JPH08288717A - 誘電体共振器 - Google Patents

誘電体共振器

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JPH08288717A
JPH08288717A JP9246795A JP9246795A JPH08288717A JP H08288717 A JPH08288717 A JP H08288717A JP 9246795 A JP9246795 A JP 9246795A JP 9246795 A JP9246795 A JP 9246795A JP H08288717 A JPH08288717 A JP H08288717A
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dielectric resonator
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凖 服部
Toru Kurisu
徹 栗栖
Makoto Abe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】所定の外形寸法で所望の共振周波数を得ること
ができ、よって、より小形の誘電体共振器を提供する。 【構成】キャビティ1内に、TMモードを有する2つの
共振子2a,2bを十字形状に一体成形した誘電体共振
子2が収納され、誘電体共振子の中央部には厚み方向に
断面円形状の穴4aが設けられ、穴4aの内面には導体
5が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビティ内にTMモ
ード誘電体共振子を設けてなる誘電体共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のTMモードを利用した誘電体共振
器の構造を図6に示す。以下の図において、点塗り潰し
部は導体が形成された部分を示す。
【0003】図6に示すように、この誘電体共振器は、
導波管として機能するキャビティ1内にTM二重モード
誘電体共振子2を設けて一体化したものである。誘電体
共振子2は、誘電体セラミックスからなり、TMモード
を有する2つの四角柱状の共振子2a,2bを互いに直
交させて十字形状に一体成形したものである。キャビテ
ィ1は、誘電体共振子2とともに一体成形した略四角筒
形状の枠体の2つの開口面に側板(図示省略)を取り付
けて形成され、外面の全面にはAg等の導体3(以下、
キャビティ導体と記す)が形成されている。
【0004】なお、上記側板は、誘電体セラミックスの
表面に導体を形成したもの、金属製の導体板、または誘
電体共振器を収納する金属ケースの一部で構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の誘電体共振
器では、誘電体共振器の外形寸法つまりキャビティ1の
寸法を一定とした場合、誘電体共振子2の幅W、厚みT
を変えることで、共振周波数を変えて、所望の共振周波
数を得るようにしている。つまり、各共振子2a,2b
のキャビティ1と連設する方向(以下、軸方向と記す)
に垂直な方向の断面積を変えて、各共振子2a,2bの
両端面間の導体間容量を変えることで、それぞれの共振
周波数の設定、変更を行っている。例えば、共振子2
a,2bの幅W、厚みTを大きくして、各共振子2a,
2bの容量を大きくすることでそれぞれの共振周波数を
下げることができる。
【0006】しかしながら、誘電体共振子2の幅W、厚
みTの寸法を大きくするには限界があり、外形寸法を変
更することなく実現できる共振周波数の範囲には限界が
あり、同一外形寸法で広範囲に亘る共振周波数を設定す
ることが困難であった。
【0007】すなわち、所定の外形寸法で、所望の共振
周波数を得ることが困難であり、また、逆に、所定の共
振周波数を得るために誘電体共振器を所望の外形寸法に
設定できず、誘電体共振器の小形化が困難であった。
【0008】そこで、本発明の目的は、以上のような従
来の誘電体共振器が持つ問題点を解消し、所定の外形寸
法で、所望の共振周波数を得ることができ、よって、よ
り小形の誘電体共振器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、キャビティ内に、TMモー
ドの誘電体共振子を収納してなる誘電体共振器におい
て、前記誘電体共振子に、内面に導体が形成された穴が
少なくとも1つ形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、前記穴は、前記誘電体共振子の厚み方向ま
たは幅方向に形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明において、前記穴は、前記キャビティの外壁から前記
誘電体共振子の軸方向に形成され、前記穴の内面に形成
された導体がキャビティ導体と導通していることを特徴
とするものである。
【0012】請求項4に係る発明は、キャビティ内に、
TMモードの誘電体共振子を収納してなる誘電体共振器
において、前記誘電体共振子に、内面に導体が形成され
た穴が複数形成され、前記穴の少なくとも1つが誘電体
共振子の厚み方向または幅方向に形成されるとともに、
前記穴の少なくとも1つが前記キャビティの外壁から前
記誘電体共振子の軸方向に形成され、前記軸方向に形成
された穴の内面に形成された導体がキャビティ導体と導
通していることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】上記の構成によれば、誘電体共振子に、内面に
導体が形成された穴が形成され、誘電体共振子の対向す
