナトリウム標準液の係数を算
出する。
【0030】N/10水酸化ナトリウム標準液の係数
(f1)=(W×104)/(V×97.10) W:標定に用いたスルファミン酸標準液(25ml)中
のスルファミン酸の重量(g) V:滴定に要したN/10水酸化ナトリウム標準液の量
(ml) 2) N/10硫酸標準液:水1lにかき混ぜながら硫
酸(特級)2.8mlを加え、放冷後、水を加えて10
lとし、N/10硫酸標準液を調製し、次によりその濃
度を標定する。
【0031】N/10硫酸標準液25mlを正確に量っ
て200mlの三角フラスコに入れ、メチルレッド試液
数滴を加え、N/10水酸化ナトリウム標準液で滴定
し、次式によりN/10硫酸標準液の係数を算出する。 N/10硫酸標準液の係数(f2)=(V×f1)/25 f1:N/10水酸化ナトリウム標準液の係数 V:滴定に要したN/10水酸化ナトリウム標準液の量
(ml)
【0032】B.試料溶液の調製 分析試料1〜5gを正確に量つてケルダールフラスコに
入れ、硫酸カリウム(特級)9g及び硫酸銅(特級)1
gを加え、更に硫酸(特級)30〜40mlを加えて振
り混ぜ、徐々に加熱し、あわが生じなくなってから強熱
し、内容液が透明になった後、更に2時間以上加熱して
試料溶液とする。
【0033】C.定量 試料溶液の全量又はこれを水で250mlに正確に希釈
した液の一定量を正確に量ってケルダールフラスコに入
れ、適量の水を加え、更に強アルカリ性とするのに十分
な量の水酸化ナトリウム(特級)溶液(50w/v%)
を加え、これをあらかじめほう酸(特級)溶液(4w/
v%)の一定量を正確に量って入れた受器を接続した水
蒸気蒸留装置に連結した120ml程度になるまで留出
させる。留出液にブロムクレゾールグリーン−メチルレ
ッド試液数滴を加え、N/10硫酸標準液で滴定し、次
式により窒素[N]量を算出し、これに6.25を乗じ
て粗蛋白量を求める。
【0034】窒素[N]量(%)=1.40×f2×V1×(2
50/V)×(100/W)×10-32:N/10硫酸標準液の係数 V1:滴定に要したN/10硫酸標準液の量(ml) V:蒸留に用いた試料溶液の量(ml) W:分析に用いた試料の重量(g)
【0035】破断応力 造粒後、直ちにレオメータ−(RHEONER RE−
3305(株式会社山電製))を用いて、破断応力を測
定した。破断応力は、径φ5mmの円柱状のプランジャ
ー(感応軸)を用い、試料である円柱状のペレットの側
面に感応軸が当たるようにセットし、感応軸の定速移動
速度を5mm/sに、一定歪を6mmに設定して測定し
た。1試料当たり10回測定し、平均値を算出した。
【0036】ペレットの水中安定性 あらかじめ1lビーカーに水600mlを入れ、スター
ラーで攪拌しておき、これに試料(ペレット)20gを
入れた金属製のふるいを浸漬した。30秒間保持した
後、すばやく引き上げ、残った水の濁度(660nm)
を測定して、水中安定性の指標とした。すなわち、数値
が大きくなるのに従って水中安定性が相対的に低下する
ことを示す。
【0037】例1〜57 以下に示す百分率(%)は、すべて重量%である。
【0038】これらの例では、下記組成の配合飼料(コ
ンパウンド)へ表1〜表2に示す各成分値となるように
精製スケソウタラ肝油(理研ビタミン株式会社製)と水
を添加した組成物からの冷凍ブロックの製造例を説明す
る。
【0039】それぞれ攪拌機[オレゴンペレッターMG
M150KT(サンコーテクノ株式会社製)の攪拌部]
に所定量のコンパウンドを投入し、次いで攪拌しながら
所定量の肝油を投入し、さらに約1分間攪拌を続けた。
次に、そのまま攪拌を続けながら所定量の水を投入し、
さらに約5分間攪拌混練した後、混練物を冷凍用の容器
(型枠:ブリキ製、寸法:550mm×300mm×9
5mm)に詰め込んだ。容器ごと冷凍庫に入れ、−40
℃で17時間凍結させた。こうして得られた冷凍ブロッ
クはそれぞれ約15kgの重量を有する。
【0040】 コンパウンドの組成 魚粉(ブラウンフィツシュミール) 86% α−澱粉 10.0% ビタミンミックス(マリーンバイオ株式会社製) 1.3% ミネラルミックス(武田科学飼料株式会社製) 1.2% ファフィア酵母 1.5%
【0041】なお、下記表に示すペレットの特性評価に
用いたペレットは、約10℃の外気温度下で、ダイ(φ
12mm)を装着した上記オレゴンペレッターMGM1
50KTに適当な大きさにした冷凍ブロックを投入し、
それぞれ表に示す時間攪拌破砕後、粉末状として造粒機
部へ移し、ダイを通して押し出し、次いでダイに装着さ
れているカッターで適当な長さに切断して円柱状のペレ
ットを形成した。
【0042】なお、攪拌破砕に要する時間は、冷凍ブロ
ックを粉末状とするには十分な時間であるが、攪拌破砕
を継続することにより前記粉末状物が湿気を帯びて粉体
が相互に付着するようになる以前の時間とする。一般
に、脂肪含有量が多いときには完全な粉末状にすること
が困難な場合がある。
【0043】以上により得られた冷凍ブロック中の成分
分析値(%)、ペレット特性、およびペレットの肉眼的
評価結果[A:硬度高く、ペレット相互間の付着性が低
く、約30分間上記外気中に保持してもペレットの外形
を保ち、表面の平滑性も高いもの、B:硬度および付着
性がAに比し劣るため、ペレット形成後なるべく早く給
餌する方が好ましいもの、C:冷凍ブロックの攪拌破砕
によってスラリー状となりペレット形成が困難なもの、
または造粒機中で目詰まりが起こり、ペレット形式が困
難なもの、D:冷凍ブロックを形成することができず、
