JP3159025B2 - 誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体フィルタ

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JP3159025B2
JP3159025B2 JP00245296A JP245296A JP3159025B2 JP 3159025 B2 JP3159025 B2 JP 3159025B2 JP 00245296 A JP00245296 A JP 00245296A JP 245296 A JP245296 A JP 245296A JP 3159025 B2 JP3159025 B2 JP 3159025B2
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resonators
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小八 西嶋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の移動
通信機器に使用される誘電体フィルタに関し、特に、単
一の誘電体ブロック内に複数の共振器孔が形成され、共
振器孔の開口面にパターン電極が形成された誘電体フィ
ルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の誘電体フィルタとして、
例えば図4に示すような構造のものがある。以下の図に
おいて、点塗り潰し部は、誘電体ブロックの素地が露出
する部分(導体非形成部)である。
【0003】この誘電体フィルタは、図4に示すよう
に、直方体形状の誘電体ブロック1の対向する一対の端
面を貫通して、内面に内導体3が形成された5つの共振
器孔2a〜2eが形成され、誘電体ブロック1の両主面
部であって共振器孔2a,2b,2c及び共振器孔2
d,2eの間にはそれぞれV字状の溝6が形成され、誘
電体ブロック1の外面の略全体を覆うように外導体4が
形成されている。
【0004】誘電体ブロック1の一方の端面(図4にお
いて前面)には、共振器孔2a〜2eのそれぞれの内導
体3と導通し外導体4と分離する結合電極9、・・が形
成され、両端部に位置する結合電極9、9の外側に入出
力電極5、5が形成されている。入出力電極5、5は実
装面となる底面(図4において下面)に跨って形成され
ている。各内導体3は他方の端面(図4において背面)
では外導体4と導通されている。内導体3及び外導体4
は銀等の導体ペーストを塗布、焼付けして形成されてい
る。
【0005】この誘電体フィルタは、各共振器孔2a〜
2e毎に形成される5つの共振器からなり、各共振器は
それぞれの結合電極9と外導体4との間に生じるストレ
ー容量、及び各結合電極9間に生じる結合容量により結
合されるとともに、前記溝6により隣り合う共振器間の
結合度を調整するように構成されている。また、各入出
力電極5とこれに対向する結合電極9との間に生じる結
合容量により外部結合を得ている。
【0006】つまり、前記溝6は隣り合う共振器間の結
合度を調整するものであり、その切込みの深さ、幅等を
変えることにより、各内導体と外導体との距離を変えて
各共振器の自己容量を調整するとともに、隣り合う共振
器間の一部に空気を介在させて共振器間の相互容量を調
整している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の誘電体フィルタにおいては、誘電体ブロックに溝が
設けられているので、外導体を形成する際に、印刷等に
より一括して導体を形成することができず、また、導体
ペーストがV字状の溝に溜まる等、外導体の形成作業が
複雑になり、外導体形成コストが高くなるという問題が
あった。
【0008】また、外形形状が複雑であり、誘電体ブロ
ックの成形金型が高価になり誘電体ブロック成形コスト
が高くなる、また、外形にソリ等の変形が発生する等、
外形寸法のばらつきが大きくなるという問題があった。
【0009】そこで、本発明の目的は、以上のような従
来の誘電体フィルタが持つ問題点を解消し、誘電体ブロ
ックの外面に溝等を設けることなく、隣り合う共振器間
の結合度を所望の値に設定することができ、よって、安
価で、特性の良好な誘電体フィルタを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、それぞれ短辺と長辺からなる矩形状の一
対の端面とこれらの両端面間をつなぐ4つの側面とを有
する誘電体ブロックと、前記両端面間を貫通して形成さ
れ、かつ前記両端面の長辺と平行に一列に配列された複
数の共振器孔と、前記共振器孔の内周面に形成された内
導体と、前記誘電体ブロックの外面に形成された外導体
と、前記両端面のうち一方の端面に形成され、かつ前記
内導体と導通し前記外導体及び隣り合う内導体と分離さ
れた結合電極とを備え、前記各内導体と前記外導体とに
よって複数の共振器が形成され、前記結合電極間の容量
によって互いに隣り合う共振器同士を容量結合させてな
る誘電体フィルタにおいて、前記一列に配置された複数
の共振器の少なくとも1つの互いに隣り合う共振器と共
振器の間であって、前記両端面の長辺と平行な2つの側
面の両方の側面側寄りに、前記両端面間を貫通してそれ
ぞれ1つの結合孔が設けられ、該結合孔の内周面に前記
両端面で外導体と導通する導体膜が形成されていること
を特徴とするものである。
【0011】上記の構成によれば、共振器孔の間には、
内周面に外導体と導通する導体膜が形成された結合孔が
形成されており、該結合孔の径、形成位置、形状または
数を変えることにより、各共振器の自己容量及び隣り合
う共振器間の相互容量を変えることができる。したがっ
て、誘電体ブロックの外形形状を変えることなく、隣り
合う共振器間の結合度を所望の値に設定することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施例を示す
図面に基づいて説明する。図において、従来例と同一ま
たは相当する部分、同一機能のものについては同一符号
を付す。
【0013】本発明の一実施例に係る誘電体フィルタの
構造を図1及び図2に示す。図1は誘電体フィルタの外