る両端面間に導体が介在するか、または両端面間の距離
(寸法)が短くなるかの少なくともいずれかの構成とな
るので、誘電体共振子の両端面間の導体間容量が大きく
なり、誘電体共振子の共振周波数を下げることができ
る。そして、穴の形状、径、深さ、形成位置等を変える
ことにより、共振周波数を広範囲に亘って変えることが
でき、所望の共振周波数に設定することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて説明する。図において、従来例と同一または相当す
る部分、同一機能のものについては同一符号を付す。
【0015】本発明の第1実施例に係る誘電体共振器の
構造を図1に示す。図1(a)は誘電体共振器の外観斜
視図、図1(b)は図1(a)のX−X線断面図であ
る。
【0016】図1(a)及び(b)に示すように、本実
施例の誘電体共振器は、キャビティ1内に十字形状のT
M二重モード誘電体共振子2を設けて一体化したもので
あり、2つの共振子2a,2bの交差部となる誘電体共
振子2の中央部には厚み方向(図において上下方向)に
断面円形状の穴4aが設けられ、穴4aの内周面の全面
にはAg等の導体5が形成されている。穴4aは対向面
を貫通して形成されている。導体5が形成された穴4a
以外の構成については、従来例の図6に示したものと同
様の構成であり、その説明を省略する。
【0017】この構成においては、各共振子2a,2b
の軸方向における中央部には導体5が介在しているの
で、各共振子2a,2bの対向する両端面間の導体間容
量が大きくなり、共振子2a,2bに対応するそれぞれ
の共振周波数が低下する。すなわち、キャビティ1の寸
法及び各共振子2a,2bの寸法を変えることなく、共
振周波数を下げることができる。そして、穴4aの径を
変えることにより、共振周波数を適宜設定することがで
きる。逆に、共振周波数を一定とした場合、キャビティ
1の寸法及び各共振子2a,2bの寸法を小さくするこ
とができる。
【0018】図2は第1実施例の変形例を示す誘電体共
振器の正面図であり、各共振子2a,2bには厚み方向
にそれぞれ2つの断面略四角形状の穴4aが形成され、
各穴4aの内面にはそれぞれ導体が形成されている。こ
の構成においては、穴4aの径、穴4aの形成位置を変
えることにより、共振周波数を変えることができる。
【0019】このように、誘電体共振子の厚み方向に設
けられる穴4aの数、形状、形成位置は特に限定される
ものではなく、穴4aの数、形状、形成位置は所望の共
振周波数及び他の特性を考慮して適宜設定される。
【0020】なお、上記実施例では、穴は厚み方向の対
向面を貫通して形成されているが、穴の形成方向は幅方
向としてもよく、有底の穴であってもよい。
【0021】次ぎに、本発明の第2実施例に係る誘電体
共振器の構造を図3に示す。図3(a)は誘電体共振器
の外観斜視図、図3(b)は図3(a)の側面図であ
る。
【0022】図3(a)及び(b)に示すように、本実
施例の誘電体共振器では、共振子2a,2bの両端面に
あたるキャビティ1との連設部の中央部にはそれぞれキ
ャビティ1の外壁から共振子2a,2bの内部に向かっ
て、有底の円筒状の穴4bが形成され、各穴4bの内面
の全面には導体3aが形成され、導体3aはキャビティ
導体3に導通している。つまり、本実施例の穴4bは各
共振子2a,2bの軸方向に形成され、キャビティ導体
3は穴4bの内面にも連続して形成されている。穴4b
以外の構成については、従来例の図6に示したものと同
様の構成であり、その説明を省略する。
【0023】この構成では、各共振子2a,2bのそれ
ぞれの端面にはキャビティ導体3が形成された穴4bが
形成され、各共振子2a,2bの対向する両端面間の距
離(寸法)が小さくなるので、各共振子2a,2bの両
端面間の導体間容量が大きくなり、共振子2a,2bに
対応するそれぞれの共振周波数が低下する。すなわち、
キャビティ1の寸法及び各共振子2a,2bの寸法を変
えることなく、共振周波数を下げることができる。そし
て、穴4aの径、深さを変えることにより、共振周波数
を適宜設定することができる。
【0024】逆に、共振周波数を一定とした場合、キャ
ビティ1の寸法及び各共振子2a,2bの寸法、つまり
誘電体共振器の外形寸法を小さくすることができる。
【0025】なお、上記実施例では、穴4bは一定の径
の筒状に形成されているが、図4に示すように、共振子
2a,2bの内部に向かって内径が小さくなるように錐
状に形成してもよく、断面形状も略四角形状に形成して
もよく、穴4bの形状は特に限定するものではない。ま
た、穴4bの形成位置、数等も特に限定するものではな
い。
【0026】次ぎに、本発明の第3実施例に係る誘電体
共振器の構造を図5に示す。図5は誘電体共振器の外観
斜視図である。
【0027】図5に示すように、本実施例の誘電体共振
器では、2つの共振子2a,2bの交差部には厚み方向
に、内面に導体5が形成された円筒状の穴4aが設けら
れ、共振子2a,2bの両端面にあたるキャビティ1と
の連設部にはそれぞれキャビティ1の外壁から共振子2
a,2bの内部に向かって、有底の略四角錐状の穴4b
が設けられ、各穴4bの内面の全面にはキャビティ導体
3と導通する導体3aが形成されている。穴4a,4b
以外の構成については、従来例の図6に示したものと同
様の構成であり、その説明を省略する。つまり、本実施
例の誘電体共振器は、第1実施例及び第2実施例に係る
構成を組合わせたものであり、誘電体共振子の厚み方向
及び軸方向に、内面に導体が形成された穴が設けられて
いる。
【0028】この構成においては、キャビティ1の寸法
及び各共振子2a,2bの寸法を変えることなく、厚み