評価不能であるもの]、をまとめて表に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】以上のうち、例11〜14、20〜23、
28〜31、35〜38、および41〜44は本発明の
実施例を示し、その他は比較例である。また、例46〜
54のように魚粉含有量を高めると本発明の好適な例に
よらない限り、上記ペレット化の条件ではペレット化が
困難な場合もある。なお、冷凍ブロックとすることな
く、組成物をそのままペレット形成工程にかけたとこ
ろ、例35〜36、例41〜42、例46〜48、例5
0を除きいずれもペレット化することはできなかった。
【0047】なお、図1に粗脂肪含有量を縦軸に、水分
含有量を横軸にとり、上記例1〜45の肉眼的評価の結
果を図示する。ここで、二重丸印はAに、一重丸印はB
に、バツ印はCおよびDにそれぞれ相当する。
【0048】例58〜67 組成の異なる下記配合飼料(コンパウンド)を使用した
こと以外、例1〜57に従った。各物性の結果を表2に
まとめて示す。
【0049】 コンパウンドの組成 魚粉(ブラウンフィツシュミール) 70.0% α−澱粉 10.0% 小麦粉 17.3% ビタミンミックス(マリーンバイオ株式会社製) 1.3% ミネラルミックス(武田科学飼料株式会社製) 1.4%
【0050】
【表3】
【0051】例58〜62は本発明の実施例を示し、他
は、比較例を示す。
【0052】例68〜106 組成の異なる下記配合飼料(コンパウンド)を使用し、
冷凍ブロックのオレゴンペレッターMGM 150KT
による処理を20℃下で行ったこと以外、例1〜57に
行った。各物性の結果を表3にまとめて示す。
【0053】 コンパウンドの組成 魚粉(ブラウンフィツシュミール) 70.0% 小麦粉(スエコ) 25.3% CMC 2.0% ビタミンミックス(マリーンバイオ株式会社製) 1.3% ミネラルミックス(武田科学飼料株式会社製) 1.2% ファフィア酵母 0.2%
【0054】
【表4】
【0055】以上のうち、例74〜77、80〜83、
86〜89、92〜95、98〜101および103〜
106は、本発明の実施例を示し、その他は比較例であ
る。なお、冷凍ブロックとすることなく、組成物をその
ままペレット形成工程にかけたところ、例94、例98
〜100、例103〜104を除きいずれもペレット化
することはできなかった。また好適な例の組成を有する
場合であっても、本発明に従う凍結処理を行わないとき
は、ペレットの特性が有意に低下することがわかる。
【0056】例107〜110:ハマチの嗜好試験 上記例20〜23で得られるペレットを、それぞれ魚体
重300〜400gのハマチに給餌し、その嗜好性を評
価した。飼育尾数は各試験区とも30尾とし、魚体重の
3%量の試料を投与し摂餌時間を測定した。摂餌時間が
2分以下のものを嗜好性良好2〜5分間のものを普通、
5分間を超すものを嗜好性に劣るとして評価した。
【0057】結果は、例21〜23に従うペレットで良
好、例20のペレットで普通であった。なお、肉眼的観
察による相対的な評価であるが、例20および21に比
べ例22および23のペレットを用いた場合の方が、ハ
マチの生育は優れていた。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、未冷凍の組成物ではペ
レット化できないものでも、冷凍することにより優れた
物理特性を示すペレットを形成できる魚餌用冷凍ブロッ
クが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1〜67に従う魚餌用冷凍ブロックのペレッ
ト成形性を示す図である。
【図2】例68〜106に従う魚餌用冷凍ブロックのペ
レット成形性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 孝志 熊本県八代市三楽町2−19 (72)発明者 上松 仁 神奈川県奏野市南が丘3−2−1−419 (72)発明者 町田 茂 埼玉県鴻巣市登戸367−45−1−27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも脂肪、水および澱粉を含んで
    なる魚餌用冷凍ブロックであって、 総組成物重量当り、 A)粗脂肪としての脂肪含有量が約35重量%以下であ
    り、かつ B)前記脂肪含有量と水分含有量の合計が約90重量%
    以下である、冷凍ブロック。
  2. 【請求項2】 粗脂肪としての脂肪含有量が、約5重量
    %以上である請求項1項記載の冷凍ブロック。
  3. 【請求項3】 粗脂肪としての脂肪含有量と水分含有量
    の合計が、約40重量%以上である請求項1記載の冷凍
    ブロック。
  4. 【請求項4】 粗脂肪としての脂肪含有量が約5重量%
    以上であり、かつ前記脂肪含有量と水分含有量の合計が
    約40重量%を超える請求項1記載の冷凍ブロック。
  5. 【請求項5】 魚餌の対象魚がハマチ、タイ、ヒラメ、
    銀ザケ、フグ、カンパチ、ヒラマサ、マアジおよびシマ
    アジからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求
    項1〜4のいずれかに記載の冷凍ブロック。
  6. 【請求項6】 ペレットを形成するために用いる請求項
    1〜4のいずれかに記載の冷凍ブロック。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の魚餌用冷凍ブロックから
    調製した魚餌用ペレット。
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