観斜視図、図2は図1の誘電体フィルタをX−X線で切
断した下側の部分を示す斜視図である。
【0014】本実施例の誘電体フィルタは、図1及び図
2に示すように、直方体形状の誘電体ブロック1の対向
する一対の端面間を貫通して、内周面に内導体3が形成
された5つの共振器孔2a〜2e及び内周面に導体膜8
が形成された6つの結合孔7が形成され、誘電体ブロッ
ク1の外面には、略全体を覆うように外導体4が形成さ
れている。
【0015】誘電体ブロック1の一方の端面(図1及び
図2において前面)には、共振器孔2a〜2eのそれぞ
れの内導体3と導通し外導体4と分離する結合電極9、
・・が形成され、両側部に位置する結合電極9、9の外
側に入出力電極5、5が形成されている。入出力電極
5、5は実装面となる底面(図1及び図2において下
面)に跨って形成されている。各内導体3は他方の端面
では外導体4と導通されている。
【0016】結合孔7は、共振器孔2a,2b,2c及
び共振器孔2d,2eの間であって、厚み方向の上部側
及び下部側の部分にそれぞれ形成されている。結合孔7
の内周面の全面に形成された導体膜8は、誘電体ブロッ
クの両端面で外導体4と導通されており、外導体4と同
様にアース導体として機能している。共振器孔2c,2
dの間には結合孔7は形成されていない。
【0017】結合孔7は隣り合う共振器間の結合度を調
整するためのものであり、図4で示した従来例の溝に代
えて、本実施例では結合度調整手段として結合孔7を設
けている。結合度調整手段以外の構成は、従来例と同様
の構成となっている本実施例の誘電体フィルタにおいて
は、アース導体として機能する各導体膜8と各共振器孔
2a〜2eの各内導体3との距離が短くなり各共振器の
自己容量が増加し、結合孔7を挟む各共振器間には結合
孔7による空洞が介在して、共振器間の相互容量が減少
するため、結合孔7を挟む各共振器間の誘導性結合が弱
められる。つまり、隣り合う共振器孔の間に結合孔を設
けることにより、各共振器の自己容量及び共振器間の相
互容量を変化させて隣り合う共振器の結合度が調整され
ている。
【0018】そして、結合孔の径、形成位置、形状また
は数を変えることにより、各共振器の自己容量及び隣り
合う共振器間の相互容量を所望の値に設定することがで
きる。したがって、誘電体ブロック1の外形形状を変え
ることなく、隣り合う共振器間の結合度をそれぞれ所望
の値に設定することができ、所望の減衰特性を容易に得
ることができる。
【0019】なお、上記実施例のように結合孔が形成さ
れていない共振器間があってもよく、また、結合孔7の
形状は、断面円形状に限るものではなく、図3に示す共
振器孔2d,2e間に形成された結合孔7のように、断
面略楕円状の形状であってもよい。
【0020】また、上記実施例では、各共振器孔は断面
略楕円状に形成されているが、これに限るものではな
く、各共振器孔の形状は断面円形状など他の形状であっ
てもよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る誘電
体フィルタによれば、共振器孔の間には内周面に外導体
と導通する導体膜が形成された結合孔が形成されてお
り、該結合孔の径、形成位置、形状または数を変えるこ
とにより、隣り合う共振器間の結合度を所望の値に設定
することができる。
【0022】つまり、隣り合う共振器の結合度を調整す
るために誘電体ブロックの外面に溝等を形成する必要は
なく、誘電体ブロックの外面が平面で形成されているの
で、外導体の形成を容易に行うことができ、かつ、単純
な成形金型で誘電体ブロックを成形することができ、ソ
リ等の変形のない誘電体ブロックを形成することができ
る。したがって、外導体形成コスト、誘電体ブロックの
成形コストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る誘電体フィルタの外観
斜視図である。
【図2】図1に示す誘電体フィルタをX−X線で切断し
た下側の部分を示す斜視図である。
【図3】本発明の参考例に係る誘電体フィルタの斜視図
である。
【図4】従来の誘電体フィルタの外観斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−284002(JP,A) 特開 平2−55402(JP,A) 特開 昭58−3301(JP,A) 特開 平5−327312(JP,A) 特開 平5−226909(JP,A) 特開 平1−220501(JP,A) 特開 昭58−38001(JP,A) 特開 昭62−176202(JP,A) 実開 平2−75804(JP,U) 実開 昭59−134902(JP,U) 実開 平2−108402(JP,U) 実開 昭64−48903(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/205

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ短辺と長辺からなる矩形状の一
    対の端面とこれらの両端面間をつなぐ4つの側面とを有
    する誘電体ブロックと、前記両端面間を貫通して形成さ
    れ、かつ前記両端面の長辺と平行に一列に配列された複
    数の共振器孔と、前記共振器孔の内周面に形成された内
    導体と、前記誘電体ブロックの外面に形成された外導体
    と、前記両端面のうち一方の端面に形成され、かつ前記
    内導体と導通し前記外導体及び隣り合う内導体と分離さ
    れた結合電極とを備え、前記各内導体と前記外導体とに
    よって複数の共振器が形成され、前記結合電極間の容量
    によって互いに隣り合う共振器同士を容量結合させてな
    る誘電体フィルタにおいて、 前記一列に配置された複数の共振器の少なくとも1つの
    互いに隣り合う共振器と共振器の間であって、前記両端
    面の長辺と平行な2つの側面の両方の側面側寄りに、前
    記両端面間を貫通してそれぞれ1つの結合孔が設けら
    れ、該結合孔の内周面に前記両端面で外導体と導通する
    導体膜が形成されていることを特徴とする誘電体フィル
    タ。
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