方向に形成された穴4a及び軸方向に設けられた穴4b
の内径寸法、形成位置、深さ等を変えることにより、共
振周波数を適宜設定することができる。つまり、穴4a
及び穴4bを形成することにより、各共振子2a,2b
の容量の設定の自由度が増すことができ、所望の共振周
波数をより容易に得ることができる。
【0029】上記各実施例の穴4a,4bは、誘電体共
振器の成形時に形成、または誘電体共振器成形後、切削
等により形成される。
【0030】なお、上記各実施例では、各穴4a,4b
の内面の全面に導体を形成したもので説明したが、これ
に限るものではなく、穴の内面の所定の部分にのみ導体
を形成するようにしてもよい。この場合、穴の内面に形
成される導体の面積、形成箇所等により共振周波数を変
えることもできる。
【0031】また、上記各実施例では、キャビティと一
体成形された十字状のTM二重モード誘電体共振子を内
蔵した誘電体共振器で説明したが、これに限るものでは
なく、1つの柱状のTMモード誘電体共振子、あるいは
3つの共振子を互いに交差させて一体成形したTMモー
ド誘電体共振子を内蔵したものでもよい。また、誘電体
共振子はキャビティと一体成形されたものに限ることは
なく、誘電体共振子をAgペースト等でキャビティに焼
き付け接合したものでもよい。
【0032】また、キャビティも表面に導体が形成され
た6枚のセラミック板をAgペースト等で焼付け張り合
わせたもの、または導電性の金属ケースであってもよ
い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る誘電
体共振器によれば、誘電体共振子に、内面に導体が形成
された穴を形成することにより、誘電体共振子の対向す
る両端面間に導体を介在させる、または両端面間の距離
(寸法)を短くするので、誘電体共振子の両端面間の導
体間容量が大きくなり、誘電体共振子の共振周波数を下
げることができる。そして、穴の形状、径、深さ、形成
位置等を変えることにより、共振周波数を広範囲に亘っ
て変えることができる。
【0034】さらに、穴の内面に形成される導体の面
積、形成箇所を変えることにより、共振周波数を変える
こともできる。
【0035】したがって、本発明によれば、所定の外形
寸法で所望の共振周波数を得ることができるので、誘電
体共振器をより小形化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1実施例に係る誘電体共
振器の外観斜視図、(b)は、(a)のX−X線断面図
である。
【図2】本発明の他の実施例に係る誘電体共振器の正面
図である。
【図3】(a)は、本発明の第2実施例に係る誘電体共
振器の外観斜視図、(b)は、側面図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る誘電体共振器の外観
斜視図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る誘電体共振器の外観
斜視図である。
【符号の説明】
1 キャビティ 2,2a,2b 誘電体共振子 3 キャビティ導体 4a,4b 穴 3a、5 導体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】追加
【補正内容】
【図6】従来の誘電体共振器の外観斜視図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ内に、TMモードの誘電体共
    振子を収納してなる誘電体共振器において、 前記誘電体共振子に、内面に導体が形成された穴が少な
    くとも1つ形成されていることを特徴とする誘電体共振
    器。
  2. 【請求項2】 前記穴は、前記誘電体共振子の厚み方向
    または幅方向に形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の誘電体共振器。
  3. 【請求項3】 前記穴は、前記キャビティの外壁から前
    記誘電体共振子の軸方向に形成され、前記穴の内面に形
    成された導体がキャビティ導体と導通していることを特
    徴とする請求項1に記載の誘電体共振器。
  4. 【請求項4】 キャビティ内に、TMモードの誘電体共
    振子を収納してなる誘電体共振器において、 前記誘電体共振子に、内面に導体が形成された穴が複数
    形成され、前記穴の少なくとも1つが誘電体共振子の厚
    み方向または幅方向に形成されるとともに、前記穴の少
    なくとも1つが前記キャビティの外壁から前記誘電体共
    振子の軸方向に形成され、前記軸方向に形成された穴の
    内面に形成された導体がキャビティ導体と導通している
    ことを特徴とする誘電体共振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0789417A1 (en) * 1996-02-07 1997-08-13 Murata Manufacturing Co., Ltd. Dielectric resonator
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WO2000079640A1 (de) * 1999-06-18 2000-12-28 Forschungszentrum Jülich GmbH Dielektrische resonatorkonfiguration für mikrowellen-mehrpolbandpassfilter

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